JPS6159610B2 - - Google Patents

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JPS6159610B2
JPS6159610B2 JP55133262A JP13326280A JPS6159610B2 JP S6159610 B2 JPS6159610 B2 JP S6159610B2 JP 55133262 A JP55133262 A JP 55133262A JP 13326280 A JP13326280 A JP 13326280A JP S6159610 B2 JPS6159610 B2 JP S6159610B2
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JP
Japan
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kallikrein
csf
human urine
stimulating factor
adjust
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JP55133262A
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English (en)
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JPS5758629A (en
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Fumimaro Takaku
Shinichi Morisue
Satoru Funakoshi
Morio Kuboyama
Nobuya Yanagiuchi
Muneo Yamada
Yoshiteru Watanabe
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Morinaga Nyugyo KK
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Morinaga Nyugyo KK
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Publication date
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Publication of JPS6159610B2 publication Critical patent/JPS6159610B2/ja
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、人尿中のコロニー形成刺激因子
(Colony Stimulating Factor.以下CSFと略記す
る)及びカリクレインを含有する水溶液より両者
を分離する方法に関する。 人尿中には、各種各様の生理活性物質が存在
し、人由来の物質であることから副作用がなく、
例えばウロキナーゼの如く、広く医薬品として利
用されているものがある。CSFは、血液細胞で
あるところの顆粒状−単球系白血球細胞の形成を
促進する造血因子の総称であり、各種臓器、血清
および尿等に存在することが知られている
(Metcalf,D.:Experimental Hematclogy,1
巻、185〜201ページ、1973年)。本発明者らは、
その人尿中に存在するCSFの幾つかのものが医
薬として、或いは医療材料として有用であること
を見出し、それらの分離及び利用について特許出
願した(特開昭54−140707、特開昭55−22603、
特開昭55−22604、特開昭55−45618、特願昭55−
92355)。 また、カリクレインは、血漿中のキニノ−ジエ
ンに作用して、末稍血管拡張作用等の生理活性を
有するキニン類を産出放出せしめる酵素であり、
各種臓器、血液及び尿等に存在することが知られ
ている。現在、動物臓器から抽出されたカリクレ
インが医薬として広く使用されており、その需要
が増加している。 従来人尿からCSFとカリクレインとを同時に
分離精製する方法は、全く行なわれておらず、
各々個別に精製する方法が行なわれていた。人尿
中のCSFの大量精製法については、前記本発明
者らの出願及びStanley,E.R.&Metcalf,D.及び
Laukel,H,et al.(Journal of Cellular
Physiology,94巻、21〜30ページ、1978年)の方
法がある。一方、人尿中のカリクレインの精製方
法については、吸着体クロマトグラフイー(特公
昭46−19067)、イオン交換体クロマトグラフイー
(Matsuda,Y.et al.:Journal of
Biochemictry,80巻、671〜679ページ、1976
年)、親和体クロマトグラフイー(Oza,N.B.&
Ryan,J.W.:Biochemical Journal,171巻、
285〜288ページ、1978年)が知られている。しか
しながら、これらの方法は、何れも人尿CSF又
は人尿カリクレインの何れか単独を分離精製を目
的としており、他の目的成分の分離を同時に行な
う考慮は払われていない。従つて他の成分は一連
の工程の途中で失われるか、失われないとしても
同じ工程中で分離されていない。 本発明の目的は上述したように医薬品として安
全性の点で著しく優れた人尿CSFと人尿カリク
レインを、工業的規模で、かつ簡単に、しかも経
済的に有利な同じ工程中で分離精製することにあ
る。 本発明によれば、人尿由来のCSF及びカリク
レイン含有水溶液を弱塩基性陰イオン交換体を接
触させ、CSF及びカリクレインを吸着させ濃度
勾配溶出法にかけて各成分に分離することを特徴
とするCSF及びカリクレインの分離精製法が提
供される。 図面は、弱塩基性陰イオン交換体に吸着された
CSF及びカリクレインを含む吸着物の、塩濃度
を異にする溶出液による溶出により、CSF及び
カリクレインが分離精製されることを示すカラム
クロマトグラムを表わす。第1図及び第2図はそ
れぞれ本明細書中の実施例1及び2における結果
を示す。 次に本発明の方法について詳細に記載する。本
発明の方法における出発物質は健康な人の尿又は
好ましくは公知の方法で人尿を部分的にこれらの
成分につき精製した人尿CSF及び人尿カリクレ
インを含有する溶液である(以下これらをまとめ
て人尿と記載することがある)。部分的に濃縮し
た水溶液は例えば次のようにして作られる。即ち
人尿のPHを6.0〜8.0に調整し、吸着剤、例えばシ
リカゲル又はDEAE−セルロース等の陰イオン交
換体と接触せしめ、有効成分を該吸着剤へ吸着せ
しめ、のち少量のアルカリ溶液又は0.2〜0.5Mの
緩衝液(PH6.0〜8.0)で有効成分を溶出するか、
或いは、PH調整後、直接、限外過膜で過する
かして人尿を濃縮し、蛋白質濃度を少なくとも40
mg/ml、望ましくは、70mg〜150mg/mlに調整す
る。陰イオン交換体を使用する場合は、限外過
膜濃縮を併用するのが望ましい。次に該濃縮液の
PHを6.0〜8.0に調整し、55〜65℃の温度で8〜20
時間、好ましくは、60℃±0.5℃の温度で10時間
加熱し、ウイルス不活化処理を行なう(前記特願
昭55−45618号参照)。この処理条件下では、ウイ
ルスは完全に不活化されるが、CSF及びカリク
レインの生物活性は、ほとんど失なわれることな
く回収される(実験1参照)。次に、該加熱処理
溶液のPHを4.0〜5.0に調整し、分子量2000〜
20000のポリエチレングリコールを1.0〜4.0%
(重量。以下同じ)、好ましくは、2.0%の割合で
加え、加熱変性物及び抗補体活性を有する加熱重
合蛋白質を沈殿せしめ、遠心分離して除去する。
この処理により、夾雑蛋白質の大半が除去され、
2〜5倍の両成分の上昇がみられる(実験2参
照)。 上記部分的精製原料の調整における、ウイルス
不活化処理及び加熱変性物などの除去は、本発明
につき必ずしも必要ではないが、生成物の性質上
極めて好ましい処理である。ウイルス不活化処理
にかけられる水溶液の蛋白質濃度の40mg/ml以上
は有効成分の安定上ウイルス不活化処理に際し必
須な条件である。また、加熱変性物などの除去に
おける一定のPH範囲やポリエチレングリコールの
添加は、今回本発明者らにより見出された極めて
好ましい条件である。 次に、該濃縮液を0.05〜0.2M緩衝液(PH6.0〜
8.0)と平衡させ、あらかじめ該平衡化緩衝液で
平衡化させた弱塩基性陰イオン交換体と接触せし
め、該濃縮液中のCSF及びカリクレインを担体
に吸着せしめる。ここに本発明の方法に使用する
弱塩基性陰イオン交換体とは、DEAE−セルロー
ス、DEAE−セフアセル、DEAE−セフアロー
ス、CL−6Bのようなジエチルアミノエチル基
を含有する水不溶性高分子炭水化物である、市販
の弱塩基性陰イオン交換体のみならず、塩基性ア
ミノ酸、例えばリジン又はアルギニンを水不溶性
中性高分子炭水化物、例えばアガロース又はセル
ロースに常法により結合せたものを含むものとす
る。リジン結合担体は市販のLysin−Sepharose
4Bでも使用し得るが、臭化シアンで活性化し
たアガロース及びエピクロルヒドリンで活性化し
たアガロースとL−リジンとを公知の方法で結合
させた担体を用いてもよい。また、アルギニン結
合担体は、公知の臭化シアンで活性化したセフア
ロース4Bと、L−アルギニンとの結合担体を
使用し得るが、公知のエピクロルヒドリンで活性
化したセルロース、又はエピクロルヒドリンで活
性化したアガロースとL−アルギニンとの結合担
体のが反復使用に適している。これらの塩基性ア
ミノ酸と中性高分子炭水化物との結合法は公知で
あり、例えばコートレカセス(Cautrecases)の
方法(Journal of Biological Chemistry,245
巻、3059〜3065ページ、1970年)又は松本の方法
(Journal of Biochemistry,85巻、1091〜1098ペ
ージ、1979年)がある。 次に弱塩基性陰イオン交換体(単に担体とい
う)に吸着したCSFとカリクレインを塩濃度の
異なる緩衝液(PH6.0〜8.0)により各々別個の分
画として分離溶出する。使用する担体によつて、
溶出緩衝液の塩濃度は異なる。例えば市販の弱塩
基性陰イオン交換体を担体として使用する場合に
は、CSFは0.05〜0.15Mの塩濃度で、そしてカリ
クレインは0.2M〜0.5Mの塩濃度で溶出する。ま
た、臭化シアンで活性化したアガロースとリジン
又はアルギニンとが結合した担体を使用する場合
は、CSFは0.02〜0.05Mの塩濃度で、そしてカリ
クレインは、0.08〜0.15Mの塩濃度で溶出する。
エピクロルヒドリンで活性化したアガロース又は
セルロースとリジン又はアルギニンとが結合した
担体を使用する場合は、CSFは0.05M〜0.15Mの
塩濃度で、そしてカリクレインは0.2〜0.4Mの塩
濃度で溶出する(実験3参照)。このように一般
にはCSFは比較的塩濃度の低い溶出液でそして
カリクレインは高濃度溶出液でそれぞれ溶出す
る。担体の種類による各有効成分の溶出のための
塩濃度は常法により容易に決定される。即ち溶出
条件の決定に当つては、濃度勾配溶出法により、
至適溶出塩濃度を求め、のちその塩濃度における
段階溶出法によりCSF及びカリクレインを溶出
させることができる。 本発明の方法において使用する緩衝液としては
リン酸緩衝液(PH7.0)、トリス−塩酸緩衝液(PH
8.0)が望ましい。 分離したCSF及びカリクレインは出発原料の
精製度に応じ更に公知の精製法にかけられるが、
透析、脱塩及び濃縮し、医薬として適応し得る賦
形剤を加え、過、滅菌し、無菌的にバイアル又
はアンプルへ分注し、凍結乾燥し、製品とするこ
とができる。CSF及びカリクレインを更に精製
するために、これらの成分を含有する前記溶出液
をイオン交換クロマトグラフイー、ゲル過又
は、電気泳動により精製することもできる。〔参
照:特開昭54−140707(CSF精製法)及び前記
松田らの方法(カリクレイン精製法)〕。 次に実験例及び実施例を示して本発明の方法を
更に詳述する。 実施例及び実験例に示されるCSF活性ならび
にカリクレイン活性(酵素活性及び生物活性)の
測定は、下記の方法に準拠してある。 (1) CSF活性 8〜12週令のC57Black/6Jマウス(雄)の
大腿骨骨髄より骨髄細胞を採取し、0.3%寒天
及び20%牛胎児血清を含むMcCoy′s5A培地/
ml当り1×105個の濃度で骨髄細胞を加え、該
培地1ml当り、0.1mlの試料を混合して、5%
炭酸ガス通気下、37℃で7日間培養した。培養
後、形成された50個以上の細胞よりなる細胞集
塊をコロニーとして顕微鏡下でその数を測定し
た。CSF活性は、形成された1コロニーを1
単位とし、比活性は、試料中の蛋白質1mg当り
の単位数(コロニー数)で表わした。 (2) カリクレイン酵素活性 腺性カリクレインの特異基質であるH−D−
バリル−L−ロイシル−L−アルギニン−P−
ニトロアニリド・2HCl(Kabi社製。以下ペプ
チド−PNAと略記する)を用いる酵素化学的
測定法によつて測定した。即ち試料0.1mlに
0.2Mトリス−塩酸緩衝液PH8.0 2mlを加え、
37℃にインキユベートし、これに1.5mMペプ
チド−PNA0.2mlを加え、正確に30分間保持
し、のち50%酢酸0.2mlを加え、反応を停止さ
せ、ペプチド−PNAから遊離されたP−ニト
ロアニリド(以下PNAと略記する)の量を
405nmの波長の吸光値で測定した。尚、対照と
して、上記、0.2Mトリス−塩酸緩衝液にカリ
クレインの阻害剤であるアプロチニンを1000単
位/ml添加したものを同様に反応させ、この対
照試料の吸光値を差引いた値を試料の吸光値と
した。カリクレインの活性は、1分間に1μ
moleのPNA遊離量をもつて1PNA単位とした。
PNAの405nmに於ける吸光値が10600であるか
ら、試料1ml中のPNA単位は次式により算出
した。そして蛋白質1mg当りのPNA単位を比
活性とした。 PNA単位/ml=吸光値×10(μmole/ml)×1/0.1(ml)×1/30(分)×2.5ml/10600 =吸光値×0.07862 (3) カリクレインの生物活性 カリクレインの生物活性は、犬による血圧降
下試験により測定した。すなわち、体重1Kg当
りペントバルビタールナトリウム30mgで麻酔し
たビーグル犬(平均体重10.5Kg)に頚動脈カニ
ユーレを挿入し、ポリグラフ(日本光電、
Polygraphsystem RM−6000)を介して、総頚
動脈圧を測定した。試料1バイアルに10mlの生
理食塩水を加えて溶解し、その0.4mlを大腿静
脈内へ投与し、血圧降下を測定した。1カリク
レイン生物活性は、人尿50を透析し、その5
mlを犬に投与した時に起こる血圧降下(mm
Hg)を1単位として計算した。 (実験 1) ウイルス不活化のための加熱処理条件 実施例1と同様の方法により、人尿濃縮液を加
熱処理した。ただし実施例1において、透析内液
の蛋白質濃度を10mg/ml,40mg/ml,70mg/ml,
100mg/ml及び150mg/mlに調整したこと及び蛋白
質濃度を70mg/mlに調整した試料に4NNaOH又は
4NHClを加えてPHを3〜10(PH7を除く)に調整
したことが異なつている。 そして蛋白質濃度が異なる5試料及びPHが異な
る7試料の計12試料について加熱処理前後の
CSF活性及びカリクレイン酵素活性を測定し、
加熱処理前のそれぞれの活性に対する加熱処理後
のそれぞれの活性の百分率を算出し、これらの成
分の回収率を試験した。 これらの結果を表1及び2に示す。
【表】
【表】 表1から明らかなように、人尿濃縮液の蛋白質
濃度が40mg/ml以上のとき加熱処理によるCSF
及びカリクレインの失活が低くなることが判明し
た。特に蛋白質濃度が70〜150mg/mlのとき、
CSFの失活がわずか4%以下、カリクレインの
失活が20%以下と少ない。 従つて人尿濃縮液の蛋白質濃度を少なくとも40
mg/ml、望ましくは70〜150mg/mlに調整する。
一方表2から明らかなように人尿濃縮液のPHが6
〜8のときCSF及びカリクレインの失活が低く
なることが判明した。 (実験 2) 加熱変性蛋白質の除去 実施例1と同様の方法により、生成した沈殿を
除去し、上清を得た。ただし実施例1において、
加熱処理液に1N NaOH又は1N HClを加えてPHを
4.0,4.5,5.0,6.0,7.0及び8.0に調整したこと及
び加熱処理液にポリエチレングリコールを0,
1,2,4,8及び16%添加したことが異なつて
いる。 そしてPHが異なる6試料についてそれぞれポリ
エチレングリコールの添加量が異なる6試料、合
計36試料について得られた上清の清澄度を肉眼で
観察し、上清の懸濁の有無を判定した。又加熱処
理液のPHを4.5に調整した試料について、ポリエ
チレングリコールを添加する前のCSF活性及び
カリクレイン酵素活性と、ポリエチレングリコー
ルを添加し、沈殿を除去した上清のそれらの活性
との百分率を求めそれらの回収率を測定し、更に
抗補体活性を、乾燥ペプシン処理人免疫グロブリ
ンの抗補体性否定試験法(厚生省薬務局監修、
「生物学的製剤基準解説」326〜331ページ、社団
法人細菌製剤協会発行、1973年11月1日)により
試験した。 その結果を表3及び4に示す。
【表】 ±:わずかに懸濁あり
【表】 表3から明らかなように加熱処理液のPHを4.0
〜5.0に調整した試料では1〜4%の少ないポリ
エチレングリコールの添加量において清澄な上清
が得られることが判明した。そしてこれらの試料
よりもPHが高い試料ではポリエチレンの添加量が
4%以上、特に8〜16%でなければ清澄な上清が
得られない。更に表4に示すCSF及びカリクレ
インの回収率から明らかなようにポリエチレング
リコールの添加量が1〜4%のとき70%以上の回
収率が得られるので、加熱処理液のPHを4.0〜5.0
に調整し、1〜4%のポリエチレングリコールを
添加するのが望ましい。尚、加熱処理液のPHを
4.0未満に調整することは有効成分の失活を招く
おそれがあるので望ましくない。又表4から明ら
かなように抗補体活性は、いずれのポリエチレン
添加量においても認められなかつた。加熱処理液
のPHを4.0及び5.0に調整した試料についても上記
とほぼ同様の回収率及び抗補体活性の結果が得ら
れた。PHを4.5に調整し、2%のポリエチレング
リコールを添加した試料について加熱処理前後の
CSF及びカリクレインの比活性を測定したとこ
ろ、CSFの比活性は、加熱前2000単位/mg蛋白
質、加熱後10000単位/mg蛋白質であり、カリク
レインの比活性は加熱前0.0012PNA単位/mg蛋白
質、加熱後0.0046PNA単位/mg蛋白質であつた。 (実験 3) CSFとカリクレインの分離精製 実施例1と同一の方法により加熱処理し、加熱
変性蛋白質除去を施した試料を用い、次に記載す
る担体によりCSFとカリクレインを分別精製す
るための条件を検討した。この実験に使用した担
体は、市販のDEAE−Cellulose(Brown社製)、
市販のDEAE−Sephacel及び市販のDEAE−
Sepharose CL−6B(以上、Pharmacia Fine
Chemicals社製)の陰イオン交換体、臭化シアン
で活性化したアガロースとL−Lysine又はL−
Arginineとの結合担体〔以下Lys−Agarose
(BrCN)及びArg−Agarose(BrCN)と略記す
る〕、エピクロルヒドリンで活性化したAgarose
又はセルロースとL−Arginineとの結合担体〔以
下Arg−Agarose(epoxy)及びArg−Cellulose
(epoxy)と略記する〕の親和性担体である。Lys
−Agarose(BrCN)である市販のLys−
Sepharose4B(Pharmacia Fine Chemicals社
製)を除き、コートレカセス(Cautrecases)の
方法又は松本の方法により担体を製造した。 上記担体への吸着及びそれらからの溶出用緩衝
液を検討した。溶出条件の決定に当つては、濃度
勾配溶出法により、至適溶出塩濃度を求め、のち
その塩濃度における段階溶出法によりCSF及び
カリクレインを溶出させた。そして担体への吸着
前のCSF活性及びカリクレイン酵素活性と溶出
後のそれらの活性との百分率を算出し、回収率を
試験した。 その結果をまとめて表5に示す。
【表】
【表】 この実験に用いた8種類の担体はいずれも本発
明の方法に使用できるが、CSF及びカリクレイ
ンの回収率が高いことから、特にDEAE−
Cellulose、DEAE−Sephacel及びDEAE−
SepharoseCL−6Bが望ましい。 表5から明らかなように使用する担体により溶
出緩衝液の種類及び塩濃度が異なり、CSFの溶
出には0.15M以下の塩濃度の緩衝液が、そしてカ
リクレインの溶出には0.1〜0.5Mの塩濃度の緩衝
液が使用される。このように本発明の方法におい
ては、CSFとカリクレインとが同一の担体に同
時に吸着され、同一の緩衝液を用い塩濃度を変更
するだけでCSFとカリクレインとを分別できる
のである。即ち最初低い塩濃度の緩衝液でCSF
を、次いでそれより高い塩濃度の緩衝液でカリク
レインを、それぞれ分別して溶出せしめることが
できる。 本発明の方法によつて奏せられる効果は次のと
おりである。 (1) 人尿に存在するおそれのある各種ウイルスが
不活化され、抗補体活性がなく、抗原抗体反応
を生じない安全なCSF及びカリクレインが得
られる。 (2) 大量の人尿から同一の製造工程でCSFとカ
リクレインが分別精製される。 (3) ウイルス不活化のための加熱処理と、加熱変
性蛋白質除去のための処理が、CSFとカリク
レイン活性を損なうことなく、夾雑蛋白質の大
半を除去できるので、精製コストが少ない。 実施例 1 健康な人の尿600に4N NaOHを加え、PHを
7.0に調整し、シリカゲル6Kgを充填したカラム
へ通液して有効成分をシリカゲルへ吸着させ、の
ち1000〜2000mlの5%アンモニア水溶液を通液し
て有効成分を溶出させ、約600mlの溶出液を得
た。次いで溶出液を5N硫酸で中和し、一夜水に
対して透析した。透析内液に水を加えて蛋白質濃
度を70mg/mlに調整し、再びPHを7.0に調整し、
60℃の温度で10時間加熱した。加熱後、直ちに4
℃に冷却し、加熱処理液に4N HClを加えてPHを
4.5に調整し、10mlの50%ポリエチレングリコー
ル溶液(局方マクロゴール6000)を撹拌しながら
滴下して、ポリエチレングリコール濃度を2%に
調整した。10分間静置後、2℃の温度、5000Gで
20分間遠心分離して、生成した沈殿を除去し、清
澄な上清を得た。上清に4N NaOHを加えてPHを
7.0に調整し、0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)と平衡
させ、あらかじめ該緩衝液と平衡させたDEAE−
セルロースカラム(Ψ6.0×40cm)へ通液し、該
緩衝液2.0を継続して通液した。このカラムか
らの溶出液の最初の1に、大部分の非吸着蛋白
質が溶出され、次の1にCSFが溶出されるの
でこれを集めた。 次いで、0.05M NaClを含む0.1Mリン酸緩衝液
(PH7.0)2.0をこのカラムに通液し、CSFを完
全に溶出させ、最初の1の溶出液を集め、
CSFを含む溶出液計2を得た。更に0.5MNaCl
を含む0.1Mリン酸緩衝液(PH7.0)2.0をこのカ
ラムに通液してカリクレインを溶出させ、最初に
溶出する約1の溶出液を集め、カリクレインを
含む溶出液を得た(第1図参照)。該CSF溶出液
及び該カリクレイン溶出液をそれぞれ別個に限外
過膜(旭化成製、分画分子量13000)で濃縮及
び脱塩し、各々約500mlの濃縮液を得た。 次に、各濃縮液に1%の割合でマンニツトを加
え、過滅菌した。過滅菌したCSF含有液を
2.5mlずつ、そして過滅菌したカリクレイン含
有液を0.25mlずつ無菌的にバイアルに分注し、凍
結乾燥し、それぞれ200バイアル及び2000バイア
ルの製品を得た。実験1と同様の方法で測定した
これらの製品の活性はCSF活性が約100万単位/
バイアル、カリクレイン酵素活性が、0.035PNA
単位/バイアルであり、カリクレインの生物活性
は20単位/バイアルであつた。 実施例 2 人尿CSF及び人尿カリクレインを含む(蛋白
質として50mg/ml)健康な人の尿濃縮液約2.4
を、0.02Mリン酸緩衝液と平衡させ、あらかじめ
該緩衝液と平衡させた1KgのDEAE−Cellulose
と混合し、4℃の温度で15分間撹拌して有効成分
を吸着させ、のちブフナーとで減圧過して
DEAE−Celluloseを集め、過液を廃棄した。
次いで、0.05M NaClを含む0.02Mリン酸緩衝液
10で該DEAE−Celluloseを洗浄し、のち0.4M
NaClを含む0.02Mリン酸緩衝液10で吸着物を溶
出せしめた。該溶出液を限外過膜(旭化成製、
分画分子量13000)で脱塩及び濃縮し、蛋白質濃
度を140mg/mlに調整した。次いで、該濃縮液を
4N NaOHでPH7.0に調整し、以下実施例1と同様
に処理して、無菌のCSF含有液及びカリクレイ
ン含有液をそれぞれ250ml得た。CSF含有液を1.0
mlずつ、カリクレイン含有液を0.1mlずつ無菌的
にバイアルに分注し、凍結乾燥して、それぞれ
250バイアル及び2500バイアルの製品を得た。製
品の活性は、CSF活性が約100万単位/バイアル
であり、カリクレイン生物活性が約24単位/バイ
アルであつた。 実施例 3 実施例1と同様の方法により、加熱処理、及び
除蛋白質処理して得た上清500mlに4N NaOHを加
えてPHを7.0に調整し、0.1M NaClを含む0.02Mリ
ン酸緩衝液(PH7.0)と平衡させ、あらかじめ該
緩衝液と平衡させたArg−Agarose(epoxy)カ
ラム(Ψ6.0×34cm)へ通液し、更に、該緩衝液
2.0を継続して通液した。このカラムからの最
初の1の溶出液を廃棄し、続いて溶出されて来
るCSFを含む約1の溶出液を集め、次いで
0.15M NaClを含む0.02Mリン酸緩衝液(PH7.0)
2.0を通液し、CSFを溶出させ、最初の1の
溶出液を集め、CSFを含む溶出液計約2を得
た。のち0.4M NaClを含む0.02Mリン酸緩衝液
(PH7.0)2.0を通液してカリクレインを溶出さ
せ、カリクレイン溶出液約1を得た(第2図参
照)。これらの溶出液を、実施例1と同様に処理
し、活性を測定し、CSF活性100万単位/バイア
ルの製品180バイアル及びカリクレイン生物活性
20単位/バイアルの製品約1600バイアルを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれ実施例1及び3に
よるカラムクロマトグラムである。 1……吸光値、2……CSF活性値(単位/ml
×10-5)、3……カリクレイン酵素活性値(PNA
単位/ml)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 人尿由来のコロニー形成刺激因子及びカリク
    レインを含有する水溶液を、弱塩基性陰イオン交
    換体と接触させ、両物質を交換体に吸着させ、塩
    濃度勾配溶出法にかけて各成分に分離することを
    特徴とするコロニー形成刺激因子及びカリクレイ
    ンの分離精製法。 2 前記水溶液が加熱によるウイルス不活化処理
    にかけられた水溶液であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の方法。 3 弱塩基性陰イオン交換体が、ジエチルアミノ
    エチル基を含有する水不溶性中性高分子炭水化物
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の方法。 4 弱塩基性陰イオン交換体が、塩基性アミノ酸
    残基を含有する水不溶性中性高分子炭水化物であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 5 塩基性アミノ酸がリジン又はアルギニンであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第4項記載の
    方法。 6 吸着及び溶出がPH6.0−8.0において行なわれ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    方法。 7 人尿そのまま又は人尿コロニー形成刺激因子
    及び人尿カリクレインについて部分的に濃縮した
    水溶液のPHを6.0〜8.0に調整して濃縮し、尿蛋白
    質濃度を少なくとも40mg/mlに調整し、55〜65℃
    で8〜20時間加熱し、次いでPHを4.0〜5.0に調整
    し、ポリエチレングリコールを1.0〜4.0%(重
    量)の割合で加えて加熱変性物質を沈殿せしめて
    除去し、PH6.0〜8.0に調整して弱塩基性陰イオン
    交換体と接触させて有効成分を吸着せしめ、PH
    6.0〜8.0において塩濃度勾配法にかけて比較的低
    い濃度で人尿コロニー形成刺激因子を溶出させ、
    比較的高い濃度でカリクレインを溶出せしめるこ
    とを特徴とする人尿中のコロニー形成刺激因子及
    びカリクレインの分離精製方法。
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