JPH0822880B2 - インタ−フエロンにより誘導されるヒト蛋白質に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

インタ−フエロンにより誘導されるヒト蛋白質に対するモノクローナル抗体

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JPH0822880B2
JPH0822880B2 JP62089993A JP8999387A JPH0822880B2 JP H0822880 B2 JPH0822880 B2 JP H0822880B2 JP 62089993 A JP62089993 A JP 62089993A JP 8999387 A JP8999387 A JP 8999387A JP H0822880 B2 JPH0822880 B2 JP H0822880B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は、インターフェロン−α又は−βにより誘導
されたヒト蛋白質に対するモノクローナル抗体及びその
誘導体、該モノクローナル抗体及びその誘導体の製造方
法、並びに該モノクローナル抗体又はその誘導体を含ん
で成る該蛋白質測定用キットに関する。
〔発明の背景〕
インターフェロンはウイルス感染に対する防御及び腫
瘍の増殖の制御において有望視される天然蛋白質類であ
る。これらはウイルスの増殖に必要な細胞機能を妨害
し、そして分子レベルではまだ理解されていないプレイ
オトロピック(pleiotropic)効果により細胞増殖を阻
害する様である。さらに、インターフェロンはナチュラ
ル・キラー(NK)細胞の活性を刺激し、そしてリンホカ
インの相互作用の複雑なネットワーク内でマクロファー
ジ、B−細胞及びT−細胞の活性を調節する。
インターフェロンの抗ウイルス活性、抗増殖活性及び
免疫調節活性に一群の誘導された蛋白質が関与するであ
ろう。哺乳類細胞中で、インターフェロンは未処理細胞
内では検出されないか又は極めて低濃度でしか存在しな
い幾つかの蛋白質の合成を誘導する。これらの誘導され
た蛋白質の幾つかは広く研究されている〔P.Lengyel,An
nu.Rev.Biochem.51,251(1982)〕が、しかし今なお
あまり特徴付けられていない。インターフェロンで処理
されたヒト由来の細胞及びマウス由来の細胞の両者は上
昇したレベルの2′,5′−オリゴイソアデニレートシン
セターゼ活性及びプロテインキナーゼ活性を含有する。
インターフェロン−α及び−βにより誘導されるマウス
−プロテインMxの合成及び性質が詳細に研究されている
〔P.Staeheli等、Cell44,147(1986)〕。この蛋白質
はインフルエンザウイルスに対して非常に効果的で且つ
特異的な抗ウイルス抵抗性と関連する〔M.A.Horisherge
r等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80,1910(1983);M.A.Ho
risberger & H.K.Hochkeppel,J.Biol.Chem.260,1730
(1985)〕。関連するヒト蛋白質がインターフェロンで
誘導されたヒト末梢血リンパ球及び線維芽細胞中で検出
された〔P.Staeheli & O.Holler,Mol.Cell Biol.,
2150(1985)〕。80kDa(キロダルトン)の分子量が見
出され、そしてこの蛋白質は支配的に細胞質中に局在し
たが、しかしこの蛋白質はこれ以上特徴付けられておら
ず又は単離されていない。
近年における組換DNA技法の急速な進歩は蛋白質の一
次天然源とは独立にその蛋白質を多量に製造するための
一般的方法を提供する。所望のポリペプチドをコードす
るmRNA又はDNAの同定はこの方法の成功のために必須で
ある。もし、(部分的)アミノ酸配列情報が得られれ
ば、化学合成されたヌクレオチドプローブが、それぞれ
所望のポリペプチドを生産する細胞由来のmRNAの混合物
から、又はDNAライブラリーからのコードmRNA又はDNAの
単離を導くであろう。所望のポリペプチドをコードする
mRNA又はDNAの単離のための多くの例が原理的に記載さ
れているが、各新たな特異的な問題点がこの技法の特定
の事例への適用を要求する。所望のポリペプチドをコー
ドする相補的DNA又はゲノムDNAを一度手にすれば、適当
なベクターの調製、これらのベクターによる宿主の形質
転換、形質転換された宿主の発酵、及び発現されたポリ
ペプチドの単離を標準的方法に従って行うことができ
る。ここでもやはり、DNAの安定な挿入、選択された宿
主細胞での所望のポリペプチドの十分に高い発現、及び
純粋で生物学的に活性な単離された蛋白質の許容される
収量を得るためには、前記の方法が特定の問題に適合さ
れなければならない。
さらに、組換DNA技法は宿主に導入されるコードDNAを
変異せしめ又は変形せしめることによりポリペプチド変
形体の製造を可能にし、これにより天然の単一ペプチド
構成において見出される活性原理の潜在的用途を拡張す
る。
インターフェロンにより誘導される蛋白質は、2つの
観点において診断、疾患の管理及び療法において重要で
ある。一方においてこれらはインターフェロンの不所望
の副作用を伴わないで抗ウイルス活性又は抗増殖活性の
ごとく有益な性質を発揮することができ、他方において
これらはインターフェロン療法における細胞応答の価値
ある指示薬である。この様なインターフェロンにより誘
導された蛋白質に対する抗体はこれらの蛋白質の定性的
及び定量的測定を可能にし、そしてそれ由にこれらの蛋
白質又はインターフェロンを用いる療法の監視において
必須の手段である。
インターフェロンにより誘導されたマウスMx蛋白質に
対するポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体が知
られている〔P.Staeheli & O.Haller,Mol.Cell Bio
l.,2150(1985)〕。これらの内の1つはヒトイン
ターフェロン誘導−蛋白質に対して弱い交差反応性を示
すが、しかしながら非特異的交差反応性が排除され得な
い。
〔発明の目的〕
本発明は、インターフェロン−α又は−βにより誘導
されたヒト細胞中に見出される蛋白質と関連するか又は
それと同一の純粋な蛋白質を提供することを目的とす
る。この様な蛋白質の工業的合成の問題は組換DNA技術
の方法により解決され得る。従って本発明の他の目的は
この蛋白質をコードするmRNA、DNA及びハイブリドベク
ター、並びに該ベクターにより形質転換された宿主を提
供することである。
他の目的は、該蛋白質、mRNA、DNA及びハイブリドベ
クターの製造及び精製の方法、並びに該ハイブリドベク
ターを含有する宿主の製造方法を提供することである。
この発明の他の目的は、前記蛋白質の定性的及び定量
的測定のための診断的手段としてのモノクローナル抗
体、該モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ、
並びにこれらの抗体及びハイブリドーマの製造方法、さ
らには前記蛋白質を含有する医薬の製造方法を提供する
ことである。
〔具体的な説明〕
この発明のモノクローナル抗体に対する抗原としての
蛋白質は、次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(SDS-PAGE)により測定した場合約78kDaの
分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する; により特徴付けられる本質的に純粋な蛋白質である。
特に、これらの蛋白質は組換インターフェロンα/B、
α/D、α/F又はインターフェロンα/B−Dハイブリドに
より処理されたヒトの胎児包皮(embryonic foreskin)
細胞又はナマルワ(Namalwa)細胞中に見出される。
次の部分的N−末端アミノ酸配列: を有する蛋白質が特に好ましい。
78kDaの分子量は通常の分子量マーカーを用いるSDS-P
AGEに基くものである。しかしながら、関連するマウス
蛋白質Mx〔P.Staeheli等、Cell44,147(1986)〕を用
いる研究から、実際の分子量はさらに低く、おそらく約
72kDaであると推定することができる。
この蛋白質はまた、72kDaの分子量に基いて全アミノ
酸分析により決定されるアミノ酸組成により特徴付けら
れる(第1表)。第1表に示す分析された蛋白質のアミ
ノ酸の実際の数の範囲は分析方法の不正確さ(標準偏
差)から計算される。
本発明はまた前記蛋白質の製造方法に関し、この方法
は該蛋白質を生産する細胞を培養し、そして細胞上清又
は細胞溶解混合物から該蛋白質を単離し、そして沈澱及
びクロマトグラフ法により精製することを特徴とする。
特に、本発明は純粋な形態の前記蛋白質の製造方法に
関し、この方法はヒト細胞、好ましくは連続性ヒトセル
ライン、例えばナマルワ細胞又は胎児包皮細胞を、ヒト
−インターフェロン−α又は−β、例えば天然ヒト−イ
ンターフェロン−α又は組換ヒト−インターフェロン−
α、例えばインターフェロンα/B、α/D、α/Fもしくは
α/B−Dハイブリドの存在下で培養し、そして細胞を溶
解し、上清中の蛋白質を例えば硫酸アンモニウムの添加
により沈澱せしめ、次に分取用ゲル電気泳動により分離
し、そして約78kDaの見かけ分子量の蛋白質を例えば電
気溶出により溶出することを特徴とする。
この発明の蛋白質の製造のために有用なヒト細胞は正
常リンパ球、マクロファージもしくは、単球、リンパ芽
球性細胞、例えばナマルワ細胞、又は二倍体セルライン
からのヒト胎児包皮細胞である。
好ましくは、ナマルワ細胞は、例えばウシ胎児血清の
形態でビタミン及び/又はホルモン並びに場合によって
は抗生物質が補充されたRPMI 1640培地のごとき通常の
細胞増殖培地中で培養する。指数増殖の終りに、細胞を
組換インターフェロン−α、例えばα/Bサブタイプ又は
α/B−Dハイブリドと共に、5×105〜107細胞/mlの範
囲の濃度及び2000〜10,000国際インターフェロンユニッ
ト/mlにおいて、好ましくは約37℃にてインキュベート
する。
この発明の蛋白質の生産を誘導するために、既知の天
然又は組換インターフェロン−α又は−β、例えば特許
出願EP 28033、EP 32134、EP 43908、EP 72541、又はEP
76489に記載されている組換インターフェロンを使用す
ることができる。
細胞を回収し、そして通常の方法、例えば緩衝液中高
塩濃度により細胞を溶解し、そして蛋白質を例えば硫酸
アンモニウムの添加により沈澱せしめる。目的蛋白質は
通常の生理的溶剤系中にむしろ不溶性である。
目的蛋白質をゲル電気泳動により精製する。分取用ゲ
ル電気泳動を2回行い、例えばまず70kDa未満の分子量
を有する蛋白質及び85kDaより大きい分子量を有する蛋
白質からの粗分離を行い、次に得られた蛋白質混合物の
二次元分離を、非−平衡pHグラジエント電気泳動とSDS
−ポリアクリルゲル電気泳動を組合わせることにより行
う。具体的には、前記蛋白質混合物を、2%の両性電解
質を含有する非−平衡pHグラジエント電気泳動ゲル(pH
3-10)の酸性末端に適用し、次に第二次元において10〜
15%、好ましくは12%のアクリルアミド及び0.5%以下
例えば約0.3%のビス−アクリルアミドを含有するスラ
ブゲル上で分離する。
好ましくは、この発明の蛋白質は、例えば前記の蛋白
質を発現する形質転換された宿主を異種性蛋白質の発現
を許容する条件下で培養し、そして目的化合物を単離す
ることを含んで成る組換DNA技法により製造される。さ
らに詳しくは、目的蛋白質は次のようにして製造され
る。
(a)ヒト細胞のcDNA又はゲノムDNAライブラリーから
前記蛋白質をコードするDNAを単離し、 (b)このDNAを適当な発現ベクターに導入し、 (c)得られたハイブリドベクターを受容体宿主に移行
せしめ、 (d)形質転換された宿主のみが生存する条件下で培養
することにより未形質転換宿主から形質転換された宿主
を選択し、 (e)この形質転換された宿主を異種性ポリペプチドの
発現を許容する条件下で培養し、そして (f)目的蛋白質を単離する。
組換DNA技法によるこれらのペプチドの製造に関与す
る段階を後でさらに詳細に検討する。
この発明はまた、前記の蛋白質をコードするDNAにも
関する。この発明は特に、次の式(I): (式中、Z1はプロモーター配列を含む、12以上のヌクレ
オチドから成る5′−末端DNA残基であり、Z2は1700以
上のコードヌクレオチド、終止コドン及び場合によって
は存在する3′−末端の非コードヌクレオチドから成る
DNA残基であり、そしてZ1及びZ2は場合によっては連結
されている) で表わされるDNA、1又は複数のトリプレットが同じア
ミノ酸をコードする他のトリプレットにより置き換えら
れている式(I)のDNA、式(I)のDNAとこれに対して
相補的なDNAとから成る二本鎖DNA、並びに相補的DNAそ
れ自体であるDNAに関する。
式(I)のDNAの1例は、例えばヒト胎児包皮細胞のm
RNAに由来するcDNAであって、次の式(II): (式中、Z3は1以上のヌクレオチドから成る5′−末端
DNA残基であり、Z2は1700以上のコードヌクレオチド、
終止コドン及び場合によっては存在する3′−末端の非
コードヌクレオチドから成るDNA残基である) で表わされるもの、そして特に次の式(III): (式中、Z4は1個以上のヌクレオチドから成る5′−末
端DNA残基であり、そしてZ5は1500個以上のコードヌク
レオチド、終止コドン及び場合によっては存在する3′
−末端の非コードヌクレオチドから成るDNA残基であ
る) で表わされるcDNAである。
さらに、この発明は、式(I)、(II)、又は(II
I)のDNAとハイブリダイズするDNA、例えば次の式(I
V): 5′−GCTTTTGCGATGTCCACTTC−3′ (IV) で表わされる20-merオリゴヌクレオチド、次の式
(V): 5′−CAGCCACCATTCCAAGG−3′ (V) で表わされる17-merオリゴヌクレオチド、及び次の式
(VI): 5′−CGCACCTTCTCCTCATACTGG−3′ (VI) で表わされる21-merオリゴヌクレオチドに関する。
この発明はまた、前記の蛋白質をコードするRNA、特
に、Z1〜Z5が前記の意味を有するが但しDNA残基の代り
にRNA残基が存在しそしてそれ故にデオキシ−チミジン
(T)の代りにウリジン(U)が存在する式(I)、
(II)又は(III)のRNAに関する。
目的蛋白質をコードするDNAは、例えば形質転換され
た宿主を培養し、これから目的DNAを単離することによ
り製造することができる。
特に、この様なDNAは次の様にして製造することがで
きる。
(a)ヒト細胞からmRNAを単離し、目的のmRNAを選択
し、該mRNAに対して相補的な単鎖DNAを調製し、次にこ
れから二本鎖DNA(ds cDNA)を調製するか、又は (b)ヒト細胞からゲノムDNAを単離し、そしてDNAプロ
ーブを用いて目的のDNAを選択し、そして (c)段階(a)のcDNA又は段階(b)のdsDNAを適当
な発現ベクターに導入し、 (d)この得られたハイブリドベクターにより適当な宿
主微生物を形質転換し、 (e)目的の蛋白質をコードするDNAを含有する形質転
換された宿主をコードDNAを含有しない宿主から選択
し、そして (f)目的のDNAを単離する。
ポリアデニル化メッセンジャーRNAを既知の方法によ
りヒト細胞から単離する。適当な細胞は、正常リンパ
球、マクロファージ、単球、リンパ芽球性細胞、例えば
ナマルワ細胞、ヒト胎児包皮二倍体細胞等であって天然
又は組換インターフェロン−α又は−βにより誘導され
たものである。単離方法は例えば、刺激された細胞を洗
剤及び場合によってはリボヌクレアーゼ阻害剤、例えば
ヘパリン、イソチオシアン酸グアニジニウム及びメルカ
プトエタノールの存在下で溶解し、mRNAをフェノール又
は適当なクロロホルム−フェノール混合物により場合に
よって塩及び緩衝液、洗剤、プロテイナーゼ及び/又は
陽イオンキレート剤の存在下で抽出し、そして残留水性
塩含有相からmRNAをエタノール、イソプロパノール等に
より沈澱せしめることを含む。塩化セシウムグラジエン
ト中で遠心し次にエタノール沈澱することにより、及び
/又はクロマトグラフ法、例えばアフィニティークロマ
トグラフ法、例えばオリゴ(dT)セルロース又はオリゴ
(U)セファロース上でのクロマトグラフィーにより、
単離されたmRNAをさらに精製することができる。好まし
くは、例えば直線シュークロース勾配中でのグラジエン
ト遠心により、又は適当なサイズ分画カラム例えばアガ
ロースゲル上でのクロマトグラフィーにより、粗製の又
は精製された全mRNAをサイズに従って分画する。
DNAプローブを用いるスクリーニングにより、又は適
当な細胞もしくは無細胞系での翻訳及び得られるポリペ
プチドのスクリーニングにより、目的mRNAを選択する。
好ましくは、分画されたmRNAを細胞中、例えばカエルの
卵母細胞中で、又は無細胞系中、例えば網状赤血球溶解
物又は小麦胚抽出物中で翻訳する。得られたポリペプチ
ドを前記の様にして得られた天然蛋白質と、例えばポリ
アクリルアミドゲル電気泳動により比較し、そして目的
蛋白質を生じさせるmRNA画分を選択する。
選択されたmRNA鋳型からの単鎖相補的DNAの調製、及
び単鎖DNAからの二本鎖DNAの調製は当業界においてよく
知られている。mRNA鎖型を、デオキシヌクレオチドトリ
ホスフェートの混合物、場合によっては放射能ラベルさ
れたデオキシヌクレオチドトリホスフェート(反応の結
果をスクリーニングすることができるように)、mRNAの
ポリ(A)テイルとハイブリダイズするオリゴ(dT)の
ごときプライマー配列、及び適当な酵素、例えば逆転写
酵素と共にインキュベートする。鋳型mRNAを分解した
後、相補的DNA(cDNA)をデオキシリボヌクレオチドト
リホスフェート及び上記のごとき適当な酵素と共にイン
キュベートして二本鎖DNAを得る。適当な酵素は逆転写
酵素、E.コリ(E.coli)DNAポリメラーゼIのKlenow断
片、又はT4 DNAポリメラーゼである。場合によっては単
鎖DNAをまず好ましいデオキシヌクレオチドのテイルに
より延長して好ましいデオキシヌクレオチドと相補的な
プライマー配列の使用を可能にするが、しかしdsDNAの
形成は通常自発的ヘアピン形成の後に始まる。ヘアピン
形成の結果として得られたこの様なdsDNAを、該ヘアピ
ンを切断するS1ヌクレアーゼによりさらに処理する。好
ましい他の方法においては、mRNA/DNAをRNアーゼH、T4
DNAリガーゼ及びDNAポリメラーゼIにより直接処理し
て、プライマー配列による延長及び/又はヘアーピン切
断の追加の段階を回避する。
mRNAからのcDNAの調製の別の方法として、ゲノムDNA
を単離し、そして目的ポリペプチドをコードするDNAに
ついてスクリーニングすることができる。
ゲノムDNAは適当なヒト組織から、好ましくはヒト胎
盤又はヒト胎児肝細胞から既知の方法に従って単離す
る。これを確立された方法に従って適当な制限エンドヌ
クレアーゼにより消化し、そしてλシャロンファージ、
例えばλシャロン4Aに導入することによりゲノムDNAラ
イブラリーを調製する。ニトロセルロース膜上にレプリ
カしたゲノムDNAライブラリーを、DNAプローブ、例えば
17個以上のヌクレオチドから成る合成DNAプローブ又は
前記の様にして目的ポリペプチドをコードするmRNAから
誘導したcDNAを用いてスクリーニングする。
mRNAから調製されたdsDNA又はゲノム由来のdsDNAの適
当なベクターへの導入は当業界においてよく知られてい
る。例えば、適当なベクターを切断し、そして適切なデ
オキシリボヌクレオチドのテイルを付す。次に、アニー
ルすべきdsDNAは相補的な適切なデオキシヌクレオチド
のテイルを担持しなければならず、これは対応するデオ
キシヌクレオチドトリホスフェート及びターミナルヌク
レオチジルトランスファラーゼのごとき酵素の存在下で
のインキュベーションにより達成される。他の方法とし
て、相補的突出末端をもたらす同じエンドヌクレオチド
による処理の後の単なる連結により、リンカーオリゴヌ
クレオチドを用いて、又は平滑末端連結により、dsDNA
をベクターに導入することができる。
得られたハイブリドベクターによる適当な宿主微生物
の形質転換は当業界においてよく知られている。例え
ば、E.コリを塩化カルシウムを含有する媒体中でインキ
ュベートすることにより形質転換のために条件調節し、
そして次にハイブリドベクターにより処理する。形質転
換された宿主は、適当なマーカーにより、例えば抗生物
質耐性マーカー、例えばテトラサイクリン、クロラムフ
ェニコール又はアンピシリン耐性マーカーにより、及び
/又は酵素マーカー、例えばα−プロテインを補完する
β−ガラクトシダーゼにより選択する。
所望のDNAにより形質転換された宿主は好ましくはDNA
プローブを用いて選択する。この様なハイブリダイゼー
ションプローブは例えば、インターフェロンにより誘導
されたナマルワ細胞から単離された目的蛋白質に基いて
決定された部分的アミノ酸配列を基礎にして構成される
17個以上のヌクレオチド、例えば約20個のヌクレオチド
から成る全合成DNAである。好ましくは、オリゴヌクレ
オチドプローブの混合物を調製し、この場合該混合物の
各構成員は対応する既知アミノ酸配列のためのトリプレ
ットコドンの可能な組合せの1つに対して相補的であ
る。
この様なプローブもまた本発明を構成する。これらは
既知の方法に従って、好ましくは固相ホスホトリエステ
ル法、ホスファイトトリエステル法又はホスホラミダイ
ト法を用いる段階的縮合により、例えばホスホトリエス
テル法によるジヌクレオチドカップリングユニットの縮
合により合成される。これらの方法は、Y.Ike等〔Nucle
ic Acid Research11,477(1983)〕により記載されて
いる様に適切な縮合段階において、保護された形の2種
類、3種類又は4種類のヌクレオチドdA,dC,dG及び/又
はdTあるいは対応するジヌクレオチドカップリングユニ
ットの混合物を用いることにより、目的オリゴヌクレオ
チドの混合物の合成に適合される。
形質転換された宿主のDNAとのハイブリダイゼーショ
ンを検出し、これを同定し、そしてこの発明の目的DNA
を含有しない他の宿主から前記宿主を分離することがで
きる様に、DNAプローブはマーカーを含有しなければな
らない。例えば、オリゴヌクレオチドの5′−末端リン
酸における32Pのごとき放射性ラベル、又は蛍光マーカ
ー、あるいは適当にラベルされたアビジンにより、例え
ば蛍光マーカーを有するか又はホースラディッシュパー
オキシダーゼのごとき酵素と接合したアビジンにより検
出され得るビオチンを含有するラベルが適当である。
形質転換された宿主からのDNAとマーカーを含有するD
NAプローブとのハイブリダイゼーションは既知の方法に
従って、例えば助剤例えばカルシウムキレート剤、粘度
調節剤、蛋白質、無関係のDNA又はtRNA等を含有する緩
衝液及び塩溶液中で、選択的ハイブリダイゼーションに
好都合な温度、例えば0℃〜70℃、例えば40℃〜50℃、
好ましくはハイブリドdsDNAの融点より約20℃低い温度
において行う。
本発明はさらに、目的の蛋白質をコードしそして発現
制御配列に作用可能に連結されているDNAを含んで成る
ハイブリドベクター、及びその製造方法に関する。
ベクターは、翻訳のために使用される宿主細胞に依存
して選択される。適当な宿主の例として、制限酵素又は
修飾酵素を欠いているか又はほとんど有さない微生物、
例えば酵母、例えばサッカロミセス・セレビシエー(Sa
ccharomyces cerevisiae)、例えばS.セレビシエー
cerevisiae)GRF 18、及び細菌株、特にエシェリ
シャ・コリ(Escherichia coli)の株、例えばE.コリX1
776、E.コリHB101、E.コリW3110、E.コリHB101/LM103
5、E.コリJA221、E.コリJM109又はE.コリK12株294、バ
シルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バシルス
・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermoph
ilus)、シュードモナス(Pseudomonas)、ヘモフィル
ス(Haemophilus)、ストレプトコッカス(Streptococc
us)等、並びに高等生物の細胞、特に樹立されたヒト又
は動物のセルライン、例えばHela細胞、SV-40ウイルス
で形質転換されたアフリカミドリザルCOS-7腎細胞、又
はチャイニーズハムスター卵巣細胞が挙げられる。E.コ
リの前記の株、例えばE.コリJM109、E.コリHB101、E.コ
リK12及びE.コリW3110、並びにサッカロミセス・セレビ
シエーの前記の株が宿主微生物として好ましい。
原理的には、選択された宿主中で本発明の目的のポリ
ペプチド遺伝子を複製しそして発現することができるす
べてのベクターが適当である。E.コリ株中での発現のた
めに適当なベクターの例として、バクテリオファージ、
例えばラムダ又はM13バクテリオファージの誘導体、あ
るいはプラスミド、例えば特にプラスミドCol El及びそ
の誘導体、例えばpMB9,pSF2124,pBR317又はpBR322が挙
げられる。この発明の好ましいベクターはプラスミドpB
R322に由来する。適当なベクターは完全なレプリコン、
発現プラスミドにより形質転換された宿主を表現形質に
基いて選択しそして同定することを可能にするマーカー
遺伝子、並びに場合によってはシグナル配列及びエンハ
ンサーを含有する。適当なマーカー遺伝子は宿主に例え
ば重金属、抗生物質等に対する耐性を付与する。さら
に、この発明の好ましいベクターは、レプリコン領域及
びマーカー遺伝子領域の外側に制限エンドヌクレアーゼ
のための認識配列を含有し、これによって目的ポリペプ
チドの遺伝子、及び適当な場合には発現制御配列をこれ
らの部位に挿入することができる様にされている。好ま
しいベクターであるプラスミドpBR322並びに誘導体プラ
スミド、例えばpUC9,pHRi148及びpPLc24は無傷のレプリ
コン、テトラサイクリン及びアンピシリンに対する耐性
(terR及びampR)を付与するマーカー遺伝子、並びに制
限エンドヌクレアーゼのための多数のユニーク認識部位
を含有する。
遺伝子発現の制御のために幾つかの発現制御配列を使
用することができる。ハイブリドベクターとしてpBR322
を使用しそして宿主微生物としてE.コリを使用する場
合、例えば、ラクトースオペロン、トリプトファンオペ
ロン、アラビノースオペロン等の発現制御配列(これら
は特にプロモーター及びリボゾーム結合部位を含有す
る)、β−ラクタマーゼ遺伝子の発現制御配列、ファー
ジλN遺伝子の対応する配列、特にPLプロモーターを含
有する配列、又はファージfd−コート蛋白質遺伝子の発
現制御遺伝子が適当である。プラスミドpBR322はすでに
β−ラクタマーゼ遺伝子(β−lac遺伝子)のプロモー
ターを含有するが、他の発現制御配列をこのプラスミド
に導入しなければならない。
酵母中での複製及び発現のために適当なベクターは酵
母複製開始点及び酵母のための選択遺伝マーカーを含有
する。酵母複製開始点、例えば染色体自律複製セグメン
ト(ars)を含有するハイブリドベクターは、形質転換
の後酵母細胞内で染色体外に維持され、そして自律複製
する。さらに、酵母2μプラスミドDNAに相同な配列を
含有するハイブリドベクターを使用することができる。
この様なハイブリドベクターは細胞内にすでに存在する
2μプラスミドに組換により取り込まれるか、又は自律
複製するであろう。2μ配列は高形質転換頻度を有する
プラスミドのために特に適当であり、そして高コピー数
を許容する。この発明の好ましい酵母ベクターはプラス
ミドpJDB207である。
酵母のための適当なマーカー遺伝子は特に、宿主に抗
生物質耐性を付与する遺伝子、又は栄養要求性酵母変異
株の場合には宿主の傷害を補完する遺伝子である。対応
する遺伝子は、例えば、抗生物質シクロヘキシミドに対
する耐性を付与し、又は栄養要求性酵母変異株に原栄養
性を提供する遺伝子、例えばURA3LEU2HIS3、又は特
TRP1遺伝子である。酵母ハイブリドベクターはさら
に、好ましくは、細菌宿主、特にE.コリのための複製開
始点及びマーカー遺伝子を含有し、これによりハイブリ
ドベクターの造成及びクローニングを細菌宿主中で行う
ことができる。
酵母での発現のために適当な発現制御配列は例えば高
度に発現される酵母遺伝子のそれである。すなわち、TR
P1遺伝子、ADH I又はADH II遺伝子、酸性ホスファター
ゼ(PH03又はPH05)遺伝子又はイソチトクローム遺伝子
のプロモーター、あるいは解糖系に関与するプロモータ
ー、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホス
フェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)、3−ホスホグリ
セレートキナーゼ(PGK)、ヘキソキナーゼ、ピルベー
トデヒドロゲナーゼ、ホスホフラクトキナーゼ、グルコ
ース−6−ホスフェートイソメラーゼ、3−ホスホグリ
セレートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオースホ
スフェートイソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラー
ゼ及びグルコキナーゼの遺伝子のプロモーターを使用す
ることができる。この発明の好ましいベクターは転写制
御を伴うプロモーター、例えば増殖条件の変化によりタ
ーンオン又はターンオフを行うことができるPH05遺伝
子、ADH II遺伝子及びGAPDH遺伝子のプロモーターを含
有する。例えば、PH05プロモーターは、培地中の無機リ
ン酸塩の濃度を単に上昇せしめるか又は低下せしめるこ
とにより抑制又は抑制解除され得る。
哺乳類細胞中での複製及び発現のために適当なベクタ
ーは好ましくはウイルス起原のDNA、例えばシミアンウ
イルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデ
ノウイルス2、ウシ乳頭腫ウイルス(BPV)、パポバウ
イルスBK変異株(BKV)、又はマウムもしくはヒトのサ
イトメガロウイルス(CMV)からのDNAを有する。好まし
くは、この様なベクターは、真核生物の転写制御配列と
共にE.コリ中での増殖のための複製開始点及び抗生物質
耐性遺伝子を含有する。特に、いわゆるシャトルベクタ
ーをE.コリプラスミドpBR322及びSV40及び/又はCMVエ
ンハンサー及びプロモーター領域から造成することがで
きる。例えば、このプラスミドはヒト又はマウスのサイ
トメガロウイルス主要即時初期(immediate-early)遺
伝子のエンハンサー・プロモーターユニット、ヒトα−
グロビンプロモーターと組合わせたSV40エンハンサー、
そして/又はさらに誘導性プロモーター、例えばヒート
ショック遺伝子又はメタロチオネイン遺伝子由来のプロ
モーターを含有することができる。さらに、目的遺伝子
配列と通常関連しているプロモーター又は制御配列を使
用することができる。複製開始点はSV40もしくは他のウ
イルス源からの外来性複製開始点を含む様にベクターを
構成することにより、又は宿主細胞の染色体複製機構に
より設けることができる。ベクターが宿主細胞の染色体
に組み込まれる場合、後者の方法は一層効果的である。
好ましい態様において、本発明は宿主株中で複製及び
表現型選択が可能なハイブリドベクターに関し、このハ
イブリドベクターはプロモーター及び目的蛋白質をコー
ドするDNAを含んで成り、このDNAは前記プロモーターの
制御下前記ハイブリドベクター中の転写開始シグナル及
び転写終止シグナル並びに翻訳開始シグナル及び翻訳終
止シグナルと一緒に配置され、こうして形質転換された
宿主中で前記蛋白質を生産するために発現される。
この発明はまた、形質転換された宿主の製造方法に関
し、この方法は発現制御配列により制御されるこの発明
のDNAを含有する発現ベクターにより宿主を形質転換(t
ransformation)又はトランスフェクションすることを
含んでなり、本発明はさらに形質転換された宿主それ自
体に関する。
適当な宿主の例として、前記の微生物、例えばサッカ
ロミセス・セレビシエーの株、バシルス・ズブチリスの
株、及びエシェリシャ・コリの株が挙げられる。この発
明の発現プラスミドによる形質転換は、例えば文献に記
載されている様にして、すなわちS.セレビシエーについ
てはA.Hinnen、J.B.Hicks及びG.R.Fink,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA75,1929(1978)、B.ズブチリスについては
Anagnostopoulos等、J.Bacteriol.81,741(1961)、
そしてE.コリについてはM.Mandel等、J.Mol Biol.53,
159(1970)の方法に従って行われる。
従って、E.コリ細胞の形質転換は、DNAの取り込み可
能にするための細胞のCa++前処理、及びハイブリドベク
ターとのインキュベーションを含む。親細胞からの形質
転換細胞の分離を可能にする選択増殖培地に細胞を移
す。ベクターを含有しない細胞はこの様な培地中で生存
しないであろう。酵母の形質転換は、例えば、(1)グ
ルコシダーゼによる酵母細胞壁の酵素的除去、(2)ポ
リエチレングリコール及びCa++イオンの存在下でのベク
ターによるスフェロプラストの処理、及び(3)該スフ
ェロプラストを寒天中に包埋することによる細胞壁の再
生を含む。好ましくは、再生寒天は形質転換された細胞
の細胞壁の再生と選択を同様に可能にする様に調製され
る。
適当な宿主の他の例は上記の哺乳類細胞、例えばCOS-
7細胞、ヒーラ細胞又はチャイニーズハムスター卵巣(C
HO)細胞である。ベクターは、ヘルパー化合物、例えば
ジエチルアミノエチルデキストラン、ジメチルスルホキ
シド、グリセロール、ポリエチレングリコール等の存在
下で又はベクターDNAとリン酸カルシウムとの同時沈澱
として、トランスフェクトにより哺乳類細胞に導入され
る。他の適当な方法には細胞核へのベクターDNAの直接
微量注射、及び電気穿孔、すなわち細胞膜の透過性を増
加する短い電気パルスによるDNAの導入が含まれる。こ
れに続く、形質転換された細胞の選択は、発現ベクター
に共有結合により組み込まれた選択マーカー又は別の存
在として添加された選択マーカーを用いて行うことがで
きる。選択マーカーは抗生物質、例えばG-418(ネオマ
イシン)又はハイグロマイシンに対する耐性を付与する
遺伝子、あるいは宿主細胞の遺伝的傷害、例えばチアミ
ンキナーゼ又はヒドポキサンチンホスホリボシルトラン
スフェラーゼの傷害を補完する遺伝子である。
形質転換された宿主細胞は、炭素、窒素及び無機塩の
資化性源を含有する液体培地中で従来技術において知ら
れている方法により培養される。
この発明の形質転換された宿主の培養のために種々の
炭素源を使用することができる。好ましい炭素源の例と
して資化性炭水化物、例えばグルコース、マルトース、
マンニトール又はラクトス、あるいは酢酸塩を挙げるこ
とができ、これらはそれ自体として又は適当な混合物と
して使用することができる。適当な窒素源の例としてア
ミノ酸、例えばカザミノ酸、ペプチド、並びに蛋白質及
びその分解生成物、例えばトリプトン、ペプトン又は肉
エキス、酵母エキス、マルトエキス、並びにアンモニウ
ム塩、例えば塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム又は
硝酸アンモニウムが挙げられ、これらはそれ自体として
又は適当な混合物として使用することができる。使用す
ることができる適当な塩は例えばナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム及びカルシウムの硫酸塩、塩化物、リ
ン酸塩及び炭酸塩である。
培地はさらに、例えば増殖促進物質、例えば微量元
素、例えば鉄、亜鉛、マンガン等、及び好ましくは選択
圧を与えそして発現プラスミドを失った細胞の増殖を阻
害する物質を含有する。すなわち、例えば、発現プラス
ミドがampR遺伝子を含有する場合には培地にアンピシリ
ンが加えられる。この様な抗生物質の添加はまた、抗生
物質感受性の汚染微生物が破壊されるという効果も有す
る。例えば必須アミノ酸において栄養要求性である酵母
株が宿主微生物として使用される場合、プラスミドは好
ましくは宿主の傷害を補完する酵素をコードする遺伝子
を含有する。酵母株の培養はこのアミノ酸を欠く最少培
地中で行われる。
脊椎動物細胞は、増殖促進物質及び/又は哺乳類血清
が補充されている場合がある市販の培地を用いて組織培
養条件下で増殖せしめる。細胞は固体支持体、例えばマ
イクロキャリャー又は多孔性ガラス繊維に付着してある
いは適当な培養容器中を自由浮遊しながら増殖する。
培養は当業界において知られている方法により行われ
る。培養条件、例えば温度、培地のpH値、及び発酵時間
は、この発明のポリペプチドの最大力価が得られる様に
選択される。すなわち、E.コリ又は酵母株は、好ましく
は、振とう又は撹拌を伴う深部培養による好気的条件下
で、約20℃〜40℃の温度、好ましくは30℃、及び4〜8
のpH、好ましくは約pH7において、約4〜30時間、好ま
しくはこの発明のポリペプチドの最大収量が達成される
まで培養する。
細胞濃度が十分な値に達したとき、培養を停止し、そ
してポリペプチドを単独する。ポリペプチドが適当なシ
グナルペプチド配列と融合している場合、これは細胞に
より上清に直接分泌される。他の場合には、例えば洗
剤、例えばSDS、NP-40、トリトン又はデオキシコール酸
により処理することによって細胞を破壊しなければなら
ず、あるいはリゾチーム、同様に作用する酵素又は超音
波により細胞を溶解しなければならない。宿主微生物と
して酵母を使用する場合、グルコシダーゼによる酵素的
消化により細胞壁を除去することができる。これに代え
て、又はこれと組合わせて機械的力、例えば剪断片(例
えばX−プレス、フレンチプレス、ダイノミル)又はガ
ラスビーズもしくは酸化アルミニウムの振とう、あるい
は例えば液体窒素中での凍結と例えば30℃〜40℃での解
凍、並びに超音波を用いて細胞を破壊することができ
る。
細胞上清、又は細胞の破壊の後に得られる混合物の遠
心分離により得られた溶液は蛋白質、核酸及び他の細胞
成分を含有しており、これをこの発明のポリペプチドを
包含する蛋白質についてそれ自体既知の方法により富化
する。すなわち、例えば、ほとんどの非蛋白質性成分は
ポリエチレンイミン処理により除去され、そしてこの発
明のポリペプチドを包含する蛋白質は例えば硫酸アンモ
ニウム又は他の塩による溶液の飽和により沈澱する。他
の方法として、細胞上清又は細胞溶解物をクロマトグラ
フ法を用いて直接前精製することができる。
この発明のポリペプチドは、クロマトグラフ分離の組
合せにより、好ましくはイオン交換クロマトグラフィ
ー、ゲル過及び逆相高速液体クロマトグラフィーの組
合わせにより精製される。他の分離法には例えば分子量
カット−オフ膜を用いる過及び限外過、アフィニテ
ィークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト上での
クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、並びに
適当な塩及び/又は緩衝液及び溶剤混合物中での透析、
溶解及び再沈澱が含まれよう。
イオン交換クロマトグラフィーのための適当なキャリ
ャー材料は有機又は無機性の、例えば架橋されたアガロ
ース、デキストラン、ポリアクリルアミド、スチレン/
ジビニルベンゼンコポリマー、セルロース等であること
ができる。好ましくは、このキャリャー材料は塩基性官
能基、例えば第三アミノ官能基、第四アンモニウム基、
又はわずかに酸性の基、例えばカルボキシメチル官能基
を担持する。これらのキャリャーは正常液体クロマトグ
ラフィー、固定蛋白質液体クロマトグラフィー(FPLC)
又は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のために適当
である。イオン交換クロマトグラフィーによる分離及び
精製は確立された方法、例えば増加する量の塩、例えば
塩化ナトリウムを含有するpH4〜pH9の水性緩衝液中で行
われる。
ゲル過又はサイズ排除クロマトグラフィーのために
適当なキャリャー材料には架橋されたデキストラン、ア
ガロース、適切に修飾されたポリアクリルアミド又はシ
リカ等が含まれる。場合によってはこれらのキャリャー
はヒドロキシ官能基を担持する置換基、例えば1−ヒド
ロキシ低級アルキル基又は1,2−ジヒドロキシ低級アル
キル基により修飾されている。クロマトグラフ材料は、
50,000〜100,000ダルトンの分子量範囲のペプチドの最
適分離を示すように選択される。この様なゲル過又は
サイズ排除クロマトグラフィーは上記のように正常液体
クロマトグラフィー、FPLC又はHPLCのために適するカラ
ム中で、可変量の塩、例えば塩化ナトリウムを含有する
およそ中性の水性緩衝液を用いて行われる。
逆相クロマトグラフィーは、疎水性基、例えば1〜20
個の炭素原子、好ましくは4,8,12もしくは18個の炭素原
子を有するアルキル基、又はそれぞれ1及び8又は2及
び18個の炭素原子を有するアルキル基の混合、あるいは
フェニル基を担持するシリカ性キャリャー材料上で行わ
れる。アガロース又は12個までの炭素原子を有するアル
キル基及び/又はフェニル基がコートされた関連材料が
使用される疎水性相互作用クロマトグラフィーがこの方
法に関連する。これらのクロマトグラフ技法はFPLC又は
HPLCを用いて適用される。シリカ性逆相材料上で本発明
のポリペプチドを処理するための溶剤は水性酸、例え
ば、増加する量の極性水混和性有機溶剤、例えばアセト
ニトリル、低級アルコール、例えばメタノール、エタノ
ール、プロパノール、テトラヒドロフラン等、好ましく
はアセトニトリルを含有する水性トリフルオロ酢酸であ
る。
アフィニティークロマトグラフィーはまた、目的の蛋
白質に対して高いアフィニティーを有する分子、例えば
抗体、特に後で記載するモノクローナル抗体を担持する
適当なキャリャー材料、例えば架橋されたアガロース、
デキストラン又はポリアクリルアミドを使用して、本発
明のポリペプチドの精製のために期待される。抗体は既
知の方法により活性化形のキャリャー材料に連結され
る。アフィニティークロマトグラフィーによる目的ポリ
ペプチドの精製はそれ自体既知の方法により、例えば、
場合によっては界面活性剤、例えばポリエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルを含有するおよそpH5〜9の範囲の
緩衝液及び/又は塩溶液、例えばNaCl溶液中で行い、次
に目的の蛋白質をおよそpH2〜5のpH範囲の緩衝液、例
えばグリシン緩衝液、又は異る組成のpHグラジエント、
又は塩溶液、例えば濃NH4SCN溶液により溶出する。
この発明の蛋白質の抗ウイルス性はウイルス感染に対
する保護及びウイルス感染の治療のために有用である。
特に、この蛋白質はインフルエンザウイルス又は他の呼
吸器ウイルスの感染、ヘルペスウイルスの感染、並びに
狂犬病及び肝炎ウイルスの感染の治療のために、場合に
よっては他の抗ウイルス剤と組合わせて使用される。こ
の蛋白質は、場合によっては無機又は有機の固体又は液
体の医薬として許容されるキャリャーと共に又はこれら
との混合物として有効果の活性成分を含有する医薬調製
物の形態で適用される。
この発明の医薬は温血動物、例えばヒトへの、経腸、
例えば直腸又は経口投与のため、そして好ましくは非経
口、例えば鼻内、筋肉内、皮下又は静脈内投与のための
ものである。
意図される投与方法に依存して、医薬は単位投与形、
例えばアンプル、バイアル、坐薬、丸剤、錠剤、カプセ
ル、又は液体もしくは固体の鼻内スプレーであることが
できる。
医薬として有効な投与すべき化合物の量は温血動物、
例えばヒトの状態、例えば体重、疾患の種類及び重症度
並びに一般的状態、そしてさらに投与方法に依存し、そ
して治療にたずさわる医師の評価に従って決定される。
有効量は体重1kg1日当り0.001〜1μgのオーダーであ
る。
この発明の医薬は、通常の無機又は有機の固体又は液
体の医薬として許容される担体を、場合によっては他の
医薬として活性な化合物及び/又は助剤と共に含有す
る。好ましくは、活性成分の溶液又は懸濁液、特に等張
水溶液又は懸濁液、あるいはまた使用直前に水に溶解さ
れる凍結乾燥物が使用される。医薬は無菌化され、そし
て/又は防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、溶解剤、増
粘剤、浸透圧調節塩及び/又は緩衝剤を含有することが
でき、そしてさらに他の蛋白質、例えばヒト血清アルブ
ミン又はヒト血漿調製物を含有することができる。
さらに、この発明は、前記にようにインターフェロン
−α又は−βにより誘導されたヒト蛋白質に対して特異
的なモノクローナル抗体、特に、インターフェロンによ
り誘導された関連のマウス蛋白質Mxと交差反応しないモ
ノクローナル抗体、及び該抗体の誘導体に関する。
この発明のモノクローナル抗体はネズミ由来のもので
あり、そして特にマウス/マウスハイブリドーマ細胞に
より生産されるマウス抗体である。
この発明のモノクローナル抗体の例として、885 S35.
8.1、885 S35.16.11、885 S56.55.7.12.48、885 S56.5
5.7.21.25、885 S56.55.7.27.5、885 S56.55.7.27.11、
885 S56.55.13、885 S56.55.17、及び885 S56.67.15と
称するネズミモノクローナル抗体が挙げられる。
885 S35.8.1、885 S56.55.13及び885 S56.67.15と称
するモノクローナル抗体及びその誘導体が好ましい。こ
れらのモノクローナル抗体は885.S35.8.1、885 S56.55.
13及び885 S56.67.15と称する対応するハイブリドーマ
セルラインにより分泌される。
この発明のモノクローナル抗体の誘導体は、例えば抗
体断片、放射能ラベルされたモノクローナル抗体、及び
酵素や蛍光マーカーとモノクローナル抗体との接合体で
ある。
この発明のモノクローナル抗体の断片は、例えば、抗
原決定基に対する特異性を有する、すなわち前に記載し
たヒトインターフェロンにより誘導された蛋白質に対す
る特異性を保持している、Fab断片、Fab′断片又はF
(ab′)断片である。
放射能ラベルされたモノクローナル抗体は例えば放射
性ヨウ素(123I、125I、131I)、炭素(14C)、硫黄(
35S)、トリチウム(3H)等を含有する。放射性ヨウ素
によりラベルされたモノクローナル抗体が好ましい。
この発明の抗体接合体は、モノクローナル抗体又はそ
の断片と酵素、例えばホースラディッシュパーオキシダ
ーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシ
ダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、
カルボアンヒドラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、
リゾチーム、マレートデヒドロゲナーゼ又はグルコース
−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、蛍光マーカー、
例えばフルオレッセイン、あるいはアビジン又はビオケ
ンとの接合体である。これらの接合体においては、抗体
は直接に又はスペーサーもしくはリンカー基を介して酸
素又は蛍光マーカーに結合している。
この発明のモノクローナル抗体及びその誘導体はそれ
自体既知の方法により得られ、この方法は該モノクロー
ナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を、 a)インビトロで培養しそして培養上清からモノクロー
ナル抗体を単離するか、又は b)適当な哺乳類中でインビボ増殖せしめ、そして該動
物の体液からモノクローナル抗体を回収し、そして、所
望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
る、 ことを特徴とする。
工程a)のインビトロ培養のために適当な培地は標準
的培地、例えばダルベコ改変イーグル培地又はRMMI1640
培地であって、場合によっては哺乳類血清、例えばウシ
胎児血清、又は他の増殖維持補完剤、例えば2−アミノ
エタノール、インシュリン、トランスフェリン、低密度
リポプロテイン、オレイン酸等、及び微量元素が補充さ
れているものである。モノクローナル抗体の単離は、培
養上清中に含まれる蛋白質を硫酸アンモニウム等により
沈澱せしめ、次に標準的クロマトグラフ法、例えばゲル
過、イオン交換クロマトグラフィー、DEAEセルロース
上でのクロマトグラフィー、又は免疫アフィニティーク
ロマトグラフィーによって免疫グロブリンを精製するこ
とにより行う。
インビトロ生産は多量の目的抗体を得るためのスケー
ルアップを可能にする。大規模ハイブリドーマ培養のた
めの技法は当業界においてよく知られており、そして例
えばエアーリフト反応器又は連続撹拌反応器中での均一
浮遊培養、及び例えば中空繊維中、マイクロカプセル
中、アガロースマイクロビーズ上又はセラミックカート
リッジ上での固定化又は捕捉細胞培養を包含する。
多量の目的とするモノクローナル抗体はまた、工程
b)によるハイブリドーマ細胞の増殖によっても得るこ
とができる。細胞クローンを同系哺乳類に注射し、この
動物が抗体産生腫瘍を増殖せしめる。1〜3週間の後、
目的のモノクローナル抗体を前記哺乳類の体液から回収
する。例えば、Balb/cマウス由来のハイブリド細胞をプ
リスタンのごとき炭化水素で前処理されている場合があ
るBalb/cマウスに腹腔内注射し、そして1〜2週間後こ
れらのマウスの腹水を集める。それ自体既知の方法によ
り、例えば蛋白質を硫酸アンモニウム等により沈澱せし
め、次に標準的方法、例えばゲル過、イオン交換クロ
マトグラフィー、DEAEセルロース上でのクロマトグラフ
ィー、又はイムノアフィニティークロマトグラフィーに
より免疫グロブリンを精製することにより体液から目的
のモノクローナル抗体を単離する。
前記の様にしてヒトインターフェロンで誘導された蛋
白質に対する特異性を維持しているモノクローナル抗体
の断片、例えばFab、Fab′又はF(ab′)断片は、工
程a)又はb)に従って調製されたモノクローナル抗体
から、それ自体既知の方法により、例えばペプシンもし
くはパパインのごとき酵素による消化及び/又は化学的
還元によるジスルフィド結合の開裂により得ることがで
きる。
放射性ヨウ素によりラベルされたモノクローナル抗体
は当業界で知られているヨウ素化法により、例えば放射
性ヨウ化ナトリウム又はヨウ化カリウム及び化学酸化
剤、例えば次亜塩素酸ナトリウム、クロラミンT等によ
り、あるいは酵素的酸化剤、例えばラクトパーオキシダ
ーゼ又はグルコースオキシダーゼ及びグルコースにより
モノクローナル抗体をラベルすることにより製造され
る。この発明の放射能ラベルされたモノクローナル抗体
はまた、段階a)のインビトロ培養の培地に放射能ラベ
ルされた栄養素を添加することによっても製造される。
この様な放射能ラベルされた栄養素は、例えば放射性炭
素(14C)、トリチウム(3H)、硫黄(35S)等を含有
し、そして例えばL−(14C)−ロイシン、L−(3H)
−ロイシン又はL−(35S)−メチオニンである。
この発明のモノクローナル抗体の接合体は、当業界に
おいて知られている方法により、例えば工程a)もしく
はb)に従って調製されたモノクローナル抗体又は前記
の方法により調製された断片を、カップリング剤、例え
ばグルタルアルデヒド、過ヨウ素酸塩、N,N′−0−フ
ェニレンジマレイミド、N−(m−マレイミドベンゾイ
ルオキシ)−サクシンイミド、N−(3−〔2′−ピリ
ジルジチオ〕−プロピオノキシ)−サクシンイミド、N
−エチル−N′−(3−ジメチル−アミノプロピル)−
カルボジイミド等の存在下で、酸素と反応せしめること
により得られる。アビジンとの接合体が同様にして得ら
れる。ビオチンとの接合体は例えばモノクローナル抗体
をビオチンの活性化されたエステル、例えばビオチンN
−ヒドロキシサクシンイミドエステルと反応せしめるこ
とにより得られる。蛍光マーカーとの接合体は、カップ
リング剤、例えば前に挙げたカップリング剤の存在下
で、又はイソチオシアネート、好ましくはフルオレッセ
イン−イソチオシアネートとの反応により調製される。
この発明はさらに、前記のようにヒトインターフェロ
ンで誘導された蛋白質に対する特異性を有するモノクロ
ーナル抗体を分泌することを特徴とするハイブリドーマ
セルラインに関する。
特にこの発明は、骨髄腫細胞と78kDaの見かけ分子量
を有する精製されたヒトインターフェロン誘導蛋白質に
より免疫感作された哺乳類のBリンパ球とのハイブリド
ーマであるセルラインに関する。好ましくは、これらの
セルラインはマウス骨髄腫細胞と前記蛋白質により免疫
感作された同系マウスのBリンパ球とのハイブリドであ
る。
この様なセルラインの例として、885 S35.8.1、885 S
35.16.11、885 S56.55.7.12.48、885 S56.55.7.21.25、
885 S56.55.7.27.5、885 S56.55.7.27.11、885 S56.55.
13、885 S56.55.17、及び885 S56.67.15と称するハイブ
リドーマセルラインが挙げられる。
これらのハイブリドーマセルラインはマウス骨髄腫セ
ルラインSp2/0-Ag14と、前記の様なナマルワ細胞からの
精製されたヒトインターフェロン誘導蛋白質により免疫
感作されたBalb/cマウスの脾臓のBリンパ球とのハイブ
リドーマである。これらは安定なセルラインであり対応
する名称のモノクローナル抗体を分泌する。セルライン
は培養において保持されるか、又は液体窒素中での深冷
凍結により保持されそして解凍により再活性化される。
885 S35.8.1、885 S56.55.13及び885 S56.67.15と称
するハイブリドーマセルラインが特に好ましく、これら
はそれぞれI-545、I-543及びI-544として、パスツール
研究所(パリ)のCollection Nationale de Cultures d
e Microorganismesに1986年4月9日に寄託された。
この発明はまた、前記のインターフェロン誘導蛋白質
に対する特異性を有するモノクローナル抗体を分泌する
ハイブリドーマセルラインの製造方法に関し、この方法
は適当な哺乳類を精製された蛋白質により、場合によっ
ては抗原キャリャーと共に免疫感作し、この哺乳類の抗
体産生細胞を骨髄腫細胞と融合せしめ、この融合におい
て得られたハイブリド細胞をクローン化し、そして目的
の抗体を分泌する細胞クローンを選択することを特徴と
する。
免疫感作のために好ましい動物はマウス、特にHR−マ
ウスである。免疫感作は、例えば、誘導されたナマルワ
細胞からの精製された78kDa蛋白質を含有する抗原キャ
リャー例えばニトロセルロース片を移植し、そしてさら
に2μg〜10μgの該蛋白質を2〜10回非経口的に、例
えば腹腔内及び/又は皮下に7〜30日の間隔で注射する
ことにより行われる。この注射は場合によってはリンパ
球の生産を刺激するアシュバント、例えば完全又は不完
全フロインドアジュバント及び/又はアジュバントペプ
チドを含有する。
最終追加免疫の2〜5日後に採取した免疫感作された
哺乳類の抗体産生細胞、好ましくは脾細胞を融合促進剤
の存在下で適当なセルラインの骨髄腫細胞と融合せしめ
る。幾つかの適当な骨髄腫セルラインが当業界において
知られている。酵素グアニンホスホリボシルトランスフ
ェラーゼ(HGPRT)又は酵素チミジンキナーゼ(TK)を
欠いており、それ故にヒポキサンチン、アミノプテリン
及びチミジンを含有する選択培地(HAT培地)中で生存
しない骨髄腫セルラインが好ましい。HAT培地中で生存
せずそして免疫グロブリン又はその断片を分泌しない骨
髄腫セルライン及び誘導体セルライン、例えばセルライ
ンX63-Ag8.653又はSp2/0-Ag14が特に好ましい。考慮さ
れる融合促進剤は例えばセンダイウイルス又は他のパラ
ミクソウイルス(場合によってはUVで不活性化された形
のもの)、カルシウムイオン、界面活性リピド例えばリ
ソレシチン、又はポリエチレングリコールである。好ま
しくは、骨髄腫細胞を、分子量1000〜4000のポリエチレ
ングリコール約30〜約60%を含有する溶液中で、免疫感
作された哺乳類からの3〜20倍過剰の脾細胞と融合せし
める。
ハイブリドーマ細胞の拡張のために適当な培地は標準
的培地、例えばダルベコ改変イーグル培地、最少必須培
地、RPMI1640培地等であって、場合によっては、血清、
例えば10〜15%のウシ胎児血清が補充されたものであ
る。好ましくは、細胞増殖の始めにおいてフィーダー細
胞、例えば正常マウス腹腔滲出細胞、脾細胞、骨髄マク
ロファージ等を加える。ハイブリドーマ細胞に卓越して
正常細胞が増殖するのを防止するため培地に選択HAT培
地を一定間隔で補充する。
ハイブリドーマ細胞培養上清を目的のモノクローナル
抗体について好ましくは酵素イムノアッセイ、例えばド
ット−ELISAアッセイ、又はラジオイムノアッセイによ
りスクリーニングする。陽性ハイブリドーマ細胞を、例
えば限界稀釈法により、選択的に2回以上クローン化す
る。場合によっては、ハイブリドーマ細胞を、動物、例
えばマウスへのi.p.注射及び腫水の収得により継代し、
これによりハイブリドーマを安定化し、そして増殖特性
を改良する。
この発明のモノクローナル抗体及び/又はその誘導体
は、前記のインターフェロン誘導ヒト蛋白質の定性的及
び定量的測定のために有用である。
例えば、モノクローナル抗体又はその誘導体、例えば
酵素接合体又は放射性誘導体は、この発明の蛋白質の抗
原決定基とモノクローナル抗体との間の結合相互作用に
基礎を置く既知のイムノアッセイのいずれかにおいて使
用することができる。この様なアッセイの例としてラジ
オイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ、例え
ばエンザイム・リンクド・イムノソルベント・アッセイ
(ELISA)、イムノフルオレッセンス、免疫沈澱、ラテ
ックス凝集、及び赤血球凝集が挙げられる。これらのイ
ムノアッセイは例えば天然源又は遺伝子操作された微生
物からの目的蛋白質の生産及び精製のモニターのため、
並びに例えばこの発明の蛋白質又はインターフェロンに
よる治療を受けている患者又はそのような治療を必要と
する患者の生物学的流体中の蛋白質の定性的及び定量的
測定のために有用である。
この発明のモノクローナル抗体はそれ自体として、又
は放射性ラベルされた誘導体の形でラジオイムノアッセ
イ(RIA)において使用することができる。RIAの任意の
既知の変法、例えば均一相RIA、固相RIA又は不均一相RI
A、及びこの発明の蛋白質の直接又は間接(競争的)測
定のためのシングルRIA又はダブル(サンドイッチ)RIA
を使用することができる。サンドイッチRIAが好まし
く、この方法においてはキャリャー、例えばポリスチレ
ン、ポリプロピレン又はポリ塩化ビニルのミクロタイタ
ープレート又は試験管のプラスチック表面、ガラス又は
プラスチックのビーズ、紙、あるいはデキストラン、
酢酸セルロース又はニトロセルロースのシート等が単純
吸着又は例えばグルタルアルデヒドもしくは臭化シアン
によるキャリャーの活性化の後に本発明のモノクローナ
ル抗体によりコートされ、そして試験溶液及び125Iで放
射性ラベルされたモノクローナル抗体の溶液、すなわち
キャリャーに結合したモノクローナル抗体とは異る、こ
の発明の蛋白質の他のエピトープを認識する溶解したモ
ノクローナル抗体と共にインキュベートし、そしてキャ
リャーに結合した放射能を測定することによりこの発明
の蛋白質の量を決定する。
前記のサンドイッチラジオイムノアッセイが特に好ま
しく、この方法においてはこの発明のモノクローナル抗
体をビーズ、例えばポリスチレンビーズに結合せしめ、
このコートされたビーズをインターフェロン誘導−ヒト
蛋白質を含有する標準溶液又は試験溶液中でインキュベ
ートし、そして最後に異るエピトープを認識する放射性
ラベルされたモノクローナル抗体により発色せしめる。
この発明のモノクローナル抗体はそれ自体として、又
は酵素接合誘導体の形態で酵素イムノアッセイにおいて
使用することができる。この様なイムノアッセイには、
この発明の酵素ラベルされたモノクローナル抗体誘導
体、又はこの発明の抗体のエピトープを認識しそれに結
合するそれ自体既知の酵素ラベルされた抗体を使用する
方法が含まれる。
ELISA(エンザイム・リンクド・イムノソルベント・
アッセイ)が好ましく、この方法においてはRIAについ
て前記したキャリャーがこの発明のモノクローナル抗体
でコートされ、インターフェロン誘導ヒト蛋白質を含有
する試験溶液と共にインキュベートされ、そして次にこ
の蛋白質に対するポリクローナル血清、例えばヒツジ血
清と共にインキュベートされ、そして最後にこのポリク
ローナル血清の結合した抗体がこれらを認識しそしてこ
れらに結合する酵素ラベルされた抗体により顕現され、
そして結合した蛋白質の量が酵素基質反応により決定さ
れる。この様な酵素ラベルされた抗体は例えばホスファ
ターゼブラベルされたヤギ−抗ヒツジ免疫グロブリンで
ある。
さらに、他のELISAも好ましく、この方法においては
この発明のモノクローナル抗体でコートされたキャリャ
ーを試験溶液及び酵素と接合したモノクローナル抗体の
溶液、すなわちキャリャーに結合したモノクローナル抗
体ではなくインターフェロン誘導−ヒト蛋白質の他のエ
ピトープを認識する溶解したモノクローナル抗体と共に
インキュベートする。他の変化をもたらしそして肉眼に
より又は光学測定装置により観察することができる酵素
基質反応により、試験溶液中の蛋白質の量と比例する結
合した酵素の量を測定する。
イムノブロット分析と呼ばれる酵素イムノアッセイが
特に好ましく、この方法においてはインターフェロン誘
導−ヒト蛋白質を含有する試験溶液又は標準溶液がポリ
ペプチドに対する強い親和性を有するミクロポーラスキ
ャリャー、例えばニトロセルロース上にスポットされ、
このサンプルの1個又は複数個のドットを担持するキャ
リャーがこの発明のモノクローナル抗体溶液中でインキ
ュベートされ、次にこの発明のモノクローナル抗体を認
識しそして結合する酵素ラベルされた第二抗体の溶液中
でインキュベートされ、そして最後に検出可能なシグナ
ル、例えば着色された物質をもたらす酵素基質の溶液中
でインキュベートされる。この様な酵素ラベルされた第
二抗体は例えば、ホースラディッシュパーオキシダーゼ
と接合したラビット抗マウス免疫グロブリンであって、
これを適当な酵素基質、例えば4−クロロ−1−ナフト
ール等により発色せしめることができる。
この発明のモノクローナル抗体はそれ自体として又は
蛍光マーカーと接合した誘導体の形で蛍光抗体試験法に
おいて使用することができる。このような蛍光抗体試験
法は、この発明のモノクローナル抗体の誘導体、例えば
フルオレッセインと接合した誘導体、又はこの発明のモ
ノクローナル抗体のエピトープを認識しそして結合する
それ自体既知の蛍光マーカーラベルされた抗体を使用す
る方法を包含する。
次の様な蛍光抗体法が好ましく、この方法においては
RIAについて記載したようなキャリャーを標準的方法に
従って、この発明の蛋白質の存在について試験されるべ
き細胞によりコートし、該細胞を固定し、そして細胞内
の蛋白質性物質と適用された溶液との相互作用を許容す
る様に透過性にし、そして蛍光マーカーと接合したこの
発明のモノクローナル抗体誘導体の溶液と共にインキュ
ベートするか、又はこの発明のモノクローナル抗体の溶
液とインキュベートし次にこの発明のモノクローナル抗
体を認識しそして結合する蛍光マーカーによりラベルさ
れた第二抗体、例えばフルオレッセインでラベルされた
ラビット抗マウス免疫グロブリンの溶液と共にインキュ
ベートする。次に、標準的蛍光顕微鏡法又はフローサイ
トメトリーによりこの発明の蛋白質の存在を検出しそし
て該蛋白質の位置を決定する。
この発明のモノクローナル抗体はそれ自体として、又
は放射性ラベルされた誘導体の形態で免疫沈澱試験にお
いて使用することができる。次の免疫沈澱試験が好まし
く、この方法においては、この発明の蛋白質を生産する
能力について試験されるべき細胞を、放射性ラベルされ
た栄養素、例えば放射性炭素(14C)、トリチウム
3H)、硫黄(35S)等によりラベルされた栄養素、例
えば(35S)−メチオニンを含有する培地中で増殖せし
め、次に細胞溶解して該細胞によって生産された放射性
ラベルされた蛋白質性材料の溶液を得る。この溶液をこ
の発明のモノクローナル抗体の溶液と共にインキュベー
トし、細胞中で生成した放射性ラベルされた蛋白質とこ
の発明のモノクローナル抗体との間のすべての複合体を
沈澱せしめるか、あるいは好ましくは、この発明のモノ
クローナル抗体に対する高い親和性を有するアフィニテ
ィークロマトグラフィー材料、例えばプロテインAと連
結されたクロマトグラフィー材料上に、又はこの発明の
モノクローナル抗体を認識しそして結合する抗体、例え
ばラビット抗−マウス免疫グロブリンに吸着せしめ、そ
して蛋白質/抗体複合体を該沈澱又はアフィニティーク
ロマトグラフィー材料から単離する。次に放射性ラベル
された蛋白質の存在を通常の分析法、例えばフルオログ
ラフィーを伴うSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より、蛋白質/抗体複合体が解離する条件下で確認す
る。
ヒトインターフェロンで誘導された蛋白質の定性的及
び定量的測定のための、前記のモノクローナル抗体及び
その誘導体のこの発明に従う使用はまた、それ自体既知
の他のイムノアッセイ、例えば抗体又は抗原がコートさ
れたラテックス粒子を用いるラテックス凝集法、あるい
は抗原又は抗体がコートされた赤血球を用いる血球凝集
法等を含む。
この発明はまた、78kDaの見かけ分子量を有するヒト
インターフェロン誘導蛋白質の定性的及び定量的測定の
ための試験キットに関し、このキットはこの発明のモノ
クローナル抗体及び/又はその誘導体、並びに場合によ
っては他のモノクローナル抗体もしくはポリクローナル
抗体及び/又は補助材を含む。
ラジオイムノアッセイのためのこの発明のキットは、
例えば、この発明のモノクローナル抗体によりコートさ
れているか又はコートされていない適当な担体、この発
明の蛋白質に対するモノクローナル抗体もしくはポリク
ローナル抗体及び/又は放射性ラベルされたそれらの誘
導体の場合によっては凍結乾燥されているか又は濃縮さ
れている溶液、この蛋白質の標準溶液、緩衝液、並びに
場合によっては非特異的吸着及び凝集の形成を防止する
ための洗剤及びポリペプチド、ピペット、反応容器、換
算曲線、指示書等を含む。
酵素イムノアッセイのためのこの発明のキットは、例
えば、適当なキャリャー、例えばミクロタイタープレー
ト又はニトロセルロースシート、この発明の蛋白質に対
するモノクローナル抗体の及びこの蛋白質に対する又は
この蛋白質を認識する第一抗体に対する酵素ラベルされ
たモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の場合に
よっては凍結乾燥されているか又は濃縮されている溶
液、固体又は溶解した形態の酵素基質、この発明の蛋白
質の標準溶液、緩衝液、並びに場合によっては、ポリペ
プチド及び洗剤、ピペット、反応容器、換算曲線、色ス
ケール表、指示書等を含む。
蛍光抗体試験のためのこの発明の試験キットは、例え
ば、適当な担体、例えばプラスチックカバースリップ又
はガラススライド、この発明の蛋白質に対するモノクロ
ーナル抗体の及び該モノクローナル抗体を認識するフル
オレッセインでラベルされたポリクローナル抗体の場合
によっては凍結乾燥されているか又は濃縮されている溶
液、緩衝液、並びに場合によってはこの発明の蛋白質を
含有する標準溶液、ポリペプチド及び洗剤、ピペット、
反応容器、指示書等を含む。
免疫沈澱試験のためのこの発明の試験キットは、例え
ば、適当なキャリャー、例えばプラスチック又はガラス
のプレート、この発明の蛋白質に対するモノクローナル
抗体の場合によっては凍結乾燥されているか又は濃縮さ
れている溶液、放射性ラベルされた栄養素、例えば35S
−メチオニンの溶液、組織培養溶液、緩衝液、インター
フェロン−α又は−βの場合によっては凍結乾燥されて
いるか又は濃縮されている溶液、並びに場合によって
は、この発明の蛋白質を含有する標準溶液、抗原/抗体
複合体中のモノクローナル抗体と結合するアフィニティ
ークロマトグラフィー材料、洗剤及びポリペプチド、ピ
ペット、反応容器、指示書等を含む。
この発明のモノクローナル抗体及び抗体誘導体は、イ
ンターフェロン−α又は−βにより誘導されたヒト78kD
a蛋白質の定性的及び定量的測定のために、好ましくは
酵素イムノアッセイ、蛍光抗体試験又は免疫沈澱試験に
おいて使用される。生物学的流体、組織切片及び細胞中
のヒト78kDa蛋白質の量の確実な決定は、ヒト78kDa蛋白
質を用いる療法の又はインターフェロン−αもしくは−
βを用いる療法の簡単な監視を可能にする。さらに、モ
ノクローナル抗体及び抗体誘導体は、天然源又は組換宿
主細胞からのイムノアフィニティークロマトグラフィー
によるヒト78kDa蛋白質の単離及び精製において使用す
ることができる。
次に、例によりこの発明をさらに具体的に説明する
が、これによりこの発明の範囲を限定するものではな
い。
例において使用される略号は次の意味を有する。
ATP アデノシン三リン酸 BSA ウシ血清アルブミン cDNA 相補的DNA cpm カウント/分(放射能崩壊) dA 2′−デオキシアデノシン dATP 2′−デオキシアデノシン三リン酸 dC 2′−デオキシシチジン dCTP 2′−デオキシシチジン三リン酸 dG 2′−デオキシグアノシン dGTP 2′−デオキシグアノシン三リン酸 DNA デオキシリボヌクレオチド dNTP dATP,dCTP,dGTP及びdTTPの混合物 ds DNA 二本鎖DNA dT (2′−デオキシ)チミジン dTTP チミジン三リン酸 EDTA エチレンジアミン四酢酸 FCS ウシ胎児血清 HAT ヒポキサンチン/アミノプテリン/チミジン IFN インターフェロン kDa キロダルトン(分子量) mRNA メッセンジャーRNA PBS リン酸緩衝化塩溶液 RNA リボ核酸 rpm 1分間当り回転数 SDS ドデシル硫酸ナトリウム TBS Tris緩衝液 Tris トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン tRNA トランスファーRNA。
次の緩衝液及び培地を使用する。
例1.インターフェロンによるナマルワ細胞の誘導 1.1.セルライン ナマルワ細胞ATCC CRL 1432を、2g/lのNaHCO3,105
ニット/lのペニシリン、100mg/lのストレプトマイシン
及び10%の不活性化FCS(56℃にて30分間インキュベー
ション)を補充されたRPMI1640培地中で1のスピンナ
ーフラスコ(ベルコ)中浮遊培養により培養する。細胞
を5×105細胞/mlの濃度で接種し、そして濃度が20×10
5細胞/ml(1週間に約3倍)に達した時に前培養とす
る。
1.2.インターフェロン−αによる誘導 2lの培地にナマルワ細胞を5×105細胞/mlの濃度に接
種する。これを3lのスピンナーフラスコ中で37℃にて3
日間培養する。指数増殖の終点において細胞の濃度が2
〜3×106細胞/mlに達する。細胞を800×gにて30分間
遠心分離し、次に2lの培地に再懸濁し、そして37℃にて
6時間インキュベートする。インターフェロン51(EP-A
76 489に従って調製されたα/Bタイプ)を5000国際単位
/mlの最終濃度に加え、そして培養物を37℃にて20時間
さらにインキュベートする。
1.3.細胞の収得 細胞を1000×gにて30分間遠心する。細胞ペレットを
PBSで洗浄する。細胞を800×gにて10分間遠心し、そし
てペレットを低張緩衝液中に懸濁する。細胞を800×g
にて10分間遠心し、そしてペレットをドライアイス上で
迅速に凍結し、そして−20℃に保持する。
例2.78kDa蛋白質の単離及び精製 2.1.蛋白質の抽出 例1の解凍された細胞を、50mM Tris-HCl(PH7.4)及
び4M NaClを含有する緩衝液200mlにより20℃にて細胞溶
解せしめる。この溶解物を80,000×gにて1時間の超遠
心分離により透明にする。IFNにより誘導された蛋白質
は上清中に存在する。この上清に硫酸アンモニウムを徐
々に加えて最終濃度30%にする。蛋白質を20℃にて1時
間沈澱せしめる。IFNで誘導された蛋白質を含有する沈
澱を3000×gにて15分間遠心分離し、次に50mM Tris-HC
l(pH8)、150mMメルカプトエタノール及び2%NP-40を
含有する緩衝液3ml中に懸濁する。懸濁液を同じ緩衝液
に対して十分に透析する。IFNで誘導された蛋白質のほ
とんどが不溶性のままである。
2.2.分取用ゲル電気泳動 不溶性蛋白質を遠心分離し、そしてサンプル緩衝液
〔U.K.Laemmli及びM.Favre,J.Mol.Biol80,575(197
3)〕中に溶解する。スラブゲル(厚さ1.5mm、長さ110m
m)をLaemmli及びFavreにより記載された様にして調製
する。分離ゲルは12%のアクリルアミド及び0.32%のビ
ス−アクリルアミドを含有する。電気泳動の終りにおい
てゲルを氷冷した0.25mM KClに浸漬することによって可
視化する。70kDa〜85kDaの間の分子量を有する蛋白質を
含有するゲル片を切り出す。このゲルを水により十分に
洗浄し、50mM N−エチルモルホリニウムアセテート(pH
8.5)及び0.1%SDSを含む溶液により平衡化する。最後
にゲルを2M尿素、50mM N−エチルモルホリニウムアセテ
ート(pH8.5)、2%SDS及び50mMジチオスレイトールを
含有する溶液中で細断し、そしてこの混合物を37℃にて
1時間インキュベートする。
2.3.ゲルからの蛋白質の電気透析 ISCOサンプル濃縮器(モデル1750)を用いて、A.J.Br
own及びJ.C.Bennett〔Methods in Enzymology91,450
(1983)〕に記載されている様にしてゲル片から蛋白質
を溶出する。0.01%SDS及び1mMジチオスレイトールを含
有するN−エチルモルホリニウムアセテート(pH8.5)
溶液を緩衝液として濃縮器タンクの外室(0.1M)及び内
室(0.05M)に使用する。溶出された蛋白質を5容量の
アセトンで沈澱せしめる。
2.4.ポリアクリルアミドゲル電気泳動による二次元での
最終精製 P.Z.O′Farrell等〔Cell 121133(1977)〕により
記載されている様にして、非平衡pHグラジエント電気泳
動(NEPHGE)とSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
とを組合わせた二次元系を用いる。アセトン沈澱(例2.
3)の蛋白質を“溶解緩衝液A"〔P.H.O′Farrell,J.Bio
lChem250,4007(1975)〕中に溶解し、そして2%
の両性電解質(pH3〜10)を含有する非平衡pHグラジエ
ント電気泳動ゲルの酸性末端に適用する。500Vにて5時
間電気泳動を行う。第二次元におけるスラブゲル電気泳
動のための分離ゲルは12%のアクリルアミド及び0.32%
のビス−アクリルアミドを含有する。ゲルを氷冷した0.
25M KClに浸漬することにより蛋白質を可視化する。IFN
で誘導された蛋白質を含有するゲル片(他の蛋白質を含
有しない単一スポット)を切り出し、そして例2.3に記
載した電気透析のために処理する。精製された蛋白質を
5容量のアセトンにより沈澱せしめる。
例3.精製された78kDa蛋白質の特徴付け 3.1.SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動 精製された蛋白質を通常の方法で12%ポリアクリルア
ミドゲル上で一次元ゲル電気泳動により分析する。バン
ドをクマッシーブルーG-250により染色する。並行して
泳動せしめた分子量マーカー(ビオーラドより)はリゾ
チーム(14kDa)、大豆トリプシンインヒビター(21.5k
Da)、カルボニックアンヒドラーゼ(31kDa)、オバル
ブミン(45kDa)、ウシ血清アルブミン(66.2kDa)、及
びホスホリダーゼB(92.5kDa)である。精製されたILN
−誘導蛋白質はこのタイプの分析において均一であり、
そして分子量約78kDaの蛋白質として泳動する。
P.H.O′Farrell〔J.Biol.Chem.250,4007(1975)〕
により記載された系において決定した場合、IFN−誘導
蛋白質の等電点は6.3である。
3.2.N−末端アミノ酸配列 J.Y.Chang等〔Biochem.J.211,173(1983)〕により
記載されている方法でベックマンシーケンサーにおい
て、32μgの蛋白質をアミノ酸配列分析にかける。
次のアミノ酸配列: Val-Val-X3‐Glu-Val-Asp-Ile-Ala-Lys-Ala-Pro-Lys-Al
a が見出される。第3アミノ酸は同定することができなか
った。
3.3.全アミノ酸組成 J.Y.Chang,R.Knecht及びD.G.Braun〔Methods in Enzy
mology,Vol91,41-48(1983)〕の方法に従って全アミノ
酸組成を決定する。要約すれば、蛋白質を6M HClにより
加水分解し、炭酸水素ナトリウム緩衝液中4′−ジメチ
ルアミノ−アゾベンゼン−4−スルホニルクロリドによ
り誘導体にし、そしてZorbax-ODS高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)カラムに注入する。各アミノ酸の量を標
準サンプルと比較して決定する。結果を第1表にまとめ
る。
例4.インターフェロンで誘導された細胞からのmRNAの単
離 4.1.インターフェロン−αによるヒト胎児包皮細胞の誘
導 ヒト胎児包皮二倍体細胞(Flow No.7000)を、直径14
cmのプラスチック皿中、2g/lのNaHCO3,105ユニット/l
のペニシリン、100mg/lのストレプトマイシン及び10%
の不活性化FCS(56℃にて30分間不活性化)を補充され
たエール(Earl)最少必須培地中で培養する。コンフル
エント細胞モノレーヤーをトリプシン/EDTA溶液(ギブ
コ)中1:3のスプリット比で前培養する。コンフルエン
ト細胞モノレーヤーを、1000国際単位/mlの最終濃度で
組換インターフェロン5、(EP-A76 489に従って調製さ
れたα/βタイプ)を含有する新鮮な培地中で37℃にて
4.5時間インキュベートする。
4.2.細胞質RNAの精製 例4.1.の細胞モノレーヤーをPBSにより4℃にて洗浄
し、そして低張緩衝液中で4℃にて2分間インキュベー
トする。1%のデオキシコレート及び1%のNP-40を含
有する低張緩衝液により4℃にて5分間細胞溶解するこ
とにより細胞質抽出物を得る。この抽出物を25,000×g
にて5分間遠心する。この上清(45ml)に16mgのプロテ
イナーゼK、720mgのNaCl、1.8mlの1M Tris-HCl(pH7.
4)及び6.8mlの10%SDSを加える。この混合物を20℃に
て4時間保持する。0.1M Tris-HCl(pH9)及び0.1%の
オキシキノリンの溶液により飽和されたフェノールによ
りRNAを3回抽出する。水相にNaClを添加し(最終濃度
0.1M)、そして−20℃にて2容量のエタノールによりRN
Aを沈澱せしめる。
4.3.全RNAの追加の精製 50%のホルムアミド中例4.2の2mgのRNAを、5mM EDT
A、0.01M Tris-HCl(pH7.5)、0.2%SDS、0.05M NaCl及
び50%ホルムアミド中直線的5-20%シュークロースグラ
ジエント上に重層する。グラジエントをベックマンSW41
Tiローター中で、20℃にて16時間40,000rpmで遠心す
る。1mlの画分を集め、0.1M NaClとし、そして2容積の
エタノールによりRNAを沈澱せしめる。各画分のRNAのア
リコートを網状赤血球無細胞系(アメルシャム・インタ
ーナショナルNo.N90)中で製造者の指示に従って翻訳す
る。インビトロで合成されそして35S−メチオニンでラ
ベルされた蛋白質を二次元のポリアクリルアミドゲル電
気泳動により分離し、そしてフルオログラフィーにより
検出する。78kDaの見かけ分子量を有するIFN−誘導蛋白
質のmRNAにより指令される合成が沈降値18S〜28Sの画分
8及び9に再現性よく見られる。画分8及び9のポリ
(A)mRNAをオリゴ(dT)セルロース上でのクロマトグ
ラフィーにより精製する。
例5.cDNAライブラリーの調製及びスクリーニング 例4.3.の精製されたmRNAから、U.Gubler及びB.J.Hoff
man,Gene25,263-269(1983)の方法に幾分変更を加え
て、cDNAライブラリーを調製した。
第一鎖cDNAの合成のため、画分8及び9の精製された
ポリ(A)mRNA(例4.3.150μg/ml)を、50mM Tris-HCl
(pH8.3)、10mM MgCl2、10mMジチオスレイトール、1.2
5mMの各dGTP、dATP及びdTTP、0.5mM dCTP、20μCiのα
32P‐dCTP(約3000Ci/mmol)並びに100μg/mlのオリ
ゴ(dT12-18)を含む20〜40μlの容量中で、トリ骨髄
芽球症ウイルスからの“Super"逆転写酵素(アングリア
ン−バイオテクノロジーステヘリン)3000ユニット/ml
と共に43℃にて30分間インキュベートする。EDTAの添加
により反応を停止し、生成物をフェノールで抽出しそし
てエタノールで沈澱せしめる。第二鎖の合成のため、単
鎖cDNA(500ng)を、20mM Tris-HCl(pH7.5)、5mM MgC
l2、10mM(NH4)2SO4、100mM KCl、0.15mMβ−ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド、50μg/mlBSA及び40mMの
各dNTPを含有する100μlの容量中で8.5ユニット/mlの
E.コリRNアーゼ、230ユニット/mlのDNAポリメラーゼI
及び10ユニット/mlのT4 DNAリガーゼと共に、14℃にて
一夜インキュベートする。ds cDNAを上記の様にして単
離する。
ds cDNA(40μl中100ng)をdCTP(0.9mM)により、2
00mMカコジル酸カリウム(pH6.9)、1mMCoCl2及び5mg/m
l BSA内で30ユニットのターミナルトランスフェラーゼ
を用いて37℃にて60分間テイル形成し、次に熱失活せし
める。このdc−テイルcDNAをdG−テイル化PstI切断pBR3
22(BRL)に、50μlのTE緩衝液/0.15MNaCl中で0.5μg/
mlの合計DNA濃度において58℃にて90分間アニールせし
める。このベクターによりCaCl2処理されたE.コリMC106
1を形質転換する。細胞を、D.Hanahan及びM.Meselson
Methods Enzymol.100,333-342(1983)〕により記
載された様にして、寒天プレート上におかれたニトロセ
ルロースフィルター上に高濃度でプレートし、そして取
扱う。
例3.2.の既知の部分的アミノ酸配列、すなわちGlu-Va
l-Asp-Ile-Ala-Lys-Alaに基いてオリゴデオキシヌクレ
オチドの混合物を調製する。次の組成:5′−GCYTTIGCQA
TRTCIACYTC−3′〔式中、A、T、G、C及びIはそれ
ぞれアデノシン、チミジン、グアノシン、シトシン、及
びイノシンを表わし、Y及びRはそれぞれピリミジン
(T、C)及びプリン(A、G)を表わし、そしてQは
A,G及びTを表わす〕をIke等、Nucleic Acid Researc
h11,477(1983)の方法に従って合成する。これらの
オリゴデオキシヌクレオチドの5′末端をγ‐32P‐dAT
P(5000Ci/mmol)及びポリヌクレオチドキナーゼ(ファ
ルマシア)を用いて2〜5×108cpm/μgに、標準的方
法〔T.Maniatis、EF.Fritsch及びJ.Sambrook,“Molecul
ar cloning,a laboratory manual"、コールドスプリン
グハーバーラボラトリー、1982〕に従って放射性にす
る。
cDNAライブラリーの細菌クローンの2枚のレプリカを
Hanahan及びMeselson(前記に引用文)の方法に従って
6×SSC,5×デンハート溶液、250μg/mlのtRNA、50ユニ
ット/mlのヘパリン及び0.1%のSDSを含有する媒体中で4
7℃にて上記のヌクレオチド混合物とハイブリダイズせ
しめる。ハイブリダイゼーションの後、フィルターを6
×SSC及び0.5%のSDSを含有する溶液中で20℃にて20分
間ずつ4回及び47℃にて5分間洗浄する。
約850塩基対の挿入部を有するDNAプラスミドを含有す
るクローンB1,1がオリゴヌクレオチドとハイブリダイズ
することが見出され、これを15μg/mlのテトラサイクリ
ンを補充されたLB培地中で37℃にて増殖せしめる。
例6.プラスミドDNAの単離 15μg/mlのテトラサイクリンが補充されたLB培地800m
lに1mlのクローンB1,1(例5)を接種し、そして37℃に
て光学濃度OD550=0.7まで(約5時間)培養する。エタ
ノール中に溶解した200μg/mlのクロラムフェニコール
を加え、そして培養を37℃にて一夜続ける。この混合物
を0℃にて20分間4000rpmで遠心分離し、細菌ペレット
を36mlのTE緩衝液中に懸濁し、そしてSS34チューブに移
す。懸濁液を0℃にて5分間5000rpmで遠心する。ペレ
ットを7.2mlの25%シュークロース/50mM Tris-HCl(pH
7.5)中に再懸濁し、0.75mlの新しく調製したリゾチー
ム(250mM Tris-HCl、pH7.5中10mg/ml)で処理し、そし
手氷上で5分間インキュベートする。3.0mlの0.25M EDT
A(pH8.0)、及び5分間後12mlのトリトン溶液〔0.1%
のトリトンX-100(シグマ),60mMEDTA,50mM Tris-HCl
(pH8.0)〕を加え、そして0℃にて1時間インキュベ
ーションを続ける。混合物をSS34遠心器中で18,000rpm
にて50分間遠心分離する。上清を注意深くメスシリンダ
ーに注入し、そしてTE緩衝液により容量を30mlに調整す
る。30gのCsCl及び2.58mlの臭化エチジウム(10mg/ml)
を加え、そして混合物を20℃にて16時間48,000rpmでVTi
50遠心器中で遠心分離する。スーパーコイルDNAを含む
低バンドを集め、水性CsClにより飽和されたイソプロパ
ノールにより5回抽出し、そしてTE緩衝液で稀釈して濁
りを無くする。DNAをエタノールにより−20℃にて沈澱
せしめ、そして上記のCsClグラジエント中で再度精製す
る。
例7.選択されたクローンが78kDaインターフェロン誘導
蛋白質をコードすることを証明する試験 7.1.ノーサンブロット 例4.1.及び4.2.に従って単離されたIFN−誘導ヒト胎
児包皮細胞由来全RNA、及びインターフェロンで誘導さ
れなかった対応する細胞由来の全RNAを50v/v%のジメチ
ルスルホキシド及び10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
0)中1Mグリオキサールにより変性し、1.1%アガロース
ゲル上で電気泳動し、そしてP.S.Thomas〔Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,77,5201-5205(1980)〕により記載されて
いるのと実質的に同様にして3MNaCl/0.3Mクエン酸三ナ
トリウムを用いてニトロセルロースに移す。ニトロセル
ロースフィルターを80℃にて2時間真空下で加熱し、5
×SSC/50%ホルムアミドを含有する緩衝液中で42℃にて
3時間前ハイブリダイズせしめ、次にデキストランサル
フェート500、及び上記の様にしてγ‐32P‐dATPとポリ
ヌクレオチドキナーゼでラベルされたクローンB1,1(例
6)からの0.5〜1.0×106cpm/mlのDNAを含有する同じ緩
衝液中で42℃にて20時間ハイブリダイズせしめる。フィ
ルターを2×SSC/0.1%SDS中で20℃にて5分間ずつ4
回、及び0.1×SSC/0.1%SDS中で50℃にて20分間ずつ2
回洗浄する。乾燥したフィルターをCawo強化スクリーン
を用いてコダック×ARフィルムに−70℃にて6日間暴露
する。
クローンB1,1のDNAは78kDaのインターフェロン誘導蛋
白質をコードすると予想されるmRNAに対応するサイズの
約23SのRNAにハイブリダイズする。このmRNAはインター
フェロンで誘導された細胞中にのみ検出される。
7.2.ハイブリド選択された翻訳 20μlの水中10μgのクローンB1,1(例6)のプラス
ミドDNAを100℃にて10分間加熱し氷上で冷却し、20μl
の1M NaOHで処理しそして室温にて20分間インキュベー
トする。DNAサンプルを1M NaCl、0.3Mクエン酸三ナトリ
ウム、0.5M Tris-HCl及び1M HClの溶液20μlにより中
和し、そしてニトロセルロースフィルター(3×6mm、
ミリポアHAWP)上にスポットする。このフィルターを20
℃にて乾燥し、そして真空オーブン中で80℃にて2時間
加熱する。フィルターをシリコン処理された1.5mlのエ
ッペンドルフ管に入れ、1mlの水で処理し、沸騰水浴中
で1分間加熱し、そして氷中で冷却する。水を除去し、
そして0.9M NaCl,0.2%SDS、1mM EDTA及び20mM PIPES
(1,4−ピペラジン−ジエタンスルホン酸,pH6.4)中IFN
−誘導細胞(例4.2)からの100μgの全mRNAを含有する
溶液50μlを加える。フィルターを37℃にて6時間一定
撹拌しながらインキュベートし、次に50%ホルムアミ
ド、20mM NaCl、8mMクエン酸ナトリウム、1mM EDTA及び
0.5%SDSを含む洗浄緩衝液1ml中で5回洗浄する。ハイ
ブリダイズしたmRNAを、10μgのtRNAを含有する1mM ED
TA溶液100μlにより沸騰水浴中で1分間溶出する。こ
の溶液をドライアイス中で凍結し、氷上で解凍し、そし
てフィルターを取り出す。7μlの3M酢酸ナトリウムを
添加し、そして混合物をフェノール/クロロホルム/イ
ソアミルアルコール(1:1:0.04v/v)で抽出する。水相
に250μlのエタノールを添加してmRNAを沈澱せしめ
る。
溶出されたmRNAを網状赤血球溶解物(アメルシャムイ
ンターナショナルNo.N90)中で製造者の指示に従って翻
訳する。インビトロ合成された蛋白質のアリコートをポ
リアクリルアミドゲル電気泳動により分離し、そして放
射性蛋白質(翻訳系中の35S−メチオニンから)をフル
オログラフィーにより検出する。蛋白質の他のアリコー
トを例13の78kDa蛋白質に対して特異的なモノクローナ
ル抗体により免疫沈澱せしめる。次に免疫沈澱物をポリ
アクリルアミドゲル電気泳動により分離し、そしてフル
オログラフィーにより検出する。
クローンB1,1からのDNAとのハイブリダイゼーション
により選択されたmRNAは、IFN−誘導ナマルワ細胞から
単離された78kDa蛋白質(例2)と同じ見かけ分子量及
び抗原性を有する蛋白質の合成を指令する。
例8.M13ベクターへのプラスミドDNAのサブクローニング 例6のクローンB1,1のプラスミドDNAを制限酵素PstI
(ベーリンガーマンハイム)により製造者の指示に従っ
て断片化する。挿入部を単離しそしてエタノールで沈澱
せしめる。
ブルースクリプトM13ベクター(ストラタジーン)をP
stIで切断する。20μgのベクターDNAを、8ユニットの
ウシアルカリ性腸ホスファターゼ、100mMグリシン(pH1
0.5)、1mM MgCl2及び1mM ZnCl2を含有する溶液50μl
中で脱リン酸化する。ベクターDNAを単離しそしてフェ
ノール/クロロホルム抽出により精製する。
クローンB1,1の0.5μgのcDNA及び1.5μgのM13ベク
ターDNAを、5ユニットのT4 DNAリガーゼ及び0.5mM ATP
を含有する連結緩衝液20μl中で23℃にて5時間インキ
ュベートすることにより連結する。CaCl2で処理された
E.コリrecA-JM109をこのDNA溶液により形質転換する。1
00μg/mlのアンピシリン、40μg/mlのX-Gal(5−ブロ
モ−4−クロロ−3−インドリルβ−D−ガラクトピラ
ノシド)及び5mM IPTG(イソプロピルβ−D−チオガラ
クトピラノシド)を含有するLBプレート上に細胞をプレ
ートする。コロニーを37℃にて一夜増殖せしめ、そして
未変化のM13ベクターを含有する青色細胞プラークから
の白色により形質転換体を選択する。
選択された個々のコロニー50μg/mlのアンピシリンを
含有するLB培地1ml中で37℃にて一夜増殖せしめる。遠
心分離の後、上清を廃棄し、そしてペレットを50mMグル
コース、25mMTris-HCl(pH8.0)及び10mM EDTAを含有す
る溶液100μl中に懸濁する。22℃にて5分間の後、200
μlの0.2N NaOH/1%SDSを加え、溶合物を0℃にて5分
間インキュベートし、150μlの前冷却された3M酢酸ナ
トリウム(pH4.8)で処理し、そして0℃にてさらに5
分間保持する。混合物をエッペンドルフ管中で1分間遠
心する。1mlのエタノールを上清に加え、そして20℃に
て2分間の後、混合物を再び1分間遠心する。ペレット
を80%のエタノールで洗浄し、そして100μlの300mM酢
酸ナトリウム中に再懸濁する。300μlのエタノールを
加え、そして混合物を−80℃にて30分間保持し、そして
遠心する。ペレットを80%エタノールで洗浄し、乾燥
し、そして15μlのTE緩衝液中に懸濁する。
2μlのこのDNA懸濁液をPstIにより消化する。2μ
lの他のサンプルをSacI及びHindIにより二重消化す
る。得られる制限断片を7%ポリアクリルアミドゲル上
での電気泳動により分析することによりベクター中のcD
NA挿入部の方向を決定する。
例9.単方向除去後のプラスミドDNAのサブクローニング いずれかの方向にcDNA挿入部を含有する例8のクロー
ンからのプラスミドを例6に記載した方法を用いて単離
する。但し、テトラサイクリンではなく100μg/mlのア
ンピシリンを含有するLB培地中でクローンを培養し、そ
してクロラムフェニコールは添加しない。
プラスミドDNAをKpmI及びHindIIIにより完全消化し、
次にフェノールで抽出する。この二重消化された18μg
のDNAを、900ユニットのエンドヌクレアーゼExoIIIを含
有する50mM Tris-HCl(pH8)、5mM MgCl2、10μg/ml tR
NA、20mM 2−メルカプトエタノールの溶液中で23℃にて
インキュベートする。反応混合物から50μlのアリコー
トを1分間ごとに6分間まで取り出し、80μlの5倍濃
度のマングビーンヌクレアーゼ緩衝液及び270μlの水
を収容するチューブに加え、そしてドライアイス上で凍
結する。アリコートを68℃にて15分間加熱し、次にマン
グビーンヌクレアーゼ緩衝液中9ユニットのマングビー
ンヌクレアーゼにより30℃にて30分間処理する。アリコ
ート当り400μlの緩衝液で平衡化されたフェノール/
クロロホルムにより反応を停止し、そしてエタノール沈
澱によりDNAを単離する。
これらのDNAを再連結し、そして得られたハイブリド
ベクターを使用して例8に記載した様にしてE.コリRec
A-JM109を形質転換する。形質転換体を100μg/mlのアン
ピシリンを含有するLB培地に37℃にて一夜増殖せしめ
る。プラスミドDNAを単離し、そして例6に記載したよ
うにしてCsClグラジエント中で精製する。
例10.DNA配列の決定 例6及び例9のDNAについて、例5の20-merオリゴヌ
クレオチド混合物をプライマーとして用いて標準的方法
(ジデオキシヌクレオチド法)に従って配列を決定す
る。次の配列:5′−CAGCCACCATTCCAAGG−3′の第二プ
ライマー、及び次の配列:5′−CGCACCTTCTCCTCATACTGG
−3′の第三プライマーを用いる上流及び下流配列決定
により式(II)の部分配列がが確認される。これらのプ
ライマーはY.Ike等、〔Nucleic Acid Research11,477
(1983)〕に従って合成される。
要約すれば、例6又は9の5μgのプラスミドDNAを
制限酵素PstI(ベーリンガー−マンハイム)により製造
者の指示に従って線状化する。DNAを3容量のエタノー
ルにより沈澱せしめ、次に25μlのTE緩衝液中に溶解す
る。8μlのこの溶液及び0.5nmol/mlのプライマーを含
有するTE緩衝液2μlを混合し、沸騰水浴中に3分間置
き、次にドライアンス中で凍結する。1μlの0.1M Tri
s-HCl/50mM MgCl2(pH7.4)を加え、そして混合物を42
℃にて30分間インキュベートする。このプライマー/鋳
型混合物をdNTP混合物、α‐35S‐dATP、Klenow断片及
びジデオキシヌクレオチドddATP、ddCTP、ddGTP、ddTTP
のそれぞれにより、標準的方法〔J.R.Dillon、A.Nasim
及びE.R.Nestmann、“Recombinant DNA methodology"ウ
イレイ1985,90-94頁〕に従って処理する。DNAを変性
し、そして配列決定用6%ポリアクリルアミド7M尿素ゲ
ル(J.R.Dillon等、前記に引用、89頁)上に直接負荷
し、そしてゲルを90mM Tris硼酸/1mM EDTA(pH8.7)中
で泳動せしめる。
式(II)の位置1のATGが蛋白質のための出発コドン
であろう。上流は位置−75(TGA)、−65(TAA)、−57
(TGA)及び−41(TGA)に終止コドンを含むからであ
る。
例11.ハイブリドーマ細胞の調製 11.1.免疫感作方法 精製された蛋白質(例2)5μgを0.1%SDS及び50mM
メルカプトエタノールを含有する2M尿素20μl中に溶解
する。5μgの蛋白質を含有するニトロセルロース片5
×5mmを雌性HR−マウス〔パリ、クリエ研究所Biozzi博
士士から入手;L.Boumsen及びA.Bernard J.Immunol.Meth
ods38,225(1980)を参照のこと〕の腹腔に移植す
る。4週間後、50μgのアジュバントペプチド(シグ
マ)を含有するフロインドの不完全アジュバント中5μ
gの78kDa蛋白質を腹腔内(ip.)に注射し、そして同じ
サンプルによる2週間に1回の追加免疫感作を3回i.p.
投与により行う。4週間後、血清を集め、そして78kDa
蛋白質に対する抗体力価を例12のドット−イムノアッセ
イにより決定する。高抗体価を有するマウスを2週間に
1回の注射によりさらに2回の免疫感作を行い、そして
1週間後に最終追加免疫を行う。3日後、融合のために
脾臓を摘出する。
11.2.細胞融合 すべての融合実験を、G.Khler及びC.Milstein〔Nat
ure256,495(1975)〕の方法に行って、非分泌性Sp 2
/0-Ag14骨髄腫セルライン〔M.Shulman,C.D.Wilde及びG.
Khler,Nature,276,269(1978)〕を用いて行う。108
個の脾細胞を107個の骨髄腫細胞と1mlの50%エチレング
リコール(PEG1500、セルバ)の存在下で混合する。洗
浄した後、細胞を48mlの標準ダルベコ最少必須培地(ギ
ブコNo.0422501)に再懸濁する。融合当り3×106個の
正常マウス腹腔滲出細胞をフィーダー細胞として加え
る。細胞を48×1mlのコスタルウエルに分配し、そして
3〜6週間にわたって1週間に3回、標準HAT選択培地
を供給する。ハイブリドーマ細胞の増殖が可視的になっ
たとき、上清を例12のドット・イムノアッセイによりス
クリーニングする。ハイブリドーマ細胞をミクロタイタ
ープレート中で限界稀釈法により少なくとも一度クロー
ン化し、そしてi.p.注射によりHRマウスを通して継代す
る。ハイブリドーマ細胞を腹水から収得し、そして限界
稀釈法により再度クローン化する。さらに研究するため
に選択された9個のハイブリドーマは特に安定であり、
そして多量の免疫グロブリンを分泌する。これらを、 885 S35.8.1、885 S35.16.11、885 S56.55.7.12.48、88
5 S56.55.7.21.25、885 S56.55.7.27.5、885S56.55.7.2
7.11、885 S56.55.13、885 S56.55.17、及び885 S56.6
7.15と称する。
例12.抗体スクリーニングのためのドット−イムノアッ
セイ 例2の精製された蛋白質を2M尿素、0.1%SDS及び50mM
メルカプトエタノール中に溶解する。蛋白質の稀釈を10
%の不活性化ウマ血清を含有するTBS中に行う。蛋白質
をドットの形でニトロセルロース(ミリポア社、ベドフ
ォード、MaからのタイプHAWG)上に適用する。マウス血
清又はハイブリドーマ培養培地からの抗体の稀釈を10%
の不活性化ウマ血清を含有するTBS中に行う。ドット免
疫結合アッセイ、改変エンザイム−リンクド・イムノソ
ルベント・アッセイを、ラビット抗−マウスIgGパーオ
キシダーゼ接合第二抗体及びTBS中H2O2/4−クロロ−1
−ナフトールを用いて、M.M.Derer等(J.Allergy Clin.
Immunol.74,85(1984)〕により記載されたようにし
て行う。
例13.モノクローナル抗体の単離及び精製 13.1.インビボ合成 8〜10週分のBalb/cマウス(ティーファーム・シッセ
ルン、スイス)を0.3mlのプリスタン(アルドリッチ)
により腹腔内前処理する。2〜3週間後、2〜5×106
個のクローン化ハイブリドーマ細胞及び0.2mlのプリス
タンを腹腔内に接種する。10〜10日後腹水を集め、800
×gにて遠心し、そして−20℃にて貯蔵する。
解凍した腹水を50,000×gにて60分間遠心分離する。
表面に浮かぶ脂肪層を注意深く除去し、そして蛋白質濃
度を10〜12mg/mlに調製する。0.9容量の飽和硫酸アンモ
ニウムを0℃にて滴加することにより粗免疫グロブリン
を沈澱せしめ、次に20mM Tris-HCl/50mM NaCl(pH7.9)
中に溶解し、そして同じ緩衝液に対して透析する。20mM
Tris-HCl/25-400mM NaCl(pH7.9)の緩衝液グラジエン
ト系を用いるDEAE-D52セルロース(ワットマン)により
免疫グロブリン画分を得る。免疫グロブリンを硫酸アン
モニウムにより再度沈澱せしめ、そして10mg/mlの濃度
でPBS中に溶解する。
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動は、すべてのモ
ノクローナル抗体について95%以上の純度を示す。
13.2.インビトロ合成 10%のFCSを含有するRPMI1640培地中で生理的温度
(約37℃)においてハイブリドーマ細胞を培養して5×
105〜106細胞/mlの最終細胞濃度にすることにより、例1
1.2のセルラインの前培養物を得る。この前培養物全体
をベルコ培養器に満たし、そして新鮮なRPMI1640培地/1
0%FCSにより全容量1500mlに調整する。この培養物を約
37℃、5%CO2のもと30rpmにて2〜3日間撹拌し、次に
RPMI1640/10%FCSにより全容量3000mlに稀釈しそしてさ
らに7〜10日間撹拌する。この後細胞の95%が死滅す
る。培養液を1000×gにて20分間4℃で遠心分離する。
無菌条件下でポアサイズ0.2μmのフィルターを通して
上清を過する。0.9容量の飽和硫酸アンモニウムを0
℃にてゆっくりと滴加することにより粗免疫グロブリン
を沈澱せしめる。この沈澱を例13.1に記載されている様
にして精製し、そして95%以上の純度のモノクローナル
抗体を得る。
例14.モノクローナル抗体の特徴付け 14.1.モノクローナル抗体のクラス及びサブクラスの決
定 クローン化ハイブリドーマ細胞により生産されたモノ
クローナル抗体のクラス及びサブクラスを、クラス及び
サブクラス特異的ラビット抗体(ビオネティクス)を用
いる既知のオークテルロニー寒天ゲル免疫拡散法により
決定する。この結果を、次の様にして酵素イムノアッセ
イ(ELISA)により確認する。ミクロタイタープレート
を、50μlのPBS中1μg/ウエルのクラス−又はサブク
ラス特異的血清のラビット免疫グロブリン調製物(ビオ
ネティクス)によりコートする。プレートの遊離結合容
量を0.2%NaN3(w/v)を含有するPBS(pH7.4)中1%ウ
シ血清アルブミンの緩衝液により飽和する。モノクロー
ナル抗体を含有するプローブ100μlをウエル中で37℃
にて1時間インキュベートする。プレートをPBSで洗浄
し、次にプレートをコートするために使用したのと同じ
特異性を有するホスファターゼ接合ラビット免疫グロブ
リン調製物と共に37℃にて1時間インキュベートする。
固定された酵素を酵素基質p−ニトロフェニルホスフェ
ートの溶液〔0.5mM MgCl2及び0.02w/v%のNaN3を含有す
るジエタノールアミン10%緩衝液(pH9.8)中1mg/ml〕
とのインキュベートにより発色せしめ、そして405mmに
おける光学濃度を測定する。モノクローナル抗体、885
S35.8.1、885 S35.16.11、S85 S56.55.7.12.48、885 S5
6.55.7.21.25、885 S56.55.7.27.5、885 S56.55.7.27.1
1、885 S56.55.13、885 S56.55.17、及び885 S56.67.15
はすべてクラスIgG1に属する。
14.2.ヒト78kDa蛋白質に対する選択性 マウスA2G胎児二倍体細胞、ラット胎児二倍体細胞、
ハムスター胎児二倍体細胞、ウマ腎二倍体細胞、真皮セ
ルラインNBL-6(ATCC No.CCL57)の細胞、ウシ腎二倍体
細胞、ネコ胎児肺二倍体細胞、ベロ・セルラインATCC N
o.CCL81のモンキー細胞、ラビット胎児細胞、ヒツジ脈
絡膜叢細胞、ブタ腎二倍体細胞、及び腎セルラインPK-1
5(ATCC No.CCL33)の細胞を、例1.2及び4.1においてヒ
ト細胞について記載したようにして組換インターフェロ
ンα/β−Dハイブリドと共にインキュベートする〔M.
A.Horisberger及びK.de Starirtzky,J.Gen.Virol.(19
87),Vol 68〕。これらのすべての種の細胞において、
ヒト78kDa蛋白質に関連する少なくとも1つの蛋白質が
検出される。これらの抗原的に関連する蛋白質は例11.1
に従ってヒト78kDa蛋白質により免疫感作されたマウス
から得られるポリクローナル抗体によって同定される。
しかしながら例17の蛍光抗体法、例18の免疫沈澱法又は
ウエスタンブロット法により試験した場合、モノクロー
ナル抗体885 S35.8.1、885 S56.55.13及び885 S56.67.1
5はヒト78kDa蛋白質にのみ結合し、そして上記の種の関
連蛋白質とは結合しない。ウエスタンブロットのために
は蛋白質をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により
分離し、そしてニトロセルロースに移行せしめ、次に例
16のイムノドットアッセイについて記載したようにして
試験する。
例15.酵素−イムノアッセイ(ELISA) 15.1.アルカリ性ホスファターゼによるモノクローナル
抗体885 S35.8.1のラベル化 1.4mlのPBS中1.4mgのモノクローナル抗体885 S35.8.1
を、グルタルアルデヒド(0.2v/v%)を用いてVoller等
Bull.World Health Organ.53,55(1976)〕の標準
的方法に従って5mgのアルカリ性ホスファターゼ(シグ
マP6774,タイプVII-T)を含有する溶液とカップリング
せしめる。この接合体を、1mM MgSO2、1%BSA及び0.02
%NaNH3を含有する0.05M Tris緩衝液(pH8.0)5mlに移
す。この溶液を4℃にて暗中に保持する。
15.2.アッセイ法 ポリプロピレン製ミクロタイタープレート(ダイナテ
ック・ラブス)を緩衝液(pH8.6)(0.02%のナトリウ
ムアジドを含有する炭酸塩緩衝化0.9%塩溶液)中モノ
クローナル抗体885 S56.55.13(10μg/ml)の溶液150μ
lにより37℃にて2時間及び4℃にて一夜コートする。
プレートをPBSにて5回洗浄し、そして250μlの緩衝液
(pH7.2)(PBS中0.2%ゼラチン及び0.2%NaN3)と共に
37℃にて1時間インキュベートすることにより、なお存
在する蛋白質反応性部位を飽和する。こうしてコートさ
れたプレートはこの緩衝液中で4℃にて数日間保持する
ことができる。
試験溶液又は78kDa蛋白質を含有する標準溶液の一連
の稀釈物50μl、50μlの緩衝液(pH7.4)50μl、及
び緩衝液(pH7.4)により1:100稀釈されたホスファター
ゼラベルされた抗体885 S35.8.1(例15.1)の溶液50μ
lを混合し、そしてミクロタイターウエル中で37℃にて
2時間及び4℃にて30分間インキュベートする。プレー
トをPBSにて5回洗浄し、次にp−ニトロフェニルホス
フェートの溶液(10%ジエタノールアミン緩衝液/0.5mM
MgCl2(pH9.8)中1mg/ml〕150μlと共に37℃にて30分
間インキュベートする。405nmでの光学濃度を測定する
ことにより放出されたp−ニトロフェノールの量を決定
する。この量は結合した酵素ホスファターゼの量に比例
し、そしてそれ故に試験溶液中の78kDa蛋白質の量に比
例する。
ミクロタイタープレートをモノクローナル抗体885 S3
5.8.1又は885 S56.67.15によりコートし、そして第二抗
体としてホスファターゼに連結されたモノクローナル抗
体885 S56.55.13を使用する場合、同様の結果が得られ
る。
15.3 ELISAのための試験キット 例15.2中に記載したアッセイのための試験キットは次
のものを含む。
◎炭酸緩衝化塩溶液(0.9%NaCl,0.42%NaHCO3,0.0072
%Na2CO3,0.02%NaN3)中モノクローナル抗体885 S56.5
5.13(10μg/ml)の溶液。 20ml ◎Tris緩衝液(0.05M,1mM MgCl2,1%BSA,0.02%NaN3,pH
8.0)中アルカリ性ホスファターゼに連結されたモノク
ローナル抗体885 S35.8.1(例15.1,0.3mg/mlの抗体)の
溶液。 1ml ◎5μgの78kDa蛋白質を含有する標準溶液。 2ml ◎PBS。 300ml ◎緩衝液(pH7.4)(PBS中0.2%ゼラチン及び0.2%Na
N3)。 300ml ◎ジエタノールアミン緩衝液(10%,0.5mM MgCl2,0.02
%NaN3,HClにてpH8.9に調整)中p−ニトロフエニルホ
スフェート(1mg/ml)の溶液。 50ml ◎換算曲線。
◎色強度スケール。
◎指示書。
例16.イムノブロット・アッセイ 16.1.アッセイ法 78kDa蛋白質の存在について試験されるべき溶液及び
標準溶液の一連の稀釈物を10%の不活性ウマ血清を含有
するTBS中に調製する。この稀釈物をドットの形でニト
ロセルロース(ミリポア社、ブレッドフォード,Ma,タイ
プHAWG)に適用する。ニトロセルロースを10%のウマ血
清を含有するTBS中で37℃にて2時間インキュベートす
ることにより、ニトロセルロースの過剰の蛋白質結合容
量をブロックする。ニトロセルロースを適当なストリッ
プに切断し、次にTBS中モノクローナル抗体885 S56.55.
13又は885 S35.8.1(2μg/ml及び10μg/ml)の溶液と
共に室温にて2時間インキュベートする。ストリップを
TBS中で5回洗浄し、そしてさらにラビット抗−マウスI
gGパーオキシダーゼ接合第二抗体の10,000倍稀釈物中で
2時間インキュベートし、TBS中で5回洗浄し、次に0.6
容量の4−クロロ−1−ナフトール(メタノール中3mg/
ml)、10容量のTBS及び0.004容量の30%過酸化水素から
成る新たに混合されたパーオキシダーゼ基質溶液中で室
温にて15分間発色せしめる。所望により、スポットを屈
折光度計(CAMAG、ムッテンツ、スイス)により600nmに
て走査することができる。
16.2.イムノドット・アッセイのための試験キット 例16.2.に記載したアッセイのための試験キットは次の
ものを含む。
◎ニトロセルロースシート。
◎10%ウマ血清を含むTBS中モノクローナル抗体885 S5
6.55.13(10μg/ml)の溶液。 20ml ◎10%ウマ血清を含むTBS中ホースラディッシュに接合
したラビット抗−マウスIgGの1:100稀釈物。 1ml ◎5μgの78kDa蛋白質を含有する標準溶液。 2ml ◎TBS。 300ml ◎10%ウマ血清を含有するTBS。 300ml ◎4−クロロ−1−ナフトール(メタノール中3mg/m
l)。 10ml ◎30%過酸化水素。 10ml ◎指示書。
例17.蛍光光体法 この発明の蛋白質の存在について試験すべき細胞をプ
ラスチックカバースリップ上に増殖せしめる別の方法と
して、ヒトの血液から新たに単離された細胞、例えばリ
ンパ球又は単球を、ポリ−D−リジンにより前処理され
たガラススライドにサイトスピン遠心により付着せしめ
る。
細胞をPBSにより洗浄し、3%ポラホルムアルデヒド
により20℃にて10分間固定し、0.5%トリトンX-100によ
り5分間透過性にし、PBSにて再度洗浄し、そしてPBS中
モノクローナル抗体885 S56.55.13(10μg/ml)の溶液
と共に37℃にて60分間インキュベートする。次に細胞を
PBSで洗浄し、フルオレッセイン接合ラビット抗−マウ
スIgGの溶液(5%ウマ血清を含有するPBS中に1:40稀釈
されたもの、DAKO)により処理し、PBSにより洗浄し、
そしてJohnson等〔J.Immunol.Methods43,349(198
1)〕により記載されている様にして観察する。UV蛍光
顕微鏡観察は、細胞の細胞質中の明るい蛍光によりこの
発明の蛋白質の存在を示す。
例18.インターフェロンで誘導された細胞についての免
疫沈澱試験 培養物中に増殖した細胞又はヒト血液から新たに単離
された細胞を、例17に記載した様にプラスチック又はガ
ラスのプレート上に置く。5000国際単位/mlの濃度の組
換インターフェロン51(α/βタイプ)の溶液により細
胞を37℃にて4時間処理し、そして20mM N−2−ヒドロ
キシエチルピペラジン−N′−2−エタンスルホン酸
(HEPES,pH7.4)により緩衝化された炭酸水素ナトリウ
ムを含有するハンクの平衡溶液中50μCi/mlの35S−メチ
オニンと共に37℃にて30分間インキュベートする。細胞
をPBSにより洗浄し、プレートからかき取り、遠心分離
により集め、5mM Tris(pH7.4)、1.5mM KCl及び2.5mM
MgCl2を含有する低張緩衝液中に5分間懸濁し、そして
遠心分離により再び集める。1%トリトンX-100及び1
%デオキシコレートを含有する低張緩衝液により4℃に
て5分間溶解し、次に12,000rpmにて5分間遠心分離す
る。ドデシル硫酸ナトリウムを0.5%の最終濃度となる
様に上清に加える。6μlのこの溶液と、10mM Tris-HC
l(pH7.4)及び50mM NaClを含む緩衝液(フェニルメチ
ルスルホニルフルオリドで飽和されたもの)20μlとを
混合し、そして12,000rpmにて5分間再遠心分離する。2
0μlの上清、及び0.5%BSAを含有するPBS中モノクロー
ナル抗体885 S56.55.13の溶液(40μg/ml)1μlを4
℃にて3時間インキュベートし、次にプロテインA−セ
ファロースの50v/v%懸濁液20μlと混合する。10mM Tr
is(pH7.4)、50mM NaCl、1Mシュークロース、0.5%デ
オキシコール酸及び0.5%トリトンX-100を含む緩衝液50
0μlで洗浄し、そして抗原/抗体複合体を30μlのサ
ンプル緩衝液〔U.K.Laemmli及びM.Fovre,J.Mol.Biol.
80,575(1973)〕により溶出する。溶出物を常法により
12%ポリアクリルアミドゲル上での一次元SDSゲル電気
泳動により分析する。78kDaの見かけ分子量を有するこ
の発明の蛋白質の存在がフルオログラフィーにより示さ
れる。
例19.ヒトにおけるインターフェロン療法の監視 107国際単位の組換ヒトインターフェロン−α
(α)を皮下投与された患者から注射後24時間目及び
48時間目に血液サンプルを採取する。フィコール400
(ファルマシア)密度勾配上での遠心分離によりリンパ
球を精製する。4.5×106個のリンパ球を400μlの水中
に懸濁し、次に800μlのエタノールにより沈澱せしめ
る。ペレットを解離緩衝液中に溶解し、そして一次元SD
Sポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離する。蛋
白質をニトロセルロース上に移し、そして78kDaの蛋白
質を検出し、そして例16に記載した様にして定量する。
インターフェロン治療前の患者及び健康者に比較し
て、78kDa蛋白質のレベルはインターフェロンαの皮
下注射の後24時間及び48時間後に5倍に上昇していた。
例20.非経口投与用医薬 200μgの78kDa蛋白質を3mlの5Nヒト血清アルブミン
に溶解する。得られる溶液を細菌学的フィルターに通
し、そして過された溶液を無菌条件下で10個のバイア
ルに分注する。バイアルを好ましくは冷所、例えば−20
℃にて貯蔵する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/577 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 Molecular and Cell ular Biology,5(1985− 8)p.2150−2153 Cell,44(1986−1−17)p.147 −158

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
    ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
    合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動(SDS-PAGE)により測定した場合約78kDaの
    分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)−Asp-Ile-Ala-Lys-Ala(1
    0)− で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する; を有する蛋白質に対して反応し且つインターフェロンに
    より誘導されたマウス蛋白質Mxと交叉反応しないモノク
    ローナル抗体、並びに、前記の性質を維持している前記
    モノクローナル抗体の断片、放射性ラベルされた前記モ
    ノクローナル抗体又はその前記断片、及び前記モノクロ
    ーナル抗体又はその前記断片と酵素、蛍光マーカー、ビ
    オチン又はアビジンとの接合体から成る群から選択され
    る前記モノクローナル抗体から成る誘導体。
  2. 【請求項2】マウス/マウスハイブリドーマにより生産
    される、請求項1に記載のモノクローナル抗体、及びそ
    の誘導体。
  3. 【請求項3】パリのパスツール研究所のCollection Nat
    ionale de Cultures de Micro organismesにNo.1-545と
    して寄託されているNo.885 S35.8.1と称するハイブリド
    ーマセルラインにより分泌されるNo.885 S35.8.1と称す
    る、請求項2に記載のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】パリのパスツール研究所のCollection Nat
    ionale de Cultures de Micro organismesにNo.1-543と
    して寄託されているNo.885 S56.55.13と称するハイブリ
    ドーマセルラインにより分泌されるNo.885 S56.55.13と
    称する、請求項2に記載のモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】パリのパスツール研究所のCollection Nat
    ionale de Cultures de Micro organismesにNo.1-544と
    して寄託されているNo.885 S56.67.15と称するハイブリ
    ドーマセルラインにより分泌されるNo.885 S56.67.15と
    称する、請求項2に記載のモノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】アルカリホスファターゼにカップリングさ
    れた、請求項1に記載のモノクローナル抗体の誘導体。
  7. 【請求項7】次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
    ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
    合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動(SDS-PAGE)により測定した場合約78kDaの
    分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)−Asp-Ile-Ala-Lys-Ala(1
    0)− で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する; を有する蛋白質に対して反応し且つインターフェロンに
    より誘導されたマウス蛋白質Mxと交叉反応しないモノク
    ローナル抗体、あるいは、前記の性質を維持している前
    記モノクローナル抗体の断片、放射性ラベルされた前記
    モノクローナル抗体又はその前記断片、及び前記モノク
    ローナル抗体又はその前記断片と酵素、蛍光マーカー、
    ビオチン又はアビジンとの接合体から成る群から選択さ
    れる前記モノクローナル抗体から成る誘導体の製造方法
    において、 a)前記モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ
    細胞を生体外培養し、そして培養上清から該モノクロー
    ナル抗体を分離し;あるいは b)前記モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ
    細胞をヒト以外の適切な哺乳類中で生体内増殖せしめ、
    そして該哺乳類から体液を採集し;そして所望により、 c)得られたモノクローナル抗体をその誘導体に転換す
    る; ことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】Balb/cマウスに由来するハイブリドーマ細
    胞を、場合によっては炭水化物により前処理されたBalb
    /cマウスに腹腔内注射し、該マウスから腹水を集め、そ
    して該腹水から目的とするモノクローナル抗体を分離す
    る、ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
    ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
    合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動(SDS-PAGE)により測定した場合約78kDaの
    分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)−Asp-Ile-Ala-Lys-Ala(1
    0)− で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する; により特徴付けられる蛋白質の定性的又は定量的測定の
    ためのキットであって、次の性質: (1)インターフェロン−α又は−βにより誘導された
    ヒト細胞中に存在するが、処理されていない細胞中には
    合理的な程度に存在しない; (2)ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲ
    ル電気泳動(SDS-PAGE)により測定した場合約78kDaの
    分子量を有する; (3)約6.3の等電点を有する; (4)次の配列: Val-Val-Ser-Glu-Val(5)−Asp-Ile-Ala-Lys-Ala(1
    0)− で表わされる部分的N−末端アミノ酸配列を有する; を有する蛋白質に対して反応し且つインターフェロンに
    より誘導されたマウス蛋白質Mxと交叉反応しないモノク
    ローナル抗体、及び/又は、前記の性質を維持している
    前記モノクローナル抗体の断片、放射性ラベルされた前
    記モノクローナル抗体もしくはその前記断片、及び前記
    モノクローナル抗体もしくはその前記断片と酵素、蛍光
    マーカー、ビオチン又はアビジンとの接合体から成る群
    から選択される前記モノクローナル抗体から成る誘導
    体、 を含んでなるキット。
  10. 【請求項10】さらに他のモノクローナルもしくはポリ
    クローナル抗体及び/又は付属品を含む、請求項9に記
    載のキット。
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