JPH07233288A - 熱可塑性エラストマーシート - Google Patents

熱可塑性エラストマーシート

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JPH07233288A
JPH07233288A JP2547794A JP2547794A JPH07233288A JP H07233288 A JPH07233288 A JP H07233288A JP 2547794 A JP2547794 A JP 2547794A JP 2547794 A JP2547794 A JP 2547794A JP H07233288 A JPH07233288 A JP H07233288A
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JP
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thermoplastic elastomer
sheet
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copolymer rubber
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JP2547794A
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English (en)
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Akira Uchiyama
山 晃 内
Masaharu Murakami
上 正 治 村
Yukio Okishio
汐 行 雄 沖
Mitsuyoshi Nakamura
村 光 由 中
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Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Kyowa Leather Cloth Co Ltd
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明の自動車内装材用熱可塑性エラストマー
表皮シートは、α- オレフィン系共重合体ゴム(A)、
ポリオレフィン系樹脂(B)およびパラフィン系鉱油
(C)を特定割合で含有してなる部分的に架橋された熱
可塑性エラストマー[I]20〜80重量部と、α- オ
レフィン系共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン系
樹脂(B)を特定割合で含有してなる部分的に架橋され
た熱可塑性エラストマー[II]80〜20重量部とを含
有してなる熱可塑性エラストマー組成物で構成されてい
る。この組成物中に、さらにポリオレフィン系樹脂
(D)が特定量配合されていてもよい。 【効果】上記表皮シートは、厚肉ないし薄厚のシート
で、シボ残り性、Rだれ性、延展性等の真空成形性に優
れ、耐寒性、耐熱老化性、耐光性、耐フォギング性およ
び軽量性に優れた成形体(自動車内装材)を提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、自動車内装材用熱可塑性
エラストマー表皮シートに関し、さらに詳しくは、真空
成形性に優れた自動車内装材用熱可塑性エラストマー表
皮シートに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、塩化ビニル樹脂(PVC)
は、表皮シート、たとえば自動車内装材用表皮シートと
して広く使用されてきた。しかしながら、塩化ビニル樹
脂を使用した自動車内装材用表皮シートは、耐寒性、耐
熱老化性、耐光性、耐フォギング性、軽量性に問題があ
った。そこで、これらの特性が良好なポリオレフィン系
熱可塑性エラストマー表皮シートが、塩化ビニル樹脂表
皮シートの代替品として有望視されてきた。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン系熱可塑性
エラストマー表皮シートは、塩化ビニル樹脂表皮シート
に比べて、シボ残り性、Rだれ性、延展性等の真空成形
性が劣るという問題があった。また、従来のオレフィン
系熱可塑性エラストマーから、たとえば厚み0.2mm
というような薄厚のシートを成形する場合、すなわち高
速でシートを引き取る場合にシートが破断し、シート成
形性が劣るという問題があった。
【0004】したがって、塩化ビニル樹脂表皮シートと
同等ないしそれ以上に、シボ残り性、Rだれ性、延展性
等の真空成形性に優れた自動車内装材用熱可塑性エラス
トマー表皮シートの出現、特に、上記のような真空成形
性に優れた薄厚の自動車内装材用熱可塑性エラストマー
表皮シートの出現が望まれている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術にとも
なう問題点を解決しようとするものであって、シボ残り
性、Rだれ性、延展性等の真空成形性に優れた自動車内
装材用熱可塑性エラストマー表皮シート、特に、上記の
ような真空成形性に優れた薄厚の自動車内装材用熱可塑
性エラストマー表皮シートを提供することを目的として
いる。
【0006】
【発明の概要】本発明に係る自動車内装材用熱可塑性エ
ラストマー表皮シートは、α- オレフィン系共重合体ゴ
ム(A)90〜75重量部、ポリオレフィン系樹脂
(B)10〜25重量部[ただし、(A)および(B)
の合計量は100重量部とする]およびパラフィン系鉱
油(C)10〜45重量部を含有してなる部分的に架橋
された熱可塑性エラストマー[I]:20〜80重量部
と、α- オレフィン系共重合体ゴム(A)60〜45重
量部およびポリオレフィン系樹脂(B)40〜55重量
部[ただし、(A)および(B)の合計量は100重量
部とする]を含有してなる部分的に架橋された熱可塑性
エラストマー[II]80〜20重量部[ただし、[I]
および[II]の合計量は100重量部とする]とを含有
する熱可塑性エラストマー組成物で構成されていること
を特徴としている。
【0007】また、上記熱可塑性エラストマー組成物
は、熱可塑性エラストマー[I]および熱可塑性エラス
トマー[II]の合計量100重量部に対して、ポリオレ
フィン系樹脂(D)を5〜100重量部含有していても
よい。
【0008】上記熱可塑性エラストマー表皮シートは、
塩化ビニル樹脂表皮シートと同等ないしそれ以上に、シ
ボ残り性、Rだれ性、延展性等の真空成形性に優れてい
る。また、本発明によれば、上記のような真空成形性に
優れた薄厚の熱可塑性エラストマー表皮シートが得られ
る。
【0009】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る自動車内装材
用熱可塑性エラストマー表皮シートについて具体的に説
明する。
【0010】本発明に係る熱可塑性エラストマー表皮シ
ートは、α- オレフィン系共重合体ゴム(A)、ポリオ
レフィン系樹脂(B)およびパラフィン系鉱油(C)か
らなる部分的に架橋された熱可塑性エラストマー[I]
と、α- オレフィン系共重合体ゴム(A)およびポリオ
レフィン系樹脂(B)からなる部分的に架橋された熱可
塑性エラストマー[II]とを含有する熱可塑性エラスト
マー組成物で構成されてなる。
【0011】この熱可塑性エラストマー組成物は、上記
2種類の熱可塑性エラストマーのほかに、ポリオレフィ
ン系樹脂(D)を含有していてもよい。α- オレフィン系共重合体ゴム(A) 本発明で用いられる熱可塑性エラストマー[I]および
[II]を構成するα-オレフィン系共重合体ゴム(A)
は、α- オレフィンからなる無定形の弾性共重合体であ
って、有機ペルオキシドと混合し、加熱下に混練するこ
とにより架橋して流動性が低下し、あるいは流動しなく
なるゴムである。このようなα- オレフィン系共重合体
ゴム(A)としては、具体的には、エチレン・プロピレ
ン共重合体ゴム、プロピレン・エチレン共重合体ゴム、
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム、プ
ロピレン・エチレン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチ
レン・ブタジエン共重合体ゴム、プロピレン・ブタジエ
ン共重合体ゴムなどが挙げられる。なお、上記非共役ジ
エンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,
4-ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノル
ボルネン、エチリデンノルボルネンなどが挙げられる。
【0012】本発明では、これらの共重合体ゴムの中で
も、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴ
ム、特にエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネ
ン共重合体ゴムが好ましい。エチレン・プロピレン・非
共役ジエン共重合体ゴムを熱可塑性エラストマー[I]
および[II]の構成成分として用いると、得られる熱可
塑性エラストマー表皮シートは、耐熱性、引張り特性お
よび反発弾性に優れた熱可塑性エラストマー成形物を提
供することができる。
【0013】また、上記のようなα- オレフィン系共重
合体ゴム(A)のムーニー粘度[ML1+4 (100
℃)]は、10〜120、特に40〜80の範囲にある
ことが好ましい。上記のようなムーニー粘度を有するα
- オレフィン系共重合体ゴム(A)を用いることによ
り、得られる熱可塑性エラストマー表皮シートは、引張
り特性に優れた熱可塑性エラストマー成形物を提供する
ことができる。
【0014】さらに、上記α- オレフィン系共重合体ゴ
ム(A)のヨウ素価(不飽和度)は、16以下であるこ
とが好ましい。ポリオレフィン系樹脂(B) 本発明で用いられる熱可塑性エラストマー[I]および
[II]を構成するポリオレフィン系樹脂(B)は、たと
えばエチレンまたはプロピレンの単独重合体、またはエ
チレンもしくはプロピレンと少量の他の重合性単量体と
の共重合体、たとえばプロピレン・エチレン共重合体、
プロピレン・1-ブテン共重合体、プロピレン・1-ヘキセ
ン共重合体、プロピレン・4-メチル・1-ペンテン共重合
体などが挙げられる。
【0015】上記の少量の他の重合性単量体としては、
具体的には、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸などが挙げられる。本発明においては、ポリオレフ
ィン系樹脂(B)のメルトフローレート(ASTM D
1238、230℃、荷重2.16kg)は、0.1〜
100g/10分、特に5〜50g/10分の範囲内に
あることが好ましい。
【0016】本発明で用いられる部分的に架橋された熱
可塑性エラストマー[I]においては、上記α- オレフ
ィン系共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン系樹脂
(B)の合計量100重量部に対して、α- オレフィン
系共重合体ゴム(A)は90〜75重量部、好ましくは
85〜75重量部の割合で用いられ、ポリオレフィン系
樹脂(B)は10〜25重量部、好ましくは15〜25
重量部の割合で用いられる。
【0017】また、本発明で用いられる部分的に架橋さ
れた熱可塑性エラストマー[II]においては、上記α-
オレフィン系共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン
系樹脂(B)の合計量100重量部に対して、α- オレ
フィン系共重合体ゴム(A)は60〜45重量部、好ま
しくは55〜45重量部の割合で用いられ、ポリオレフ
ィン系樹脂(B)は40〜55重量部、好ましくは45
〜55重量部の割合で用いられる。
【0018】パラフィン系鉱油(C) 熱可塑性エラストマー[I]で用いられるパラフィン系
鉱油(C)は、粘度比重恒数が通常0.790〜0.8
49、好ましくは0.790〜0.819の鉱物油系軟
化剤である。
【0019】鉱物油系軟化剤は、一般にパラフィン系、
ナフテン系、芳香族系等の鉱油に区別されている。本発
明では、パラフィン系鉱油が、ナフテン系、芳香族系の
鉱油と比較して、(i)上記α- オレフィン系共重合体
ゴム(A)およびポリオレフィン系樹脂(B)との相溶
性、(ii)押出機における熱可塑性エラストマー[I]
の押出性、 (iii)熱可塑性エラストマー[I]の貯蔵
安定性、(iv)熱可塑性エラストマー表皮シートの透明
性、色相安定性、耐光性等の面で優れているため、パラ
フィン系鉱油を用いる。
【0020】本発明においては、パラフィン系鉱油
(C)は、α- オレフィン系共重合体ゴム(A)および
ポリオレフィン系樹脂(B)の合計量100重量部に対
して、10〜45重量部、好ましくは15〜40重量部
の割合で用いられる。
【0021】熱可塑性エラストマーの製造方法 上記のような熱可塑性エラストマー[I]は、たとえ
ば、上述したα- オレフィン系共重合体ゴム(A)とポ
リオレフィン系樹脂(B)とパラフィン系鉱油(C)と
のブレンド物を、有機ペルオキシドの存在下に、動的に
熱処理して部分的に架橋することにより得ることができ
る。
【0022】また、上記のような熱可塑性エラストマー
[II]は、たとえば、上述したα-オレフィン系共重合
体ゴム(A)とポリオレフィン系樹脂(B)とのブレン
ド物を、有機ペルオキシドの存在下に、動的に熱処理し
て部分的に架橋することにより得ることができる。
【0023】ここに、「動的に熱処理する」とは、溶融
状態で混練することをいう。上記有機ペルオキシドとし
ては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブ
チルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(ter
t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(te
rt- ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサ
ン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バ
レレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイ
ルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチ
ルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロ
ピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイ
ルペルオキシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなど
を挙げることができる。
【0024】中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で、
2,5-ジメチル-2,5- ジ(tert- ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオ
キシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサンおよびn-ブチ
ル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが
好ましく、中でも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0025】この有機ペルオキシドは、上記(A)およ
び(B)成分の合計量100重量部に対して0.05〜
3重量部、好ましくは0.1〜1重量部、さらに好まし
くは0.1〜0.5重量部の割合で用いられる。有機ペ
ルオキシドを上記のような割合で用いると、弾性回復お
よび反撥弾性等のゴム的性質、引張特性、耐熱性に優れ
た熱可塑性エラストマー[I]および[II]が得られ
る。
【0026】混練装置としては、本発明では、押出機を
用いる。中でも非開放型の装置を用いるのが好ましく、
また混練は、窒素や炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で
行なうことが好ましい。混練は、使用する有機ペルオキ
シドの半減期が1分未満となる温度、通常150〜28
0℃、好ましくは170〜240℃で1〜20分、好ま
しくは1〜10分間行なえばよい。また加えられる剪断
力は、剪断速度で通常10〜104sec-1、好ましくは1
2 〜103sec-1とするのがよい。
【0027】本発明においては、上記有機ペルオキシド
による部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシ
ム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-
N,4- ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニ
ルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニ
レンジマレイミド等の架橋助剤;ジビニルベンゼン;ト
リアリルシアヌレート;エレチングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート等
の多官能性メタクリレートモノマー;ビニルブチラート
またはビニルステアレート等の多官能性ビニルモノマー
を配合することができる。
【0028】このような化合物により、均一かつ緩和な
架橋反応が期待できる。特に、ジビニルベンゼンは、取
扱い易さ、前記被処理物の主成分たるα- オレフィン系
共重合体ゴム(A)およびポリオレフィン系樹脂(B)
との相溶性が良好であり、かつ、有機ペルオキシド可溶
化作用を有し、有機ペルオキシドの分散助剤として働く
ため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性と
のバランスのとれた熱可塑性エラストマーが得られるた
め最も好ましい。
【0029】本発明においては、上記のような架橋助
剤、多官能性メタクリレートモノマー、多官能性ビニル
モノマー等の化合物の配合量は、被処理物全体100重
量部に対して、0.1〜2重量部、特に0.3〜1重量
部の範囲が好ましい。この範囲内で上記化合物を配合す
ることにより、流動性に優れ、かつ、加工成形する際の
熱履歴により物性の変化をもたらさない熱可塑性エラス
トマー[I]および[II]が得られる。
【0030】また、有機ペルオキシドの分解を促進する
ために、トリエチルアミン、トリブチルアミン、2,4,6-
トリス(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミン
や、アルミニウム、コバルト、バナジウム、銅、カルシ
ウム、ジルコニウム、マンガン、マグネシウム、鉛、水
銀等のナフテン酸塩などの分解促進剤を使用することも
できる。
【0031】上述したように、有機ペルオキシドの存在
下に、α- オレフィン共重合体ゴム(A)とポリオレフ
ィン系樹脂(B)とパラフィン系鉱油(C)とを動的に
熱処理することによって、部分的に架橋された熱可塑性
エラストマー[I]が得られる。また、有機ペルオキシ
ドの存在下に、α- オレフィン共重合体ゴム(A)とポ
リオレフィン系樹脂(B)とを動的に熱処理することに
よって、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー[I
I]が得られる。
【0032】なお、本発明において、熱可塑性エラスト
マーが部分的に架橋されたとは、下記の方法で測定した
ゲル含量が20%以上、好ましくは20〜99.5%、
特に好ましくは45〜98%の範囲内にある場合をい
う。 [ゲル含量の測定]熱可塑性エラストマーの試料を10
0mg秤取し、これを0.5mm×0.5mm×0.5
mmの細片に裁断したものを、密閉容器中にて30ml
のシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬した後、試
料を濾紙上に取出し、室温で72時間以上、恒量となる
まで乾燥する。
【0033】この乾燥残渣の重量から、ポリマー成分以
外のすべてのシクロヘキサン不溶性成分の重量およびシ
クロヘキサン浸漬前の試料中のポリオレフィン系樹脂
(B)成分の重量を減じた数値を、「補正された最終重
量 (Y)」とする。
【0034】一方、上記シクロヘキサン浸漬前の試料中
のα- オレフィン系共重合体ゴム(A)の重量、[すな
わち試料の重量から、(1)α- オレフィン系共重合体
ゴム(A)以外のシクロヘキサン可溶性成分(たとえば
鉱油や可塑剤)、(2)ポリオレフィン系樹脂(B)成
分、および(3)ポリマー成分以外のシクロヘキサン不
溶性成分の合計重量を減じた数値を、「補正された初期
重量 (X)」とする。
【0035】ここに、ゲル含量は、次の式で求められ
る。 ゲル含量[重量%]=[補正された最終重量(Y)/補
正された初期重量(X)]×100熱可塑性エラストマー組成物 本発明で用いられる熱可塑性エラストマー組成物におい
ては、熱可塑性エラストマー[I]および熱可塑性エラ
ストマー[II]の合計量100重量部に対して熱可塑性
エラストマー[I]は20〜80重量部、好ましくは3
0〜70重量部の割合で用いられ、熱可塑性エラストマ
ー[II]は80〜20重量部、好ましくは70〜30重
量部の割合で用いられる。
【0036】熱可塑性エラストマー[I]および熱可塑
性エラストマー[II]が上記のような割合からなる熱可
塑性エラストマー組成物は、塩化ビニル樹脂表皮シート
と同等ないしそれ以上に、真空成形性に優れた薄厚の熱
可塑性エラストマー表皮シートを提供することができ
る。
【0037】また、本発明においては、上記熱可塑性エ
ラストマー組成物中に、上記熱可塑性エラストマー
[I]および[II]のほかに、ポリオレフィン系樹脂
(D)を含有させてもよい。
【0038】このポリオレフィン系樹脂(D)は、上述
したポリオレフィン系樹脂(B)と同じであるが、本発
明においては、ポリオレフィン系樹脂(D)のメルトフ
ローレート(ASTM D 1238、230℃、荷重
2.16kg)は、0.1〜50g/10分、特に0.
4〜20g/10分の範囲内にあることが好ましい。
【0039】本発明においては、ポリオレフィン系樹脂
(D)は、熱可塑性エラストマー[I]および熱可塑性
エラストマー[II]の合計量100重量部に対して、5
〜100重量部、好ましくは10〜80重量部、さらに
好ましくは20〜50重量部の割合で用いられる。
【0040】ポリオレフィン系樹脂(D)を上記のよう
な割合で用いると、得られる熱可塑性エラストマー組成
物は、塩化ビニル樹脂表皮シートと同等ないしそれ以上
に、真空成形時に延展性に優れた熱可塑性エラストマー
表皮シートを提供することができる。
【0041】また、本発明では、上記熱可塑性エラスト
マー組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲内にお
いて、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、カーボン繊
維等の繊維状フィラー;炭酸カルシウム、ケイ酸カルシ
ウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、ケイソウ
土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸バリュウム、
硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネ
シウム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラスビー
ズ、シラスバルーン等の無機充填材;およびカーボンブ
ラック、酸化チタン、亜鉛華、べんがら、群青、紺青、
アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン
顔料等の着色材を配合することができる。
【0042】さらに、本発明では、上記熱可塑性エラス
トマー組成物中に、公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐
候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑
剤などを、ポリオレフィン系樹脂あるいはα- オレフィ
ン系共重合体ゴムで通常使用される程度の量で配合する
ことができる。
【0043】また、本発明では、上記熱可塑性エラスト
マー組成物中に、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム
等の無機系難燃剤;デカブロモジフェニールエーテル、
塩素化ポリエチレン等のハロゲン系難燃剤を配合するこ
とができる。
【0044】本発明において、耐光安定剤ならびに難燃
剤は、上記熱可塑性エラストマー組成物の製造を通じて
配合されるが、難燃剤については、有機ペルオキシドの
存在下における動的熱処理の後、続いてないし別途に押
出機やバンバリーミキサー等の混練機により配合するこ
とが好ましい。
【0045】自動車内装材用熱可塑性エラストマー表皮
シート 本発明に係る自動車内装材用熱可塑性エラストマー表皮
シートは、上記のような熱可塑性エラストマー組成物を
用いて、たとえば従来公知のT−ダイ押出法あるいはカ
レンダー法により得ることができる。
【0046】本発明に係る自動車内装材用熱可塑性エラ
ストマー表皮シートには、肉厚のシートと薄厚のシート
がある。肉厚のシートの厚みは、通常0.4〜3.0m
mであり、薄厚のシートの厚みは、通常0.1mm以上
0.4mm未満である。
【0047】本発明に係る自動車内装材用熱可塑性エラ
ストマー表皮シートの表面は、平滑であってもよいし、
またシボ模様が形成されていてもよい。本発明に係る自
動車内装材用熱可塑性エラストマー表皮シートは、通
常、ポリオレフィン樹脂発泡体からなるクッション材料
とラミネートされた後、真空成形される。
【0048】
【発明の効果】本発明で用いられる熱可塑性エラストマ
ー組成物は、α- オレフィン系共重合体ゴム(A)、ポ
リオレフィン系樹脂(B)およびパラフィン系鉱油
(C)を特定割合で含有してなる部分的に架橋された熱
可塑性エラストマー[I]と、α-オレフィン系共重合
体ゴム(A)およびポリオレフィン系樹脂(B)を特定
割合で含有してなる部分的に架橋された熱可塑性エラス
トマー[II]とを特定割合で含有してなるので、シート
成形性に優れ、高速で薄厚のシートを安定して調製する
ことができる。
【0049】本発明に係る自動車内装材用熱可塑性エラ
ストマー表皮シートは、上記のような熱可塑性エラスト
マー組成物からなるので、厚肉ないし薄厚のシートで、
塩化ビニル樹脂表皮シートと同等ないしそれ以上に、シ
ボ残り性、Rだれ性、延展性等の真空成形性に優れ、耐
寒性、耐熱老化性、耐光性、耐フォギング性および軽量
性に優れた成形体(自動車内装材)を提供することがで
きるという効果を有する。
【0050】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例に限定されるものではない。ま
ず、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラストマ
ー組成物のシート成形性と熱可塑性エラストマー表皮シ
ートの真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)の
評価方法を下記に示す。 [評価方法] (1)シート成形性 実施例、比較例で用いた同じTダイ押出機を用い、シー
トの引き取り速度を5m/分から10m/分まで変化さ
せて、シート成形性を4段階表示した。
【0051】4段階表示 A ・・・ 引き取り速度10m/分でシート成形が可能で
ある場合 B ・・・ 引き取り速度8m/分以下でシート成形が可能
である場合 C ・・・ 引き取り速度6m/分以下でシート成形が可能
である場合 D ・・・ 引き取り速度5m/分以下でシート成形が可能
である場合 なお、引き取り速度と得られるシートの厚みとの関係
は、次の通りである。
【0052】引き取り速度10m/分のとき、約0.2
mm厚のシートが得られ、引き取り速度8m/分のと
き、約0.25mm厚のシートが得られた。また、引き
取り速度6m/分のとき、約0.35mm厚のシートが
得られ、引き取り速度5m/分のとき、約0.4mm厚
のシートが得られた。 (2)シボ残り性 表皮シートの展開率が250%になる凸引き真空成形金
型を用いて真空成形を下記の条件で行ない、あらかじめ
シート表面に付けられていたシボの残り性を5段階表示
した。
【0053】凸引き真空成形条件:上下ヒーターは、シ
ートの表面温度が120℃になるようにヒーターをセッ
トした。5段階表示 5 ・・・ シボが全く消えていない状態 4 ・・・ シボがやや消えている状態 3 ・・・ シボが消えている状態 2 ・・・ シボが殆ど消えている状態 1 ・・・ シボが完全に消えている状態 (3)Rだれ性 半径5mm(5R)の稜線を有する凸引き真空成形金型
を用いて真空成形を下記の条件で行ない、真空成形され
たシート裏面の半径(R)を測定し、Rだれ性を5段階
表示した。
【0054】凸引き真空成形条件:上下ヒーターは、シ
ートの表面温度が120℃になるようにヒーターをセッ
トした。5段階表示 5 ・・・ R≦7mm 4 ・・・ 7mm<R≦9mm 3 ・・・ 9mm<R≦11mm 2 ・・・ 11mm<R≦13mm 1 ・・・ R>13mm (4)延展性 表皮シートの展開率が400%になる凸引き真空成形金
型を用いて真空成形を下記の条件で行ない、シートの延
展性を4段階表示した。
【0055】凸引き真空成形条件:上下ヒーターは、シ
ートの表面温度が120℃になるようにヒーターをセッ
トした。4段階表示 A ・・・ シートの破れ無し B ・・・ シートの破れ最大長さ1cm以下 C ・・・ シートの破れ最大長さ5cm以下 D ・・・ シートの破れ最大長さ10cm以上
【0056】
【実施例1】まず、2種類の熱可塑性エラストマー、す
なわち上記熱可塑性エラストマー[I](以下、「TP
E(I)」と称する)と、熱可塑性エラストマー[II]
(以下、「TPE(II)」と称する)のペレットを下記
のようにして製造した。
【0057】TPE(I)のペレット製造 (i)エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン
三元共重合体ゴム[エチレン単位/プロピレン単位(モ
ル比):78/22、ヨウ素価:15、ムーニー粘度M
1+4 (100℃):70]80重量部と、(ii)アイ
ソタクチックポリプロピレン樹脂[メルトフローレー
ト:13g/10分(ASTM D 1238、230
℃、荷重2.16kg)]20重量部と、(iii) ジ-t
ert-ブチルペルオキシド50重量%、ジビニルベンゼン
40重量%およびパラフィン系鉱油10重量%よりなる
混合物1重量部とをヘンシェルミキサーで混合した。
【0058】次いで、得られた混合物を押出機のホッパ
ーからシリンダー内に供給するとともに、パラフィン系
プロセスオイル[出光興産(株)製、商品名 ダイアナ
プロセスオイル、粘度比重恒数0.7942)の供給量
が21重量部となるようにプランジャーポンプを用いて
このパラフィン系プロセスオイルを押出機のシリンダー
部へ直接注入しながら、窒素雰囲気下、210℃で押出
して熱可塑性エラストマー[TPE(I)]のペレット
を製造した。
【0059】TPE(II)のペレット製造 (i)エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン
三元共重合体ゴム[エチレン単位/プロピレン単位(モ
ル比):78/22、ヨウ素価:15、ムーニー粘度M
1+4 (100℃):84]50重量部と、(ii)アイ
ソタクチックポリプロピレン樹脂[メルトフローレー
ト:13g/10分(ASTM D 1238、230
℃、荷重2.16kg)]50重量部と、(iii) ジ-t
ert-ブチルペルオキシド50重量%、ジビニルベンゼン
40重量%およびパラフィン系鉱油10重量%よりなる
混合物1重量部とをヘンシェルミキサーで混合した。
【0060】次いで、得られた混合物を押出機のホッパ
ーからシリンダー内に供給し、窒素雰囲気下、210℃
で押出して熱可塑性エラストマー[TPE(II)]のペ
レットを製造した。
【0061】表皮シートの製造 上記TPE(I)のペレット60重量部と上記TPE
(II)のペレット40重量部とをヘンシェルミキサーで
ブレンドした後、(株)東芝製90mmφT−ダイ押出
成形機を用いて、スクリューがフルフライト、L/D2
2、押出温度220℃、T−ダイがコートハンガーダ
イ、引取速度5m/分でシート状に押出し、溶融状態に
あるシート表面をロール温度60℃のシボ加工用ロール
側に接触させ、0.4mm厚のシボ付きシートを製造し
た。
【0062】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、上記のTPE
(I)とTPE(II)とのブレンド物について、シート
成形性を上記評価方法に従って評価した。
【0063】その結果を第1表に示す。
【0064】
【実施例2】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(I)のペレットおよびTPE(II)のペレットの
配合量をそれぞれ40重量部、60重量部とした以外
は、実施例1と同様にして0.4mm厚のシボ付きシー
トを製造した。
【0065】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、上記熱可塑性エ
ラストマーシート成形前のTPE(I)とTPE(II)
とのブレンド物について、シート成形性を上記評価方法
に従って評価した。
【0066】その結果を第1表に示す。
【0067】
【比較例1】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(I)のペレットのみを用い、TPE(II)のペレ
ットを用いなかった以外は、実施例1と同様にして0.
4mm厚さのシボ付きシートを製造した。
【0068】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、TPE(I)の
シート成形性を上記評価方法に従って評価した。
【0069】その結果を第1表に示す。
【0070】
【比較例2】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(I)のペレットを用いずにTPE(II)のペレッ
トのみを用いた以外は、実施例1と同様にして0.4m
m厚のシボ付きシートを製造した。
【0071】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、TPE(II)の
シート成形性を上記評価方法に従って評価した。
【0072】その結果を第1表に示す。
【0073】
【比較例3】熱可塑性エラストマーのペレット製造 上記TPE(II)のペレット製造において、(i)エチ
レン・プロピレン・エチリデンノルボルネン三元共重合
体および(ii)アイソタクチックポリプロピレン樹脂の
配合量をそれぞれ70重量部、30重量部とした以外
は、TPE(II)のペレット製造と同様にして、熱可塑
性エラストマー[以下、TPE(III) と略す]のペレ
ットを製造した。
【0074】表皮シートの製造 実施例1の表皮シートの製造において、TPE(I)お
よびTPE(II)を用いずに、上記TPE(III) のみ
を用いた以外は、実施例1と同様にして0.4mm厚の
シボ付きシートを製造した。
【0075】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、TPE(III)
のシート成形性を上記評価方法に従って評価した。
【0076】その結果を第1表に示す。
【0077】
【実施例3】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(I)およびTPE(II)の配合量をそれぞれ60
重量部、40重量部とし、さらに低圧法低密度ポリエチ
レン[密度:0.920g/cm3 、メルトフローレー
ト:2.1g/10分(ASTM D 1238、230
℃、荷重2.16kg、以下PE(I)と略す]のペレ
ットを30重量部用いた以外は、実施例1と同様にして
0.4mm厚のシボ付きシートを製造した。
【0078】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、上記熱可塑性エ
ラストマーシート成形前のTPE(I)とTPE(II)
とPE(I)とのブレンド物について、シート成形性を
上記評価方法に従って評価した。
【0079】その結果を第1表に示す。
【0080】
【比較例4】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(I)のペレット100重量部とPE(I)30重
量部を用い、TPE(II)を用いなかった以外は、実施
例1と同様にして0.4mm厚のシボ付きシートを製造
した。
【0081】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、上記熱可塑性エ
ラストマーシート成形前のTPE(I)とPE(I)と
のブレンド物について、シート成形性を上記評価方法に
従って評価した。
【0082】その結果を第1表に示す。
【0083】
【比較例5】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(II)のペレット100重量部とPE(I)30重
量部を用い、TPE(I)を用いなかった以外は、実施
例1と同様にして0.4mm厚のシボ付きシートを製造
した。
【0084】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また、上記熱可塑性エ
ラストマーシート成形前のTPE(II)とPE(I)と
のブレンド物について、シート成形性を上記評価方法に
従って評価した。
【0085】その結果を第1表に示す。
【0086】
【比較例6】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(II)のペレット40重量部とTPE(III) のペ
レット60重量部を用い、TPE(I)を用いなかった
以外は、実施例1と同様にして0.4mm厚のシボ付き
シートを製造した。
【0087】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また上記熱可塑性エラ
ストマーシート成形前のTPE(II)とTPE(III)
とのブレンド物について、シート成形性を上記評価方法
に従って評価した。
【0088】その結果を第1表に示す。
【0089】
【比較例7】実施例1の表皮シートの製造において、T
PE(II)のペレット40重量部とTPE(III) のペ
レット60重量部とPE(I)のペレット30重量部を
用い、TPE(I)を用いなかった以外は、実施例1と
同様にして0.4mm厚のシボ付きシートを製造した。
【0090】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また上記熱可塑性エラ
ストマーシート成形前のTPE(II)とTPE(III)
とPE(I)とのブレンド物について、シート成形性を
上記評価方法に従って評価した。
【0091】その結果を第1表に示す。
【0092】
【比較例8】実施例1のTPE(I)のペレット製造に
おいて、パラフィン系プロセスオイルの代わりにナフテ
ン系プロセスオイル[日本サン石油(株)製、商品名
サンオイル4240]を用いた以外は、実施例1と同様
にして熱可塑性エラストマー(以下、「TPE(IV)」
と称する)のペレットを製造した。以下、実施例1と同
様にして0.4mm厚のシボ付きシートを製造した。
【0093】得られた熱可塑性エラストマーシートにつ
いて、真空成形性(シボ残り性、Rだれ性、延展性)を
上記評価方法に従って評価した。また上記熱可塑性エラ
ストマーシート成形前のTPE(IV)とTPE(II)と
のブレンド物について、シート成形性を上記評価方法に
従って評価した。
【0094】その結果を第1表に示す。また、実施例1
の熱可塑性エラストマーシートおよびこの比較例8の熱
可塑性エラストマーシートについて、ウェザオメーター
(Weather-O-meter)[米国Atlas 社製耐
候試験機の商標名]を用いて、温度63℃、100時間
の条件で耐候試験を行なった。試験後のそれぞれのシー
トについて外観の変化を観察した結果、実施例1のシー
トには、変色は認められなかったのに対し、比較例8の
シートには、変色が認められた。このことから、熱可塑
性エラストマー[I]に添加される鉱油としては、パラ
フィン系鉱油が好ましく、ナフテン系鉱油は好ましくな
いことが理解される。
【0095】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖 汐 行 雄 静岡県浜松市東町1876番地 共和レザー株 式会社内 (72)発明者 中 村 光 由 静岡県浜松市東町1876番地 共和レザー株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α- オレフィン系共重合体ゴム(A)90
    〜75重量部、ポリオレフィン系樹脂(B)10〜25
    重量部[ただし、(A)および(B)の合計量は100
    重量部とする]およびパラフィン系鉱油(C)10〜4
    5重量部を含有してなる部分的に架橋された熱可塑性エ
    ラストマー[I]:20〜80重量部と、 α- オレフィン系共重合体ゴム(A)60〜45重量部
    およびポリオレフィン系樹脂(B)40〜55重量部
    [ただし、(A)および(B)の合計量は100重量部
    とする]を含有してなる部分的に架橋された熱可塑性エ
    ラストマー[II]80〜20重量部[ただし、[I]お
    よび[II]の合計量は100重量部とする]とを含有す
    る熱可塑性エラストマー組成物で構成されていることを
    特徴とする自動車内装材用熱可塑性エラストマー表皮シ
    ート。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性エラストマー組成物が、熱可
    塑性エラストマー[I]および熱可塑性エラストマー
    [II]の合計量100重量部に対して、ポリオレフィン
    系樹脂(D)を5〜100重量部含有していることを特
    徴とする請求項1に記載の自動車内装材用熱可塑性エラ
    ストマー表皮シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023001187A (ja) * 2017-04-19 2023-01-04 セイコーインスツル株式会社 熱可塑性エラストマー被覆層付き構造体、移動体および搬送装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023001187A (ja) * 2017-04-19 2023-01-04 セイコーインスツル株式会社 熱可塑性エラストマー被覆層付き構造体、移動体および搬送装置

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