JPH07229977A - 回転飾り機構 - Google Patents

回転飾り機構

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JPH07229977A
JPH07229977A JP2406494A JP2406494A JPH07229977A JP H07229977 A JPH07229977 A JP H07229977A JP 2406494 A JP2406494 A JP 2406494A JP 2406494 A JP2406494 A JP 2406494A JP H07229977 A JPH07229977 A JP H07229977A
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rotary decoration
ornament
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JP2406494A
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Yasuhiro Watanabe
康浩 渡辺
Koichi Watanabe
浩一 渡辺
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Rhythm Watch Co Ltd
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Rhythm Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転飾りの反転時の回転モーメントを低減
し、前記モーメントによる時計機構への干渉を防止して
正確な計時を行い、また、確実且つ容易に回転飾りのロ
ックを行える回転飾り機構を提供すること。 【構成】 時計機構により揺動される揺動レバーと、前
記揺動を回動運動に変換する歯車機構と、前記機構に接
続され回動運動する回転飾りを備えた回転飾り機構であ
って、前記揺動レバーの運動に従動する弾性変形可能な
従動レバーを揺動レバーに設け、前記従動レバーを揺動
角度を規制するストッパを設けた。更に、回転飾りを保
持する直立の支承軸と、前記支承軸の下端を回転可能に
軸支する受け皿を備えた回転飾り機構であって、前記受
け皿を弾性部材により保持し支承軸を軸方向に移動可能
に軸支すると共に、前記支承軸の上端部に上鍔部と断面
形の対辺が平行な多角形状の嵌合部を有する嵌合部材を
設け、前記部材を支承軸の上方向に持上げ挟持するロッ
ク部材を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時計機構から回転飾り
の駆動力を得ている回転飾り機構に関し、特に、回転飾
りの反転運動時の回転慣性モーメントを低減させたもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、回転飾り時計は、垂直に軸支さ
れた支承軸に装飾部材から構成された回転飾りを固設
し、前記支承軸を周期的に反転駆動して、回転飾りの回
転方向を順逆に切換える回動運動させているものであ
る。また、前記回転飾りの回動運動は、回転方向が即座
に切換わるものではなく、ゆるやかに回転が遅くなり、
一瞬静止した後に、逆方向へと再びゆるやかに回転し始
める運動とされている。
【0003】このような回動運動を行わせる回転飾り機
構は、その駆動力を得る方法として、電磁石と弾性復帰
手段の組み合わせによるもの、時計機構と別体の駆動機
構を設けたもの、時計機構から駆動力を得ているもの等
が知られている。
【0004】すなわち、前記時計機構から駆動力を得て
いる回転飾り機構は、計時機能を果たす時計機構から回
転動力を取り出し、前記回転運動を揺動レバー等により
揺動運動に変換し、次に、前記揺動運動を回動運動に変
換して支承軸に伝達し、回転飾りを回動運動させてい
る。
【0005】また、回転飾りを保持する支承軸が、その
下端を回転可能に支持されている場合、前記支承軸の下
端は、先細り形状のピボット軸により形成され、特別な
受け皿により支持されている。前記受け皿は、硬質な材
質が用いられ、支承軸のピボット軸に対応して、若干の
凹部が設けられている。従って、回転飾り全体の重量を
支持している支承軸の回転摩擦を減少させ、且つ、回転
動作による損耗を最小限にしている。
【0006】このような回転飾りを備えた回転飾り時計
は、輸送時、収納時の取扱いにより破損することを防止
するために、回転飾りの回転ロックを行っている。すな
わち、前記回転ロックにより回転飾りを固定し、輸送時
の取扱い等によっては、回転飾りが急激に回転し、この
強制的な回転飾りの運動により、回転飾り機構が故障す
ることを防止すると共に、回転飾り自体が他の部材に衝
突して、破損することを防止している。
【0007】このような回転飾りの回転ロックとして
は、1)弾性材を用いたロック部材により回転飾りを押
圧して係合ロックし、動作時に組付ける部材によりロッ
ク部材を逆方向に押圧して、回転飾りの係合ロックを解
除するもの(例えば、実開昭59年85983号)。
【0008】また、2)回転飾りの下部と時計ケースと
の間隙に、先細りテーパーを有する厚板状の緩衝部材を
挿入し、前記緩衝部材により回転飾り全体を持上げて支
持することにより、回転飾りを回転ロックするもの等が
知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した回
転飾り機構を備えた時計においては、回転飾りの運動が
時計機構に干渉して、正確な計時動作が行えず、時刻表
示が狂ってしまうという不都合が生じた。
【0010】すなわち、回転飾りが一方向から逆方向に
その回転方向を切換える反転運動時には、回転飾りの重
量による運動量のみではなく、回転飾り形状による回転
モーメント量が加わり、これら両者を打消し、更に逆方
向に回転させるための駆動力が必要となる。このため回
転飾りの反転時には、これらが時計機構にとって過大な
負荷となり、時計機構の駆動力が減殺されるので、正確
な計時動作を阻害してしまう。
【0011】また、特に、外力などにより回転飾りが過
回転すると、回転飾り機構の揺動機構である揺動レバー
がたわみ過ぎて引っ掛かり、時計全体が停止してしまう
不具合が有った。
【0012】更に、このような不具合を回避するため
に、回転飾りの重量を制限すると、高重量のクリスタル
等の素材を用いて、高級感のある回転飾りを構成できな
いという不都合があった。
【0013】また、上述した回転ロックの1)において
は、係合ロックされる回転飾りの形状が、制約される不
都合がある。すなわち、回転飾りは、ロック部材により
係合ロックさせるために、その底部外周面が必ず一定で
ある必要がある。また、動作時に、組付け部材を必要と
しない、回転飾り時計には、当然、適用することができ
ない。
【0014】他方、2)においては、ロック作業時に
は、回転飾りを避けながら緩衝部材を挿入/引き抜きし
なければならず、煩わしい手間がかかるという不都合が
ある。特に、精巧な回転飾りの場合には、この作業時に
誤って、飾りを破損させるおそれがある。また、回転飾
りの形状も、挿入箇所まで手が届くようなスペースを設
けた形状とする制約を受ける。また、例えば時計本体と
回転飾りが、透明カバーにより覆われている、ふせびん
タイプの場合は、回転飾りまで手が届くように他の外装
部材を配置しなければならない。
【0015】また更に、支承軸の受け皿は、硬質材料が
用いられているので、衝撃等により表面を損傷しやす
く、これにより摩擦力の低減を良好に行えないことがあ
る。また、特に、時計全体を落下させた場合には、この
落下時の衝撃により支承軸の先端部が、変形したり折損
するおそれがある。
【0016】そこで、本発明は、回転飾りの反転運動時
の回転慣性モーメントを低減し、前記モーメントによる
時計機構への干渉を防止することにより正確な計時を行
え、また、確実且つ容易に回転飾りの回転ロックを行え
る回転飾り機構を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に係る発
明の回転飾り機構は、時針を駆動する時計機構により揺
動される揺動レバーと、前記揺動運動を回動運動に変換
する歯車機構と、前記機構に接続され回動運動する回転
飾りを備えた回転飾り機構であって、前記揺動レバーの
運動に従動する弾性変形可能な従動レバーを揺動レバー
に設けると共に、前記従動レバーの揺動角度を規制する
ストッパを設けて構成され、前記従動レバーが前記スト
ッパに当接して生じる弾性復帰力により、回転飾りの反
転動作時に生じる慣性モーメントによる時計機構に対す
る干渉力を減衰させるものである。
【0018】また、本願第2請求項に係る発明の回転飾
り機構は、垂直に立設され回転飾りを保持する支承軸
と、前記支承軸の下端を回転可能に軸支する受け皿を備
えた回転飾り機構であって、前記受け皿を弾性部材によ
り保持し支承軸を軸方向に移動可能に軸支すると共に、
前記支承軸の上端部に、上鍔部と断面形の対辺が平行な
多角形状の嵌合部を有する嵌合部材を設け、前記部材を
支承軸の上方向に持上げ挟持するロック部材を設けたも
のである。
【0019】
【作用】従って、本願第1請求項に係る発明によれば、
回転飾りの支承軸を回動させる揺動レバーに従動レバー
を固設し、前記従動レバーの揺動角度を規制するストッ
パを設けたことにより、揺動レバーの最大揺動時には、
従動レバーがストッパに当接し、従動レバーが弾性変形
する。そして、前記従動レバーの弾性復帰力により、回
転飾りによる慣性モーメントを減殺できることになり、
反転時に時計機構が必要とする揺動レバーの駆動力を低
減させることができる。すなわち、前記弾性力は、回転
飾りが反転動作する場合、この反転直前には、回転方向
に対して逆方向に働き、反転直後には順方向に働くの
で、回転飾りの反転運動を支援することになる。従っ
て、回転飾りが、なめらかに静止し動き始める、ゆった
りとした動作を行えるので、優雅な高級感ある回転飾り
時計とすることができる。
【0020】また、前記従動レバーとストッパにより、
始動時や動作時における、回転飾りの過回転を防止する
ことができるので、駆動機構を保護でき、安全性を向上
することができる。
【0021】更に、このように回転飾りの反転動作が支
援され、回転飾りの重量制限が緩和されるので、より装
飾部材を増やしたり、クリスタル等の重い素材を用いた
りして、多種多様な回転飾りを使用することができ、外
観性を向上させて商品価値を高めることができる。
【0022】本願第2請求項に係る発明によれば、ロッ
ク部材により回転飾りの支承軸を嵌合及び持上げ支持す
ることにより、回転飾りを回転方向でロックでき、同時
にロック部材により回転飾りを上下方向にロックできる
ので、確実に回転飾りの回転ロックが可能となり、輸送
時、収納時に回転飾り、回転飾り機構、支承軸の破損を
防止でき、安全性を良好に確保することができる。ま
た、時計ムーブメントの背面からロック部材を抜き差し
作業すればよいので、回転飾りのロック実行及びロック
解除の操作が容易となり、形状等の回転飾りに対する制
約を解消できる。
【0023】また、時計全体を落下させた時の衝撃を、
受け皿自体が沈下して吸収するので、受け皿及び支承軸
下端を確実に保護することができる。
【0024】
【実施例】以下に、本願第1請求項に係る発明を図1な
いし図5に示す実施例に基いて説明する。図1及び図2
に示すように、本実施例の回転飾り時計1は、略円盤状
の時計ケース台座2と、前記時計ケース台座2上に支柱
3を介して固定され台板4と、前記台板4に固定された
時計ムーブメント5と、前記ムーブメント5前面に取り
付けられ文字板6を有する前板7と、同ムーブメント5
により駆動され時刻表示する時計針8と、同ムーブメン
ト5から垂下された支承軸9と、前記支承軸9に取り付
けられた回転飾り10と、同支承軸9を軸支する軸受部
11と、これらをカバーする透明なフセビン12とから
構成されている。
【0025】前記時計ケース台座2には、2本の支柱3
が立設されており、これらの支柱3の上端には、長板状
の台板4が取付けられている。また、前記台板4には、
時計ムーブメント5が固設され、前記時計ムーブメント
5の前面には、前板7が取り付けられている。更に、前
記時計ムーブメント5には、時計針8を駆動して時刻表
示する時計機構14と、支承軸9を駆動して回転飾り1
0を反転動作させる回転飾り機構15が収納されてい
る。すなわち、支柱3により形成された台板4直下の空
間部には、回転飾り10が回動可能に配設されている。
【0026】前記回転飾り10は、クリスタルを備えた
対称形状の飾り部材により構成されている。また、前記
回転飾り10は、垂直に立設された支承軸9に取り付け
られている。
【0027】前記支承軸9は、上端を時計ムーブメント
5内の回転飾り機構15に接続され、前記回転飾り機構
15により、回動駆動されている。また、前記支承軸9
の下端には、先細り形状のピボット軸9aが設けられ、
前記ピボット軸9aは後述する軸受部11により回転可
能に支持されている。
【0028】前記時計ムーブメント5から時計針8を装
着された時計軸17が突設され、前記時計軸17は時計
機構14により回転駆動され、文字板6上を移動する時
計針8により現在時刻を表示している。
【0029】前記時計機構14は、図3及び図4に示す
ように、図示を省略した駆動モータと、前記モータによ
り回転駆動されるロータ車18と、前記ロータ車18に
より回転駆動される輪列19と、前記輪列19により、
それぞれ、個別に回転駆動される時計軸17とから構成
されている。
【0030】前記輪列19は、順次、噛合した5番車2
1,4番車22,3番車23から所定の歯車比で構成さ
れ、ロータ車18が5番車21を回転駆動することによ
り、各歯車22,23において、所定の減速した回転数
が得られるようにしている。
【0031】前記3番車23は分針車25に、分針車2
5は日の裏車24を介して時針車26に、それぞれ、噛
合されている。すなわち、前記時計ムーブメント5の略
中央部には、同軸上に、秒針車である4番車22,分針
車25,時針車26が配設され、それぞれの外周には、
所定歯数の歯が設けられている。前記4番車22(秒針
車)には、秒針用軸22aが固設され、分針車25に
は、前記秒針用軸22aを挿通できる内径を有する筒状
の分針用軸25aが固設され、時針車26には、前記分
針用軸を挿通できる内径を有する筒状の時針用軸26a
が固設されている。これらの軸22a,25a,26a
は、対応する時計ムーブメント5及び文字/前板6,7
に設けられた時計軸孔27を貫通して、文字板6から突
出している。そして、前記突出した時針用軸26aの先
端の外周には、時針8c(短い指針)が装着され、分針
用軸25aの時針8cより先端の外周には、分針8b
(長い指針)が装着され、秒針用軸22aの先端には、
秒針8a(長い指針)が装着されている。
【0032】そして、ロータ車18からの回転が輪列1
9を介して、秒針車である4番車22、分針車25、日
の裏車24、時針車26に減速伝達され、各針車22,
25,26が所定の回転数により回転動作し、文字板6
上の各針8a,8b,8cにより時刻を表示するように
なっている。
【0033】尚、28は、時刻修正用の修正つまみであ
り、日の裏車24を介して、時針用軸26aに遊嵌され
たリング状の外周歯に噛合している。
【0034】前記回転飾り機構15は、輪列19の4番
車22に噛合された偏心カム29と、前記偏心カム29
の偏心位置に突設されたピン29aに、一端が係合し揺
動駆動される揺動レバー30と、前記揺動レバー30に
動きに従動する従動レバー31と、同揺動レバー30の
他端に噛合され回動駆動されるクラウン車32と、前記
クラウン車32の回動運動を直交方向に設けられた支承
軸9に伝達するカナ車33とから構成されている。
【0035】前記偏心カム29は、時計機構14の4番
車22に噛合され、比較的、高速に回転している。ま
た、前記偏心カム29の所定の偏心位置には、ピン29
aが突設され、前記ピン29aは、後述する揺動レバー
30の係合孔30bに遊嵌されている。
【0036】前記揺動レバー30は、弾性変形可能な材
質により略長棒状に形成され、その中間部に揺動軸30
aが設けられ、左右方向に揺動可能に軸支されている。
また、前記揺動レバー30の一端には、幅が偏心カム2
9の外径と同一の略長方形の係合孔30bが設けられ、
前記係合孔30bは偏心カム29のピン29aに遊嵌さ
れている。更に、前記揺動レバー30の他端には、クシ
歯30cが設けられ、前記クシ歯30cはクラウン車3
2に噛合している。従って、偏心カム29が回転する
と、偏心カム29のピン29aが偏心運動し、前記ピン
29aに一端が係合している揺動レバー30が所定揺動
幅の揺動運動する。そして、前記揺動運動によって他端
のクシ歯30cが順逆方向に移動することにより、前記
クシ歯30cに噛合しているクラウン車32を回動運動
させている。
【0037】また、前記揺動レバー30の揺動軸30a
には、揺動レバー30と平行な略L字状に形成された従
動レバー31が固設され、前記従動レバー31先端に
は、揺動レバー30と同様に、略長方形の係合孔31a
が設けられている。そして、前記従動レバー31の係合
孔31a内には、ムーブメント5に固設されたストッパ
34が配置され、前記係合孔31aの揺動方向の内幅
は、最大揺動前に、ストッパ34と衝接するよう設定さ
れている。従って、前記揺動レバー30が最大限に揺動
する時には、従動レバー31が同様に揺動して、先端の
係合孔にストッパ34に衝接し従動レバー31の中間が
弾性変形するようになっている。
【0038】尚、前記従動レバーを延在させる方向は、
特に限定されず、例えば本実施例では、前記従動レバー
を揺動軸から偏心カム側に平行に延在させたが、揺動レ
バーに対して反対側、並びに、非平行に延在させてもよ
く、回りの部品配置に応じて柔軟に変更することができ
る。また、複数の従動レバーを設けて、弾性復帰力を強
化することにより、回転飾りの大重量化に対応してもよ
い。
【0039】前記クラウン車32は、互いに直交する回
転面を有する歯部32a,32bを備え、前記クラウン
車32の回転を直交する方向に設けられたカナ車33に
伝達している。すなわち、クラウン車32の回転軸回り
の外周に設けられ、揺動レバー30のクシ歯30cに噛
合する歯部32aと、円板の外周縁が軸方向に突設さ
れ、この突設された端面に刻設され、カナ車33に噛合
する歯部32bとから構成されている。従って、揺動レ
バー30によるクラウン車32の回動運動を、このクラ
ウン車32軸方向に対して直交方向に設けられたカナ車
33に伝達し、カナ車33を回動運動させている。
【0040】前記カナ車33は、下端側には鍔部33a
を有し、上端側には軸方向に長く歯部33bが刻設され
ている。また、前記カナ車33の上端には小径部33c
が設けられ、前記小径部33cは、ムーブメント5に設
けられた差込み軸35に、回転可能に遊嵌されている。
従って、カナ車33の小径部を、ムーブメント5の差込
み軸35に遊嵌状に挿通していると同時に、カナ車33
の歯部を幅広に形成しているので、前記カナ車33はク
ラウン車32との噛合状態を保ったまま、カナ車33の
軸方向に一定範囲を自在に移動することができる。
【0041】前記カナ車33は、後述する嵌合部材36
を介して、回転飾り10が取り付けられた支承軸9に接
続されている。従って、カナ車33の回動運動に応じ
て、回転飾り10が回動運動することになる。
【0042】次に、このような回転飾り機構15の動作
を説明する。
【0043】すなわち、図5(a)に示すような初期状
態から、偏心カム29が同図中の反時計方向に回転する
と、前記偏心カム29のピン29aの偏心運動により、
揺動レバー30が、図5(b)に示すような反時計方向
に揺動する。すると、この揺動レバー30先端のクシ歯
30cによりクラウン車32が時計方向に回転され、前
記クラウン車32の回転がカナ車33に伝達され、カナ
車33が図中左方向に回転する。そして、カナ車33に
接続されている支承軸9が同行回転し、前記支承軸9に
取り付けられている回転飾りが左方向に回転する。
【0044】次に、図5(c)に示すように、偏心カム
29が1/4回転に近づくに伴い、揺動レバー30が揺
動限界に近づくと、前記揺動レバー30の動きに従動す
る従動レバー31先端がストッパ34に当接し、前記従
動レバー31の中間部が屈曲する。この際、前記従動レ
バー31の弾性変形復帰力は、揺動レバー30の揺動方
向と反対方向に働き、また、揺動限界に近づく程に強化
される。この結果、揺動限界に達して回転飾り10を反
転動作させる際には、従動レバー31の弾性復帰力が最
大になり、この最大弾性復帰力により回転飾り10の回
転モーメントを減殺でき、前記モーメントが時計機構1
4の駆動力に悪影響を及ぼすことを防止できる。すなわ
ち、前記弾性力は、回転飾り10が反転動作する場合、
この反転直前には、回転方向に対して逆方向に働き、反
転直後には順方向に働くことになり、回転飾り10の反
転運動を援助していることになる。
【0045】そして、後続する偏心カム29の回転に伴
い、図5(d)に示すような中間状態を経て、図5
(e)に示すような、偏心カム29が半回転した状態と
なる。この後、後続する偏心カム29の半回転に伴い、
上述した動作がその向きを逆にして行われ、回転飾り1
0が反転運動する。最終的に偏心カム29が一回転し、
最初の回転位置に戻り、図5(a)に示すような状態と
なる。このような一連の動作が、偏心カム29の一回転
毎に繰返し行われ、回転飾り10の周期的な反転運動が
継続される。
【0046】以上説明したように、本実施例によれば、
回転飾りの支承軸を回動させる揺動レバーに従動レバー
を固設し、前記従動レバーの揺動角度を規制するストッ
パを設けたことにより、揺動レバーの最大揺動時には、
従動レバーがストッパに当接し、従動レバーが弾性変形
する。そして、前記従動レバーの弾性復帰力により、回
転飾りによる慣性モーメントを減殺できることになり、
反転時に時計機構が必要とする揺動レバーの駆動力を低
減させることができる。すなわち、前記弾性力は、回転
飾りが反転動作する場合、この反転直前には、回転方向
に対して逆方向に働き、反転直後には順方向に働くの
で、回転飾りの反転運動を支援することになる。従っ
て、回転飾りが、なめらかに静止し動き始める、ゆった
りとした動作を行えるので、優雅な高級感ある回転飾り
時計とすることができる。
【0047】また、前記従動レバーとストッパにより、
始動時や動作時における、回転飾りの過回転を防止する
ことができるので、駆動機構を保護でき、安全性を向上
することができる。
【0048】更に、このように回転飾りの反転動作が支
援され、回転飾りの重量制限が緩和されるので、より装
飾部材を増やしたり、クリスタル等の重い素材を用いた
りして、多種多様な回転飾りを使用することができ、外
観性を向上させて商品価値を高めることができる。
【0049】次に、本発明の第2請求項に係る実施例を
説明する。
【0050】本実施例の回転飾り保護機構は、図2に示
すように、支承軸9の上端に設けられた嵌合部材36
と、これに嵌合ロックするロック部材41と、支承軸9
の下端を回転可能に支持する軸受部11とから構成され
ている。
【0051】前記嵌合部材36は、図6及び図7に示す
ように、上側に設けた鍔部37と、下側に設けた嵌合部
38を備え、前記嵌合部38は、断面形状が、対辺の平
行な多角形状である6角形状に形成されている。そし
て、上端にはカナ車33が、下端には支承軸9が、同軸
上に接続されている。
【0052】また、ムーブメント5下端には、これらカ
ナ車33と嵌合部材36を収納する下枠部39が形成さ
れている。すなわち、前記下枠部39は、ロック部材4
1を挿入用に時計ムーブメント5背面に面して開口され
た開口部39aと、下面に嵌合部材36の嵌合部38を
通過させる切欠部39bとが設けられている。
【0053】前記嵌合部材36に嵌合するロック部材4
1は、図7及び図8(a)に示すように、長板の長手方
向に切欠部41aを設けた、平面形状が略コ字形状に形
成されている。そして、前記切欠部41aの内幅は、嵌
合部材36の嵌合部38の対面幅と等しく設定されてい
る。また、前記ロック部材41の板厚は、通常使用時に
おける、嵌合部材36の鍔部37と、ムーブメント5の
下枠部39との間隙より大きく設定されている。
【0054】尚、前記ロック部材41を、図8(b)に
示すように、差込む先端側が薄くなるテーパー面41b
を設けた形状としてもよい。この場合には、ロック部材
41の差込みに伴い、嵌合部材36が上方に持上げられ
るので、回転飾り10の持上げ作業を省略して、ロック
操作を簡便化することができる。
【0055】前記軸受部11は、図9に示すように、時
計ケース台座2に設けられたスプリング穴43と、前記
スプリング穴43に挿嵌された受け皿44と、同穴43
内に縮設された緩衝用のコイルスプリング45と、同穴
43上に設けられた押え部材46とから構成されてい
る。
【0056】すなわち、時計ケース台座2の支承軸9に
対応した箇所には、所定深さの有底のスプリング穴43
が設けられている。
【0057】前記スプリング穴43には、前記穴43の
内径と同一外径を有する受け皿44が、嵌装されてい
る。また、前記受け皿44は、硬質材質により形成さ
れ、支承軸9のピボット軸9aに対応して、若干の凹部
が設けられている。
【0058】前記受け皿44下方のスプリング穴43内
には、縮設されたコイルスプリング45が収納され、前
記コイルスプリング45により受け皿44を、上方に付
勢している。
【0059】前記受け皿44上方のスプリング穴43の
開口部には、押え部材46が設けられている。従って、
前記押え部材46により、受け皿44がスプリング穴か
ら飛び出すことを防止している。また、前記押え部材4
6には、受け皿44に応じた箇所にピボット軸孔46a
が貫設され、前記ピボット軸孔46aの内径は、支承軸
9の下端に設けられたピボット軸9aの外径より大きく
設定されている。従って、後述する回転飾り10のロッ
ク時に、支承軸9が上方に持上げられた場合にも、前記
ピボット軸孔46aからピボット軸9aが外れることが
なく、ロック解除に伴いピボット軸9aが受け皿44上
に戻ることができる。
【0060】そして、回転飾り10を回転ロックする場
合には、図3に示す通常使用時の状態から、図6に示す
ように、支承軸9を上方に持上げる。次に、この時に広
がった嵌合部材36の鍔部37とムーブメント5の下枠
との間隙に、ロック部材41を差込む。これにより、回
転飾り10を上方に持上げたまま、ロック部材41によ
り保持することができる。そして、この場合には、カナ
車33と差込み軸35の移動限界により上方への移動が
防止されるので、回転飾り10を上下方向にロックした
ことになる。また同時に、ロック部材41により嵌合部
材36の嵌合部38を挟持して、回転飾り10の回転を
ロックすることができる。
【0061】尚、ロック部材の挿入方向は、前記実施例
に限らず、時計ムーブメント側面に挿入孔を設けて、ロ
ック部材を時計ムーブメントの側面方向から挿入する構
成としてもよい。
【0062】以上説明したように、本実施例によれば、
ロック部材により支承軸の上端に設けた嵌合部材を嵌合
及び持上げ支持することにより、回転飾りを回転方向で
ロックでき、同時にロック部材により回転飾りを上下方
向にロックできるので、確実に回転飾りの回転ロックが
可能となり、輸送時、収納時に回転飾り、回転飾り機
構、支承軸の破損を防止でき、安全性を良好に確保する
ことができる。また、時計ムーブメント5の背面からロ
ック部材を抜き差し作業すればよいので、回転飾りのロ
ック実行及びロック解除の操作が容易となり、形状等の
回転飾りに対する制約を解消できる。
【0063】また、時計全体を落下させた時の衝撃を、
弾性部材により支持されている受け皿自体が沈下して吸
収するので、受け皿及び支承軸下端を確実に保護するこ
とができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1請求項に
係る発明によれば、回転飾りの支承軸を回動させる揺動
レバーに従動レバーを固設し、前記従動レバーの揺動角
度を規制するストッパを設けたことにより、揺動レバー
の最大揺動時には、従動レバーがストッパに当接し、従
動レバーが弾性変形する。そして、前記従動レバーの弾
性復帰力により、回転飾りによる慣性モーメントを減殺
できることになり、反転時に時計機構が必要とする揺動
レバーの駆動力を低減させることができる。すなわち、
前記弾性力は、回転飾りが反転動作する場合、この反転
直前には、回転方向に対して逆方向に働き、反転直後に
は順方向に働くので、回転飾りの反転運動を支援するこ
とになる。従って、回転飾りが、なめらかに静止し動き
始める、ゆったりとした動作を行えるので、優雅な高級
感ある回転飾り時計とすることができる。
【0065】また、前記従動レバーとストッパにより、
始動時や動作時における、回転飾りの過回転を防止する
ことができるので、駆動機構を保護でき、安全性を向上
することができる。
【0066】更に、このように回転飾りの反転動作が支
援され、回転飾りの重量制限が緩和されるので、より装
飾部材を増やしたり、クリスタル等の重い素材を用いた
りして、多種多様な回転飾りを使用することができ、外
観性を向上させて商品価値を高めることができる。
【0067】本願第2請求項に係る発明によれば、ロッ
ク部材により回転飾りの支承軸を嵌合及び持上げ支持す
ることにより、回転飾りを回転方向でロックでき、同時
にロック部材により回転飾りを上下方向にロックできる
ので、確実に回転飾りの回転ロックが可能となり、輸送
時、収納時に回転飾り、回転飾り機構、支承軸の破損を
防止でき、安全性を良好に確保することができる。ま
た、時計ムーブメントの背面からロック部材を抜き差し
作業すればよいので、回転飾りのロック実行及びロック
解除の操作が容易となり、形状等の回転飾りに対する制
約を解消できる。
【0068】また、時計全体を落下させた時の衝撃を、
受け皿自体が沈下して吸収するので、受け皿及び支承軸
下端を確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転飾り機構を備えた回転飾り時計に
係り、全体の概略構成を示す正面図。
【図2】本実施例の回転飾り時計の概略側面図。
【図3】本実施例の回転飾り機構の要部を示す縦側断面
図。
【図4】本実施例の回転飾り機構の要部を示す背面図。
【図5】本実施例の回転飾り機構の動作を示す動作説明
図。
【図6】本実施例の回転飾り機構の回転ロックに係り、
時計ムーブメント背面の要部拡大図。
【図7】本実施例の時計ムーブメントの底面図。
【図8】本実施例のロック部材を示し、(a)は、本実
施例のロック部材を示し、(b)は、他の実施例のロッ
ク部材を示す。
【図9】本実施例の受け軸部を示す拡大縦断面図。
【符号の説明】
1 回転飾り時計 5 時計ムーブメント 6 文字板 8 時計針 9 支承軸 10 回転飾り 11 軸受部 12 フセビン 14 時計機構 15 回転飾り機構 29 偏心カム 30 揺動レバー 31 従動レバー 34 ストッパ 36 嵌合部材 37 嵌合部材(鍔部) 38 嵌合部材(嵌合部) 41 ロック部材 44 受け皿 45 コイルスプリング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時針を駆動する時計機構により揺動され
    る揺動レバーと、前記揺動運動を回動運動に変換する歯
    車機構と、前記機構に接続され回動運動する回転飾りを
    備えた回転飾り機構において、 前記揺動レバーの運動に従動する弾性変形可能な従動レ
    バーを揺動レバーに設けると共に、前記従動レバーの揺
    動角度を規制するストッパを設けて構成され、前記従動
    レバーが前記ストッパに当接して生じる弾性復帰力によ
    り、回転飾りの反転動作時に生じる慣性モーメントによ
    る時計機構に対する干渉力を減衰させることを特徴とす
    る回転飾り機構。
  2. 【請求項2】 垂直に立設され回転飾りを保持する支承
    軸と、前記支承軸の下端を回転可能に軸支する受け皿を
    備えた回転飾り機構であって、 前記受け皿を弾性部材により保持し支承軸を軸方向に移
    動可能に軸支すると共に、前記支承軸の上端部に、上鍔
    部と断面形の対辺が平行な多角形状の嵌合部を有する嵌
    合部材を設け、前記部材を支承軸の上方向に持上げ挟持
    するロック部材を設けたことを特徴とする回転飾り機
    構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109361841A (zh) * 2018-11-27 2019-02-19 河南亿秒电子科技有限公司 一种用于光锚网络灯故障采集器的支架

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109361841A (zh) * 2018-11-27 2019-02-19 河南亿秒电子科技有限公司 一种用于光锚网络灯故障采集器的支架
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