JPH0723397B2 - 人尿トリプシンインヒビターおよび人尿カリクレインの濃縮分離方法 - Google Patents
人尿トリプシンインヒビターおよび人尿カリクレインの濃縮分離方法Info
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- JPH0723397B2 JPH0723397B2 JP59116861A JP11686184A JPH0723397B2 JP H0723397 B2 JPH0723397 B2 JP H0723397B2 JP 59116861 A JP59116861 A JP 59116861A JP 11686184 A JP11686184 A JP 11686184A JP H0723397 B2 JPH0723397 B2 JP H0723397B2
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- C12N9/14—Hydrolases (3)
- C12N9/48—Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
- C12N9/50—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
- C12N9/64—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue
- C12N9/6421—Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
- C12N9/6424—Serine endopeptidases (3.4.21)
- C12N9/6445—Kallikreins (3.4.21.34; 3.4.21.35)
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
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- C07K14/8107—Endopeptidase (E.C. 3.4.21-99) inhibitors
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- C07K14/8114—Kunitz type inhibitors
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は尿中の人尿トリプシンインヒビター(以下HUTI
と略称する)および人尿カリクレイン(以下HUKNと略称
する)を一つの吸着体により同時にしかも工業的規模で
収率よく取得する方法に関するものである。
と略称する)および人尿カリクレイン(以下HUKNと略称
する)を一つの吸着体により同時にしかも工業的規模で
収率よく取得する方法に関するものである。
(従来の技術) 尿中トリプシンインヒビターは哺乳動物の尿中に存在す
る1種の酵素であり、由来する動物の種類によってその
性質が若干異なることが知られている(Carlson:Enzyme
18,176(1974))。HUTIは分子量68000、等電点pH2−3
の糖蛋白質であり特にトリプシン、キモトリプシン、プ
ラスミン(須見ら:日本生理誌39,53(1977))、人エ
ラスターゼ(ジョンソンら:Hoppe Seyler′s Z.physio
l.chem.363,1167(1982))などを阻害することから抗
炎症性薬剤となる可能性があり、またインフルエンザウ
イルスの増殖を抑制するともいわれている(特公昭57−
140728)。
る1種の酵素であり、由来する動物の種類によってその
性質が若干異なることが知られている(Carlson:Enzyme
18,176(1974))。HUTIは分子量68000、等電点pH2−3
の糖蛋白質であり特にトリプシン、キモトリプシン、プ
ラスミン(須見ら:日本生理誌39,53(1977))、人エ
ラスターゼ(ジョンソンら:Hoppe Seyler′s Z.physio
l.chem.363,1167(1982))などを阻害することから抗
炎症性薬剤となる可能性があり、またインフルエンザウ
イルスの増殖を抑制するともいわれている(特公昭57−
140728)。
一方カリクレインは動物の生体内各部で生産される蛋白
質分解酵素で血清中のキニノーゲンを分解してキニンを
生成させ、それを介して血圧降下、血流量増加などの作
用を有する物質である。両者とも従来異種動物を起源と
して分離され医薬品としての利用が試みられている。特
にカリクレインは豚のすい臓及び尿を原料として製造さ
れて来た。しかしこれらは異種蛋白であるので抗原性を
有し 臨床に使用した場合、頻回投与によりしばしばアナフイ
ラキシーを生じ安全性に問題があった。人尿を減量とす
るHUTI及びHUKNは同種蛋白であるため、上記の人体に対
する副作用は生じないと考えられる。
質分解酵素で血清中のキニノーゲンを分解してキニンを
生成させ、それを介して血圧降下、血流量増加などの作
用を有する物質である。両者とも従来異種動物を起源と
して分離され医薬品としての利用が試みられている。特
にカリクレインは豚のすい臓及び尿を原料として製造さ
れて来た。しかしこれらは異種蛋白であるので抗原性を
有し 臨床に使用した場合、頻回投与によりしばしばアナフイ
ラキシーを生じ安全性に問題があった。人尿を減量とす
るHUTI及びHUKNは同種蛋白であるため、上記の人体に対
する副作用は生じないと考えられる。
HUTIの従来からの濃縮精製法としては、トリクロロ酢
酸、硫酸アンモン、メタノールを組合せた沈澱法(N.R.
Shulman:J.B.C.213,655(1955))、ベントナイトを用
いる方法(T.A.Astrup:Scan.J.Clin.Lab.Invest.11,181
(1959))、DEAE−セルローズを用いる方法(G.J.Prok
sch:J.Lab&Clin.Med.79,491(1972))、固定化トリプ
シンを用いる方法(特開昭51−123810)などの方法があ
る。またHUKNの従来からの濃縮精製法にはシリカゲルを
用いる方法(特公昭46−19067)、アルギニン−セファ
ロースを用いる方法(特開昭55−99151)、WA−30など
のマクロポーラス型イオン交換樹脂を用いる方法(特開
昭50−5515)などが知られ、また本発明者らによるキト
サンを吸着剤として使用するHUKNの濃縮精製法(特開59
−6883)が知られている。さらにHUTIとHUKNの両者を同
時に濃縮する方法としてはアルギニン−セファロースを
用いる須見らの方法(須見洋行ら:医学と生物学vol.10
0(1)(1980))が知られている。
酸、硫酸アンモン、メタノールを組合せた沈澱法(N.R.
Shulman:J.B.C.213,655(1955))、ベントナイトを用
いる方法(T.A.Astrup:Scan.J.Clin.Lab.Invest.11,181
(1959))、DEAE−セルローズを用いる方法(G.J.Prok
sch:J.Lab&Clin.Med.79,491(1972))、固定化トリプ
シンを用いる方法(特開昭51−123810)などの方法があ
る。またHUKNの従来からの濃縮精製法にはシリカゲルを
用いる方法(特公昭46−19067)、アルギニン−セファ
ロースを用いる方法(特開昭55−99151)、WA−30など
のマクロポーラス型イオン交換樹脂を用いる方法(特開
昭50−5515)などが知られ、また本発明者らによるキト
サンを吸着剤として使用するHUKNの濃縮精製法(特開59
−6883)が知られている。さらにHUTIとHUKNの両者を同
時に濃縮する方法としてはアルギニン−セファロースを
用いる須見らの方法(須見洋行ら:医学と生物学vol.10
0(1)(1980))が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記の方法中、単独にHUTIまたはHUKNを精製するものは
経費および操作上の綿で必ずしも満足できるものではな
く、両者を同時に濃縮する方法も工業的規模で実施する
には吸着剤が高価であり、操作も煩雑である。
経費および操作上の綿で必ずしも満足できるものではな
く、両者を同時に濃縮する方法も工業的規模で実施する
には吸着剤が高価であり、操作も煩雑である。
(問題を解決するための手段) そこで本発明者らは尿中の有効成分であるHUTIとHUKNを
1つの吸着剤で同時にしかも工業的規模で採取した後、
両者をアフイニテイクロマトグラフィーを応用して分離
精製するという発想で以下の研究を行なった。
1つの吸着剤で同時にしかも工業的規模で採取した後、
両者をアフイニテイクロマトグラフィーを応用して分離
精製するという発想で以下の研究を行なった。
本発明者らは各種無機吸着剤、イオン交換体、たん白凝
集剤などの材料についてHUTIおよびHUKNの吸着率、精製
度をつぎのように比較検討した。なお各材料で尿を処理
するに当り、(1)2つの有効成分を同時に吸着させる
ことを考慮して原尿量の2%の材料を添加した、(2)
尿のpHは4.5以下にすると尿中のウロペプシノーゲンが
活性化され、HUTIが低分子化されるため、pH5.0以上のp
Hで行なった。同一正常人尿を1ずつに分割して試料
とし(アンモニアアルカリ性の場合は中和後)、各材料
20gずつを用いて吸着、ついで溶出して水で十分透析し
た溶出液中のHUTI、HUKNおよびたん白質量を測定して回
収率と比活性を算出して表−1の結果を得た。
集剤などの材料についてHUTIおよびHUKNの吸着率、精製
度をつぎのように比較検討した。なお各材料で尿を処理
するに当り、(1)2つの有効成分を同時に吸着させる
ことを考慮して原尿量の2%の材料を添加した、(2)
尿のpHは4.5以下にすると尿中のウロペプシノーゲンが
活性化され、HUTIが低分子化されるため、pH5.0以上のp
Hで行なった。同一正常人尿を1ずつに分割して試料
とし(アンモニアアルカリ性の場合は中和後)、各材料
20gずつを用いて吸着、ついで溶出して水で十分透析し
た溶出液中のHUTI、HUKNおよびたん白質量を測定して回
収率と比活性を算出して表−1の結果を得た。
上記の結果からHUTIおよびHUKNを同時に50%以上の収率
で回収する吸着剤はNO.8のキトサンとNO.15のアルギニ
ン−セファロースであることを見出した。吸着剤キトサ
ンについては本発明者らがHUKNについて特許出願したが
(特開59−6883)、さらにこの結果により(1)尿に添
加するキトサンの量を2%以上にする。(2)溶出液の
アンモニアの濃度を3%にすることによりHUKN以外にHU
TIをも収量よく抽出され得ることを見出した。しかしそ
の代償としてHUKNの比活性は約1/4程度に低下する。こ
れは逆に尿中に多量に存在するHUTIがキトサンに同時に
吸着溶出されたことを意味する。本発明は上記の発見に
もとずくもので、人尿にキトサンをpH4.5〜6.5で接触さ
せ、尿中のHUTIおよびHUKNを選択的にキトサンに吸着さ
せついで吸着体からアルカリ性水溶液で両成分を溶出
し、所望により溶出液から両成分を分離することを特徴
とするHUTIおよびHUKNの濃縮分離方法である。
で回収する吸着剤はNO.8のキトサンとNO.15のアルギニ
ン−セファロースであることを見出した。吸着剤キトサ
ンについては本発明者らがHUKNについて特許出願したが
(特開59−6883)、さらにこの結果により(1)尿に添
加するキトサンの量を2%以上にする。(2)溶出液の
アンモニアの濃度を3%にすることによりHUKN以外にHU
TIをも収量よく抽出され得ることを見出した。しかしそ
の代償としてHUKNの比活性は約1/4程度に低下する。こ
れは逆に尿中に多量に存在するHUTIがキトサンに同時に
吸着溶出されたことを意味する。本発明は上記の発見に
もとずくもので、人尿にキトサンをpH4.5〜6.5で接触さ
せ、尿中のHUTIおよびHUKNを選択的にキトサンに吸着さ
せついで吸着体からアルカリ性水溶液で両成分を溶出
し、所望により溶出液から両成分を分離することを特徴
とするHUTIおよびHUKNの濃縮分離方法である。
キトサンと接触させる人尿のpHは4.5〜6.5好ましくはpH
5.5に調製するのがよい。本法の減量として使用する人
尿は原尿そのままでもよいが、望ましくは、あらかじめ
水酸化ナトリウムなどのアルカリ液でpH8.5に調整し夾
雑ムコ多糖類などの不純物を沈澱除去した尿または原尿
中の他の有効成分、例えばウロキナーゼなどを採取した
後のHUTIおよびHUKN含有の尿を前記のpHに調整してキト
サンと接触させる。
5.5に調製するのがよい。本法の減量として使用する人
尿は原尿そのままでもよいが、望ましくは、あらかじめ
水酸化ナトリウムなどのアルカリ液でpH8.5に調整し夾
雑ムコ多糖類などの不純物を沈澱除去した尿または原尿
中の他の有効成分、例えばウロキナーゼなどを採取した
後のHUTIおよびHUKN含有の尿を前記のpHに調整してキト
サンと接触させる。
キトサンの使用量は尿1当り20〜30gすなわち2〜3
%(W/V)、好ましくは約25gすなわち約2.5%(W/V)程
度がよい。上記の%(W/V)はキトサンの重量(g)/
尿の体積(cm3)の比率を示す。人尿中のHUTIおよびHUK
Nはキトサンに接触させることにより選択的にキトサン
に吸着される。
%(W/V)、好ましくは約25gすなわち約2.5%(W/V)程
度がよい。上記の%(W/V)はキトサンの重量(g)/
尿の体積(cm3)の比率を示す。人尿中のHUTIおよびHUK
Nはキトサンに接触させることにより選択的にキトサン
に吸着される。
吸着体を取し、必要に応じて水洗後、アルカリ性水溶
液で溶出する。アルカリ性水溶液は10.5〜12.0の範囲の
pHを持つのが望ましく、例えば2〜3Nアンモニア水を用
いてもよい。
液で溶出する。アルカリ性水溶液は10.5〜12.0の範囲の
pHを持つのが望ましく、例えば2〜3Nアンモニア水を用
いてもよい。
吸着体からHUTIおよびHUKNはアルカリ性水溶液により同
時に脱着、溶出される。
時に脱着、溶出される。
溶出液中に移行したHUTIおよびHUKNは、所望により、ア
プロチニン−アフイニテイクロマトグラフィーやトリプ
シン−アフイニテイクロマトグラフィーのようなアフイ
ニテイクロマトグラフィーによって互に分離採取するこ
とができる。
プロチニン−アフイニテイクロマトグラフィーやトリプ
シン−アフイニテイクロマトグラフィーのようなアフイ
ニテイクロマトグラフィーによって互に分離採取するこ
とができる。
(作用) 本発明においてキトサンは所定のpHにおいて人尿中のHU
TIおよびHUKNを同時に選択的に吸着する吸着剤として、
アルカリ性水溶液は両成分を同時に脱着する溶出剤とし
て作用し、これらの作用が相まって人尿中から両成分を
簡単に濃縮分離することを可能にするものである。
TIおよびHUKNを同時に選択的に吸着する吸着剤として、
アルカリ性水溶液は両成分を同時に脱着する溶出剤とし
て作用し、これらの作用が相まって人尿中から両成分を
簡単に濃縮分離することを可能にするものである。
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 健康な成人男子尿10lに攪拌しながら2N−塩酸を加えてp
H5.5に調整した。これにキトサン250gを加え、1時間攪
拌してHUTI及びHUKNを吸着したキトサンを過して採集
し、水で洗浄した後、3N−アンモニア水で吸着分を溶出
し、溶出液400mlを得た。得られたHUTIの総活性は47200
阻害単位(回収率65%)純度は310阻害単位/mg(たん白
質)であった。
H5.5に調整した。これにキトサン250gを加え、1時間攪
拌してHUTI及びHUKNを吸着したキトサンを過して採集
し、水で洗浄した後、3N−アンモニア水で吸着分を溶出
し、溶出液400mlを得た。得られたHUTIの総活性は47200
阻害単位(回収率65%)純度は310阻害単位/mg(たん白
質)であった。
実施例2 健康な成人男子尿10lに攪拌しながら2.5N−水酸化ナト
リウム液を滴下しpH8.5とし生じた沈澱を過して除去
した後2.5N−塩酸を攪拌しながら加え、pH5.0に調整し
た。これにキトサン300gを加え1時間攪拌しHUTI及びHU
KNを吸着させた後、過して吸着体を得た。2.5N−アン
モニア水でHUTI及びHUKNを溶出して抽出液382mlを得
た。得られたHUTIの総活性は48300阻害単位(回収率67
%)純度は322阻害単位/mg(たん白質)であった。一方
HUKNの総活性は1345単位(回収率78%)純度は90単位/m
g(たん白質)であった。
リウム液を滴下しpH8.5とし生じた沈澱を過して除去
した後2.5N−塩酸を攪拌しながら加え、pH5.0に調整し
た。これにキトサン300gを加え1時間攪拌しHUTI及びHU
KNを吸着させた後、過して吸着体を得た。2.5N−アン
モニア水でHUTI及びHUKNを溶出して抽出液382mlを得
た。得られたHUTIの総活性は48300阻害単位(回収率67
%)純度は322阻害単位/mg(たん白質)であった。一方
HUKNの総活性は1345単位(回収率78%)純度は90単位/m
g(たん白質)であった。
実施例3 健康成人男子尿20lに攪拌しながら2.5N−水酸化ナトリ
ウム液を滴下しpH8.5とし生じた沈澱を過して除去し
た後2.5N−塩酸を攪拌しながら加えpH5.5に調整し、こ
れにキトサン500gを加え1時間攪拌してHUTIおよびHUKN
を吸着させた。つぎにその吸着体から3N−アンモニア水
で溶出を行なって抽出液700mlを得た。得られたHUTIの
総活性は95200阻害単位(回収率66%)、純度は302阻害
単位/mg(たん白質)であった。またHUKNの総活性は278
9単位(回収率79%)純度は8.9単位であった。
ウム液を滴下しpH8.5とし生じた沈澱を過して除去し
た後2.5N−塩酸を攪拌しながら加えpH5.5に調整し、こ
れにキトサン500gを加え1時間攪拌してHUTIおよびHUKN
を吸着させた。つぎにその吸着体から3N−アンモニア水
で溶出を行なって抽出液700mlを得た。得られたHUTIの
総活性は95200阻害単位(回収率66%)、純度は302阻害
単位/mg(たん白質)であった。またHUKNの総活性は278
9単位(回収率79%)純度は8.9単位であった。
実施例4 実施例3の抽出液を0.5M塩化ナトリウム、0.1M炭酸水素
ナトリウム緩衝液pH8.0に対して透析し、同じ緩衝液で
平衡化したアプロチニン−セファロース(註)カラム
(直径3.0cm、高さ15cm)にトリプシン−セファロース
(註)カラム(直径30cm、高さ15cm)を連結させたカラ
ムを通過させた。アプロチニン−セファロースは0.5M塩
化ナトリウムを含む0.1M酢酸緩衝液(pH3.5)で溶出
し、HUKN−溶出液41mlを得た。トリプシン−セファロー
スカラムは0.5M塩化ナトリウムを含むグリシン塩酸緩衝
液pH2.6で溶出しHUTI−溶出液48mlを得た。得られたHUT
Iの総活性は69980阻害単位(回収率49%)純度は1320阻
害単位/mg(たん白質)であり、HUKNは全く含有されて
いなかった。HUKNの総活性は2084単位(回収率59%)純
度は825単位/mg(たん白質)であり、HUTIは全く含有さ
れていなかった。
ナトリウム緩衝液pH8.0に対して透析し、同じ緩衝液で
平衡化したアプロチニン−セファロース(註)カラム
(直径3.0cm、高さ15cm)にトリプシン−セファロース
(註)カラム(直径30cm、高さ15cm)を連結させたカラ
ムを通過させた。アプロチニン−セファロースは0.5M塩
化ナトリウムを含む0.1M酢酸緩衝液(pH3.5)で溶出
し、HUKN−溶出液41mlを得た。トリプシン−セファロー
スカラムは0.5M塩化ナトリウムを含むグリシン塩酸緩衝
液pH2.6で溶出しHUTI−溶出液48mlを得た。得られたHUT
Iの総活性は69980阻害単位(回収率49%)純度は1320阻
害単位/mg(たん白質)であり、HUKNは全く含有されて
いなかった。HUKNの総活性は2084単位(回収率59%)純
度は825単位/mg(たん白質)であり、HUTIは全く含有さ
れていなかった。
なお実施例1〜4におけるHUTIの阻害単位は田中らの方
法(Blochimica et.Biophysica Acta705,192(1982))
を用いて測定した。ただし使用したトリプシンはシグマ
社製牛トリプシン タイプIを用いた。
法(Blochimica et.Biophysica Acta705,192(1982))
を用いて測定した。ただし使用したトリプシンはシグマ
社製牛トリプシン タイプIを用いた。
またHUKNは本発明者らが人尿から抽出精製したHUKNを血
管拡張測定法(J.Biochemistry58,201(1965))により
単位を決定しこれを標準品として螢光合成基質法(J.Bi
ochemistry82,1495(1977))により測定した。
管拡張測定法(J.Biochemistry58,201(1965))により
単位を決定しこれを標準品として螢光合成基質法(J.Bi
ochemistry82,1495(1977))により測定した。
単白質量はLowry−Folin法を用いて牛血清アルブミンを
標準にして測定した。
標準にして測定した。
(註)トリプシン−セファロースおよびアプロチン−セ
ファロースの調製 トリプシン−セファロースおよびアプロチニン−セファ
ロースはトリプシンtype I(シグマ社(米))、アプロ
チニン(シヨーエ社(仏))、CNBR活性化セファロース
4B(フアルマシア,ジャパン社)を用いてP.Cuatrecasa
sの方法(J.Biol.Chem.245,3059(1970))で調製し
た。
ファロースの調製 トリプシン−セファロースおよびアプロチニン−セファ
ロースはトリプシンtype I(シグマ社(米))、アプロ
チニン(シヨーエ社(仏))、CNBR活性化セファロース
4B(フアルマシア,ジャパン社)を用いてP.Cuatrecasa
sの方法(J.Biol.Chem.245,3059(1970))で調製し
た。
実施例5 実施例3と同様にしてアンモニア水抽出液720mlを得
た。抽出液中のHUTIの総活性は93100阻害単位(回収率6
4%)、純度は311阻害単位/mg(たん白質)であり、HUK
Nの総活性は2698単位(回収率77%)、純度は9.0単位/m
g(たん白質)であった。この抽出液を0.5M塩化ナトリ
ウム、0.05Mリン酸緩衝液pH8.5に対して透析し、実施例
4で用いたアプロチニン−セファロースカラム、および
トリプシン−セファロースカラムを十分上記緩衝液で平
衝化したものに透析内液をアプロチニン−セファロース
ついてトリプシン−セファロースカラムの順序で通過さ
せた。アプロチニン−セファロースカラムは0.5M塩化ナ
トリウムを含む0.1M酢酸緩衝液(pH3.5)で溶出し、HUK
N溶出液46mlを得た。トリプシン−セファロースカラム
は0.5M塩化ナトリウムを含むグリシン塩酸緩衝液(pH2.
3)で溶出し、HUTI溶出液52mlを得た。得られたHUKN溶
液の総活性は2009単位(回収率57%)、純度は831単位/
mg(たん白質)であり、HUTIは全く含有されていない。
またHUTI溶液の総活性69520阻止単位(回収率48%)、
純度は1290阻害単位/mg(たんぱく質)で、HUKNは全く
含有されていない。
た。抽出液中のHUTIの総活性は93100阻害単位(回収率6
4%)、純度は311阻害単位/mg(たん白質)であり、HUK
Nの総活性は2698単位(回収率77%)、純度は9.0単位/m
g(たん白質)であった。この抽出液を0.5M塩化ナトリ
ウム、0.05Mリン酸緩衝液pH8.5に対して透析し、実施例
4で用いたアプロチニン−セファロースカラム、および
トリプシン−セファロースカラムを十分上記緩衝液で平
衝化したものに透析内液をアプロチニン−セファロース
ついてトリプシン−セファロースカラムの順序で通過さ
せた。アプロチニン−セファロースカラムは0.5M塩化ナ
トリウムを含む0.1M酢酸緩衝液(pH3.5)で溶出し、HUK
N溶出液46mlを得た。トリプシン−セファロースカラム
は0.5M塩化ナトリウムを含むグリシン塩酸緩衝液(pH2.
3)で溶出し、HUTI溶出液52mlを得た。得られたHUKN溶
液の総活性は2009単位(回収率57%)、純度は831単位/
mg(たん白質)であり、HUTIは全く含有されていない。
またHUTI溶液の総活性69520阻止単位(回収率48%)、
純度は1290阻害単位/mg(たんぱく質)で、HUKNは全く
含有されていない。
試験例 プールされた正常男子新鮮尿を塩酸でpH5.5に設定して
6等分し、キトサンをそれぞれ0.5、1.0、1.5、2.0、2.
5、3.0%(W/W)加え1時間攪はんした後3%アンモニ
ア水で溶出し、溶出液を中和後トリプシンインヒビター
及びカリクレインの活性を測定した。その結果を表−2
に示す。
6等分し、キトサンをそれぞれ0.5、1.0、1.5、2.0、2.
5、3.0%(W/W)加え1時間攪はんした後3%アンモニ
ア水で溶出し、溶出液を中和後トリプシンインヒビター
及びカリクレインの活性を測定した。その結果を表−2
に示す。
(発明の効果) 本発明によれば、キトサンを吸着体として用いることに
よりHUTIおよびHUKNを選択的に吸着させることができる
ばかりでなく吸着体の分離,洗浄,溶出を従来の方法に
おけるよりも短時間に行うことができ大量の尿を処理す
る場合に極めて有利である。
よりHUTIおよびHUKNを選択的に吸着させることができる
ばかりでなく吸着体の分離,洗浄,溶出を従来の方法に
おけるよりも短時間に行うことができ大量の尿を処理す
る場合に極めて有利である。
また使用したキトサンは溶出後、水洗するだけで再使用
することができる。
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−6883(JP,A) 「医学と生物学」第100巻第1号37−39 頁(1980年1月10日)
Claims (5)
- 【請求項1】人尿に2%(W/V)以上、好ましくは2〜
3%(W/V)のキトサンをpH4.5〜6.5で接触させて尿中
のトリプシンインヒビターとカリクレインを同時にキト
サンに吸着させ、次いで吸着体からアルカリ性水溶液で
トリプシンインヒビターとカリクレインを同時に溶出
し、所望により、溶出液から上記両成分を分離すること
を特徴とする人尿トリプシンインヒビターおよび人尿カ
リクレインの濃縮分離方法。 - 【請求項2】アルカリ性水溶液のpHが10.5〜12.0である
特許請求の範囲第1項記載の方法。 - 【請求項3】人尿にキトサンを2%(W/V)以上、好ま
しくは2〜3%(W/V)接触させ、次いで吸着体から溶
出をpH10.5〜12.0のアルカリ性水溶液で行う特許請求の
範囲第1項記載の方法。 - 【請求項4】アルカリ性水溶液がアンモニア水である特
許請求の範囲第1項,第2項または第3項記載の方法。 - 【請求項5】両成分の分離をアフイニテイクロマトグラ
フィーによって行う特許請求の範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59116861A JPH0723397B2 (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 人尿トリプシンインヒビターおよび人尿カリクレインの濃縮分離方法 |
EP86304066A EP0247258B1 (en) | 1984-06-06 | 1986-05-28 | Process for concentrating and separating trypsin inhibitor and kallidinogenase in human urine |
US07/104,634 US4780209A (en) | 1984-06-06 | 1987-10-02 | Process for concentrating and separating trypsin inhibitor and kallidinogenase in human urine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59116861A JPH0723397B2 (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 人尿トリプシンインヒビターおよび人尿カリクレインの濃縮分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60260518A JPS60260518A (ja) | 1985-12-23 |
JPH0723397B2 true JPH0723397B2 (ja) | 1995-03-15 |
Family
ID=14697441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59116861A Expired - Fee Related JPH0723397B2 (ja) | 1984-06-06 | 1984-06-06 | 人尿トリプシンインヒビターおよび人尿カリクレインの濃縮分離方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0247258B1 (ja) |
JP (1) | JPH0723397B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4780209A (en) * | 1984-06-06 | 1988-10-25 | Japan Chemical Research Co., Ltd. | Process for concentrating and separating trypsin inhibitor and kallidinogenase in human urine |
CN102787111A (zh) * | 2012-07-24 | 2012-11-21 | 济南维尔康生化制药有限公司 | 一种高纯度胰激肽原酶的制备工艺 |
-
1984
- 1984-06-06 JP JP59116861A patent/JPH0723397B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1986
- 1986-05-28 EP EP86304066A patent/EP0247258B1/en not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「医学と生物学」第100巻第1号37−39頁(1980年1月10日) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0247258A1 (en) | 1987-12-02 |
JPS60260518A (ja) | 1985-12-23 |
EP0247258B1 (en) | 1991-03-06 |
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