JPH07232670A

JPH07232670A - 鉄クローラ用履板

Info

Publication number: JPH07232670A
Application number: JP2541494A
Authority: JP
Inventors: Kageyuki Arimura; 景行有村
Original assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Current assignee: Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Priority date: 1994-02-23
Filing date: 1994-02-23
Publication date: 1995-09-05

Abstract

(57)【要約】【目的】走行中の石等によるショックを吸収して、ゴ
ムパットの切り傷発生の防止、耐久性の向上を図る。【構成】鉄クローラのシュー踏面２Ａにゴムパット３
を加硫接着してなる履板１であって、前記ゴムパット３
のクローラ幅Ｌ方向両端部に面取り部６Ａを設けると共
に、該面取り部６Ａにクローラ進行方向に延びる断面略
半円状の溝７を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、農業機械、建設機械等
に使用される鉄クローラ用履板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、鉄クローラ１０は、図１０及び
図１５に示すように、シュープレート１１（履板ともい
う）を設けたシューリンク１２同志をピン１３により連
結して無端状としたものが用いられており、作業車のフ
レーム１４に装着した駆動用スプロケット１５及び遊転
輪１６に巻掛けられ、ガイド輪体１７がシューリンク１
２の上縁に対して転動するように構成され、前記シュー
プレート１１はシューリンク１２下面にボルト１８によ
り着脱可能に取付けられている。

【０００３】ところで、鉄クローラ１０は、騒音が大き
く、舗装路面を傷め、高速化できず、しかも乗心地が悪
いという難点がある。従来、鉄クローラ１０の上記難点
を解消するために、図１０〜図１４に示すように、シュ
ープレート１１の踏面に、ゴムパット１９を加硫接着し
て形成した履板２０が提案されている（例えば実開平３
−７７７９４号公報参照）。なお、２１は取付ボルト
孔、２２は補強リブである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の上記履板２０
は、鉄クローラの長所を生かしかつ欠点を解消しうるも
のであるが、ゴムパットの耐久性に問題があり、普及し
ていない。即ち、シュープレート１１とゴムパット１９
の接着が不十分で、ゴムパット１９の厚さが薄く、した
がって、走行中のショックを吸収できないうえ、石、コ
ンクリート片等の角部のある固体を踏んだとき、ピンチ
状態となり、ゴムパット１９に切り傷（カット傷）が発
生し、切り傷がシュー踏面にまで達して水の侵入により
シュープレート１１に錆が発生し、これがシュープレー
ト１１とゴムパット１９の接着層間に侵入して、ゴムパ
ットの剥離に進展し、耐久性を損ねるという問題があ
る。

【０００５】本発明は、上述のような実情に鑑みてなさ
れたもので、その目的とすることろは、ゴムパットの切
り傷発生を防止し、耐久性の向上を図ることができる鉄
クローラ用履板を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明は、鉄クローラのシュー踏面にゴムパットを加硫接着
してなる履板であって、前記ゴムパットのクローラ幅方
向両端部に面取り部が設けられ、該面取り部にクローラ
進行方向に延びる溝が設けられていることを特徴として
いる。

【０００７】また、本発明は、鉄クローラのシュー踏面
にゴムパットを加硫接着してなる履板であって、前記ゴ
ムパットのクローラ幅方向の両端部が耐カット性に優れ
たゴムとされ、中央部が耐摩耗性に優れたゴムとされて
いることを特徴としている。

【０００８】

【作用】請求項１の本発明によれば、ゴムパットがシュ
ー踏面と石、コンクリート片等の角のある固体間に挟ま
れたり、ショックを受けたとき、ゴムパット両端部の溝
部分で作用力やショックを吸収し、シューへ作用力・衝
撃力を伝えず、したがって、切り傷が発生しない。

【０００９】また、請求項５の本発明によれば、ゴムパ
ットの切り傷を受けやすいクローラ幅方向両端部が石等
の上に載ってショックを受けたとき、ゴムパットが軟か
いため、石等とシュー踏面によるピンチ状態にならず、
切り傷を受けるのを回避できる。また、ゴムパットの中
央部が硬質ゴムから成っているので、荷重負荷時の撓み
が小さく、耐摩耗性を確保できる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１〜図６は本発明の第１実施例を示し、履板１は
略長方形の金属製シュー２とゴムパット３とからなり、
シュー２の踏面２Ａには、クローラ幅方向（シュー２の
長手方向）に延びる複数条の補強用突条４（リブ）が設
けられ、中央部には４個の取付ボルト孔５が設けられて
おり、該取付ボルト孔５を利用してシューリンク（図１
０参照）に取付けられ鉄クローラが構成される。

【００１１】前記ゴムパット３は、耐摩耗性に優れたゴ
ム（ゴム硬度６５〜７５度）からなり、シュー踏面２Ａ
に加硫接着され、クローラ幅方向両端部には、比較的大
きな面取り部６Ａ，６Ａが設けられ、該面取り部６Ａ，
６Ａにクローラ進行方向に延びる断面形状が円弧状（略
半円）のショック吸収用の溝７，７が角隅面取り部６Ｂ
に続くように設けられており、中央部にはシュー２の取
付ボルト孔５に対応して、ボルト頭又はナットを嵌入し
うる孔８が設けられている。

【００１２】なお、前記溝７は、ゴムパット３の接地面
９よりもシュー踏面側でかつシュー２の突起４よりも接
地面９側の範囲内に設けられている。また、該溝７は、
図５に示すように、複数条をクローラ進行方向に一列又
は複数列に設けることができ、さらに、図６に示すよう
に、複数条をクローラ幅方向に一列又は複数列に設ける
ことができる。そして、前記溝７の断面形状は、円弧状
に限らず、クラックの入りにくいＵ底形等の凹部とする
ことができる。

【００１３】上記実施例によれば、路面とゴムパット３
の間に、石、コンクリート片等の角ばった固体を挟んだ
り、ショックがあっても、前記ゴムパット３の溝７の周
辺が変形してショックを吸収し、ピンチ状態にならずシ
ュー２に衝撃力を伝達せず、切り傷の発生を防止でき
る。したがって、ゴムパット３の両端部が破損すること
がなく、シュー踏面２Ａに錆が発生せず、耐久性の向上
を図ることができる。

【００１４】図７及び図８は、本発明の第２実施例を示
し、履板１のゴムパット３のクローラ幅方向両端部に溝
７がなく、該両端部３Ａが耐カット性に優れたゴムとさ
れ、中央部３Ｂが耐摩耗性に優れたゴムとされている点
で上記第１実施例と異なっており、その他の履板１構成
は同じであるから、共通部分には同符号を付し、本発明
の特徴部分について詳述する。

【００１５】前記ゴムパット３の両端部３Ａは、ゴム硬
度が５５〜７０度の軟質ゴムからなる耐カット性に優れ
たもので、そのクローラ幅方向の長さが全長Ｌの０．１
〜０．２倍とされ、中央部３Ｂは、ゴム硬度が７５〜９
０度の硬質ゴムからなる耐摩耗性に優れたもので、その
クローラ幅方向の長さが全長Ｌの０．８〜０．６倍とさ
れている。

【００１６】前記ゴムパット３の両端部３Ａの長さを
０．１〜０．２Ｌとしたのは、０．２Ｌを超えるとゴム
パット３全体の負荷能力が低下し、撓みが大きくなって
摩耗が早くなるからであり、０．１Ｌよりも小さいと、
切り傷（カット傷）の防止効果が低下するからである。
なお、前記ゴムパット３の中央部３Ｂの長さを０．８〜
０．６Ｌとした場合、硬質ゴムであるから、荷重負荷時
の撓みは小さく、耐摩耗性が損われることもない。

【００１７】該第２実施例によれば、走行中に石等によ
って切り傷を受け易いゴムパット端部３Ａがショックを
受けたとき、ゴムが軟かいために石等とシュー踏面２Ａ
との間でピンチ状態にならず、したがって切り傷の発生
を防止できる。しかも、ゴムパット３全体の負荷能力が
十分で、撓みも小さくかつ耐摩耗性があるから、ゴムパ
ット３の寿命を大幅に伸ばすことができる。

【００１８】図９は本発明の第３実施例を示し、履板１
のゴムパット３のクローラ幅方向両端部にはＵ底形の２
本の溝７が形成され、両端から０．１〜０．２Ｌの範囲
の両端部３Ａは５５〜７０度の軟質ゴムが、中央部３Ｂ
は７５〜９０度の硬質ゴムが使用され、補強用突条４間
には両端から略１／３Ｌの範囲にスチールコード、キャ
ンバス等で形成された補強材３０が一層又は複数層埋入
されている。

【００１９】前記補強材３０は孔８を除く全域に埋設し
ても良く、また、突起４も覆うようにゴムパット３を平
面視同一形状に形成しても良い。前記第３実施例におい
ては、補強材３０によってゴムパット３の接着層へのシ
ョック伝達を緩和すると共に、比較的軟質の両端部３Ａ
の耐久性を向上し、この両端部３Ａの軟質性と溝７を形
成したこととにより硬質の中央部３Ｂから伝達されるシ
ョックをより有効に吸収し、中央部３Ｂのゴム硬度を従
来品に比して高くすることにより耐摩耗性を向上し、こ
れらの要素が有機的に結合されて、単独の場合より切り
傷防止効果及び耐久性が相乗的に向上する。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、上述のように、鉄クローラの
シュー踏面にゴムパットを加硫接着してなる履板であっ
て、前記ゴムパットのクローラ幅方向両端部に面取り部
が設けられ、該面取り部にクローラ進行方向に延びる溝
が設けられていることを特徴とするものであるから、シ
ョックを吸収しゴムパットの切り傷を防止して、履板の
耐久性の向上を図ることができる。

【００２１】また、本発明は、鉄クローラのシュー踏面
にゴムパットを加硫接着してなる履板であって、前記ゴ
ムパットのクローラ幅方向の両端部が耐カット性に優れ
たゴムとされ、中央部が耐摩耗性に優れたゴムとされて
いることを特徴とするものであるから、ゴムパットの切
り傷を防止できると共に、耐摩耗性が大で強度及び耐久
性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す接地面側からみた平
面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】図１のＣ−Ｃ線断面図である。

【図５】同実施例における溝形成の他の例を示す要部平
面図である。

【図６】同実施例における溝形成のさらに他の例を示す
要部平面図である。

【図７】本発明の第２実施例を示す接地面側からみた平
面図である。

【図８】図７のＤ−Ｄ線矢視断面図である。

【図９】本発明の第３実施例を示す一部断面正面図であ
る。

【図１０】鉄クローラの一部拡大側面図である。

【図１１】従来のゴム履板の接地面側からみた平面図で
ある。

【図１２】図１１のＥ−Ｅ線矢視断面図である。

【図１３】図１１のＦ−Ｆ線断面図である。

【図１４】図１１のＧ−Ｇ線断面図である。

【図１５】作業車の支持フレームに装着された鉄クロー
ラを示す側面図である。

【符号の説明】

１履板２シュー２Ａシュー踏面３ゴムパット３Ａゴムパット端部３Ｂゴムパット中央部６Ａ面取り部７溝９接地面Ｌクローラ全幅

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鉄クローラのシュー踏面にゴムパットを
加硫接着してなる履板であって、前記ゴムパットのクロ
ーラ幅方向両端部に面取り部が設けられ、該面取り部に
クローラ進行方向に延びる溝が設けられていることを特
徴とする鉄クローラ用履板。
【請求項２】前記溝の断面形状が円弧状などクラック
の入りにくい形状とされていることを特徴とする請求項
１に記載の鉄クローラ用履板。
【請求項３】前記溝が接地面よりもシュー踏面側でか
つシューの突起よりも接地面側に設けられていることを
特徴とする請求項１又は２に記載の鉄クローラ用履板。
【請求項４】前記各端部の溝が夫々複数で一列又は複
数列に設けられていることを特徴とする請求項１〜３の
いずれかに記載の鉄クローラ用履板。
【請求項５】鉄クローラのシュー踏面にゴムパットを
加硫接着してなる履板であって、前記ゴムパットのクロ
ーラ幅方向の両端部が耐カット性に優れたゴムとされ、
中央部が耐摩耗性に優れたゴムとされていることを特徴
とする鉄クローラ用履板。
【請求項６】前記耐カット性に優れたゴムの硬度が５
５〜７０度とされ、耐摩耗性に優れたゴムの硬度が７５
〜９０度とされていることを特徴とする請求項５に記載
の鉄クローラ用履板。
【請求項７】前記ゴムパットの両端部耐カット性に優
れたゴムの長さが、各々クローラ全幅の０．１〜０．２
倍とされていることを特徴とする請求項５又は６に記載
の鉄クローラ用履板。
【請求項８】前記ゴムパットのクローラ幅方向両端部
に面取り部が設けられ、該面取り部にクローラ進行方向
に延びる溝が設けられていることを特徴とする請求項５
〜７のいずれかに記載の鉄クローラ用履板。
【請求項９】前記ゴムパット内に補強材が埋入されて
いることを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載の
鉄クローラ用履板。