JPH07229Y2 - コークス炉発生ガス硫黄吸収液の横型分解炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコークス炉発生ガス硫黄吸収液の横型分解炉に
関するものである。

（従来の技術と考案が解決しようとする課題） 周知のごとく、コークス炉発生ガス中には硫黄が含まれ
ており、コークス炉発生ガスとNaCO₃水溶液等の硫黄吸
収液と接触せしめて、脱硫する。

この硫黄吸収液中の脱硫をはかり再使用するため分解炉
へ導き脱硫するものである（特開昭63-143995号公
報）。この分解炉は、竪型と横型があり、横型分解炉
は、第３図に示すごとく、胴部１の一端部に鏡部２、他
端部に鏡部2aからなる炉体の他端側上部に熱風室３を設
け、一端側の下部に下降管４を設け、該下降管４先端部
に回収缶５を設ける。硫黄吸収液は、導入管６から炉内
へ散布し、一方熱風室３でコークス炉発生ガスを不完全
燃焼させたガスを炉内へ供給し、吸収液と接触させ主と
してNa₂CO₄+4H₂→Na₂S+4H₂Oの反応により、吸収液の脱
硫のための反応を施し、ガスと共に下降管４を介して回
収缶５へ導き脱硫し、含硫黄排ガスは、導出管７から取
出し別途処理するものである。

しかして、図示のごとく下降管４の内壁に反応した主と
してNa₂S（塩）８が徐々に堆積し、ガス流れが阻害され
反応に支障をきたす等の欠点をともなうものである。

本考案は、このような欠点を有利に解決するためなされ
たものである。

（課題を解決するための手段） 本考案の特徴とするところは、分解炉下降管上部に側壁
を設け、該側壁中心部に山形プレートを配設した、コー
クス炉発生ガス硫黄吸収液の横型分解炉にある。

前記のごとく、分解炉の下降管内壁に塩が堆積するメカ
ニズムについて、本考案者等が種々検討した結果、炉内
ガスは直接下降管へ流れるものと、一旦下降管側鏡部内
壁へ衝突し反転して下降管へ流れるものがあり、この結
果、下降管内で乱流が発生し、ガスの滞留する部分が生
じて、この部位に塩（溶融塩）として堆積することが明
らかになった。

しかして、分解炉下降管内のガス流を均一にするため上
記のごとく、分解炉下降管上部に側壁を設け、該側壁中
心部に山形プレートを配設することにより、側壁に衝突
したガスは反転して下降管へほぼ均等に流れ込み、下降
管内での乱流がなくなり、従ってガス滞留もなくなり、
塩の堆積を抑制することができることを見出した。

即ち、ガスは分解炉内を回動（乱流）しながら下降管側
へ移動し、側壁へ衝突し反転し、下降管内へ直流入する
と同時に側壁に配設した山形プレートによりガスの乱流
が解消され、下降管へ流入するときは、整流状態となっ
ており、下降管内でのガス滞留部分がなくなり、塩の堆
積が回避できるものと認められる。

上記のごとき山形プレートとしては、例えば、分解炉の
長さ5000mm,直径3000mm,円筒形の本体では、角度40〜45
°、幅600〜700mmのもので、側壁の中心点から直径240m
m円内に山形部の頂点が位置し、両端が下向に配置する
ことにより下降管へのガス流を均一にすることができ
る。

（実施例） 次に本考案の実施例を挙げる。

第１図及び第２図において、横型分解炉の下降管４上部
に図示の如く側壁９を設け、この側壁９の中心部に山形
プレート10を配設する。しかしてガスは側壁９に衝突
し、下降管４へ反転流入すると、同時に山形プレート10
により乱流状態で衝突したガスが整流状態となり、下降
管４へ流入し、下降管４内でのガス滞留部を回避して塩
の堆積を有効に防止する。

（考案の効果） かくすることにより、横型分解炉の下降管内への塩の堆
積を抑制でき、分解反応の低下を防止することができ、
吸収液の回収能力を向上させることができる。

又、堆積物除去による炉停止がほとんどなくなり、稼動
率を向上させることができる等の優れた効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例分解炉の側断面説明図、第２図
は第１図のＡ−Ａ矢視図、第３図は横型分解炉の側面説
明図である。 ２…鏡部、３…熱風室 ４…下降管、５…回収缶 ７…導出管、９…側壁 10…山形プレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】分解炉下降管上部に側壁を設け、該側壁中
   心部に山形プレートを配設した、コークス炉発生ガス硫
   黄吸収液の横型分解炉。