JPH07234314A - ブラックマトリックス基板およびその製造方法 - Google Patents

ブラックマトリックス基板およびその製造方法

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JPH07234314A
JPH07234314A JP4781494A JP4781494A JPH07234314A JP H07234314 A JPH07234314 A JP H07234314A JP 4781494 A JP4781494 A JP 4781494A JP 4781494 A JP4781494 A JP 4781494A JP H07234314 A JPH07234314 A JP H07234314A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液状のカラーフィルタ材料を転写するのに適
した「ぬれ性」をもったブラックマトリックス基板を提
供する。 【構成】 ガラス基板100上に、画素の境界領域に対
応するフレーム状パターンをもった遮光性のブラックマ
トリックス層10が形成される。このブラックマトリッ
クス層10は、Cr層11と、このCr層の少なくとも
上面に形成されたクロムの弗素化合物層12と、によっ
て構成されている。弗素化合物層12は、Cr層11に
比べて液状のカラーフィルタ材料121を転写するのに
より適した「ぬれ性」を有し、接触角θ=72°程度が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はブラックマトリックス基
板およびその製造方法、特に、カラー液晶表示装置に利
用されるブラックマトリックス基板およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】省電力型のディスプレイとして、液晶表
示装置は広範囲な用途に利用されている。一般的に用い
られているアクティブマトリックス液晶表示装置は、透
光性の2枚の基板を対向して配置し、両基板間に液晶を
充填し、両基板間に印加する電圧によって、充填した液
晶の光学的特性を各画素ごとに制御できるようにしたも
のである。カラー表示を行う装置では、第1の基板上
に、各画素領域ごとに所定の色のフィルタを配置したカ
ラーフィルタ層と、電圧を印加するための一方の電極と
なる透明な共通電極と、が形成される。また、第2の基
板上には、電圧を印加するための他方の電極となる表示
電極と、この表示電極に与える電圧を制御するためのト
ランジスタ素子とが、各画素領域ごとに形成され、各ト
ランジスタ素子をON/OFF動作することにより、各
画素ごとに液晶の光学的特性が制御される。
【0003】第1の基板上に形成されるカラーフィルタ
層は、所定の色(たとえば、R:赤,G:緑,B:青)
のフィルタを各画素ごとに並べたものであり、隣接する
画素には異なる色のフィルタが配置されることになる。
したがって、このカラーフィルタ層を用いただけでは、
画素の境界領域が不鮮明になってしまう。そこで、画素
の境界領域を鮮明にするために、通常は、画素の境界領
域に対応するパターンをもった遮光性のブラックマトリ
ックス層を形成してなるブラックマトリックス基板上
に、カラーフィルタ層が形成される。特に、アクティブ
マトリックス方式の液晶表示装置では、薄膜トランジス
タをスイッチング素子として用いているため、外光によ
る光リーク電流を抑制する必要があり、非常に遮光性の
高いブラックマトリックス層が要求される。このため、
アクティブマトリックス方式の液晶表示装置に用いるブ
ラックマトリックス基板では、クロムによりブラックマ
トリックス層を形成するのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ブラ
ックマトリックス層は、画素の境界領域を縁取りする層
であり、カラーフィルタ層は、このブラックマトリック
ス層で囲まれた閉領域に形成されることになる。一般的
なカラー液晶表示装置を構成する場合、R:赤,G:
緑,B:青の3原色のカラーフィルタ層を形成する必要
がある。これらカラーフィルタ層の材料としては、染色
したフォトレジストが一般に用いられており、フォトリ
ソグラフィの手法により、このフォトレジストを所定箇
所に形成している。これに対して、近年では、染料や顔
料を分散した樹脂をカラーフィルタ層として用いる手法
が提案されており、この手法では、液状のカラーフィル
タ材料をオフセット印刷などの手法でブラックマトリッ
クス基板上に転写した後、乾燥固化させることになる。
【0005】このように、液状の材料を基板上にオフセ
ット印刷などの手法で転写する場合、基板側の「ぬれ
性」を考慮しなければならない。「ぬれ性」が悪いと、
転写が不完全となる。すなわち、液状のカラーフィルタ
材料が十分に転写されていない画素が生じることにな
る。クロムからなる金属層の「ぬれ性」は非常に良いた
め、このような不完全転写といった問題は生じない。と
ころが、「ぬれ性」が良すぎるために、別の問題が生じ
ている。すなわち、「ぬれ性」が良すぎると、液状のカ
ラーフィルタ材料が、本来転写されるべき画素領域だけ
でなく、これに隣接する画素領域まで広がってしまうと
いう弊害が生じるのである。一般的なカラー液晶表示装
置を構成する場合、R,G,Bの3原色のカラーフィル
タ層を分散して配置することになるため、1つの色のカ
ラーフィルタ材料が隣接する画素にまで広がってしまう
と、別な色と混じってしまうことになり、正しい色のカ
ラーフィルタ層を構成できなくなる。
【0006】そこで本発明は、液状のカラーフィルタ材
料を転写するのに適した「ぬれ性」をもったブラックマ
トリックス基板およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本願第1の発明は、基板上に画素の境界領域に対
応するパターンをもった遮光性のブラックマトリックス
層を形成してなるブラックマトリックス基板において、
ブラックマトリックス層の少なくとも上面部分をクロム
の弗素化合物層によって構成したものである。
【0008】(2) 本願第2の発明は、基板上に画素の
境界領域に対応するパターンをもった遮光性のブラック
マトリックス層を形成してなるブラックマトリックス基
板において、ブラックマトリックス層を、クロム層と、
このクロム層の少なくとも上面に形成されたクロムの弗
素化合物層と、によって構成したものである。
【0009】(3) 本願第3の発明は、上述の第2の発
明に係るブラックマトリックス基板を製造する方法にお
いて、基板上にクロムからなる材料層を形成し、この材
料層の表面に対して弗素を作用させ、材料層の表面にク
ロムの弗素化合物膜を形成し、ブラックマトリックス層
を形成しない領域に対応する形状の開口窓が形成された
マスク板により、弗素化合物膜の一部分だけを開口窓か
ら露出させ、この露出部分に酸素を作用させて酸素化合
物膜を形成し、弗素化合物膜に対するエッチングレート
に比べ、クロムの材料層および酸素化合物膜に対するエ
ッチングレートが、パターン形成を行うのに十分なだけ
大きくなるようなエッチングを行い、マスク板の開口窓
に対応する領域について材料層を除去し、弗素化合物膜
およびこれに覆われているクロムの材料層をブラックマ
トリックス層として残すようにしたものである。
【0010】(4) 本願第4の発明は、上述の第3の発
明に係る方法において、材料層の表面に弗素化合物膜を
形成した後、イオン銃から弗素化合物膜に対してほぼ垂
直な方向から酸素イオンを照射し、この照射経路の途中
にマスク板を、弗素化合物膜に対してほぼ平行になるよ
うに配置することにより、マスク板の開口窓に対応する
領域に酸素化合物膜を形成するようにしたものである。
【0011】(5) 本願第5の発明は、上述の第2の発
明に係るブラックマトリックス基板を製造する方法にお
いて、基板上にクロムからなる材料層を形成し、この材
料層の表面に対して弗素を作用させ、材料層の表面にク
ロムの弗素化合物膜を形成し、ブラックマトリックス層
を形成しない領域に対応する形状の開口窓が形成された
マスク板により、弗素化合物膜の一部分だけを開口窓か
ら露出させ、この露出部分に不活性ガスイオンを作用さ
せて弗素化合物膜を除去し、開口窓に対応する領域に材
料層を露出させ、弗素化合物膜に対するエッチングレー
トに比べ、クロムの材料層に対するエッチングレート
が、パターン形成を行うのに十分なだけ大きくなるよう
なエッチングを行い、マスク板の開口窓に対応する領域
について材料層を除去し、弗素化合物膜およびこれに覆
われているクロムの材料層をブラックマトリックス層と
して残すようにしたものである。
【0012】(6) 本願第6の発明は、上述の第5の発
明に係る方法において、材料層の表面に弗素化合物膜を
形成した後、イオン銃から弗素化合物膜に対してほぼ垂
直な方向からアルゴンイオンを照射し、この照射経路の
途中にマスク板を、弗素化合物膜に対してほぼ平行にな
るように配置することにより、マスク板の開口窓に対応
する領域の弗素化合物膜をスパッタ法により除去するよ
うにしたものである。
【0013】
【作 用】本願発明者は、クロム金属層の「ぬれ性」に
比べて、クロムの弗素化合物膜の「ぬれ性」が低くなる
事実に着目し、クロムで構成したブラックマトリックス
層の上面に、クロムの弗素化合物膜を形成しておくこと
により、液状のカラーフィルタ材料の転写条件を改善で
きることを見出だした。
【0014】本発明に係るブラックマトリックス基板で
は、ブラックマトリックス層の少なくとも上面部分が、
クロムの弗素化合物層によって構成されているため、液
状のカラーフィルタ材料を転写するのに適した「ぬれ
性」が得られる。
【0015】また、本発明に係るブラックマトリックス
基板の作成方法では、上述の構造をもったブラックマト
リックス基板を、フォトリソグラフィの手法を用いずに
簡単なプロセスで作成することができる。すなわち、ク
ロム材料層の表面に、弗素を作用させて弗素化合物膜を
形成した後、マスク板を用いて所定の領域にのみ酸素を
作用させ、酸素化合物膜を形成する。そして、弗素化合
物膜と酸素化合物膜とのエッチングレートの差を利用し
て、酸素化合物膜で覆われた部分だけをエッチング除去
すれば、弗素化合物膜で覆われたクロムからなるブラッ
クマトリックス層を容易に形成することができる。ある
いは、酸素の代わりに不活性ガスを作用させて弗素化合
物膜の露出部分をスパッタ除去しても、同様のブラック
マトリックス層が形成できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。
【0017】<一般的なブラックマトリックス基板の構
造>図1は、一般的なアクティブマトリックス液晶表示
装置の基本構造を示す斜視図である。この装置の主たる
構成要素は、上部構造体1と下部構造体2とである。上
部構造体1は、カラーフィルタとして機能し、下部構造
体2は、駆動装置として機能する。両構造体は、それぞ
れ透明なガラス基板100,200を主体として構成さ
れており、これらガラス基板の平面上には、複数の画素
が定義されている。図1に示す例では、便宜上、3×3
に配列された9画素が定義されているが、実際には、よ
り多数の画素が定義される。両基板は互いに平行となる
ように対向して配置され、それぞれ対応する画素が向か
い合った状態となる。上部構造体1を構成するガラス基
板100の上面には、偏光板110が配置され、下部構
造体2を構成するガラス基板200の下面には、偏光板
210が配置される。ガラス基板100の下面には、カ
ラーフィルタ層120および共通電極130が形成され
ている。カラーフィルタ層120は、この実施例では、
R:赤,G:緑,B:青、の3色のフィルタを各画素ご
とに配置したものである。共通電極130は、1枚の透
明電極材料によって構成されている。一方、ガラス基板
200上には、各画素ごとに、表示電極220と、この
表示電極の電位を制御するためのトランジスタ素子23
0と、が形成されている。トランジスタ素子230は、
ゲート電極が走査線240に、ソース電極がデータ線2
50に、ドレイン電極が表示電極220に、それぞれ接
続されている。
【0018】このような構造において、走査線240に
所定の電圧を供給してトランジスタ素子230をON状
態にすれば、表示電極220の電位をデータ線250の
電位と同じレベルにすることができ、トランジスタ素子
230をOFF状態にすれば、表示電極220の電位を
そのままの状態に維持させることができる。上部構造体
1と下部構造体2との間には、液晶が充填されている。
この液晶は、上方の共通電極130と下方の表示電極と
の間に挟まれた状態となり、両電極間の電位差に応じて
光学的特性を変化させる。こうして、液晶の光学的特性
を各画素ごとに制御することができるようになる。した
がって、図の下方から照射された白色光の透過/不透過
を各画素単位で制御することができ、図の上方から観察
した場合、各画素単位の発光/不発光を制御することが
できる。
【0019】ところで、カラーフィルタ層120は、
R,G,Bの3色のフィルタを各画素ごとに配列して構
成されるが、このままの状態では、各画素の境界領域が
不鮮明になる。この境界領域を鮮明にするために、ブラ
ックマトリックス層が用いられることは既に述べたとお
りである。このブラックマトリックス層は、カラーフィ
ルタ層120の各色フィルタの境界部分にフレームのよ
うな構造で形成される(図1には示されていない)。こ
のブラックマトリックス層の構造を図2に示す。この図
2は、従来の一般的なアクティブマトリックス液晶表示
装置の上部構造体1の詳細な構造断面図である(図1に
示す構造とは上下が逆の関係になっている)。ガラス基
板100上には、所定のパターンでクロム(Cr)から
なるブラックマトリックス層10およびカラーフィルタ
層120が形成されており、その上には保護層125お
よび共通電極130が形成されている。図3は、ブラッ
クマトリックス層10の平面図であり、ハッチングを施
した格子状の領域がブラックマトリックス層10の部分
を示す。このブラックマトリックス層10によって囲ま
れた各閉領域は、個々の画素に相当する領域であり、こ
の画素領域に、R,G,Bの3色のカラーフィルタ層1
20が形成されている。
【0020】このような上部構造体1のうち、ガラス基
板100およびブラックマトリックス層10からなる部
分がブラックマトリックス基板である。図4に、このブ
ラックマトリックス基板の断面図を示す。ブラックマト
リックス層10は、図3に示すようなフレーム状のパタ
ーンをしており、このブラックマトリックス層10によ
って囲まれた閉領域に溝部15が形成されている。上部
構造体1を製造するには、まず、この図4に示すような
ブラックマトリックス基板を用意し、この上にカラーフ
ィルタ層120を形成することになる。
【0021】<ブラックマトリックス基板の「ぬれ性」
>既に述べたように、カラーフィルタ層120の材料と
して、染料や顔料を分散した樹脂などからなる液状のカ
ラーフィルタ材料を用いる場合、この材料をオフセット
印刷などの手法でブラックマトリックス基板上に転写す
ることになる。この転写工程は、いわば、図4に示す各
溝部15に、特定の色彩に着色された液状のカラーフィ
ルタ材料を盛り付ける作業である。図5は、理想的な転
写状態を示す断面図である。各色の液状のカラーフィル
タ材料121が、それぞれ各溝部に盛り付けられてお
り、これを乾燥固化することにより、正しい位置に各カ
ラーフィルタ層120を形成することができる。このよ
うな理想的な転写を行うためには、ブラックマトリック
ス層10の上面が理想的な「ぬれ性」をもっている必要
がある。
【0022】この「ぬれ性」を定量的に表現する場合、
通常「接触角」という数値が用いられる。すなわち、図
5に示すように、液状のカラーフィルタ材料121の表
面と、転写対象となるブラックマトリックス層10の上
面とのなす接触角θによって、「ぬれ性」を評価するの
である。接触角θが小さいほど「ぬれ性」は良好であ
り、接触角θが大きいほど「ぬれ性」は悪いことにな
る。
【0023】図6は、「ぬれ性」が悪い場合の転写状態
の一例を示す断面図である。この例では、接触角θ>9
0°となっており、「ぬれ性」は非常に悪い。このよう
に、「ぬれ性」が悪いと、ブラックマトリックス層10
の表面が液状のカラーフィルタ材料をはじいてしまう傾
向が強く、転写工程による「盛り付け」が十分に行われ
なくなる。その結果、画素によっては、図示するような
転写不良が生じることになる。この例では、G色の液状
のカラーフィルタ材料の転写が不完全であり、画素領域
の境界部分に色抜けが生じている。また、B色の液状の
カラーフィルタ材料については、全く転写が行われてい
ない。
【0024】図7は、「ぬれ性」が良すぎる場合の転写
状態の一例を示す断面図である。この例では、接触角θ
=30°程度となっており、「ぬれ性」は非常に良い。
このように「ぬれ性」が良すぎると、液状のカラーフィ
ルタ材料がブラックマトリックス層10の表面を伝わっ
て広がる傾向が強く、本来転写されるべき画素領域だけ
でなく、これに隣接する画素領域まで広がってしまうと
いう弊害が生じるのである。この例では、G色の液状の
カラーフィルタ材料が、隣接する画素領域にまで広がっ
てしまい、B色の液状のカラーフィルタ材料と混じって
しまっている。一般に、接触角θ<40°になると、こ
のような隣接画素領域への越境現象が生じる。
【0025】現在、一般に用いられているクロムからな
るブラックマトリックス層の純水に対する「ぬれ性」は
接触角θ=35°程度であり、上述の例では、図7の
「ぬれ性」が良すぎる場合に相当する。このため、液状
のカラーフィルタ材料をオフセット印刷などの手法でブ
ラックマトリックス基板に転写すると、隣接する画素領
域にまで広がる傾向が強く、混色が生じやすい。特に、
液晶表示装置の解像度は年々向上する傾向にあり、1つ
の画素領域の大きさは益々微細化している。このような
微細パターンに対して、液状のカラーフィルタ材料の転
写を行うと、隣接する画素領域への越境現象がより発生
しやすくなる。
【0026】微細なパターンをもったブラックマトリッ
クス層に対して、液状のカラーフィルタ材料を良好に転
写するための理想的な「ぬれ性」を示す接触角θは、液
体の種類によっても異なるが、純水を用いた実験による
と、90°を越えない範囲で90°にできるだけ近い値
にするのが最良であると予想される。本願発明者は、純
水に対するクロムの「ぬれ性」を示す接触角が、上述の
ように35°程度であるのに対し、クロムの弗素化合物
(CrF)の「ぬれ性」を示す接触角は、72°程度
になることを見出だした。したがって、クロムの代わり
にクロムの弗素化合物によってブラックマトリックス層
10を形成すれば、液状のカラーフィルタ材料に対して
理想的な「ぬれ性」を確保することができる。
【0027】<本発明に係るブラックマトリックス基板
>そこで、本願発明者は、図4に示すような従来のブラ
ックマトリックス基板に代わって、図8に示すような構
造をもった新規なブラックマトリックス基板を案出し
た。このブラックマトリックス基板では、ガラス基板1
00上に形成されたブラックマトリックス層10が、C
r層11と弗素化合物膜12との2層構造で構成されて
いる。Cr層11は、従来のブラックマトリックス層と
全く同様にクロムからなる層であり、その平面的なパタ
ーンも、図3に示すように、従来のブラックマトリック
ス層のパターンと全く同じである。一方、弗素化合物膜
12は、クロムの弗素化合物(CrF)からなる膜で
あり、Cr層11の上面に形成されている。このような
構造をもったブラックマトリックス基板に対して、液状
のカラーフィルタ材料121を転写すると、図9に示す
ように、接触角θ=72°程度となり、理想的な「ぬれ
性」をもって良好な転写が行われることになる。
【0028】なお、この実施例では、Cr層11の上面
にだけ弗素化合物膜12が形成されているが、Cr層1
1の露出面すべてに弗素化合物膜12を形成してもかま
わない。ただ、液状のカラーフィルタ材料の転写状態を
左右する条件としては、ブラックマトリックス層の上面
の「ぬれ性」が支配的であるため、この実施例のよう
に、Cr層11の側面には弗素化合物膜12を形成せ
ず、上面だけに形成すれば十分な効果が得られる。ま
た、上面だけに形成した構造であれば、後述する製造方
法によってこのブラックマトリックス基板を製造するこ
とができ、製造プロセスの単純化が図れる。
【0029】また、このように弗素化合物膜12を形成
したブラックマトリックス基板には、「ぬれ性」の点だ
けでなく、いくつかの付随的な利点が得られる。すなわ
ち、弗素化合物膜12は、Cr層11に比べて反射率が
低くなるため、液晶表示装置に用いた場合、画面がより
美しく見えるという効果がある。また、弗素化合物膜1
2は、Cr層11に比べて耐酸性、耐アルカリ性、耐熱
性、耐溶剤性に優れているため、Cr層11に対する保
護膜として機能することができる。
【0030】<本発明に係るブラックマトリックス基板
の製造方法>ここでは、図8に示すようなブラックマト
リックス基板を製造するのに特に適している方法を、図
10および図11の断面図を参照しながら説明する。ま
ず、図10(a) に示すように、ガラス基板100上にC
rを堆積させ、Cr材料層20を形成する。Crを堆積
させる方法としては、従来から用いられている一般的な
成膜方法を用いればよい。たとえば、真空蒸着法、スパ
ッタ法、CVD法、鍍金法などを用いることができる。
この実施例では、スパッタ法により、厚み800オング
ストローム程度のCr材料層20を形成した。
【0031】続いて、図10(b) に示すように、ガラス
基板100の上方に、反応性粒子発生源30を配置す
る。この反応性粒子発生源30は、反応性粒子を発生す
るとともに、これを平行な流束としてCr材料層20に
向けて照射する機能を有する。ここでは、反応性粒子発
生源30として、カウフマン型イオン銃を用い、反応性
粒子として弗化物イオン(たとえば、CF やSF
など)を発生させている。このように、Cr材料層2
0に向かって弗化物イオンを照射すると、Cr材料層2
0の全面に弗化物イオンが衝突し、クロムと弗素との化
学反応により、図10(c) に示すように、Cr材料層2
0の全面に弗素化合物膜21が形成される。この実施例
では、カウフマン型イオン銃に、反応性ガスとしてCF
を100sccm(Standard CC per Minute:1分間
の平均流量をcc単位で表した値)の割合で導入し、イ
オンビーム照射電圧700V、イオンビーム電流80m
A、加速電圧400V、照射時間3分間、という条件で
弗化物イオンCF の照射を行った。
【0032】続いて、図11(a) に示すように、この弗
素化合物膜21の上方に、マスク板40を配置する。こ
のマスク板40は、図3に示すようなブラックマトリッ
クス層10と同じパターンをもったマスク板である。す
なわち、図3においてハッチングを施した部分に対応す
るパターンをもった金属板であり、図3に白抜きで示し
た画素領域部分に開口窓41が形成されている。このマ
スク板40は、弗素化合物膜21の膜面に対してほぼ平
行に配置される。
【0033】このマスク板40の更に上方に、反応性粒
子発生源30としてのカウフマン型イオン銃を配置し、
弗素化合物膜21の表面に向けてイオン照射を行う。た
だし、今回は、弗化物イオンではなく、酸素イオンO
を照射する。酸素イオンOは、互いに平行なイオン流
として照射されるようにし、弗素化合物膜21の表面が
二次元的に酸素イオンOの照射を受けるようにする。
また、イオン流の照射角度は、弗素化合物膜21の膜面
に対してほぼ垂直になるようにする。このようなイオン
流照射を行うと、マスク板40の開口窓41に照射され
たイオン流は、そのまま通過して弗素化合物膜21の表
面にまで到達するが、開口窓以外の部分(図3にハッチ
ングを施した部分)に照射されたイオン流は、マスク板
40に阻まれて弗素化合物膜21まで到達することはで
きない。しかも、各イオン流は弗素化合物膜21の表面
に対してほぼ垂直な方向に入射するような直進性をもっ
ているため、弗素化合物膜21の表面には、マスク板4
0のパターンが投影された状態になる。別言すれば、弗
素化合物膜21のうち、マスク板40の開口窓パターン
に対応する領域には酸素イオンOが衝突し、マスク板
40の影になった領域には衝突は起こらないことにな
る。
【0034】ところで、弗素化合物膜21の表面に酸素
イオンOが衝突すると、クロムに対しては、酸素の方
が弗素よりも強い反応性を有するため、弗素原子が酸素
原子に置換され、酸素化合物膜22が形成される。すな
わち、CrOやCrOといったクロムの酸素化合物が
形成されることになる。もっとも、この酸素イオンの作
用により、弗素原子のすべてが酸素原子に置換されると
は限らないため、実際には、CrOやCrOといった
クロムの酸素化合物に、CrFといったクロムの弗素
化合物が混在した状態になるが、ここでは、このような
弗素化合物の混在層であっても、便宜上、「酸素化合物
膜22」と呼ぶことにする。図11(b)は、酸素イオン
流の照射を完了したときの状態を示す断面図であり、弗
素化合物膜21の一部が、酸素化合物膜22に置き替わ
った状態が明瞭に示されている。ここで、酸素化合物膜
22は、マスク板40の開口窓41に対応する領域にだ
け形成されており、マスク板40のパターンと同じパタ
ーンがCr材料層20の表面上に形成されたことにな
る。この実施例では、カウフマン型イオン銃に、反応性
ガスとしてOを100sccmの割合で導入し、イオ
ンビーム照射電圧700V、イオンビーム電流80m
A、加速電圧400V、照射時間3分間、という条件で
酸素イオン照射を行った。
【0035】さて、図11(b) に示すように、酸素化合
物膜22が所定のパターンで形成されたら、これに対し
て選択的なエッチングを行う。すなわち、Cr材料層2
0および酸素化合物膜22と、弗素化合物膜21と、の
間で、エッチングレートの異なるエッチング方法を行う
のである。たとえば、硝酸第2セリウムアンモン液を用
いたエッチングを行えば、Cr材料層20および酸素化
合物膜22に対するエッチング速度は、弗素化合物膜2
1に対するエッチング速度の10倍程度となり、エッチ
ング速度の遅い弗素化合物膜21をマスクとして用い、
Cr材料層20のうち酸素化合物膜22で覆われている
部分のみをエッチング除去することが可能である。こう
して、図11(c) に示すように、酸素化合物膜22およ
びその下のCr材料層20はエッチング除去されて溝部
15が形成され、Cr材料層20のうち、弗素化合物膜
12で覆われたCr層11だけがエッチング除去されず
に残ることになる。この図11(c) に示す構造は、図8
に示すブラックマトリックス基板と同じである。こうし
て、図8に示す構造をもったブラックマトリックス基板
が作成できる。なお、別なエッチング方法として、CC
を用いたドライエッチングを行っても、同程度のエ
ッチング選択比が得られる。
【0036】この製造方法の利点は、ブラックマトリッ
クス層のパターニングに、フォトリソグラフィ法を行わ
ずにすむため、プロセスが単純化されるという点であ
る。フォトリソグラフィ法を行わずにブラックマトリッ
クス層を形成する方法として、印刷の手法を利用する方
法も知られているが、高い寸法精度が得られないという
欠点がある。上述した本発明の製造方法では、フォトリ
ソグラフィ法を用いずに高い寸法精度でブラックマトリ
ックス層を形成することが可能になる。フォトリソグラ
フィ法では、対象となる1つの層をパターニングするた
めに、レジスト層の形成、マスクを用いた露光、
レジスト層の現像、エッチング、レジスト層の除
去、という5つの段階が必要になり、しかも、塵埃の影
響を避けるために、これらの段階をすべてクリーンルー
ム内で行う必要があり、高価な設備が必要になる。上述
した本発明の製造方法では、比較的安価な設備を用いた
簡便なプロセスでブラックマトリックス基板を製造する
ことが可能になる。
【0037】<その他の実施例>これまで述べた実施例
は、図12(a) に示すように、透明基板300上にCr
層310を形成してなるブラックマトリックス基板に、
本発明を適用したものである。すなわち、図12(b) に
示すように、Cr層310の上面にクロムの弗素化合物
膜320を形成することにより、表面の「ぬれ性」を改
善した。ただ、本発明は、図12(a) に示すようなCr
層310のみからなるブラックマトリックス基板への適
用に限定されるものではなく、多層構造をもったブラッ
クマトリックス基板へも同様に適用しうるものである。
たとえば、図12(a) に示す構造とともに、図13(a)
や図14(a) に示す構造をもったブラックマトリックス
基板も従来から用いられている。これらの基板では、C
r層310とCrOx層315との多層構造により、ブ
ラックマトリックス層が形成されている。CrOx層3
15は茶黒色をしており、反射率が低いという特徴を有
する。このため、図13(a) に示すように、透明基板3
00側にCrOx層315を形成し、その上にCr層3
10を形成する二層構造にすれば、透明基板300側か
ら観察するディスプレイ装置として用いた場合、表面の
反射を低減させた見やすいディスプレイが実現できる。
また、図14(a) に示すように、Cr層310の上下両
方にCrOx層315を設けたサンドイッチ構造にする
と、バックライト付きのディスプレイ装置として用いた
場合に、バックライトの反射を防ぎ、TFT素子の光電
特性への悪影響を防ぐというメリットが得られる。ここ
で、CrOx層315の「ぬれ性」は、Cr層310の
「ぬれ性」とほぼ同じである。本発明は、このような特
徴をもったブラックマトリックス基板にも適用可能であ
る。すなわち、図13(a) に示す構造をもったブラック
マトリックス基板に適用する場合には、図13(b) に示
すように、Cr層310の上面に弗素化合物膜320を
形成した構造にすれば「ぬれ性」の改善を図ることがで
き、図14(a) に示す構造をもったブラックマトリック
ス基板に適用する場合には、図14(b) に示すように、
上層側のCrOx層315の更に上面に弗素化合物膜3
20を形成した構造にすれば「ぬれ性」の改善を図るこ
とができる。要するに、本発明の基本思想は、ブラック
マトリックス層の最上層に、クロムの弗素化合物膜を形
成して「ぬれ性」を改善することにある。
【0038】ここでは、上述したブラックマトリックス
基板の製造方法の実施例についても、変形例をひとつ述
べておく。上述の実施例では、図11(a) に示すよう
に、カウフマン型イオン銃30から酸素イオンOを照
射し、弗素化合物膜21の一部(マスク板40の露出領
域)を酸素化合物膜22に置換し(図11(b) の構
造)、弗素化合物膜21と酸素化合物膜22とのエッチ
ングレートの相違を利用したエッチングを行い、図11
(c) に示す構造を得ていた。ここで述べる変形例では、
図11(a) に示す段階において、酸素イオンOを照射
する代わりに、アルゴンイオンArなどの不活性ガス
イオンを、マスク板40を通して照射する。このような
不活性ガスイオンの照射を受けた領域では、弗素化合物
膜21がスパッタリングを受けて除去されることにな
る。すなわち、弗素化合物膜21のうち、マスク板40
の露出領域の部分については、スパッタリングにより除
去され、その下層にあるCr材料層20が露出すること
になる。アルゴンイオンArの照射条件は、前述した
実施例における酸素イオンOの照射条件と全く同じで
ある。この後、Cr材料層20と弗素化合物膜21との
間で、エッチングレートの異なるエッチング方法(たと
えば、硝酸第2セリウムアンモン液を用いたエッチン
グ)を行えば、Cr材料層20のうちの露出領域だけが
エッチング除去され、図11(c) と同じ構造が得られ
る。
【0039】以上、本発明を図示するいくつかの実施例
に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能
である。たとえば、上述の実施例では、アクティブマト
リックス方式の液晶表示装置に用いるブラックマトリッ
クス基板を例にとって説明したが、本発明は単純マトリ
ックス方式の液晶表示装置に用いるブラックマトリック
ス基板にも適用可能である。また、上述の実施例では、
各カラーフィルタ層を縦横に配列するタイプのブラック
マトリックス基板を例にとって説明したが、カラーフィ
ルタ層の配列は、このような配列に限定されるものでは
なく、三角配列、ストライプ配列など、どのような配列
にしてもよい。また、上述の実施例では、図1に示すよ
うに、上部構造体1側にブラックマトリックス層を形成
し、上部構造体1側をブラックマトリックス基板として
用いる例を示したが、本発明は、これとは逆に、下部構
造体2側(すなわち、トランジスタ素子が形成されたア
クティブマトリックス基板側)にブラックマトリックス
層を形成し、下部構造体2側をアクティブマトリックス
基板兼ブラックマトリックス基板として用いる場合にも
適用可能である。要するに本発明における「ブラックマ
トリックス基板」とは、ブラックマトリックス層(画素
の境界領域に対応するパターンをもった遮光性層)が形
成された基板を広く含んでおり、本発明はこのような基
板すべてに適用可能である。また、上述した製造方法で
は、弗素や酸素といった元素の反応性粒子をイオンビー
ムとして材料層に照射しているが、マスク板を材料層上
に密着させることができれば、これらの元素をプラズマ
ガスの形で供給して反応させてもかまわない。
【0040】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係るブラックマト
リックス基板によれば、クロムからなるブラックマトリ
ックス層の上面に、クロムの弗素化合物膜を形成するよ
うにしたため、液状のカラーフィルタ材料を転写するの
に適した「ぬれ性」をもったブラックマトリックス基板
を実現することができる。また、本発明に係る製造方法
によれば、クロム材料層上に弗素化合物膜と酸素化合物
膜とを形成し、両膜のエッチングレートの差を利用して
パターニングするようにしたため、フォトリソグラフィ
法を用いる製造方法に比べて、より単純なプロセスでブ
ラックマトリックス基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なアクティブマトリックス液晶表示装置
の基本構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置における上部構造体1
の詳細な断面構造図である。
【図3】図2に示すブラックマトリックス層10の平面
図である。
【図4】図2に示す上部構造体1の中からブラックマト
リックス基板だけを抽出して示す断面構造図である。
【図5】適度な「ぬれ性」を有するブラックマトリック
ス基板に、液状のカラーフィルタ材料を転写した状態を
示す断面図である。
【図6】「ぬれ性」の悪いブラックマトリックス基板
に、液状のカラーフィルタ材料を転写した状態を示す断
面図である。
【図7】「ぬれ性」が良すぎるブラックマトリックス基
板に、液状のカラーフィルタ材料を転写した状態を示す
断面図である。
【図8】本発明の一実施例に係るブラックマトリックス
基板の構造断面図である。
【図9】図8に示すブラックマトリックス基板に、液状
のカラーフィルタ材料を転写した状態を示す断面図であ
る。
【図10】本発明に係るブラックマトリックス基板の製
造方法の前半のプロセスを示す工程断面図である。
【図11】本発明に係るブラックマトリックス基板の製
造方法の後半のプロセスを示す工程断面図である。
【図12】Cr層のみからなるブラックマトリックス層
に本発明を適用した例を示す断面図である。
【図13】Cr層とCrOx層との二重構造を有するブ
ラックマトリックス層に本発明を適用した例を示す断面
図である。
【図14】Cr層をCrOx層で挟んだサンドイッチ構
造を有するブラックマトリックス層に本発明を適用した
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…上部構造体 2…下部構造体 10…ブラックマトリックス層 11…Cr層 12…弗素化合物膜 15…溝部 20…Cr材料層 21…弗素化合物膜 22…酸素化合物膜 30…反応性粒子発生源(カウフマン型イオン銃) 40…マスク板 41…開口窓 100…ガラス基板 110…偏光板 120…カラーフィルタ層 121…液状のカラーフィルタ材料 125…保護層 130…共通電極 200…ガラス基板 210…偏光板 220…表示電極 230…トランジスタ素子 240…走査線 250…データ線 300…透明基板 310…Cr層 315…CrOx層 320…弗素化合物膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に画素の境界領域に対応するパタ
    ーンをもった遮光性のブラックマトリックス層を形成し
    てなるブラックマトリックス基板において、 前記ブラックマトリックス層の少なくとも上面部分をク
    ロムの弗素化合物層によって構成したことを特徴とする
    ブラックマトリックス基板。
  2. 【請求項2】 基板上に画素の境界領域に対応するパタ
    ーンをもった遮光性のブラックマトリックス層を形成し
    てなるブラックマトリックス基板において、 前記ブラックマトリックス層を、クロム層と、このクロ
    ム層の少なくとも上面に形成されたクロムの弗素化合物
    層と、によって構成したことを特徴とするブラックマト
    リックス基板。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のブラックマトリックス
    基板を製造する方法であって、 基板上にクロムからなる材料層を形成し、 前記材料層の表面に対して弗素を作用させ、前記材料層
    の表面にクロムの弗素化合物膜を形成し、 ブラックマトリックス層を形成しない領域に対応する形
    状の開口窓が形成されたマスク板により、前記弗素化合
    物膜の一部分だけを前記開口窓から露出させ、この露出
    部分に酸素を作用させて酸素化合物膜を形成し、 前記弗素化合物膜に対するエッチングレートに比べ、前
    記材料層および前記酸素化合物膜に対するエッチングレ
    ートが、パターン形成を行うのに十分なだけ大きくなる
    ようなエッチングを行い、マスク板の開口窓に対応する
    領域について材料層を除去し、 前記弗素化合物膜およびこれに覆われている前記材料層
    をブラックマトリックス層として残すことを特徴とする
    ブラックマトリックス基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法において、 材料層の表面に弗素化合物膜を形成した後、イオン銃か
    ら前記弗素化合物膜に対してほぼ垂直な方向から酸素イ
    オンを照射し、この照射経路の途中にマスク板を、前記
    弗素化合物膜に対してほぼ平行になるように配置するこ
    とにより、前記マスク板の開口窓に対応する領域に酸素
    化合物膜を形成することを特徴とするブラックマトリッ
    クス基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のブラックマトリックス
    基板を製造する方法であって、 基板上にクロムからなる材料層を形成し、 前記材料層の表面に対して弗素を作用させ、前記材料層
    の表面にクロムの弗素化合物膜を形成し、 ブラックマトリックス層を形成しない領域に対応する形
    状の開口窓が形成されたマスク板により、前記弗素化合
    物膜の一部分だけを前記開口窓から露出させ、この露出
    部分に不活性ガスイオンを作用させて弗素化合物膜を除
    去し、前記開口窓に対応する領域に前記材料層を露出さ
    せ、 前記弗素化合物膜に対するエッチングレートに比べ、前
    記材料層に対するエッチングレートが、パターン形成を
    行うのに十分なだけ大きくなるようなエッチングを行
    い、マスク板の開口窓に対応する領域について材料層を
    除去し、 前記弗素化合物膜およびこれに覆われている前記材料層
    をブラックマトリックス層として残すことを特徴とする
    ブラックマトリックス基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の製造方法において、 材料層の表面に弗素化合物膜を形成した後、イオン銃か
    ら前記弗素化合物膜に対してほぼ垂直な方向からアルゴ
    ンイオンを照射し、この照射経路の途中にマスク板を、
    前記弗素化合物膜に対してほぼ平行になるように配置す
    ることにより、前記マスク板の開口窓に対応する領域の
    弗素化合物膜をスパッタ法により除去することを特徴と
    するブラックマトリックス基板の製造方法。
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