JPH07233177A - ピロリドン環を有するケイ素化合物、ポリオルガノシロキサンおよび経皮吸収促進剤 - Google Patents

ピロリドン環を有するケイ素化合物、ポリオルガノシロキサンおよび経皮吸収促進剤

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JPH07233177A
JPH07233177A JP6046506A JP4650694A JPH07233177A JP H07233177 A JPH07233177 A JP H07233177A JP 6046506 A JP6046506 A JP 6046506A JP 4650694 A JP4650694 A JP 4650694A JP H07233177 A JPH07233177 A JP H07233177A
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Application number
JP6046506A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nagase
裕 長瀬
Takao Aoyanagi
隆夫 青柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な薬物の経皮吸収促進効果を有し、しか
も皮膚への刺激性、毒性が低く、多くの薬物に有効な作
用を示す経皮吸収促進剤を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるピロリドン環を
有するケイ素化合物、該ケイ素化合物から誘導される下
記一般式(II)で表されるピロリドン環を有するポリ
オルガノシロキサン、下記一般式(III)で表される
ピロリドン環を有するポリオルガノシロキサン、およ
び、下記一般式(II)または(III)で表わされる
ポリオルガノシロキサンよりなる薬物の経皮吸収促進
剤。 【化1】 (式中、R1〜R7は炭素数1〜6のアルキル基、Xは水
素原子、水酸基またはハロゲン原子、Yは炭素数1〜6
のアルキレン基、Zは水素原子または -(OCH2CH2)nOR
(Rは炭素数1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)
で表わされるポリオキシエチレン鎖、pは0〜6の整
数、mは0以上の整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピロリドン環を有する
新規なケイ素化合物、ピロリドン環を片末端に有する新
規なポリオルガノシロキサン、および該ポリオルガノシ
ロキサンの、薬物の皮膚を通しての透過、吸収を促進す
る経皮吸収促進剤としての用途に関する。
【0002】
【従来技術】医薬をより効率よく目的部位に到達させ、
副作用を抑える目的で、ドラッグデリバリーシステム
(DDS)についての研究が活発に行われている。この
中で、近年、皮膚を薬物の適用部位とする経皮吸収シス
テムが注目されている。このシステムの利点は、肝臓
での初回通過効果を避け得る、薬物の皮膚透過速度が
コントロールされ、持続的で一定な血中濃度を維持でき
る。投与が食物や嘔吐に影響されない。投与の調節
が容易である、目的部位の近傍に投与できる等の点に
ある。しかし、現状では投与量が比較的少量の薬物に
限られる、使用できる薬物に制限がある、角質層の
劣化や皮膚アレルギー反応を促進する可能性がある、
即効性が望めない等の短所がある。そこでこれらの点を
改善するために、経皮吸収促進剤の併用が検討されてい
る。
【0003】これまでに、ジメチルスルホキシド、1-
ドデシル-2-ピロリドン、1-ドデシルアザシクロヘプ
タン-2-オン、尿素等の使用が提案されている(嘉悦勲
監修、ドラッグデリバリーシステム213〜237頁、
シーエムシー)。また、本発明者らは皮膚に対する毒性
や刺激性の低い経皮吸収促進剤として、ベンザルコニウ
ム塩を側鎖に有するポリマー(特開平1−13112
7)、ピリジニウム塩を側鎖に有するポリマー(特開昭
64−52728)、N−メチルピリジニウム塩を片末
端に有するポリオルガノシロキサン(特開平3−778
91)、ピリジニウム塩またはアンモニウム塩を片末端
に有するポリオルガノシロキサン(特開平4−1737
47)、カルボン酸残基を片末端に有するポリオルガノ
シロキサン(特開平5−139997)等の高分子化合
物を提案してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
促進剤のうちジメチルスルホキシド、1-ドデシル-2-
ピロリドン、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オ
ン、尿素等の低分子化合物は皮膚に対する毒性や刺激性
がある点で実際の使用に際しては問題を含んでいた。一
方、本発明者らが提案している上記の高分子化合物はい
ずれも良好な促進効果を有し、また高分子なるが故に皮
膚内部に浸透せず低毒性、低刺激性を併せ持っている。
特に、片末端にピリジニウム塩、アンモニウム塩または
カルボン酸残基を有するポリオルガノシロキサンは生体
に対して不活性なポリシロキサン鎖からなるため極めて
低毒性である。しかしながら、本発明者らが提案してき
たこれらのポリシロキサン系促進剤は脂溶性薬物の経皮
吸収においては極めて効果的であるが、水溶性薬物の場
合には促進効果が半減し、促進剤として使用できる薬物
が限られるという点で課題を残している。また、別のタ
イプの極性基を有する低毒性の経皮吸収促進剤が見い出
せれば、経皮吸収システムに応用できる薬物の使用範囲
がさらに広がる可能性がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、ピ
リジニウム塩やアンモニウム塩、あるいはカルボン酸残
基以外の極性基を有するポリシロキサン系促進剤につい
て鋭意検討した結果、ピロリドン環を有する新規なケイ
素化合物が合成可能であり、それを原料としてピロリド
ン環を片末端に有するポリオルガノシロキサンが合成で
きること、ピロリドン環を片末端に有するポリオルガノ
シロキサン類が優れた経皮吸収促進作用を示すこと、さ
らにシロキサン鎖の他の末端に親水性基を導入すれば脂
溶性薬物に限らず水溶性薬物に対しても優れた経皮吸収
促進作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、下記一般式(I)
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1〜R3は同一もしくは異なって
もよく炭素数1〜6のアルキル基、Xは水素原子、水酸
基またはハロゲン原子、pは0〜6の整数。)で表され
るピロリドン環を有するケイ素化合物、該ケイ素化合物
から誘導される下記一般式(II)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R1〜R7は同一もしくは異なって
もよく炭素数1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜6の
アルキレン基、Zは水素原子または -(OCH2CH2)nOR
(Rは炭素数1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)
で表わされるポリオキシエチレン鎖、pは0〜6の整
数、mは0以上の整数。)で表されるピロリドン環を有
するポリオルガノシロキサン、下記一般式(III)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R2〜R7は同一もしくは異なって
もよく炭素数1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜6の
アルキレン基、Zは水素原子または -(OCH2CH2)nOR
(Rは炭素数1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)
で表わされるポリオキシエチレン鎖、pは0〜6の整
数、mは0以上の整数。)で表されるピロリドン環を有
するポリオルガノシロキサン、および、前記一般式(I
I)または前記一般式(III)で表されるピロリドン
環を有するポリオルガノシロキサンよりなる薬物の経皮
吸収促進剤に関するものである。
【0013】前記一般式(I)〜(III)中R1〜R7
で表わされる炭素数1〜6のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、イソプロピル基、t−ブチル基等を例示す
ることができる。ただし、本発明の前記一般式(II)
および(III)で表わされる片末端にピロリドン環を
有するポリオルガノシロキサンを経皮吸収促進剤として
用いる場合には、上記アルキル基が炭素数3以下のアル
キル基、特にメチル基であるものが合成のし易さおよび
ポリシロキサン鎖の特性を生かす上で好ましい。
【0014】本発明の前記一般式(I)で表わされるケ
イ素化合物は、例えば、以下に述べる方法により製造す
ることができる。すなわち、下記一般式(IV)
【0015】
【化9】
【0016】(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基
である。)で表わされるピロリドン化合物を強塩基と反
応させた後、下記一般式(V)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、R2およびR3は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基、Aはハロゲン原
子、pは0〜6の整数である。)で表わされるケイ素化
合物と反応させることにより、前記一般式(I)中のX
が水素原子であるヒドロシラン化合物を合成することが
できる。なお、前記一般式(IV)および前記一般式
(V)で表わされる化合物のほとんどは市販されてお
り、また市販されていないものについては公知の方法に
より容易に合成することができる。また、該ヒドロシラ
ン化合物を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの無機塩基を含む
水溶液と反応させることにより、前記一般式(I)中の
Xが水酸基であるヒドロキシシラン化合物を合成するこ
とができる。さらに、該ヒドロシラン化合物を、四塩化
炭素、四臭化炭素または四ヨウ化炭素などの含ハロゲン
溶媒共存下、アゾビスイソブチロニトリル、ジラウロイ
ルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシドまたはベン
ゾイルペルオキシドなどのラジカル開始剤と反応させる
ことにより、前記一般式(I)中のXがハロゲン原子で
あるハロシラン化合物を合成することができる。
【0019】上記の反応において用いる強塩基として
は、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウ
ム、リチウムジイソプロピルアミド、ビストリメチルシ
リルリチウムアミド等の有機リチウム化合物、水素化ナ
トリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、
ヨウ化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、
臭化フェニルマグネシウム等のグリニャール化合物等を
例示することができる。これらの強塩基は通常原料の前
記一般式(IV)で表されるピロリドン化合物に対して
ほぼ1当量用いる。反応温度は−80℃から室温までの
比較的低温で行うことが副反応を抑える点で好ましい。
また、本反応は、有機溶媒中で行うのが好ましくここで
用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシ
エタン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等
が好適に用いられる。さらに、この反応はアルゴンや窒
素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましい。
【0020】本発明の前記一般式(II)で表わされる
ピロリドン環を有するポリオルガノシロキサンのうちポ
リオルガノシロキサン鎖の重合度mが1以上のものは、
例えば、以下に述べる方法により製造することができ
る。すなわち、前記一般式(I)中のXが水酸基である
ヒドロキシシラン化合物を強塩基と反応させた後、下記
一般式(VI)
【0021】
【化11】
【0022】(式中、R4およびR5は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基である。)で表わ
されるシクロトリシロキサン化合物を開環重合させ、さ
らに、下記一般式(VII)
【0023】
【化12】
【0024】(式中、R6およびR7は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜
6のアルキレン基である。)で表わされるクロロシラン
化合物で反応を停止させることにより、前記一般式(I
I)で表わされるポリオルガノシロキサンのうちZが水
素原子のものを合成できる。一方、前記一般式(II)
で表わされるポリオルガノシロキサンのうちZがポリオ
キシエチレン鎖のものは、下記一般式(VIII)
【0025】
【化13】
【0026】(式中、R6、R7およびRは同一もしくは
異なってもよく炭素数1〜6のアルキル基、rは2〜6
の整数、nは1以上の整数である。)で表わされるヒド
ロキシシリル基を末端に有するポリオキシエチレン化合
物を強塩基と反応させた後、前記一般式(VI)で表わ
されるシクロトリシロキサン化合物を開環重合させ、さ
らに、前記一般式(I)中のXがハロゲン原子であるハ
ロシラン化合物で反応を停止させることにより合成する
ことができる。なお、これらの反応で用いられる強塩基
としては前述と同様な試薬が例示でき、またいずれの反
応も前述と同様な温度、有機溶媒中、不活性ガス雰囲気
下において好適に進行する。
【0027】一方、前記一般式(II)で表わされるピ
ロリドン環を有するポリオルガノシロキサンのうち重合
度mが0のものについては、前記一般式(VI)で表さ
れるシクロトリシロキサン化合物を用いずに、例えば、
前記一般式(I)中のXが水酸基であるヒドロキシシラ
ン化合物と前記一般式(VII)で表わされるクロロシ
ラン化合物との縮合反応、あるいは、前記一般式(I)
中のXがハロゲン原子であるハロシラン化合物と前記一
般式(VIII)で表わされるヒドロキシシリル基を末
端に有するポリオキシエチレン化合物との縮合反応によ
り容易に製造することができる。
【0028】上記の反応で、ポリシロキサン骨格を形成
するためのモノマーとなる前記一般式(VI)で表され
るシクロトリシロキサン化合物としては、ヘキサメチル
シクロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキ
サン、ヘキサプロピルシクロトリシロキサン、ヘキサイ
ソプロピルシクロトリシロキサン、ヘキサブチルトリシ
ロキサン、ヘキサペンチルシクロトリシロキサン、ヘキ
サヘキシルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメ
チル−1,3,5−トリエチルシクロトリシロキサン、
1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリ−t−ブチ
ルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリメチル−
1,3,5−トリプロピルシクロトリシロキサン、1,
3,5−トリメチル−1,3,5−トリヘキシルシクロ
トリシロキサン等を例示することができ、これらの一部
は市販されている。また、これらのシクロトリシロキサ
ン化合物はこの反応に際して2種類以上の混合物を用い
てもよい。
【0029】前記一般式(VII)で表されるクロロシ
ラン化合物としては、トリメチルクロロシラン、トリエ
チルクロロシラン、トリプロピルクロロシラン、トリブ
チルクロロシラン、トリペンチルクロロシラン、トリヘ
キシルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、プ
ロピルジメチルクロロシラン、イソプロピルジメチルク
ロロシラン、ブチルジメチルクロロシラン、t-ブチルジ
メチルクロロシラン、ペンチルジメチルクロロシラン、
ヘキシルジメチルクロロシラン、ジプロピルメチルクロ
ロシラン、ジイソプロピルメチルクロロシラン、ジブチ
ルメチルクロロシラン、ジーt-ブチルメチルクロロシラ
ン、ジペンチルメチルクロロシラン、ジヘキシルメチル
クロロシラン等を例示することができ、これらのほとん
どは市販されている。
【0030】また、上記の反応で用いられる前記一般式
(VIII)で表わされるポリオキシエチレン化合物
は、例えば、以下に示す方法により製造することができ
る。すなわち、下記一般式(IX)
【0031】
【化14】
【0032】(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、
nは1以上の整数である。)で表わされる市販のポリオ
キシエチレン化合物を強塩基と反応させた後、下記一般
式(X)
【0033】
【化15】
【0034】(式中、Aはハロゲン原子、rは2〜6の
整数である。)で表わされるアルケニル化合物と反応さ
せ、下記一般式(XI)
【0035】
【化16】
【0036】(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、
rは2〜6の整数、nは1以上の整数である。)で表わ
される末端にアルケニル基を有するポリオキシエチレン
化合物を合成し、さらに前記一般式(XI)で表わされ
るポリオキシエチレン化合物を、下記一般式(XII)
【0037】
【化17】
【0038】(式中、R6およびR7は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基、A1はハロゲン
原子または低級アルコキシ基である。)で表わされるヒ
ドロシラン化合物とヒドロシリル化触媒存在下反応させ
ることにより、下記一般式(XIII)
【0039】
【化18】
【0040】(式中、R6およびR7は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基、A1はハロゲン
原子または低級アルコキシ基、Rは炭素数1〜6のアル
キル基、rは2〜6の整数、nは1以上の整数であ
る。)で表わされる末端にシリル基を有するポリオキシ
エチレン化合物を合成し、得られたポリオキシエチレン
化合物の末端シリル基上のハロゲン原子または低級アル
コキシ基を加水分解することにより得られる。
【0041】なお、上記の前記一般式(IX)と(X)
との反応で用いられる強塩基としては前述と同様な試薬
が例示でき、またこの反応も前述と同様な温度、有機溶
媒中、不活性ガス雰囲気下において好適に進行する。ま
た、前記一般式(X)で表わされるアルケニル化合物と
しては、ビニルクロリド、ビニルブロミド、アリルクロ
リド、アリルブロミド、アリルヨージド、4−ブロモブ
テン、5−ブロモペンテン、6−ブロモヘキセン等を例
示できる。前記一般式(XII)で表わされるヒドロシ
ラン化合物としては、ジメチルクロロシラン、ジメチル
メトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジエチルク
ロロシラン、ジエチルメトキシシラン、ジプロピルエト
キシシラン、ジイソプロピルエトキシシラン、ジブチル
エトキシシラン、ジ−t−ブチルエトキシシラン、ジペ
ンチルエトキシシラン、ジヘキシルエトキシシラン、メ
チルエチルメトキシシラン、メチルプロピルメトキシシ
ラン、メチルブチルクロロシラン、メチルヘキシルエト
キシラン等を例示できる。
【0042】上記の製造方法において、前記一般式(X
I)で表わされるアルケニル基を有するポリオキシエチ
レン化合物と前記一般式(XII)で表わされるヒドロ
シラン化合物とを反応させ、前記一般式(XIII)で
表わされるポリオキシエチレン化合物を製造する際に用
いるヒドロシリル化触媒としては、白金、白金炭素、塩
化白金酸およびジシクロペンタジエニルプラチナムジク
ロリドなどの白金系触媒を用いるのが最も一般的である
が、その他にもパラジウムやロジウムを含む金属錯体が
使用可能である。例えば、(Ph3P)4Pd,(Ph3P)2
PdCl2,(PhCN)2PdCl2,(Ph3P)3RhC
l,(Ph2PH)2RhCl,(Ph3P)2(CO)Rh
Cl, [(C25)3P]2(CO)RhClなどを触媒とし
て用いることができる。用いる触媒の量は、前記一般式
(XI)で表わされる化合物のアルケニル基に対して通
常1/100〜1/1000当量程度で充分である。ま
たこの反応を完結させるためには、前記一般式(XI
I)で表わされる化合物が前記一般式(XI)で表わさ
れる化合物のアルケニル基に対して等モル以上になるよ
うに混合する必要がある。この反応は溶媒中で行うのが
好ましく、溶媒としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、アセトン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、テト
ラヒドロフランなどを用いることができる。反応温度は
通常40℃〜100℃の温度範囲で行い、またアルゴン
や窒素等の不活性気体雰囲気下で行うのが好ましい。
【0043】前記一般式(XIII)で表わされるポリ
オキシエチレン化合物から前記一般式(VIII)で表
わされるポリオキシエチレン化合物への加水分解は、通
常塩基性または酸性物質の存在下で行なうことにより反
応が円滑に進行する。ここで用いる塩基性または酸性物
質としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の塩基性
物質または塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、硫酸カルシウム、
硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の酸性物質が好適
に用いられる。特に、上記の塩基性または酸性物質のう
ち、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢
酸ナトリウム等の弱塩基性物質または、酢酸、硫酸カル
シウム、硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の弱酸性
物質を用いる方が好ましい。これらの塩基性または酸性
物質は前記一般式(XIII)で表わされる化合物に対
して0.1〜5.0当量の範囲で用いることが好まし
い。また、この反応は水存在下で行なうことが必須であ
るが、メタノール、エタノール、プロパノール、アセト
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等の水に可溶
な有機溶媒を併用することにより反応が好適に進行す
る。反応温度は通常室温付近で充分であるが、温度が高
いと目的物であるシラノールの2量体であるジシロキサ
ン化合物が副生成物として得られることがある。また、
この2量化反応が進行し易い場合には、副生成物の生成
量を最小限に抑えるため、反応温度を−100℃から室
温の範囲でコントロールすることが好ましい。
【0044】さらに、前記一般式(II)で表わされる
ポリオルガノシロキサンは、上記の方法以外からも製造
することができる。すなわち、前記一般式(IV)で表
わされるピロリドン化合物を強塩基と反応させた後、下
記一般式(XIV)
【0045】
【化19】
【0046】(式中、Aはハロゲン原子、R2〜R7は同
一もしくは異なってもよく炭素数1〜6のアルキル基、
Yは炭素数1〜6のアルキレン基、Zは水素原子または
-(OCH2CH2)nOR (Rは炭素数1〜6のアルキル基、n
は1以上の整数)で表わされるポリオキシエチレン鎖、
pは0〜6の整数、mは0以上の整数。)で表されるハ
ロゲン原子またはハロアルキル基を末端に有するポリオ
ルガノシロキサンと反応させることにより合成できる。
この反応において用いる強塩基および反応条件は、前述
の前記一般式(IV)と(V)との反応の場合と同様で
ある。
【0047】ここで用いられる前記一般式(XIV)で
表わされるハロゲン原子またはハロアルキル基を末端に
有するポリオルガノシロキサンのうちポリオルガノシロ
キサン鎖の重合度mが1以上のものは、市販されている
ものもあるが、例えば以下に示す方法により製造するこ
とができる。すなわち、下記一般式(XV)
【0048】
【化20】
【0049】(式中、R6およびR7は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜
6のアルキレン基である。)で表わされるシラノール化
合物または前記一般式(VIII)で表わされるヒドロ
キシシリル基を末端に有するポリオキシエチレン化合物
を、前述と同様な強塩基および反応条件を用いて反応さ
せた後、前記一般式(VI)で表わされるシクロトリシ
ロキサン化合物を開環重合させ、さらに、下記一般式
(XVI)
【0050】
【化21】
【0051】(式中、Aはハロゲン原子、R2およびR3
は同一もしくは異なってもよく炭素数1〜6のアルキル
基、pは0〜6の整数である。)で表わされるクロロシ
ラン化合物で反応を停止させることにより合成すること
ができる。一方、前記一般式(XIV)で表わされるハ
ロゲン原子またはハロアルキル基を末端に有するポリオ
ルガノシロキサンのうち重合度mが0のものについて
は、前記一般式(VI)で表されるシクロトリシロキサ
ン化合物を用いずに、例えば、前記一般式(XV)で表
わされるシラノール化合物、または前記一般式(VII
I)で表わされるヒドロキシシリル基を末端に有するポ
リオキシエチレン化合物と、前記一般式(XVI)で表
わされるクロロシラン化合物との縮合反応により容易に
製造することができ、またその一部は市販されている。
【0052】前記一般式(XV)で表されるシラノール
化合物としては、例えば、トリメチルシラノール、トリ
エチルシラノール、トリプロピルシラノール、トリイソ
プロピルシラノール、トリブチルシラノール、トリペン
チルシラノール、トリヘキシルシラノール、メチルジエ
チルシラノール、ジメチルエチルシラノール、ジメチル
プロピルシラノール、ジメチルイソプロピルシラノー
ル、ジメチルブチルシラノール、ジメチルイソブチルシ
ラノール、ジメチル−t−ブチルシラノール、ジメチル
ヘキシルシラノール等が挙げられる。また、停止剤とし
て用いる前記一般式(XVI)で表されるクロロシラン
化合物としては、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジ
クロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、ブ
ロモメチルジメチルクロロシラン、ヨードメチルジメチ
ルクロロシラン、2−クロロエチルジメチルクロロシラ
ン、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、3−ブ
ロモプロピルジメチルクロロシラン、3−ヨードプロピ
ルジメチルクロロシラン、4−クロロブチルジメチルク
ロロシラン、5−クロロペンチルジメチルクロロシラ
ン、6−クロロヘキシルジメチルクロロシラン、3−ク
ロロプロピルジエチルクロロシラン、3−ブロモプロピ
ルジプロピルクロロシラン、3−クロロプロピルジブチ
ルクロロシラン、3−クロロプロピルジヘキシルクロロ
シラン、3−クロロプロピルメチルエチルクロロシラ
ン、3−クロロプロピルメチルプロピルクロロシラン、
3−クロロプロピルメチルイソプロピルクロロシラン、
3−クロロプロピルメチル−t−ブチルクロロシラン、
3−クロロプロピルメチルブチルクロロシラン、3−ク
ロロプロピルメチルヘキシルクロロシラン等を例示する
ことができる。
【0053】一方、前記一般式(III)で表わされる
本発明のピロリドン環を有するポリオルガノシロキサン
は、例えば以下に述べる方法により製造することができ
る。すなわち、2−ピロリドンを水素化ナトリウム、水
素化カリウム等のアルカリ金属水素化物と反応させた
後、前記一般式(XIV)で表わされるハロゲン原子ま
たはハロアルキル基を末端に有するポリオルガノシロキ
サンと反応させることにより合成できる。これらのアル
カリ金属水素化物は通常原料の2−ピロリドンに対して
ほぼ1当量用いる。反応温度は−80℃から室温までの
比較的低温で行うことが副反応を抑える点で好ましい。
また、本反応は、有機溶媒中で行うのが好ましくここで
用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシ
エタン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、ヘキサン等
が好適に用いられる。さらに、この反応はアルゴンや窒
素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましい。
【0054】以上述べた製造方法において、前記一般式
(VI)で表されるシクロトリシロキサン化合物の開環
重合の際にその量を調整することにより、前記一般式
(II)、(III)およびそれらの前駆体となる(X
IV)で表わされるポリオルガノシロキサン化合物の重
合度mをコントロールすることができる。すなわち、こ
の重合度mを1以上とするためには、前記一般式(V
I)で表わされるシクロシロキサン化合物の量を開始剤
に対して少なくとも1/3当量以上用いることが必要で
ある。ただし、この場合、前記一般式(II)、(II
I)および(XIV)で表わされるポリオルガノシロキ
サンは、それぞれ重合度mが異なるポリオルガノシロキ
サンの混合物となるので、実測される重合度は平均値バ
ーm(1以上の実数)として表わされる。
【0055】前記一般式(II)または(III)で表
わされるピロリドン環を有するポリオルガノシロキサン
を本発明の薬物の経皮吸収促進剤として用いる場合、そ
の重合度が促進効果に大きく影響する。高い促進効果を
発現させるためには、用いる薬物によっても異なるが、
上記の重合度mまたは平均重合度バーmが0〜100の
範囲にあることが望ましく、さらには0〜50の範囲に
あることがより好ましい。また、(II)または(II
I)で表わされるピロリドン環を有するポリオルガノシ
ロキサンにおいて末端基Zが -(OCH2CH2)nOR (Rは炭
素数1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)で表わさ
れるポリオキシエチレン鎖である場合には、その重合度
nまたは平均重合度バーnは1〜50の範囲にあること
が好ましい。
【0056】本発明の前記一般式(II)または(II
I)で表わされるピロリドン環を有するポリオルガノシ
ロキサンよりなる薬物の経皮吸収促進剤は、投与すべき
薬物と共に、水、アルコール等の溶剤に溶解したチンキ
剤、あるいは軟膏、クリーム基剤中に混合させた軟膏、
クリーム剤、さらにはポリマーフィルム中あるいは粘着
剤中に混入したテープ製剤等の任意の形態で使用するこ
とができる。本発明の経皮吸収促進剤の含有量は、その
使用形態により異なるが、一般に0.1重量%〜50重
量%、好ましくは1重量%〜20重量%であり、少ない
場合には吸収促進効果が小さくなり、多い場合には皮膚
刺激性などの副作用が著しくなると共にかえって薬物の
放出が抑制される場合も生じる。
【0057】本発明において用いられる薬物は、人間用
あるいは動物用いずれの薬物であってもよく、例えば消
炎鎮痛剤としては、アセトアミノフェノン、アスピリ
ン、サリチル酸メチル、サリチル酸コリン、サリチル酸
グリコール、l−メントール、カンファー、メフェナム
酸、フルフェナム酸、アンチピリン、インドメタシン、
ジクロフェナック、ジクロフェナックナトリウム、アル
クロフェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナ
プロキセン、プラノプロフェン、フェノプロフェン、フ
ェンプロフェン、フルルビプロフェン、インドプロフェ
ン、フェンチアザック、トルメチン、スプロフェン、ベ
ンザダック、ブフェキサマック、ピロキシカム、フェニ
ルブタゾン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ペ
ンタゾジン、メピリゾールなど;ステロイド系消炎剤と
しては、ヒドロコーチゾン、プレドニゾロン、デキサメ
サゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロン
アセトニド、フルドロコーチゾンアセテートなど;抗ヒ
スタミン剤ないし抗アレルギー剤としてはクロルフェニ
ラミン、グリチルリチン酸、ジフェンヒドラミン、ペリ
アクチンなど;局所麻酔剤としてはベンゾカイン、プロ
カイン、ジブカイン、リドカインなど;抗菌剤等として
は、クロルテトラサイクリンなどのテトラサイクリン
類、アンピシリンなどのペニシリン類、セファロチンな
どのセファロスポリン類、カナマイシンなどのアミノグ
リコシド類、エリスロマイシンなどのマクロライド類、
クロラムフェニコール、ヨード化合物、ニトロフラント
イン、ナイスタチン、アンホテリシン、フラジオマイシ
ン、スルホンアミド類、ピロールニトリン、クロトリマ
ゾール、ニトロフラゾンなど;抗高血圧剤としてはクロ
ニジン、α−メチルドーパ、レセルピン、シロシンゴピ
ン、レシナミン、シンナリジン、ヒドラジン、プラゾシ
ンなど;降圧利尿剤としてはテオフィリン、トリクロロ
メチアジド、フロセミド、トリバミド、メチクロチアジ
ド、ペンフルジド、ハイドロサイアザイド、スピロノラ
クトン、メトラゾンなど;強心剤としてはジギタリス、
ユビデカレノン、ドパミンなど;冠血管拡張剤としては
ニトログリセリン、イソソルビトール−ジナイトレー
ト、エリスリト−ルテトラナイトレート、ペンタエリス
リトールテトラナイトレート、ジピリダモール、ジラゼ
ブ、トラピジル、トリメタジジンなど;血管収縮剤とし
てはジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシンな
ど;β−ブロッカーないし抗不整脈治療剤としてはピン
ドール、塩酸プロプラノロールなど;カルシウム拮抗剤
としてはジルチアゼム、ニフェジピン、ニカルジピン、
ベラパミル、ベンシクラン、ジラゼブなど;抗てんかん
剤としてはニトラゼパム、メプロバメート、フェニトイ
ンなど;抗めまい剤としてはイソプレナリン、ベタヒス
チン、スコポラミンなど;精神安定剤としてはジアゼパ
ム、ロラゼパム、フルニトラゼパム、フルフェナジンな
ど;催眠鎮静剤としてはフェノバルビタール、アモバル
ビタール、シクロバルビタールなど;筋弛緩剤としては
トリペリゾン、バクロフェン、タントロレンナトリウ
ム、シクロベンザピリンなど;自律神経用剤としてはア
トロピン、レボドパなど;呼吸器官用剤としてはコデイ
ン、エフェドリン、イソプロテレノール、デキストロメ
トルファン、オレシプレナリン、イプラトロピウムブロ
ミド、クロモグリク酸など;ホルモン剤ないし抗ホルモ
ン剤としてはコルチコトロピン、オキシトシン、バソプ
レシン、テストステロン、プロゲステロン、エストラジ
オール、唾液腺ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎ホルモ
ン、カリクレイン、インシュリン、オキセンドロンな
ど;ビタミン剤としてはビタミンA,B,C,D,E,
Kおよびそれらの誘導体、カルシェフェロール類、メコ
バラミンなど;抗腫瘍剤としては5−フルオロウラシル
およびその誘導体、アドリアマイシン、クレスチン、ピ
シバニール、アンシタビン、シタラビンなど;酵素類と
してはウロキナーゼなど;漢方薬ないし生薬エキスとし
ては、甘草、アロエ、紫根など;抗潰瘍剤としてはアラ
ントイン、アルジオキサ、アルクロキサなど;その他プ
ロスタグランジン類、糖尿病治療剤などを挙げることが
できる。これらの薬物は必要に応じ、二種以上を併用す
ることもできる。
【0058】本発明の経皮吸収促進剤を含有する薬物の
製剤は、人体の各部位の皮膚、粘膜(口腔、鼻腔、直
腸、膣)に、目的に応じて必要量を塗布し適用する事が
できる。例えば、外傷、皮膚潰瘍、筋肉痛、関節炎等に
対する局所的治療のためであれば、直接患部ないしその
付近に、また体内の器官等に対する全身的治療のためで
あれば、薬物吸収されやすい部位(例:角質の発達して
いない部位)に適用するのが好ましい。なお、化粧用と
して使用する場合は、上記製剤をそのままあるいは上記
薬物から選択したものないし公知の化粧成分を配合した
ものを、皮膚の洗浄、パック、日焼けや肌荒れの対策、
モイスチャーライジングなどの目的で使用することがで
きる。
【0059】以下、本発明を参考例、実施例、試験例、
および比較例によりさらに詳細に説明する。ただし、本
発明がこれらに限定されるものではないことはもちろん
である。なお、以下に示す反応式および文中、D3はヘ
キサメチルシクロトリシロキサンを表わす。
【0060】
【実施例】
実施例1 ピロリドン環を有するヒドロシラン化合物の
合成
【0061】
【化22】
【0062】ジイソプロピルアミン25.0ml(0.178mol)を
含むテトラヒドロフラン溶液150mlを-78℃に冷却し、n-
ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/l)111ml(0.178m
ol)を加え、アルゴン雰囲気下、30分間攪拌してリチウ
ムジイソプロピルアミド(LDA)溶液を調整した。こ
の溶液に、1-メチル-2-ピロリドン17.1ml(0.178mol)を
加え、0℃で1時間攪拌した後、クロロメチルジメチル
シラン19.3g(0.178mol)を加え、さらに室温にて一晩攪
拌した。溶媒を溜去後、エーテルを加えて析出した塩を
濾別し、減圧蒸留により精製し、1-メチル-3-ジメチル
ヒドロシリルメチル-2-ピロリドン15.9gを得た。(収率5
2.0%、沸点80-82℃/3mmHg)
【0063】1H-NMRδ(CDCl3, ppm); 0.05 (6H, d, J=
7.0Hz), 0.58 (1H, m), 1.22 (1H, m), 1.56 (1H, m),
2.20 (2H, m), 2.80 (3H, s), 3.25 (2H, m), 3.91 (1
H, m). IRν(neat, cm-1); 2960, 2900, 2120 (Si-H), 1690,
1500, 1430, 1400, 1300, 1250 (Si-C), 1075, 890, 84
0.
【0064】実施例2 ピロリドン環を有するヒドロキ
シシラン化合物の合成
【0065】
【化23】
【0066】実施例1で合成した1-メチル-3-ジメチル
ヒドロシリルメチル-2-ピロリドン10.0g(0.053mol)をメ
タノール100mlに溶解させ、2mmol/lの炭酸ナトリウムを
含む水溶液100mlをゆっくりと滴下した。2日間室温で
攪拌後、メタノールを溜去し、エーテルで抽出した。硫
酸ナトリウムで乾燥後、エーテルを溜去し、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、1-メチル-3-
ジメチルヒドロキシシリルメチル-2-ピロリドン5.57gを
得た。(収率49.4%)
【0067】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.05 (6H, s),
0.70 (2H, m), 1.60 (1H, m), 2.32 (2H, m), 2.57 (3
H, s), 3.28 (2H, m), 5.32 (1H, s). IRν(neat, cm-1); 3400 (-OH), 2960, 2900, 1670, 1
500, 1430, 1400, 1300,1250 (Si-C), 900, 830.
【0068】実施例3 ピロリドン環を有するクロロシ
ラン化合物の合成
【0069】
【化24】
【0070】実施例1で合成した1-メチル-3-ジメチル
ヒドロシリルメチル-2-ピロリドン6.0g(0.035mol)、四
塩化炭素8.43ml(0.088mol)およびアゾビスイソブチロニ
トリル0.12g(0.0007mol)を200mlのナス型フラスコに入
れ、常法により脱気封管した。70℃で12時間攪拌した
後、未反応の原料および溶媒を減圧留去して、1-メチル
-3-クロロジメチルシリルメチル-2-ピロリドン2.69gを
得た。(収率37.3%)
【0071】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.05 (6H, s),
0.72 (2H, m), 1.63 (1H, m), 2.28 (2H, m), 2.56 (3
H, s), 3.30 (2H, m). Mass (m/e); 205(M+), 204, 190, 170(M+-Cl), 112, 9
3.
【0072】実施例4 ピロリドン環を有するヒドロシ
ラン化合物の合成
【0073】
【化25】
【0074】水素化ナトリウム14.1g(0.59mol)を含むテ
トラヒドロフラン溶液300mlに、蒸留精製した2-ピロリ
ドン50.0g(0.59mol)を0℃で加えた。アルゴン雰囲気
下、3時間還流後、1-臭化プロパン72.3g(0.59mol)を加
え、さらに12時間還流した。テトラヒドロフランを溜去
後、ジエチルエーテルを加えて析出塩を濾別し、減圧蒸
留により精製し、37.5gの1-プロピル-2-ピロリドンを得
た。(収率50.1%、沸点64-66℃/4mmHg)
【0075】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.90 (3H, t, J=
7.0Hz), 1.51 (2H, m), 2.00 (2H, m), 2.33 (2H, m),
3.27 (4H, m). IRν(neat, cm-1); 2950, 2900, 2850, 1680, 1490, 1
460, 1420.
【0076】ジイソプロピルアミン36.5ml(0.26mol)を
含むテトラヒドロフラン300mlにn-ブチルリチウムのヘ
キサン溶液(1.6mol/l)162ml(0.26mol)を-78℃において
加え、アルゴン雰囲気下で1時間攪拌してリチウムジイ
ソプロピルアミド(LDA)溶液を調整した。この溶液
に、先に合成した1-プロピル-2-ピロリドン30.0g(0.24m
ol)を0℃にて加え、2時間攪拌した。その後、クロロ
メチルジメチルシラン25.6g(0.24mol)を加え、さらに12
時間室温で攪拌した。析出塩をろ過した後、溶媒を溜去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し
て1-プロピル-3-ジメチルヒドロシリルメチル-2-ピロリ
ドン28.6gを得た。(収率60.1%)
【0077】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.06 (6H, d, J=
7.0Hz), 0.42 (2H, m), 0.83 (3H, t,J=7.0Hz), 1.40
(3H, m), 2.24 (2H, m), 3.27 (4H, m), 3.93 (1H, m). IRν(neat, cm-1); 2890, 2875, 2850, 2140 (Si-H),
1690, 1460, 1430, 1310, 1260 (Si-C), 890.
【0078】実施例5 ピロリドン環を有するヒドロキ
シシラン化合物の合成
【0079】
【化26】
【0080】実施例4で合成した1-プロピル-3-ジメチ
ルヒドロシリルメチル-2-ピロリドン10.0g(84mmol)をメ
タノール100mlに溶解し、そこヘ4mmol/lの炭酸ナトリウ
ム水溶液20mlを徐々に滴下し、一晩常温で攪拌した。メ
タノールを溜去した後、ジエチルエーテルで抽出した
後、硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを溜去後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、1-
プロピル-3-ジメチルヒドロキシシリルメチル-2-ピロリ
ドン4.60gを得た。(収率42.6%)
【0081】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.08 (6H, s),
0.80 (5H, m), 1.53 (3H, m), 2.42 (2H, m), 3.23 (4
H, m), 6.21 (1H, s). IRν(neat, cm-1); 3400 (-OH), 2970, 2890, 1670, 1
500, 1470, 1430, 1310,1260 (Si-C), 900, 830.
【0082】実施例6、7 ピロリドン環を有するポリ
オルガノシロキサンの合成
【0083】
【化27】
【0084】アルゴン雰囲気下、0.26g(0.011mol)の水
素化ナトリウムを含むテトラヒドロフラン溶液50mlに、
実施例2で合成した1-メチル-3-ジメチルヒドロキシシ
リルメチル-2-ピロリドン2.0g(0.011mol)を入れ、0℃
で1時間反応させた。その後、4.75gのD3(0.022mol)を
含むテトラヒドロフラン溶液20mlを加え、室温で一晩攪
拌した。次に、2.0g(0.016mol)のトリメチルクロロシラ
ンを加えて、さらに室温で2時間攪拌した。溶媒を溜去
後、エーテルを加えて析出した塩を濾別し、濾液を蒸留
水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、エーテルを溜
去後、減圧下150℃に加熱して未反応物を除去し、上記
構造式で表わされる片末端にピロリドン環を有するポリ
ジメチルシロキサン(バーm=2.5)3.35gを得た。(実施例
6、収率54.5%)なお、シロキサン鎖長の決定は1H-NMR
にて行った。
【0085】また、水素化ナトリウム0.26g、1-メチル-
3-ジメチルヒドロキシシリルメチル-2-ピロリドン2.0
g、D3 7.13g、トリメチルクロロシラン2.0gを用いて、
上記とまったく同様な操作を行ない、バーm=6.0の目的
物4.85gを得た。(実施例7)
【0086】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.05 ((6m+15)H,
s), 0.70 (2H, m), 1.28 (1H, m), 2.28 (2H, m), 2.8
0 (3H, s), 3.23 (2H, m). IRν(neat, cm-1); 3500, 2980, 2900, 1700, 1430, 1
400, 1300, 1260 (Si-C), 1050 (SiOSi), 840.
【0087】実施例8、9 ピロリドン環を有するポリ
オルガノシロキサンの合成
【0088】
【化28】
【0089】ジイソプロピルアミン1.08ml(0.011mol)を
含むテトラヒドロフラン溶液40mlに、n-ブチルリチウム
のヘキサン溶液(1.6mol/l)6.67ml(0.011mol)を加え、ア
ルゴン雰囲気下、-30℃で2時間反応させてリチウムジ
イソプロピルアミド(LDA)溶液を調整した。この溶
液に実施例2で合成した1-メチル-3-ジメチルヒドロキ
シシリルメチル-2-ピロリドン2.0g(0.011mol)を加え、
同温度で2時間攪拌した。次に、7.13g(0.032mol)のD3
を含むテトラヒドロフラン溶液20mlを加え、室温で一晩
反応させた。その後、2.0g(0.016mol)のトリメチルクロ
ロシランを加え、さらに2時間攪拌した。溶媒を溜去
後、エーテルを加え析出塩を濾別し、濾液を蒸留水で洗
浄した。エーテルを溜去後、減圧下150℃に加熱して未
反応物を除去し、上記構造式で表わされる片末端にピロ
リドン環を有するポリジメチルシロキサン(バーm=10.
4)6.82gを得た。(実施例8) また、ジイソプロピルアミン1.08ml、1-メチル-3-ジメ
チルヒドロキシシリルメチル-2-ピロリドン2.0g、D3 1
1.9g、トリメチルクロロシラン2.0gを用いて、上記とま
ったく同様な操作を行ない、バーm=14.8の片末端にピ
ロリドン環を有するポリオルガノシロキサン10.7gを得
た。(実施例9)なお、シロキサン鎖長の決定は1H-NMRに
て行った。得られたポリオルガノシロキサンの1H-NMRお
よびIRスペクトルはピーク強度が異なるだけで実施例6
の場合と同様であった。
【0090】実施例10 ピロリドン環を有するポリオ
ルガノシロキサンの合成
【0091】
【化29】
【0092】実施例2で合成した1-メチル-3-ジメチル
ヒドロキシシリルメチル-2-ピロリドン2.0g(0.011mol)
およびトリエチルアミン1.78ml(12.8mmol)を含むテトラ
ヒドロフラン溶液40mlに、0℃でトリメチルクロロシラ
ン1.64ml(12.8mmol)を滴下した。室温で2時間攪拌後、
100mlの蒸留水を加え、エーテルで抽出した。溶媒を溜
去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し
て、上記構造式で表わされるジシロキサン化合物1.87g
を得た。(収率67.4%)1H-NMRおよびIRスペクトルはピー
ク強度が異なるだけで実施例6の場合と同様のスペクト
ルが観察された。
【0093】実施例11〜13 ピロリドン環を有する
ポリオルガノシロキサンの合成
【0094】
【化30】
【0095】テトラヒドロフラン40mlに、ジイソプロピ
ルアミン(DIPA)及びn-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.6mol/l)(n-BuLi)を加え、-30℃にてアルゴン雰囲気
下で2時間攪拌してリチウムジイソプロピルアミド(L
DA)溶液を調整した。この溶液に、実施例5で合成し
た1-プロピル-3-ジメチルヒドロキシシリルメチル-2-ピ
ロリドン(PDMSPOH)を加えてさらに2時間攪拌し、D3
溶解させたテトラヒドロフラン溶液20mlを滴下して常温
で1晩攪拌した。次にトリメチルクロロシラン(TMSCl)
を加え、再び4時間常温で攪拌した。溶媒を溜去後、水
を加えエーテルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
エーテルを溜去後、減圧下150℃にて2時間加熱して未
反応物および低分子量物を除去し、上記構造式で表わさ
れる片末端にピロリドン環を有するポリジメチルシロキ
サンを得た。合成に用いた各試薬の量、得られた化合物
の平均重合度(バーm)および収量をそれぞれ表1に記
載した。
【0096】
【表1】 ─────────────────────────────── 実施例 DIPA n-BuLi PDMSPOH D3 TMSCl バーm 収量 番号 (ml) (ml) (g) (g) (g) (g) ─────────────────────────────── 11 1.08 4.79 1.50 1.55 1.39 2.64 1.20 12 0.72 3.19 1.00 3.10 0.76 9.25 2.89 13 0.36 1.60 0.50 2.58 0.38 17.50 1.87 ───────────────────────────────
【0097】実施例11で得られたポリオルガノシロキ
サンの1H-NMRおよびIRスペクトルを以下に示す。なお、
実施例12および13においてもピーク強度が異なるだ
けで同様の1H-NMRおよびIRスペクトルが観察された。
【0098】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.03 ((6m+15)
H, m), 0.57 (2H, m), 0.89 (3H, t, J=7.0Hz), 1.47
(3H, m), 2.28 (2H, m), 3.23 (4H, m). IRν(neat, cm-1); 2960, 2900, 2880, 1690, 1490, 1
450, 1430, 1300, 1260(Si-C), 1100 (SiOSi), 1000, 8
50, 810.
【0099】実施例14 ピロリドン環を有するポリオ
ルガノシロキサンの合成
【0100】
【化31】
【0101】トリエチルアミン2.33ml(16.7mmol)および
実施例5で合成した1-プロピル-3-ジメチルヒドロキシ
シリルメチル-2-ピロリドン3.0g(13.9mmol)を含むテト
ラヒドロフラン溶液50mlに、0℃でトリメチルクロロシ
ラン1.51g(13.9mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。
溶媒を溜去後、エーテルを加えて析出した塩を濾別し、
溶媒を溜去した。カラムクロマトグラフィーにて精製
し、上記構造式で表わされるジシロキサン化合物2.30g
を得た。(収率57.8%)1H-NMRおよびとIRスペクトルはピ
ーク強度が異なるだけで実施例11と同様のスペクトル
が観察された。
【0102】参考例1 ヒドロキシシリル基末端を有す
るポリオキシエチレンの合成
【0103】
【化32】
【0104】水素化ナトリウム4.13g(0.17mol)を含むテ
トラヒドロフラン溶液200mlに、あらかじめ充分に乾燥
した市販の片末端メトキシ化ポリオキシエチレン(平均
重合度バーn=7.5)50.0g(0.14mol)を0℃にて加え、12
時間アルゴン雰囲気下で還流した。放冷後3-ブロモプロ
ペン20.8g(0.17mol)を加え、更に12時間還流した。溶媒
を溜去後、エーテルを加えて析出塩を濾別除去し、さら
にエーテルを溜去して、上記構造式で表わされるアリル
基末端を有するポリオキシエチレン37.2gを得た。(収率
69.7%)1H-NMRスペクトルより測定されたポリオキシエチ
レンの平均重合度バーnは7.2であった。
【0105】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 3.59 ((4n+3)H,
m), 4.04 (2H, m), 5.20 (2H, m), 5.89 (1H, m). IRν(neat, cm-1); 3550, 2840, 1710, 1635, 1625, 1
460, 1440, 1345, 1285,1240, 1190, 1100.
【0106】テトラヒドロフラン200mlに先に合成した
アリル基末端を有するポリオキシエチレン20.0g(54.0mm
ol)を溶解し、そこへジメチルエトキシシラン8.85ml (6
5.0mmol)および塩化白金酸のジクロロメタン溶液(0.1m
ol/l)0.2mlを加えてアルゴン雰囲気下で12時間還流し
た。放冷後、溶媒を溜去し、上記構造式で表わされるジ
メチルエトキシシリル基末端を有するポリオキシエチレ
ン24.1gを得た。(収率88.3%)1H-NMRスペクトルより測定
されたポリオキシエチレンの平均重合度バーnは7.5で
あった。
【0107】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.01 (6H, s),
0.49 (2H, m), 1.11 (3H, t, J=7.0Hz), 1.56 (4H, m),
3.50 ((4n+5)H, m). IRν(neat, cm-1); 3480, 2880, 1730, 1450, 1350, 1
250 (Si-C), 1110 (Si-O), 950, 840. 次に、先に合成したジメチルエトキシシリル基末端を有
するポリオキシエチレン15.0g(30.0mmol)をメタノール1
50mlに溶解し、0℃に保ちながら炭酸カリウム8.15gを
溶かした水溶液50mlを徐々に加えて、室温で一晩攪拌し
た。その後、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を溜去し、上記構造式で表わされるヒドロキ
シシリル基末端を有するポリオキシエチレン0.62gを得
た。(収率77.3%)1H-NMRスペクトルより測定されたポリ
オキシエチレンの平均重合度バーnは7.2であった。1 H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.03 (6H, s), 0.60 (2H, m),
1.61 (2H, m), 3.60 ((4n+5)H, m). IRν(neat, cm-1); 3450 (-OH), 2870, 1720, 1650, 1
450, 1350, 1300, 1250(Si-C), 1110 (Si-O), 840.
【0108】実施例15〜17 ピロリドン環を有する
ポリオルガノシロキサンの合成
【0109】
【化33】
【0110】参考例1で合成したヒドロキシシリル基末
端を有するポリオキシエチレン(POE-SiOH)を含むテトラ
ヒドロフラン溶液50mlを0℃に冷却し、この溶液にn-ブ
チルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/l)(n-BuLi)を加
え、アルゴン雰囲気下で2時間攪拌した。その後、D3
を含むテトラヒドロフラン溶液20mlを加え、室温で12時
間攪拌した。次に、実施例3で合成した1-メチル-3-ク
ロロジメチルシリルメチル-2-ピロリドン(MDMSPCl)を加
え、更に12時間攪拌した。溶媒を溜去し、水を加えて酢
酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、再度溶媒
を溜去した。真空乾燥後、180℃で2時間減圧溜去して
低分子量物を取り除き、上記構造式で表わされるぴろり
どん環およびポリオキシエチレン鎖を有するポリジメチ
ルシロキサンを得た。合成に用いた各試薬の量、得られ
た化合物の平均重合度バーn、バーmおよび収量を表2
に記載した。また、ポリオキシエチレンおよびポリシロ
キサン鎖長の決定は1H-NMRにて行った。
【0111】
【表2】 ────────────────────────────────── 実施例 POE-SiOH n-BuLi D3 MDMSPCl バーn バーm 収量 番号 (g) (ml) (g) (g) (g) ────────────────────────────────── 15 1.50 2.10 0.68 0.94 7.2 4.8 1.92 16 1.00 1.40 1.36 0.63 7.2 10.7 1.27 17 0.50 0.70 1.13 0.31 7.2 18.3 1.35 ──────────────────────────────────
【0112】実施例15の1H-NMRおよびIRスペクトルを
以下に示す。実施例16および17で合成された化合物
においても強度が異なるだけで同様の1H-NMRおよびIRス
ペクトルが観察された。
【0113】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.05 ((6m+12)H,
s), 0.44 (4H, m), 1.33 (3H, m), 2.26 (2H, m), 2.8
1 (3H, s), 3.27 (4H, m), 3.58 ((4n+5)H, m). IRν(neat, cm-1); 2960, 2900, 1690, 1430, 1260 (S
i-OH), 1100 (SiOSi), 1040, 850, 810.
【0114】実施例18 ピロリドン環を有するポリオ
ルガノシロキサンの合成
【0115】
【化34】
【0116】参考例1で合成したヒドロキシシリル基末
端を有するポリオキシエチレン1.00g(0.002mol)、トリ
エチルアミン0.27ml(0.002mol)を含むテトラヒドロフラ
ン溶液20mlに、0℃に保ちながら、実施例3で合成した
1-メチル-3-クロロジメチルシリルメチル-2-ピロリドン
0.5g(0.002mol)を加え、12時間攪拌した。析出塩を濾別
後、溶媒を留去、蒸留水を加えた後エーテルで抽出し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して0.36
gの上記構造式で表わされるピロリドン環およびポリオ
キシエチレン鎖を有するジシロキサン化合物を得た。
(収率26.9%)1H-NMRおよびとIRスペクトルは、ピーク強
度が異なるだけで実施例15と同様のスペクトルが観察
された。
【0117】参考例2〜4 クロロプロピル基末端を有
するポリオルガノシロキサンの合成
【0118】
【化35】
【0119】参考例1で合成したヒドロキシシリル基末
端を有するポリオキシエチレン(POE-SiOH)を含むテトラ
ヒドロフラン溶液50mlに、0℃に保ちながらn-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.6mol/l)(n-BuLi)を加え、アル
ゴン雰囲気下で2時間攪拌した。その後、D3を含むテ
トラヒドロフラン20ml溶液を加え、室温で12時間攪拌し
た。次にクロロプロピルジメチルクロロシラン(CPDMS)
を加え、更に2時間攪拌した。溶媒を溜去し、水を加え
て酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、再度
溶媒を溜去した。真空乾燥後、150℃で2時間減圧溜去
して低分子量物を取り除き、目的物を得た。合成に用い
た各試薬の量、得られた化合物の平均重合度バーn、バ
ーmおよび収量を表3に記載した。また、シロキサン鎖
長の決定は1H-NMRにて行った。
【0120】
【表3】 ──────────────────────────────── 参考例 POE-SiOH n-BuLi D3 CPDMS バーn バーm 収量 番号 (g) (ml) (g) (g) (g) ──────────────────────────────── 2 6.00 8.38 2.71 3.00 7.2 4.65 7.82 3 6.00 8.38 8.14 3.00 7.2 8.70 12.8 4 6.00 8.38 11.9 3.00 7.2 17.0 18.3 ────────────────────────────────
【0121】参考例2の1H-NMRおよびIRスペクトルを以
下に示す。参考例3および4で合成された化合物におい
ても強度が異なるだけで同様の1H-NMRおよびIRスペクト
ルが観察された。
【0122】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.03 ((6m+12)H,
s), 0.58 (4H, m), 1.64 (4H, m), 3.55 ((4n+7)H,
m). IRν(neat, cm-1); 2950, 2860, 1720, 1250 (Si-C),
1100 (SiOSi), 1020, 840, 800.
【0123】参考例5 クロロプロピル基末端を有する
ポリオルガノシロキサンの合成
【0124】
【化36】
【0125】参考例1で合成したヒドロキシシリル基末
端を有するポリオキシエチレン5.0g(11mmol)を含むテト
ラヒドロフラン50ml溶液に、0℃に保ちながらトリエチ
ルアミン1.8ml(13mmol)とクロロプロピルジメチルクロ
ロシラン2.7ml(17mmol)を加え、常温で12時間攪拌し
た。溶媒を溜去後、エーテルを加えて析出塩を漉過し
た。蒸留水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を溜
去した。その後、150℃で2時間減圧溜去して不純物を
除去し、3.21gの目的物を得た。(収率47.7%)1H-NMRおよ
びとIRスペクトルは強度が異なるだけで参考例2と同様
のスペクトルが観察された。
【0126】参考例6〜9 ヨードプロピル基末端を有
するポリオルガノシロキサンの合成
【0127】
【化37】
【0128】2-ブタノン50ml中にヨウ化ナトリウム(Na
I)と参考例2〜5で合成した片末端にクロロプロピル基
を有するポリジメチルシロキサン(POE/PDMS-PCl)をそれ
ぞれ溶解し、2日間還流した。溶媒を溜去後エーテルを
加え、5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液と蒸留水で洗浄
した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を溜去し、真空乾
燥して目的物を得た。合成に用いた各試薬の量および得
られた化合物の平均重合度バーn、バーm、収量および
収率を表4に記載した。また、シロキサン鎖長の決定は
1H-NMRにて行った。
【0129】
【表4】 ─────────────────────────────── 参考例 POE/PDMS-PCl NaI バーn バーm 収量 収率 番号 (参考例番号, g) (g) (g) (%) ─────────────────────────────── 6 2, 7.00 11.7 7.2 4.0 7.01 88.6 7 3, 5.00 6.26 7.2 9.6 4.40 73.7 8 4, 5.00 4.13 7.2 16.8 4.53 83.6 9 5, 2.50 6.23 7.2 0 2.51 84.2 ───────────────────────────────
【0130】参考例6の1H-NMRおよびIRスペクトルを以
下に示す。参考例7〜9においても強度が異なるだけで
同様の1H-NMRおよびIRスペクトルが観察された。
【0131】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.03 ((6m+12)H,
s), 0.53 (4H, m), 1.73 (4H, m), 3.18 (2H, t, J=7.
0Hz), 3.61 ((4n+5)H, m). IRν(neat, cm-1); 2980, 1410, 1250 (Si-C), 1100
(SiOSi), 1030, 800.
【0132】参考例10 3-ヨードプロピルペンタメチ
ルジシロキサンの合成
【0133】
【化38】
【0134】トリメチルシラノール10.0 g(0.11 mol)お
よびトリエチルアミン18.5 ml(0.13mol)を含むテトラヒ
ドロフラン100 ml溶液に0℃で3-クロロプロピルジメチ
ルクロロシラン19.0g(0.11 mol)を滴下した。室温下、
12時間攪拌した後、溶媒を溜去し、200 mlのエーテル
を加えた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別した
後、濾液を硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を溜去したとこ
ろ、11.4gの3-クロロプロピルペンタメチルジシロキサ
ンを得た。(収率46.3%)
【0135】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.05 (15H, m),
0.65 (2H, m), 1.85 (2H, m), 3.58 (2H, t, J=7.0Hz). IRν(neat, cm-1); 2990, 1420, 1265 (Si-C), 1100 (S
iOSi), 1030, 805.
【0136】先に合成した3-クロロプロピルペンタメチ
ルジシロキサン10.0g(0.044mol)とヨウ化ナトリウム66.
7g(0.44mol)を含む2-ブタノン溶液を24時間還流させ
た。溶媒溜去後、エーテルを加え、蒸留水及び亜硫酸水
素ナトリウム5%水溶液で洗浄した。さらに硫酸ナトリ
ウムで乾燥、溶媒を溜去した。12.8gの3-ヨードプロピ
ルペンタメチルジシロキサンを得た。(収率92.0%)
【0137】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.05 (15H, m),
0.55 (2H, m), 1.79 (2H, m), 3.12 (2H, t, J=7.0Hz). IRν(neat, cm-1); 2980, 1415, 1260 (Si-C), 1210, 1
100 (SiOSi), 1030, 800.
【0138】参考例11 ヨードプロピル基末端を有す
るポリオルガノシロキサンの合成
【0139】
【化39】
【0140】アルゴン雰囲気下、トリメチルシラノール
6.08g(0.067mol)をテトラヒドロフラン120mlに溶解さ
せ、0℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/l)
42.1ml(0.067mol)を加えた。1時間攪拌後、D3 30.0g
(0.134mol)を含むテトラヒドロフラン180ml溶液を加
え、12時間攪拌した。この溶液に、3-クロロプロピルジ
メチルクロロシラン22.2ml(0.135mol)を加え、さらに1
時間攪拌した。溶媒を溜去後、200mlのエーテルを加
え、析出塩を濾別した後、濾液を硫酸ナトリウムで乾
燥、溶媒を溜去した。減圧下150℃で3時間加熱して不
純物を除去し、25.8gの目的物を透明液体として得た。1
H-NMRおよびIRスペクトルはピーク強度が異なるだけで
参考例10で合成した3-クロロプロピルペンタメチルジ
シロキサンと同様であった。
【0141】アルゴン雰囲気下、先に合成した3-クロロ
プロピル基を有するポリジメチルシロキサン25.8g(0.03
9mol)とヨウ化ナトリウム7.29g(0.048mol)を275mlの2-
ブタノンに加え、12時間環流させた。溶媒溜去後、エー
テルを加え、水及び亜硫酸水素ナトリウム5%水溶液で
洗浄した。さらに硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を溜去し
て、16.5 gの目的物を透明液体として得た。(収率71.7
%)1H-NMRおよびIRスペクトルはピーク強度が異なるだけ
で参考例10で合成した3-ヨードプロピルペンタメチル
ジシロキサンと同様であった。
【0142】実施例19、20 ピロリドン環を有する
ポリオルガノシロキサンの合成
【0143】
【化40】
【0144】水素化ナトリウム0.126gをヘキサンで洗浄
後、テトラヒドロフラン10mlを加え、さらに蒸留した2-
ピロリドン0.269gを加えた。1時間、室温下攪拌後、参
考例10で合成した3-ヨードプロピルペンタメチルジシ
ロキサン1.0gを加え、一晩攪拌した。溶媒留去後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.38
gのピロリドン環を有するジシロキサン化合物(m=0)
を得た(実施例19、収率43.9%)
【0145】また、同様の操作により、参考例11で合
成したポリオルガノシロキサン1.0g、水素化ナトリウム
0.058g、2-ピロリドン0.124gを用いて、上記構造式で表
わされるピロリドン環を有するポリジメチルシロキサン
0.15gを得た。(実施例20、バーm=4.6)
【0146】実施例19で得られたジシロキサン化合物
1H-NMRおよびIRスペクトルを以下に示す。実施例20
で得られた化合物においてもピーク強度が異なるだけで
同様の1H-NMRおよびIRスペクトルが観察された。
【0147】1H-NMRδ(CDCl3, ppm); 0.05 (15H, s),
0.48 (2H, m), 1.52 (2H, m), 1.99 (2H, m), 2.38 (2
H, m), 3.30 (4H, m). IRν(neat, cm-1); 2960, 1680, 1425, 1250 (Si-C), 1
050 (SiOSi), 835.
【0148】実施例21〜24 ピロリドン環を有する
オルガノシロキサンの合成
【0149】
【化41】
【0150】テトラヒドロフラン50mlに、-78℃に保ち
ながら、ジイソプロピルアミン(DIPA)とn-ブチルリチウ
ムのヘキサン溶液(1.6mol/l)(n-BuLi)を加え、アルゴン
雰囲気下で1時間攪拌してリチウムジイソプロピルアミ
ド(LDA)溶液を調整した。1-メチル-2-ピロリドン
(MPD)を加え、0℃で2時間攪拌後、参考例6〜9で合
成したヨードプロピル基末端を有するポリジメチルシロ
キサン(POE/PDMS-PI)を加え、さらに0℃で12時間攪拌
した。溶媒を溜去し、塩化メチレンを加え、蒸留水で洗
浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を溜去し真空乾
燥して、上記構造式で表わされるピロリドン環およびポ
リオキシエチレン鎖を有するポリジメチルシロキサンを
得た。合成に用いた各試薬の量、得られた化合物の平均
重合度バーn、バーmおよび収量を表5に記載した。ま
た、シロキサン鎖長の決定は1H-NMRにて行った。
【0151】
【表5】 ──────────────────────────────── 実施例 DIPA n-BuLi MPD POE/PDMS-PI バーn バーm 収量 番号 (g) (ml) (g) (参考例番号, g) (g) ──────────────────────────────── 21 4.15 18.5 2.83 6, 3.00 7.2 5.0 2.81 22 2.95 13.1 2.01 7, 3.00 7.2 10.4 2.70 23 2.15 9.55 1.46 8, 3.00 7.2 18.8 2.93 24 3.43 15.2 2.34 9, 1.75 7.2 0 2.02 ────────────────────────────────
【0152】実施例21の1H-NMRおよびIRスペクトルを
以下に示す。実施例22〜24においても強度が異なる
だけで同様の1H-NMRおよびIRスペクトルが観察された。
【0153】1H-NMRδ(CDCl3, ppm); 0.05 ((6m+12)H,
s), 0.38 (4H, m), 1.30 (5H, m), 2.34 (4H, m), 2.74
(3H, m), 3.26 (4H, m), 3.53 ((4n+3)n, m). IRν(neat, cm-1); 2980, 1680, 1410, 1250 (Si-C), 1
100 (SiOSi), 1030, 850, 805.
【0154】実施例25、26 ピロリドン環を有する
オルガノシロキサンの合成
【0155】
【化42】
【0156】アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(Na
I)をヘキサンで洗浄後テトラヒドロフラン20mlに分散さ
せ、さらに0℃に保ちながら2-ピロリドン(PD)を加え
た。3時間還流後、参考例6および9で合成したヨード
プロピル基末端を有するポリオルガノシロキサン(PEO/P
DMS-PI)を加えさらに12時間還流した。溶媒を留去後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、ピロ
リドン環およびポリオキシエチレン鎖を有するポリオル
ガノシロキサンを得た。用いた試薬の量、得られた化合
物の平均重合度バーn、バーmおよび収量を表6に記載
した。また、シロキサン鎖長の決定は1H-NMRにて行っ
た。
【0157】
【表6】 ────────────────────────────── 実施例 NaI PD POE/PDMS-PI バーn バーm 収量 番号 (g) (g) (参考例番号, g) (g) ────────────────────────────── 25 0.158 0.281 6, 3.5 7.2 4.5 1.56 26 0.069 0.146 9, 1.0 7.2 0 0.94 ──────────────────────────────
【0158】実施例25の1H-NMRおよびIRスペクトルを
以下に示す。実施例26においても強度が異なるだけで
同様の1H-NMRおよびIRスペクトルが観察された。
【0159】1H-NMRδ(ppm, CDCl3); 0.01 ((6m+12)H,
s), 0.51 (4H, m), 1.58 (4H, m), 1.96 (2H, m), 2.36
(2H, m), 3.59 ((4n+9)H, m). IRν(neat, cm-1); 2950, 2850, 1720, 1450, 1260 (Si
-O), 1100 (SiOSi), 1020, 800.
【0160】試験例1〜12 薬物の皮膚透過実験 ウォータージャケット付2−チャンバー拡散セル(有効
断面積0.95cm2)にウサギ腹部剥離皮膚をはさみ、ドナ
ー部に疎水性薬物である抗炎症剤インドメタシン20mg、
実施例で得られたピロリドン環を有するポリオルガノシ
ロキサン(経皮吸収促進剤)(2wt.%)を含むエチルア
ルコール50%水溶液を2ml入れ、レセプター部にpH=7.4
に調整したリン酸緩衝液を入れた。ウォータージャケッ
ト内に37℃の恒温水を循環させ、温度を一定に保った。
両チャンバーを攪拌下6時間および12時間後にレセプタ
ー部よりサンプリングし、高速液体クロマトグラフィー
により透過したインドメタシンの定量を行った。各々の
経皮吸収促進剤を用いて得られた透過測定結果を表7に
示す。また、経皮吸収促進剤を加えない場合を表7中比
較例1として示す。表7からわかるように、これらの片
末端にピロリドン環を有するポリオルガノシロキサン
は、優れた薬物の経皮吸収促進効果を示すことが明らか
となった。さらに、測定後のウサギ腹部剥離皮膚のドナ
ー部側表面を観察したところいずれも変色などは見られ
ず、測定前の状態から全く変化していないことを確認し
た。
【0161】
【表7】 表7.ウサギ皮膚を用いたインドメタシンの透過測定結果(実験数=3)* ────────────────────────────────── 試験例 経皮吸収促進剤として 6時間後の累積 12時間後の累積 番号 用いた化合物 透過量(mg) 透過量(mg) ────────────────────────────────── 1 実施例6 0.038±0.015 0.127±0.008 2 実施例7 0.052±0.009 0.152±0.010 3 実施例8 0.035±0.007 0.135±0.009 4 実施例9 0.040±0.005 0.124±0.007 5 実施例10 0.024±0.008 0.095±0.007 6 実施例14 0.041±0.007 0.142±0.015 7 実施例15 0.018±0.004 0.097±0.024 8 実施例16 0.024±0.009 0.092±0.026 9 実施例19 0.024±0.005 0.091±0.009 10 実施例20 0.058±0.008 0.288±0.012 11 実施例25 0.052±0.010 0.209±0.021 12 実施例26 0.021±0.003 0.082±0.006 比較例1 なし 0.012±0.001 0.031±0.003 ──────────────────────────────────* 透過量は3羽のウサギの皮膚についての実験における平
均値である。
【0162】試験例13〜29 薬物の皮膚透過実験 ウォータージャケット付2−チャンバー拡散セル(有効
断面積0.95cm2)にウサギ腹部剥離皮膚をはさみ、ドナ
ー部に水溶性薬物である解熱剤アンチピリン20mg、実施
例で得られたピロリドン環を有するポリオルガノシロキ
サン(経皮吸収促進剤)(2wt.%)を含むエチルアルコ
ール50%水溶液を2ml入れ、レセプター部にpH=7.4に調
整したリン酸緩衝液を入れた。ウォータージャケット内
に37℃の恒温水を循環させ、温度を一定に保った。両チ
ャンバーを攪拌下6時間および12時間後にレセプター部
よりサンプリングし、高速液体クロマトグラフィーによ
り透過したアンチピリンの定量を行った。各々の経皮吸
収促進剤を用いて得られた透過測定結果を表8に示す。
また、経皮吸収促進剤を加えない場合を表8中比較例2
として示す。表8からわかるように、これらのピロリド
ン環を有するポリオルガノシロキサンは、優れた薬物の
経皮吸収促進効果を示すことが明らかとなった。さら
に、測定後のウサギ腹部剥離皮膚のドナー部側表面を観
察したところいずれも変色などは見られず、測定前の状
態から全く変化していないことを確認した。
【0163】
【表8】 表8.ウサギ皮膚を用いたアンチピリンの透過測定結果(実験数=3)* ────────────────────────────────── 試験例 経皮吸収促進剤として 6時間後の累積 12時間後の累積 番号 用いた化合物 透過量(mg) 透過量(mg) ────────────────────────────────── 13 実施例6 0.325±0.102 1.361±0.322 14 実施例7 0.549±0.112 1.161±0.138 15 実施例8 0.060±0.013 0.295±0.045 16 実施例9 0.157±0.027 0.477±0.051 17 実施例10 0.091±0.041 0.340±0.048 18 実施例11 0.201±0.063 0.981±0.127 19 実施例12 0.199±0.017 0.496±0.048 20 実施例13 0.040±0.005 0.250±0.070 21 実施例14 0.337±0.074 1.664±0.389 22 実施例15 0.137±0.011 0.449±0.060 23 実施例16 0.276±0.068 0.720±0.170 24 実施例17 0.331±0.061 0.711±0.138 25 実施例18 0.096±0.009 0.282±0.045 26 実施例21 0.115±0.011 0.546±0.083 27 実施例22 0.089±0.014 0.464±0.042 28 実施例23 0.118±0.012 0.527±0.053 29 実施例24 0.066±0.004 0.278±0.013 比較例2 なし 0.056±0.003 0.140±0.017 ──────────────────────────────────* 透過量は3羽のウサギの皮膚についての実験における平
均値である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1〜R3は同一もしくは異なってもよく炭素数
    1〜6のアルキル基、Xは水素原子、水酸基またはハロ
    ゲン原子、pは0〜6の整数。)で表されるピロリドン
    環を有するケイ素化合物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1〜R7は同一もしくは異なってもよく炭素数
    1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜6のアルキレン
    基、Zは水素原子または -(OCH2CH2)nOR (Rは炭素数
    1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)で表わされる
    ポリオキシエチレン鎖、pは0〜6の整数、mは0以上
    の整数。)で表されるピロリドン環を有するポリオルガ
    ノシロキサン。
  3. 【請求項3】 下記一般式(III) 【化3】 (式中、R2〜R7は同一もしくは異なってもよく炭素数
    1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜6のアルキレン
    基、Zは水素原子または -(OCH2CH2)nOR (Rは炭素数
    1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)で表わされる
    ポリオキシエチレン鎖、pは0〜6の整数、mは0以上
    の整数。)で表されるピロリドン環を有するポリオルガ
    ノシロキサン。
  4. 【請求項4】 下記一般式(II) 【化4】 (式中、R1〜R7は同一もしくは異なってもよく炭素数
    1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜6のアルキレン
    基、Zは水素原子または -(OCH2CH2)nOR (Rは炭素数
    1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)で表わされる
    ポリオキシエチレン鎖、pは0〜6の整数、mは0以上
    の整数。)または、下記一般式(III) 【化5】 (式中、R2〜R7は同一もしくは異なってもよく炭素数
    1〜6のアルキル基、Yは炭素数1〜6のアルキレン
    基、Zは水素原子または -(OCH2CH2)nOR (Rは炭素数
    1〜6のアルキル基、nは1以上の整数)で表わされる
    ポリオキシエチレン鎖、pは0〜6の整数、mは0以上
    の整数。)で表されるピロリドン環を有するポリオルガ
    ノシロキサンよりなる、薬物の経皮吸収促進剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007535605A (ja) * 2004-04-30 2007-12-06 クロダ ユニケマ インコーポレイティド 水系と洗剤に溶解できる置換基と、油中水型エマルジョンを形成可能なピロリドンカルボキシル修飾ポリシロキサン類
JP2010525131A (ja) * 2007-05-01 2010-07-22 アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ カルボキシル官能性有機シリコーンを含有する防汚塗料組成物
JP2011068777A (ja) * 2009-09-25 2011-04-07 Shin-Etsu Chemical Co Ltd ω末端にポリアルキレンオキシド基を有する片末端反応性オルガノポリシロキサン及びその製造方法。

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