JPH07233494A - 鉄族合金電気めっき浴 - Google Patents

鉄族合金電気めっき浴

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JPH07233494A
JPH07233494A JP2668294A JP2668294A JPH07233494A JP H07233494 A JPH07233494 A JP H07233494A JP 2668294 A JP2668294 A JP 2668294A JP 2668294 A JP2668294 A JP 2668294A JP H07233494 A JPH07233494 A JP H07233494A
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JP
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iron
salt
acid
aliphatic
cobalt
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JP2668294A
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English (en)
Inventor
Masanobu Isaki
昌伸 伊▲崎▼
Yutaka Fujiwara
裕 藤原
Hidehiko Enomoto
英彦 榎本
Giichi Idogaki
義一 井土垣
Akira Nakanaga
陽 中永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUSO KAGAKU KOGYO
FUSO KAGAKU KOGYO KK
Osaka City
Original Assignee
FUSO KAGAKU KOGYO
FUSO KAGAKU KOGYO KK
Osaka City
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来のものと比べて高硬度の鉄族合金めっき皮
膜であって、しかも平滑で良好な外観を有するめっき皮
膜を、幅広い電流密度範囲において高電流効率で得る。 【構成】(a)鉄塩、(b)ニッケル塩及びコバルト塩
の少なくとも一種、並びに(c)炭素数2以上で水酸基
を含まない脂肪族モノカルボン酸、水酸基を一つ含むか
又は含まない脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカルボン
酸、及びこれらのカルボン酸の塩から選ばれた少なくと
も一種の脂肪族カルボン酸類を含有する水溶液からなる
ことを特徴とする鉄族合金電気めっき浴、並びに該めっ
き浴に還元剤を添加した鉄族合金電気めっき浴。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄族合金電気めっき浴
に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】鉄−ニッケル合金めっき皮
膜は、現在、連続鋳造用鋳型の表面被覆、磁気ヘッド等
の軟磁性薄膜、磁気シールド膜等への応用が進められて
おり、また、鉄−コバルト合金めっき皮膜は、磁気記録
膜としての応用が進められている。これらのめっき皮膜
を形成するための鉄−ニッケル合金めっき浴及び鉄−コ
バルト合金めっき浴としては、工業的には、硫酸浴、塩
化物浴、これらの混合浴、ホウフッ化物浴等が用いられ
ているが、この様なめっき浴から形成されるめっき皮膜
は、硬度がほぼHv300〜500程度であり、耐摩耗
皮膜として用いられているクロムめっきやニッケル−リ
ン合金めっきに比べると低硬度であり、利用範囲が限定
されている。このため、上記したような鉄族合金のめっ
き皮膜をより高硬度化することが望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した如
き従来技術の課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、金属
分として、鉄塩と、ニッケル塩及びコバルト塩の少なく
とも一種の化合物とを含有するめっき浴に、添加剤とし
て、特定の脂肪族カルボン酸類を添加しためっき浴、又
はこれに更に還元剤を添加しためっき浴を使用すること
により、従来のものと比べて高硬度の鉄族合金めっき皮
膜であって、しかも平滑で良好な外観を有するめっき皮
膜が、幅広い電流密度範囲において高電流効率で得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】即ち、本発明は、以下の鉄族合金電気めっ
き浴を提供するものである。
【0005】(i) (a)鉄塩、(b)ニッケル塩及びコ
バルト塩の少なくとも一種、並びに(c)炭素数2以上
で水酸基を含まない脂肪族モノカルボン酸、水酸基を一
つ含むか又は含まない脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリ
カルボン酸、及びこれらのカルボン酸の塩から選ばれた
少なくとも一種の脂肪族カルボン酸類を含有する水溶液
からなることを特徴とする鉄族合金電気めっき浴。
【0006】(ii)(a)鉄塩、(b)ニッケル塩及びコ
バルト塩の少なくとも一種、(c)炭素数2以上で水酸
基を含まない脂肪族モノカルボン酸、水酸基を一つ含む
か又は含まない脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカルボ
ン酸、及びこれらのカルボン酸の塩から選ばれた少なく
とも一種の脂肪族カルボン酸類、並びに(d)還元剤を
含有する水溶液からなることを特徴とする鉄族合金電気
めっき浴。
【0007】本発明の鉄族合金めっき浴は、金属塩とし
て、(a)鉄塩と、(b)ニッケル塩及びコバルト塩の
少なくとも一種とを含有するものであり、これらの金属
塩を適宜組み合わせて用いることによって、金属分とし
て、鉄−ニッケル若しくは鉄−コバルトの二種類、又は
鉄−ニッケル−コバルトの三種類を含む合金めっき皮膜
が形成される。
【0008】本発明のめっき浴に配合する鉄塩は、特に
限定的ではなく、通常の水溶性の二価の鉄塩であればい
ずれも使用できる。この様な鉄塩の具体例としては、硫
酸第一鉄、塩化第一鉄、スルファミン酸第一鉄等を挙げ
ることができ、これらを単独又は適宜組み合わせて使用
できる。配合量は、鉄分換算で、1〜70g/l程度と
すればよい。
【0009】また、ニッケル塩及びコバルト塩として
も、特に限定はなく、水溶性のニッケル塩及びコバルト
塩をいずれも使用できる。ニッケル塩の具体例として
は、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸
ニッケル、酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、メ
タンスルフォン酸ニッケル等を挙げることができ、コバ
ルト塩の具体例としては、硫酸コバルト、塩化コバル
ト、硝酸コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト、スル
ファミン酸コバルト、メタンスルフォン酸コバルト等を
挙げることができる。これらの金属塩は、単独又は適宜
組み合わせて使用でき、ニッケル塩及びコバルト塩のい
ずれかを用いるほかに、これらを組み合わせて用いるこ
ともできる。
【0010】ニッケル塩及びコバルト塩の少なくとも一
種の化合物は、めっき浴中に金属分換算で、1〜70g
/l程度の配合量とすればよい。
【0011】本発明のめっき浴では、添加剤として、炭
素数2以上で水酸基を含まない脂肪族モノカルボン酸、
水酸基を一つ含むか又は含まない脂肪族ジカルボン酸、
脂肪族トリカルボン酸、及びこれらのカルボン酸の塩か
ら選ばれた少なくとも一種の脂肪族カルボン酸類を配合
することが必要である。これらの脂肪族カルボン酸類を
配合することによって、炭素を含有する合金めっき皮膜
が形成され、得られるめっき皮膜は、従来の鉄族の合金
めっき皮膜と比べて、非常に高い硬度を有するものとな
る。しかも、これらの脂肪族カルボン酸類を含有する本
発明のめっき浴によれば、広範囲の電流密度で、平滑で
良好な外観を有するめっき皮膜が高い電流効率で形成さ
れる。
【0012】炭素数2以上で水酸基を含まない脂肪族モ
ノカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、
吉草酸、酪酸等を挙げることができ、水酸基を一つ含む
か又は含まない脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、
リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン
酸、フマル酸等を挙げることができ、脂肪族トリカルボ
ン酸の具体例としては、クエン酸等を挙げることができ
る。又、これらのカルボン酸の塩としては、特に限定は
なく、水溶性の塩であればいずれも使用でき、例えば、
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等を使用で
きる。本発明では、これらの脂肪族カルボン酸類を単独
又は適宜混合して用いることができる。
【0013】上記した脂肪族カルボン酸類の配合量は、
0.5〜250g/l程度とすればよく、該脂肪族カル
ボン酸類を酸の形態で用いる場合には、0.5〜30g
/l程度の配合量とすることが好ましい。
【0014】本発明では、上記した特定の脂肪族カルボ
ン酸類を添加剤として用いることが必要であり、例え
ば、これらの脂肪族カルボン酸類に代えて、炭素数1の
脂肪族モノカルボン酸であるギ酸、又は水酸基を含む脂
肪族モノカルボン酸であるグリコール酸、乳酸等を添加
する場合には、電析膜中にほとんど炭素が共析せず、高
硬度のめつき皮膜を形成できない。また、複数の水酸基
を含む脂肪族ジカルボン酸である酒石酸を添加する場合
には、約1A/dm2 付近の電流密度で、析出皮膜にヤ
ケを生じ、使用できる電流密度が非常に狭い範囲に限定
される。
【0015】本発明のめっき浴では、上記した成分に加
えて、更に、必要に応じて、還元剤を添加することがで
きる。還元剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、
没食子酸、ヒドラジン等のレダクトン、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硝酸ナトリウム等の低級酸化物等を挙げることが
できる。本発明めっき浴では、還元剤は、Fe3+イオン
の生成を抑えて安定した連続作業を行うために有用であ
り、還元剤の添加による効果を十分に発揮するために
は、添加量は0.1〜15g/l程度とすれば良い。
【0016】本発明のめっき浴を用いて鉄族合金めっき
を行なうには、通常の電気めっき法がいずれも採用でき
る。めっき条件は特に限定的ではないが、例えば、浴温
25〜90℃程度、陰極電流密度0.1〜10A/dm
2 程度の条件下で、無撹拌又は機械撹拌下に電気めっき
を行なえばよい。めっき浴は、酸性域で用いることが適
当であり、好ましくはpH1〜6程度で用いる。めっき
浴のpH調整は、常法にしたがって、適当な酸又はアル
カリ物質を用いて行なえば良く、例えば、酸としては、
使用する金属塩と同種のアニオンを有する酸を用い、ア
ルカリ物質としては、NaOH、KOH、アンモニア水
等を用いることが好ましい。尚、上記pH範囲に於ける
高いpH域のめっき浴、例えばpH5〜6程度のめっき
浴では、上記した脂肪族カルボン酸類を塩の形態で添加
する場合には、その添加量は、前述した添加量の範囲内
において、比較的多い量、例えば、50〜250g/l
程度の添加量とすることが好ましい。
【0017】本発明のめっき浴により電気めっきを行な
う場合には、陽極としては、通常の鉄−ニッケル合金め
っき、鉄−コバルト合金めっき等に用いられるものをい
ずれも使用でき、例えば、陽極として鉄鋼を用いた場合
には、溶解が均一であり、ニッケル塩及び/又はコバル
ト塩を補給することによってめっき液の組成がほぼ安定
に保たれる。また、カーボン、白金めっきチタン等の不
溶性陽極を使用した場合には、金属分および消費された
カルボン酸を補給することによって連続作業が可能とな
る。
【0018】上記しためっき浴によって形成されるめっ
き皮膜は、配合する各成分の割合によって、広い範囲で
組成が変わり得るが、通常、鉄5〜95重量%、ニッケ
ル及びコバルトの少なくとも一種95〜5重量%、並び
に炭素0.2〜3.0重量%程度の組成を有するものと
なる。形成されるめっき皮膜は、ビッカース硬度がほぼ
Hv600以上という高い硬度を有し、しかも平滑で微
細な表面状態であり、摩擦係数が低く、良好な耐摩耗性
を有するものとなり、耐食性も良好である。
【0019】本発明では、被めっき物としては特に限定
されず、通常電気めっきが可能なものであれば、いずれ
も使用できる。
【0020】被めっき物には、上記電気めっきを行なう
前に常法に従って、バフ研磨、脱脂、希酸浸漬等の通常
の前処理を施してもよい。被めっき物の種類によって
は、従来公知の各種の電気めっき用の前処理を行なうこ
ともきる。また、めっき後には水洗、湯洗、乾燥等の通
常行われている操作を行なってもよい。
【0021】本発明めっき浴によって形成されるめっき
皮膜は、高硬度であって、平滑で良好な外観を有し、耐
摩耗性、耐食性等に優れたものであり、従来の鉄−ニッ
ケル合金めっき皮膜や鉄−コバルト合金めっき皮膜が利
用されている分野の他に、上記しためっき皮膜の性質を
利用して各種の用途に使用し得るものであり、一例を挙
げると、従来、焼き入れ、浸炭、窒化、硬質クロムめっ
き、無電解めっき、化成処理、溶射、CVD,PVD等
で処理されていた機械部品、電気機械器具、工作機械、
作業工具、金属粉末、金型、利器工匠具等について、こ
れらの処理に代わる表面処理として利用でき、また、プ
ラスチック製品、セラミック製品、繊維製品、紙・木材
製品、ガラス製品等の非金属製品についても、常法に従
って前処理を行なった後に、表面処理として利用でき
る。
【0022】
【発明の効果】本発明の鉄族合金電気めっき浴によれ
ば、従来のものと比べて高硬度の鉄族合金めっき皮膜で
あって、平滑で良好な外観を有し、耐摩耗性、耐食性等
に優れためっき皮膜を、幅広い電流密度範囲において高
電流効率で得ることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明の
特徴をより一層明らかにする。
【0024】実施例1〜14及び比較例1〜4 下記表1に記載の配合のめっき浴(各成分の添加量はす
べてg/l)を調製した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】これらのめっき浴を用いて、陰極に銅板、
陽極に鉄板を使用し、陰極電流密度3.0A/dm2
浴温度50℃、無攪拌の条件でめっきを行なった。得ら
れためっき皮膜の電流効率、ニッケル含有率、コバルト
含有率、炭素含有率、硬度及び外観を表2に示す。
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】以上の結果より、添加剤として特定の脂肪
族カルボン酸を配合し、更に必要に応じて還元剤を配合
した本発明の鉄族合金めっき浴から、良好な外観を有す
る高硬度の鉄族合金めっき皮膜が高い電流効率で得られ
ることが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎本 英彦 大阪府大阪市阿倍野区天王寺町北3−5− 25−706 (72)発明者 井土垣 義一 大阪府和泉市池上町27−11 (72)発明者 中永 陽 大阪府大阪市東住吉区山坂1丁目18番13号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)鉄塩、(b)ニッケル塩及びコバル
    ト塩の少なくとも一種、並びに(c)炭素数2以上で水
    酸基を含まない脂肪族モノカルボン酸、水酸基を一つ含
    むか又は含まない脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカル
    ボン酸、及びこれらのカルボン酸の塩から選ばれた少な
    くとも一種の脂肪族カルボン酸類を含有する水溶液から
    なることを特徴とする鉄族合金電気めっき浴。
  2. 【請求項2】(a)鉄塩、(b)ニッケル塩及びコバル
    ト塩の少なくとも一種、(c)炭素数2以上で水酸基を
    含まない脂肪族モノカルボン酸、水酸基を一つ含むか又
    は含まない脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカルボン
    酸、及びこれらのカルボン酸の塩から選ばれた少なくと
    も一種の脂肪族カルボン酸類、並びに(d)還元剤を含
    有する水溶液からなることを特徴とする鉄族合金電気め
    っき浴。
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