JPH07231689A - リラクタンス型モータの制御装置及び制御方法 - Google Patents

リラクタンス型モータの制御装置及び制御方法

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JPH07231689A
JPH07231689A JP6036391A JP3639194A JPH07231689A JP H07231689 A JPH07231689 A JP H07231689A JP 6036391 A JP6036391 A JP 6036391A JP 3639194 A JP3639194 A JP 3639194A JP H07231689 A JPH07231689 A JP H07231689A
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rotor
coil
circuit
electrical angle
phase
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JP6036391A
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Jii Nikoraichiefu Enu
N.G.ニコライチェフ
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Fanuc Corp
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  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リラクタンス型モータをロータ位置を検出し
てフィードバックする装置を用いることなく制御できる
制御装置及び制御方法を提供する。 【構成】 突極歯を有するロータとコイルが巻回された
ステータとを具備するリラクタンス型モータの制御装置
において、一定の波高値で周波数が可変の電流を、その
ステータのコイルに供給する周波数電源7と、ステータ
のコイルに流れる電流値を測定することによりロータと
ステータとの位置関係を表す位相パラメータを検出する
測定回路5と、その測定回路5により検出される位相パ
ラメータと基準の位相パラメータに対応した値の比較を
行う比較回路6とから構成し、この比較回路の出力によ
ってリラクタンス型モータの制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リラクタンス型モータ
の制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リラクタンス型モータは、所定数の磁極
を有するステータと、そのステータの磁極に関連した所
定数の突極を有すロータとからなるモータであり、ステ
ータの励磁コイルに励磁電流を供給してステータ突極歯
を励磁し、その励磁によってステータ突極歯に磁気吸引
力を発生させ、この磁気吸引力によってロータの突極歯
を引き寄せてロータの回転力とし、ロータを回転駆動す
るものである。そして、励磁コイルに励磁電流を供給す
るためのスイッチング素子を各相ごとに開閉することに
より、各相の励磁コイルを順次励磁してロータを回転さ
せている。例えば、A,B,C相の三相の可変リラクタ
ンス型モータの場合、A相のスイッチング素子を閉じて
A相の励磁コイルと直流電源を接続させると、A相のス
テータ突極歯がロータ突極歯を吸引する。この吸引によ
りロータが所定角度回転したとき、A相のスイッチング
素子を開いて通電を停止する。次に、B相のスイッチン
グ素子を閉じてB相の励磁コイルを励磁する。以下、同
様にして、A相,B相,C相を順次励磁することによっ
て、モータを一方方向に回転させる。また、逆転させる
場合には、A相,C相,B相の順に励磁する。
【0003】このようなリラクタンス型モータの各励磁
コイルを流れる電流をPWMにより制御するには、各相
独立にドライブ回路を構成する必要があるため、各相ご
とにスイッチング素子を4個もしくは、スイッチング素
子2個と同数のダイオードを設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】リラクタンス型モータ
は、他の種類のモータと比較して、大きな出力トルクが
得られる、構造が簡単である、高効率が得られる、高速
回転が可能である等の利点があるが、励磁コイルの切り
換えを行うためにロータ位置を検出してフィードバック
する装置を付加する必要があるという問題点を有してい
る。通常、このロータ位置を検出してフィードバックす
る装置としては、例えば、パルスコーダ、レゾルバ、パ
ルス発生器等の装置があり、これらの装置をモータのロ
ータ軸に取付け、ロータの回転位置に対応した出力を得
ている。このロータ位置を検出してフィードバックする
装置の付加は、部品の増加や装置の大型化を招くものと
なる。そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し
て、リラクタンス型モータをロータ位置を検出してフィ
ードバックする装置を用いることなく制御できる制御装
置及び制御方法を提供することを目的とする。
【0005】また、リラクタンス型モータのロータの制
御としては、ロータの回転速度の制御やロータの回転位
置の制御があり、本発明のその他の目的は、フィードバ
ックする装置を用いることなくロータの回転速度及び位
置の制御を行うことができる制御装置及び制御方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、突極歯を有す
るロータとコイルが巻回されたステータとを具備するリ
ラクタンス型モータの制御装置において、一定の波高値
で周波数が可変の電流をそのコイルに供給する周波数電
源と、コイルに流れる電流値を測定することによりロー
タとステータとの位置関係を表す位相パラメータに対応
する値を検出する測定回路と、その測定回路により検出
される位相パラメータに対応する値と基準の位相パラメ
ータに対応した値の比較を行う比較回路と、コイルに供
給する駆動電圧を制御する制御回路とから構成し、この
比較回路の出力に基づいて制御回路の駆動電流の制御を
行うことにより、前記目的を達成するものである。
【0007】また、本発明の周波数電源は、一定に波高
値でロータの回転速度と比較して十分に高い周波数を供
給することができる電源であって、ステータのコイルに
供給することによりその波高値をロータとステータとの
位置関係に対応した位相パラメータ値に変更し、その波
高値によってロータの回転位置に対応した値を求めるも
のである。また、その周波数電源の周波数は、速度指令
に対応した値とすることができる。
【0008】また、本発明の比較回路は、測定回路から
の測定信号と基準値との比較を行い、その比較結果に基
づいてリラクタンス型モータの制御に用いる信号を出力
する機能を有するものであり、例えば、基準値をあらか
じめ定めた電気角とすることによりコイルへの励磁電流
と測定電流の切り換えのための出力を行い、また、基準
値を基準クロックにより生成されるロータ位置とするこ
とによりロータの回転速度の制御する出力を行い、また
基準値を基準のロータ位置とすることによりロータの回
転位置の制御する出力を行う。
【0009】また、本発明は、突極歯を有するロータと
コイルが巻回されたステータとを具備するリラクタンス
型モータの制御方法において、各相のコイルに対して励
磁電流とロータの位置検出用の電流とを、ロータのステ
ータに対する電気角に応じて切り換えて入力し、前記ロ
ータの位置検出用の電流に対応した値によりロータ位置
を検出してモータの制御を行う制御方法であって、ロー
タの位置検出用の電流の波高値はロータの回転位置に応
じて変更し、その波高値に基づいてロータの電気角を出
力することにより、前記目的を達成する。
【0010】
【作用】本発明によれば、突極歯を有するロータとコイ
ルが巻回されたステータとを具備するリラクタンス型モ
ータの制御装置において、通常の駆動回路からロータ駆
動用の電流と、周波数電源からロータ位置検出用の電流
を前記駆動電流とを切り換えてコイルに供給し、そのロ
ータ位置検出用の電流の波高値を測定することにより、
ロータのステータに対する回転位置を検出する。これに
より、ロータにエンコーダ等のロータ位置を検出しフィ
ードバックする速度を設けることなく、ロータのステー
タに対する回転位置を検出することができる。
【0011】そして、このコイルへ励磁電流と測定電流
の切り換えは、前記測定したロータのステータに対する
回転位置により行うことができる。この切り換え回転位
置の検出は、測定回路により検出される位相パラメータ
に対応する値と基準の位相パラメータに対応した値の比
較を比較回路において行うことにより実施することがで
き、この基準の位相パラメータに対応した値は記憶手段
内に格納されるあらかじめ定めた電気角とすることがで
きる。
【0012】また、この比較回路における比較の基準値
を基準クロックにより生成されるロータ位置とすること
により、ロータの回転速度の制御を行い、また基準値を
基準のロータ位置とすることによりロータの回転位置の
制御を行う。
【0013】
〔本発明の実施例の構成〕
(本発明の実施例の機能ブロックの構成)図1は、本発
明のリラクタンス型モータの制御装置の一実施例を説明
するブロック図である。図1において、リラクタンス型
モータは、モータ4と、該モータ4を駆動制御するため
の回路及び装置から構成される。
【0014】モータ4は、図2のモータ構成図に示すよ
うにステータ41,ロータ42、及びステータ巻線43
から構成されており、図に示したリラクタンス型モータ
では、41aから41fの6個の突極歯を60度間隔で
配置しているステータ41と、そのステータ41の中心
位置に、42aから42cの4個の突極歯を90度間隔
で配置しているロータ42を回転可能に設置した構成と
なっている。このステータとロータの突極歯の個数は図
2に示されるものに限定されるものではなく、通常のリ
ラクタンス型モータがとりうる個数とすることができ
る。そして、このステータ41の各突極歯41aから4
1fにはそれぞれコイルが巻回されている。
【0015】モータ4には駆動電流を供給する増幅回路
1が接続され、制御盤8から入力される制御指令(矢印
109)に応じた駆動が行われる。従来のモータのコイ
ルはロータを回転させるための励磁コイルとしてのみに
使用されるのに対して、本発明におけるステータの各突
極歯に巻回されるコイルはロータを回転させる励磁コイ
ルとして使用すると共に、ロータの回転位置を検出する
検出コイルとしても使用されるものである。つまり、本
発明のリラクタンス型モータに制御においては、従来ロ
ータ軸に接続していたロータの回転位置を検出しフィー
ドバックするためのパルスコーダ、レゾルバ、パルス発
生器等の装置を設置せずに、ロータの回転位置の情報は
モータ4のステータに巻回したコイルをロータ位置検出
用の検出コイルとして用い、その検出コイルから得られ
る信号(矢印103)を測定回路5により検出する構成
となっている。このような構成とするため、モータ4の
コイルの電流状態を測定する測定回路5がモータ4に接
続され、さらに、ステータに巻回されたコイルに検出用
の高周波電流を供給する可変高周波電源7が該測定回路
5を介して接続されている(図中の矢印101及び10
2)。なお、この可変高周波電源7が供給する高周波電
流の周波数は、ロータの回転速度に対して周波数が高い
という意味であり、ロータの回転速度に対応して、電気
回路における通常の周波数範囲を発振周波数とする可変
周波数電源を使用することができる。便宜上、以下では
可変高周波電源7という名称を用いて説明する。
【0016】また、この測定回路5は比較回路6に接続
される。この比較回路6は、測定したロータ位置の情報
を増幅回路1に送り(矢印104,105)、該増幅回
路1からのデータ(矢印106)を基にしてロータの回
転制御のための制御信号に変換し、その出力(矢印10
7)を再び増幅回路1に出力する。
【0017】増幅回路1はモータ4への駆動電流(矢印
110)を供給する駆動回路3と、前記制御盤8及び比
較回路6からの信号(矢印109,矢印107)を受け
て駆動回路3への駆動電流を制御する制御信号(矢印1
14)を出力する制御回路2から構成されている。
【0018】この制御回路2は、比較回路6からの信号
(矢印105)に応じたロータの電気角位置を格納して
いるメモリ、ステータのコイルを駆動用コイルとするか
ロータ位置検出用の検出コイルとするかの切り換えを行
う切換信号(矢印108)を出力する切換信号発生回
路、クロック生成回路、あるいは電気角演算回路等の種
々の回路を有しており、駆動回路3への制御信号(矢印
109)の送信,測定回路5への切換信号(矢印10
8)の送信,及び可変高周波電源の発振周波数の変更信
号(矢印100)の送信等を行う。なお、切換信号発生
回路、クロック生成回路、電気角演算回路については後
述する。
【0019】(本発明の励磁コイルと測定コイルの関
係)ここで、本発明におけるステータのコイルを、ロー
タを回転させる励磁コイル及びロータの回転位置を検出
する検出コイルとして切り換えて使用する点について、
図3及び図4の励磁コイルと測定コイルの関係を示す図
を用いて説明する。
【0020】リラクタンス型モータは、ステータ突極歯
とロータ突極歯が対向を開始する位置から完全に対向す
るまでの間にコイルに電流を流すことによりロータ回転
方向のトルクが発生する。例えば、図3の(b)に示す
ようにステータ41のA相の突極歯とロータ42の1つ
の突極歯が対向を開始する位置からA相のコイルに電流
を流すと、ステータ41のA相の突極歯はロータを吸引
しロータ42を回転するトルクを発生する。そして、図
3の(a)に示すようにステータ41がA相の突極歯と
ロータ42の突極歯が完全に対向する位置までA相に電
流を流すことによりトルクを発生する。
【0021】ここで、このときのステータ41とロータ
42との間の磁気抵抗に関係する値を図4に示す。図4
の(a)はロータとステータの位置関係を示し、図4の
(b)はある相の磁気抵抗に関係する値を示し、図4の
(c)は該相に流す励磁電流を示している。このステー
タとロータ間の磁気抵抗に関係する値(以下、パーミア
ンスλとういう)は、ロータの回転に伴う両者間のエア
ギャプにより変化し、ステータの突極歯とロータの突極
歯が対向しているときの磁気抵抗は小さくなり、図中の
短い一点鎖線は100%励磁時のパーミアンスを示し、
長い一点鎖線は非励磁時(実際には、ある程度の励磁が
行われる)のパーミアンスを示している。
【0022】リラクタンス型モータのコイルの励磁は、
互いの突極歯が対向を開始する位置から完全に対向する
位置付近まで行われるため、ある相のステータの突極歯
のパーミアンスは、励磁のタイミングに応じて100%
励磁時の特性と非励磁時の特性を組み合わせた状態とな
り、図4の(b)中の実線に示すの特性となる。この時
の励磁電流は、図4の(c)に示すようになる。この非
励磁時のステータの突極歯のパーミアンスはステータに
対するロータの回転位置(電気角)に対応しているた
め、このパーミアンスからステータに対するロータの回
転位置(電気角)を知ることができる。また、このステ
ータの突極歯のパーミアンスとこの突極歯に巻回された
コイルとの間に逆比例の関係がある。したがって、以上
の関係を利用して、ステータの突極歯に巻回されたコイ
ルに流れる電流を測定することによりロータの回転位置
を求めることができる。以下、このステータの突極歯に
巻回されたコイルに流れる電流の大きさを位相パラメー
タと呼び、この位相パラメータを用いて説明する。
【0023】なお、図4においては、三相のリラクタン
ス型モータを用いてるため、図4の(c)の励磁電流は
電気角120°の範囲で行われている。
【0024】そこで、本発明の実施例において、前記し
たコイルのロータの回転位置に応じたパーミアンスの関
係を利用して、非励磁時におけるステータの同一のコイ
ルをロータの回転位置検出用の検出コイルとして使用す
る。なお、この場合必要となる励磁コイルと測定コイル
との切り換えについては以下の項で説明する。
【0025】(本発明の励磁と測定の切り換えのための
構成)次に、本発明のリラクタンス型モータの制御装置
において、同一のコイルを切り換えて励磁と測定を行う
ための構成について図5,図6により説明する。図5
は、リラクタンス型モータのコイル励磁の切り換えのた
めの回路構成図であり、図6はリラクタンス型モータの
コイル励磁の切り換えのためのスイッチング素子の回路
図である。
【0026】図5の回路構成図は、三相のリラクタンス
型モータの場合を示しており、各相のコイルをA相,B
相,C相により表している。なお、この相数は実施例を
説明する上での一例であり、その他の相数のリラクタン
ス型モータにおいても、同様に適用することができるも
のである。
【0027】各相のコイルにはスイッチング素子SWが
2個ずつ接続され、制御回路2からの制御信号(図中の
108参照)によりスイッチング素子SWのオン,オ
フ、及び駆動電流の大きさの制御が行われる。例えば、
A相のコイルの一端にはスイッチング素子SW1,SW
4が接続され、B相のコイルの一端にはスイッチング素
子SW2,SW5が接続され、C相のコイルの一端には
スイッチング素子SW3,SW6が接続され、各相のコ
イルの他端は結合して駆動回路3に接続されている。そ
して、スイッチング素子SW1〜スイッチング素子SW
6の制御信号入力端は制御回路2に接続されており、制
御回路2からの制御信号(図中の108参照)が入力さ
れる。
【0028】スイッチング素子SW1〜スイッチング素
子SW6の内、スイッチング素子SW1,スイッチング
素子SW2,及びスイッチング素子SW3はA相,B
相,C相の各コイルに励磁電流を供給するタイミング及
び励磁電流値を調整するものであり、一方スイッチング
素子SW4,スイッチング素子SW5,及びスイッチン
グ素子SW6はA相,B相,C相の各コイルにロータ回
転位置を測定する測定電流を供給するタイミングを調整
するものである。このため、スイッチング素子SW1,
スイッチング素子SW2,及びスイッチング素子SW3
の一端は励磁電流を供給する駆動回路3に接続され、ス
イッチング素子SW4,スイッチング素子SW5,及び
スイッチング素子SW6の一端は測定電流を供給する可
変高周波電源7に接続される。
【0029】制御回路2は、各コイルに接続される2つ
のスイッチング素子SWを同時にはオンとしないように
オン,オフ制御することにより、該コイルは励磁コイル
あるいは測定コイルの何れかとして使用される。例え
ば、三相のリラクタンス型モータの場合には電気角で1
20°を単位として区分され、一つの120°の電気角
の区間では可変高周波電源7から測定用の高周波電流の
供給を受けて測定コイルとして働き、他の120°の電
気角の区間では駆動回路3から駆動電流を受けて励磁コ
イルとして働く。また、残りの120°の電気角の区間
では測定コイルあるいは励磁コイルの何れとしても働か
ない。なお、この残りの120°の電気角の区間では励
磁はされないものの、コイルのインダクタンス作用によ
ってコイル中に励磁時の電流が続いて流れている。
【0030】したがって、スイッチング素子SW1〜ス
イッチング素子SW6の開閉を制御回路2からの制御信
号(図中の108)により制御することにより、A相,
B相,C相の各コイルの何れかのコイルが励磁コイルと
して働き、そのコイル以外の何れかのコイルが測定コイ
ルとして働くことになる。
【0031】なお、その他の相数のリラクタンス型モー
タの場合にも、リラクタンス型モータの駆動の際に通常
励磁されるコイルを励磁コイルとし、そのとき励磁され
ていない何れかのコイルを測定コイルとすることによ
り、前記三相の場合と同様に適用することができる。
【0032】前記可変高周波電源7が供給する測定用電
流は、その電圧値(波高値)が一定で、ロータの回転周
期に対して充分に高い周波数の電流であり、その周波数
は制御回路2からの制御信号(図1中の100参照)に
よって設定される。また、この周波数を設定する制御回
路2は、制御盤8から入力される速度指令(図1中の1
09参照)により定められるものである。
【0033】このリラクタンス型モータのコイルを測定
コイルとしたときにコイルに流れる電流は、各スイッチ
ング素子SW4,5,6の可変高周波電源7と接続され
ている信号線の流れる電流値を求めることにより測定さ
れる。例えば、図5に示すように、この信号線中に電流
測定用の抵抗RA,RB,RCを直列に接続し、その抵
抗間の電圧を測定することによって求めることができ
る。この測定信号は比較回路6に送られる(図中の10
4参照)。なお、電流の測定手段はこれに限定されるも
のではなく、通常の電流測定の手段を適用することがで
きる。
【0034】これにより、例えば、A相のコイルについ
て見ると、スイッチング素子SW1をオンとしスイッチ
ング素子SW4をオフとすると、駆動回路3,スイッチ
ング素子SW1,A相コイル,駆動回路3の閉回路が形
成されてA相コイルが励磁コイルとして励磁され、ま
た、スイッチング素子SW1をオフとしスイッチング素
子SW4をオンとすると、可変高周波電源7,抵抗R
A,スイッチング素子SW4,A相コイル,可変高周波
電源7の閉回路が形成されてA相コイルが測定用コイル
として動作することになる。そして、この各相の励磁と
測定は、切り換えにより順次移動する。
【0035】したがって、励磁と測定の切り換えは、ス
イッチング素子SW1〜スイッチング素子SW6を制御
回路2からの制御信号による切り換えにより行われる。
また、このスイッチング素子SW1〜スイッチング素子
SW6、及び抵抗RA〜RC等の電流測定手段は図1中
の測定回路5を構成している。
【0036】なお、図6に示したトランジスタによるス
イッチング素子の回路はスイッチング素子SWの一例を
示すものであり、この実施例のトランジスタの代わりに
制御信号に応じて通過する電流のオン,オフ、及び電流
値を制御する機能を有するスイッチング素子を使用する
こともできる。このような素子として、例えばFETが
ある。制御回路2からの制御信号(図6中のIa)は、
スイッチング素子SWの制御信号入力端に入力され、駆
動回路3とコイルとからなる閉回路を流れる駆動電流
(図6中のIc)の制御を行う。 〔本発明の実施例の作用〕次に、本発明の実施例の作用
について説明する。以下の作用の説明においては、リラ
クタンス型モータのコイルの励磁と測定の切り換え,本
発明の制御装置及び制御方法によるモータの速度制御,
及び位置制御について説明する。
【0037】(コイルの励磁及び測定の切り換え)はじ
めに、リラクタンス型モータのコイルを励磁用あるいは
測定用に切り換える動作について説明する。図7は前記
した図5に示した切り換えのための回路構成図における
切り換え例を示しており、図8はその切り換えにおける
各相コイルの磁束状態と励磁電流を示している。なお、
図7は、スイッチング素子SWの切り換え状態を示すた
めに、各コイルとスイッチング素子SWの部分を示しそ
の他の構成部分及び結線については省略している。
【0038】図7の(a)はC相のコイルを励磁して励
磁コイルとして動作させ、A相のコイルに高周波電流を
給電して測定コイルとして動作させる場合を示してい
る。この動作の場合には、スイッチング素子SW3とス
イッチング素子SW4をオンさせ、その他のスイッチン
グ素子SWをオフさせる。このスイッチング状態によ
り、C相のコイルはスイッチング素子SW6はオフして
いるため測定のための高周波電流の供給は受けず、オン
しているスイッチング素子SW3を介して増幅回路1中
の駆動回路3から駆動電流の供給を受け励磁コイルとし
て動作する。また、A相のコイルはスイッチング素子S
W1はオフしているため励磁のための駆動電流の供給は
受けず、オンしているスイッチング素子SW4を介して
高周波電源からの高周波電流の供給を受けロータ回転位
置の測定を行う測定コイルとして動作する。さらに、残
りのB相のコイルはスイッチング素子SW2及びスイッ
チング素子SW5は共にオフしており、励磁コイルある
いは測定コイルの何れとしても動作しない。
【0039】この図7の(a)の結線状態は図8におけ
るT1の区間に対応しており、測定回路5は図8の
(a)に示すA相の磁束状態を示すλ(位相パラメー
タ)に対応した電流値を測定し、増幅回路1中の駆動回
路は図8の(c)に示す励磁電流iをC相のコイルに供
給している。この図8の(a)に示すA相の磁束状態を
示すλ(位相パラメータ)はロータの回転位置に対応し
て変化するため、このλ(位相パラメータ)に対応した
電流値を測定することによりロータの回転位置を検出す
ることが可能となる。なお、この区間T1において、図
8の(b)に示すB相の励磁電流iには、前回の区間
(図では符号を付していない)で励磁された励磁電流の
過渡部分が流れている。
【0040】同様に、図7の(b)はA相のコイルを励
磁して励磁コイルとして動作させ、B相のコイルに高周
波電流を給電して測定コイルとして動作させる場合を示
している。この動作の場合には、スイッチング素子SW
1とスイッチング素子SW5をオンさせ、その他のスイ
ッチング素子SWをオフさせる。このスイッチング状態
により、A相のコイルはスイッチング素子SW4はオフ
しているため測定のための高周波電流の供給は受けず、
オンしているスイッチング素子SW1を介して増幅回路
1中の駆動回路3から駆動電流の供給を受け励磁コイル
として動作し、B相のコイルはスイッチング素子SW2
はオフしているため励磁のための駆動電流の供給は受け
ず、オンしているスイッチング素子SW5を介して高周
波電源からの高周波電流の供給を受けロータ回転位置の
測定を行う測定コイルとして動作する。また、残りのC
相のコイルはスイッチング素子SW3及びスイッチング
素子SW6は共にオフしており、励磁コイルあるいは測
定コイルの何れとしても動作しない。この図7の(b)
の結線状態は図8におけるT2の区間に対応している。
【0041】また、同様に、図7の(c)はB相のコイ
ルを励磁して励磁コイルとして動作させ、C相のコイル
に高周波電流を給電して測定コイルとして動作させる場
合を示している。この動作の場合には、スイッチング素
子SW2とスイッチング素子SW6をオンさせ、その他
のスイッチング素子SWをオフさせる。このスイッチン
グ状態により、B相のコイルはスイッチング素子SW5
はオフしているため測定のための高周波電流の供給は受
けず、オンしているスイッチング素子SW2を介して増
幅回路1中の駆動回路3から駆動電流の供給を受け励磁
コイルとして動作し、C相のコイルはスイッチング素子
SW3はオフしているため励磁のための駆動電流の供給
は受けず、オンしているスイッチング素子SW6を介し
て高周波電源からの高周波電流の供給を受けロータ回転
位置の測定を行う測定コイルとして動作する。また、残
りのB相のコイルはスイッチング素子SW2及びスイッ
チング素子SW5は共にオフしており、励磁コイルある
いは測定コイルの何れとしても動作しない。この図7の
(c)の結線状態は図8におけるT3の区間に対応して
いる。
【0042】したがって、図8に示すように、ロータの
回転位置は各相のステータの磁束状態を示すλ(位相パ
ラメータ)に対応した測定電流を、スイッチング素子S
Wの切り換えに応じて取り出して測定することにより検
出することができる。
【0043】次に、前記したスイッチング素子SWの切
り換え動作を図9〜11を用いて説明する。図9は、本
発明のリラクタンス型モータの制御におけるスイッチン
グ素子SWの切り換えを説明するブロック図であり、図
10は位相パラメータと電気角との関係を示す図であ
り、図11は本発明のリラクタンス型モータの制御回路
におけるスイッチング素子SWの切り換えのフローチャ
ートである。
【0044】図9では、スイッチング素子SWの切換信
号の出力を説明するために、図1に示した本発明の制御
装置中の制御回路2と比較回路6のみを示している。ま
た、信号部分については図1に対応する番号を付してい
る。なお、制御回路の手順については図11のフローチ
ャートの符号ステップSを用いて説明する。
【0045】はじめに、比較回路6には測定回路5から
ロータの回転位置に対応した位相パラメータのデータを
有した信号(図中の104参照)が入力される。この位
相パラメータを表す信号としては、例えば、各相のコイ
ルに流れる測定信号のピーク値をすることができる。図
では、このピーク値はa1,a2,・・・,an,・・
・として表している。このピーク値は、通常知られたピ
ーク値検出回路を用いて検出することができる。また、
このピーク値は、測定信号を得るための可変高周波電源
7の発振周波数からピーク値の出現する周期をあらかじ
め求め、測定したアナログの測定信号を前記周期に応じ
てサンプリングすることにより求めることもできる。
【0046】比較回路6に入力された位相パラメータa
n(図中の104)は、制御回路2に送信される(図中
の105)。制御回路2はこの位相パラメータanを読
み込む(ステップS1)。制御回路2はメモリ21を有
しており、このメモリ21から前記入力された位相パラ
メータanに対応する電気角αnを読み出して(ステッ
プS2)、再び比較回路6に出力する(ステップS3、
図中の106参照)。このメモリ21に格納されている
位相パラメータanと電気角αnとの関係は、図10に
示すように測定区間において一対一に対応しており、例
えば、位相パラメータa1のとき電気角はα1であり、
位相パラメータakのとき電気角はαkである。同一の
位相パラメータに対して二つの電気角が存在する場合が
あるが、モータの回転方向と位相パラメータの増減の変
化により、二つのうちどちらかを決定することができ
る。この関係は、位相パラメータの値が、ロータとステ
ータとの相対的位置関係により一義的に定まり、この位
相パラメータの値がわかればそのときのロータの回転位
置を知ることができるという関係を利用するものであ
り、この位相パラメータanと電気角αnとの関係をあ
らかじめ実験等によって求めてメモリに記憶させておく
ものである。
【0047】なお、図においては、各相の内の一つの相
について位相パラメータと電気角との関係をメモリに記
憶しているが、その他の相についても同様に位相パラメ
ータと電気角との関係を記憶させることもでき、各相に
おいて個々にメモリの内容を読み出すことができる。ま
た、位相パラメータと電気角との関係が各相についての
同じ値、あるいは近似していて一つの値で代表して使用
することが可能な場合には、一つの相についての位相パ
ラメータと電気角との関係のみをメモリに格納し、その
メモリを各相で利用して読み出すこともできる。
【0048】比較回路6は、このメモリ21から読み出
した電気角αnとあらかじめ設定しておいた電気角αk
との比較を行う(ステップS4)。この比較においてあ
らかじめ設定しておく電気角αkは、前記した各相のコ
イルの励磁と測定の切り換えを行うタイミングを定める
電気角である。各相のコイルに励磁電流を供給するか、
あるいは測定用の高周波電流を供給するか、もしくは何
れの電流も供給しないかのスイッチング素子SWの切り
換えのタイミングは、例えば図10において電気角αk
の位置で行っており、この電気角αkはリラクタンス型
モータの駆動の設定においてあらかじめ定めることがで
きる。そこで、この電気角αkを比較回路6の基準値と
してあらかじめ設定しておき、制御回路2のメモリ21
から読み出された電気角αnとの比較を行う。
【0049】この比較において、電気角αnと電気角α
kが不一致の場合には、ロータはコイルの励磁と測定の
切り換えを行う位置まで回転していないことを示してお
り、前記ステップS1からステップS4を繰り返して、
引続きロータが回転して出力される新しい電気角αnと
の比較を行う。そして、電気角αnと電気角αkが一致
した場合には、ロータはコイルの励磁と測定の切り換え
を行う位置まで回転したことを示しているため、その一
致信号(図中の107参照)を制御回路2の切換信号発
生回路22に送信し(ステップS5)、切換信号発生回
路22から切換信号(図中の108参照)を出力する
(ステップS6)。
【0050】この切換信号は測定回路5に送信され、前
記した動作により順次スイッチング素子SWへの信号を
切り換えて、同一のコイルにおいて励磁コイルと測定コ
イルの切換を行う(ステップS7)。
【0051】なお、図9の構成においては、一致信号に
応じて切換信号を出力する切換信号発生回路22を設け
ているが、一致信号そのものを切換信号として測定回路
5中のスイッチング素子SWに出力する構成とすること
もできる。また、比較回路6中の比較基準となる電気角
αkの値は、例えば制御盤8あるいはその他の入力装置
(図では、制御盤との接続、入力装置については図示し
ていない)から入力あるいは変更をすることもできる。
【0052】前記した動作をある一つの相について励磁
と測定の切り換えを行った後、同様の動作を次の相につ
いて行い、順次切り換えを行うことによりリラクタンス
型モータの回転動作の制御が行われる。
【0053】(速度制御)次に、本発明のリラクタンス
型モータの制御による、速度制御について図12〜図1
5を用いて説明する。図12は本発明のリラクタンス型
モータの制御における速度制御を説明するブロック図で
あり、図13は電気角の差と励磁電流との関係を示す図
であり、図14は速度変化時における速度制御を説明す
る図であり、図15は本発明のリラクタンス型モータの
制御回路における速度制御のフローチャートである。
【0054】図12では、駆動回路への制御信号の出力
を説明するために、図1に示した本発明の制御装置中の
制御回路2、比較回路6、及び駆動回路3のみを示して
いる。また、信号部分については図1に対応する番号も
付している。なお、制御回路の速度制御の手順について
は図15のフローチャートの符号ステップTを用いて説
明する。なお、以下の速度制御の説明においては、設定
速度から実際のロータの回転速度がずれたときに設定速
度に戻す場合を例として説明する。
【0055】はじめに、前記切り換えの手順における切
換信号発生回路22から切換信号を出力する(ステップ
T1)。この切換信号は速度制御の制御開始時期を設定
するために使用され、この切換信号の入力時点におい
て、実際のロータの回転位置(電気角)と設定速度で回
転しているときのロータの回転位置(電気角)の初期位
置を揃えるために使用するものである。
【0056】そこで、切換信号の一方はメモリ21に入
力されてメモリの読み出し動作を開始し、前記したよう
に測定回路5から比較回路6を介して入力されるロータ
の回転位置に対応した位相パラメータの信号an(図中
の105参照)を読み込む(ステップT2)。メモリ2
1は、入力された位相パラメータanに対応する電気角
αnを読み出し(ステップT3)、その値を比較回路6
に入力する(ステップT6、図中の106参照)。した
がって、これにより実際のロータの回転位置に対応した
電気角αnの読み出しが行われる。
【0057】また、切換信号の一方はクロック生成回路
23に入力され、該クロック生成回路23のクロック生
成をスタートさせる(ステップT4)。クロック生成回
路23はこの切換信号の入力時点から一定周期のクロッ
ク信号を出力する。このクロック信号の周期は、例えば
可変高周波電源7の周波数に対応した周期とすることが
でき、可変高周波電源7の周波数に応じて出力されるピ
ーク値の出力タンミングと対応した周期とすることがで
きる。
【0058】クロック信号は電気角を出力する機能を有
する手段に入力され、クロック信号に対応した周期で電
気角が出力される。この電気角は、設定速度で回転して
いるときのロータの回転位置のクロック信号tの時間に
応じた値であり、入力されるクロック信号tと設定速度
との関係から電気角演算回路24により出力することが
できる。なお、この電気角演算回路24は、ハードによ
り構成することも、また制御回路2中のソフトウェアに
より構成することもできる。
【0059】これにより、クロック信号tの周期を可変
高周波電源7の周期に対応させ、電気角演算回路24か
らの電気角の出力周期と可変高周波電源7の周期を合わ
せることができる。
【0060】また、この電気角演算回路24を用いる代
わりに、切換信号発生回路22からの切換信号によりク
ロック生成回路23をスタートさせ(ステップT4)、
そのクロック信号tの時刻に応じた電気角αcを出力す
る(ステップT5)こともできる。なお、この場合に
は、メモリ21中に前記した位相パラメータの他にクロ
ック信号tに対応して電気角αcを格納しておく。した
がって、このメモリ21内には、電気角に対して位相パ
ラメータとクロック信号が対応した状態で格納されてい
ることになる。
【0061】これにより、設定速度で回転しているとき
のロータの回転位置に対応した電気角αcが出力され、
その出力された電気角αcを比較回路6に入力する(ス
テップT6)。
【0062】比較回路6は、入力された実際のロータの
回転位置に対応した電気角αnと設定速度で回転してい
るときのロータの回転位置に対応した電気角αcの比較
を行う。この比較においては、例えばそれらの電気角の
差Δα(=αc−αn)を演算することにより行うこと
ができる(ステップT7)。この電気角の差Δαは、ロ
ータの設定速度に対する速度の差に関連する値となり、
この値(図中111参照)を駆動回路3に入力して、電
気角の差Δαに応じた駆動電流(図中110参照)を求
めてモータ4を駆動する(ステップT8)。この電気角
の差Δαに応じた駆動電流は差Δαが小さくなる方向に
設定され、その駆動電流の大きさは実験値等に基づいて
任意に設定することができる。
【0063】そして、この電気角の差Δαが「0」とな
るまで、ステップT1からステップT8の処理を繰り返
すことにより、設定速度への制御を行うことができる
(ステップT9)。
【0064】なお、電気角αcと電気角αnと比較にお
いて、前記ステップT7のようにその差を求める演算の
代わりに、電気角の比を求める演算等の別の演算により
比較を行うこともできる。
【0065】図13は、電気角の差Δαにより駆動電流
Icが変化する状態を示している。図13の内、(a)
のグラフは電気角の差Δαに対するスイッチング素子S
Wの制御信号入力端に入力される制御信号Iaの関係を
示しており、例えば、電気角の差Δαが「0」の場合の
制御信号をIaとすると、電気角の差ΔαがΔα+の場
合の制御信号はIa+、電気角の差ΔαがΔα−の場合
の制御信号はIa−となる。
【0066】図13の(b)のグラフは、制御信号をI
aに対する駆動電流Icの関係を示しており、この制御
信号Iaがスイッチング素子SWの制御信号入力端に入
力されると、スイッチング素子SWの特性曲線に応じて
駆動電流Icの大きさが定められ、その駆動電流Icの
値に応じて図13の(c)に示すようにステップ状に通
電制御が行われる。
【0067】したがって、例えば、電気角の差ΔαがΔ
α+の場合には、図13の(c)の二点鎖線に示すよう
にIc+の大きさの駆動電流が流れ、電気角の差Δαが
Δα−の場合には、図13の(c)の一点鎖線に示すよ
うにIc−の大きさの駆動電流が流れる。
【0068】さらに、ロータの回転速度が設定速度に近
づく状態を図14の時間的変化により説明する。なお、
図14は実際のロータの回転速度が設定速度より低速の
場合を例として示している。図14の(a)は、設定速
度時の電気角αを示しており、周期tnの間における位
相パラメータとその位相パラメータに対応する電気角α
を示している。例えば、可変高周波電源7からの高周波
信号の始めの時刻t1における電気角はα1であり、最
終の時刻tnにおける電気角はαnである。なお、この
場合、可変高周波電源7の高周波信号の周波数は、測定
周期Tにおいて、n個のピーク値が得られるように設定
される関係としている。
【0069】図14の(c)は、前記時刻t1から時刻
tnにおけるロータの回転位置(電気角)αを示してい
る。したがって、前記図14の(a)の設定速度時の場
合には、短い一点鎖線で示すように時刻t1から時刻t
nの間に電気角α1から電気角αnに回転する。
【0070】一方、図14の(b)は、低速時の電気角
αを示しており、周期tnの間における位相パラメータ
とその位相パラメータに対応する電気角αを示してい
る。例えば、可変高周波電源7からの高周波信号の始め
の時刻t1における電気角はα1であり、最終の時刻t
nにおける電気角はαpである。この電気角αpは電気
角αnより小さい角度であり、設定速度時と同じ時間間
隔Tの間に電気角αpまでしか回転しなかったことを示
している。なお、可変高周波電源7の高周波信号の周波
数が、測定周期Tにおいて、n個のピーク値が得られる
ように設定される関係にあることは設定速度の場合と同
様であり、測定した電気角の個数は同数である。
【0071】この低速時における電気角を図14の
(c)に示すと、長い一点鎖線で示すように時刻t1か
ら時刻tnの間に電気角α1から電気角αp(<電気角
αn)に回転する。
【0072】ここで、前記図15のフローチャートの速
度制御に従って、電気角の差Δαに応じた駆動電流の制
御が行われるとロータの回転位置が移動し、図14の
(c)中の実線の矢印に示すように長い一点鎖線から短
い一点鎖線に向けて漸近することになる。そして、電気
角が設定速度に対応する短い一点鎖線上にのることによ
り速度制御による速度の安定化が行われる。
【0073】逆に、ロータの回転速度が高速となった場
合にも同様にして、電気角が設定速度に対応する短い一
点鎖線に向けて漸近することにより速度制御が行われ
る。
【0074】また、制御盤8からの速度指令を変更した
場合には、この速度指令により制御回路2は可変高周波
電源7に対して速度指令信号(図1中の100参照)を
指令し、測定回路5に出力する高周波電流の周波数を変
更して、異なる測定周期T間で前記と同数のn個の電気
角αを出力するよう変更する。なお、この場合には、図
12中のクロック生成回路23の周期も変更することに
なる。
【0075】例えば、速度を速くする場合には、可変高
周波電源7の発振周波数を高くして前記の測定周期Tよ
りも短い周期の間にn個の電気角αを出力させ、逆に、
速度を遅くする場合には、可変高周波電源7の発振周波
数を低くして、前記の測定周期Tよりも長い周期の間に
n個の電気角αを出力させる。
【0076】(位置制御)次に、本発明のリラクタンス
型モータの制御による位置制御について図16,図17
を用いて説明する。図16は本発明のリラクタンス型モ
ータの制御における位置制御を説明するブロック図であ
り、図17本発明のリラクタンス型モータの制御回路に
おける位置制御のフローチャートである。
【0077】図16では、駆動回路への制御信号の出力
を説明するために、図1に示した本発明の制御装置中の
制御回路2、比較回路6、及び駆動回路3のみを示して
いる。また、信号部分については図1に対応する番号も
付している。なお、制御回路の速度制御の手順について
は図17のフローチャートの符号ステップUを用いて説
明する。以下の位置制御の説明においては、設定した電
気角αmの位置にロータを停止させる場合を例として説
明する。
【0078】はじめに、測定回路5から比較回路6にロ
ータの回転位置に対応した位相パラメータanを、例え
ば、各相のコイルに流れる測定信号のピーク値により送
信する(図中の104)。このピーク値は、前記したよ
うに通常知られたピーク値検出回路、あるいは可変高周
波電源7の発振周波数の周期に応じて測定信号をサンプ
リングすることにより求めることもできる。
【0079】比較回路6に入力された位相パラメータa
n(図中の104)は、制御回路2に送信される(図中
の105)。制御回路2はこの位相パラメータanを読
み込む(ステップU1)。制御回路2はメモリ21から
入力された位相パラメータanに対応する電気角αnを
読み出して(ステップU2)、再び比較回路6に出力す
る(ステップU3、図中の106参照)。このメモリ2
1に格納されている位相パラメータanと電気角αnと
の関係は、前記と同様に、位相パラメータの値が、ロー
タとステータとの相対的位置関係により一義的に定ま
る。この位相パラメータの値がわかればそのときのロー
タの回転位置を知ることができることを利用するもので
あり、この位相パラメータanと電気角αnとの関係を
あらかじめ実験等によって求めてメモリに記憶させてお
くものである。
【0080】なお、図においては、各相の内の一つの相
について位相パラメータと電気角との関係をメモリに記
憶しているが、その他の相についても同様に位相パラメ
ータと電気角との関係を記憶させることもでき、各相に
対応してメモリの内容を読み出すことができる。また、
位相パラメータと電気角との関係が各相についての同じ
値、あるいは近似していて一つの値で代表して使用する
ことが可能な場合には、一つの相についての位相パラメ
ータと電気角との関係のみをメモリに格納して読み出す
こともできる。
【0081】図1に示した制御盤8あるいはその他の図
示しない入力手段、または図示していない装置の制御部
から位置指令αmが入力されると、この位置指令αmは
比較回路6の比較手段に入力される(ステップU4)。
【0082】比較回路6は、このメモリから読み出した
電気角αnと位置指令αmにより設定される電気角αm
との比較を行い、例えば、その電気角の差Δα(=αn
−αm)を演算する(ステップU5)。この比較におい
て位置指令αmにより設定される電気角αmは、ロータ
の位置制御の位置指定を行う電気角であり、例えば、こ
の指定される電気角にロータが停止するように位置制御
が行われる。
【0083】そして、この電気角の差Δαが「0」か否
かの判定を行う(ステップU6)。この判定において、
電気角αnと電気角αmが不一致の場合には、電気角の
差Δαは「0」とならず、ロータは位置指定した電気角
の位置に回転していないことを示している。そこで、減
速の制御を行い(ステップU7)、次の電気角αnとの
比較を前記ステップU1からステップU4を繰り返すこ
とにより行う。そして、電気角αnと電気角αmが一致
した場合には、ロータは位置指定した電気角の位置に回
転したことを示しているため、停止処理を行う(ステッ
プU8)。
【0084】これにより、位置指令αmで指定した電気
角の位置にロータを停止させる位置制御を行うことがで
きる。
【0085】なお、前記実施例においては、三相のコイ
ルの何れかのコイル中における電気角の位置への位置制
御をおこなっているが、位置指令αmと共にコイルの相
の指定も行うことができる。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リラクタンス型モータをロータ位置を検出してフィード
バックする装置を用いることなく制御できる制御装置及
び制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリラクタンス型モータの制御装置の一
実施例を説明するブロック図である。
【図2】本発明のリラクタンス型モータのモータ構成図
である。
【図3】本発明のリラクタンス型モータの励磁コイルと
測定コイルの関係を示す図である。
【図4】本発明のリラクタンス型モータの励磁コイルと
測定コイルの関係を示す図である。
【図5】本発明のリラクタンス型モータのコイル励磁の
切り換えのための回路構成図である。
【図6】本発明のリラクタンス型モータのコイル励磁の
切り換えのためのスイッチング素子の回路図である。
【図7】本発明のスイッチング素子の切り換えを説明す
る図である。
【図8】本発明の切り換えにおける各相コイルの磁束状
態と励磁電流を説明する図である。
【図9】本発明のリラクタンス型モータの制御における
スイッチング素子SWの切り換えを説明するブロック図
である。
【図10】本発明の位相パラメータと電気角との関係を
示す図である。
【図11】本発明のリラクタンス型モータの制御回路に
おけるスイッチング素子SWの切り換えのフローチャー
トである。
【図12】本発明のリラクタンス型モータの制御におけ
る速度制御を説明するブロック図である。
【図13】本発明の電気角の差と励磁電流との関係を示
す図である。
【図14】本発明の速度変化時における速度制御を説明
する図である。
【図15】本発明のリラクタンス型モータの制御回路に
おける速度制御のフローチャートである。
【図16】本発明のリラクタンス型モータの制御におけ
る位置制御を説明するブロック図である。
【図17】本発明のリラクタンス型モータの制御回路に
おける位置制御のフローチャートである。
【符号の説明】
1 増幅回路 2 制御回路 3 駆動回路 4 モータ 5 測定回路 6 比較回路 7 可変高周波電源 8 制御盤 21 メモリ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突極歯を有するロータとコイルが巻回さ
    れたステータとを具備するリラクタンス型モータの制御
    装置において、一定の波高値で周波数が可変の電流を前
    記コイルに供給する周波数電源と、前記コイルに流れる
    電流値を測定することによって、ロータとステータとの
    位置関係を表す位相パラメータに対応した値を検出する
    測定回路と、前記測定回路により検出される位相パラメ
    ータに対応した値と基準の位相パラメータに対応した値
    の比較を行う比較回路と、前記コイルに供給する駆動電
    流を制御する制御回路とからなり、前記比較回路の出力
    に基づいて前記制御回路の駆動電流の制御を行うことを
    特徴とするリラクタンス型モータの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数電源は、速度指令に対応した
    周波数を出力する請求項1記載のリラクタンス型モータ
    の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記比較回路における比較は、位相パラ
    メータに対応したロータの電気角により行う請求項1記
    載のリラクタンス型モータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記電気角は位相パラメータに対応して
    記憶手段に格納されるものである請求項3記載のリラク
    タンス型モータの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記比較回路は検出したロータ位置と基
    準のロータ位置との比較に基づいて、前記コイルへの励
    磁電流と前記周波数電源からの測定電流との切り換えを
    行う請求項1,2,3,及び4記載のリラクタンス型モ
    ータの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記比較回路は検出したロータ位置と基
    準クロックにより生成されるロータ位置との比較に基づ
    いて、ロータの回転速度を制御する請求項1,2,3,
    及び4記載のリラクタンス型モータの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記比較回路は検出したロータ位置と基
    準のロータ位置との比較に基づいて、ロータの位置を制
    御する請求項1,2,3,及び4記載のリラクタンス型
    モータの制御装置。
  8. 【請求項8】 突極歯を有するロータとコイルが巻回さ
    れたステータとを具備するリラクタンス型モータの制御
    方法において、各相のコイルに対して励磁電流とロータ
    の位置検出用の電流とを、ロータのステータに対する電
    気角に応じて切り換えて入力し、前記ロータの位置検出
    用の電流に対応した値によりロータ位置を検出してモー
    タの制御を行う制御方法であって、前記ロータの位置検
    出用の電流の波高値はロータの回転位置に応じて変更さ
    れるものであり、前記電気角は該波高値に基づいて出力
    されることを特徴とするリラクタンス型モータの制御方
    法。
JP6036391A 1994-02-10 1994-02-10 リラクタンス型モータの制御装置及び制御方法 Withdrawn JPH07231689A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002058272A (ja) * 2000-08-09 2002-02-22 Daikin Ind Ltd スイッチトリラクタンスモータ制御方法およびその装置
CN104317320A (zh) * 2014-10-20 2015-01-28 宜宾丝丽雅股份有限公司 一种短纤烘干机变频调速控制系统

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