JPH0723418B2 - アスフアルト配合ポリウレタンフオ−ムの製造方法 - Google Patents

アスフアルト配合ポリウレタンフオ−ムの製造方法

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JPH0723418B2
JPH0723418B2 JP61166310A JP16631086A JPH0723418B2 JP H0723418 B2 JPH0723418 B2 JP H0723418B2 JP 61166310 A JP61166310 A JP 61166310A JP 16631086 A JP16631086 A JP 16631086A JP H0723418 B2 JPH0723418 B2 JP H0723418B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、シール材、防音防振材料等に好適に用いられ
るアスファルト配合ポリウレタンフォームの新規な製造
方法に関する。
従来の技術 車両、土木用のシール材、車両や一般産業用の防音防振
材料として、従来よりアスファルト配合ポリウレタンフ
ォームが使用されている。
このアスファルト配合ポリウレタンフォームの製造方法
としては、 連続気泡を有する軟質ポリウレタンフォームに対
し、アスファルトを溶融して含浸する方法、アスファル
ト水性エマルジョンを含浸し乾燥する方法、更には溶剤
に溶解したアスファルト溶液を含浸し乾燥する方法(以
下、「含浸法」と呼ぶ)、 エチレンオキサイド含有率15%以上の親水性ポリエ
ーテルポリオールを有機イソシアネートと反応させてウ
レタンプレポリマーを得、これとアスファルトの水性エ
マルジョンとを反応発泡させる方法(以下、「発泡法
A」と呼ぶ)、 ポリブタジェンポリオール等のアスファルトと相溶
するポリオールにあらかじめアスファルトを相溶ブレン
ドし、これに有機イソシアネートやその他の成分を混合
して発泡させる方法(以下、「発泡法B」と呼ぶ)、 等が従来より知られている。
これらの製造方法によれば、いずれもアスファルトによ
る止水性や防音防振性を備えたアスファルト配合ポリウ
レタンフォームを得ることができる。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上述の製造方法のうちの含浸法は、あ
らかじめ発泡させたフォームにアスファルトを含浸して
加工するため、発泡法に比べて製造工程が2工程とな
り、製造コストが割高になる上、含浸により付着したア
スファルトが高温時に溶け出し、べた付きや汚染等が生
じるという問題点があった。
また、の発泡法Aはポリウレタンフォームを製造する
ときにあらかじめアスファルトの水性エマルジョンを別
途準備しておく必要があり、フォーム製造に手間を要す
る。しかも、アスファルトの水性エマルジョンを用いる
ことから、同一のプレポリマーを使用してポリウレタン
フォームの密度を自由にコントロールすることが困難で
あり、得られるフォームを多様化させ難いという面で不
利である。更には、ポリエーテルポリオール発泡時のア
スファルトの水性エマルジョンとの相溶性の面から、エ
チレンオキサイド含有率15%以上という親水性のポリエ
ーテルポリオールを用いなければならず、使用できるポ
リオール類が限定されるとともに、得られるフォームが
水と接触した時に膨潤し、寸法安定性に欠けるという点
があった。
また、の発泡法Bは、特殊なポリオールを使用するた
め、出来上がったフォームが高価なものとなり、アスフ
ァルト複合化の利点である低価格化の目的が達せられ
ず、実用性がなかった。
また、汎用ポリウレタンフォームにアスファルトを複合
したアスファルト配合ポリウレタンフォームを発泡法に
より製造する試みも従来より種々提案されているが、汎
用ポリウレタンフォームの主原料であるポリオキシアル
キレンポリオールとアスファルトとは互に相溶せず、分
離してしまうことから、現実的には成功した例は殆どな
いものであった。
この点に鑑み、本出願人は、先にアスファルトが有機イ
ソシアネートと相溶することに着目し、ポリオキシアル
キレンポリオールと有機イソシアネートとをあらかじめ
反応させてプレポリマーとし、このプレポリマーにアス
ファルトを溶解ブレンドし、これに水及び架橋剤を混合
反応させて発泡させるという製造方法を提案した(特開
昭61−91213号)。
しかし、この方法は、プレポリマーとアスファルトとの
ブレンド物の粘度がアスファルトの配合量の増加に伴っ
て上昇するため、溶解し得るアスファルト量に限度があ
り、また、プレポリマーとアスファルトとのブレンド物
が経時で増粘し、発泡が不安定になるという問題があっ
た。
このため、アスファルトをより多くしかも安定に配合し
得、シール材や防音防振材料として好適に使用されるア
スファルト配合ポリウレタンフォームを簡単に生産効率
良く製造することができる新しい製造方法の開発が要望
されていた。
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、シ
ール材、防音防振材料等としての性能に優れたアスファ
ルト配合ポリウレタンフォームを簡単に生産効率良く製
造する新規な方法を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段及び作用 即ち、本発明者らは、ポリウレタンフォームにアスファ
ルトを簡単にかつ安定に混合する方法について鋭意研究
を重ねた結果、上述したように石油系アスファルトは一
般的なウレタンフォーム原料であるポリオキシアルキレ
ンポリオールと相溶せず、分離してしまうため、ポリオ
ール中にアスファルトを混合して発泡することはでき
ず、また、アスファルトは有機イソシアネートとは相溶
するためイソシアネート中に溶解発泡することはできる
が、ポリオキシアルキレンポリオールの量に対し使用す
る有機イソシアネートは量的に少なく、このため溶解し
得るアスファルト量も最終的なウレタンフォーム樹脂量
に対して少なくなり、シール材、防音防振材料として適
したフォームを作り得ないものであるが、ポリオキシア
ルキレンポリオール、有機イソシアネート、水、触媒、
整泡剤等のポリウレタンフォーム製造原料を発泡機の撹
拌混合室内に導入してこれら原料を混合し、発泡させて
ポリウレタンフォームを製造するときに、この発泡機の
撹拌混合室内にあらかじめ加熱溶融したアスファルトを
導入することにより、上述のポリウレタンフォーム製造
原料とアスファルトとが強制的に撹拌、混和され、ポリ
ウレタンフォーム製造原料とアスファルトとが分離する
ことなく相溶し、これを発泡させることにより、ポリウ
レタンフォーム中にアスファルトが均質に混合された高
品質のアスファルト配合ポリウレタンフォームが得られ
ると共に、アスファルトを多量に配合しても混合物の粘
度が上昇したり、経時で増粘して発泡が不安定になるこ
ともなく、一般物性、音振特性等にすぐれ、シール材、
防音防振材料に適したアスファルト配合ポリウレタンフ
ォームを簡単に生産効率良く製造できることを知見し、
本発明をなすに至った。
従って、本発明は、ポリオキシアルキレンポリオールと
有機イソシアネートとを各々単一成分として又はプレポ
リマーとして含むポリウレタンフォーム発泡原料を発泡
機の撹拌混合室内に導入すると共に、あらかじめ加熱溶
融したアスファルトを該発泡機の撹拌混合室内に導入
し、これらポリウレタンフォーム発泡原料と加熱溶融し
たアスファルトとを混合した後、これを発泡させること
を特徴とするアスファルト配合ポリウレタンフォームの
製造方法を提供する。
以下、本発明につきに更に詳述する。
本発明のアスファルト配合ポリウレタンフォームの製造
方法は、ポリウレタンフォーム製造原料としてポリオキ
シアルキレンポリオール、有機イソシアネート、更には
水、触媒、整泡剤等を使用する。
ここで、本発明に用いられるポリオキシアルキレンポリ
オールとしては、通常のポリウレタンフォームの製造に
用いられるポリオキシアルキレンポリオールを使用し
得、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリストール等の多価アルコールにエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のア
ルキレンオキサイドを単独で又は二種以上を併用して付
加重合したものなどが例示される。なお、これらポリオ
キシアルキレンポリオールは、一種を単独で使用しても
二種以上を併用して配合してもよい。また、本発明に使
用される有機イソシアネートは、特に制限されないが、
2個以上のイソシアネート基を同一分子中に含有する脂
肪族及び芳香族系ポリイソシアネート単量体混合物及び
それらの変性物等が好ましい。具体的には、脂肪族イソ
シアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサ
ンジイソシアネート等があり、芳香族イソシアネートと
しては、トリレンジイソシアネート(2,4−及び/又は
2,6−異性体)、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ナフタレンジイソシアネート、アニリンとホルムアルデ
ヒドとの低重縮合物とホスゲンとの反応によって得られ
る多価ポリイソシアネート等が挙げられる。これらのポ
リイソシアネートのうちでは、トリレンジイソシアネー
トの異性体比、即ち2,4−体と2,6−体との混合比(重量
比)が80:20ないし65:35のものが一般に有用性が高いと
共に、廉価で入手し易いため、好ましく用いられる。な
お、これら有機イソシアネートは、その一種を単独で使
用しても二種以上を併用してもよい。
ここで、上述のポリオキシアルキレンポリオールと有機
イソシアネートは、各々単一成分として配合してもよい
が、必要に応じあらかじめポリオキシアルキレンポリオ
ールと有機イソシアネートとを反応させてプレポリマー
とし、このプレポリマーを他の成分と配合してもよい。
なお、有機イソシアネートの配合量は、ポリオキシアル
キレンポリオール100重量部に対し、通常20〜80重量部
とすることができる。
更に、ポリウレタンフォーム製造原料として配合される
水は、有機イソシアネートと反応して二酸化炭素を発生
し、発泡剤として作用するものであり、その配合量は最
終的なフォームの密度をどの程度に設定するかにより種
々選択されるが、一般的にはポリオキシアルキレンポリ
オール100重量部に対し1〜5重量部が好ましい。この
場合、発泡剤として水以外にフレオン等の揮発性溶剤等
を補助的に配合し、効果を高めることができる。
また、ポリウレタンフォーム製造原料として用いられる
触媒及び整泡剤は、種々選択されるが、触媒としては各
種アミン、錫系等の触媒が、整泡剤としてはシリコーン
系界面活性剤等が好適に使用され、これら触媒及び整泡
剤を配合することで、良好なポリウレタンフォームを得
ることができる。ここで、触媒及び整泡剤の配合量は別
に限定されないが、ポリオキシアルキレンポリオール10
0重量部に対して触媒は0.1〜1重量部、整泡剤は5〜20
重量部配合することが好ましい。
なお、ポリウレタンフォーム製造原料としては、上述し
た成分以外に、必要に応じ、炭酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、カオリン、クレー、タルク等のフィラーを添加す
ることができ、またエチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多
官能架橋剤を添加して、発泡の安定性や最終的なフォー
ムの硬度をコントロールすることができる。
本発明の製造方法においては、上述のポリウレタンフォ
ーム製造原料と、あらかじめ加熱溶融したアスファルト
とを発泡機の撹拌混合室内にそれぞれ導入し、これらを
混合した後、発泡させるものである。
ここで、本発明に用いられるアスファルトとしては、フ
ォームの使用目的等に応じ種々選択され、例えばアスフ
ァルト基原油を蒸留した残留物として得られるストレー
トアスファルト、これに加熱空気を送入して酸化重合さ
せたプローンアスファルトなどや、これらの各種アスフ
ァルトに溶剤を入れて粘度を低くしたいわゆるカットバ
ックアスファルトを使用することができる。なお、これ
らのアスファルトの針入度は高い方が取り扱い易いた
め、針入度60以上のものを用いるのが好ましい。アスフ
ァルトの針入度が低すぎると、流動性を得るために高温
加熱する必要があり、発泡させる際に反応をコントロー
ルするのが困難になる場合が生じる。
これらアスファルトの配合量は、ポリオキシアルキレン
ポリオール100重量部に対して5〜200重量部とすること
ができ、本発明では多量のアスファルトを配合すること
ができるが、特に伸び率等の一般物性にすぐれたフォー
ムを得る点からは80〜120重量部の配合量とすることが
好ましい。
ここで、アスファルトはあらかじめ加熱溶融して発泡機
の撹拌混合室内に導入するものであり、このアスファル
ト溶融供給時の温度は使用するアスファルトの針入度、
軟化点により種々異なり、特に限定されるものではない
が、アスファルト溶融供給時にアスファルトが充分流動
性を持ち、またフォーム生成時の化学反応のバランスを
保つ点から、100〜120℃が好ましい。
本発明の製造方法は、上述の如くポリウレタンフォーム
の製造原料を発泡機の撹拌混合室内に導入して混合し、
発泡させる際に、あらかじめ加熱溶融したアスファルト
をこの発泡機の撹拌混合室内に導入し、これらポリウレ
タンフォーム製造原料とアスファルトとを該混合室内で
強制的に撹拌、混和して発泡させるものであり、このよ
うにアスファルトを加熱溶融し、発泡機の撹拌混合室内
に導入することにより、ポリウレタンフォーム製造原料
とアスファルトとが機械的に強制撹拌されて混合され、
これらが分離することなく容易に相溶すると共に、多量
のアスファルトを配合しても粘度が上昇したり、経時で
増粘して発泡が不安定になることもなく、すぐれた品質
のアスファルト配合ポリウレタンフォームを得ることが
できるものである。
発明の効果 以上説明したように、本発明の製造方法によれば、ポリ
ウレタンフォーム製造原料とアスファルトとが分離する
ことなく相溶し、更にアスファルトを多量に配合するこ
とができるので、一般物性、音振特性等にすぐれ、シー
ル材、防音防振材料に適したアスファルト配合ポリウレ
タンフォームを簡単に製造効率良く製造することができ
る。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
〔実施例1〕 第1成分としてグリセリンを出発原料としてプロピレン
オキサイドを付加することによって得られた分子量300
0、3官能のポリオール、第2成分としてイソシアネー
ト、第3成分として水、アミン触媒、架橋剤及びシリコ
ーン系界面活性剤、第4成分としてジオクチルフォスフ
ェート(DOP)で希釈した錫系触媒を用い、これらを第
1表に示す配合比で定量的に発泡機の撹拌混合室に導入
すると共に、この発泡機撹拌混合室に、第5成分として
上記第1成分と第2成分の総和量と同量のストレートア
スファルト(針入度60〜80)を100℃に加熱溶融したも
のを別ストリームで導入し、これら成分を混合し、吐出
した。この吐出した混合液は5秒後にクリーム状とな
り、以後発泡し、2分後にこの発泡が完了して、アスフ
ァルト配合軟質ポリウレタンフォームが生成した。
このアスファルト配合ポリウレタンフォームの一般物性
は第2表に示す通りであり、良好な品質を有していた。
〔比較例1〕 実施例1と同様のグリセリンを出発原料としてプロピレ
ンオキサイドを付加した分子量3,000、3官能のポリオ
ール100重量部に対し加熱溶融したストレートアスファ
ルト(針入度150〜200)100重量部を溶かし込むことを
試みた。しかし、両成分は相溶せず、分離ゲル化して発
泡しなかった。
また、ポリオールの出発原料をエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチロールプロパンに変えた
り、プロピレンオキサイドの代わりにエチレンオキサイ
ドを付加させたり、ポリオールの分子量を2,000〜7,000
に変えて同様の方法を試みたが、やはり発泡しなかっ
た。
〔実施例2〕 実施例1と同様の成分を用い、プレポリマー法によりア
スファルト配合ポリウレタンフォームを得た。即ち、第
1成分と第2成分とをあらかじめ反応させて末端基がNC
Oのプレポリマーを作成した後、これを発泡機撹拌混合
室に送入した。次いで、第3成分、第4成分と第5成分
である加熱溶融したアスファルトを実施例1と同様の方
法で発泡機撹拌混合室に送入し、これら成分を混合し、
発泡させた。
ここで得られたアスファルト配合ポリウレタンフォーム
は実施例1のアスファルトフォームより通気性が低いも
のであったが、実施例1と同様に良好な物性を示した。
〔比較例2〕 実施例2と同様にして作成したプレポリマーに第5成分
のアスファルトを加熱溶融して溶かし込み、これに第3
成分と第4成分を実施例1と同様に混合し、発泡させ、
アスファルト配合ポリウレタンフォームを得た。
このアスファルト配合ポリウレタンフォームは良好な物
性であったが、40℃で24時間放置すると、増粘(粘度2
0,000センチポイズ以上)して使用不可能となった。
〔実施例3〕 実施例2と同様のプレポリマー100重量部にフィラーと
して硫酸バリウム80重量部を加え、以下実施例2と同様
の方法でアスファルト配合ポリウレタンフォームを得
た。
得られたアスファルト配合ポリウレタンフォームの音振
特性を下記条件のメカニカルインピーダンス法で測定し
たところ、図面に示す通り、このアスファルト配合ポリ
ウレタンフォームは防音、防振性にすぐれていた。
メカニカルインピーダンス法 インピーダンスヘッドを用いたビームの 中点指示 温度:20℃ フォーム厚:10mm 鉄板厚:0.8mm
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明方法によって作られたアスファルト配合
ポリウレタンフォームの一例の音振特性を示すグラフで
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシアルキレンポリオールと有機イ
    ソシアネートとを各々単一成分として又はプレポリマー
    として含むポリウレタンフォーム発泡原料を発泡機の撹
    拌混合室内に導入すると共に、あらかじめ加熱溶融した
    アスファルトを該発泡機の撹拌混合室内に導入し、これ
    らポリウレタンフォーム発泡原料と加熱溶融したアスフ
    ァルトとを混合した後、これを発泡させることを特徴と
    するアスファルト配合ポリウレタンフォームの製造方
    法。
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