JPH07237834A

JPH07237834A - エレベータシステム

Info

Publication number: JPH07237834A
Application number: JP2967394A
Authority: JP
Inventors: Kimio Matsumoto; 公雄松本; Atsuro Nishigaki; 敦郎西垣; Kazuhiro Sawaike; 一浩澤池; Akitoshi Yamashita; 明俊山下; Tomohiko Tsumura; 知彦津村
Original assignee: Sanyo Electric Co Ltd; Fujitec Co Ltd
Current assignee: Sanyo Electric Co Ltd; Fujitec Co Ltd
Priority date: 1994-02-28
Filing date: 1994-02-28
Publication date: 1995-09-12

Abstract

(57)【要約】【目的】エレベータ制御装置４によって動作が制御さ
れる乗りかご１内に映像表示装置２を設置したエレベー
タシステムにおいて、非常事態発生時に、搭乗者に対し
て非常事態の発生と対処方法を適確に伝える。【構成】エレベータシステムは、エレベータの運転に
非常事態が発生したときに映像表示装置２を通じて放送
すべき映像が乗りかご１の停止階毎に記録されているデ
ィジタル映像音響記録装置７と、非常事態発生時に乗り
かご１の停止階を検知すると共に、ディジタル映像音響
記録装置７から停止階に対応する記録信号を読み出し
て、映像表示装置２へ供給する映像音響制御装置６とを
具えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エレベータの乗りかご
内に映像表示装置を設置したエレベータシステムに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】エレベータに乗り合わせる搭乗者はお互
いに知合いでないのが通常であり、然もエレベータ内の
搭乗スペースは限られているから、特に大勢の搭乗者で
混雑した場合には、お互いが接近或いは接触することと
なって、不快感や緊張感を生む。

【０００３】そこで、従来はストレス解消策として、乗
りかご内に心地好い照明を施したり、音楽を流す等の工
夫が為されている。

【０００４】又、乗りかご内の垂直壁面に映像表示装置
を設けて、搭乗者の視線を映像に集めることによって、
ストレスを軽減せんとするエレベータシステムが提案さ
れている(特開平3-182489号〔B66B11/02〕)。

【０００５】ところで、エレベータの運転中に火災や地
震等の非常事態が発生した場合、従来のエレベータシス
テムにおいては、乗りかご内に設置されたインターホン
を通じて運転管理係員との交信が可能となり、搭乗者
は、運転管理係員からの指示に従うことによって、非常
事態に対処することが出来る。そして、乗りかごが最寄
の階で非常停止して、扉から通路へ降りた搭乗者は、通
路に設けられている非常出口の標示灯や、避難経路を図
示したパネルの指示に従って、安全な場所へ避難する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エレベータシステムにおいては、非常事態が発生したと
き、搭乗者の注意が映像表示装置に引き付けられたまま
となって、非常事態の発生に気付くのが遅れてしまう虞
れがある。又、非常事態の発生によって極度の緊張状態
に陥った搭乗者に対し、音声のみによる交信では、運転
管理係員の指示が搭乗者へ正確に伝わらない虞れがあ
る。然も、初めて来訪したビル内においては、エレベー
タの搭乗者は非常口の位置や避難経路を認識しておら
ず、非常事態発生時には、非常停止した階から乗りかご
の外へ出ない限り、その階の非常口の位置や避難経路を
確認出来ないから、その確認に時間がかかって、避難が
遅れる問題がある。

【０００７】本発明の目的は、非常事態発生時に、搭乗
者に対して非常事態の発生と対処方法を適確に伝えるこ
とが出来るエレベータシステムを提供することである。

【０００８】

【課題を解決する為の手段】本発明に係るエレベータシ
ステムは、エレベータ制御装置(４)によって動作が制御
される乗りかご(１)内に映像表示装置(２)を設置したも
のであって、エレベータの運転に非常事態が発生したと
き、前記映像表示装置(２)を通じて放送すべき映像が、
乗りかご(１)の停止階毎に記録されている映像記録装置
と、非常事態発生時に乗りかご(１)の停止階を検知する
と共に、前記映像記録装置から停止階に対応する記録信
号を読み出して、映像表示装置(２)へ供給する映像制御
装置とを具えている。

【０００９】本発明に係る他のエレベータシステムは、
乗りかご(１)内に映像表示装置(２)及びスピーカ装置
(３)を設置したものであって、エレベータの運転に非常
事態が発生したとき、前記映像表示装置(２)及びスピー
カ装置(３)を通じて放送すべき映像及び音響が、乗りか
ご(１)の停止階毎に記録されている映像音響記録装置
(７)と、非常事態発生時に乗りかご(１)の停止階を検知
すると共に、前記映像音響記録装置(７)から停止階に対
応する記録信号を読み出して、映像表示装置(２)及びス
ピーカ装置(３)へ供給する映像音響制御装置(６)とを具
えている。

【００１０】

【作用】エレベータの正常な運転状態において、乗りか
ご(１)内の映像表示装置(２)には、必要に応じて平常時
用の映像が映し出される。これによって、搭乗者の視線
が映像表示装置(２)の映像に集められ、複数人が乗り合
わせたことに伴う緊張感が和らげられる。

【００１１】火災や地震等の非常事態が発生した場合
は、自動的に、或いは運転監視員による操作によって、
エレベータ制御装置(４)へ運転停止指令が発せられ、エ
レベータ制御装置(４)はこれに応じて乗りかご(１)を最
寄の階で停止させる。映像制御装置は、エレベータ制御
装置(４)から得られる信号に基づいて、乗りかご(１)の
停止階を検知すると共に、映像記録装置から停止階に対
応する記録信号を読み出して、映像表示装置(２)へ供給
する。ここで映像記録装置には、例えば非常事態の発生
と乗りかご(１)の停止階毎の避難経路を表わす映像が記
録されているから、搭乗者は、迅速に非常事態の発生を
認識すると共に、乗りかご(１)が非常停止するまでの期
間に、避難経路などの対処方法を正確に把握することが
出来る。又、この心の準備によって緊張度が和らぎ、そ
の後の対処が冷静に行なわれる。

【００１２】乗りかご(１)内に、更にスピーカ装置(３)
を設置したエレベータシステムにおいては、映像音響記
録装置(７)に、例えば乗りかご(１)の停止階毎の避難経
路の映像と共に、音声による誘導案内が記録されている
から、映像表示装置(２)に眼を向けていなかった搭乗者
も、非常事態の発生と対象方法を知ることが出来る。

【００１３】

【発明の効果】本発明に係るエレベータシステムによれ
ば、搭乗者は非常事態の発生を遅滞なく認識出来ると共
に、対処の方法を正確に把握することが出来る。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の一実施例につき、図面に沿っ
て詳述する。図１は本発明に係るエレベータシステムの
基本的な構成を表わしており、乗りかご(１)はエレベー
タ制御装置(４)によって運転が制御されている。乗りか
ご(１)内には、映像表示装置(２)とスピーカ装置(３)が
設置され、映像音響制御装置(６)を通じてディジタル映
像音響記録装置(７)から供給される映像及び音響を放送
することが可能である。

【００１５】図５は、乗りかご(１)内に映像表示装置
(２)及びスピーカ装置(３)を設置した一例を示してお
り、乗りかご(１)内の出入口ドア(14)の上方位置に、両
側壁(10)(10)に跨がると共に、天井(11)に対して所定角
度(例えば３０度〜４０度)だけ傾斜した傾斜壁(12)が設
けられ、該傾斜壁(12)に映像表示装置(２)が設置されて
いる。又、行き先階ボタン(13)の上方位置にはスピーカ
装置(３)が設置されている。この場合、乗りかご(１)内
にて出入口ドア(14)側に向いた搭乗者は、そのまま斜め
上方に視線を向ければ、視線が映像表示装置(２)の画面
に対して略垂直に対向することとなり、無理な姿勢をと
ることなく、画面の映像を観賞することが出来る。

【００１６】エレベータ運転監視室或いは乗りかご(１)
内外の適所には、図１に示す非常検出装置(５)が設置さ
れており、該非常検出装置(５)からエレベータ制御装置
(４)へ運転停止指令の非常コードが発せられる。エレベ
ータ制御装置(４)は、これに応じて乗りかご(１)を最寄
の階に緊急停止させる。

【００１７】映像音響制御装置(６)は、平常時にはエレ
ベータ制御装置(４)から送られてくるかご情報に基づい
て、非常事態発生時にはエレベータ制御装置(４)から送
られてくる非常信号及び停止階コードに基づいて動作す
るものであって、マイクロコンピュータから構成される
制御回路(61)と、該制御回路(61)による制御の下でディ
ジタル映像音響記録装置(７)から読み出される映像及び
音響データを一旦格納すると共に、必要な信号処理を施
してディジタル映像信号及びディジタル音響信号として
出力するビデオメモリ回路(62)と、該ビデオメモリ回路
(62)から出力されるディジタル映像信号及びディジタル
音響信号を夫々アナログ信号に変換するＤ／Ａ変換器(6
3)とを具えている。Ｄ／Ａ変換器(63)から出力されるア
ナログ映像信号は映像表示装置(２)へ、アナログ音響信
号はスピーカ装置(３)へ送られる。尚、上記非常信号に
は、火災、地震等の非常事態の種類に応じて異なるコー
ドが付与されている。

【００１８】ディジタル映像音響記録装置(７)は例えば
ハードディスクドライブ装置などから構成され、平常時
に放送すべき映像及び音響データと共に、非常事態発生
時に放送すべき映像及び音響データが格納されている。
ここで、非常事態発生時に放送すべき映像データは、例
えば図３及び図４に示す如く非常事態発生の内容と避難
経路を停止階毎にカラー画像で表示するものである。特
に避難経路を示す矢印は目立つ色を用いて表示される。
又、音響データは、表示内容を音声でアナウンスするも
のである。

【００１９】図２は、上記エレベータシステムの動作を
表わしており、先ずステップＳ０にてエレベータ制御装
置(４)が非常コードを受信したか否かを判断し、ＮＯの
場合は通常モードが設定され、ステップＳ１にて制御回
路(61)がエレベータ制御装置(４)からかご情報(階数、
速度など)を取得する。次にステップＳ２にて、制御回
路(61)は取得したかご情報に基づいて、ディジタル映像
音響記録装置(７)から読み出すべき映像データ及び音響
データの格納アドレス等、必要な制御信号を作成して、
ディジタル映像音響記録装置(７)へ送出する。

【００２０】この結果、ディジタル映像音響記録装置
(７)からは平常時に放送すべき映像データ及び音響デー
タが読み出され、ビデオメモリ回路(62)、Ｄ／Ａ変換器
(63)を経て映像信号及び音響信号に変換されて、映像表
示装置(２)及びスピーカ装置(３)へ夫々供給される。こ
れによって平常時の映像が映像表示装置(２)に映し出さ
れると共に、平常時の音響がスピーカ装置(３)から放音
される。その後、エレベータの運転が停止されたかどう
かを判断し、運転継続の場合はステップＳ０に戻って、
平常状態が続く限り、平常時の映像及び音響を放送す
る。

【００２１】ステップＳ０にて非常コードが受信された
ときは、非常モードに切り換えられ、必要に応じて運転
管理人による誤報でない旨の判断を経た後、ステップＳ
３へ移行し、エレベータ制御装置(４)は乗りかご(１)を
最寄の階に非常停止させるための制御信号を乗りかご
(１)へ発すると同時に、映像音響制御装置(６)へ非常信
号及び停止階コードを送出する。これに応じて制御回路
(61)は、非常事態の種類と非常停止する階に応じた非常
時の映像及び音響をディジタル映像音響記録装置(７)か
ら読み出すためのデータアドレスを決定する。

【００２２】そして、ステップＳ４にて、前記データア
ドレスを含む制御信号をディジタル映像音響記録装置
(７)へ送出して、ディジタル映像音響記録装置(７)から
映像データ及び音響データを読み出す。読み出されたデ
ータは、ビデオメモリ回路(62)、Ｄ／Ａ変換器(63)を経
て映像信号及び音響信号に変換されて、映像表示装置
(２)及びスピーカ装置(３)へ供給される。これによって
例えば図３に示す如く火災発生の事態と非常停止階にお
ける避難経路を示す非常時の映像が映像表示装置(２)に
表示されると共に、避難誘導を促すアナウンスがスピー
カ装置(３)から放音される。その後、非常事態が解除さ
れたかどうかを判断し、解除された時点でステップＳ１
へ移行して、通常モードへ戻り、平常時の映像及び音響
の放送を行なう。

【００２３】上記エレベータシステムによれば、非常事
態発生時には、乗りかごが緊急停止する階の避難経路が
予め画像によって搭乗者に報知されるので、搭乗者の動
揺が緩和されて、その後の避難を迅速且つ安全に行なう
ことが出来る。又、平常時に常に動作している映像表示
装置(２)を用いて、非常時の映像を映し出すので、非常
時の動作の信頼性が保証される。

【００２４】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。

【００２５】例えば、映像表示装置(２)に表示すべき映
像は、図３及び図４に示す如き静止画のみならず、映像
音響制御装置(６)によって映像の一部を点滅させたり、
動画を採り入れる等、種々の映像が採用可能である。
又、非常事態の発生は非常検出装置(５)が自動的に検出
する構成に限らず、手動の釦操作によってエレベータ制
御装置(４)へ非常コードを供給する構成も可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】エレベータシステムの構成を示すブロック図で
ある。

【図２】エレベータシステムの動作を表わすフローチャ
ートである。

【図３】映像表示装置に表示すべき映像の一例を示す図
である。

【図４】同上の他の例を示す図である。

【図５】乗りかご内における映像表示装置の位置及び姿
勢を示す斜視図である。

【符号の説明】

(１) 乗りかご (２) 映像表示装置 (３) スピーカ装置 (４) エレベータ制御装置 (５) 非常検出装置 (６) 映像音響制御装置 (７) ディジタル映像音響記録装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者澤池一浩大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号三洋電機株式会社内 (72)発明者山下明俊大阪府守口市京阪本通２丁目５番５号三洋電機株式会社内 (72)発明者津村知彦大阪府茨木市庄１丁目28番10号フジテック株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エレベータ制御装置(４)によって動作が
制御される乗りかご(１)内に映像表示装置(２)を設置し
たエレベータシステムであって、エレベータの運転に非常事態が発生したとき、前記映像
表示装置(２)を通じて放送すべき映像が、乗りかご(１)
の停止階毎に記録されている映像記録装置と、非常事態発生時に乗りかご(１)の停止階を検知すると共
に、前記映像記録装置から停止階に対応する記録信号を
読み出して、映像表示装置(２)へ供給する映像制御装置
とを具えたことを特徴とするエレベータシステム。
【請求項２】映像制御装置は非常事態の種類に応じて
異なる記録信号を映像記録装置から読み出す請求項１に
記載のエレベータシステム。
【請求項３】エレベータ制御装置(４)によって動作が
制御される乗りかご(１)内に映像表示装置(２)及びスピ
ーカ装置(３)を設置したエレベータシステムであって、エレベータの運転に非常事態が発生したとき、前記映像
表示装置(２)及びスピーカ装置(３)を通じて放送すべき
映像及び音響が、乗りかご(１)の停止階毎に記録されて
いる映像音響記録装置(７)と、非常事態発生時に乗りかご(１)の停止階を検知すると共
に、前記映像音響記録装置(７)から停止階に対応する記
録信号を読み出して、映像表示装置(２)及びスピーカ装
置(３)へ供給する映像音響制御装置(６)とを具えたこと
を特徴とするエレベータシステム。
【請求項４】映像音響制御装置(６)は非常事態の種類
に応じて異なる記録信号を映像音響記録装置(７)から読
み出す請求項３に記載のエレベータシステム。