JPH07236497A - インターフェロンにより誘導された蛋白質に対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ - Google Patents

インターフェロンにより誘導された蛋白質に対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ

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JPH07236497A
JPH07236497A JP7026576A JP2657695A JPH07236497A JP H07236497 A JPH07236497 A JP H07236497A JP 7026576 A JP7026576 A JP 7026576A JP 2657695 A JP2657695 A JP 2657695A JP H07236497 A JPH07236497 A JP H07236497A
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インターフェロンにより誘導されるヒト蛋白
質に対して反応するがインターフェロンにより誘導され
るネズミ蛋白質と交叉反応しないモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマの提供。 【構成】 次の性質:(1)インターフェロン−α又は
−βにより誘導されたヒト細胞中に存在するが、処理さ
れていない細胞中には合理的な程度に存在しない;
(2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS−PAGE)により測定した場合約
78kDa の分子量を有する;(3)約6.3の等電点を
有する;(4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)-As
p-Ile-Ala-Lys-Ala(10)-で表わされる部分的N−末端ア
ミノ酸配列を有する;を有する蛋白質に対して反応し且
つインターフェロンにより誘導されたマウス蛋白質MX
と交叉反応しないモノクローナル抗体を分泌することを
特徴とするハイブリドーマセルライン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インターフェロン−α
又は−βによりヒト細胞内で誘導される精製された蛋白
質に対して特異的なモノクローナル抗体を分泌するハイ
ブリドーマセルライン及びその製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】インターフェロンはウイルス感染に対す
る防御及び腫瘍の増殖の制御において有望視される天然
蛋白質類である。これらはウイルスの増殖に必要な細胞
機能を妨害し、そして分子レベルではまだ理解されてい
ないプレイオトロピック(pleiotropic)効
果により細胞増殖を阻害する様である。さらに、インタ
ーフェロンはナチュラル・キラー(NK)細胞の活性を
刺激し、そしてリンホカインの相互作用の複雑なネット
ワーク内でマクロファージ、B−細胞及びT−細胞の活
性を調節する。
【0003】インターフェロンの抗ウイルス活性、抗増
殖活性及び免疫調節活性に一群の誘導された蛋白質が関
与するであろう。哺乳類細胞中で、インターフェロンは
未処理細胞内では検出されないか又は極めて低濃度でし
か存在しない幾つかの蛋白質の合成を誘導する。これら
の誘導された蛋白質の幾つかは広く研究されている〔P.
Lengyel, Annu.Rev.Biochem. , 51, 251 (1982)〕が、
しかし今なおあまり特徴付けられていない。インターフ
ェロンで処理されたヒト由来の細胞及びマウス由来の細
胞の両者は上昇したレベルの2′,5′−オリゴイソア
デニレートシンセターゼ活性及びプロテインキナーゼ活
性を含有する。
【0004】インターフェロン−α及び−βにより誘導
されるマウス−プロテインMX の合成及び性質が詳細に
研究されている〔P.Staeheli等、Cell, 44, 147 (198
6)〕。この蛋白質はインフルエンザウイルスに対して非
常に効果的で且つ特異的な抗ウイルス抵抗性と関連する
〔M.A.Horisberger 等、Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 8
0, 1910 (1983) ;M.A.Horisberger & H.K.Hochkeppel,
J.Biol.Chem., 260 , 1730 (1985) 〕。関連するヒト
蛋白質がインターフェロンで誘導されたヒト末梢血リン
パ球及び線維芽細胞中で検出された〔P.Staeheli & O.H
oller, Mol.Cell Biol., , 2150 (1985) 〕。80kD
a (キロダルトン)の分子量が見出され、そしてこの蛋
白質は支配的に細胞質中に局在したが、しかしこの蛋白
質はこれ以上特徴付けられておらず又は単離されていな
い。
【0005】近年における組換DNA技法の急速な進歩
は蛋白質の一次天然源とは独立にその蛋白質を多量に製
造するための一般的方法を提供する。所望のポリペプチ
ドをコードするmRNA又はDNAの同定はこの方法の
成功のために必須である。もし、(部分的)アミノ酸配
列情報が得られれば、化学合成されたヌクレオチドプロ
ーブが、それぞれ所望のポリペプチドを生産する細胞由
来のmRNAの混合物から、又はDNAライブラリーか
らのコードmRNA又はDNAの単離を導くであろう。
【0006】所望のポリペプチドをコードするmRNA
又はDNAの単離のための多くの例が原理的に記載され
ているが、各新たな特異的な問題点がこの技法の特定の
事例への適用を要求する。所望のポリペプチドをコード
する相補的DNA又はゲノムDNAを一度手にすれば、
適当なベクターの調製、これらのベクターによる宿主の
形質転換、形質転換された宿主の発酵、及び発現された
ポリペプチドの単離を標準的方法に従って行うことがで
きる。ここでもやはり、DNAの安定な挿入、選択され
た宿主細胞での所望のポリペプチドの十分に高い発現、
及び純粋で生物学的に活性な単離された蛋白質の許容さ
れる収量を得るためには、前記の方法が特定の問題に適
合されなければならない。
【0007】さらに、組換DNA技法は宿主に導入され
るコードDNAを変異せしめ又は変形せしめることによ
りポリペプチド変形体の製造を可能にし、これにより天
然の単一ペプチド構成において見出される活性原理の潜
在的用途を拡張する。インターフェロンにより誘導され
る蛋白質は、2つの観点において診断、疾患の管理及び
療法において重要である。一方においてこれらはインタ
ーフェロンの不所望の副作用を伴わないで抗ウイルス活
性又は抗増殖活性のごとく有益な性質を発揮することが
でき、他方においてこれらはインターフェロン療法にお
ける細胞応答の価値ある指示薬である。この様なインタ
ーフェロンにより誘導された蛋白質に対する抗体はこれ
らの蛋白質の定性的及び定量的測定を可能にし、そして
それ由にこれらの蛋白質又はインターフェロンを用いる
療法の監視において必須の手段である。
【0008】インターフェロンにより誘導されたマウス
X 蛋白質に対するポリクローナル抗体及びモノクロー
ナル抗体が知られている〔P.Staeheli & O.Haller, Mo
l.Cell Biol., , 2150 (1985) 〕。これらの内の1つ
はヒトインターフェロン誘導−蛋白質に対して弱い交差
反応性を示すが、しかしながら非特異的交差反応性が排
除され得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インターフ
ェロン−α又は−βにより誘導されたヒト細胞中に見出
される蛋白質と関連するか又はそれと同一の純粋な蛋白
質を提供することを目的とする。この様な蛋白質の工業
的合成の問題は組換DNA技術の方法により解決され得
る。従って本発明の他の目的はこの蛋白質をコードする
mRNA,DNA及びハイブリドベクター、並びに該ベ
クターにより形質転換された宿主を提供することであ
る。
【0010】他の目的は、該蛋白質、mRNA,DNA
及びハイブリドベクターの製造及び精製の方法、並びに
該ハイブリドベクターを含有する宿主の製造方法を提供
することである。この発明の他の目的は、前記蛋白質の
定性的及び定量的測定のための診断的手段としてのモノ
クローナル抗体、該モノクローナル抗体を分泌するハイ
ブリドーマ、並びにこれらの抗体及びハイブリドーマの
製造方法、さらには前記蛋白質を含有する医薬の製造方
法を提供することである。
【0011】
【具体的な説明】この発明は、次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS−PAGE)により測定した場合約
78kDa の分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)-Asp-Ile-Ala-Lys-Ala(10)- で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する;に
より特徴付けられる本質的に純粋な蛋白質に対して反応
し、インターフェロンにより誘導されたマウス蛋白質M
X と交叉反応しないモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマ、及びその製造方法に関する。
【0012】特に、抗原蛋白質は組換インターフェロン
α/B,α/D,α/F又はインターフェロンα/B−
Dハイブリドにより処理されたヒトの胎児包皮(embryo
nicforeskin)細胞又はナマルワ(Namalwa)細
胞中に見出される。次の部分的N−末端アミノ酸配列:
【0013】
【化1】 を有する蛋白質が特に好ましい。
【0014】78kDa の分子量は通常の分子量マーカー
を用いるSDS−PAGEに基くものである。しかしな
がら、関連するマウス蛋白質MX 〔P.Staeheli等、Cel
l, 44, 147 (1986)〕を用いる研究から、実際の分子量
はさらに低く、おそらく約72kDa であると推定するこ
とができる。この蛋白質はまた、72kDa の分子量に基
いて全アミノ酸分析により決定されるアミノ酸組成によ
り特徴付けられる(表1)。表1に示す分析された蛋白
質のアミノ酸の実際の数の範囲は分析方法の不正確さ
(標準偏差)から計算される。
【0015】
【表1】 本発明はまた前記蛋白質の製造方法に関し、この方法は
該蛋白質を生産する細胞を培養し、そして細胞上清又は
細胞溶解混合物から該蛋白質を単離し、そして沈澱及び
クロマトグラフ法により精製することを特徴とする。
【0016】特に、本発明は純粋な形態の前記蛋白質の
製造方法に関し、この方法はヒト細胞、好ましくは連続
性ヒトセルライン、例えばナマルワ細胞又は胎児包皮細
胞を、ヒト−インターフェロン−α又は−β、例えば天
然ヒト−インターフェロン−α又は組換ヒト−インター
フェロン−α、例えばインターフェロンα/B,α/
D,α/Fもしくはα/B−Dハイブリドの存在下で培
養し、そして細胞を溶解し、上清中の蛋白質を例えば硫
酸アンモニウムの添加により沈澱せしめ、次に分取用ゲ
ル電気泳動により分離し、そして約78kDa の見かけ分
子量の蛋白質を例えば電気溶出により溶出することを特
徴とする。
【0017】この発明の蛋白質の製造のために有用なヒ
ト細胞は正常リンパ球、マクロファージもしくは、単
球、リンパ芽球性細胞、例えばナマルワ細胞、又は二倍
体セルラインからのヒト胎児包皮細胞である。好ましく
は、ナマルワ細胞は、例えばウシ胎児血清の形態でビタ
ミン及び/又はホルモン並びに場合によっては抗生物質
が補充されたRPMI 1640培地のごとき通常の細
胞増殖培地中で培養する。指数増殖の終りに、細胞を組
換インターフェロン−α、例えばα/Bサブタイプ又は
α/B−Dハイブリドと共に、5×105 〜107 細胞
/mlの範囲の濃度及び2000〜10,000国際イン
ターフェロンユニット/mlにおいて、好ましくは約37
℃にてインキュベートする。
【0018】この発明の蛋白質の生産を誘導するため
に、既知の天然又は組換インターフェロン−α又は−
β、例えば特許出願EP 28033,EP 3213
4,EP43908,EP 72541、又はEP 7
6489に記載されている組換インターフェロンを使用
することができる。細胞を回収し、そして通常の方法、
例えば緩衝液中高塩濃度により細胞を溶解し、そして蛋
白質を例えば硫酸アンモニウムの添加により沈澱せしめ
る。目的蛋白質は通常の生理的溶剤系中にむしろ不溶性
である。
【0019】目的蛋白質をゲル電気泳動により精製す
る。分取用ゲル電気泳動を2回行い、例えばまず70kD
a 未満の分子量を有する蛋白質及び85kDa より大きい
分子量を有する蛋白質からの粗分離を行い、次に得られ
た蛋白質混合物の二次元分離を、非−平衡pHグラジエン
ト電気泳動とSDS−ポリアクリルゲル電気泳動を組合
わせることにより行う。具体的には、前記蛋白質混合物
を、2%の両性電解質を含有する非−平衡pHグラジエン
ト電気泳動ゲル(pH3−10)の酸性末端に適用し、次
に第二次元において10〜15%、好ましくは12%の
アクリルアミド及び0.5%以下例えば約0.3%のビ
ス−アクリルアミドを含有するスラブゲル上で分離す
る。
【0020】好ましくは、この発明で使用する蛋白質
は、例えば前記の蛋白質を発現する形質転換された宿主
を異種性蛋白質の発現を許容する条件下で培養し、そし
て目的化合物を単離することを含んで成る組換DNA技
法により製造される。さらに詳しくは、目的蛋白質は次
のようにして製造される。
【0021】(a)ヒト細胞のcDNA又はゲノムDN
Aライブラリーから前記蛋白質をコードするDNAを単
離し、(b)このDNAを適当な発現ベクターに導入
し、(c)得られたハイブリドベクターを受容体宿主に
移行せしめ、(d)形質転換された宿主のみが生存する
条件下で培養することにより未形質転換宿主から形質転
換された宿主を選択し、(e)この形質転換された宿主
を異種性ポリペプチドの発現を許容する条件下で培養
し、そして(f)目的蛋白質を単離する。
【0022】組換DNA技法によるこれらのペプチドの
製造に関与する段階を後でさらに詳細に検討する。この
発明はまた、前記の蛋白質をコードするDNAにも関連
する。この発明は特に、次の式(I):
【0023】
【化2】
【0024】(式中、Z1 はプロモーター配列を含む、
12以上のヌクレオチドから成る5′−末端DNA残基
であり、Z2 は1700以上のコードヌクレオチド、終
止コドン及び場合によっては存在する3′−末端の非コ
ードヌクレオチドから成るDNA残基であり、そしてZ
1 及びZ2 は場合によっては連結されている)で表わさ
れるDNA、1又は複数のトリプレットが同じアミノ酸
をコードする他のトリプレットにより置き換えられてい
る式(I)のDNA、式(I)のDNAとこれに対して
相補的なDNAとから成る二本鎖DNA、並びに相補的
DNAそれ自体であるDNAに関連する。式(I)のD
NAの1例は、例えばヒト胎児包皮細胞のmRNAに由
来するcDNAであって、次の式(II):
【0025】
【化3】
【0026】(式中、Z3 は1以上のヌクレオチドから
成る5′−末端DNA残基であり、Z2 は1700以上
のコードヌクレオチド、終止コドン及び場合によっては
存在する3′−末端の非コードヌクレオチドから成るD
NA残基である)で表わされるもの、そして特に次の式
(III ):
【0027】
【化4】
【0028】
【化5】
【0029】(式中、Z4 は1個以上のヌクレオチドか
ら成る5′−末端DNA残基であり、そしてZ5 は15
00個以上のコードヌクレオチド、終止コドン及び場合
によっては存在する3′−末端の非コードヌクレオチド
から成るDNA残基である)で表わされるcDNAであ
る。
【0030】さらに、この発明は、式(I),(II)、
又は(III )のDNAとハイブリダイズするDNA、例
えば次の式(IV): 5′−GCTTTTGCGATGTCCACTTC−3′ (IV) で表わされる20−merオリゴヌクレオチド、次の式
(V): 5′−CAGCCACCATTCCAAGG −3′ (V) で表わされる17−merオリゴヌクレオチド、及び次
の式(VI): 5′−CGCACCTTCTCCTCATACTGG −3′ (VI) で表わされる21−merオリゴヌクレオチドに関す
る。この発明はまた、前記の蛋白質をコードするRN
A、特に、Z1 〜Z5 が前記の意味を有するが但しDN
A残基の代りにRNA残基が存在しそしてそれ故にデオ
キシ−チミジン(T)の代りにウリジン(U)が存在す
る式(I),(II)又は(III )のRNAに関連する。
【0031】目的蛋白質をコードするDNAは、例えば
形質転換された宿主を培養し、これから目的DNAを単
離することにより製造することができる。特に、この様
なDNAは次の様にして製造することができる。 (a)ヒト細胞からmRNAを単離し、目的のmRNA
を選択し、該mRNAに対して相補的な単鎖DNAを調
製し、次にこれから二本鎖DNA(ds cDNA)を
調製するか、又は(b)ヒト細胞からゲノムDNAを単
離し、そしてDNAプローブを用いて目的のDNAを選
択し、そして(c)段階(a)のcDNA又は段階
(b)のdsDNAを適当な発現ベクターに導入し、
(d)この得られたハイブリドベクターにより適当な宿
主微生物を形質転換し、(e)目的の蛋白質をコードす
るDNAを含有する形質転換された宿主をコードDNA
を含有しない宿主から選択し、そして(f)目的のDN
Aを単離する。
【0032】ポリアデニル化メッセンジャーRNAを既
知の方法によりヒト細胞から単離する。適当な細胞は、
正常リンパ球、マクロファージ、単球、リンパ芽球性細
胞、例えばナマルワ細胞、ヒト胎児包皮二倍体細胞等で
あって天然又は組換インターフェロン−α又は−βによ
り誘導されたものである。単離方法は例えば、刺激され
た細胞を洗剤及び場合によってはリボヌクレアーゼ阻害
剤、例えばヘパリン、イソチオシアン酸グアニジニウム
及びメルカプトエタノールの存在下で溶解し、mRNA
をフェノール又は適当なクロロホルム−フェノール混合
物により場合によって塩及び緩衝液、洗剤、プロテイナ
ーゼ及び/又は陽イオンキレート剤の存在下で抽出し、
そして残留水性塩含有相からmRNAをエタノール、イ
ソプロパノール等により沈澱せしめることを含む。
【0033】塩化セシウムグラジエント中で遠心し次に
エタノール沈澱することにより、及び/又はクロマトグ
ラフ法、例えばアフィニティークロマトグラフ法、例え
ばオリゴ(dT)セルロース又はオリゴ(U)セファロ
ース上でのクロマトグラフィーにより、単離されたmR
NAをさらに精製することができる。好ましくは、例え
ば直線シュークロース勾配中でのグラジエント遠心によ
り、又は適当なサイズ分画カラム例えばアガロースゲル
上でのクロマトグラフィーにより、粗製の又は精製され
た全mRNAをサイズに従って分画する。
【0034】DNAプローブを用いるスクリーニングに
より、又は適当な細胞もしくは無細胞系での翻訳及び得
られるポリペプチドのスクリーニングにより、目的mR
NAを選択する。好ましくは、分画されたmRNAを細
胞中、例えばカエルの卵母細胞中で、又は無細胞系中、
例えば網状赤血球溶解物又は小麦胚抽出物中で翻訳す
る。得られたポリペプチドを前記の様にして得られた天
然蛋白質と、例えばポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より比較し、そして目的蛋白質を生じさせるmRNA画
分を選択する。
【0035】選択されたmRNA鋳型からの単鎖相補的
DNAの調製、及び単鎖DNAからの二本鎖DNAの調
製は当業界においてよく知られている。mRNA鎖型
を、デオキシヌクレオチドトリホスフェートの混合物、
場合によっては放射能ラベルされたデオキシヌクレオチ
ドトリホスフェート(反応の結果をスクリーニングする
ことができるように)、mRNAのポリ(A)テイルと
ハイブリダイズするオリゴ(dT)のごときプライマー
配列、及び適当な酵素、例えば逆転写酵素と共にインキ
ュベートする。
【0036】鋳型mRNAを分解した後、相補的DNA
(cDNA)をデオキシリボヌクレオチドトリホスフェ
ート及び上記のごとき適当な酵素と共にインキュベート
して二本鎖DNAを得る。適当な酵素は逆転写酵素、
E.コリ(E.coli)DNAポリメラーゼIのKl
enow断片、又はT4 DNAポリメラーゼである。
場合によっては単鎖DNAをまず好ましいデオキシヌク
レオチドのテイルにより延長して好ましいデオキシヌク
レオチドと相補的なプライマー配列の使用を可能にする
が、しかしdsDNAの形成は通常自発的ヘアピン形成
の後に始まる。
【0037】ヘアピン形成の結果として得られたこの様
なdsDNAを、該ヘアピンを切断するS1ヌクレアー
ゼによりさらに処理する。好ましい他の方法において
は、mRNA/DNAをRNアーゼH、T4 DNAリ
ガーゼ及びDNAポリメラーゼIにより直接処理して、
プライマー配列による延長及び/又はヘアピン切断の追
加の段階を回避する。mRNAからのcDNAの調製の
別の方法として、ゲノムDNAを単離し、そして目的ポ
リペプチドをコードするDNAについてスクリーニング
することができる。
【0038】ゲノムDNAは適当なヒト組織から、好ま
しくはヒト胎盤又はヒト胎児肝細胞から既知の方法に従
って単離する。これを確立された方法に従って適当な制
限エンドヌクレアーゼにより消化し、そしてλシャロン
ファージ、例えばλシャロン4Aに導入することにより
ゲノムDNAライブラリーを調製する。ニトロセルロー
ス膜上にレプリカしたゲノムDNAライブラリーを、D
NAプローブ、例えば17個以上のヌクレオチドから成
る合成DNAプローブ又は前記の様にして目的ポリペプ
チドをコードするmRNAから誘導したcDNAを用い
てスクリーニングする。
【0039】mRNAから調製されたdsDNA又はゲ
ノム由来のdsDNAの適当なベクターへの導入は当業
界においてよく知られている。例えば、適当なベクター
を切断し、そして適切なデオキシリボヌクレオチドのテ
イルを付す。次に、アニールすべきdsDNAは相補的
な適切なデオキシヌクレオチドのテイルを担持しなけれ
ばならず、これは対応するデオキシヌクレオチドトリホ
スフェート及びターミナルヌクレオチジルトランスフェ
ラーゼのごとき酵素の存在下でのインキュベーションに
より達成される。他の方法として、相補的突出末端をも
たらす同じエンドヌクレオチドによる処理の後の単なる
連結により、リンカーオリゴヌクレオチドを用いて、又
は平滑末端連結により、dsDNAをベクターに導入す
ることができる。
【0040】得られたハイブリドベクターによる適当な
宿主微生物の形質転換は当業界においてよく知られてい
る。例えば、E.コリを塩化カルシウムを含有する媒体
中でインキュベートすることにより形質転換のために条
件調節し、そして次にハイブリドベクターにより処理す
る。形質転換された宿主は、適当なマーカーにより、例
えば抗生物質耐性マーカー、例えばテトラサイクリン、
クロラムフェニコール又はアンピシリン耐性マーカーに
より、及び/又は酵素マーカー、例えばα−プロテイン
を補完するβ−ガラクトシダーゼにより選択する。
【0041】所望のDNAにより形質転換された宿主は
好ましくはDNAプローブを用いて選択する。この様な
ハイブリダイゼーションプローブは例えば、インターフ
ェロンにより誘導されたナマルワ細胞から単離された目
的蛋白質に基いて決定された部分的アミノ酸配列を基礎
にして構成される17個以上のヌクレオチド、例えば約
20個のヌクレオチドから成る全合成DNAである。好
ましくは、オリゴヌクレオチドプローブの混合物を調製
し、この場合該混合物の各構成員は対応する既知アミノ
酸配列のためのトリプレットコドンの可能な組合せの1
つに対して相補的である。
【0042】この様なプローブもまた本発明を構成す
る。これらは既知の方法に従って、好ましくは固相ホス
ホトリエステル法、ホスファイトトリエステル法又はホ
スホラミダイト法を用いる段階的縮合により、例えばホ
スホトリエステル法によるジヌクレオチドカップリング
ユニットの縮合により合成される。これらの方法は、Y.
Ike 等〔Nucleic Acid Research , 11, 477 (1983)〕に
より記載されている様に適切な縮合段階において、保護
された形の2種類、3種類又は4種類のヌクレオチドd
A,dC,dG及び/又はdTあるいは対応するジヌク
レオチドカップリングユニットの混合物を用いることに
より、目的オリゴヌクレオチドの混合物の合成に適合さ
れる。
【0043】形質転換された宿主のDNAとのハイブリ
ダイゼーションを検出し、これを同定し、そしてこの発
明の目的DNAを含有しない他の宿主から前記宿主を分
離することができる様に、DNAプローブはマーカーを
含有しなければならない。例えば、オリゴヌクレオチド
の5′−末端リン酸における32Pのごとき放射性ラベ
ル、又は蛍光マーカー、あるいは適当にラベルされたア
ビジンにより、例えば蛍光マーカーを有するか又はホー
スラディッシュパーオキシダーゼのごとき酵素と接合し
たアビジンにより検出され得るビオチンを含有するラベ
ルが適当である。
【0044】形質転換された宿主からのDNAとマーカ
ーを含有するDNAプローブとのハイブリダイゼーショ
ンは既知の方法に従って、例えば助剤例えばカルシウム
キレート剤、粘度調節剤、蛋白質、無関係のDNA又は
tRNA等を含有する緩衝液及び塩溶液中で、選択的ハ
イブリダイゼーションに好都合な温度、例えば0℃〜7
0℃、例えば40℃〜50℃、好ましくはハイブリドd
sDNAの融点より約20℃低い温度において行う。本
発明はさらに、目的の蛋白質をコードしそして発現制御
配列に作用可能に連結されているDNAを含んで成るハ
イブリドベクター、及びその製造方法に関する。
【0045】ベクターは、翻訳のために使用される宿主
細胞に依存して選択される。適当な宿主の例として、制
限酵素又は修飾酵素を欠いているか又はほとんど有さな
い微生物、例えば酵母、例えばサッカロミセス・セレビ
シエー(Saccharomyces cerevisiae)、例えばS.セ
レビシエー(S. cerevisiae)GRF 18、及び細菌
株、特にエシェリシャ・コリ(Escherichia coli)の
株、例えばE.コリX1776、E.コリHB101、
E.コリW3110、E.コリHB101/LM103
5、E.コリJA221、E.コリJM109又はE.
コリK12株294、バシルス・ズブチリス(Bacillus
subtilis)、
【0046】バシルス・ステアロサーモフィルス(Baci
llus stearothermophilus)、シュードモナス(Pseudo
monas )、ヘモフィルス(Haemophilus )、ストレプト
コッカス(Streptococcus )等、並びに高等生物の細
胞、特に樹立されたヒト又は動物のセルライン、例えば
Hela細胞、SV−40ウイルスで形質転換されたア
フリカミドリザルCOS−7腎細胞、又はチャイニーズ
ハムスター卵巣細胞が挙げられる。E.コリの前記の
株、例えばE.コリJM109、E.コリHB101、
E.コリK12及びE.コリW3110、並びにサッカ
ロミセス・セレビシエーの前記の株が宿主微生物として
好ましい。
【0047】原理的には、選択された宿主中で本発明の
目的のポリペプチド遺伝子を複製しそして発現すること
ができるすべてのベクターが適当である。E.コリ株中
での発現のための適当なベクターの例として、バクテリ
オファージ、例えばラムダ又はM13バクテリオファー
ジの誘導体、あるいはプラスミド、例えば特にプラスミ
ドCol El及びその誘導体、例えばpMB9,pS
F2124,pBR317又はpBR322が挙げられ
る。この発明の好ましいベクターはプラスミドpBR3
22に由来する。適当なベクターは完全なレプリコン、
発現プラスミドにより形質転換された宿主を表現形質に
基いて選択しそして同定することを可能にするマーカー
遺伝子、並びに場合によってはシグナル配列及びエンハ
ンサーを含有する。
【0048】適当なマーカー遺伝子は宿主に例えば重金
属、抗生物質等に対する耐性を付与する。さらに、この
発明の好ましいベクターは、レプリコン領域及びマーカ
ー遺伝子領域の外側に制限エンドヌクレアーゼのための
認識配列を含有し、これによって目的ポリペプチドの遺
伝子、及び適当な場合には発現制御配列をこれらの部位
に挿入することができる様にされている。好ましいベク
ターであるプラスミドpBR322並びに誘導体プラス
ミド、例えばpUC9,pHRi148及びpPLc2
4は無傷のレプリコン、テトラサイクリン及びアンピシ
リンに対する耐性(terR 及びampR )を付与する
マーカー遺伝子、並びに制限エンドヌクレアーゼのため
の多数のユニーク認識部位を含有する。
【0049】遺伝子発現の制御のために幾つかの発現制
御配列を使用することができる。ハイブリドベクターと
してpBR322を使用しそして宿主微生物としてE.
コリを使用する場合、例えば、ラクトースオペロン、ト
リプトファンオペロン、アラビノースオペロン等の発現
制御配列(これらは特にプロモーター及びリボゾーム結
合部位を含有する)、β−ラクタマーゼ遺伝子の発現制
御配列、ファージλN遺伝子の対応する配列、特にPL
プロモーターを含有する配列、又はファージfd−コー
ト蛋白質遺伝子の発現制御遺伝子が適当である。プラス
ミドpBR322はすでにβ−ラクタマーゼ遺伝子(β
−lac遺伝子)のプロモーターを含有するが、他の発
現制御配列をこのプラスミドに導入しなければならな
い。
【0050】酵母中での複製及び発現のために適当なベ
クターは酵母複製開始点及び酵母のための選択遺伝マー
カーを含有する。酵母複製開始点、例えば染色体自律複
製セグメント(ars)を含有するハイブリドベクター
は、形質転換の後酵母細胞内で染色体外に維持され、そ
して自律複製する。さらに、酵母2μプラスミドDNA
に相同な配列を含有するハイブリドベクターを使用する
ことができる。この様なハイブリドベクターは細胞内に
すでに存在する2μプラスミドに組換により取り込まれ
るか、又は自律複製するであろう。2μ配列は高形質転
換頻度を有するプラスミドのために特に適当であり、そ
して高コピー数を許容する。この発明の好ましい酵母ベ
クターはプラスミドpJDB207である。
【0051】酵母のための適当なマーカー遺伝子は特
に、宿主に抗生物質耐性を付与する遺伝子、又は栄養要
求性酵母変異株の場合には宿主の傷害を補完する遺伝子
である。対応する遺伝子は、例えば、抗生物質シクロヘ
キシミドに対する耐性を付与し、又は栄養要求性酵母変
異株に原栄養性を提供する遺伝子、例えばURA3
EU2HIS3、又は特にTRP1遺伝子である。酵
母ハイブリドベクターはさらに、好ましくは、細菌宿
主、特にE.コリのための複製開始点及びマーカー遺伝
子を含有し、これによりハイブリドベクターの造成及び
クローニングを細菌宿主中で行うことができる。
【0052】酵母での発現のために適当な発現制御配列
は例えば高度に発現される酵母遺伝子のそれである。す
なわち、TRP1遺伝子、ADHI又はADHII遺伝
子、酸性ホスファターゼ(PH03又はPH05)遺伝
子又はイソチトクローム遺伝子のプロモーター、あるい
は解糖系に関与するプロモーター、例えばエノラーゼ、
グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼ(GAPDH)、3−ホスホグリセレートキナーゼ
PGK)、ヘキソキナーゼ、ピルベートデヒドロゲナ
ーゼ、ホスホフラクトキナーゼ、グルコース−6−ホス
フェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムター
ゼ、ピルベートキナーゼ、トリオースホスフェートイソ
メラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ及びグルコキ
ナーゼの遺伝子のプロモーターを使用することができ
る。この発明の好ましいベクターは転写制御を伴うプロ
モーター、例えば増殖条件の変化によりターンオン又は
ターンオフを行うことができるPH05遺伝子、ADH
II遺伝子及びGAPDH遺伝子のプロモーターを含有す
る。例えば、PH05プロモーターは、培地中の無機リ
ン酸塩の濃度を単に上昇せしめるか又は低下せしめるこ
とにより抑制又は抑制解除され得る。
【0053】哺乳類細胞中での複製及び発現のために適
当なベクターは好ましくはウイルス起原のDNA、例え
ばシミアンウイルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイ
ルス(RSV)、アデノウイルス2、ウシ乳頭腫ウイル
ス(BPV)、パポバウイルスBK変異株(BKV)、
又はマウスもしくはヒトのサイトメガロウイルス(CM
V)からのDNAを有する。好ましくは、この様なベク
ターは、真核生物の転写制御配列と共にE.コリ中での
増殖のための複製開始点及び抗生物質耐性遺伝子を含有
する。特に、いわゆるシャトルベクターをE.コリプラ
スミドpBR322及びSV40及び/又はCMVエン
ハンサー及びプロモーター領域から造成することができ
る。
【0054】例えば、このプラスミドはヒト又はマウス
のサイトメガロウイルス主要即時初期(immediate-earl
y )遺伝子のエンハンサー・プロモーターユニット、ヒ
トα−グロビンプロモーターと組合わせたSV40エン
ハンサー、そして/又はさらに誘導性プロモーター、例
えばヒートショック遺伝子又はメタロチオネイン遺伝子
由来のプロモーターを含有することができる。さらに、
目的遺伝子配列と通常関連しているプロモーター又は制
御配列を使用することができる。複製開始点はSV40
もしくは他のウイルス源からの外来性複製開始点を含む
様にベクターを構成することにより、又は宿主細胞の染
色体複製機構により設けることができる。ベクターが宿
主細胞の染色体に組み込まれる場合、後者の方法は一層
効果的である。
【0055】好ましい態様において、本発明は宿主株中
で複製及び表現型選択が可能なハイブリドベクターに関
し、このハイブリドベクターはプロモーター及び目的蛋
白質をコードするDNAを含んで成り、このDNAは前
記プロモーターの制御下前記ハイブリドベクター中の転
写開始シグナル及び転写終止シグナル並びに翻訳開始シ
グナル及び翻訳終止シグナルと一緒に配置され、こうし
て形質転換された宿主中で前記蛋白質を生産するために
発現される。この発明はまた、形質転換された宿主の製
造方法に関し、この方法は発現制御配列により制御され
るこの発明のDNAを含有する発現ベクターにより宿主
を形質転換(transformation)又はトラ
ンスフェクションすることを含んでなり、本発明はさら
に形質転換された宿主それ自体に関する。
【0056】適当な宿主の例として、前記の微生物、例
えばサッカロミセス・セレビシエーの株、バシルス・ズ
ブチリスの株、及びエシェリシャ・コリの株が挙げられ
る。この発明の発現プラスミドによる形質転換は、例え
ば文献に記載されている様にして、すなわちS.セレビ
シエーについてはA.Hinnen, J.B.Hicks 及びG.R.Fink,
Proc.Natl.Acad.Sci. USA , 75, 1929 (1978) 、B.ズ
ブチリスについてはAnagnostopoulos 等、J.Bacterio
l., 81, 741 (1961)、そしてE.コリについてはM.Mand
el等、J.Mol Biol. , 53, 159 (1970)の方法に従って行
われる。
【0057】従って、E.コリ細胞の形質転換は、DN
Aの取り込み可能にするための細胞のCa++前処理、及
びハイブリドベクターとのインキュベーションを含む。
親細胞からの形質転換細胞の分離を可能にする選択増殖
培地に細胞を移す。ベクターを含有しない細胞はこの様
な培地中で生存しないであろう。酵母の形質転換は、例
えば、(1)グルコシダーゼによる酵母細胞壁の酵素的
除去、(2)ポリエチレングリコール及びCa++イオン
の存在下でのベクターによるスフェロプラストの処理、
及び(3)該スフェロプラストを寒天中に包埋すること
による細胞壁の再生を含む。好ましくは、再生寒天は形
質転換された細胞の細胞壁の再生と選択を同様に可能に
する様に調製される。
【0058】適当な宿主の他の例は上記の哺乳類細胞、
例えばCOS−7細胞、ヒーラ細胞又はチャイニーズハ
ムスター卵巣(CHO)細胞である。ベクターは、ヘル
パー化合物、例えばジエチルアミノエチルデキストラ
ン、ジメチルスルホキシド、グリセロール、ポリエチレ
ングリコール等の存在下で又はベクターDNAとリン酸
カルシウムとの同時沈澱として、トランスフェクトによ
り哺乳類細胞に導入される。他の適当な方法には細胞核
へのベクターDNAの直接微量注射、及び電気穿孔、す
なわち細胞膜の透過性を増加する短い電気パルスによる
DNAの導入が含まれる。
【0059】これに続く、形質転換された細胞の選択
は、発現ベクターに共有結合により組み込まれた選択マ
ーカー又は別の存在として添加された選択マーカーを用
いて行うことができる。選択マーカーは抗生物質、例え
ばG−418(ネオマイシン)又はハイグロマイシンに
対する耐性を付与する遺伝子、あるいは宿主細胞の遺伝
子傷害、例えばチアミンキナーゼ又はヒドポキサンチン
ホスホリボシルトランスフェラーゼの傷害を補完する遺
伝子である。形質転換された宿主細胞は、炭素、窒素及
び無機塩の資化性源を含有する液体培地中で従来技術に
おいて知られている方法により培養される。
【0060】この発明の形質転換された宿主の培養のた
めに種々の炭素源を使用することができる。好ましい炭
素源の例として資化性炭水化物、例えばグルコース、マ
ルトース、マンニトール又はラクトス、あるいは酢酸塩
を挙げることができ、これらはそれ自体として又は適当
な混合物として使用することができる。適当な窒素源の
例としてアミノ酸、例えばカザミノ酸、ペプチド、並び
に蛋白質及びその分解生成物、例えばトリプトン、ペプ
トン又は肉エキス、酵母エキス、マルトエキス、並びに
アンモニウム塩、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム又は硝酸アンモニウムが挙げられ、これらはそれ
自体として又は適当な混合物として使用することができ
る。使用することができる適当な塩は例えばナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムの硫酸塩、
塩化物、リン酸塩及び炭酸塩である。
【0061】培地はさらに、例えば増殖促進物質、例え
ば微量元素、例えば鉄、亜鉛、マンガン等、及び好まし
くは選択圧を与えそして発現プラスミドを失った細胞の
増殖を阻害する物質を含有する。すなわち、例えば、発
現プラスミドがampR 遺伝子を含有する場合には培地
にアンピシリンが加えられる。この様な抗生物質の添加
はまた、抗生物質感受性の汚染微生物が破壊されるとい
う効果も有する。例えば必須アミノ酸において栄養要求
性である酵母株が宿主微生物として使用される場合、プ
ラスミドは好ましくは宿主の傷害を補完する酵素をコー
ドする遺伝子を含有する。酵母株の培養はこのアミノ酸
を欠く最少培地中で行われる。
【0062】脊椎動物細胞は、増殖促進物質及び/又は
哺乳類血清が補充されている場合がある市販の培地を用
いて組織培養条件下で増殖せしめる。細胞は固体支持
体、例えばマイクロキャリャー又は多孔性ガラス繊維に
付着してあるいは適当な培養容器中を自由浮遊しながら
増殖する。培養は当業界において知られている方法によ
り行われる。培養条件、例えば温度、培地のpH値、及び
発酵時間は、この発明のポリペプチドの最大力価が得ら
れる様に選択される。すなわち、E.コリ又は酵母株
は、好ましくは、振とう又は撹拌を伴う深部培養による
好気的条件下で、約20℃〜40℃の温度、好ましくは
30℃、及び4〜8のpH、好ましくは約pH7において、
約4〜30時間、好ましくはこの発明のポリペプチドの
最大収量が達成されるまで培養する。
【0063】細胞濃度が十分な値に達したとき、培養を
停止し、そしてポリペプチドを単独する。ポリペプチド
が適当なシグナルペプチド配列と融合している場合、こ
れは細胞により上清に直接分泌される。他の場合には、
例えば洗剤、例えばSDS,NP−40、トリトン又は
デオキシコール酸により処理することによって細胞を破
壊しなければならず、あるいはリゾチーム、同様に作用
する酵素又は超音波により細胞を溶解しなければならな
い。
【0064】宿主微生物として酵母を使用する場合、グ
ルコシダーゼによる酵素的消化により細胞壁を除去する
ことができる。これに代えて、又はこれと組合わせて機
械的力、例えば剪断片(例えばX−プレス、フレンチプ
レス、ダイノミル)又はガラスビーズもしくは酸化アル
ミニウムとの振とう、あるいは例えば液体窒素中での凍
結と例えば30℃〜40℃での解凍、並びに超音波を用
いて細胞を破壊することができる。
【0065】細胞上清、又は細胞の破壊の後に得られる
混合物の遠心分離により得られた溶液は蛋白質、核酸及
び他の細胞成分を含有しており、これをこの発明のポリ
ペプチドを包含する蛋白質についてそれ自体既知の方法
により富化する。すなわち、例えば、ほとんどの非蛋白
質性成分はポリエチレンイミン処理により除去され、そ
してこの発明のポリペプチドを包含する蛋白質は例えば
硫酸アンモニウム又は他の塩による溶液の飽和により沈
澱する。他の方法として、細胞上清又は細胞溶解物をク
ロマトグラフ法を用いて直接前精製することができる。
【0066】この発明のポリペプチドは、クロマトグラ
フ分離の組合せにより、好ましくはイオン交換クロマト
グラフィー、ゲル濾過及び逆相高速液体クロマトグラフ
ィーの組合わせにより精製される。他の分離法には例え
ば分子量カット−オフ膜を用いる濾過及び限外濾過、ア
フィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイ
ト上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシン
グ、並びに適当な塩及び/又は緩衝液及び溶剤混合物中
での透析、溶解及び再沈澱が含まれよう。
【0067】イオン交換クロマトグラフィーのための適
当なキャリャー材料は有機又は無機性の、例えば架橋さ
れたアガロース、デキストラン、ポリアクリルアミド、
スチレン/ジビニルベンゼンコポリマー、セルロース等
であることができる。好ましくは、このキャリャー材料
は塩基性官能基、例えば第三アミノ官能基、第四アンモ
ニウム基、又はわずかに酸性の基、例えばカルボキシメ
チル官能基を担持する。これらのキャリャーは正常液体
クロマトグラフィー、固定蛋白質液体クロマトグラフィ
ー(FPLC)又は高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)のために適当である。イオン交換クロマトグラフ
ィーによる分離及び精製は確立された方法、例えば増加
する量の塩、例えば塩化ナトリウムを含有するpH4〜pH
9の水性緩衝液中で行われる。
【0068】ゲル濾過又はサイズ排除クロマトグラフィ
ーのために適当なキャリャー材料には架橋されたデキス
トラン、アガロース、適切に修飾されたポリアクリルア
ミド又はシリカ等が含まれる。場合によってはこれらの
キャリャーはヒドロキシ官能基を担持する置換基、例え
ば1−ヒドロキシ低級アルキル基又は1,2−ジヒドロ
キシ低級アルキル基により修飾されている。クロマトグ
ラフ材料は、50,000〜100,000ダルトンの
分子量範囲のペプチドの最適分離を示すように選択され
る。この様なゲル濾過又はサイズ排除クロマトグラフィ
ーは上記のように正常液体クロマトグラフィー、FPL
C又はHPLCのために適するカラム中で、可変量の
塩、例えば塩化ナトリウムを含有するおよそ中性の水性
緩衝液を用いて行われる。
【0069】逆相クロマトグラフィーは、疎水性基、例
えば1〜20個の炭素原子、好ましくは4,8,12も
しくは18個の炭素原子を有するアルキル基、又はそれ
ぞれ1及び8又は2及び18個の炭素原子を有するアル
キル基の混合、あるいはフェニル基を担持するシリカ性
キャリャー材料上で行われる。アガロース又は12個ま
での炭素原子を有するアルキル基及び/又はフェニル基
がコートされた関連材料が使用される疎水性相互作用ク
ロマトグラフィーがこの方法に関連する。これらのクロ
マトグラフ技法はFPLC又はHPLCを用いて適用さ
れる。シリカ性逆相材料上で本発明のポリペプチドを処
理するための溶剤は水性酸、例えば、増加する量の極性
水混和性有機溶剤、例えばアセトニトリル、低級アルコ
ール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、
テトラヒドロフラン等、好ましくはアセトニトリルを含
有する水性トリフルオロ酢酸である。
【0070】アフィニティークロマトグラフィーはま
た、目的の蛋白質に対して高いアフィニティーを有する
分子、例えば抗体、特に後で記載するモノクローナル抗
体を担持する適当なキャリャー材料、例えば架橋された
アガロース、デキストラン又はポリアクリルアミドを使
用して、本発明のポリペプチドの精製のために期待され
る。抗体は既知の方法により活性化形のキャリャー材料
に連結される。アフィニティークロマトグラフィーによ
る目的ポリペプチドの精製はそれ自体既知の方法によ
り、例えば、場合によっては界面活性剤、例えばポリエ
チレンソルビタン脂肪酸エステルを含有するおよそpH5
〜9の範囲の緩衝液及び/又は塩溶液、例えばNaCl
溶液中で行い、次に目的の蛋白質をおよそpH2〜5のpH
範囲の緩衝液、例えばグリシン緩衝液、又は異る組成の
pHグラジエント、又は塩溶液、例えば濃NH4 SCN溶
液により溶出する。
【0071】この発明の蛋白質の抗ウイルス性はウイル
ス感染に対する保護及びウイルス感染の治療のために有
用である。特に、この蛋白質はインフルエンザウイルス
又は他の呼吸器ウイルスの感染、ヘルペスウイルスの感
染、並びに狂犬病及び肝炎ウイルスの感染の治療のため
に、場合によっては他の抗ウイルス剤と組合わせて使用
される。この蛋白質は、場合によっては無機又は有機の
固体又は液体の医薬として許容されるキャリャーと共に
又はこれらとの混合物として有効果の活性成分を含有す
る医薬調製物の形態で適用される。
【0072】この発明の医薬は温血動物、例えばヒトへ
の、経腸、例えば直腸又は経口投与のため、そして好ま
しくは非経口、例えば鼻内、筋肉内、皮下又は静脈内投
与のためのものである。意図される投与方法に依存し
て、医薬は単位投与形、例えばアンプル、バイアル、坐
薬、丸剤、錠剤、カプセル、又は液体もしくは固体の鼻
内スプレーであることができる。医薬として有効な投与
すべき化合物の量は温血動物、例えばヒトの状態、例え
ば体重、疾患の種類及び重症度並びに一般的状態、そし
てさらに投与方法に依存し、そして治療にたずさわる医
師の評価に従って決定される。有効量は体重1kg1日当
り0.001〜1μgのオーダーである。
【0073】この発明の医薬は、通常の無機又は有機の
固体又は液体の医薬として許容される担体を、場合によ
っては他の医薬として活性な化合物及び/又は助剤と共
に含有する。好ましくは、活性成分の溶液又は懸濁液、
特に等張水溶液又は懸濁液、あるいはまた使用直前に水
に溶解される凍結乾燥物が使用される。医薬は無菌化さ
れ、そして/又は防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、溶
解剤、増粘剤、浸透圧調節塩及び/又は緩衝剤を含有す
ることができ、そしてさらに他の蛋白質、例えばヒト血
清アルブミン又はヒト血漿調製物を含有することができ
る。
【0074】さらに、この発明は、前記のようにインタ
ーフェロン−α又は−βにより誘導されたヒト蛋白質に
対して特異的なモノクローナル抗体、特に、インターフ
ェロンにより誘導された関連のマウス蛋白質MX と交叉
反応しないモノクローナル抗体、及び該抗体の誘導体に
関する。この発明のモノクローナル抗体はネズミ由来の
ものであり、そして特にマウス/マウスハイブリドーマ
細胞により生産されるマウス抗体である。この発明のモ
ノクローナル抗体の例として、885 S35.8.
1、885S35.16.11、885 S56.5
5.7.12.48、885 S56.55.7.2
1.25、885 S56.55.7.27.5、88
5 S56.55.7.27.11、885 S56.
55.13、885 S56.55.17、及び885
S56.67.15と称するネズミモノクローナル抗
体が挙げられる。
【0075】885 S35.8.1、885 S5
6.55.13及び885 S56.67.15と称す
るモノクローナル抗体及びその誘導体が好ましい。これ
らのモノクローナル抗体は885 S35.8.1、8
85 S56.55.13及び885 S56.67.
15と称する対応するハイブリドーマセルラインにより
分泌される。この発明のモノクローナル抗体の誘導体
は、例えば抗体断片、放射能ラベルされたモノクローナ
ル抗体、及び酵素や蛍光マーカーとモノクローナル抗体
との接合体である。
【0076】この発明のモノクローナル抗体の断片は、
例えば、抗原決定基に対する特異性を有する、すなわち
前に記載したヒトインターフェロンにより誘導された蛋
白質に対する特異性を保持している、Fab断片、Fa
b′断片又はF(ab′)2断片である。放射能ラベル
されたモノクローナル抗体は例えば放射性ヨウ素( 123
I, 125I, 131I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、
トリチウム( 3H)等を含有する。放射性ヨウ素により
ラベルされたモノクローナル抗体が好ましい。
【0077】この発明の抗体接合体は、モノクローナル
抗体又はその断片と酵素、例えばホースラディッシュパ
ーオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−
ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコア
ミラーゼ、カルボアンヒドラーゼ、アセチルコリンエス
テラーゼ、リゾチーム、マレートデヒドロゲナーゼ又は
グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、蛍光
マーカー、例えばフルオレッセイン、あるいはアビジン
又はビオケンとの接合体である。これらの接合体におい
ては、抗体は直接に又はスペーサーもしくはリンカー基
を介して酸素又は蛍光マーカーに結合している。
【0078】この発明のモノクローナル抗体及びその誘
導体はそれ自体既知の方法により得られ、この方法は該
モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を、 a)インビトロで培養しそして培養上清からモノクロー
ナル抗体を単離するか、又は b)適当な哺乳類中でインビボ増殖せしめ、そして該動
物の体液からモノクローナル抗体を回収し、そして、所
望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
る、ことを特徴とする。
【0079】工程a)のインビトロ培養のために適当な
培地は標準的培地、例えばダルベコ改変イーグル培地又
はRPMI1640培地であって、場合によっては哺乳
類血清、例えばウシ胎児血清、又は他の増殖維持補完
剤、例えば2−アミノエタノール、インシュリン、トラ
ンスフェリン、低密度リポプロテイン、オレイン酸等、
及び微量元素が補充されているものである。モノクロー
ナル抗体の単離は、培養上清中に含まれる蛋白質を硫酸
アンモニウム等により沈澱せしめ、次に標準的クロマト
グラフ法、例えばゲル濾過、イオン交換クロマトグラフ
ィー、DEAEセルロース上でのクロマトグラフィー、
又は免疫アフィニティークロマトグラフィーによって免
疫グロブリンを精製することにより行う。
【0080】インビトロ生産は多量の目的抗体を得るた
めのスケールアップを可能にする。大規模ハイブリドー
マ培養のための技法は当業界においてよく知られてお
り、そして例えばエアーリフト反応器又は連続撹拌反応
器中での均一浮遊培養、及び例えば中空繊維中、マイク
ロカプセル中、アガロースマイクロビーズ上又はセラミ
ックカートリッジ上での固定化又は捕捉細胞培養を包含
する。
【0081】多量の目的とするモノクローナル抗体はま
た、工程b)によるハイブリドーマ細胞の増殖によって
も得ることができる。細胞クローンを同系哺乳類に注射
し、この動物が抗体産生腫瘍を増殖せしめる。1〜3週
間の後、目的のモノクローナル抗体を前記哺乳類の体液
から回収する。例えば、Balb/cマウス由来のハイ
ブリド細胞をプリスタンのごとき炭化水素で前処理され
ている場合があるBalb/cマウスに腹腔内注射し、
そして1〜2週間後これらのマウスの腹水を集める。そ
れ自体既知の方法により、例えば蛋白質を硫酸アンモニ
ウム等により沈澱せしめ、次に標準的方法、例えばゲル
濾過、イオン交換クロマトグラフィー、DEAEセルロ
ース上でのクロマトグラフィー、又はイムノアフィニテ
ィークロマトグラフィーにより免疫グロブリンを精製す
ることにより体液から目的のモノクローナル抗体を単離
する。
【0082】前記の様にしてヒトインターフェロンで誘
導された蛋白質に対する特異性を維持しているモノクロ
ーナル抗体の断片、例えばFab,Fab′又はF(a
b′)2 断片は、工程a)又はb)に従って調製された
モノクローナル抗体から、それ自体既知の方法により、
例えばペプシンもしくはパパインのごとき酵素による消
化及び/又は化学的還元によるジスルフィド結合の開裂
により得ることができる。
【0083】放射性ヨウ素によりラベルされたモノクロ
ーナル抗体は当業界で知られているヨウ素化法により、
例えば放射性ヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウム及び
化学酸化剤、例えば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミン
T等により、あるいは酵素的酸化剤、例えばラクトパー
オキシダーゼ又はグルコースオキシダーゼ及びグルコー
スによりモノクローナル抗体をラベルすることにより製
造される。この発明の放射能ラベルされたモノクローナ
ル抗体はまた、段階a)のインビトロ培養の培地に放射
能ラベルされた栄養素を添加することによっても製造さ
れる。この様な放射能ラベルされた栄養素は、例えば放
射性炭素(14C)、トリチウム( 3H)、硫黄(35S)
等を含有し、そして例えばL−(14C)−ロイシン、L
−( 3H)−ロイシン又はL−(35S)−メチオニンで
ある。
【0084】この発明のモノクローナル抗体の接合体
は、当業界において知られている方法により、例えば工
程a)もしくはb)に従って調製されたモノクローナル
抗体又は前記の方法により調製された断片を、カップリ
ング剤、例えばグルタルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、
N,N′−0−フェニレンジマレイミド、N−(m−マ
レイミドベンゾイルオキシ)−サクシンイミド、N−
(3−〔2′−ピリジルジチオ〕−プロピオノキシ)−
サクシンイミド、N−エチル−N′−(3−ジメチル−
アミノプロピル)−カルボジイミド等の存在下で、酵素
と反応せしめることにより得られる。
【0085】アビジンとの接合体が同様にして得られ
る。ビオチンとの接合体は例えばモノクローナル抗体を
ビオチンの活性化されたエステル、例えばビオチンN−
ヒドロキシサクシンイミドエステルと反応せしめること
により得られる。蛍光マーカーとの接合体は、カップリ
ング剤、例えば前に挙げたカップリング剤の存在下で、
又はイソチオシアネート、好ましくはフルオレッセイン
−イソチオシアネートとの反応により調製される。
【0086】この発明はさらに、前記のようにヒトイン
ターフェロンで誘導された蛋白質に対する特異性を有す
るモノクローナル抗体を分泌することを特徴とするハイ
ブリドーマセルラインに関する。特にこの発明は、骨髄
腫細胞と78kDa の見かけ分子量を有する精製されたヒ
トインターフェロン誘導蛋白質により免疫感作された哺
乳類のBリンパ球とのハイブリドーマであるセルライン
に関する。好ましくは、これらのセルラインはマウス骨
髄腫細胞と前記蛋白質により免疫感作された同系マウス
のBリンパ球とのハイブリドである。
【0087】この様なセルラインの例として、885
S35.8.1、885 S35.16.11、885
S56.55.7.12.48、885 S56.5
5.7.21.25、885 S56.55.7.2
7.5、885 S56.55.7.27.11、88
5 S56.55.13、885 S56.55.1
7、及び885 S56.67.15と称するハイブリ
ドーマセルラインが挙げられる。
【0088】これらのハイブリドーマセルラインはマウ
ス骨髄腫セルラインSp2/0−Ag14と、前記の様
なナマルワ細胞からの精製されたヒトインターフェロン
誘導蛋白質により免疫感作されたBalb/cマウスの
脾臓のBリンパ球とのハイブリドーマである。これらは
安定なセルラインであり対応する名称のモノクローナル
抗体を分泌する。セルラインは培養において保持される
か、又は液体窒素中での深冷凍結により保持されそして
解凍により再活性化される。885 S35.8.1、
885 S56.55.13及び885 S56.6
7.15と称するハイブリドーマセルラインが特に好ま
しく、これらはそれぞれI−545,I−543及びI
−544として、パスツール研究所(パリ)のCollecti
on Nationale de Cultures de Microorganismes に19
86年4月9日に寄託された。
【0089】この発明はまた、前記のインターフェロン
誘導蛋白質に対する特異性を有するモノクローナル抗体
を分泌するハイブリドーマセルラインの製造方法に関
し、この方法は適当な哺乳類を精製された蛋白質によ
り、場合によっては抗原キャリャーと共に免疫感作し、
この哺乳類の抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合せしめ、
この融合において得られたハイブリド細胞をクローン化
し、そして目的の抗体を分泌する細胞クローンを選択す
ることを特徴とする。
【0090】免疫感作のために好ましい動物はマウス、
特にHR−マウスである。免疫感作は、例えば、誘導さ
れたナマルワ細胞からの精製された78kDa 蛋白質を含
有する抗原キャリャー例えばニトロセルロース片を移植
し、そしてさらに2μg〜10μgの該蛋白質を2〜1
0回非経口的に、例えば腹腔内及び/又は皮下に7〜3
0日の間隔で注射することにより行われる。この注射は
場合によってはリンパ球の生産を刺激するアジュバン
ト、例えば完全又は不完全フロインドアジュバント及び
/又はアジュバントペプチドを含有する。
【0091】最終追加免疫の2〜5日後に採取した免疫
感作された哺乳類の抗体産生細胞、好ましくは脾細胞を
融合促進剤の存在下で適当なセルラインの骨髄腫細胞と
融合せしめる。幾つかの適当な骨髄腫セルラインが当業
界において知られている。酵素グアニンホスホリボシル
トランスフェラーゼ(HGPRT)又は酵素チミジンキ
ナーゼ(TK)を欠いており、それ故にヒポキサンチ
ン、アミノプテリン及びチミジンを含有する選択培地
(HAT培地)中で生存しない骨髄腫セルラインが好ま
しい。
【0092】HAT培地中で生存せずそして免疫グロブ
リン又はその断片を分泌しない骨髄腫セルライン及び誘
導体セルライン、例えばセルラインX63−Ag8.6
53又はSp2/0−Ag14が特に好ましい。考慮さ
れる融合促進剤は例えばセンダイウイルス又は他のパラ
ミクソウイルス(場合によってはUVで不活性化された
形のもの)、カルシウムイオン、界面活性リピド例えば
リソレシチン、又はポリエチレングリコールである。好
ましくは、骨髄腫細胞を、分子量1000〜4000の
ポリエチレングリコール約30〜約60%を含有する溶
液中で、免疫感作された哺乳類からの3〜20倍過剰の
脾細胞と融合せしめる。
【0093】ハイブリドーマ細胞の拡張のために適当な
培地は標準的培地、例えばダルベコ改変イーグル培地、
最少必須培地、RPMI1640培地等であって、場合
によっては、血清、例えば10〜15%のウシ胎児血清
が補充されたものである。好ましくは、細胞増殖の始め
においてフィーダー細胞、例えば正常マウス腹腔滲出細
胞、脾細胞、骨髄マクロファージ等を加える。ハイブリ
ドーマ細胞に卓越して正常細胞が増殖するのを防止する
ため培地に選択HAT培地を一定間隔で補充する。
【0094】ハイブリドーマ細胞培養上清を目的のモノ
クローナル抗体について好ましくは酵素イムノアッセ
イ、例えばドット−ELISAアッセイ、又はラジオイ
ムノアッセイによりスクリーニングする。陽性ハイブリ
ドーマ細胞を、例えば限界稀釈法により、選択的に2回
以上クローン化する。場合によっては、ハイブリドーマ
細胞を、動物、例えばマウスへのi.p.注射及び腫水
の収得により継代し、これによりハイブリドーマを安定
化し、そして増殖特性を改良する。
【0095】この発明のモノクローナル抗体及び/又は
その誘導体は、前記のインターフェロン誘導ヒト蛋白質
の定性的及び定量的測定のために有用である。例えば、
モノクローナル抗体又はその誘導体、例えば酵素接合体
又は放射性誘導体は、この発明の蛋白質の抗原決定基と
モノクローナル抗体との間の結合相互作用に基礎を置く
既知のイムノアッセイのいずれかにおいて使用すること
ができる。この様なアッセイの例としてラジオイムノア
ッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ、例えばエンザ
イム・リンクド・イムノソルベント・アッセイ(ELI
SA)、イムノフルオレッセンス、免疫沈澱、ラテック
ス凝集、及び赤血球凝集が挙げられる。これらのイムノ
アッセイは例えば天然源又は遺伝子操作された微生物か
らの目的蛋白質の生産及び精製のモニターのため、並び
に例えばこの発明の蛋白質又はインターフェロンによる
治療を受けている患者又はそのような治療を必要とする
患者の生物学的流体中の蛋白質の定性的及び定量的測定
のために有用である。
【0096】この発明のモノクローナル抗体はそれ自体
として、又は放射性ラベルされた誘導体の形でラジオイ
ムノアッセイ(RIA)において使用することができ
る。RIAの任意の既知の変法、例えば均一相RIA、
固相RIA又は不均一相RIA、及びこの発明の蛋白質
の直接又は間接(競争的)測定のためのシングルRIA
又はダブル(サンドイッチ)RIAを使用することがで
きる。
【0097】サンドイッチRIAが好ましく、この方法
においてはキャリャー、例えばポリスチレン、ポリプロ
ピレン又はポリ塩化ビニルのミクロタイタープレート又
は試験管のプラスチック表面、ガラス又はプラスチック
のビーズ、濾紙、あるいはデキストラン、酢酸セルロー
ス又はニトロセルロースのシート等が単純吸着又は例え
ばグルタルアルデヒドもしくは臭化シアンによるキャリ
ャーの活性化の後に本発明のモノクローナル抗体により
コートされ、そして試験溶液及び 125Iで放射性ラベル
されたモノクローナル抗体の溶液、すなわちキャリャー
に結合したモノクローナル抗体とは異る、この発明の蛋
白質の他のエピトープを認識する溶解したモノクローナ
ル抗体と共にインキュベートし、そしてキャリャーに結
合した放射能を測定することによりこの発明の蛋白質の
量を決定する。
【0098】前記のサンドイッチラジオイムノアッセイ
が特に好ましく、この方法においてはこの発明のモノク
ローナル抗体をビーズ、例えばポリスチレンビーズに結
合せしめ、このコートされたビーズをインターフェロン
誘導−ヒト蛋白質を含有する標準溶液又は試験溶液中で
インキュベートし、そして最後に異るエピトープを認識
する放射性ラベルされたモノクローナル抗体により発色
せしめる。この発明のモノクローナル抗体はそれ自体と
して、又は酵素接合誘導体の形態で酵素イムノアッセイ
において使用することができる。この様なイムノアッセ
イには、この発明の酵素ラベルされたモノクローナル抗
体誘導体、又はこの発明の抗体のエピトープを認識しそ
れに結合するそれ自体既知の酵素ラベルされた抗体を使
用する方法が含まれる。
【0099】ELISA(エンザイム・リンクド・イム
ノソルベント・アッセイ)が好ましく、この方法におい
てはRIAについて前記したキャリャーがこの発明のモ
ノクローナル抗体でコートされ、インターフェロン誘導
ヒト蛋白質を含有する試験溶液と共にインキュベートさ
れ、そして次にこの蛋白質に対するポリクローナル血
清、例えばヒツジ血清と共にインキュベートされ、そし
て最後にこのポリクローナル血清の結合した抗体がこれ
らを認識しそしてこれらに結合する酵素ラベルされた抗
体により顕現され、そして結合した蛋白質の量が酵素基
質反応により決定される。この様な酵素ラベルされた抗
体は例えばホスファターゼラベルされたヤギ−抗ヒツジ
免疫グロブリンである。
【0100】さらに、他のELISAも好ましく、この
方法においてはこの発明のモノクローナル抗体でコート
されたキャリャーを試験溶液及び酵素と接合したモノク
ローナル抗体の溶液、すなわちキャリャーに結合したモ
ノクローナル抗体ではなくインターフェロン誘導−ヒト
蛋白質の他のエピトープを認識する溶解したモノクロー
ナル抗体と共にインキュベートする。他の変化をもたら
しそして肉眼により又は光学測定装置により観察するこ
とができる酵素基質反応により、試験溶液中の蛋白質の
量と比例する結合した酵素の量を測定する。
【0101】イムノブロット分析と呼ばれる酵素イムノ
アッセイが特に好ましく、この方法においてはインター
フェロン誘導−ヒト蛋白質を含有する試験溶液又は標準
溶液がポリペプチドに対する強い親和性を有するミクロ
ポーラスキャリャー、例えばニトロセルロース上にスポ
ットされ、このサンプルの1個又は複数個のドットを担
持するキャリャーがこの発明のモノクローナル抗体溶液
中でインキュベートされ、次にこの発明のモノクローナ
ル抗体を認識しそして結合する酵素ラベルされた第二抗
体の溶液中でインキュベートされ、そして最後に検出可
能なシグナル、例えば着色された物質をもたらす酵素基
質の溶液中でインキュベートされる。この様な酵素ラベ
ルされた第二抗体は例えば、ホースラディッシュパーオ
キシダーゼと接合したラビット抗マウス免疫グロブリン
であって、これを適当な酵素基質、例えば4−クロロ−
1−ナフトール等により発色せしめることができる。
【0102】この発明のモノクローナル抗体はそれ自体
として又は蛍光マーカーと接合した誘導体の形で蛍光抗
体試験法において使用することができる。このような蛍
光抗体試験法は、この発明のモノクローナル抗体の誘導
体、例えばフルオレッセインと接合した誘導体、又はこ
の発明のモノクローナル抗体のエピトープを認識しそし
て結合するそれ自体既知の蛍光マーカーラベルされた抗
体を使用する方法を包含する。
【0103】次の様な蛍光抗体法が好ましく、この方法
においてはRIAについて記載したようなキャリャーを
標準的方法に従って、この発明の蛋白質の存在について
試験されるべき細胞によりコートし、該細胞を固定し、
そして細胞内の蛋白質性物質と適用された溶液との相互
作用を許容する様に透過性にし、そして蛍光マーカーと
接合したこの発明のモノクローナル抗体誘導体の溶液と
共にインキュベートするか、又はこの発明のモノクロー
ナル抗体の溶液とインキュベートし次にこの発明のモノ
クローナル抗体を認識しそして結合する蛍光マーカーに
よりラベルされた第二抗体、例えばフルオレッセインで
ラベルされたラビット抗マウス免疫グロブリンの溶液と
共にインキュベートする。次に、標準的蛍光顕微鏡法又
はフローサイトメトリーによりこの発明の蛋白質の存在
を検出しそして該蛋白質の位置を決定する。
【0104】この発明のモノクローナル抗体はそれ自体
として、又は放射性ラベルされた誘導体の形態で免疫沈
澱試験において使用することができる。次の免疫沈澱試
験が好ましく、この方法においては、この発明の蛋白質
を生産する能力について試験されるべき細胞を、放射性
ラベルされた栄養素、例えば放射性炭素(14C)、トリ
チウム( 3H)、硫黄(35S)等によりラベルされた栄
養素、例えば(35S)−メチオニンを含有する培地中で
増殖せしめ、次に細胞溶解して該細胞によって生産され
た放射性ラベルされた蛋白質性材料の溶液を得る。
【0105】この溶液をこの発明のモノクローナル抗体
の溶液と共にインキュベートし、細胞中で生成した放射
性ラベルされた蛋白質とこの発明のモノクローナル抗体
との間のすべての複合体を沈澱せしめるか、あるいは好
ましくは、この発明のモノクローナル抗体に対する高い
親和性を有するアフィニティークロマトグラフィー材
料、例えばプロテインAと連結されたクロマトグラフィ
ー材料上に、又はこの発明のモノクローナル抗体を認識
しそして結合する抗体、例えばラビット抗−マウス免疫
グロブリンに吸着せしめ、そして蛋白質/抗体複合体を
該沈澱又はアフィニティークロマトグラフィー材料から
単離する。
【0106】次に放射性ラベルされた蛋白質の存在を通
常の分析法、例えばフルオログラフィーを伴うSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動により、蛋白質/抗体複
合体が解離する条件下で確認する。ヒトインターフェロ
ンで誘導された蛋白質の定性的及び定量的測定のため
の、前記のモノクローナル抗体及びその誘導体のこの発
明に従う使用はまた、それ自体既知の他のイムノアッセ
イ、例えば抗体又は抗原がコートされたラテックス粒子
を用いるラテックス凝集法、あるいは抗原又は抗体がコ
ートされた赤血球を用いる血球凝集法等を含む。
【0107】この発明はまた、78kDa の見かけ分子量
を有するヒトインターフェロン誘導蛋白質の定性的及び
定量的測定のための試験キットに関し、このキットはこ
の発明のモノクローナル抗体及び/又はその誘導体、並
びに場合によっては他のモノクローナル抗体もしくはポ
リクローナル抗体及び/又は補助材を含む。ラジオイム
ノアッセイのためのこの発明のキットは、例えば、この
発明のモノクローナル抗体によりコートされているか又
はコートされていない適当な担体、ここの発明の蛋白質
に対するモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗
体及び/又は放射性ラベルされたそれらの誘導体の場合
によっては凍結乾燥されているか又は濃縮されている溶
液、この蛋白質の標準溶液、緩衝液、並びに場合によっ
ては非特異的吸着及び凝集の形成を防止するための洗剤
及びポリペプチド、ピペット、反応容器、換算曲線、指
示書等を含む。
【0108】酵素イムノアッセイのためのこの発明のキ
ットは、例えば、適当なキャリャー、例えばミクロタイ
タープレート又はニトロセルロースシート、この発明の
蛋白質に対するモノクローナル抗体の及びこの蛋白質に
対する又はこの蛋白質を認識する第一抗体に対する酵素
ラベルされたモノクローナル抗体又はポリクローナル抗
体の場合によっては凍結乾燥されているか又は濃縮され
ている溶液、固体又は溶解した形態の酵素基質、この発
明の蛋白質の標準溶液、緩衝液、並びに場合によって
は、ポリペプチド及び洗剤、ピペット、反応容器、換算
曲線、色スケール表、指示書等を含む。
【0109】蛍光抗体試験のためのこの発明の試験キッ
トは、例えば、適当な担体、例えばプラスチックカバー
スリップ又はガラススライド、この発明の蛋白質に対す
るモノクローナル抗体の及び該モノクローナル抗体を認
識するフルオレッセインでラベルされたポリクローナル
抗体の場合によっては凍結乾燥されているか又は濃縮さ
れている溶液、緩衝液、並びに場合によってはこの発明
の蛋白質を含有する標準溶液、ポリペプチド及び洗剤、
ピペット、反応容器、指示書等を含む。
【0110】免疫沈澱試験のためのこの発明の試験キッ
トは、例えば、適当なキャリャー、例えばプラスチック
又はガラスのプレート、この発明の蛋白質に対するモノ
クローナル抗体の場合によっては凍結乾燥されているか
又は濃縮されている溶液、放射性ラベルされた栄養素、
例えば35S−メチオニンの溶液、組織培養溶液、緩衝
液、インターフェロン−α又は−βの場合によっては凍
結乾燥されているか又は濃縮されている溶液、並びに場
合によっては、この発明の蛋白質を含有する標準溶液、
抗原/抗体複合体中のモノクローナル抗体と結合するア
フィニティークロマトグラフィー材料、洗剤及びポリペ
プチド、ピペット、反応容器、指示書等を含む。
【0111】この発明のモノクローナル抗体及び抗体誘
導体は、インターフェロン−α又は−βにより誘導され
たヒト78kDa 蛋白質の定性的及び定量的測定のため
に、好ましくは酵素イムノアッセイ、蛍光抗体試験又は
免疫沈澱試験において使用される。生物学的流体、組織
切片及び細胞中のヒト78kDa 蛋白質の量の確実な決定
は、ヒト78kDa 蛋白質を用いる療法の又はインターフ
ェロン−αもしくは−βを用いる療法の簡単な監視を可
能にする。さらに、モノクローナル抗体及び抗体誘導体
は、天然源又は組換宿主細胞からのイノムアフィニティ
ークロマトグラフィーによるヒト78kDa 蛋白質の単離
及び精製において使用することができる。
【0112】次に、例によりこの発明をさらに具体的に
説明するが、これによりこの発明の範囲を限定するもの
ではない。例において使用される略号は次の意味を有す
る。 ATP アデノシン三リン酸 BSA ウシ血清アルブミン cDNA 相補的DNA cpm カウント/分(放射能崩壊) dA 2′−デオキシアデノシン dATP 2′−デオキシアデノシン三リン酸 dC 2′−デオキシシチジン dCTP 2′−デオキシシチジン三リン酸 dG 2′−デオキシグアノシン dGTP 2′−デオキシグアノシン三リン酸 DNA デオキシリボヌクレオチド dNTP dATP,dCTP,dGTP及びdT
TPの混合物 ds DNA 二本鎖DNA dT (2′−デオキシ)チミジン dTTP チミジン三リン酸 EDTA エチレンジアミン四酢酸
【0113】FCS ウシ胎児血清 HAT ヒポキサンチン/アミノプテリン/チミ
ジン IFN インターフェロン kDa キロダルトン(分子量) mRNA メッセンジャーRNA PBS リン酸緩衝化塩溶液 RNA リボ核酸 rpm 1分間当り回転数 SDS ドデシル硫酸ナトリウム TBS Tris緩衝液 Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン tRNA トランスファーRNA。
【0114】次の緩衝液及び培地を使用する。 デンハート溶液 0.1%ポリビニルピロリドン(P
VP−360、シグマ)、0.1%フィコール400
(ファルマシア)、0.1%BSA。 低張緩衝液 5mM Tris・HCl(pH7.
4)、1.5mM KCl、2.5mM MgCl2 。 LB培地 1%バクト(登録商標)トリプトン
(ディフコ)、0.5%バクト(登録商標)酵母エキス
(ディフコ)、170mM NaCl,NaOHによりpH
7.5に調整。 連結緩衝液 50mM Tris HCl(pH
8)、7mM MgCl2 、1mMジチオスレイトール。 マングビーンヌクレアーゼ緩衝液 30mM NaOAc(pH5)、50mM NaCl、1mM
ZnCl2 、5%グリセロール。
【0115】PBS 136mM NaCl、
2mM KCl、8mM Na2 HPO4、1.4mM KH
2 PO4 。 SSC緩衝液 15mM クエン酸ナトリウム、15
0mM NaCl,NaOHにてpH7.0に調整。 TBS 10mM Tris・HCl(pH7.
6)、0.15M NaCl。 TE緩衝液 10mM Tris・HCl(pH7.
5)、1mM EDTA。
【0116】例1インターフェロンによるナマルワ細
胞の誘導 1.1.セルライン ナマルワ細胞ATCC CRL 1432を、2g/l
のNaHCO3 、10 5 ユニット/lのペニシリン、1
00mg/lのストレプトマイシン及び10%の不活性化
FCS(56℃にて30分間インキュベーション)を補
充されたRPMI1640培地中で1lのスピンナーフ
ラスコ(ベルコ)中浮遊培養により培養する。細胞を5
×105 細胞/mlの濃度で接種し、そして濃度が20×
105 細胞/ml(1週間に約3倍)に達した時に前培養
とする。
【0117】1.2.インターフェロン−αによる誘導 2lの培地にナマルワ細胞を5×105 細胞/mlの濃度
に接種する。これを3lのスピンナーフラスコ中で37
℃にて3日間培養する。指数増殖の終点において細胞の
濃度が2〜3×106 細胞/mlに達する。細胞を800
×gにて30分間遠心分離し、次に2lの培地に再懸濁
し、そして37℃にて6時間インキュベートする。イン
ターフェロン51 (EP−A76 489に従って調製
されたα/βタイプ)を5000国際単位/mlの最終濃
度に加え、そして培養物を37℃にて20時間さらにイ
ンキュベートする。
【0118】1.3.細胞の収得 細胞を1000×gにて30分間遠心する。細胞ペレッ
トをPBSで洗浄する。細胞を800×gにて10分間
遠心し、そしてペレットを低張緩衝液中に懸濁する。細
胞を800×gにて10分間遠心し、そしてペレットを
ドライアイス上で迅速に凍結し、そして−20℃に保持
する。
【0119】例278kDa 蛋白質の単離及び精製 2.1.蛋白質の抽出 例1の解凍された細胞を、50mM Tris−HCl
(pH7.4)及び4MNaClを含有する緩衝液200
mlにより20℃にて細胞溶解せしめる。この溶解物を8
0,000×gにて1時間の超遠心分離により透明にす
る。IFNにより誘導された蛋白質は上清中に存在す
る。この上清に硫酸アンモニウムを徐々に加えて最終濃
度30%にする。蛋白質を20℃にて1時間沈澱せしめ
る。IFNで誘導された蛋白質を含有する沈澱を300
0×gにて15分間遠心分離し、次に50mM Tris
−HCl(pH8)、150mMメルカプトエタノール及び
2%NP−40を含有する緩衝液3ml中に懸濁する。懸
濁液を同じ緩衝液に対して十分に透析する。IFNで誘
導された蛋白質のほとんどが不溶性のままである。
【0120】2.2.分取用ゲル電気泳動 不溶性蛋白質を遠心分離し、そしてサンプル緩衝液〔
U.K.Laemmli及び M.Fovre, J.Mol.Biol, 80, 575 (197
3)〕中に溶解する。スラブゲル(厚さ1.5mm、長さ1
10mm)を Laemmli及び Fovreにより記載された様にし
て調製する。分離ゲルは12%のアクリルアミド及び
0.32%のビス−アクリルアミドを含有する。電気泳
動の終りにおいてゲルを氷冷した0.25mM KClに
浸漬することによって可視化する。70kDa 〜85kDa
の間の分子量を有する蛋白質を含有するゲル片を切り出
す。このゲルを水により十分に洗浄し、50mM N−エ
チルモルホリニウムアセテート(pH8.5)及び0.1
%SDSを含む溶液により平衡化する。最後にゲルを2
M尿素、50mM N−エチルモルホリニウムアセテート
(pH8.5)、2%SDS及び50mMジチオスレイトー
ルを含有する溶液中で細断し、そしてこの混合物を37
℃にて1時間インキュベートする。
【0121】2.3.ゲルからの蛋白質の電気透析 ISCOサンプル濃縮器(モデル1750)を用いて、
A.J.Brown及び J.C.Bennett〔Methods in Enzymology
, 91, 450 (1983)〕に記載されている様にしてゲル片
から蛋白質を溶出する。0.01%SDS及び1mMジチ
オスレイトールを含有するN−エチルモルホリニウムア
セテート(pH8.5)溶液を緩衝液として濃縮器タンク
の外室(0.1M)及び内室(0.05M)に使用す
る。溶出された蛋白質を5容量のアセトンで沈澱せしめ
る。
【0122】2.4.ポリアクリルアミドゲル電気泳動
による二次元での最終精製 P.Z.O'Farrell等〔Cell 12, 1133 (1977) 〕により記
載されている様にして、非平衡pHグラジエント電気泳動
(NEPHGE)とSDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動とを組合わせた二次元系を用いる。アセトン沈澱
(例2.3)の蛋白質を“溶解緩衝液A”〔 P.H.O'Far
rell, J.Biol. Chem. 250 , 4007 (1975) 〕中に溶解
し、そして2%の両性電解質(pH3〜10)を含有する
非平衡pHグラジエント電気泳動ゲルの酸性末端に適用す
る。500Vにて5時間電気泳動を行う。
【0123】第二次元におけるスラブゲル電気泳動のた
めの分離ゲルは12%のアクリルアミド及び0.32%
のビス−アクリルアミドを含有する。ゲルを氷冷した
0.25M KClに浸漬することにより蛋白質を可視
化する。IFNで誘導された蛋白質を含有するゲル片
(他の蛋白質を含有しない単一スポット)を切り出し、
そして例2.3に記載した電気透析のために処理する。
精製された蛋白質を5容量のアセトンにより沈澱せしめ
る。
【0124】例3精製された78kDa 蛋白質の特徴付
3.1.SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 精製された蛋白質を通常の方法で12%ポリアクリルア
ミドゲル上で一次元ゲル電気泳動により分析する。バン
ドをクマッシーブルーG−250により染色する。並行
して泳動せしめた分子量マーカー(ビオ−ラドより)は
リゾチーム(14kDa )、大豆トリプシンインヒビター
(21.5kDa )、カルボニックアンヒドラーゼ(31
kDa )、オバルブミン(45kDa )、ウシ血清アルブミ
ン(66.2kDa )、及びホスホリダーゼB(92.5
kDa )である。精製されたILM−誘導蛋白質はこのタ
イプの分析において均一であり、そして分子量約78kD
aの蛋白質として泳動する。
【0125】P.H.O'Farrell,〔J.Biol.Chem., 250 , 40
07 (1975) 〕により記載された系において決定した場
合、IFN−誘導蛋白質の等電点は6.3である。 3.2.N−末端アミノ酸配列 J.Y.Chang等〔Biochem.J., 211 , 173 (1983)〕により
記載されている方法でベックマンシーケンサーにおい
て、32μgの蛋白質をアミノ酸配列分析にかける。 次のアミノ酸配列: Val-Val-X3-Glu-Val-Asp-Ile-Ala-Lys-Ala-Pro-Lys-Ala が見出される。第3アミノ酸は同定することができなか
った。
【0126】3.3.全アミノ酸組成 J.Y.Chang, R.Knecht及び D.G.Braun〔Methods in Enzy
mology , Vol 91,41-48 (1983)〕の方法に従って全ア
ミノ酸組成を決定する。要約すれば、蛋白質を6M H
Clにより加水分解し、炭酸水素ナトリウム緩衝液中
4′−ジメチルアミノ−アゾベンゼン−4−スルホニル
クロリドにより誘導体にし、そしてZorbax−OD
S高速液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムに注
入する。各アミノ酸の量を標準サンプルと比較して決定
する。結果を第1表にまとめる。
【0127】例4インターフェロンで誘導された細胞
からのmRNAの単離 4.1.インターフェロン−αによるヒト胎児包皮細胞
の誘導 ヒト胎児包皮二倍体細胞(Flow No.7000)を、
直径14cmのプラスチック皿中、2g/lのNaHCO
3 、105 ユニット/lのペニシリン、100mg/lの
ストレプトマイシン及び10%の不活性化FCS(56
℃にて30分間不活性化)を補充されたエール(Ear
l)最少必須培地中で培養する。コンフルエント細胞モ
ノレーヤーをトリプシン/EDTA溶液(ギブコ)中
1:3のスプリット比で前培養する。コンフルエント細
胞モノレーヤーを、1000国際単位/mlの最終濃度で
組換インターフェロン5、(EP−A76 489に従
って調製されたα/βタイプ)を含有する新鮮な培地中
で37℃にて4.5時間インキュベートする。
【0128】4.2.細胞質RNAの精製 例4.1.の細胞モノレーヤーをPBSにより4℃にて
洗浄し、そして低張緩衝液中で4℃にて2分間インキュ
ベートする。1%のデオキシコレート及び1%のNP−
40を含有する低張緩衝液により4℃にて5分間細胞溶
解することにより細胞質抽出物を得る。この抽出物を2
5,000×gにて5分間遠心する。この上清(45m
l)に16mgのプロテイナーゼK、720mgのNaC
l、1.8mlの1M Tris−HCl(pH7.4)及
び6.8mlの10%SDSを加える。この混合物を20
℃にて4時間保持する。0.1M Tris−HCl
(pH9)及び0.1%のオキシキノリンの溶液により飽
和されたフェノールによりRNAを3回抽出する。水相
にNaClを添加し(最終濃度0.1M)、そして−2
0℃にて2容量のエタノールによりRNAを沈澱せしめ
る。
【0129】4.3.全RNAの追加の精製 50%のホルムアミド中例4.2の2mgのRNAを、5
mM EDTA、0.01M Tris−HCl(pH7.
5)、0.2%SDS、0.05M NaCl及び50
%ホルムアミド中直線的5−20%シュークロースグラ
ジエント上に重層する。グラジエントをベックマンSW
41 Tiローター中で、20℃にて16時間40,0
00rpm で遠心する。1mlの画分を集め、0.1M N
aClとし、そして2容積のエタノールによりRNAを
沈澱せしめる。各画分のRNAのアリコートを網状赤血
球無細胞系(アメルシャム・インターナショナル No.N
90)中で製造者の指示に従って翻訳する。
【0130】インビトロで合成されそして35S−メチオ
ニンでラベルされた蛋白質を二次元のポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動により分離し、そしてフルオログラフィ
ーにより検出する。78kDa の見かけ分子量を有するI
FN−誘導蛋白質のmRNAにより指令される合成が沈
降値18S〜28Sの画分8及び9に再現性よく見られ
る。画分8及び9のポリ(A)mRNAをオリゴ(d
T)セルロース上でのクロマトグラフィーにより精製す
る。
【0131】例5cDNAライブラリーの調製及びス
クリーニング 例4.3.の精製されたmRNAから、U.Gubler及び
B.J.Hoffman, Gene, 25, 263-269 (1983)の方法に幾分
変更を加えて、cDNAライブラリーを調製した。第一
鎖cDNAの合成のため、画分8及び9の精製されたポ
リ(A)mRNA(例4.3.150μg/ml)を、5
0mM Tris−HCl(pH8.3)、10mM MgC
2 、10mMジチオスレイトール、1.25mMの各dG
TP,dATP及びdTTP、0.5mM dCTP、2
0μCiのα−32P−dCTP(約3000Ci/mmol)並
びに100μg/mlのオリゴ(dT12-18 )を含む20
〜40μlの容量中で、トリ骨髄芽球症ウイルスからの
“Super”逆転写酵素(アングリアン−バイオテク
ノロジーステヘリン)3000ユニット/mlと共に43
℃にて30分間インキュベートする。
【0132】EDTAの添加により反応を停止し、生成
物をフェノールで抽出しそしてエタノールで沈澱せしめ
る。第二鎖の合成のため、単鎖cDNA(500ng)
を、20mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM M
gCl2 、10mM(NH4)2 SO4 、100mM KC
l、0.15mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレ
オチド、50μg/ml BSA及び40mMの各dNTP
を含有する100μlの容量中で8.5ユニット/mlの
E.コリRNアーゼ、230ユニット/mlのDNAポリ
メラーゼI及び10ユニット/mlのT4 DNAリガー
ゼと共に、14℃にて一夜インキュベートする。ds
cDNAを上記の様にして単離する。
【0133】ds cDNA(40μl中100ng)を
dCTP(0.9mM)により、200mMカコジル酸カリ
ウム(pH6.9)、1mM CaCl2 及び5mg/ml B
SA内で30ユニットのターミナルトランスフェラーゼ
を用いて37℃にて60分間テイル形成し、次に熱失活
せしめる。このdc−テイルcDNAをdG−テイル化
PstI切断pBR322(BRL)に、50μlのT
E緩衝液/0.15MNaCl中で0.5μg/mlの合
計DNA濃度において58℃にて90分間アニールせし
める。このベクターによりCaCl2 処理されたE.コ
リMC1061を形質転換する。細胞を、 D.Hanahan及
びM.Meselson〔Methods Enzymol., 100 , 333-342 (198
3)〕により記載された様にして、寒天プレート上におか
れたニトロセルロースフィルター上に高濃度でプレート
し、そして取扱う。
【0134】例3.2 .の既知の部分的アミノ酸配列、
すなわち Glu-Val-Asp-Ile-Ala-Lys-Alaに基いてオリゴ
デオキシヌクレオチドの混合物を調製する。次の組成:
5′−GCYTTIGCQATRTCIACYTC−3′(式中、A,T,
G,C及びIはそれぞれアデノシン、チミジン、グアノ
シン、シトシン、及びイノシンを表わし、Y及びRはそ
れぞれピリミジン(T,C)及びプリン(A,G)を表
わし、そしてQはA,G及びTを表わす〕を Ike等、Nu
cleic Acid Research , 11, 477 (1983)の方法に従って
合成する。
【0135】これらのオリゴデオキシヌクレオチドの
5′−末端をγ−32P−dATP(5000Ci/mmol)
及びポリヌクレオチドキナーゼ(ファルマシア)を用い
て2〜5×108 cpm /μgに、標準的方法〔T.Maniat
is, EF.Fritsch及びJ.Sambrook, "Molecular cloning,
a laboratory manual", コールドスプリングハーバーラ
ボラトリー、1982〕に従って放射性にする。
【0136】cDNAライブラリーの細菌クローンの2
枚のレプリカを Hanahan及びMeselson(前記に引用)の
方法に従って6×SSC、5×デンハート溶液、250
μg/mlのtRNA、50ユニット/mlのヘパリン及び
0.1%のSDSを含有する媒体中で47℃にて上記の
ヌクレオチド混合物とハイブリダイズせしめる。ハイブ
リダイゼーションの後、フィルターを6×SSC及び
0.5%のSDSを含有する溶液中で20℃にて20分
間ずつ4回及び47℃にて5分間洗浄する。約850塩
基対の挿入部を有するDNAプラスミドを含有するクロ
ーンB1,1がオリゴヌクレオチドとハイブリダイズす
ることが見出され、これを15μg/mlのテトラサイク
リンを補充されたLB培地中で37℃にて増殖せしめ
る。
【0137】例6プラスミドDNAの単離 15μg/mlのテトラサイクリンが補充されたLB培地
800mlに1mlのクローンB1,1(例5)を接種し、
そして37℃にて光学濃度OD550 =0.7まで(約5
時間)培養する。エタノール中に溶解した200μg/
mlのクロラムフェニコールを加え、そして培養を37℃
にて一夜続ける。この混合物を0℃にて20分間400
0rpm で遠心分離し、細菌ペレットを36mlのTE緩衝
液中に懸濁し、そしてSS34チューブに移す。懸濁液
を0℃にて5分間5000rpm で遠心する。ペレットを
7.2mlの25%シュークロース/50mM Tris−
HCl(pH7.5)中に再懸濁し、0.75mlの新しく
調製したリゾチーム(250mM Tris−HCl、pH
7.5中10mg/ml)で処理し、そして氷上で5分間イ
ンキュベートする。
【0138】3.0mlの0.25M EDTA(pH8.
0)、及び5分間後12mlのトリトン溶液〔0.1%の
トリトンX−100(シグマ)、60mM EDTA、5
0mMTris−HCl(pH8.0)〕を加え、そして0
℃にて1時間インキュベーションを続ける。混合物をS
S34遠心器中で18,000rpm にて50分間遠心分
離する。上清を注意深くメスシリンダーに注入し、そし
てTE緩衝液により容量を30mlに調整する。30gの
CsCl及び2.58mlの臭化エチジウム(10mg/m
l)を加え、そして混合物を20℃にて16時間48,
000rpm でVTi50遠心器中で遠心分離する。スー
パーコイルDNAを含む低バンドを集め、水性CsCl
により飽和されたイソプロパノールにより5回抽出し、
そしてTE緩衝液で稀釈して濁りを無くする。DNAを
エタノールにより−20℃にて沈澱せしめ、そして上記
のCsClグラジエント中で再度精製する。
【0139】例7選択されたクローンが78kDa イン
ターフェロン誘導蛋白質をコードすることを証明する試
7.1.ノーサンブロット 例4.1.及び4.2.に従って単離されたIFN−誘
導ヒト胎児包皮細胞由来全RNA、及びインターフェロ
ンで誘導されなかった対応する細胞由来の全RNAを5
0v/v%のジメチルスルホキシド及び10mMリン酸ナ
トリウム緩衝液(pH7.0)中1Mグリオキサールによ
り変性し、1.1%アガロースゲル上で電気泳動し、そ
してP.S.Thomas〔Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 77, 5201
-5205 (1980)〕により記載されているのと実質的に同様
にして3M NaCl/0.3Mクエン酸三ナトリウム
を用いてニトロセルロースに移す。
【0140】ニトロセルロースフィルターを80℃にて
2時間真空下で加熱し、5×SSC/50%ホルムアミ
ドを含有する緩衝液中で42℃にて3時間前ハイブリダ
イズせしめ、次にデキストランサルフェート500、及
び上記の様にしてγ−32P−dATPとポリヌクレオチ
ドキナーゼでラベルされたクローンB1,1(例6)か
らの0.5〜1.0×106 cpm /mlのDNAを含有す
る同じ緩衝液中で42℃にて20分間ハイブリダイズせ
しめる。フィルターを2×SSC/0.1%SDS中で
20℃にて5分間ずつ4回、及び0.1×SSC/0.
1%SDS中で50℃にて20分間ずつ2回洗浄する。
乾燥したフィルターをCawo強化スクリーンを用いて
コダック×ARフィルムに−70℃にて6日間暴露す
る。クローンB1,1のDNAは78kDa のインターフ
ェロン誘導蛋白質をコードすると予想されるmRNAに
対応するサイズの約23SのRNAにハイブリダイズす
る。このmRNAはインターフェロンで誘導された細胞
中にのみ検出される。
【0141】7.2.ハイブリド選択された翻訳 20μlの水中10μgのクローンB1,1(例6)の
プラスミドDNAを100℃にて10分間加熱し氷上で
冷却し、20μlの1M NaOHで処理しそして室温
にて20分間インキュベートする。DNAサンプルを1
M NaCl、0.3Mクエン酸三ナトリウム、0.5
M Tris−HCl及び1M HClの溶液20μl
により中和し、そしてニトロセルロースフィルター(3
×6mm、ミリポアHAWP)上にスポットする。このフ
ィルターを20℃にて乾燥し、そして真空オーブン中で
80℃にて2時間加熱する。フィルターをシリコン処理
された1.5mlのエッペンドルフ管に入れ、1mlの水で
処理し、沸騰水浴中で1分間加熱し、そして氷中で冷却
する。
【0142】水を除去し、そして0.9M NaCl、
0.2%SDS、1mM EDTA及び20mM PIPE
S(1,4−ピペラジン−ジエタンスルホン酸、pH6.
4)中IFN−誘導細胞(例4.2)からの100μg
の全mRNAを含有する溶液50μlを加える。フィル
ターを37℃にて6時間一定撹拌しながらインキュベー
トし、次に50%ホルムアミド、20mM NaCl、8
mMクエン酸ナトリウム、1mM EDTA及び0.5%S
DSを含む洗浄緩衝液1ml中で5回洗浄する。
【0143】ハイブリダイズしたmRNAを、10μg
のtRNAを含有する1mM EDTA溶液100μlに
より沸騰水浴中で1分間溶出する。この溶液をドライア
イス中で凍結し、氷上で解凍し、そしてフィルターを取
り出す。7μlの3M酢酸ナトリウムを添加し、そして
混合物をフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコ
ール(1:1:0.04v/v)で抽出する。水相に2
50μlのエタノールを添加してmRNAを沈澱せしめ
る。
【0144】溶出されたmRNAを網状赤血球溶解物
(アメルシャムインターナショアル No.N90)中で製
造者の指示に従って翻訳する。インビトロ合成された蛋
白質のアリコートをポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より分離し、そして放射性蛋白質(翻訳系中の35S−メ
チオニンから)をフルオログラフィーにより検出する。
蛋白質の他のアリコートを例13の78kDa 蛋白質に対
して特異的なモノクローナル抗体により免疫沈澱せしめ
る。次に免疫沈澱物をポリアクリルアミドゲル電気泳動
により分離し、そしてフルオログラフィーにより検出す
る。クローンB1,1からのDNAとのハイブリダイゼ
ーションにより選択されたmRNAは、IFN−誘導ナ
マルワ細胞から単離された78kDa 蛋白質(例2)と同
じ見かけ分子量及び抗原性を有する蛋白質の合成を指令
する。
【0145】例8M13ベクターへのプラスミドDN
Aのサブクローニング 例6のクローンB1,1のプラスミドDNAを制限酵素
PstI(ベーリンガーマンハイム)により製造者の指
示に従って断片化する。挿入部を単離しそしてエタノー
ルで沈澱せしめる。ブルースクリプトM13ベクター
(ストラタジーン)をPstIで切断する。20μgの
ベクターDNAを、8ユニットのウシアルカリ性腸ホス
ファターゼ、100mMグリシン(pH10.5)、1mM
MgCl2 及び1mM ZnCl2 を含有する溶液50μ
l中で脱リン酸化する。ベクターDNAを単離しそして
フェノール/クロロホルム抽出により精製する。
【0146】クローンB1,1の0.5μgのcDNA
及び1.5μgのM13ベクターDNAを、5ユニット
のT4 DNAリガーゼ及び0.5mM ATPを含有す
る連結緩衝液20μl中で23℃にて5時間インキュベ
ートすることにより連結する。CaCl2 で処理された
E.コリrecA-JM109をこのDNA溶液により形
質転換する。100μg/mlのアンピシリン、40μg
/mlのX−Gal(5−ブロモ−4−クロロ−3−イン
ドリルβ−D−ガラクトピラノシド)及び5mMIPTG
(イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド)を含
有するLBプレート上に細胞をプレートする。コロニー
を37℃にて一夜増殖せしめ、そして未変化のM13ベ
クターを含有する青色細胞プラークからの白色により形
質転換体を選択する。
【0147】選択された個々のコロニーを50μg/ml
のアンピシリンを含有するLB培地1ml中で37℃にて
一夜増殖せしめる。遠心分離の後、上清を廃棄し、そし
てペレットを50mMのグルコース、25mM Tris−
HCl(pH8.0)及び10mM EDTAを含有する溶
液100μl中に懸濁する。22℃にて5分間の後、2
00μlの0.2N NaOH/1%SDSを加え、溶
合物を0℃にて5分間インキュベートし、150μlの
前冷却された3M酢酸ナトリウム(pH4.8)で処理
し、そして0℃にてさらに5分間保持する。
【0148】混合物をエッペンドルフ管中で1分間遠心
する。1mlのエタノールを上清に加え、そして20℃に
て2分間の後、混合物を再び1分間遠心する。ペレット
を80%のエタノールで洗浄し、そして100μlの3
00mM酢酸ナトリウム中に再懸濁する。300μlのエ
タノールを加え、そして混合物を−80℃にて30分間
保持し、そして遠心する。ペレットを80%エタノール
で洗浄し、乾燥し、そして15μlのTE緩衝液中に懸
濁する。2μlのこのDNA懸濁液をPstIにより消
化する。2μlの他のサンプルをSacI及びHind
Iにより二重消化する。得られる制限断片を7%ポリア
クリルアミドゲル上での電気泳動により分析することに
よりベクター中のcDNA挿入部の方向を決定する。
【0149】例9単方向除去後のプラスミドDNAの
サブクローニング いずれかの方向にcDNA挿入部を含有する例8のクロ
ーンからのプラスミドを例6に記載した方法を用いて単
離する。但し、テトラサイクリンではなく100μg/
mlのアンピシリンを含有するLB培地中でクローンを培
養し、そしてクロラムフェニコールは添加しない。プラ
スミドDNAをKpmI及びHindIII により完全消
化し、次にフェノールで抽出する。この二重消化された
18μgのDNAを、900ユニットのエンドヌクレア
ーゼExoIII を含有する50mM Tris−HCl
(pH8)、5mM MgCl2 、10μg/ml tRN
A、20mM 2−メルカプトエタノールの溶液中で23
℃にてインキュベートする。反応混合物から50μlの
アリコートを1分間ごとに6分間まで取り出し、80μ
lの5倍濃度のマングビーンヌクレアーゼ緩衝液及び2
70μlの水を収容するチューブに加え、そしてドライ
アイス上で凍結する。
【0150】アリコートを68℃にて15分間加熱し、
次にマングビーンヌクレアーゼ緩衝液中9ユニットのマ
ングビーンヌクレアーゼにより30℃にて30分間処理
する。アリコート当り400μlの緩衝液で平衡化され
たフェノール/クロロホルムにより反応を停止し、そし
てエタノール沈澱によりDNAを単離する。これらのD
NAを再連結し、そして得られたハイブリドベクターを
使用して例8に記載した様にしてE.コリRecA-JM
109を形質転換する。形質転換体を100μg/mlの
アンピシリンを含有するLB培地に37℃にて一夜増殖
せしめる。プラスミドDNAを単離し、そして例6に記
載したようにしてCsClグラジエント中で精製する。
【0151】例10DNA配列の決定 例6及び例9のDNAについて、例5の20−merオ
リゴヌクレオチド混合物をプライマーとして用いて標準
的方法(ジデオキシヌクレオチド法)に従って配列を決
定する。次の配列:5′−CAGCCACCATTCCAAGG −3′の
第二プライマー、及び次の配列:5′−CGCACCTTCTCCTC
ATACTGG −3′の第三プライマーを用いる上流及び下流
配列決定により式(II)の部分配列が確認される。これ
らのプライマーは Y.Ike等、〔Nucleic Acid Research
, 11, 477 (1983)〕に従って合成される。
【0152】要約すれば、例6又は9の5μgのプラス
ミドDNAを制限酵素PstI(ベーリンガー−マンハ
イム)により製造者の指示に従って線状化する。DNA
を3容量のエタノールにより沈澱せしめ、次に25μl
のTE緩衝液中に溶解する。8μlのこの溶液及び0.
5nmol/mlのプライマーを含有するTE緩衝液2μlを
混合し、沸騰水浴中に3分間置き、次にドライアイス中
で凍結する。1μlの0.1M Tris−HCl/5
0mM MgCl2 (pH7.4)を加え、そして混合物を
42℃にて30分間インキュベートする。
【0153】このプライマー/鋳型混合物をdNTP混
合物、α−35S−dATP、Klenow断片及びジデ
オキシヌクレオチドddATP,ddCTP,ddGT
P,ddTTPのそれぞれにより、標準的方法〔 J.R.D
illon, A.Nasim及びE.R.Nestmann, "Recombinant DNA m
ethodology" ウイレイ1985,90−94頁〕に従っ
て処理する。DNAを変性し、そして配列決定用6%ポ
リアクリルアミド7M尿素ゲル(J.R.Dillon等、前記に
引用、89頁)上に直接負荷し、そしてゲルを90mM
Tris硼酸/1mM EDTA(pH8.7)中で泳動せ
しめる。式(II)の位置1のATGが蛋白質のための出
発コドンであろう。上流は位置−75(TGA),−6
5(TAA),−57(TGA)及び−41(TGA)
に終止コドンを含むからである。
【0154】例11ハイブリドーマ細胞の調製 11.1.免疫感作方法 精製された蛋白質(例2)5μgを0.1%SDS及び
50mMメルカプトエタノールを含有する2M尿素20μ
l中に溶解する。5μgの蛋白質を含有するニトロセル
ロース片5×5mmを雌性HR−マウス〔パリ、クリエ研
究所Biozzi博士から入手; L.Boumsen及びA.Bernard J.
Immunol.Methods , 38, 225 (1980)を参照のこと〕の腹
腔に移植する。
【0155】4週間後、50μgのアジュバントペプチ
ド(シグマ)を含有するフロインドの不完全アジュバン
ト中5μgの78kDa 蛋白質を腹腔内(ip.)に注射
し、そして同じサンプルによる2週間に1回の追加免疫
感作を3回i.p.投与により行う。4週間後、血清を
集め、そして78kDa 蛋白質に対する抗体力価を例12
のドット−イムノアッセイにより決定する。高抗体価を
有するマウスを2週間に1回の注射によりさらに2回の
免疫感作を行い、そして1週間後に最終追加免疫を行
う。3日後、融合のために脾臓を摘出する。
【0156】11.2.細胞融合 すべての融合実験を、 G.Koehler及びC.Milstein〔Natu
re, 256 , 495 (1975)〕の方法に従って、非分泌性Sp
2/0−Ag14骨髄腫セルライン〔M.Shulman, C.
D.Wilde及び G.Koehler, Nature, 276, 269 (1978) 〕
を用いて行う。108 個の脾細胞を107 個の骨髄腫細
胞と1mlの50%エチレングリコール(PEG150
0、セルバ)の存在下で混合する。洗浄した後、細胞を
48mlの標準ダルベコ最少必須培地(ギブコ No.042
2501)に再懸濁する。融合当り3×106 個の正常
マウス腹腔滲出細胞をフィーダー細胞として加える。細
胞を48×1mlのコスタルウエルに分配し、そして3〜
6週間にわたって1週間に3回、標準HAT選択培地を
供給する。
【0157】ハイブリドーマ細胞の増殖が可視的になっ
たとき、上清を例12のドット・イムノアッセイにより
スクリーニングする。ハイブリドーマ細胞をミクロタイ
タープレート中で限界稀釈法により少なくとも一度クロ
ーン化し、そしi.p.注射によりHRマウスを通して
継代する。ハイブリドーマ細胞を腹水から収得し、そし
限界稀釈法により再度クローン化する。さらに研究する
ために選択された9個のハイブリドーマは特に安定であ
り、そして多量の免疫グロブリンを分泌する。これら
を、885 S35.8.1、885 S35.16.
11、885 S56.55.7.12.48、885
S56.55.7.21.25、885S56.5
5.7.27.5、885 S56.55.7.27.
11、885 S56.55.13、885 S56.
55.17、及び885 S56.67.15と称す
る。
【0158】例12抗体スクリーニングのためのドッ
ト−イムノアッセイ 例2の精製された蛋白質を2M尿素、0.1%SDS及
び50mMメルカプトエタノール中に溶解する。蛋白質の
稀釈を10%の不活性化ウマ血清を含有するTBS中に
行う。蛋白質をドットの形でニトロセルロース(ミリポ
ア社、ベドフォード、MaからのタイプHAWG)上に
適用する。マウス血清又はハイブリドーマ培養培地から
の抗体の稀釈を10%の不活性化ウマ血清を含有するT
BS中に行う。ドット免疫結合アッセイ、改変エンザイ
ム−リンクド・イムノソルベント・アッセイを、ラビッ
ト抗−マウスIgGパーオキシダーゼ接合第二抗体及び
TBS中H2 2 /4−クロロ−1−ナフトールを用い
て、 M.M.Derer等 (J.Allergy Clin.Immunol., 74,85
(1984) 〕により記載されたようにして行う。
【0159】例13モノクローナル抗体の単離及び精
13.1.インビボ合成 8〜10週分のBalb/cマウス(ティーファーム・シッ
セルン、スイス)を0.3mlのプリスタン(アルドリッ
チ)により腹腔内前処理する。2〜3週間後、2〜5×
106 個のクローン化ハイブリドーマ細胞及び0.2ml
のプリスタンを腹腔内に接種する。10〜10日後腹水
を集め、800×gにて遠心し、そして−20℃にて貯
蔵する。
【0160】解凍した腹水を50,000×gにて60
分間遠心分離する。表面に浮かぶ脂肪層を注意深く除去
し、そして蛋白質濃度を10〜12mg/mlに調製する。
0.9容量の飽和硫酸アンモニウムを0℃にて滴加する
ことにより粗免疫グロブリンを沈澱せしめ、次に20mM
Tris−HCl/50mM NaCl(pH7.9)中
に溶解し、そして同じ緩衝液に対して透析する。20mM
Tris−HCl/25−400mM NaCl(pH
7.9)の緩衝液グラジエント系を用いるDEAE−D
52セルロース(ワットマン)により免疫グロブリン画
分を得る。免疫グロブリンを硫酸アンモニウムにより再
度沈澱せしめ、そして10mg/mlの濃度でPBS中に溶
解する。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は、す
べてのモノクローナル抗体について95%以上の純度を
示す。
【0161】13.2.インビトロ合成 10%のFCSを含有するRPMI1640培地中で生
理的温度(約37℃)においてハイブリドーマ細胞を培
養して5×105 〜106 細胞/mlの最終細胞濃度にす
ることにより、例11.2のセルラインの前培養物を得
る。この前培養物全体をベルコ培養器に満たし、そして
新鮮なRPMI1640培地/10%FCSにより全容
量1500mlに調整する。この培養物を約37℃、5%
CO2 のもと30rpm にて2〜3日間撹拌し、次にRP
MI1640/10%FCSにより全容量3000mlに
稀釈しそしてさらに7〜10日間撹拌する。
【0162】この後細胞の95%が死滅する。培養液を
1000×gにて20分間4℃で遠心分離する。無菌条
件下でポアサイズ0.2μmのフィルターを通して上清
を濾過する。0.9容量の飽和硫酸アンモニウムを0℃
にてゆっくりと滴加することにより粗免疫グロブリンを
沈澱せしめる。この沈澱を例13.1に記載されている
様にして精製し、そして95%以上の純度のモノクロー
ナル抗体を得る。
【0163】例14モノクローナル抗体の特徴付け 14.1.モノクローナル抗体のクラス及びサブクラス
の決定 クローン化ハイブリドーマ細胞により生産されたモノク
ローナル抗体のクラス及びサブクラスを、クラス及びサ
ブクラス特異的ラビット抗体(ビオネティクス)を用い
る既知のオークテルロニー寒天ゲル免疫拡散法により決
定する。この結果を、次の様にして酵素イムノアッセイ
(ELISA)により確認する。ミクロタイタープレー
トを、50μlのPBS中1μg/ウエルのクラス−又
はサブクラス特異的血清のラビット免疫グロブリン調製
物(ビオネティクス)によりコートする。プレートの遊
離結合容量を0.2% NaN3 (w/v)を含有する
PBS(pH7.4)中1%ウシ血清アルブミンの緩衝液
により飽和する。モノクローナル抗体を含有するプロー
ブ100μlをウエル中で37℃にて1時間インキュベ
ートする。
【0164】プレートをPBSで洗浄し、次にプレート
をコートするために使用したのと同じ特異性を有するホ
スファターゼ接合ラビット免疫グロブリン調製物と共に
37℃にて1時間インキュベートする。固定された酵素
を酵素基質p−ニトロフェニルホスフェートの溶液
〔0.5mM MgCl2 及び0.02w/v%のNaN
3を含有するジエタノールアミン10%緩衝液(pH9.
8)中1mg/ml〕とのインキュベートにより発色せし
め、そして405nmにおける光学濃度を測定する。モノ
クローナル抗体、885 S35.8.1、885 S
35.16.11、885 S56.55.7.12.
48、885 S56.55.7.21.25、885
S56.55.7.27.5、885 S56.5
5.7.27.11、885 S56.55.13、8
85 S56.55.17、及び885S56.67.
15はすべてクラスIgG1 に属する。
【0165】14.2.ヒト78kDa 蛋白質に対する選
択性 マウスA2G胎児二倍体細胞、ラット胎児二倍体細胞、
ハムスター胎児二倍体細胞、ウマ腎二倍体細胞、真皮セ
ルラインNBL−6(ATCC No.CCL57)の細
胞、ウシ腎二倍体細胞、ネコ胎児肺二倍体細胞、ベロ・
セルラインATCC No.CCL81のモンキー細胞、ラ
ビット胎児細胞、ヒツジ脈絡膜叢細胞、ブタ腎二倍体細
胞、及び腎セルラインPK−15(ATCC No.CCL
33)の細胞を、例1.2及び4.1においてヒト細胞
について記載したようにして組換インターフェロンα/
β−Dハイブリドと共にインキュベートする〔 M.A.Hor
isberger及び K.de Starirtzky, J.Gen.Virol. (1987),
Vol 68 〕。
【0166】これらすべての種の細胞において、ヒト7
8kDa 蛋白質に関連する少なくとも1つの蛋白質が検出
される。これらの抗原的に関連する蛋白質は例11.1
に従ってひと78kDa 蛋白質により免疫感作されたマウ
スから得られるポリクローナル抗体によって同定され
る。しかしながら例17の蛍光抗体法、例18の免疫沈
澱法又はウエスタンブロット法により試験した場合、モ
ノクローナル抗体885S35.8.1、885 S5
6.55.13及び885 S56.67.15はヒト
78kDa 蛋白質にのみ結合し、そして上記の種の関連蛋
白質とは結合しない。ウエスタンブロットのためには蛋
白質をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により分
離し、そしてニトロセルロースに移行せしめ、次に例1
6のイムノドットアッセイについて記載したようにして
試験する。
【0167】例15酵素−イムノアッセイ(ELIS
A) 15.1.アルカリ性ホスファターゼによるモノクロー
ナル抗体885 S35.8.1のラベル化 1.4mlのPBS中1.4mgのモノクローナル抗体88
5 S35.8.1を、グルタルアルデヒド(0.2v
/v%)を用いてVoller等〔Bull.World Health Orga
n., 53, 55 (1976) 〕の標準的方法に従って5mgのアル
カリ性ホスファターゼ(シグマP6774、タイプ VII
−T)を含有する溶液とカップリングせしめる。この接
合体を、1mM MgSO2 、1%BSA及び0.02%
NaNH 3 を含有する0.05M Tris緩衝液
(pH8.0)5mlに移す。この溶液を4℃にて暗中に保
持する。
【0168】15.2.アッセイ法 ポリプロピレン製ミクロタイタープレート(ダイナテッ
ク・ラブス)を緩衝液(pH8.6)(0.02%のナト
リウムアジドを含有する炭酸塩緩衝化0.9%塩溶液)
中モノクローナル抗体885 S56.55.13(1
0μg/ml)の溶液150μlにより37℃にて2時間
及び4℃にて一夜コートする。プレートをPBSにて5
回洗浄し、そして250μlの緩衝液(pH7.2)(P
BS中0.2%ゼラチン及び0.2%NaN3 )と共に
37℃にて1時間インキュベートすることにより、なお
存在する蛋白質反応性部位を飽和する。こうしてコート
されたプレートはこの緩衝液中で4℃にて数日間保持す
ることができる。
【0169】試験溶液又は78kDa 蛋白質を含有する標
準溶液の一連の稀釈物50μl、50μlの緩衝液(pH
7.4)50μl、及び緩衝液(pH7.4)により1:
100稀釈されたホスファターゼラベルされた抗体88
5 S35.8.1(例15.1)の溶液50μlを混
合し、そしてミクロタイターウエル中で37℃にて2時
間及び4℃にて30分間インキュベートする。プレート
をPBSにて5回洗浄し、次にp−ニトロフェニルホス
フェートの溶液(10%ジエタノールアミン緩衝液/
0.5mM MgCl2 (pH9.8)中1mg/ml〕150
μlと共に37℃にて30分間インキュベートする。4
05nmでの光学濃度を測定することにより放出されたp
−ニトロフェノールの量を決定する。この量は結合した
酵素ホスファターゼの量に比例し、そしてそれ故に試験
溶液中の78kDa 蛋白質の量に比例する。
【0170】ミクロタイタープレートをモノクローナル
抗体885 S35.8.1又は885 S56.6
7.15によりコートし、そして第二抗体としてホスフ
ァターゼに連結されたモノクローナル抗体885 S5
6.55.13を使用する場合、同様の結果が得られ
る。
【0171】15.3.ELISAのための試験キット 例15.2中に記載したアッセイのための試験キットは
次のものを含む。 ◎ 炭酸緩衝化塩溶液(0.9% NaCl、0.42
% NaHCO3 、0.0072% Na2 CO3
0.02% NaN3 )中モノクローナル抗体885
S56.55.13(10μg/ml)の溶液。20ml ◎ Tris緩衝液(0.05M、1mM MgCl2
1%BSA、0.02%NaN3 、pH8.0)中アルカ
リ性ホスファターゼに連結されたモノクローナル抗体8
85 S35.8.1(例15.1、0.3mg/mlの抗
体)の溶液。1ml ◎ 5μgの78kDa 蛋白質を含有する標準溶液。2ml ◎ PBS。300ml
【0172】◎ 緩衝液(pH7.4)(PBS中0.2
%ゼラチン及び0.2% NaN3 )。300ml ◎ ジエタノールアミン緩衝液(10%、0.5mM M
gCl2 、0.02%NaN3 、HClにてpH8.9に
調整)中p−ニトロフェニルホスフェート(1mg/ml)
の溶液。50ml ◎ 換算曲線。 ◎ 色強度スケール。 ◎ 指示書。
【0173】例16イムノブロット・アッセイ 16.1.アッセイ法 78kDa 蛋白質の存在について試験されるべき溶液及び
標準溶液の一連の稀釈物を10%の不活性ウマ血清を含
有するTBS中に調製する。この稀釈物をドットの形で
ニトロセルロース(ミリポア社、ブレッドフォード、M
a、タイプHAWG)に適用する。ニトロセルロースを
10%のウマ血清を含有するTBS中で37℃にて2時
間インキュベートすることにより、ニトロセルロースの
過剰の蛋白質結合容量をブロックする。ニトロセルロー
スを適当なストリップに切断し、次にTBS中モノクロ
ーナル抗体885 S56.55.13又は885 S
35.8.1(2μg/ml及び10μg/ml)の溶液と
共に室温にて2時間インキュベートする。
【0174】ストリップをTBS中で5回洗浄し、そし
てさらにラビット抗−マウスIgGパーオキシダーゼ接
合第二抗体の10,000倍稀釈物中で2時間インキュ
ベートし、TBS中で5回洗浄し、次に0.6容量の4
−クロロ−1−ナフトール(メタノール中3mg/ml)、
10容量のTBS及び0.004容量の30%過酸化水
素から成る新たに混合されたパーオキシダーゼ基質溶液
中で室温にて15分間発色せしめる。所望により、スポ
ットを屈折光度計(CAMAG、ムッテンツ、スイス)
により600nmにて走査することができる。
【0175】16.2.イムノドット・アッセイのため
の試験キット 例16.2.に記載したアッセイのための試験キットは
次のものを含む。 ◎ ニトロセルロースシート。 ◎ 10%ウマ血清を含むTBS中モノクローナル抗体
885 S56.55.13(10μg/ml)の溶液。
20ml ◎ 10%ウマ血清を含むTBS中ホースラディッシュ
に接合したラビット抗−マウスIgGの1:100稀釈
物。1ml
【0176】◎ 5μgの78kDa 蛋白質を含有する標
準溶液。2ml ◎ TBS。300ml ◎ 10%ウマ血清を含有するTBS。300ml ◎ 4−クロロ−1−ナフトール(メタノール中3mg/
ml)。10ml ◎ 30%過酸化水素。10ml ◎ 指示書。
【0177】例17蛍光光体法 この発明の蛋白質の存在について試験すべき細胞をプラ
スチックカバースリップ上に増殖せしめる別の方法とし
て、ヒトの血液から新たに単離された細胞、例えばリン
パ球又は単球を、ポリ−D−リジンにより前処理された
ガラススライドにサイトスピン遠心により付着せしめ
る。細胞をPBSにより洗浄し、3%ポラホルムアルデ
ヒドにより20℃にて10分間固定し、0.5%トリト
ンX−100により5分間透過性にし、PBSにて再度
洗浄し、そしてPBS中モノクローナル抗体885 S
56.55.13(10μg/ml)の溶液と共に37℃
にて60分間インキュベートする。
【0178】次に細胞をPBSで洗浄し、フルオレッセ
イン接合ラビット抗−マウスIgGの溶液(5%ウマ血
清を含有するPBS中に1:40稀釈されたもの、DA
KO)により処理し、PBSにより洗浄し、そして Joh
nson等〔J.Immunol.Methods, 43, 349 (1981)〕により
記載されている様にして観察する。UV蛍光顕微鏡観察
は、細胞の細胞質中の明るい蛍光によりこの発明の蛋白
質の存在を示す。
【0179】例18インターフェロンで誘導された細
胞についての免疫沈澱試験 培養物中に増殖した細胞又はヒト血液から新たに単離さ
れた細胞を、例17に記載した様にプラスチック又はガ
ラスのプレート上に置く。5000国際単位/mlの濃度
の組換インターフェロン51 (α/βタイプ)の溶液に
より細胞を37℃にて4時間処理し、そして20mM N
−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタン
スルホン酸(HEPES、pH7.4)により緩衝化され
た炭酸水素ナトリウムを含有するハンクの平衡溶液中5
0μCi/mlの35S−メチオニンと共に37℃にて30分
間インキュベートする。
【0180】細胞をPBSにより洗浄し、プレートから
かき取り、遠心分離により集め、5mM Tris(pH
7.4)、1.5mM KCl及び2.5mM MgCl2
を含有する低張緩衝液中に5分間懸濁し、そして遠心分
離により再び集める。1%トリトンX−100及び1%
デオキシコレートを含有する低張緩衝液により4℃にて
5分間溶解し、次に12,000rpm にて5分間遠心分
離する。ドデシル硫酸ナトリウムを0.5%の最終濃度
となる様に上清に加える。6μlのこの溶液と、10mM
Tris−HCl(pH7.4)及び50mM NaCl
を含む緩衝液(フェニルメチルスルホニルフルオリドで
飽和されたもの)20μlとを混合し、そして12,0
00rpm にて5分間再遠心分離する。
【0181】20μlの上清、及び0.5% BSAを
含有するPBS中モノクローナル抗体885 S56.
55.13の溶液(40μg/ml)1μlを4℃にて3
時間インキュベートし、次にプロテインA−セファロー
スの50v/v%懸濁液0μlと混合する。10mM T
ris(pH7.4)、50mM NaCl、1Mシューク
ロース、0.5%デオキシコール酸及び0.5%トリト
ンX−100を含む緩衝液500μlで洗浄し、そして
抗原/抗体複合体を30μlのサンプル緩衝液〔 U.K.L
aemmli及び M.Fovre, J.Mol.Biol., 80, 575 (1973) 〕
により溶出する。溶出物を常法により12%ポリアクリ
ルアミドゲル上での一次元SDSゲル電気泳動により分
析する。78kDa の見かけ分子量を有するこの発明の蛋
白質の存在がフルオログラフィーにより示される。
【0182】例19ヒトにおけるインターフェロン療
法の監視 107 国際単位の組換ヒトインターフェロン−α
(α2 )を皮下投与された患者から注射後24時間目及
び48時間目に血液サンプルを採取する。フィコール4
00(ファルマシア)密度勾配上での遠心分離によりリ
ンパ球を精製する。4.5×106 個のリンパ球を40
0μlの水中に懸濁し、次に800μlのエタノールに
より沈澱せしめる。ペレットを解離緩衝液中に溶解し、
そして一次元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より分離する。蛋白質をニトロセルロース上に移し、そ
して78kDa の蛋白質を検出し、そして例16に記載し
た様にして定量する。インターフェロン治療前の患者及
び健康者に比較して、78kDa 蛋白質のレベルはインタ
ーフェロンα2 の皮下注射の後24時間及び48時間後
に5倍に上昇していた。
【0183】例20非経口投与用医薬 200μgの78kDa 蛋白質を3mlの5Nヒト血清アル
ブミンに溶解する。得れ等る溶液を細菌学的フィルター
に通し、そして濾過された溶液を無菌条件下で10個の
バイアルに分注する。バイアルを好ましくは冷所、例え
ば−20℃にて貯蔵する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 45/02 8415−4C C07H 21/04 B C07K 16/24 8318−4H C12N 15/02 ZNA G01N 33/53 D (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 ハインツ−クルト ホッホケッペル スイス国,4147 エシュ,トラウゴット マイエルシュトラーセ 1 (72)発明者 ジャン コンタン ベルギー国,1640 ロドゥ−サン−ジュネ ーズ,アベニュ シモーヌ,5

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
    ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
    合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動(SDS−PAGE)により測定した場合約
    78kDa の分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)-Asp-Ile-Ala-Lys-Ala(10)- で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する;を
    有する蛋白質に対して反応し且つインターフェロンによ
    り誘導されたマウス蛋白質MX と交叉反応しないモノク
    ローナル抗体を分泌することを特徴とするハイブリドー
    マセルライン。
  2. 【請求項2】 マウス骨髄腫細胞と同系マウスのBリン
    パ球とのハイブリドであることを特徴とする請求項1に
    記載のハイブリドーマセルライン。
  3. 【請求項3】 パスツール研究所(パリ)のCollection
    Nationale de Cultures de Microorganismes にNo. I
    −545として寄託されている885 S35.8.1
    と称する請求項2に記載のハイブリドーマセルライン。
  4. 【請求項4】 パスツール研究所(パリ)のCollection
    Nationale de Cultures de Microorganismes にNo. I
    −543として寄託されている885 S56.55.
    13と称する請求項2に記載のハイブリドーマセルライ
    ン。
  5. 【請求項5】 パスツール研究所(パリ)のCollection
    Nationale de Cultures de Microorganismes にNo. I
    −544として寄託されている885 S56.67.
    15と称する請求項2に記載のハイブリドーマセルライ
    ン。
  6. 【請求項6】 次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
    ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
    合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動(SDS−PAGE)により測定した場合約
    78kDa の分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)-Asp-Ile-Ala-Lys-Ala(10)- で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する;を
    有する蛋白質に対して反応し且つインターフェロンによ
    り誘導されたマウス蛋白質MX と交叉反応しないモノク
    ローナル抗体を分泌するハイブリドーマセルラインの製
    造方法であって、精製された該蛋白質により又はこの蛋
    白質を含有する抗原キャリャーにより適当な哺乳類を免
    疫感作し、この哺乳類の抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融
    合せしめ、この融合により得られたハイブリド細胞をク
    ローン化し、そして所望の抗体を分泌する細胞クローン
    を選択することを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 HR−マウスの抗体産生細胞をセルライ
    ンX63−Ag8.653又はSp2/0−Ag14の
    骨髄腫細胞と融合せしめることを特徴とする請求項6に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記蛋白質を含有するニトロセルロース
    片を移植することによって哺乳類を免疫感作することを
    特徴とする請求項6に記載の方法。
JP7026576A 1986-04-15 1995-02-15 インターフェロンにより誘導された蛋白質に対するモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ Expired - Lifetime JP2572956B2 (ja)

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