JPH0717659B2 - 末端にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサンおよび経皮吸収促進剤 - Google Patents

末端にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサンおよび経皮吸収促進剤

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JPH0717659B2
JPH0717659B2 JP21128789A JP21128789A JPH0717659B2 JP H0717659 B2 JPH0717659 B2 JP H0717659B2 JP 21128789 A JP21128789 A JP 21128789A JP 21128789 A JP21128789 A JP 21128789A JP H0717659 B2 JPH0717659 B2 JP H0717659B2
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裕 長瀬
隆夫 青柳
百合子 高村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な末端にピリジニウム塩を有するポリオ
ルガノシロキサンおよびその薬物の皮膚を通しての透過
・吸収を促進する経皮吸収促進剤としての用途に関す
る。
〔従来技術〕
本発明の末端にピリジニウム塩を有するポリオルガノシ
ロキサンは文献未記載の化合物であり、また一般に末端
にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサンが経
皮吸収促進剤として有用であることは全く知られていな
かった。
医薬をより効率よく目的部位に到達させ、副作用を抑え
る目的で、ドラッグデリバリーシステム(DDS)につい
ての研究が活発に行われている。この中で、近年、皮膚
を薬物の適用部位とする経皮吸収システムが注目されて
いる。このシステムの利点は、肝臓での初回通過効果
が避け得る、薬物の皮膚透過速度がコントロールさ
れ、持続的で一定な血中濃度を維持できる。投与が食
物が嘔吐に影響されない。投与の調節が容易である、
目的部位の近傍に投与できる等の点にある。しかし、
現状では投与量が比較的少量の薬物に限られる、使
用できる薬物に制限がある。角質層の劣化や皮膚アレ
ルギー反応を促進する可能性がある、即効性が望めな
い等の短所がある。そこでこれらの点を改善するため
に、経皮吸収促進剤の併用が検討されている。
これまでに、ジメチルスルホキシド、1−ドデシル−2
−ピロリドン、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−
オン、尿素等の使用が提案されている(嘉悦勲監修、ド
ラッグデリバリーシステム213〜237頁、シーエムシ
ー)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながらこれらの促進剤は、その促進効果が必ずし
も満足すべきものではなく、また薬物の媒体の種類によ
って促進効果が激減する場合があり、より効果的な促進
剤が望まれていた。
本発明者等は、上記の問題点を解決するために鋭意研究
した結果、特定のポリオルガノシロキサンが極めて優れ
た経皮吸収促進作用を示すことを見出し、本発明を完成
するに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、一般式 (式中、Rは炭化水素基、Y-はハロゲンアニオン、有機
酸アニオン、1/2SO4 2-、又はNO3 -、R1〜R7は同一又は異
なってもよく、アルキル基又はフェニル基、pは1〜6
の整数、nは3以上の整数である。)で表される、末端
にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサンおよ
びこの化合物よりなる薬物の経皮吸収促進剤に関するも
のである。
式中、Rで示される炭化水素基は飽和又は不飽和の分岐
状又は直鎖状の炭化水素基であり、例えば、メチル基、
エチル基、ノルマル(n−)あるいは、イソ(i−)プ
ロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、二級(s−)
のブチル基、n−、i−あるいはs−ペンチル基、ヘキ
シル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラ
デシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデ
シル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコサニル
基、オレイル基、ゲラニル基、ファネルシル基等を挙げ
ることができる。
で表される対アニオンとしては、ハロゲンアニオ
ン、有機酸アニオン、1/2SO4 ,NO3 等を例示でき
る。
本発明におけるポリオルガノシロキサンは例えば、一般
(式中、R1〜R7は同一又は異なってもよく、アルキル基
又はフェニル基、pは1〜6の整数、nは3以上の整数
である。)で示されるポリオルガノシロキサンに一般式
RY(式中、Rは前記と同一であり、Yはハロゲン原
子、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホ
ニル基、ニトロオキシ基、スルホニルオキシ基を表す)
で表されるアルキル化剤を作用させることにより製造し
うる。
アルキル化に際しては、溶媒を用いることができ、溶媒
としては、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ベンゼン、
トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メ
チルピロリドン等を例示できる。
反応は0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の範囲で円
滑に進行する。なお、反応に際し、完全にアルキル化を
達成するには過剰量のアルキル化剤を用い、比較的高い
反応温度を選択することによって行うことができる。
前記一般式(II)で表される末端にピリジン環を有する
ポリオルガノシロキサンは一般式 (R1およびR2は同一又は異なってもよくアルキル又はフ
ェニル基、pは1〜6の整数である。)で表されるピリ
ジン環を有するシラノール化合物を強塩基と反応させた
後、一般式 (式中、R3およびR4は同一又は異なってもよくアルキル
又はフェニル基であり、qは3〜6の整数である。)で
表されるシクロシロキサン化合物と反応させ、一般式 (式中、Xはハロゲン原子、R5〜R7は同一又は異なって
もよくアルキル基又はフェニル基である。)で表される
ハロシラン化合物を用いて反応を停止させることにより
容易に製造できる。
一般式(II)のポリオルガノシロキサンの製造方法にお
いて用いられる前記一般式(III)で表されるシラノー
ル化合物は、例えば、以下に述べる製造方法により合成
することができる。
すなわち、一般式 で表される置換ピリジン誘導体を強塩基と反応させた
後、一般式 (式中、Xはハロゲン原子、R1およびR2は同一又は異な
ってもよくアルキル基又はフェニル基であり、pは1〜
6の整数である。)で表されるハロアルキルシラン化合
物と反応させることにより、一般式 (式中、R1およびR2は同一又は異なってもよくアルキル
基、置換アルキル基、フェニル基又は置換フェニル基で
あり、pは1〜6の整数である。)で表されるヒドロシ
ラン化合物を合成することができる。さらに、この前記
一般式(VIII)で表されるヒドロシラン化合物を前駆体
として前記一般式(III)で表されるシラノール化合物
を合成することができる。例えば、前記一般式(VIII)
で表されるヒドロシラン化合物をナトリウムアルコラー
トと反応させた後、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリ
ウムなどの塩基を含む水溶液と反応させることにより前
記一般式(III)で表されるシラノール化合物を合成で
きる。
前記一般式(III)で表されるシラノール化合物を製造
する際に原料として用いられる前記一般式(VI)で表さ
れる置換ピリジン誘導体としては、以下の式で表される
化合物が挙げられる。
また、前記一般式(VI)で表される置換ピリジン誘導体
と反応させる強塩基としては、メチルリチウム、n−ブ
チルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチ
ウム、フェニルリチウムなどの有機リチウム化合物が好
適に用いられる。反応は−90℃から0℃までの低温で行
うことが好ましい。また、この反応は有機溶媒中で行う
のが好ましく、溶媒としてはテトラヒドロフラン(TH
F)、ジエチルエーテル、エンゼン、トルエンなどを用
いることができる。
次に試薬として用いられる前記一般式(VII)で表され
るハロアルキルシラン化合物としては、 等を例示することかできる。これらの化合物の一部は市
販されており、また一般式 (式中、X及びX′は同一又は異なってもよくハロゲン
原子、R1およびR2は同一又は異なってもよくアルキル基
又はフェニル基であり、pは1〜6の整数である。)で
表される市販のハロシラン化合物を還元することにより
容易に合成することができる。
以上述べたような製造方法により得られる前記一般式
(III)で表されるシラノール化合物を強塩基と反応さ
せてシラノレートアニオンとした後、前記一般式(IV)
で表されるシクロシロキサン化合物のリビング開環重合
を行い、前記一般式(V)で表されるハロシラン化合物
で反応を停止することによる方法により、本発明の前記
一般式(II)で表されるポリオルガノシロキサンを合成
することができる。すなわち、本発明の製造方法は以下
に示す反応式に従って前記一般式(II)で表されるポリ
オルガノシロキサンを合成するものである。
(式中、R1〜R7は同一又は異なってもよくアルキル又は
フェニル基であり、pは1〜6の整数、qは3〜6の整
数、lは1以上の数、nは3以上の整数であり、nの平
均値はlqに等しい)。
前記の反応において用いる強塩基としては、メチルリチ
ウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェ
ニルリチウム、リチウムジイソロピルアミド、ビストリ
メチルシリルリチウムアミド等の有機リチウム化合物、
水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水
素化物、ヨウ化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネ
シウム、臭化フェニルマグネシウム等のグリニャール化
合物等を例示することができる。これらの強塩基は通常
原料の前記一般式(III)で表されるシラノール化合物
に対してほぼ1当量用いる。反応温度は−90℃から室温
までの比較的低温で行うことが副反応を抑える点で好ま
しい。また、本反応は、有機溶媒中で行うのが好ましく
ここで用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ベン
ゼン、トルエン、n−ヘキサン、クロロホルム、四塩化
炭素等が好適に用いられる。さらに、この反応はアルゴ
ンや窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが望ましい。
本発明の製造方法において用いられる前記一般式(IV)
で表されるシクロシロキサン化合物としては、 等を例示することができる。また、これらのシクロシロ
キサン化合物の2種類以上の混合物を用いてもよい。
停止剤として用いる前記一般式(V)で表されるハロシ
ラン化合物としては、 等を例示することができる。
以上述べたように、本発明の製造方法を用いて本発明の
前記一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンは
同一容器内で各々の反応試薬を連続的に加えることによ
り簡便に合成することが可能である。さらに、前記の反
応で用いる前記一般式(IV)で表されるシクロシロキサ
ン化合物の量を調整することにより、本発明のポリオル
ガノシロキサンの重合度nをコントロールすることがで
きる。
本発明の経皮吸収促進剤は、投与すべき薬物と共に、
水、アルコール等の溶剤に溶解したチンキ剤、あるいは
軟膏、クリーム基剤中に混合させた軟膏、クリーム剤、
さらにはポリマーフィルム中あるいは粘着剤中に混入し
たテープ製剤等の任意の形態で使用することができる。
本発明の吸収促進剤の含有量は、その使用形態により異
なるが、一般に0.1重量%〜50重量%、好ましくは1重
量%〜20重量%であり、少ない場合には、吸収促進効果
が小さくなり、多い場合には、皮膚刺激性などの副作用
が著しくなると共にかえって薬物の放出が抑制される場
合も生じる。
本発明において用いられる薬物は、人間用あるいは動物
用いずれの薬物であってもよく、例えば消炎鎮痛剤とし
ては、アセトアミノフェノン、アスピリン、サリチル酸
メチル、サリチル酸コリン、サリチル酸グリコール、l
−メントール、カンファー、メフェナム酸、フルフェナ
ム酸、インドメタシン、ジクロフェナック、アルクロフ
ェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキ
セン、プラノプロフェン、フェノプロフェン、フェンプ
フェン、フルルビプロフェン、インドプロフェン、フェ
ンチアザック、トリメチン、スプロフェン、ベンザダッ
ク、ブフェキサマック、ピロキシカム、フェニルブタゾ
ン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ペンタゾジ
ン、メピリゾールなど;ステロイド系消炎剤としては、
ヒドロコーチゾン、プレドニゾロン、デキサメサゾン、
トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニ
ド、フルドロコーチゾンアセテートなど;抗ヒスタミン
剤ないし抗アレルギー剤としてはクロルフェニラミン、
グリチルリチン酸、ジフェンヒドラミン、ペリアクチン
など;局所麻酔剤としてはベンゾカイン、プロカイン、
ジブカイン、リドカインなど;抗菌剤等としては、クロ
ルテトラサイクリンなどのテトラサイクリン類、アンピ
シリンなどのペニシリン、セファロチンなどのセファロ
スポリン類、カナマイシンなどのアミノグリコシド類、
エリスロマイシンなどのマクロライド類、クロラムフェ
ニコール、ヨード化合物、ニトロフラントイン、ナイス
タチン、アンホテリシン、フラジオマイシン、スルホン
アミド類、ピロールニトリン、クロトリマゾール、ニト
ロフラゾンなど;抗高血圧剤としてはクロニジン、α−
メチルドーパ、レセルピン、シロシンゴピン、レシナミ
ン、シンナリジン、ヒドラジン、プラゾシンなど;降圧
利尿剤としてはテオフィリン、トリクロロメチアジド、
フロセミド、トリバミド、メチクロチアジド、ペンフル
ジド、ハイドロサイアザイド、スピロノラクトン、メト
ラゾンなど;強心剤としてはジギタリス、ユビデカレノ
ン、ドパミンなど;冠血管拡張剤としてはニトログリセ
リン、イソソルビトール−ジナイトレート、エリスト−
ステトラナイトレートペンタエリトールテトラナイトレ
ート、ジピリダモール、ジラゼブ、トラピジル、トリメ
タジジンなど;血管収縮剤としてはジヒドロエルゴタミ
ン、ジヒドロエルゴトキシンなど;β−ブロッカーない
し抗不整脈治療剤としてはピンドール、プロプラノロー
ルなど;カルシウム拮抗剤としてはジルチアゼム、ニフ
ェジピン、ニカルジピン、ベラパミル、ベンシクラン、
ジラゼブなど;抗てんかん剤してはニトラゼパム、メプ
ロバメート、フェニトインなど;抗めまい剤としてはイ
ソプレナリン、ベタヒスチン、スコポラミンなど;精神
安定剤としてはジアゼパム、ロラゼパム、フルニトラゼ
パム、フルフェナジンなど;催眠鎮静剤としてはフェノ
バルビタール、アモバルビタール、シクロバルビタール
など;筋弛緩剤としてはトリペリゾン、バクロフェン、
タントロレンナトリウム、シクロベンザピリンなど;自
律神経用剤としてはアトロピン、レボドパなど;呼吸器
官用剤としてはコデイン、エフェドリン、イソプロテレ
ノール、デキストロメトルファン、オレシプレナリン、
イプラトロピウムブロミド、クロモグリク酸など;ホル
モン剤ないし抗ホルモン剤としてはコルチコトロピン、
オキシトシン、バソプレシン、テストステロン、プロゲ
ステロン、エストラジオール、唾液腺ホルモン、甲状腺
ホルモン、副腎ホルモン、カリクレイン、インシュリ
ン、オキセンドロンなど;ビタミン剤としてはビタミン
A,B,C,D,E,Kおよびそれらの誘導体、カルシェフェロー
ル類、メコバラミンなど;抗腫瘍剤としては5−フルオ
ロウラシル(5−FU)およびその誘導体、アドリアマイ
シン、クレスチン、ピシバニール、アンシタビン、シタ
ラビンなど;酸素類としてはウロキナーゼなど;漢方薬
ないし生薬エキスとしては、甘草、アロエ、紫根など;
抗潰瘍剤としてはアラントイン、アルジオキサ、アルク
ロキサなど;その他プロスタグランジン類、糖尿病治療
剤などを挙げることができる。
これらの薬物は必要に応じ、二種以上を併用することも
できる。
本発明の経皮吸収促進剤を含有する薬物の製剤は、人体
の各部位の皮膚、粘膜(口腔、鼻腔、直腸、膣)に目的
に応じて必要量を塗布し適用する事ができる。例えば、
外傷、皮膚潰瘍、筋肉痛、関節炎等に対する局所的治療
のためであれば、直接患部ないしその付近に、その体内
の器官等に対する全身的治療のためであれば、薬物吸収
されやすい部位(例:角質の発達していない部位)に適
用するのが好ましい。なお、化粧用として使用する場合
は、上記製剤をそのままあるいは上記薬物から選択した
ものないし公知の化粧成分を配合したものを、皮膚の洗
浄、パック日焼けや肌荒れの対策、モイスチャーライジ
ングなどの目的で使用することができる。
以下、本発明を参考例、実施例、使用例、比較例により
さらに詳細に説明する。
参考例 1 シラノール化合物の合成 4−メチルピリジン12.0g(129mmol)をテトラヒドロフ
ラン200mlに溶解し、アルゴンガス雰囲気下−78℃に冷
却した後、フェニルリチウム(2.0mol/1n−ヘキサン溶
液)を97ml(194mmol)を加え40分間撹拌した。この
時、反応溶液は赤色を呈した。次にこの溶液にクロロメ
チルジメチルシラン31.4ml(258mmol)を加え、さらに
室温にて12時間撹拌したところ溶液は消色し白濁した。
反応溶液中の溶媒を留去し、生成した塩を濾過しジエチ
ルエーテルで洗浄した後、減圧蒸留を行い60−70℃/0.8
mmHgの沸点範囲で17.0gの無色透明液体が得られた。
得られた生成物について、1H−NMR、IRおよびMassスペ
クトル分析ならびに元素分析を行い、目的物の4−(2
−ジメチルシリルエチル)ピリジンであることを確認し
た。(収率;80%) それらの結果を以下に示す。1 H−NMRスペクトル,δ(CDCl3,ppm);0.09(d,6H,シリ
ル基上のメチル基のプロトンピーク),0.90(m,2H,エチ
レン鎖のプトロンピーク),3.07(m,2H,エチレン鎖のプ
トロンピーク),3.80(m,1H,Si−H基のプロトンピー
ク),6.98(dd,2H,ピリジン環のプトロンピーク),8.34
(dd,2H,ピリジン環のプトロンピーク). IRスペクトル(cm-1);3100(m),3050(m),2980
(s),2950(m),2120(s,Si−H結合による特性吸
収),1600(s,ピリジン環の特性吸収),1560(w),150
0(w),1420(s),1315(w),1255(s,Si−C結合に
よる特性吸収),1220(w),1175(w),1120(m),10
70(w),925(m,Si−C結合による特性吸収),920
(s),880(s),840(s),800(s),765(s),740
(s),700(s). Massスペクトル(m/e);165(M+),164(M+−H),150
(M+−CH3),106(M+−HSi(CH3),59(HSi(CH3
). 元素分析値(%);C:65.11,H:8.98,N:8.33 (計算値;C:65.39,H:9.17,N:8.47). エタノール80mlに触媒量の金属ナトリウムを溶解しアル
ゴンガス雰囲気下還流させ、その溶液に上記の反応で得
られた4−(2−ジメチルシリルエチル)ピリジン17.0
g(93.8mmol)をゆっくりと滴下しさらに1時間還流を
続けた。その後、反応溶液を水酸化ナトリウム11.0g(2
80mmol)および水16mlを含むメタノール溶液160mlに注
ぎ込み、さらに水酸化ナトリウム11.0gを含む水溶液160
mlを加え約30分間撹拌した。次に、その溶液をリン酸水
素カリウム95.7gを含む大量の氷水に注ぎ込むと白濁し
た。ジエチルエーテルで抽出し、乾燥後減圧蒸留を行っ
たところ39−40℃/0.015mmHgの沸点範囲で無色透明液体
15.5gが得られた。
得られた生成物について、1H−NMR、IRおよびMassスペ
クトル分析ならびに元素分析を行い、目的物の4−(2
−ジメチルヒドロキシシリルエチル)ピリジンであるこ
とを確認した。(収率;83%)それらの結果を以下に示
す。1 H−NMRスペクトル,(CDCl3,ppm);0.08(s,6H,シリル
基上のメチル基のプロトンピーク),0.85(m,2H,エチレ
ン鎖のプロトンピーク),2.30(s,1H,水酸基のプロトン
ピーク),2.61(m,2H,エチレン鎖のプロトンピーク),
7.07(dd,2H,ピリジン環のプロトンピーク),8.45(dd,
2H,ピリジン環のフロトンピーク). IRスペクトル(cm-1);3400(s,水酸基による特性吸
収),3100(m),3050(m),2980(m),2950(m),1
600(s,ピリジン環の特性吸収),1560(w),1500
(w),1420(s),1315(w),1255(s,Si−C結合に
よる特性吸収),1220(w),1175(m),1055(s,Si−
O結合による特性吸収),995(m),910(m,Si−C結合
による特性吸収),840(s),800(s),780(s),740
(w),700(w). Massスペクトル(m/e);181(M+),180(M+−H),166
(M+−CH3),106(M+−HOSi(CH3),75(HOSi(C
H3). 元素分析値(%);C:59.52,H:8.16,N:7.65 (計算値;C:59.62,H:8.36,N:7.72). 参考例 2,3 ポリオルガノシロキサンの合成 参考例1で得られた4−(2−ジメチルヒドロキシシリ
ルエチル)ピリジン1.10g(6.07mmol)をテトラヒドロ
フラン30mlに溶解し、アルゴンガス雰囲気下室温にて水
素化ナトリウム0.26g(66.62mmol)を加え2時間撹拌し
た。この溶液に表1記載の量のヘキサメチルシクロトリ
シロキサンをテトラヒドロフラン20mlに溶解した溶液を
加え、さらに室温にて12時間撹拌した。次に、トリメチ
ルクロロシラン1.54ml(12.2mmol)を加えて反応を停止
させた。溶媒を留去した後生成した塩を濾別し、減圧下
120℃にて2時間加熱撹拌しさらにカラム精製したとこ
ろ無色透明な粘性のあるオイルが得られた。1H−NMRス
ペクトルおよびIRスペクトルから、この生成物は、 で表される構造のピリジン環を片末端に、一方の末端に
トリメチルシリル基を有するポリジメチルシロキサンで
あることがわかった。なお、上記の構造において、ポリ
ジメチルシロキサン鎖の平均重合度nは1H−NMRスペク
トルにおけるシリル基上のメチル基のプロトンピーク
(0.10ppm)とピリジン環のプロトンピーク(7.15およ
び8.48ppm)の積分比から求めた。それらの結果を以下
に示す。
参考例 2 のデータ1 H−NMRスペクトル,δ(CDCl3,ppm);0.10(s,シリル
基上のメチル基のプロトンピーク),0.90(m,エチレン
鎖プロトンピーク),2.68(m,エチレン鎖プロトンピー
ク),7.15(dd,ピリジン環のプロトンピーク),8.48(d
d,ピリジン環のプロトンピーク). IRスペクトル(cm-1);3100(m),3050(m),2980
(s),2950(m),1600(s,ピリジン環の特性吸収),1
560(w),1500(w),1420(s),1315(w),1250
(s,Si−C結合による特性吸収),1220(w),1175
(m),1050(s,Si−O結合による特性吸収),995
(m),910(m,Si−C結合による特性吸収),840
(s),800(s),700(s). 元素分析値(%);C:36.55,H:8.11,N:1.22 (計算値;C:36.75,H:8.24,N:1.30) 参考例 3 のデータ1 H−NMRスペクトル,δ(CDCl3,ppm);0.10(s,シリル
基上のメチル基のプロトンピーク),0.90(m,エチレン
鎖プロトンピーク),2.68(m,エチレン鎖プロトンピー
ク),7.15(dd,ピリジン環のプロトンピーク),8.48(d
d,ピリジン環のプロトンピーク). IRスペクトル(cm-1);3100(m),3050(m),2980
(s),2950(m),1600(s,ピリジン環の特性吸収),1
560(w),1500(w),1420(s),1315(w),1250
(s,Si−C結合による特性吸収),1220(w),1175
(m),1050(s,Si−O結合による特性吸収),995
(m),910(m,Si−C結合による特性吸収),840
(s),800(s),700(s). 元素分析値(%);C:59.10,H:7.52,N:1.29 (計算値;C:59.33,H:7.67,N:1.38) 実施例 1,2 表2記載の量の、末端にピリジン環を有するポリオルガ
ノシロキサンおよびメチルヨージドをテトラヒドロフラ
ン5mlに溶解し、50℃にて3.5時間加熱撹拌した。反応終
了後、溶媒および過剰量のメチルヨージドを留去して末
端にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサンを
褐色油状物として得た。
実施例 3,4 二−チャンバー拡散セル(有効断面積0.95cm2)にウサ
ギ腹部剥離皮膚をはさみ、ドナー部に抗炎症剤インドメ
タシン(1%)、本発明の経皮吸収促進剤(2%)、非
イオン界面活性剤Tween20(0.5%)のエチルアルコール
50%水溶液を2ml入れ、レセプター部にリン酸緩衝液を2
ml入れ、セル全体を37℃の恒温槽に浸漬した。両チャン
を撹拌下6時間後および、12時間後にレセプター部より
サンプリングし、高速液体クロマトグラフィーにより透
過したインドメタシンの定量を行った。透過測定結果を
表3に示す。また経皮吸収促進剤を加えない場合を比較
例1として示す。
実施例 5,6 二−チャンバー拡散セル(有効断面積0.95cm2)にウサ
ギ腹部剥離皮膚をはさみ、ドナー部に抗炎症剤インドメ
タシン(1%)、本発明の経皮吸収促進剤(2%)のエ
チルアルコール溶液を2ml入れ、レセプター部にリン酸
緩衝液を2ml入れ、セル全体を37℃の恒温槽に浸漬し
た。両チャンを撹拌下6時間後および、12時間後にレセ
プター部よりサンプリングし、高速液体クロマトグラフ
ィーにより透過したインドメタシンの定量を行った。透
過測定結果を表4に示す。また経皮吸収促進剤を加えな
い場合を比較例2として示す。
実施例 7 二−チャンバー拡散セル(有効断面積0.95cm2)にウサ
ギ腹部剥離皮膚をはさみ、ドナー部にβ−ブロッカー塩
酸プロプラノロール(1%)、本発明の経皮吸収促進剤
(2%)のエチルアルコール60%水溶液を2ml入れ、レ
セプター部にリン酸緩衝液を2ml入れ、セル全体を37℃
の恒温槽に浸漬した。両チャンを撹拌下6時間後およ
び、12時間後にレセプター部よりサンプリングし、高速
液体クロマトグラフィーにより、透過した塩酸プロプラ
ノロールの定量を行った。透過測定結果を表5に示す。
また経皮吸収促進剤を加えない場合を比較例3として示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/34 N C07D 213/24 C08G 77/26 NUJ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは炭化水素基、Y-はハロゲンアニオン、有機
    酸アニオン、1/2SO4 2-、又はNO3 -、R1〜R7は同一又は異
    なってもよく、アルキル基又はフェニル基、pは1〜6
    の整数、nは3以上の整数である。)で表される、末端
    にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサン。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、Rは炭化水素基、Y-はハロゲンアニオン、有機
    酸アニオン、1/2SO4 2-、又はNO3 -、R1〜R7は同一又は異
    なってもよく、アルキル基又はフェニル基、pは1〜6
    の整数、nは3以上の整数である。)で表される、末端
    にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサンより
    なる薬物の経皮吸収促進剤。
JP21128789A 1989-08-18 1989-08-18 末端にピリジニウム塩を有するポリオルガノシロキサンおよび経皮吸収促進剤 Expired - Lifetime JPH0717659B2 (ja)

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