JPH07236882A - 難濾過性廃液の処理方法およびその処理装置 - Google Patents

難濾過性廃液の処理方法およびその処理装置

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JPH07236882A
JPH07236882A JP6029441A JP2944194A JPH07236882A JP H07236882 A JPH07236882 A JP H07236882A JP 6029441 A JP6029441 A JP 6029441A JP 2944194 A JP2944194 A JP 2944194A JP H07236882 A JPH07236882 A JP H07236882A
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恵二朗 安村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】難濾過性廃液の濾過処理において、高い濾過流
速(m3 /m2 ・h)を維持し、かつ清澄な処理水を安
定して確保する。 【構成】難濾過性廃液に塩素系酸化剤を添加し、難濾過
性成分を酸化分解した後、粉末状吸着剤を添加して酸化
分解生成物および未分解物を固定化する前処理工程と、
この前処理工程で固定化した酸化分解生成物および未分
解物ならびに廃液中の懸濁物を濾過する工程とからなっ
ている

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば原子力発電所等か
ら発生する洗濯廃液、水酸化鉄等を含む廃液等の難濾過
性廃液を清澄な処理水に戻すための難濾過性廃液の処理
方法およびその処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所等で発生する洗濯廃液(シ
ャワードレン廃液も含む)は洗剤成分(界面活性剤,ビ
ルダー等)と被洗物からの汚れ成分(蛋白質,脂肪酸
塩,油分,不溶性の懸濁物,バクテリア等)を含んでい
る。
【0003】この洗濯廃液等はその廃液中に含まれる放
射性物質を完全に除去すると同時に処理水の水質を所定
の基準値(pH,COD,SS,油分,ノルマルヘキサ
ン抽出成分濃度等)以下であることを確認したのち、洗
濯用水として再処理または余剰水として施設外に放出さ
れる。このため、廃液処理装置が配置されている。
【0004】図6は従来の洗濯廃液の廃液処理装置を示
すもので、原子力発電所内で発生した洗濯廃液は廃液収
集タンク1に収集され、廃液移送ライン2を通り第1の
廃液処理装置3で処理された後、処理水送りライン4を
通り、処理水受けタンク5に収集され、その水質が所定
の基準値以下になっているか否か検査される。
【0005】基準値を満たした処理水は処理水送りライ
ン6を通して再使用水収集タンク7に収集された後、洗
濯用水として再使用されるか、または余剰水として施設
外に放出される。
【0006】一方、所定の基準値を満たさない処理水は
別途配置されている第2の廃液処理装置9で再処理する
か、または廃液収集タンク1に処理水戻しライン8を通
して戻され、再び第1の廃液処理装置3で処理される。
【0007】この第1の廃液処理装置3としては蒸発濃
縮器を使用した蒸発濃縮処理法、吸着剤を充填した充填
塔を使用した濾過処理法や、凝集剤添加による凝集沈殿
法などが実用化している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の洗濯廃液の処理
方法とその処理装置では蒸発濃縮処理法と凝縮沈殿法に
よっているため、処理装置の設置面積が大きく建設コス
トが高くなっている。また、処理系が複雑であるため、
運転,保守点検性に難点がある。一方、吸着剤を充填し
た充填塔を使用した濾過処理法ではしばしば処理水の水
質が所定の水質基準を満たさないため、再処理するなど
運用面で難点がある。
【0009】このように従来の処理方法ではいずれも完
全に不要成分が除去できず、後段の濾過処理に過大な負
荷を与えたり、また清澄な処理水が得られない課題があ
る。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、処理操作が容易で、処理装置の設置面積が少
なく、濾過処理において高い濾過流速を維持し、かつ清
澄な処理水を安定して確保できる難濾過性廃液の処理方
法およびその処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、難濾過性廃液
に塩素系酸化剤を添加してその廃液中の難濾過性成分を
酸化分解したのち、粉末状吸着剤を添加して前記酸化分
解生成物および未分解物を固定化する前処理工程と、こ
の前処理工程で固定化した酸化分解生成物および未分解
物ならびに前記廃液中の懸濁物を濾過処理する濾過工程
とからなることを特徴とする。
【0012】また、本発明は前処理工程部と、この前処
理工程部の下流側に接続する濾過処理工程部および水質
検査工程部とからなり、前記前処理工程部は処理対象と
する難濾過性廃液を収集する廃液収集タンクと、この廃
液収集タンクに所定量の塩素系酸化剤を注入する塩素系
酸化剤注入タンクと、前記廃液収集タンクに所定量の粉
末状吸着剤を注入する粉末状吸着剤注入タンクとを具備
し、前記濾過処理工程部は前記廃液収集タンクからの廃
液を流入する濾過機と、この濾過機からの濾過水を流入
する濾過水受タンクと、この濾過水受タンクから前記廃
液収集タンクへ濾過水を戻す濾過水戻しラインとを具備
し、前記水質検査工程部は前記濾過水受タンク内の濾過
水を検査するための濾過水サンプリング装置を具備して
なることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明は難濾過性廃液を後処理工程の濾過処理
が容易になるように廃液を改質する前処理工程と、この
前処理工程で処理した廃液を精密に濾過する連続濾過処
理工程とからなっている。
【0014】前処理工程では廃液にその性状に対応した
量(化学量論的な必要量)のさらし粉,次亜塩素酸ソー
ダ,次亜塩素酸,塩酸,塩素ガスなどの塩素系酸化剤を
加え廃液中の界面活性剤,蛋白質,脂肪酸塩,油分,バ
クテリア等の難濾過性成分を酸化分解する。
【0015】廃液中に加える例えばさらし粉は飲料水の
殺菌を主目的とする場合にはその添加量は少なくてよい
が、本発明ではとくに界面活性剤などの有機物を酸化分
解して低分子量の成分にするため、酸素系酸化剤の添加
量は化学量論量以上添加する必要がある。
【0016】廃液中の中〜高分子量の成分を完全に、ま
た低分子量成分まで分解することにより酸化分解生成物
および未分解物の固定化剤つまり粉末状吸着剤への負荷
低減または吸着性(成分のサイズ,表面電位,極性など
に左右される)、イオン交換性を改善する。
【0017】そして、酸化分解生成物および未分解成分
を固定化するため、適切な粒径分布を有する吸着剤(こ
れにはイオン交換体も含む)を化学量論的に添加し、後
処理工程の濾過性能を大幅に改善する。イオン交換体を
添加することで廃液中のイオン成分が除去できる。
【0018】後処理工程の濾過処理工程では用途に応じ
た濾過機により濾過処理し、前処理工程で添加した酸化
分解生成物および未分解成分の固定化剤を回収すると同
時に添加剤によるろ過ケークを積極的に利用して精密濾
過処理を行い、廃液中の未分解成分等の懸濁物を除去す
ることにより清澄な処理水を得る。
【0019】濾過処理工程では精密濾過機、例えばロー
タリーフィルタを使用し、粒径が数μmから10μmまで
除去対象物を除去するが、加圧または減圧いずれかを含
む濾過機が使用できる。
【0020】
【実施例】図1により本発明に係る難濾過性廃液の処理
方法の実施例を説明する。図1は本発明方法の実施例に
使用する装置を概略的にブロック図で示している。すな
わち、 500mlビーカ1に難濾過性廃液である模擬洗濯廃
液を 300ml採取する。
【0021】この廃液に塩素系酸化剤として所定量の塩
酸、次亜塩素酸ソーダ,さらし粉および次亜塩素酸をそ
れぞれ単独でメスピペット2で添加し、その後30分間撹
拌した。30分間後、粉末活性炭を 0.3g(1000ppm )添
加剤注入器3から添加し30分間撹拌して処理液とした。
【0022】30分間後、この処理液を47mmφのミリポア
フィルタ(孔径0.45μm)をセットした加圧(2.0kg/cm
2 )濾過セット4で濾過処理し、 300ml濾過処理するの
に要する濾過処理時間の比較した結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1は塩素系酸化剤による酸化分解後、粉
末活性炭を添加し分解生成物および未分解成分を吸着固
化することで、洗濯廃液の濾過性が大幅に改善されるこ
とを示している。
【0025】この実施例から明らかなように、従来濾過
処理が困難であった洗濯廃液などの難濾過性廃液の高流
速濾過処理が可能となる。また、高流速濾過処理が可能
となることによりコンパクトで、処理水質の良好な運
転,保守点検性に優れた難濾過性廃液の精密濾過処理が
可能となる。
【0026】表2は上記実施例で使用した模擬洗濯廃液
の組成を示している。
【0027】
【表2】
【0028】ここで、本発明での難濾過性廃液とはケー
クの比抵抗が1013[m/kg]以上の物質を含む廃液を指し
ている。具体的には洗濯廃液など界面活性剤を主成分と
する廃液か、水酸化鉄等を含む廃液であり、難濾過性物
質は一般に粒径が小さくかつ柔らかい物体(有機物とは
限らない)が多い。
【0029】なお、難濾過性に対する比較対象物として
は平均粒径1μmの酸化鉄粉があり、この1μmの酸化
鉄粉のケークの比抵抗は1011[m/kg]程度であり、この
酸化鉄粉を分散させた廃液は濾過し易い廃液となる。
【0030】また、難濾過性とは濾過処理において、難
濾過性物質の濾過ケークの抵抗で、濾液が採取できなく
なる状態を指し、濾過処理に対して称している。難濾過
性廃液の組成は有機物でかつ難濾過性物質を含むが、組
成は一概に規定できない。
【0031】すなわち、上記実施例の洗濯廃液では洗剤
(界面活性剤が30〜70%とその他の添加物)が主成分
(50%以上)で、この他にバクテリア、衣類等の汚れ成
分があり、その濃度は 100〜200ppmで大半が水である
が、使用する洗剤の種類、被洗濯物の汚染状況、汚染物
の種類などで異なり、廃液の組成を規定することはでき
ない。
【0032】難濾過性廃液に加える塩素系酸化剤の塩素
水はCl2 +H2 O=H+ +Cl- +HClOの反応式
から明らかなように水と作用して次亜塩素酸を生じ、酸
化作用が強い。
【0033】さらし粉は強い酸化力を持っている。次亜
塩素酸HClOは強い酸化力をもち、HClO+H+
e→1/2Cl2 +H2 O,HClO+H+ +2e→C
-+H2 O,2HClO→2H+ +2Cl- +O2
ような酸化反応を呈する。次亜塩素酸も上記と同様強い
酸化力をもっている。
【0034】上記塩素系酸化剤は全て酸化還元電位が高
く、ほとんど有機物質を酸化分解し低分子量の成分にし
たのち、粉末状吸着剤例えば活性炭の細孔に入り易くす
ることで活性炭の吸着能を改善する。
【0035】塩素系酸化剤の使い分けは処理水のpH
(水素濃度指数)により、適宜選択し、例えば処理水の
pHが中性(6〜8)であることが必要ならばさらし粉
を使用する。
【0036】処理水のpHが酸性(6以下)でよいなら
ば、次亜塩素酸,塩酸を使用する。処理水のpHがアル
カリ性(8以上)でよいならば次亜塩素酸ソーダを使用
する。また、所定のpHが要求される場合では前記塩素
系酸化剤を組み合わせることができる。
【0037】粉末状吸着財として上記活性炭の代りにゼ
オライト,不溶性ピリジウム型樹脂,イオン交換樹脂、
キレート樹脂,および無機イオン交換体を使用すること
ができる。すなわち、ゼオライトは特定の化学元素に対
する吸着性があり、不溶性ピリジウム型樹脂はバクテリ
アに対して特異的に吸着する。
【0038】イオン交換樹脂はあらゆるイオン種とイオ
ン交換するため、導電率の高い廃液では多量の添加が必
要で、処理水の導電率はよくなる。キレート樹脂は特定
な元素イオンと選択的に交換反応するため、目的とする
イオンを選択的に除去できる。無機イオン交換体はキレ
ート樹脂と同様に特定な元素イオンと選択的に交換反応
する。
【0039】これらは単独で使用することもでき、また
組み合わせて使用することもでき、とくにキレート樹
脂、無機イオン交換体等は除去対象のイオン種に応じて
組み合わせて使用することが望ましい。
【0040】粉末状吸着剤として使用する活性炭には木
炭,石油系,石炭系とあるが、本発明ではとくに二次廃
棄物(回収粉末活性炭スラッジ)の焼却性の観点から木
炭系の粉末活性炭を使用することが望ましい。
【0041】表3は示差熱天秤により木炭系,石油系、
石炭系の活性炭を一定の燃焼条件下で燃焼させた場合の
焼却残査、着火温度を測定した結果を示している。表3
から明らかなように木炭系の活性炭は他の系の活性炭よ
りも焼却残査が少なく着火温度が低いことが認められ
る。
【0042】
【表3】
【0043】つぎに図2により本発明に係る難濾過性廃
液の処理装置の実施例を説明する。図2中符号14は洗濯
廃液収集タンクで、この洗濯廃液収集タンク14には、塩
素系酸化剤および粉末状吸着剤などを供給する廃液改質
剤注入タンク15と洗濯廃液を流入する洗濯廃液移送ライ
ン16が接続されている。洗濯廃液収集タンク14には撹拌
機17が取着されている。
【0044】洗濯廃液収集タンク14の底部に廃液供給ポ
ンプ18および廃液移送管19が接続し、廃液移送管19にロ
ータリーフィルタ20が接続している。
【0045】このロータリーフィルタ20の構造は耐熱構
造の濾過室21内に濾過板22と撹拌羽根23とが狭い間隙で
交互に配列され、撹拌羽根23は撹拌羽根回転用モータ24
により濾過時に一定の速度で回転する。濾過板22は濾液
排出溝25を設けており、濾過板22の両面に濾布が張られ
ている。
【0046】廃液は濾過室21の一方から廃液供給ポンプ
18で加圧供給され、濾過板22の間隙を通り移動する間に
濾過脱水される。ケークは濾過室21の他方に設けたケー
ク排出弁26から固いペースト状となってケーク排出管27
からケーク受入れドラム28に排出される。濾過液は濾過
板22の排出溝25を通り濾過水移送管29から外部へ排出さ
れる。なお、図中30は撹拌羽根回転用モータ24のトルク
検出器、31は所定の設定トルクでケーク排出弁26を開閉
する空気作動弁である。
【0047】上記ロータリーフィルタ20において、撹拌
羽根23は一定の速度で回転するが濾布上に形成される濾
過ケークの厚みが所定の厚さ以上にならないように回転
速度を設定する。つまり、乱流状態にして滞積する濾過
ケークを剥ぎ取るか、回転速度は廃液の性状により異な
るのでその都度実験により決定する。
【0048】濾過,脱水中にスラッジ濃度は廃液の処理
に従って高くなり、このため、撹拌羽根23の回転用モー
タ24の負荷が大きくなる。この回転用モータ24の負荷を
トルク検出器30で検出し、空気動作弁31によりケーク排
出弁26を電気的に連動させることにより排出ケーク濃度
を制御する。
【0049】つぎに上記構成の処理装置を使用して原子
力発電所の洗濯廃液を模擬した模擬廃液を対象に処理試
験を行った。模擬廃液の水質と、その結果(濾過液水
質)を表4に示す。
【0050】すなわち、図に示す洗濯廃液収集タンク14
内に表4に示す模擬廃液を満たし、廃液改質剤注入タン
ク15から粉末活性炭を 1000ppmになるように添加し30分
間撹拌機17で撹拌した。次に、廃液供給ポンプ18からロ
ータリーフィルタ20に廃液を供給し濾過処理した。一定
時間経過後、濾過水をサンプリング分析して処理水の水
質を調べた。
【0051】この試験では廃液改質剤として粉末活性炭
単独、粉末活性炭とキレート樹脂粉末の混合および粉末
活性炭と粉末イオン交換樹脂の混合の3ケースで試験し
て比較した。結果を表4に示す。
【0052】表4から明らかなように本発明に係る難濾
過性廃液の処理方法は廃液中の懸濁物、化学的酸素要求
量物質、ノルマンヘキサン抽出物および不溶解性の放射
性物質に対して高い除去性能が得られることが認められ
る。
【0053】さらに、溶解性(フィルトレイト)の放射
性物質が多い廃液に対しては粉末活性炭と粉末イオン交
換樹脂等の混合添加剤で対応できることを示している。
これにより本発明が廃液中のイオン成分をも除去できる
ことを確認した。
【0054】
【表4】
【0055】つぎに図3および図4につき上記実施例で
使用したロータリーフィルタのフィルタ孔径を変えた場
合の模擬廃液の処理試験を行った結果を説明する。すな
わち、上記実施例で使用した図2に示すロータリーフィ
ルタ20のフィルタ孔径が 0.2μmと0.45μmで上記実施
例と同様に模擬廃液とした処理試験を行なった。
【0056】この間、ロータリーフィルタ20の処理流速
(m3 /m2 ・h)を定期的に測定し、フィルタの汚染
状態(処理流速の低下)と、フィルタの汚染時に実施す
る濾過水を廃液に逆流させる逆洗による処理流速(m3
/m2 ・h)の回復状態を調べた。この結果を図3に示
す。
【0057】図3はフィルタ孔径と濾過流速の経時変化
であり、図3の濾過流速は定期的に実施した逆洗後の濾
過流速で整理した。図3中、たて軸は逆洗後の濾過流速
で、よこ軸は処理時間で濾過条件は濾過差圧4.0kg/c
m2 、液温は20℃である。
【0058】すなわち、濾過していくとフィルタの汚染
により濾過流速(m3 /m2 ・h)が低下する。この場
合、濾過処理を一旦中断し、濾過水側から廃液側に濾過
水または水を逆流させ、フィルタを洗浄し濾過流速を回
復させる。この操作を逆洗と称す。
【0059】図5は 0.2μmの孔径膜は膜汚染が殆ど発
生しない(濾過流速の低下がない)のに比較して0.45μ
mの孔径膜では膜が汚染し、濾過流速が徐々に低下して
いくことを示している。
【0060】したがって、図3から明らかなようにフィ
ルタ孔径を選定すれば、フィルタの汚染が防止でき、か
つ逆洗により濾過流速が十分回復できるため、安定した
廃液の処理運転と清澄な濾過水が確保できる。
【0061】濾過膜の物性について、濾過膜が疎水性の
材質の場合、廃液中の疎水性の物質(油分等)は濾過膜
に吸着し汚染する。この結果、濾過流速が低下する。こ
のような場合、濾過膜を親水性の材質にすることで、疎
水性物質による汚染が防止、または緩和できる。
【0062】廃液中の成分が疎水性または親水性物質で
あるかの評価は分析結果からある程度予想し、さらに小
規模なテストキットを用いた濾過性評価試験を行い、こ
の結果から評価する。
【0063】図4は上記実施例で使用した模擬廃液を長
時間処理(フィルタ孔径0.45μm使用)し、膜が汚染
し、濾過流速が低下した膜を対象に次亜塩素酸ソーダ液
(Clで500ppm)に30分間浸漬後、再び廃液処理した結
果を示している。
【0064】図4中の濾過条件としては、濾過差圧:4.
0kg/cm2 ,室温20℃,濾布0.45μmポアサイズである。
図4から明らかなように次亜塩素酸ソーダで汚染したフ
ィルタが十分除染されることが認められる。つまり、低
下した濾過流速が回復している。
【0065】つぎに図5により本発明に係る難濾過性廃
液の処理装置の第2の実施例を説明する。第2の実施例
における処理装置は難濾過性廃液を濾過し易い廃液に改
質する前処理工程部Aと、この前処理工程部Aの下流側
に接続する改質した廃液を濾過処理する濾過処理工程部
Bと、この濾過水の水質検査を行う水質検査工程部Cと
から構成されている。
【0066】前処理工程部Aは処理対象とする難濾過性
廃液を収集する廃液収集タンク32と、この廃液収集タン
ク32に所定量の塩素系薬剤を注入する塩素系薬剤注入タ
ンク33および注入ライン34から構成される塩素系薬剤注
入系を備えている。また、廃液収集タンク32に所定量の
粉末状吸着剤またはイオン交換体を注入する添加剤注入
タンク35および添加剤注入ライン36とから構成される添
加剤注入系を備えている。
【0067】さらに、廃液収集タンク32に受入れた難濾
過性廃液と塩素系薬剤または添加物の反応を促進するた
め、廃液収集タンク32にポンプ撹拌ライン37を備えてい
る。なお、このポンプ撹拌ライン37は後処理工程の濾過
処理工程部Bへの処理液の供給ポンプを兼用している。
【0068】濾過処理工程部Bは濾過機38と、濾過機38
からの濾過水を水質検査する水質検査工程部Cへ移送す
る濾過水移送ライン39と、濾過機38に回収、濃縮された
添加剤ならびに廃液中の懸濁物スラッジを濾過機38から
排出するスラッジ排出ライン40とから構成されている。
【0069】水質検査工程部Cは濾過水受タンク41と、
この濾過水を検査するための濾過水サンプリング装置
(図示せず)とから構成されている。この水質検査工程
部Cで所定の水質基準を満足した濾過水は濾過水移送ラ
イン42を通して再使用水収集タンク43に移送される一
方、水質基準を満足しなかった濾過水は、濾過水戻しラ
イン44を通して廃液収集タンク32に戻され再び処理され
る。
【0070】濾過処理工程部Bにはろ過処理を中断する
ことなく添加した固定化剤を回収し、かつこの固定化剤
により形成されるろ過ケークの厚さならびに回収した固
定化剤の濃度を任意に制御して濾過機38から排出するこ
とができる図2に示したロータリーフィルタを用いる。
【0071】上記構成の第2の実施例によれば、前処理
工程部Aにより濾過性を改善したことにより精密濾過が
可能となる。また、前処理工程部Aは薬剤と固定化剤の
添加と撹拌という操作のみで単純である。
【0072】さらに、付帯設備が凝集沈殿処理などに比
較して少なく小規模であり、精密濾過にロータリーフィ
ルタを使用すればコンパクトな設備で、かつ高濃度スラ
ッジ(回収した固定化剤)として取り出すことができ
る。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、前処理工程で濾過し易
い廃液に改質しているため、従来濾過処理が困難であっ
た洗濯廃液水などの難濾過性廃液の高流速濾過処理が容
易となる。また、高流速濾過処理が容易にできることに
より、コンパクトで処理水質の良好な運転、保守点検性
にすぐれた難濾過性廃液の精密濾過ができる。
【0074】さらに、従来例では凝集剤添加装置、凝集
沈殿槽等大がかりな付帯設備と凝集沈殿させるための複
雑なコントロールが必要であったのに対し、本発明では
これらの付帯設備を必要としないため、設置スペースを
少なくでき、かつ複雑なコントロールを必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る難濾過性廃液の処理方法の一実施
例で使用する装置を示すブロック図。
【図2】本発明に係る難濾過性廃液の処理装置の第1の
実施例を示す系統図。
【図3】図2におけるロータリーフィルタのフィルタ孔
径を変えた場合の濾過流速の経時変化を示す特性図。
【図4】図2において次亜塩素酸ソーダで濾布を洗浄す
る前と後の経時変化を示す比較図。
【図5】本発明に係る難濾過性廃液の処理装置の第2の
実施例を示す系統図。
【図6】従来の洗濯廃液の濾過処理装置を示すブロック
図。
【符号の説明】
1…廃液収集タンク、2…廃液移送ライン、3…第1の
廃液処理装置、4…処理水送りライン、5…処理水受け
タンク、6…処理水送りライン、7…再使用水収集タン
ク、8…処理水戻しライン、9…第2の廃液処理装置、
10… 500mlビーカー、11…メスピペット、12…添加剤注
入器、13…加圧濾過キット、14…洗濯廃液収集タンク、
15…廃液改質剤注入タンク、16…洗濯廃液移送ライン、
17…撹拌機、18…廃液供給ポンプ、19…廃液移送管、20
…ロータリーフィルタ、21…濾過室、22…濾過板、23…
撹拌羽根、24…回転用モータ、25…炉液排出溝、26…ケ
ーク排出弁、27…ケーク排出管、28…ケーク受入れドラ
ム、29…濾過水移送管、30…トルク検出器、31…空気作
動弁、32…廃液収集タンク、33…塩素系薬剤注入タン
ク、34…注入ライン、35…添加剤注入タンク、36…注入
ライン、37…撹拌ライン、38…濾過機、39…濾過水移送
ライン、40…スラッジ排出ライン、41…濾過水受タン
ク、42…濾過水移送ライン、43…再使用水収集タンク、
44…濾過水戻しライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 H D 503 C G 504 B

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難濾過性廃液に塩素系酸化剤を添加して
    その廃液中の難濾過性成分を酸化分解したのち、粉末状
    吸着剤を添加して前記酸化分解生成物および未分解物を
    固定化する前処理工程と、この前処理工程で固定化した
    酸化分解生成物および未分解物ならびに前記廃液中の懸
    濁物を濾過処理する濾過工程とからなる難濾過性廃液の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 前記難濾過性廃液はケークの比抵抗が10
    13[m/kg]以上の物質を含み、濾過処理において難濾過
    性物質の濾過ケークの抵抗で濾過液が採取できなくなる
    状態の液体からなることを特徴とする請求項1記載の難
    濾過性廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記塩素系酸化剤はさらし粉,次亜塩素
    酸、次亜塩素酸ソーダ、塩素および塩酸から選ばれた少
    なくとも一種を含むものからなることを特徴とする請求
    項1記載の難濾過性廃液の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記粉末状吸着剤は活性炭,ゼオライ
    ト,不溶性ピリジウム型樹脂,イオン交換樹脂,キレー
    ト樹脂および無機イオン交換体から選ばれた少なくとも
    一種を含むものからなることを特徴とする請求項1記載
    の難濾過性廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記ろ過工程は粒径が数μmから10nm
    までの濾過対象物を除去する精密濾過処理によることを
    特徴とする請求項1記載の難濾過性廃液の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記精密濾過処理にあたり、前記粉末状
    吸着剤の粒径は濾過処理時に適した濾過ケークを形成す
    る粒径分布に選ぶことを特徴とする請求項1記載の難濾
    過性廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 前処理工程部と、この前処理工程部の下
    流側に接続する濾過処理工程部および水質検査工程部と
    からなり、前記前処理工程部は処理対象とする難濾過性
    廃液を収集する廃液収集タンクと、この廃液収集タンク
    に所定量の塩素系酸化剤を注入する塩素系酸化剤注入タ
    ンクと、前記廃液収集タンクに所定量の粉末状吸着剤を
    注入する粉末状吸着剤注入タンクとを具備し、前記濾過
    処理工程部は前記廃液収集タンクからの廃液を流入する
    濾過機と、この濾過機からの濾過水を流入する濾過水受
    タンクと、この濾過水受タンクから前記廃液収集タンク
    へ濾過水を戻す濾過水戻しラインとを具備し、前記水質
    検査工程部は前記濾過水受タンク内の濾過水を検査する
    ための濾過水サンプリング装置を具備してなることを特
    徴とする難濾過性廃液の処理装置。
  8. 【請求項8】 前記濾過機は耐圧構造の濾過室内に複数
    の濾過板と複数の撹拌板とが交互に配列され、廃液を前
    記濾過室の一方から加圧供給し前記濾過板の間隙を移動
    して濾過脱水し、その濾過ケークを前記濾過室の他方に
    設けたケーク排出弁から排出する構造を有するロータリ
    ーフィルタからなることを特徴とする請求項7記載の難
    濾過性廃液の処理装置。
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