JPH0723711U - 互いに直角に設置された垂直搬送装置と回転棚による物品移載・保管システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 垂直搬送装置と回転棚による物品の移載・保
管システムであって長さが短いものの提供。 【構成】 物品移載・保管システム４９は、垂直面にお
いて縦長の長円上を循環移動し且つ水平方向に離間した
一対のチェーンと、この一対のチェーンに一体に設けら
れた一対のブラケット６４，６４と、この一対のブラケ
ット間に垂直面において回転可能に設けられた物品支持
体６５と、この物品支持体に一体に設けられた傾き防止
ピンと、垂直面において縦長の長円に形成され傾き防止
ピンが係合するガイド溝とを具えた垂直搬送装置６０
と、物品Ｗを保管して長円上を水平循環移動する移動棚
を複数段具えた回転棚と、垂直搬送装置から回転棚へ物
品の移載を行なう移載手段５９とを有し、垂直搬送装置
と回転棚は互いに直角に設置されている。回転棚の長手
方向における回転棚と垂直搬送装置とを加えた長さは、
従来より短くなっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、物品を回転棚に入庫移載して保管するための、又は、回転棚に保管 されている物品を出庫移載するためのシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、物品を保管して移動する移動棚を複数段具えた回転棚と、移載装置とを 有する物品移載・保管システムには、次のようなものがある。 (1) 特開昭６２−１２１１１３号公報に記載の物品移載・保管システム（図８ 、図９参照）。 この物品移載・保管システム２０は、回転棚３２の端部に移載装置が設置され た構成になっている。 移載装置には、入庫用移載装置３０と出庫用移載装置３１とがある。 両方の移載装置３０，３１とも、平面形状が方形状に形成されており、長手方 向を回転棚３２の長手方向と平行にして設置されている。

【０００３】 移載装置３０，３１（図９参照）は、四角形状のガイドレール３５，３５を案 内にして移動する積載テーブル３６を有している。積載テーブル３６の間隔は、 積載テーブル３６がガイドレール３５の水平な部分を移動するとき、隣の積載テ ーブル３６と干渉しない程度に設定されている。 物品Ｗは、コンベヤ３３から、直交移載機３７、コンベヤ３８、入庫用移載装 置３０を経て、回転棚３２の移動棚３４に入庫される。さらに、物品は、回転棚 ３２の移動棚３４から、出庫用移載装置３１、コンベヤ３９、直交移載機２９を 経てコンベヤ３３に出庫される。

【０００４】 (2) 特公平３−４８０８５号公報に記載の物品移載・保管システム（図１０参 照）。 この物品移載・保管システム２１は、回転棚４２の長手方向の側面に沿って移 載装置４０が設置された構成になっている。 移載装置４０は、コンベヤ４３と回転棚４２の移動棚４１との間で物品Ｗの受 け渡しを行なうようになっている。 この移載装置４０も、四角形状のガイドレール（図示省略）を案内にして移動 する積載テーブル４４を有している。積載テーブル４４の間隔は、積載テーブル ４４がガイドレールの水平な部分を移動するとき、隣の積載テーブル４４と干渉 しない程度に設定されている。 積載テーブル４４上の物品を回転棚に入庫するプッシャ（図示省略）は、ラッ ク、ピニオン、リンク等で構成された駆動機構（図示省略）によって作動するよ うになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、これらの移載装置は、次の問題点を有している。 (1) 特開昭６２−１２１１１３号公報に記載の物品移載・保管システム２０（ 図８、図９参照）。 回転棚３２と移載装置３０，３１は、向きを長手方向に揃えて設置された配置 関係になっているため、システム全体が長い。 積載テーブル３６の間隔を干渉しない程度に広げてあるため、積載テーブル３ ６の上下方向の間隔を保管棚３２の棚段３４の間隔と同一にすることができず、 保管棚３２と移載装置３０，３１との間で同時に多数の物品Ｗの移載を行なうこ とができない。

【０００６】 (2) 特公平３−４８０８５号公報に記載の物品移載・保管システム２１（図１ ０参照）。 プッシャを作動させる複雑なプッシャ機構が必要である。 積載テーブル４４の間隔を干渉しない程度に広げてあるため、積載テーブル４ ４の上下方向の間隔を保管棚４２の棚段４１の間隔と同一にすることができず、 保管棚４２と移載装置４４との間で同時に多数の物品Ｗの移載を行なうことがで きない。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、垂直面において縦長の長円上を循環移動し且つ水平方向に離間した 一対のチェーンと、前記一対のチェーンに一体に設けられた一対のブラケットと 、前記一対のブラケット間に垂直面において回転可能に設けられた物品支持体と 、前記物品支持体に一体に設けられた傾き防止ピンと、垂直面において縦長の長 円に形成され前記傾き防止ピンが係合するガイド溝とを具えた垂直搬送装置と、 物品を保管して長円上を水平循環移動する移動棚を複数段具えた回転棚と、前記 垂直搬送装置から前記回転棚へ又は前記回転棚から前記垂直搬送装置へ物品の移 載を行なう移載手段とを有し、移動中に前記一対のブラケット間から突出した物 品支持体の側面は前記回転棚の端部に対向している物品移載・保管システムによ り、前記の課題を解決した。

【０００８】

【作用】

物品支持体は、傾き防止ピンとガイド溝との係合によって水平状態を維持した まま、チェーンに牽引されて循環移動をする。 物品支持体は、上昇（又は下降）中に一対のブラケット間に入り、下降（又は 上昇）中に一対のブラケット間から外方へ突出する。 突出した物品支持体の側面は回転棚の端部に対向する。物品は、移載手段によ って、垂直搬送装置（又は回転棚）から回転棚（又は垂直搬送装置）へ移載され 入庫（又は出庫）される。

【０００９】 一対のブラケット間から突出する物品支持体の側面が回転棚の端部に対向して いるため、垂直搬送装置と回転棚は互いに直角に配置されている。 従って、回転棚の長手方向における回転棚と垂直搬送装置とを加えた長さは、 従来より短くなっている。

【００１０】 物品支持体が上昇状態から下降状態に変わるとき、或いは、下降状態から上昇 状態に変わるとき、円弧移動するようになっているため、物品支持体同士の間隔 を従来の移載装置の積載テーブル同士の間隔より狭めても、物品支持体は互いに 干渉するようなことがない。 従って、物品支持体同士の間隔は、回転棚の移動棚同士の間隔と略々同一に設 定されている。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１乃至図７に基づいて説明する。 物品移載・保管システム４９は、複数の物品Ｗを回転棚５１に移載して保管す るシステムである。 物品移載・保管システム４９は、入庫用設備５０、回転棚５１、出庫用設備１ ５０等で構成されている。

【００１２】 回転棚５１（図１、図２参照）は、物品Ｗを保管して水平循環移動する移動棚 ５２を複数段具えている。 移動棚５２は、チェーン５３と、チェーン５３に連結された複数のトレー５４ とで構成されている。 チェーン５３は、一対のスプロケット５５，５５によって水平循環移動するよ うになっている。

【００１３】 次に入庫用設備５０（図３、図４参照）について説明する。 入庫用設備５０は、図１において回転棚５１の右端に設置されており、回転棚 ５１に物品を入庫する設備である。 入庫用設備５０は、垂直搬送装置６０、コンベヤ６１、押込み用プッシャ６２ 、押出し用プッシャ（移載手段）５９等で構成されている。

【００１４】 垂直搬送装置６０は、コンベヤ６１と回転棚５１との間で物品Ｗを垂直搬送す る装置である。 垂直搬送装置６０は、後述する一対のチェーン６３，６３の配列方向と回転棚 ５１の長手方向とを平行にして回転棚５１の傍に設置されている。 垂直搬送装置６０は、一対のチェーン６３，６３、一対のブラケット６４，６ ４、物品支持体６５、一対の傾き防止ピン６６，６７、一対のガイド溝６８，６ ９等で構成されている。

【００１５】 一対のチェーン６３，６３は、水平方向に離間して配列され、垂直面において 縦長の長円の軌跡を描いて循環移動するようになっている。 チェーン６３は、一対のスプロケット７０，７１に掛け渡されている。図３に おいて、下方のスプロケット７０は、駆動用スプロケットでありモータ７２によ って回転するようになっている。

【００１６】 チェーン６３には、一対のリンク７３，７４で構成されたブラケット６４が取 り付けられている。なお、一対のリンク７３，７４の替わりに三角形状の板材を 使用してもよい。 一対のリンク７３，７４（図３、図５参照）は、チェーン６３のピン７５に取 り付けられている。 ピン７５の両端には、ローラ７６，７６が取り付けられている。 ローラ７６は、チェーン６３，６３に沿って設けられたガイドレール７７内を 走行するようになっている。ガイドレール７７はチャネル材で構成されている。

【００１７】 一対のブラケット６４，６４間には、回転軸７８，７９によってトレー状の物 品支持体６５が垂直面において回転可能に設けられている。 回転軸７８，７９は、物品支持体６５に一体に設けられ、且つ、ブラケット６ ４，６４に回転可能に設けられている。 一方の回転軸７８には傾き防止リンク８０が、他方の回転軸７９には傾き防止 リンク８１が各々一体に設けられている。

【００１８】 各傾き防止リンク８０，８１の先端には、傾き防止ピン６６，６７が突設され ている。傾き防止ピン６６，６７の先端には、ローラ８２，８３が回転可能に設 けられている。 傾き防止ピン６６，６７のローラ８２，８３は、垂直面において縦長の長円に 形成されたガイド溝６８，６９内を走行するようになっている。 ローラ８２，８３の水平方向における間隔は、図３における一対のガイド溝６ ８，６９の左右方向の間隔と略々同一である。

【００１９】 次に垂直搬送装置６０の動作を説明する。 モータ７２を始動すると、一対のチェーン６３，６３は循環移動を開始する。 これにともなって、物品支持体６５も循環移動を開始する。 物品支持体６５は、移動中、回転軸７８，７９を中心にして垂直方向（図３に おいて上下方向）へ傾こうとした場合、傾き防止ピン６６，６７の先端に設けら れたローラ８２，８３がガイド溝６８，６９に当接し傾きが防止される。従って 、物品支持体６５は、水平状態を維持して移動する。

【００２０】 物品支持体６５は、図３において右側を移動するときは、一対のチェーン６３ ，６３間に入り込み、左側を移動するときは、一対のチェーン６３，６３間から 飛び出し、オーバーハングの状態になる。 物品支持体６５がオーバハング状態になったとき、物品支持体６５の側面４８ は回転棚５１の端部に対向する（図１参照）。

【００２１】 物品支持体６５（図３参照）は、上昇状態から下降状態に変わるとき、或いは 、下降状態から上昇状態に変わるとき、円弧移動をする。 このため、物品支持体６５同士の間隔を従来の移載装置３０（図８、図９参照 ）の積載テーブル３６同士の間隔、或いは、移載装置４０（図１０参照）の積載 テーブル（図示省略）同士の間隔より狭め、物品支持体６５同士の間隔を回転棚 ５１の移動棚５３同士の間隔と略々同一に設定しても、物品支持体６５は、互い に干渉することなく移動することができる。

【００２２】 次にコンベヤ６１について説明する。 このコンベヤ６１（図１乃至図４参照）は、垂直搬送装置６０の一対のチェー ン６３，６３の配列方向と直交する向きに垂直搬送装置６０の傍に設置されてい る。 コンベヤ６１は、垂直方向に２台設置されている。 ２台のコンベヤ６１（図２、図３参照）の間隔は、１つおきの物品支持体６５ と対向することができる間隔に設定されている。なお、この２台のコンベヤ６１ の間隔は、物品支持体６５同士の間隔と略々同一にしてもよい。

【００２３】 次に、押込み用、押出し用プッシャ６２，５９（図１、図３、図４参照）につ いて説明する。 押込み用プッシャ６２は２台のコンベヤ６１に対応して２台設置されている。 押込み用プッシャ６２は、コンベヤ６１と直交する向きに設置されており、コ ンベヤ６１上の物品Ｗを物品支持体６５上に押込む装置である。 押出し用プッシャ５９は回転棚５１の移動棚５２に対応して設置されている。 押出し用プッシャ５９は、向きを垂直搬送装置６０の一対のチェーン６３，６ ３の配列方向と平行に、物品支持体６５がオーバーハング状態になる側に設置さ れている。

【００２４】 次に入庫用設備５０の動作を説明する。 物品Ｗは、各コンベヤ６１によって垂直搬送装置６０の傍まで搬送されて来る 。 そして、各コンベヤ６１，６１（図３参照）上の物品Ｗは押込み用プッシャ６ ２，６２によって同時に物品支持体６５，６５上に押込まれる。 その後、垂直搬送装置６０は、物品支持体６５を１段分移動させ、空の物品支 持体６５，６５を各コンベヤ６１，６１に対向させ、図３に示すような状態にな る。

【００２５】 押込み用プッシャ６２は、次に搬送されてくるコンベヤ６１上の物品Ｗを空の 物品支持体６５上に押込む。 このようにして、物品支持体６５上に物品Ｗが順次送り込まれる。 垂直搬送装置６０に送り込まれた物品Ｗは、チェーン６３の移動によって回転 棚５１の方へと運ばれて行く。 各物品支持体６５上の物品Ｗが回転棚５１の移動棚５２に対向したとき、複数 台の押出し用プッシャ５９は同時に作動し、複数の物品Ｗを一斉に各移動棚５２ 上に押込む。 これによって、物品Ｗは、回転棚５１に入庫移載され、保管される。

【００２６】 次に出庫用設備１５０（図１、図２、図６、図７参照）について説明する。 出庫用設備１５０は、図１において回転棚５１の左端に設置されており、回転 棚５１の物品を出庫する設備である。 出庫用設備１５０も、垂直搬送装置１６０、コンベヤ１６１、押込み用プッシ ャ（移載手段）１６２、押出し用プッシャ１５９等で構成されており、回転棚５ １とコンベヤ１６１との間で物品Ｗの受け渡しをする装置である。 出庫用設備１５０は、入庫用設備５０と略々同一構造であるため、図１乃至図 ５に示す構造と同一の部分には、図１乃至図５の符号の先頭に１を付して示し、 その構造の説明は省略することとする。

【００２７】 コンベヤ１６１（図２、図６、図７参照）は、垂直方向に４台設置されている 。 ４台のコンベヤ１６１の間隔は、１つおきの物品支持体１６５と対向すること ができる間隔に設定されている。なお、この４台のコンベヤ１６１の間隔は、物 品支持体１６５同士の間隔と略々同一にしてもよい。

【００２８】 押込み用プッシャ１６２（図１、図２参照）は、オーバーハング状態になる物 品支持体１６５に対向させて、回転棚５１（図２参照）の移動棚５２の間に組込 まれている。 押込み用プッシャ１６２は、垂直搬送装置１６０の一対のチェーン６３，６３ の配列方向と平行に設置されており、移動棚５２上の物品Ｗを物品支持体１６５ 上に押込む装置である。 押出し用プッシャ１５９は、コンベヤ１６１に対向させて、垂直搬送装置１６ ０の内部に設けられている。 押出し用プッシャ１５９は、一対のチェーン１６３，１６３の配列方向と直角 に設けられている。

【００２９】 次に出庫用設備１５０の動作を説明する。 物品Ｗは、回転棚５１の移動棚５２によって垂直搬送装置１６０の傍まで搬送 されて来る。 そして、各移動棚５２上の物品Ｗは押込み用プッシャ１６２によって同時に物 品支持体１６５上に押込まれる。 その後、垂直搬送装置１６０は、複数の物品Ｗを移動させ、各コンベヤ１６１ に対向させる。

【００３０】 各押出し用プッシャ１５９は、一斉に作動し、各物品支持体１６５上の物品Ｗ をコンベヤ１６１上に同時に押出す（図６参照）。 垂直搬送装置１６０は、その後、物品支持体１６５を１段分移動させ、新たな 物品Ｗをコンベヤ１６１対向させる。押出し用プッシャ１５９は、再度、作動し て物品Ｗをコンベヤ１６１上に押出す。 このようにして、回転棚５１に保管されている物品Ｗは、複数同時にコンベヤ １６１上に押出される。 その後、物品Ｗは、コンベヤ１６１によって出庫搬送されて行く。

【００３１】

【考案の効果】

本考案の物品移載・保管システムは、回転棚と垂直搬送装置とを互いに直角に 配設した構成になっているため、システム全体の長さを短くすることができる。 又、物品支持体が上昇状態から下降状態に変わるとき、或いは、下降状態から 上昇状態に変わるとき、円弧移動するようになっているため、 物品支持体同士 の間隔を従来の移載装置の積載テーブル同士の間隔より狭め、回転棚の移動棚同 士の間隔と略々同一に設定しても、物品支持体は、互いに干渉することなく移動 することができる。これによって、垂直搬送装置内に収納される物品の数を増加 させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の物品移載・保管システムの平
面図である。

【図２】図１の概略正面図である。

【図３】入庫用設備の垂直搬送装置の側面図であり、図
４中３−３矢視図である。

【図４】入庫用設備の垂直搬送装置の平面図である。

【図５】垂直搬送装置のブラケット周辺の詳細平面図で
ある。

【図６】出庫用設備の垂直搬送装置の側面図であり、図
７中６−６矢視図である。

【図７】出庫用設備の垂直搬送装置の平面図である。

【図８】従来の物品移載・保管システムの平面図であ
る。

【図９】図８の正面図である。

【図１０】従来の物品移載・保管システムの平面図であ
る。

【符号の説明】

Ｗ 物品 ４８，１４８ 物品支持体の側面 ４９ 物品移載・保管システム ５１ 回転棚 ５２ 移動棚 ５９，１６２ 押出し用プッシャ（移載手段） ６０，１６０ 垂直搬送装置 ６３，１６３ チェーン ６４，１６４ ブラケット ６５，１６５ 物品支持体 ６６，６７，６６，６７ 傾き防止ピン ６８，６９，１６８，１６９ ガイド溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直面において縦長の長円上を循環移動
   し且つ水平方向に離間した一対のチェーンと、前記一対
   のチェーンに一体に設けられた一対のブラケットと、前
   記一対のブラケット間に垂直面において回転可能に設け
   られた物品支持体と、前記物品支持体に一体に設けられ
   た傾き防止ピンと、垂直面において縦長の長円に形成さ
   れ前記傾き防止ピンが係合するガイド溝とを具えた垂直
   搬送装置と、物品を保管して長円上を水平循環移動する
   移動棚を複数段具えた回転棚と、前記垂直搬送装置から
   前記回転棚へ又は前記回転棚から前記垂直搬送装置へ物
   品の移載を行なう移載手段とを有し、移動中に前記一対
   のブラケット間から突出した物品支持体の側面は前記回
   転棚の端部に対向していることを特徴とする、物品移載
   ・保管システム。