JPH0832237B2 - ヒトインターロイキン2活性をもつポリペプチドをコードする遺伝子を含有する発現ベクターおよび該ベクターにより形質転換された真核生物 - Google Patents

ヒトインターロイキン2活性をもつポリペプチドをコードする遺伝子を含有する発現ベクターおよび該ベクターにより形質転換された真核生物

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JPH0832237B2 JP63292085A JP29208588A JPH0832237B2 JP H0832237 B2 JPH0832237 B2 JP H0832237B2 JP 63292085 A JP63292085 A JP 63292085A JP 29208588 A JP29208588 A JP 29208588A JP H0832237 B2 JPH0832237 B2 JP H0832237B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はヒトインターロイキン2活性をもつポリペプ
チドをコードする遺伝子を含有する真核生物を形質転換
するためのベクターおよび該ベクターにより形質転換さ
れた真核生物に関する。
インターロイキン2はその得意な免疫応答作用から医
薬への応用が注目され、インターロイキン2を産生する
ヒトT白血病細胞株が見出されたことが報告されている
(ギリスら、J.Exp.Med.,152巻,1709頁,1980年)。
しかし、このヒトT白血病細胞株によるインターロイ
キン2の生産量は微量であり、しかもその生産には細胞
の大量培養を必要とし、困難な問題が残されている。イ
ンターロイキン2を製造するための他の方の方法とし
て、インターロイキン2に対応するDNAを微生物のベク
ターに組込んで微生物細胞内で複製,転写,翻訳せしめ
て微生物により生産させることが考えられる。
本発明者らは微生物により生産させるために必要なイ
ンターロイキン2ポリペプチドをコードするDNAを単離
することに成功し、微生物によりインターロイキン2生
産の道をひらいた。
すなわち、本発明は、式: で示されるアミノ酸配列を含むヒトインターロイキン2
活性を有するポリペプチドまたは該ポリペプチドのアミ
ノ酸配列に対し1もしくは数個のアミノ酸残基の欠失、
付加あるいは置換がされたアミノ酸配列を有するヒトイ
ンターロイキン2活性を有するポリペプチドをコードす
る遺伝子を含有する真核生物を形質転換するための発現
ベクター並びに該ベクターが導入された真核生物に関す
る。
本発明のヒトインターロイキ2活性を有するポリペプ
チドの代表例は、以下のポリペプチドIIとして示すアミ
ノ酸配列を有するものである。以下のポリペプチドIと
して示すアミノ酸配列は、アミノ酸配列IIのN末端にMe
t Tyr Arg Met Gln Leu Leu Ser Cys Ile Ala Leu Ser
Leu Ala Leu Val Thr AsN Serが付加したものであり、
ヒトインターロイキン2活性を有する。
本発明に用いられるインターロイキン2活性を有する
ポリペプチドをコードする遺伝子の具体例としては、そ
のDNA鎖中に制限酵素BstNI,XbaIおよびBstIで切断され
る個所がこの順序で配置されている部分を含み、以下の
ポリペプチドIまたはIIをコードするものであり、以下
の塩基配列IまたはIIを有するものである。
ポリペプチドI ポリペプチドII 塩基配列I 塩基配列II このようなDNAは、ショ糖密度勾配遠心法による分画
により11〜12S画分として得られ、ヒト又はネズミリン
パ球由来細胞より分離されるメッセンジャーRNA(以
下、mRNAと略称する。)より調製される。即ち、インタ
ーロイキン2産生能を有するリンパ球由来細胞より得ら
れたショ糖密度勾配遠心法による11〜12S画分のmRNAよ
り調製されたDNAを、例えばエシュリヒア・コリのプラ
スミドベクターに接続してエシュリヒア・コア細胞内で
増巾せしめ、インターロイキン2ポリペプチドを発現し
うるDNAを有するクローンを単離し、単離されたクロー
ンが有するプラスミド中に挿入されているDNAを分離す
ればよい。
本発明のインターロイキン2活性をもつポリペプチド
をコードするDNAは、微生物由来のレプリコンに接続し
て得られた組換えDNAを真核生物細胞内に導入すれば、
その真核生物をインターロイキン2生産能を有するよう
に形質転換することができる。
mRNAは、上記したように、インターロイキン2に対応
し、SDG遠心法やゲル過法等による分画ならびにアガ
ロースゲル電気泳動法により11〜12S画分として得られ
るものであり、このmRNAはリンパ球由来細胞より抽出,
分離することにによって製造できる。
本発明に用いるインターロイキン2産生能を有するヒ
トリンパ球由来細胞を例として説明すれば、ヒト末梢
血,扁桃腺,脾臓等より得られるリンパ球そのものも含
まれる。また、これらのリンパ球をナイロンカラム処
理,抗血清−補体処理,密度勾配分画および酵素(ノイ
ラミニダーゼ,ガラクトース酸化酵素等)処理などの前
処理をしたものに並びにX線等による変異処理およびト
リプシン等の酵素処理等によりインターロイキン2の産
生能が付与されたものも本発明のヒトリンパ球由来細胞
に含まれる。さらに、これらヒトリンパ球由来細胞を、
たとえばTリンパ球をTリンパ球成長因子等の存在下に
クローン化したように、クローン化したものも好ましい
ヒトリンパ球由来細胞である。
また、ヒト白血病細胞およびTリンパ種細胞のような
ヒトリンパ球悪性化細胞やこれらヒトリンパ球悪性化細
胞を上記のような前処理もしくは変異処理したものまた
は悪性化細胞をクローン化したものがより好ましいヒト
リンパ球由来細胞として用いることができる。特にクロ
ーン化細胞株は親株に比べ抽出されるmRNAが通常多い。
さらに、上記のヒトリンパ球由来細胞とCEM,Molt4F等
のヒト腫瘍細胞とを細胞融合せしめて得られる、いわゆ
るハイブリドーマも好適なヒトリンパ球由来細胞として
使用できる。
これらヒトリンパ球由来細胞には(1)自発的にイン
ターロイキン2を産生するもの、(2)他の細胞の存在
下または非存在下にマイトゲンと接触せしめて刺激する
ことによりインターロイキン2を産生するものがある。
ヒトリンパ球由来細胞にインターロイキン2mRNAを生
成せしめるにあたり、インターロイキン2自発産生株を
用いる場合には、これら細胞を通常の方法で培養すれば
よい。マイトゲン刺激によりインターロイキン2を産生
する細胞を用いる場合には、細胞を十分に洗浄後、ロー
ズウェル・パーク・メモリアル・インスチチュート1640
(以下、RPMI 1640と略記する。)培地,ダルベッコの
イーグルス変形(Dulbecco′s modified Eagles)培
地,クリック培地などの通常の細胞用培地(血清や血清
成分は含有しても含有しなくてもよい)や合成無血清培
地に0.5〜4×106個/mlの細胞密度で懸濁し、ここにマ
イトゲン;ノイラミニダーゼ,ガラクトース酸化酵素;
塩化亜鉛等の亜鉛化合物;プロテインA,ストレブトリシ
ン−O等の菌体由来リンパ球活性化成分を添加した後、
細胞を洗浄,刺激剤を除去する。
マイトゲン刺激の際にマクロファージやデンドリティ
ック細胞を共存させるとインターロイキン2を産生しう
る細胞やBリンパ球やBリンパ球由来細胞株Raji,Daud
i,K562,BALL−1細胞を共存させると同様にインターロ
イキン2の産生能がみられるような細胞があり、これら
の細胞を用いてインターロイキン2のmRNAを生成せしめ
る場合には、これらの細胞の存在下にマイトゲン刺激を
行なう。このようにすると、mRNAの収量は上昇すること
がある。
ヒトリンパ球由来の細胞は、通常の条件で試験管内も
しくは動物種中で継代,増殖させる。試験管内での培養
継代は通常の細胞培養用培地を用いて行なうことが可能
であり、哺乳動物由来の血清,血清成分もしくは血清ア
ルブミンが含有されている培地でも血清アルブミンすら
含まない合成無血清培地でも、これらの細胞株は培養,
増殖させることが可能で、かつ本発明の細胞材料として
用いることができることが判った。
リンパ球由来細胞の培養時間は、リンパ球が活性化さ
れ、インターロイキン2のmRNAが生成される時間であ
り、この時間は細胞の培養上清にインターロイキン2が
産生され始めた頃に相当する。具体的には通常、刺激剤
添加後3〜12時間である。徒らに培養時間を延ばすと、
生成したインターロイキン2のmRNAが分解されてしま
う。また、リンパ球活性化に際し、PMAやTPAなどのホル
ボールエステル類を10〜50ng/ml添加することもある。
培養温度は32〜37℃の範囲が望ましい。
以下にインターロイキン2を産生する能力を有するヒ
トリンパ球由来細胞の培養方法をさらに具体的に説明す
る。
(イ)リンホカイン自発産生株の取得 ヒトTリンパ球由来白血病細胞であるジュルカット細
胞(フレッド・ハッチンソン・癌研究所/シアトル/ア
メリカ,ソーク研究所/サンジエゴ/アメリカ,西ドイ
ツ国立癌センター/ハイデルベルヒ/西ドイツ等で自由
に手に入る。)を1×106個/mlの細胞密度でクリック培
地中に懸濁させ、150レントゲン/分の照射速度で合計
8,000レントゲンのX線照射を行なう。この後、本細胞
を0.1細胞/200μの細胞密度で96穴の平底マイクロタ
イタープレート(「ファルコン3072」)に添加し、5%
牛胎児血清を含むクリック培地中で3週間37℃にて5%
CO2インキュベーター中にて培養する(限界希釈法によ
るクローニング)。細胞の生育が認められた培養ウェル
中の細胞は、細胞が底面全体をおおう密度に到達する前
に24穴のヌンク社製培養プレートに移し、2mlのクリッ
ク培地中にて5日間細胞を増殖させる。十分量の細胞が
得られた場合には、本細胞を2×106個/mlの細胞密度に
て血清も血清由来アルブミンも含まない無血清合成培地
2mlに懸濁して2日間培養し、本培養上清を3,000rpm,5
分間の遠心分離操作で分離し、次いで0.22μのミリポア
フィルターにてデブリス除去と無菌化を行なってインタ
ーロイキン2を得る。こうして得られるクローン細胞よ
りインターロイキン2産生株が得られる。
(ロ)ヒト末梢血Tリンパ球よりインターロイキン2産
生株の取得 ヒトの末梢血を採血し、フィコール・ハイパークの密
度勾配遠心法により末梢血リンパ球を採取する。本末梢
リンパ球を1×106個/mlの細胞密度でクリック培地に懸
濁し、各2ml宛24穴のヌンクの培養プレートに接種す
る。ここにフィトヘマグルチニン−M(ギブコ社製)を
5μg/mlの終末濃度になるように100μ添加し、上述
の条件下に48時間培養し、次いで細胞を培養液で洗浄
し、再び1×105個/mlの細胞密度で元のヌンクの培養プ
レートに1ml宛まく。各ウェルにヒトの脾臓細胞をコン
カナバリンA(以下、ConAと略称する。)2.5μg/mlで4
8時間刺激して得たコンディショニングした培養液を1ml
添加し、3日間同様の培養を繰り返し、ヒト末梢血より
得たTリンパ球を長期継代培養する。このように長期継
代培養して得たTリンパ球を、前述と同様の限界希釈法
でクローニングおよび細胞増殖を行なう。こうして得ら
れたクローン化Tリンパ球を1×106個/mlの細胞密度に
RPMI 1640培地に懸濁し、ここに10μg/mlの終末濃度に
なるようにフィトヘマグルチニン(PHA)を添加し、24
時間,37℃で7.5%CO2インキュベーター中にて培養し、
本培養上清を3,000rpm,5分間の遠心分離操作で分離し、
次いで0.22μのミリポアフィルター無菌化を行ないイン
ターロイキン2が得られる。こうして得られるクローン
化細胞よりインターロイキン2産生株が得られる。
(ハ)マイトゲン刺激でインターロイキン2を生産する
ヒトリンパ球由来悪性化細胞の取得 前述のジュルカット細胞や前記した限界希釈法により
クローン化されたJ−111株は、前記の無血清培地や血
清1〜2%を含むRPMI 1640培地中にてConA 10μg/mlや
PHA 2.5μg/mlの存在下に24時間培養すると、10〜4,000
単位/mlのインターロイキン2を産生することが判明し
た。また、塩化亜鉛,プロテインA,ピシバニール存在下
に培養しても、インターロイキン2を産生する。
(ニ)他の細胞もしくはその細胞の産生する因子の存在
下にマイトゲンで刺激することによりインターロイキン
2を産生する細胞の取得 ヒトリンパ球悪性細胞Molt4Fや前述の限界希釈法でク
ローン化されたジュルカット細胞の1つのクローン,ジ
ュルカット99株は、上述のごときレクチンやマイトゲン
を広い濃度範囲で加えて24〜72時間培養してもインター
ロイキン2を産生しない。ところが、この間モノカイン
の1種であるインターロイキン1を5〜10u/mlまたはK5
62やラージ(Raji)細胞を1×106細胞/ml当り0.5×106
個/ml相当共存させてクリック培地中にて37℃,24時間培
養すると、インターロイキン2を10〜100u/ml産生す
る。
このようにして得られた細胞よりインターロイキン2
に対応するmRNAを抽出するには、細胞の種類を問わず常
法によって行なえばよい。たとえば、NP−40,SDS,Trito
n X 100デオキシコール酸などの界面活性剤を使用する
か、ホモゲナイザーや凍結融解などの物理的方法を用い
て、細胞を部分的あるいは完全に破壊,可溶化する方法
を行なう。抽出の際にRNaseによるRNAの分解を防ぐため
に、抽出液中にRNaseインヒビター、たとえばヘパリ
ン,ポリビニル硫酸,ベントナイト,マカロイド,ジエ
チルピロカーボネイト,バナジウム複合体などに添加し
ておくのが好ましい。また、必要に応じては、インター
ロイキン2に対応する抗体を用いてインターロイキン2
合成途上のポリゾームを沈降せしめ、これよりmRNAを界
面活性剤などで抽出することができる。mRNAはオリゴdT
−セルロース,ポリU−セファロース,セファロース2B
などの吸着カラムあるいはバッチ法による精製法,SDG遠
心法による分画等によって精製することができる。この
ような精製操作によりインターロイキン2に対応するmR
NAは11−12S画分として得られる。
上記の如くして得られたmRNAが目的とするインターロ
イキン2に対応するものものであることを確認するため
には、mRNAを蛋白に翻訳させその生理活性を調べるか、
抗体等を用いてその蛋白を同定する等の方法を行なえば
よい。たとえばmRNAを蛋白に翻訳するのによく用いられ
る系であるアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵
母細胞にmRNAを注入して翻訳させる、あるいはウサギ網
状赤血球ライゼート,小麦胚芽などの無細胞系で蛋白に
翻訳させることが行なわれている。
ここに用いたインターロイキン2の活性検定法は次の
通りである。即ち、検体100μを96穴マイクロタイタ
ープレートの1列目に添加し、2%の牛胎児血清を含有
するRPMI 1640培地に2倍希釈を繰り返して、96穴マイ
クロプレート上において各100μの希釈系列を作成す
る。そこにギリスら(Nature,268巻,154頁,(1977))
によって教示された方法に従って作成した活性化Tリン
パ球株を、4×103個/100μの細胞密度として100μ
宛各くぼみに添加する。37℃,5%炭酸ガスインキュベー
ター中20時間静置培養後、トリチウム化チミジン0.5μC
iを加え、4時間パルスを行なった後、この分野で良く
知られた方法に従って細胞を採取し、細胞内にとり込ま
れた放射線量を測定する。インターロイキン2活性の高
い培養上清ほど活性化Tリンパ球内にとり込まれるトリ
チウムチミジン量が多いことから、検体中に含有される
インターロイキン2量を容易に知ることができる。
またインターロイキン2はTリンパ球を分裂増殖せし
める作用がありこの作用によるTリンパ球増殖活性の検
定法は次の通りである。
検体100μを96穴マイクロタイタープレートの1列
目に添加し、2%の牛胎児血清を含有するDMEM培地を2
培希釈を繰り返して96穴マイクロプレート上において各
100μの希釈系列を作成する。そこに上述活性化Tリ
ンパ球株を5個/100μの細胞密度として100μ宛各
くぼみに添加する。37℃,5%炭酸ガスインキュベーター
中72時間もしくは96時間静置培養してその後、倒立顕微
鏡に生存する活性化Tリンパ球数をカウントする。この
際、100u/ml,10u/mlの活性を有するインターロイキン2
をポジティブ・コントロールとして用い、検体添加群に
おけるTリンパ球の増殖数と比較し、検体のインターロ
イキン2活性を算出する。
かくして得られたインターロイキン2mRNAよりインビ
トロで相補的なDNA(cDNA)を合成し、微生物由来のレ
プリコンに接続する。
cDNAの合成は、通常試験管内で次のような方法で行な
うことができる。
mRNAを鋳型とし、オリゴdTをブライマーとして、dAT
P,dGTP,dCTP,dTTPの存在下で逆転写酵素によりmRNAと相
補的な単鎖cDNAを合成し、アルカリ処理で鋳型mRNAを分
解,除去した後、今度は単鎖cDNAを鋳型にして、逆転写
酵素あるいはDNAポリメラーゼを用いて二重鎖cDNAを合
成する。得られたDNAの両端を必要によりエキソヌクレ
エースで処理し、それぞれに適当なリンカーDNAを接続
し、あるいはアニーリング可能な組合せの塩基を複数個
重合せしめる。しかる後、これを例えばエシュリヒア・
コリ内で自律複製できるレプリコンを含むベクターに組
込む。組込む方法は、ベクターを適当な制限酵素で切断
し、必要により適当なリンカーまたはアニーリング可能
な組合せの塩基を複数個重合せしめる。このように加工
した二重鎖DNAとベクターDNAを混合し、リガーゼを用い
て接続せしめる。
得られた組換えDNAはベクターの宿主微生物に導入す
る。宿主微生物として本発明ではエシュリヒア・コリを
使用したが、バチルス・ズブチリス,サッカロマイセス
・セレビシエ等も使用できる。エシュリヒア・コリの場
合に使用されるベクターを以下に例示する。(蛋白質核
酸酵素26巻4号(1981)参照) EK系プラスミドベクター(ストリンジェンド型)のpS
C101,pRK353,pRK46,pRK248,pDF41等,EK系プラスミドベ
クター(リラックスド型)のCalE1,pVH51,pAC105,RSF21
24,pCR1,pMB9,pBR313,pBR322,pBR324,pBR325,pBR327,pB
R328,pKY2289,pKY2700,pKN80,pKC7,pKB158,pMK2004,pAC
YC1,pACYC184,λdul等,λgt系ファージベクターのλgt
・λc,λgt・λB,λWES・λC,λWES・λB′,λZJvir
・λB′,λALO・λB,λWES・Ts622,λDam等。
これらのベクターのうちエシュリヒア・コリについて
は一般にpBR322が良く用いられている。pBR322の場合に
はcDNAの組込み場所はPst Iサイト,Fco RIサイトがよく
利用されている。
プラスミドベクターにcDNAを組込んだプラスミドを用
いて微生物宿主を形質転換する方法としては主として対
数増殖期にある細胞を集めてCaCl2処理して自然にDNAを
取込みやすい状態にしてプラスミドを取込ませる方法が
採用されており、MgCl2あるいはRbClをさらに共存させ
ることにより形質転換の効率が一層増すことも知られて
いる。また、微生物細胞をスフェロプラストあるいはプ
ロトプラスト化してから形質転換させてもよい。
形質転換株からインターロイキン2遺伝子が組込まれ
ている株を選別するには、以下のような方法がある。
すなわちこの選別方法はプラス・マイナス法と称され
るもので、まずConAによって刺激したジュルカット細胞
よりmRNAを抽出し、SDG遠心法によってインターロイキ
ン2mRNAを部分精製したのち(11〜12S mRNA)、このmRN
Aを用いて32Pによりラベルした1本鎖cDNAを合成する。
ついでcDNA合成の鋳型となったmRNAをアルカリ処理によ
って除いた後、このcDNAとConAで刺激していないジュル
カット細胞より抽出した11〜12S mRNAの部分精製mRNAの
過剰とハイブリダイズさせる。そしてこのConA刺激して
いないmRNAにハイブリダイズしなかったcDNAとハイブリ
ッドを形成したcDNAとをヒドロキシアバタイトカラムに
よって分画し、それぞれプローブAおよびプローブBと
する。
次に前もって形質転換株を全く同じようにそれぞれ2
枚のニトロセルロースフィルターに生育させておき、ア
ルカリ処理をしてそれぞれフィルターにDNAを固定して
おく。そしてさきに調製したプローブAとプローブBを
用いてそれぞれ別々にフィルターにハイブリダイズさせ
た後、オートラジオグラフィーを行ない、プローブAに
はポジティブに反応する(プラス)がプローブBには弱
く、もしくは全く反応しない(マイナス)コロニーを検
索する(Taniguchi et al.,Paoc.Jpn.Acad.,vol 55B.46
4〜469(1979))。
あるいは形質転換株、たとえば1000〜10,000クローン
を数十ないし数百のクローンの集団分け、集団毎に形質
転換株を混合培養し、常法によって)プラスミドDNAを
調製する。次に、これらDNAを熱変性等により単鎖DNAに
してニトロセルロースフィルターに固定して、これらDN
Aに相補的な、前述したようなインターロイキン2mRNAを
含むヒトT白血球細胞より調製したmRNAをハイブリダイ
ズさせる。あるいはDNAを熱変性させた後、先にインタ
ーロイキン2mRNAを含むmRNAをハイブリダイズさせた
後、DNA−mRNAハイブリッドをニトロセルロースフィル
ターに固定する方法もある。
次に、このフィルターを1mMピペス,10mMNaClのような
低塩溶液でよく洗浄した後、0.5mMEDTA,0.1% SDSのよ
うな溶液で、例えば96℃,1分間程度の熱処理を行なって
フィルターに吸着したmRNAを溶出する。そして、これを
オリゴdT−セルロースカラムにかけるなどの操作を行な
ってmRNAを回収する。次に、このmRNAをアフリカツメガ
エルの卵母細胞に注入して蛋白に翻訳させてインターロ
イキン2活性を測定する。あるいはウサギ網状赤血球な
いしは小麦胚芽のin vitro翻訳系で蛋白に翻訳させた
後、インターロイキン2抗体でインターロイキン2を検
定する。
かくしてインターロイキン2活性の検出された集団が
見出されれば、この集団の混合クローンの数を細分化し
てより小さな集団に分け、前述の方法を繰返して最終的
に単数のクローンに細分化し、インターロイキン2ポリ
ペプチドをコードするDNAを含むクローンを単離する。
得られたクローンよりインターロイキン2ポリペプチ
ドをコードするDNAを得るには、微生物細胞よりプラス
ミドDNAに相当する区分を常法により分離し、プラスミ
ドDNAより、作用されたベクターに挿入されているDNA部
分を切り出せばよい。
インターロイキン2ポリペプチドをコードするDNAの
構造は、Maxam−Gilbertの化学法(Meth.Enzym.65,499
−560,1980)およびジデオキシヌクレオチド鎖終結法
(Smith,A.J.H.,Meth.Enzym.65,560−580,1980等)を用
いる常法により決定できる。
本発明において単離され、インターロイキン2活性を
もつポリペプチドが発現されたDNAは以下に示すもので
ある。
上記塩基配列の中、分子量が15000ダルトンであると
報告されているインターロイキン2をコードできるフレ
ームは、上記塩基配列に示されているものだけである。
蛋白合成の開始は、mRNA上の最初のATGコドンから始ま
ることが殆んどであるから、最初のイニシエーションコ
ドンATGよりターミネーションコドンTGAの前のACT(ス
レオニン)迄がインターロイキン2ポリペプチドに対応
する塩基配列と考えらる。また、インターロイキン2の
ような分泌蛋白においては疎水性アミノ酸に富んだ、い
わゆるジグナルペプチドが存在し、このペプチドは分泌
の際に切断され成熟蛋白が知られている。上記塩基配列
から判断すると、疎水性アミノ酸に富んだN−末端部シ
グナルペプチドに相当するものと考えられる。したがっ
て、例えばATGコドンから21番目のコドンGCA(アラニ
ン)よりターミネーションコドンTGAの前のACT迄に対応
するペプチドであってもインターロイキン2活性を有す
るものと考えられる。また、上記アラニン以後の又は上
記スレオニン以前のいくつかのアミノ酸がないものであ
って連続した複数の塩基配列部であってもインターロイ
キン2蛋白の活性部位を保持しているようなポリペプチ
ドであるならばインターロイキン2活性を有することが
十分に考えられる。
塩基配列IIのDNAの5′−末端に、インターロイキン
2遺伝子の情報発現のために有害でない1又は複数の塩
基が配列されていてもよい。また、5′−末端に1又は
複数のアミノ酸を発現しうるような塩基が配列されてい
ても、付加されたアミノ酸が、ポリペプチドがインター
ロイキン2活性を持つために有害でないものであった
り、また有害なものであっても容易に脱離できるような
ものであれば、問題はない。
3′−末端についても同様に、ポリペプチドがインタ
ーロイキン2活性を持つために有害でないアミノ酸がポ
リペプチドC−末端に付加されるような塩基配列が3′
−末端に付加されていてもよいし、有害なものであって
も容易に脱離できるようなものであれば問題はない。ま
た、DNAの化学合成などにより遺伝子の一部または遺伝
子構造から推論されるポリペプチドの一部を改変するこ
とも可能である。アミノ酸残基の欠失,付加あるいは置
換は、出願前周知技術である部位特異的変異技術(Gene
tic Engineering,vol.3,pp1−32,Plenum Press,New Yor
k(1981),Nucleic Acid Research,vol.10,pp6487−650
0(1982)等)により実施することができ、1もしくは
数個のアミノ酸残基の欠失,付加あるいは置換とは、部
位特異的変異技術により欠失,付加あるいは置換できる
程度の数のアミノ酸を意味する。さらに、後記する実施
例に記載したひと細胞以外の細胞より得たmRNAを用いて
遺伝子を得ることもできる。したがって、要はインター
ロイキン2活性をもつポリペプチドをコードするDNAで
あれば本発明において使用することができる。
次に、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1 (1)10容量/容量%の牛胎児血清を含有するRPMI 164
0培地で、当分野で良く知られた方法で培養したヒトT
白血病細胞ジュルカット細胞(日本,アメリカ,西ドイ
ツ等で自由に入手できる)を上記の培地に懸濁し、室温
下50秒間、東芝製X線照射装置EXS 150/300−4型を用
いて1,000レントゲンの総照射線量を照射した。次い
で、この照射された細胞を1×105個/mlの細胞密度で上
述の培地中で5%炭酸ガス中37℃で5日間培養した。次
に、96穴マイクロプレート10枚に0.2個/wellになるよう
に本変異細胞を接種し、5%炭酸ガス中37℃にて21日間
培養した。細胞増殖の観察されたクローンを順次継代増
殖させ、次いで1×106個/mlの細胞密度でConA 50μg/m
l存在下に24時間培養し、培養上清に放出されるインタ
ーロイキン2の産生量を前出の方法で測定し、原ジュル
カット細胞に比し産生量が40倍以上に改善された変異化
クローン細胞ジュルカット111株(ATCC CRL8129)を得
た。本株に通常の培養方法で増殖し、その増殖速度はジ
ュルカット細胞と同程度であった。
(2)本ジュルカット111細胞株を1×105個/mlの細胞
密度で無血清合成培地RITC 55−9 1,000mlに懸濁し、フ
ァルコン社製回転培養瓶に入れ、37℃で4日間培養し、
遠沈操作により細胞を集めた。この細胞を4×106個/ml
の細胞密度にて上述の培地中に懸濁し、ここにConA 25
μg/mlを添加し、上記ファルコン社製回転培養瓶(4
本)に1,000mlで張り込み6時間回転培養した。
(3)このようにして得たConA 25μg/mlで6時間誘導
したジュルカット細胞(1.2×1010細胞)をPBS溶液800m
lに懸濁し、細胞を遠心によって2度洗浄してから、ヌ
クレアーゼ阻害剤であるRibonucleosides−Vanadyl Com
plex(10mM)を含んだRSB溶液(10mM Tirs−HCl,pH7.5,
10mM NaCl,1.5mM MgCl2)800mlに懸濁した。次に、NP−
40を0.05%になるように加えた後、ゆるやかに撹拌後3,
000rpmで5分遠心して核を除去し、その上清液にSDS
(0.5%)とEDTA(5mM)を加えた後、ただちにフェノー
ルを等量加え細胞質RNAを抽出した。合計3回フェノー
ル抽出を繰返してから2容のエタノールでRNAを沈澱
し、遠心でこの沈澱を集め10mM Tris−HCl,pH7.5で溶解
した。このようにしてジュルカット細胞から得られたRN
A量は196mgであった。
次に、このRNAからmRNAを取得するためにオリゴ(d
T)−セルロース(P.L.Biochemicals,Type7)を用い、
カラムクロマトグラフィーを行なった。吸着は20mM Tri
s−HCl,pH7.5,0.5M NaCl,1mM EDTA,0.5%SDS溶液にRNA
を溶解して行ない、溶出は緩衝液(20mM Tris−HCl,pH
7.5,0.5M NaCl,1mM EDTA)で洗浄後、水と10mM Tris−H
Cl(pH7.5)で交互にmRNAを溶出することにより行なっ
た。この結果、溶出されたmRNA量は3.6mgであった。
さらに、このmRNAの一部(2.4mg)をSDG遠心(50mM T
ris−HCl,pH7.5,1mM EDTA,0.2M NaClを含む5〜25%シ
ョ糖密度勾配、Hitachi RPS 28ローターで26,000rpm,24
時間,4℃)して分画し,11−12SのmRNA画分を分画番号1
2,13,14としてそれぞれ59μg,46μg,60μg得た。
(4)ここに得られた分画番号13のmRNAを前出の検定法
に従い、アフリカツメガエルの卵母細胞に1個当り50ng
をマイクロインジェクション法により注入して得られた
卵母細胞培養上清をインターロイキン2の活性検定に供
したところ、次表に示すトリチウム化チミジンの取り込
みおよび活性化Tリンパ球数の増加がみられ、これら分
画のmRNAは本発明のヒトインターロイキン2mRNAを含有
することが証明された。
(5)次に、ここで得られたインターロイキン2mRNAを
含む11〜12SmRNA分画13よりcDNAをインビトロで合成
し、プラスミドベクターPBR 322と組換え体DNAを作り、
これをエシェリヒア・コリにトランスホームしてインタ
ーロイキン2cDNAクローンを持つ菌体を以下の方法で選
択した。
(5−1)50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5),30mM NaC
l,6mM MgCl2,5mMジチオスレイトール(DTT),0.5mMの各
dATP,dGTP,dCTP,dTTP(dCTPは32Pラベルしたものを含
む),0.7μgオリゴ(dT)10,10μg mRNAおよび15ユニ
ットAMV逆転写酵素(J.W.Beard)を混ぜ、41℃に90分間
保った。反応終了後、フェノール処理1回を行ない、エ
タノール沈澱としてDNAを回収し、20mM Tris,1mM EDTA
pH7.5溶液に溶解した。これにより約2.5μgの1本鎖cD
NAが合成された。この溶液からmRNAを除くために、NaOH
溶液を加えて0.33N NaOHとし室温にて15時間置き、次い
で溶液を1M Tris−HCl,pH7.5の等量で中和し「セファデ
ックスG−50」カラムに通した。これにより1.8μgのc
DNAを回収した。
(5−2)50mMリン酸緩衝液(pH7.5),10mM MgCl2,1
0mM DTT,0.75mMの各cATP,dGTP,dCTP,dTTP(dCTPは3Hで
ラベルされたものを含む),1.8μg1本鎖cDNA,8ユニット
ポリメレース(Polymerase)I(米国BRL製)を混ぜ、1
5℃で15時間反応を行なった。反応終了後、フェノール
処理1回,クロロホルム処理1回を行ない、エタノール
沈澱としてDNAを回収したこの反応により1.10μgの二
重鎖cDNAを得た。
次いで、50mM酢酸ナトリウム(pH4.5),0.2M NaCl,1m
M ZnCl2,1.10μg二重鎖cDNAを混ぜて37℃で20分間イン
キュベートした後、0.25ユニットのヌクレアーゼS1(三
共(株)製)を加え、さらに15分間インキュベートし
た。反応終了後、フェノール処理を2回行ない、「セフ
ァデックスG−50」カラムに通し、0.55μgの二重鎖cD
NAを回収した。
(5−3)0.14Mカコジル酸カリウム,30mMトリス塩
基,0.1mM DTT,,1mM CoCl2,0.64mM32P−dCTP(比活性2.7
×106cpm/nmol),0.55μg二重鎖cDNAおよび5ユニット
のターミナルトランスフェラーゼ(BRL)を混ぜ37℃で
7分間インキュベートし、反応終了後、フェノール処理
1回を行ない、「セファデックスG−50」カラムに通し
エタノール沈澱としてDNA 0.50μgを回収したところ約
50個のdCMPが両3′末端に付加された。
pBR 322 DNA(Gene,,95−113(1977))10μgを制
限酵素Pst Iで切断したのち、前述の二重鎖cDNAにdCMP
鎖を付加したのと全く同じ条件でdCTPの代りにdGTPを用
いて両3′末端にdGMP鎖を付加した。かくして約50個の
dGMPが両3′末端に付加された。
(5−4)50mM Tris−HCl(pH7.5),0.1M NaCl,5mM
EDTA,0.05μgのdGMPが付加されたpBR 322,0.01μgのd
CMPが付加されたcDNAをまず65℃で2分間、次いで46℃
で120分間、さらに37℃で60分間、そして室温で60分間
保持した。
エシェリヒア・コリx1776を50mlのL培地100μg/mlの
ジアミノピメリン酸と50μg/mlのチミジン,1%トリプト
ン,0.5%酵母エキス,0.5% NaClおよび0.1%グルコース
を含む)に接種し、培養液の562mμにおける吸光度がお
よそ0.3になるまで37℃で振とう培養した。培養終了
後、培養液を0℃で30分間放置し、次に菌体を遠心分離
により集め、5mM Tirs−HCl(pH7.6),0.1M NaCl,5mM M
gCl2,10mM RbClの溶液25mlで2回洗浄した。
得られた菌体を5mM Tris−HCl(pH7.6),0.25M KCl,5
mM MgCl2,0.1M CaCl2および10mM RbClを含む溶液20mlに
懸濁し、0℃にて25分間静置後、遠心分離により菌体を
集めた。上記と同じ溶液1mlに菌体を再び懸濁し、得ら
れた菌体懸濁液の0.2mlに上記組換えDNAを入れ、0℃で
40分間静置した。さらに、37℃で2分間保ったのち、再
び0℃で60分間静置した。次に、これに前記L培地0.7m
lを加えて37℃30分間振とう培養した。この培養液0.1ml
を100μg/mlジアミンピメリン酸,50μg/mlチミジンと15
μg/mlテトラサイクリンを含むL培地の1.5%寒天培地
上に一面に塗抹し、37℃にて2日間インキュベートし
た。
(5−5)上記において出現したコロニー432個をそ
れぞれ24コロニーを1集団とする18集団の混合体として
100μg/mlのジアミノピメリン酸,50μg/mlのチミジンと
10μg/mlのテトラサイクリンを含むL培地200mlに接種
し、37℃で5〜7時間振とう培養後、クロラムフェニコ
ールを最終濃度で170μg/mlになるように加えた新鮮な
上記L培地200mlを追加し、さらに一晩振とう培養す
る。こうしてプラスミドDNAを増幅しておいて常法に従
ってプラスミドDNAを精製した。このDNAを用いてHybrid
ization−translation assay法でインターロイキン2cDN
Aをもつクローンをスクリーニングした。ここで用いたH
ybridization−translation assayは以下のように行な
った。
精製したDNA 25μgを制限酵素Hind IIIで切断し、フ
ェノール処理3回,フェノール−クロロホルム処理1回
およびクロロホルム処理1回を行なってDNAをエタノー
ル沈澱して80%エタノールで洗浄したのち回収し、これ
を80%ホルムアミド溶液40μlに溶解し、90℃で5分間
熱変性させた。その後、10×SSC(1.5M NaCl,0.15Mクエ
ン酸3ナトリウム)で1.3mlに希釈した。これをニトロ
セルロースフィルターに固定し、80℃で3時間加熱乾燥
した。このフィルターを50%ホルムアミド,20mMピペス,
pH6.5,0.75M NaCl,5mM EDTA,0.2% SDSおよび250μg mR
NAを含む溶液中で37℃,18時間インキュベートしてフィ
ルター上のDNAとインターロイキン2mRNAとをハイブリダ
イズさせた。次いで、このフィルターを10mMピペスpH6.
5,0.05M NaCl,1mM EDTA,0.2% SDS溶液で65℃で3回洗
浄した後、さらに1mMピペス,10mM NaCl溶液で3回洗浄
し、次いで0.5mM EDTA,0.1% SDS溶液で95℃で1分間処
理してフィルターに吸着したmRNAを溶出した。これを常
法に従ってオリゴdT−セルロースカラムにかけて回収し
た。この回収したmRNAをアフリカツエガエルの卵母細胞
に注入し、蛋白に翻訳させてインターロイキン2活性を
測定した。この結果、18集団の中の1集団に前述のトリ
チウム化チミジンの取り込み量による活性検定法により
48単位/mlのインターロイキン2の活性が検出された。
そこで、さらにこの集団に属する24コロニーを今度は単
独にそれぞれ前述したように100μg/mlのジアミノピメ
リン酸,50μg/mlのチミジンと10μg/mlのテトラサイク
リンを含むL培地200mlに接種し、37℃で5〜7時間振
とう培養後、クロラムフェニコールを最終濃度で170μg
/mlになるように加えた新鮮な上記L培地200mlを追加
し、さらに一夜振とう培養してプラスミドDNAを増幅し
ておいて常法に従ってプラスミドDNAを精製した。そし
て各DNA5μgをHind IIIで切断した後、前回と同様にニ
トロセルロースフィルターに固定してインターロイキン
2mRNAとハイブリダイズさせ、mRNAを回収してアフリカ
ツメガエルの卵母細胞に注入して蛋白に翻訳しインター
ロイキン2活性を測定して、24コロニーの中のどのコロ
ニーにインターロイキン2クローンが存在するか検定し
たところ1コロニーより得られた精製プラスミドDNA,プ
ラスミドp3−16にハイブリダイズするmRNAを卵母細胞に
翻訳させたものにインターロイキン2活性が見出され
(表−2)、本クローンがインターロイキン2cDNAを持
つクローン(エシェリヒア・コリx1776/3−16AJ 11995
(FERM−BP225))であると同定された。即ちプラスミ
ドp3−16のcDNAはインターロイキン2mRNAと特異的にハ
イブリッドを形成するDNA(インターロイキン2遺伝
子)をもつことが証明された。
次にプラスミドp3−16のcDNAの制限酵素切断個所を検
定したところ、XbaI(米国BRL社)で1ケ所,BstNI(米
国New England Bio Lab.社)で2ケ所(Xbal切断個所の
上流及び下流)切断された。しかし、このcDNAは約650
塩基対よりなり、11〜12Sのインターロイキン2mRNAの一
部に対応するものとわかったので、再び同様にして調製
したヒトインターロイキン2mRNAを鋳型にしてLandらの
方法(Land et al,Nucleii Acids Res.,vol.9,p2551(1
981))により前述同様にしてcDNAを合成し、プラスミ
ドpBR 322に挿入した。このプラスミドを用いてE・col
i x1776を形質転換させ、約2000個の転換株のなかか
ら、プラスミドp3−16のcDNAと同じ配列を持つcDNAクロ
ーンをGrunstein−Hognessの方法を用いて選別し、約85
0塩基対のcDNAインサートを持つプラスミド、pIL2−50A
を持つ転換株(エシェリヒア・コリx1776/IL−2−50A
AJ11996(FERM−BP226))を得た。このpIL2−50AのcDN
Aの制限酵素切断地図を図−1に示す。
次に図−2a,bに示すように、pBR 328プラスミドベク
ター(Gene,,287−305(1980))にpKCRベクター(Pr
oc.Natl.Aca.Sci.USA,vol 78,No.3,1527−1531,1981)
のSV 40ウィルスの初期遺伝子のプロモーターを含む領
域を組み込んだpCE−1ベクターを造成した。そしてプ
ラスミドpIL−2−50AクローンのプラスミドよりPstIで
挿入されたcDNAを切り出し、pCE−1ベクターのPstIサ
イトに挿入した(プラスミドpCEIL−2)。なお、この
プラスミドpCEIJ−2が組み込まれているエシェリヒア
・コリHB 101(AJ 12008)は、受託番号FERMBP−244と
して寄託されている。このときの挿入様式は図−2に示
すようにSV40初期遺伝子のプロモーターの下流にインタ
ーロイキン2遺伝子のイニシエイションコドンATGが接
続されているものであう(図のI)。このベクターをサ
ル培養細胞のCOS−7細胞(Gluzman,Y.Cell vol.23 p17
5−182(1981))に感染せしめ(Mc Cutchan et al J.N
atl.Cancer Inst.vol41 p351−357(1968))、培養上
清に出てくるインターロイキン2活性を検討した。対照
としてベクタープラスミドpCE−1を用いて同様の方法
で実験を行ないインターロイキン2活性を調べた。結果
を表−3に示す。
更にこのインターロイキン2活性は、マウス抗ヒトイ
ンターロイキン2モノクローナル抗体によって中和さ
れ、インターロイキン2活性は1u/ml以下となった。
インターロイキン2活性を持つポリペプチドをコード
しているDNAは、エシェリヒア・コリx1776/IL−2−50A
細胞より常法によりプラスミドDNA部を分離し、得られ
たプラスミドDNAを制限酵素PstIで消化した後、生成し
た二つのDNAフラグメントより分子量の小さいフラグメ
ントを分離することにより得た。
得られたDNAの塩基配列は、前記Maxam−Gilbertの化
学法に準じて調べたところ、前述のとおりの配列を有し
ていることが判明した。
【図面の簡単な説明】
図−1はインターロイキン2活性を持つポリペプチドを
コードしうる遺伝子の制限酵素地図である。 図−2は、pCEIL−2の造成経過の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91) //(C12N 5/00 B C12R 1:91) (72)発明者 松井 裕 神奈川県横浜市金沢区並木1丁目19―16― 101 (72)発明者 鹿島 信一 神奈川県横浜市旭区若葉台2―21―603 (72)発明者 羽室 淳爾 神奈川県横浜市戸塚区深谷町241―32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: で示されるアミノ酸配列を有するヒトインターロイキン
    2活性を有するポリペプチドまたは該ポリペプチドのア
    ミノ酸配列に対し1もしくは数個のアミノ酸残基の欠
    失、付加あるいは置換がされたアミノ酸配列を有するヒ
    トインターロイキン2活性を有するポリペプチドをコー
    ドする遺伝子を含有する、真核生物を形質転換するため
    の発現ベクター。
  2. 【請求項2】式: で示されるアミノ酸配列を有するヒトインターロイキン
    2活性を有するポリペプチドまたは該ポリペプチドのア
    ミノ酸配列に対し1もしくは数個のアミノ酸残基の欠
    失、付加あるいは置換がされたアミノ酸配列を有するヒ
    トインターロイキン2活性を有するポリペプチドをコー
    ドする遺伝子を含有する発現ベクターが導入された真核
    生物細胞。
JP63292085A 1988-11-18 1988-11-18 ヒトインターロイキン2活性をもつポリペプチドをコードする遺伝子を含有する発現ベクターおよび該ベクターにより形質転換された真核生物 Expired - Lifetime JPH0832237B2 (ja)

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