JPH07232374A - 多層フィルムの製造方法 - Google Patents
多層フィルムの製造方法Info
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- JPH07232374A JPH07232374A JP2822394A JP2822394A JPH07232374A JP H07232374 A JPH07232374 A JP H07232374A JP 2822394 A JP2822394 A JP 2822394A JP 2822394 A JP2822394 A JP 2822394A JP H07232374 A JPH07232374 A JP H07232374A
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Abstract
−ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH)(A)層と、
熱可塑性樹脂(B)層の少なくとも2層からなり(A)
層が外側あるいは内側表面層に位置する原反フィルムを
延伸した後、EVOH(A)層の含水率が0.3〜20
重量%となるように調整することを特徴とする、下記
(I)式を満足する多層フィルムの製造方法。 a:b=1:10〜1:60 …(I) a…EVOH(A)層の厚さ(EVOH(A)層が2層
以上の場合はその合計の厚さ) b…熱可塑性樹脂(B)層の厚さ(熱可塑性樹脂(B)
層が2層以上の場合はその合計の厚さ) 【効果】 本発明により、熱収縮性の優れた、しかも厚
みムラの少ない多層フィルムを得ることができる。
Description
収縮性に優れた多層フィルムの製造方法に関する。
はその形状が不規則で大きさも不揃いである。この様な
形態が多様な食品の包装方法としては、熱収縮性のフィ
ルムを用いるシュリンク包装、および、スキンパック包
装機を用いて延伸−収縮−熱シ−ルを同時に行うスキン
パック包装などが工業的に採用されている。シュリンク
包装の一般的な操作手順としては袋状の延伸フィルムに
内容物を入れ、次いで減圧下で袋内の空気を除去し、袋
の開口部を密封した後、加熱することによりフィルムを
熱収縮せしめて内容物に密着せしめる操作手順が一般的
に採用され、この手順により綺麗な包装体を得る事が出
来る。この手順において、加熱処理は、内容物の殺菌を
兼ねて行われる場合もあり、通常70〜120℃の温度
で処理される。
伸フィルムをスキンパック包装機に通し、加熱部分で該
フィルムを60〜200℃昇温後、場合によっては金型
で熱成形後、ただちに真空下、内容物(生肉、加工畜肉
など)を置いた基材フィルム、シ−ト、トレイ上にかぶ
せ、周囲を密封した後、大気圧にもどし、収縮させ、内
容物と周囲のフィルムとを密着させる操作手順が一般的
に採用され、その操作手順により綺麗な包装体を得る事
が出来る。このような包装において使用されるフィルム
はガスバリア−性および密着性に優れ、且つ40〜20
0℃で容易に延伸が可能であり、かつ、加熱によって充
分に熱収縮する特性を有する事が必要である。
を与える為には、高ガスバリア−性を有するEVOH樹
脂を使用することが考えられるが、ガスバリア−性の優
れたEVOH樹脂フィルムは均一な熱収縮性に劣るとい
う欠点を有している。この欠点を解決するために種々の
方法が提案されている。例えばEVOH樹脂フィルムと
ポリアミド樹脂(PA樹脂)フィルムを密着積層後延伸
した複合フィルム(特開昭52−115880)、ポリ
オレフィン層、PA樹脂層及びEVOH樹脂層からなる
積層フィルム(特開昭56−136365)などが提案
されている。
同志のブレンドからなる熱収縮性フィルム(特開平5−
200865)も提案されている。
VOH樹脂フィルムをPA樹脂フィルムに積層したフィ
ルムは、均一な熱収縮性を有するフィルムが得られると
は言いがたい。従って、高いガスバリア−性を有し、且
つより優れた延伸性、熱収縮性、寸法安定性を示すフィ
ルムの提供が望まれている。しかして、本発明の目的
は、EVOH樹脂の高いガスバリア−性を維持しなが
ら、優れた均一な熱収縮性を有する多層フィルムを得る
事にある。
中間層あるいは表面層(内層または外層)に有し、かつ
下記式(I)または(II)を満足する原反フィルムを延
伸した後、EVOH(A)層の含水率が0.3〜20重
量%となるように調整し、多層フィルムを製造する方法
を提供することによって達成される。
以上の場合はその合計の厚さ) b…熱可塑性樹脂(B)層の厚さ(熱可塑性樹脂(B)
層が2層以上の場合はその合計の厚さ)
の厚さ d…EVOH(A)層が(C)の中心より外層よりの場
合、外側表面層からEVOH(A)層中心までの厚さ …EVOH(A)層が(C)の中心より内層よりの場
合、内側表面層からEVOH(A)層中心までの厚さ
より、EVOH層(A)が表面層あるいは表面層に近接
したところに位置し、かつ原反フィルムの延伸後のEV
OH(A)層の含水率を0.3〜20重量%に調整する
ことにより、熱収縮性の優れた、さらに熱収縮後のEV
OH(A)層の厚みムラの少ない多層フィルムを得るこ
とができる。
後のEVOH(A)層の含水率を0.3〜20重量%に
調整することにより、このような効果が得られることは
意外である。(I)式の好適な範囲としては、a:b=
1:10〜1:40、さらに好ましくは、a:b=1:
10〜1:20である。(II)式の好適な範囲として
は、c:d=1:0.1〜1:30、さらに好ましく
は、c:d=1:0.1〜1:20である。(I)また
は、(II)式の条件を満足しないものは、後述する比較
例からも明らかなように、本発明の目的が達せられな
い。
の含水率の下限値としては、0.3重量%以上であり、
さらには、0.5重量%以上、さらには、1重量%以
上、さらには2重量%以上、さらには3重量%以上、さ
らには4重量%以上、さらには5重量%以上であること
が好適である。また上限値としては、20重量%以下、
さらには、15重量%以下、さらには、12重量%以下
である。ここで含水率とはEVOH(A)層の全体の重
さに対する値である。EVOH(A)層の含水率がこの
範囲から外れる場合は、後述する比較例からも明らかな
ように、本発明の目的が達せられない。
レン−ビニルエステル共重合体けん化物であり、エチレ
ン含有量は20〜60モル%、好適には25〜58モル
%、ビニルエステル成分のけん化度は90%以上であ
る。エチレン含有量が20モル%未満では溶融成形性が
悪く、一方60モル%以上では、ガスバリア−性が不足
する。また、けん化度が90%未満では、ガスバリア−
性および熱安定性が悪くなる。
が阻害されない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピ
レン、ブチレン、不飽和カルボン酸又はそのエステル
{(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルメ
チル、エチル)など}、ビニルシラン化合物(ビニルト
リメトキシシラン、トリエトキシシランなど)、ビニル
ピロリドン(N−ビニルピロリドンなど)を共重合した
ものであっても良く、さらに、可塑剤、熱安定剤、紫外
線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラ−、他の樹脂
(ポリアミド、部分けん化エチレン−酢酸ビニル共重合
体など)をブレンドすることも自由である。また、本発
明に用いるEVOH(A)の好適なメルトインデックス
(MI)(210℃、2160g荷重下)は0.2〜1
00g/10min.のものが好適であり、1〜60g
/10min.のものが更に好ましい。
水性可塑剤、とくに芳香族エステル、脂肪族エステル、
リン酸エステル、及びそれらのエポキシ化合物などが挙
げられる。芳香族エステルとしては、ジブチルフタレ−
ト、ジオクチルフタレ−ト、ジヘプチルフタレ−ト、ジ
−(2エチルヘキシル)フタテ−ト、ジシクロヘキシル
フタレ−ト、ブチルラウリルフタレ−ト、ジイソオクチ
ルフタレ−ト、ブチルココナッツアルキルフタレ−ト、
ジトリデシルフタレ−ト、ジラウリルフタレ−ト、ジイ
ソデシルフタレ−ト、ブチルベンジルフタレ−ト、オク
チルカプリルフタレ−ト、ジメチルグリコ−ルフタレ−
ト、エチルフタリルエチレングリコレ−ト、メチルフタ
リルエチレングリコレ−ト、ブチルフタリルブチレング
リコ−ト、ジノニルフタレ−ト、ジヘプチルフタレ−
ト、オクチルデシルフタレ−ト、ジトリデシルフタレ−
ト、ブチルベンジルフタレ−ト、ジカプリルフタレ−
ト、ジ−(355トリメチルヘキシル)フタレ−ト、イ
ソオクチルイソデシルフタレ−ト、ジメトキシエチルフ
タレ−ト、ジブトキシジエチルフタレ−ト、ビス(ジエ
チレングリコ−ルモノメチルエ−テル)フタレ−トなど
が挙げられる。脂肪族エステルとしては、ポリプロピレ
ンアジペ−ト、ジイソデシルアジペ−ト、ジ−(2メチ
ルヘキシル)アジペ−ト、ジカプリルアジペ−ト、ジイ
ソオクチルアジペ−ト、オクチルデシルアジペ−ト、イ
ソオクチルイソデシルアジペ−ト、ジブチルフマレ−
ト、ジオクチルフマレ−ト、トリエチルシトレ−ト、ア
セチルトリエチルシトレ−ト、トリブチルシトレ−ト、
アセチルトリブチルシトレ−ト、アセチルトリ−(2エ
チルヘキシル)シトレ−トなどが、またリン酸エステル
としては、トリクレシルホスヘ−ト、フェニルジクレシ
ルフォスフェ−ト、キシレニルジクレシルフォスヘ−
ト、クレシルジキシレニルフォスフェ−ト、トリフェニ
ルフォスフェ−ト、トリブチルフォスフェ−ト、トリク
ロルエチルフォスフェ−ト、トリオクチルフォスフェ−
ト、トリエチルフォスフェ−ト、アリルアルキルフォス
フェ−ト、ジフェニルモノオルソキセニルフォスフェ−
トなどが、またエポキシ系化合物としては、エポキシモ
ノエステル、ブチルエポキシステアレ−ト、オクチルエ
ポキシスアレ−ト、エポキシブチルオレエ−ト、エポキ
シ化オレイン酸ブチル、エポキシ化ダイズ油、エポキシ
化アマニ油、エポキシ化アルキルオイル、エポキシ化ア
ルキルオイルアルコ−ルエステルなどが挙げられる。中
でもエポキシ化ダイズ油、エポキシ化アマニ油、ジネチ
ルヘキシルアジペ−ト、ジイソオクチルアジペ−ト、ジ
ブチルフタレ−ト、ジエチルフタレ−ト、ジ−(2エチ
ルヘキシル)フタレ−ト、メチルフタリルエチレングリ
コレ−トなどが好適に用いられる。配合量としては、E
VOH(A)100重量部に対し0.1〜30重量部で
あり、更に好ましくは1〜20重量部である。
溶性、熱安定性を改善する為に添加剤を併用する事がで
きる。添加剤としては、芳香族カルボン酸、脂肪族カル
ボン酸、リン酸またはその金属塩、あるいは金属錯体、
金属酸化物などが挙げられる。これらの化合物は少なく
とも一種が使用される。該添加剤はEVOH(A)10
0重量部に対し0.001〜1重量部用いることが好ま
しく、更に好適には、0.01〜1重量部である。また
用いる金属イオンとしてはアルカリ金属系、アルカリ土
金属系、両性金属系の金属が好適である。これら添加剤
としては例えば、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢
酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸亜鉛、酢酸リチウ
ム、リン酸カルシウム、リン酸カリウム、リン酸マグネ
シウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸リチウム、エチレンジアミン四酢酸
のナトリウム塩、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、
ハイドロタルサイト系化合物などが挙げられる。なかで
も、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウ
ム、ハイドロタルサイト系化合物{例:Mg6 Al
2 (OH)16CO3 ・4H2 O}などが好適である。
H(A)層及び熱可塑性樹脂(B)層から成るが、EV
OH(A)層及び熱可塑性樹脂(B)層はそれぞれ2層
以上あっても良い。EVOH(A)層及び熱可塑性樹脂
(B)層がそれぞれ2層以上有する場合、各層を構成す
る樹脂組成は、それぞれ同一であっても、又異なってい
ても良い。
樹脂、特にビカット軟化点(ASTM D−1525に
より測定)95℃以下、好ましくは85℃以下のオレフ
ィン系樹脂が好適であり、オレフィン樹脂としては、エ
チレンとビニルエステル単量体との共重合体、例えばエ
チレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略称す
る)、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン
酸エステルより選ばれる単量体とエチレンとの共重合体
(例えばアクリル酸、アクリル酸エステルメタクリル
酸、メタクリル酸エステル等から選ばれた単量体とエチ
レンとの共重合体)、アイオノマ−樹脂、線状低密度ポ
リエチレン(以下LLDPEと記す。)及びLLDPE
とEVAとの混合樹脂、密度0.91g/cm3 以下の
超低密度ポリエチレン(以下,VLDPEと略称する)
及びVLDPEと少量のLLDPEの混合樹脂、結晶性
プロピレン−エチレン共重合体とポリプロピレン系エラ
ストマ−の混合樹脂が好ましい。
重量%のものが好ましい。LLDPEとEVAの混合樹
脂中のEVAの割合は少なくとも55重量%を含有して
いることが延伸性の見地から好ましい。LLDPEとし
ては、エチレンと少量のブテン−1、ペンテン−1、4
メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等
の炭素数4〜18のα−オレフィンとの共重合体で結晶
融点118〜125℃のものが好ましい。アイオノマ−
樹脂としては、エチレン,プロピレン等のα−オレフィ
ンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽
和カルボン酸及び不飽和カルボン酸エステルの一部を鹸
化した重合体との共重合体の陰イオン部分をNa、K、
Mg、Ca、Zn等の金属イオンで一部を中和してなる
イオン架橋物が用いられる。通常、Na、およびZnが
用いられる。2価の金属イオンで一部中和してなるアイ
オノマ−樹脂にポリアミドオリゴマ−が含まれているも
のでも良い。
して用いられる場合、例えば、不飽和カルボン酸又はそ
の無水物(無水マレイン酸など)をオレフィン系重合体
または共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエチレン
(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレンVLDPE)}、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸
エステル(メチルエステル、またはエチルエステル)共
重合体]にグラフトしたものが、好適にもちいられる。
(B)として上記オレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂
を用いることもできる。ここで、他の樹脂(B)として
は、例えばポリアミド樹脂(PA樹脂)、具体的には、
ナイロン6、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン611、ナ
イロン612の単量体の二元以上の共重合体、及びナイ
ロン6、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン66、ナイロン69、ナイロン611、ナイロン
612があげられる。又ガスバリア−性が上記ナイロン
より優れた芳香族系ナイロン、例えば、アジピン酸とメ
タキシリレンジアミンとの重合体、ヘキサメチレンジア
ミンとm,p−フタル酸との重合体あるいはこれらと上
記PA樹脂との共重合体、あるいは溶融ブレンド物など
からなるものが好ましい。
層に直接接しない位置に設ける事もでき、回収再使用品
などを含む樹脂層を他の構成層(B)層として一層ある
いはそれ以上設ける事が出来る。また、EVOH(A)
層、熱可塑性樹脂(B)層には延伸性、ガスバリア−性
を阻害しない範囲で、無機フィラ−、顔料などの無機添
加物および/または有機添加物などを添加することが出
来る。
樹脂(B)層の厚みb{(B)層が複数層ある場合はそ
の合計厚み}は耐熱性の点から3μ以上、延伸性、寸法
安定性の点から1000μ以下が好ましく、3〜500
μである事が更に好ましい。また、EVOH(A)層の
厚みa{(A)層が複数層ある場合はその合計厚み)}
はガスバリア−性と延伸性のバランスから3〜100μ
が好ましく、3〜50μである事が更に好ましい。ま
た、熱可塑性樹脂(B)層の厚みはEVOH(A)層の
厚みよりも厚い事が好ましく、熱可塑性樹脂(B)層が
2層以上ある場合は、熱可塑性樹脂(B)層の合計厚み
が、EVOH(A)層の厚みよりも厚い事が好ましい。
また、本発明中のcとdの厚みに関しては、c=5〜8
00μ,d=5〜800μ,好ましくは、c=25〜8
00μ,d=25〜800μ,さらに好ましくは、c=
75〜800μ,d=75〜800μである。なお原反
フィルムのa:b、c:dのそれぞれの比率は原反フィ
ルムを延伸した後のフィルムのa:b、c:dのそれぞ
れの比率と同じである。
OH(A)層/熱可塑性樹脂(B)層、(2)熱可塑性
樹脂(B)層/EVOH(A)層/熱可塑性樹脂(B)
層などが代表的なものとしてあげられる。両外層に熱可
塑性樹脂(B)層を設ける場合は、両外層の樹脂が異な
っていてもよいし、また同じものでもよい。
法を述べる。EVOH(A)層、熱可塑性樹脂(B)層
を押出ラミネ−ト法、ドライラミネ−ト法、共押出ラミ
ネ−ト法、共押出シ−ト成形法、共押出インフレ成形
法、溶液コ−ト法などにより積層して原反フィルムを得
る。このとき押出成形された原反フィルムは直ちに急冷
し実質上可能な限り非晶質にすることにより、延伸後の
熱収縮性が更に改善することになるので好ましい。次い
で、該積層体をEVOH(A)層の融点以下の範囲で再
加熱し,ロ−ル延伸法、パンタグラフ式延伸法あるい
は、インフレ延伸法などにより一軸、あるいは二軸延伸
する。延伸に先立ち、該積層体に放射線、電子線、紫外
線などを照射し、EVOH(A)層、熱可塑性樹脂
(B)層、多層フィルム構成層を架橋するか、あるいは
押出成形時、樹脂に化学架橋剤を添加し押出成形を実施
し、化学架橋すること、あるいは架橋ポリオレフィン樹
脂(B)層にEVOH(A)層を積層した多層フィルム
を用いる事は延伸成形性がより改善されるのでより好適
である。延伸倍率としては縦あるいは/および横それぞ
れ1.3〜9倍、好ましくは1.5〜4倍であり、また
延伸前の加熱温度としては、50〜140℃、好ましく
は60〜100℃である。加熱温度が50℃未満では延
伸性が悪い傾向にあり、寸法変化も大きくなる。また、
加熱温度が140℃を越えると、熱収縮性が低下する傾
向がある。延伸は湿熱延伸、乾熱延伸いずれも採用でき
る。
3〜20重量%となるように調整することが本発明にお
いては重要である。含水率を調整する方法としては、延
伸後の多層フィルムに水をスプレーするか、あるいは延
伸後の多層フィルムを水に浸漬する方法等があげられる
が、水に浸漬する方法が好ましい。また、延伸後のEV
OH(A)層の含水率が特定の範囲にある場合は、その
まま使用することができるが、さらに水をスプレー、あ
るいは水に浸漬などの水処理をすることが好ましい。水
処理する場合の水温は0〜95℃が好ましく、20〜9
0℃がより好適である。なお、延伸後の多層フィルム含
水率は、フィルムを105℃×24時間乾燥し、乾燥前
−乾燥後の重量減少から求めた数値である。また、含水
させる場合、延伸後のフィルムをニップ等で一定の形状
に固定した後、水に浸漬する等の方法により、含水させ
ることが好ましい。延伸後、熱固定のための処理を施す
ことは自由である。
ルムは、熱収縮性に優れており、例えば多層フィルムを
90℃熱水中に一分間浸漬した時面積収縮率は10%以
上であり、更に好ましくは15%以上、さらには25%
以上、更に好ましくは30%以上、さらには40%以
上、さらには50%以上を示す。面積収縮率の上限は9
0%である。面積収縮率が10%未満であると包装品の
表面にフィルムのしわが発生したり、内容物と包装フィ
ルムとの密着性が損なわれ商品の外観が劣る事になる。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
はこれによりなんら限定されるものではない。
トインデックス(MI)(210℃、2160g荷重)
11.5g/10min.のEVOH(A)を用い、4
種5層共押出装置にかけ、一方の最外層が600μのE
VA樹脂層(三井デュポンケミカル:エバフレックスE
V−340)、他方の最外層が50μの上記EVOH
(A)であり、EVA樹脂層とEVOH樹脂層との間に
50μの接着性樹脂(AD)層(三井石油化学 アドマ
−VF−600、EVA樹脂の無水マレイン酸変性物)
を有する3層構成の原反フィルムを作成した。得られた
原反フィルムは、a:b=50μ:650μ=1:13
である。得られた原反フィルムをパンタグラフ式二軸延
伸機にかけ、70℃で延伸倍率を変更し、表1に示す通
り、同時二軸延伸を行い多層フィルムとした。なお二軸
延伸した後、延伸多層フィルム(延伸倍率3×3倍のも
の、延伸倍率4×4倍のもの)を木枠で固定し80℃の
熱水中に8分間浸漬した。これらのフィルムの熱収縮面
積倍率を測定したところ、それぞれ62%、75%を示
した。延伸多層フィルムの特性を表2に示す。また、2
0℃−100%RHに調湿し、ガスバリア−性を測定し
た所(モコン社製10/50型)、いずれも、15c
c.20μ/m2 .24hr.atmと良好なガスバリ
ア−性を示した。
0μ:450μ=1:9)し、それ以外は実施例1と同
様の条件で多層延伸フィルムを得た。ただし、延伸倍率
4×4倍の延伸は不可能であり、延伸倍率3×3倍まで
しか延伸できなかった。また、延伸倍率3×3倍の時、
フィルムを木枠で固定し80℃の熱水中に8分間浸漬し
た。このフィルムの含水率は10%であった。またこの
フィルムの90℃での熱収縮性を測定した所、45%と
低い面積収縮率を示した。得られた結果を表4に示す。
トインデックス(MI)(210℃、2160g荷重)
11.5g/10min.のEVOH(A)を用い、4
種5層共押出装置にかけ、両最外層がそれぞれ200μ
と400μのEVA樹脂層(三井デュポンケミカル:エ
バフレックスEV−340)、最内層中央が50μの上
記EVOH樹脂層であり、EVA樹脂層とEVOH組成
物層との間にそれぞれ50μの接着性樹脂(AD)層
(三井石油化学 アドマ−VF−600、EVA樹脂の
無水マレイン酸変性物)を有する5層構成の原反フィル
ムを作成した。得られた原反フィルムは、c:d=50
μ:275μ=1:5.5である。得られた原反フィル
ムをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、70℃で延伸倍
率を変更し同時二軸延伸を行い多層フィルムとした。得
られた結果を表2に示す。
1:74)し、それ以外は実施例2に記載と同様の条件
で多層フィルムを得た。ただし、延伸倍率3×3倍まで
しか延伸できなかった。また、延伸倍率3×3倍の時、
フィルムを木枠で固定し80℃の熱水中に8分間浸漬し
た。このフィルムの含水率は10%であった。またこの
フィルムの90℃での熱収縮性を測定した所、38%と
低い面積収縮率を示した。また、水処理しないフィルム
の面積収縮率も測定した。得られた結果を表4に示す。
トインデックス(MI)(210℃、2160g荷重)
11.5g/10min.のEVOH(A)を用い、4
種5層共押出装置にかけ、一方の最外層が400μのE
VA樹脂層(三井デュポンケミカル:エバフレックスE
V−340)、他方の最外層が200μのアイオノマー
樹脂層、最内層中央が50μの上記EVOH樹脂層であ
り、EVOH組成物層の両側にそれぞれ50μの接着性
樹脂(AD)層(三井石油化学アドマ−VF−600、
EVA樹脂の無水マレイン酸変性物)を有する5層構成
の原反フィルムを作成した。得られた原反フィルムは、
c:d=150μ:175μ=1:1.2である。得ら
れた原反フィルムをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、
70℃で延伸倍率を変更し同時二軸延伸を行い多層フィ
ルムとした。得られた結果を表2に示す。
0:375)し、それ以外は実施例3に記載と同様の条
件で多層熱収縮性フィルムを得た。得られた多層熱収縮
フィルムは、クラック、ムラ、偏肉も少なく、外観(透
明性、ゲル、ブツ)も比較的良好であったが原反フィル
ムの延伸性は、実施例3と比較して不良であり、延伸倍
率3×3倍までしか延伸できなかった。得られた結果を
表4に示す。
トインデックス(MI)(210℃、2160g荷重)
11.5g/10min.のEVOH(A)を用い、4
種5層共押出装置にかけ、一方の最外層が300μのE
VA樹脂層(三井デュポンケミカル:エバフレックスE
V−340)、他方の最外層が150μのPA樹脂層、
最内層中央が50μの上記EVOH樹脂層であり、EV
A樹脂層とEVOH組成物層との間に50μの接着性樹
脂(AD)層(三井石油化学 アドマ−VF−600E
VA樹脂の無水マレイン酸変性物)を有する4層構成の
原反フィルムを作成した。得られた原反フィルムは、
c:d=100μ:200μ=1:2である。得られた
原反フィルムをパンタグラフ式二軸延伸機にかけ、70
℃で延伸倍率を変更し同時二軸延伸を行い多層フィルム
とした。得られた結果を表2に示す。
0:300)し、それ以外は実施例4に記載と同様の条
件で多層フィルムを得た。ただし、延伸倍率3×3倍ま
でしか延伸できなかった。また、水処理しないフィルム
の面積収縮率も測定した。得られた結果を表4に示す。
た以外は、実施例2に記載と同様にして多層フィルムを
作成した。結果を表2に示す。
0:375)し、それ以外は実施例5に記載と同様の条
件で多層フィルムを得た。ただし、延伸倍率3×3倍ま
でしか延伸できなかった。得られた結果を表4に示す。
算される値である。収縮前(20℃、0%RH)の寸法
をAcm、Bcm(MD×TD)とし、収縮後(90℃の熱
水中一分間浸漬後)の寸法をacm、bcm(MD×TD)
とした場合、{(A×B)−(a×b)}÷(A×B)
×100%で示される値。
位は、cc.20μ/m2 .24hr.atmである。
も厚みムラの少ない多層フィルムを得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレン含有量20〜60モル%のエ
チレン−ビニルアルコ−ル共重合体(EVOH)(A)
層と、熱可塑性樹脂(B)層の少なくとも2層からな
り、(A)層が外側あるいは内側表面層に位置し、下記
(I)式を満足する原反フィルムを延伸した後、EVO
H(A)層の含水率が0.3〜20重量%となるように
調整することを特徴とする多層フィルムの製造方法。 a:b=1:10〜1:60 …(I) a…EVOH(A)層の厚さ(EVOH(A)層が2層
以上の場合はその合計の厚さ) b…熱可塑性樹脂(B)層の厚さ(熱可塑性樹脂(B)
層が2層以上の場合はその合計の厚さ) - 【請求項2】 エチレン含有量20〜60モル%のエ
チレン−ビニルアルコ−ル共重合体(A)を中間層と
し、該中間層の両側に、熱可塑性樹脂(B)層を有し、
下記(II)式を満足する原反フィルム(C)を延伸した
後、EVOH(A)層の含水率が0.3〜20重量%と
なるように調整することを特徴とする多層フィルムの製
造方法。 c:d=1:0.1〜1:50 …(II) c…原反フィルムの中心からEVOH(A)層中心まで
の厚さ d…EVOH(A)層が(C)の中心より外層よりの場
合、外側表面層からEVOH(A)層中心までの厚さ …EVOH(A)層が(C)の中心より内層よりの場
合、内側表面層からEVOH(A)層中心までの厚さ
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2822394A JP3574466B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 熱収縮性多層フィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2822394A JP3574466B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 熱収縮性多層フィルムの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07232374A true JPH07232374A (ja) | 1995-09-05 |
JP3574466B2 JP3574466B2 (ja) | 2004-10-06 |
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ID=12242622
Family Applications (1)
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JP2822394A Expired - Lifetime JP3574466B2 (ja) | 1994-02-25 | 1994-02-25 | 熱収縮性多層フィルムの製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3574466B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016112790A (ja) * | 2014-12-16 | 2016-06-23 | 三菱樹脂株式会社 | 共押出多層フィルム |
-
1994
- 1994-02-25 JP JP2822394A patent/JP3574466B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016112790A (ja) * | 2014-12-16 | 2016-06-23 | 三菱樹脂株式会社 | 共押出多層フィルム |
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