JPH07228793A - 光導電性フタロシアニンおよびこれを用いる電子写真用感光体 - Google Patents

光導電性フタロシアニンおよびこれを用いる電子写真用感光体

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JPH07228793A
JPH07228793A JP2031794A JP2031794A JPH07228793A JP H07228793 A JPH07228793 A JP H07228793A JP 2031794 A JP2031794 A JP 2031794A JP 2031794 A JP2031794 A JP 2031794A JP H07228793 A JPH07228793 A JP H07228793A
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JP
Japan
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sulfuric acid
phthalocyanine
metal
degrees
aromatic compound
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JP2031794A
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English (en)
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Hiroshi Katsube
浩史 勝部
Masao Tanaka
正夫 田中
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (1)トルエン、キシレン、ナフタレン等の
芳香族化合物を溶解させた硫酸に溶解後、水で希釈、析
出させて得たα型無金属フタロシアニンをさらにミリン
グ処理して得る、CuKαのX線に対するブラッグ角度
(許容範囲±0.2度)が7.4、9.0、16.5、
17.2、22.1、23.8、27.0および28.
4度に主要な回折ピークを有し、かつブラッグ角度(許
容範囲±0.2度)が21度から25度の範囲に、明瞭
な回折ピーク2本のみを有する光導電性無金属フタロシ
アニン。(2)電子写真用感光体における光導電性物
質、特に電荷発生物質として前記無金属フタロシアニン
を用いる電子写真用感光体。 【効果】 白色光に対してだけではなく、長波長の光、
特に半導体レーザーに対しても高い感度を有し、低残留
電位の電子写真感光体を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族化合物を溶解さ
せた硫酸に溶解後、析出させたα型無金属フタロシアニ
ンをミリング処理してなる光導電性無金属フタロシアニ
ンおよびこれを用いてなる電子写真用感光体に関するも
のである。また本発明は、とくに半導体レーザー光等の
近赤外域の光に対して高い感度を有する光導電性無金属
フタロシアニンおよびこれを用いてなる感光体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光導電性物質を感光材料として用いる電
子写真感光体においては、従来、セレン、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛等の無機系光導電性物質が使用されてき
た。しかし、これらの物質は一般に加工性に劣り、また
毒性が強く、その廃棄に関して問題をもっている材料も
ある。
【0003】このような無機系物質の欠点を改善するた
め、有機化合物を光導電性物質として用いた電子写真感
光体の研究が広範に行われており、無毒性、易加工性、
軽量、可撓性等の利点を生かして実用化されている。
【0004】一方、近年コンピューターの出力端末とし
て、半導体レーザーを光源としたレーザービームプリン
タの開発が活発に行われている。また、複写機に関して
も機能の高度化に対応するため、デジタル化への動きが
活発である。これらの機器の感光体に用いられる光導電
性物質は、半導体レーザーの発振波長に感度を有するこ
とはもちろん、その前後の波長域においてフラットな分
光感度特性を示し、半導体レーザーの発振波長の温度依
存性に十分対応できることが要求される。また、機器の
小型化、軽量化のため、より感度の高い感光体が要求さ
れている。
【0005】これらの用途に用いられる有機系光導電性
物質として、フタロシアニン系化合物は、比較的合成が
容易であること、アゾ結合のように光化学反応を受けや
すい部分がなく、優れた耐光性が期待できること等によ
り幅広く研究されており、特に無金属フタロシアニンは
合成条件が比較的穏和であり、大スケールで製造しやす
いという利点を有する。
【0006】ところで特開平02−233769号公報
には、電子写真特性に優れ、しかも製造が容易で製品の
品質安定性もよい光導電性の無金属フタロシアニンとし
て、CuKαのX線に対するブラッグ角度(許容範囲±
0.2度)が7.4、9.0、16.5、17.2、2
2.1、23.8、27.0および28.4度の位置に
主要な回折ピークを有し、かつブラッグ角度(許容範囲
±0.2 度)が21度〜25度の範囲に、明瞭な回折
ピーク2本のみを有する無金属フタロシアニンが開示さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平0
2−233769号公報記載の電子写真感光体は、初期
表面電位が高く電荷保持能に優れる等の電子写真特性を
有してはいるものの、感度的には必ずしも十分とはいえ
なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような現状から、本
発明者らは光導電性物質として電子写真感光体に用いた
場合に高感度の感光体を与える無金属フタロシアニンに
関して鋭意研究した。従来より無金属フタロシアニンの
アシッドペースト工程における処理は、少なくとも95
重量%以上、通常は98重量%以上の硫酸のみによる処
理が当然の如く用いられていた。本発明者らはこのアシ
ッドペースト工程における処理について特に検討を加え
た結果、芳香族化合物を溶解させた硫酸に溶解後、水で
希釈、析出させて得たα型無金属フタロシアニンをミリ
ング処理して製造された無金属フタロシアニン、特にこ
のような方法で製造された、前記特開平02−2337
69号公報に示されたと同じX線回折スペクトルを有す
る無金属フタロシアニンが、優れた電荷受容能、低残留
電位と感度を示すことを見出し、本発明を完成させるに
至った。
【0009】即ち本発明は、芳香族化合物を溶解させた
硫酸に溶解後、水で希釈、析出させて得たα型無金属フ
タロシアニンをミリング処理してなる無金属フタロシア
ニンであることを特徴とする光導電性フタロシアニン、
さらにはこれら光導電性フタロシアニンを用いてなる電
子写真用感光体にある。
【0010】このように、本発明はアシッドペースト工
程において特定の処理が施された後ミリング処理された
無金属フタロシアニンである光導電性フタロシアニン及
びこの光導電性フタロシアニンを用いた高感度の電子写
真感光体を提供するものである。特に該光導電性フタロ
シアニンを電子写真用感光体における電荷発生物質とし
て用いる、白色光に対してのみならず、長波長の光、特
に半導体レーザーの発振波長域において高い感度を有す
る電子写真感光体を提供するものである。
【0011】本発明のアシッドペースト工程において溶
媒ベースである硫酸には、濃度が85重量%以上のもの
が用いられる。本発明のアシッドペースト工程において
硫酸に溶解する芳香族化合物としては、硫酸に可溶なも
のであれば任意のものが使用できるが、経済性を考慮す
るとベンゼンまたはその誘導体やナフタレンまたはその
誘導体が好ましい。
【0012】硫酸に可溶なベンゼン、ナフタレンまたは
これらの誘導体として、具体的には例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン等の
炭化水素類;クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素
類;アニソール等のエーテル類;フェノール、クレゾー
ル、ナフトール等のフェノール類;安息香酸、フタル
酸、サリチル酸、ナフトエ酸等のカルボン酸類;アニリ
ン、トルイジン等のアミン類が挙げられ、これらのスル
ホン酸類も用いることが出来る。これらは単独でもまた
適宜混合して用いても良い。また用いられた芳香族化合
物が、硫酸に溶解することによって、スルホン化等の化
学的変化を受けても本発明においてはその使用の差し障
りとはならないが、化学的変化に伴って水が生成する場
合には、それにより硫酸濃度が低下することを考慮する
必要がある。また、硫酸濃度が85%以上におさまる範
囲で、芳香族化合物を水溶液として添加することもでき
る。
【0013】芳香族化合物と硫酸の使用割合は、芳香族
化合物:硫酸(重量比)=3:97〜20:80であ
る。
【0014】前記の芳香族化合物を溶解した硫酸を用い
たアシッドペースト工程を経て得たα型無金属フタロシ
アニンのミリング処理の方法としては、公知のミリング
処理法がいずれも適用できるが、特にCuKαのX線に
対するブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が7.4、
9.0、16.5、17.2、22.1、23.8、2
7.0および28.4度に主要な回折ピークを有し、か
つブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が21度から2
5度の範囲に、明瞭な回折ピーク2本のみを有するX線
回折スペクトルを有する無金属フタロシアニンを与える
ミリング処理方法は、白色光に対してのみならず、長波
長の光、特に半導体レーザー光に対しても高い感度を有
する光導電性フタロシアニンを得られるので本発明にお
いて特に好ましいミリング処理の方法である。既述した
特開平02−233769号公報にはこのようなX線回
折スペクトルを有する無金属フタロシアニンを与えるミ
リング処理法について、20〜80℃でボールミルまた
は振動ミルを用いて乾式摩砕する方法例が示されてい
る。該ミリング条件は通常実施されているミリング条件
より高温下においてボールミルまたは振動ミルを用いい
て乾式摩砕することであって、このような高温下でのミ
リングはジャケット付きミルを用いることによって達成
できる。ジャケット付きミルを用いることが困難な小型
の製造装置の場合には、ミルの周囲の温度を高温に保つ
ようにしても良い。
【0015】電子写真感光体における光導電性物質とし
て、とくに機能分離型感光体においては電荷発生物質と
して本発明の無金属フタロシアニンを用いることができ
る。
【0016】光導電性物質や電荷発生物質(光導電性物
質等)として、その他の電荷発生物質等を本発明の無金
属フタロシアニンと併用して用いることは勿論できる。
併用できる光導電性物質等の例としては、α型、β型、
γ型、τ型、τ’型、π型、η型、η’型、K型の無金
属フタロシアニン、USP3357989号明細書記載
のX型無金属フタロシアニン、特開昭60−24308
9号公報に記載の無金属フタロシアニン、銅、チタン、
インジウム、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、
スズ、ケイ素等の中心金属を有するフタロシアニン系化
合物、無金属または中心金属を有するナフタロシアニン
系化合物、ビスアゾおよびトリスアゾ系化合物、アント
ラキノン系化合物、ペリレン系化合物、ペリノン系化合
物、多環式キノン系化合物、ジオキサジン系化合物、キ
ナクリドン系化合物、アズレニウム系化合物、スクアリ
ウム塩系化合物、ピリリウム塩系化合物、ピロロピロー
ル系化合物等を挙げることができる。
【0017】電子写真用感光体の感光層を構成するため
には、例えば上記した光導電性物質等をバインダー樹脂
中に分散し、得られた塗布液を、既に公知の種々の導電
性基体上に塗布後、乾燥して製膜すればよい。
【0018】バインダーとしては製膜性を有する物質で
あれば任意のものが使用できるが、誘電率が高く、電気
絶縁性のよい高分子重合体が特に好ましい。高分子重合
体の例としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルカルバゾ
ール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ
化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シ
リコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、メラミ
ンーアルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マ
レイン酸共重合体、等を挙げることができる。
【0019】また塗布液を調製する際に使用できる溶剤
の例としては、トルエン、キシレン、ミネラルスピリッ
ト等の炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素類;テトロヒドロフラン、ジオキサン、モノ
グライム、ジグライム、アニソール等のエーテル類;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、シクロヘキサノール等のアルコール類;酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
ト、ブチルセロソルブアセテート等のエステル類;ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド
類;水などを挙げることができる。さらにこれらの溶剤
2種以上の混合物も用いることができる。
【0020】塗布液は、上記の光導電性物質等、バイン
ダー、溶剤をボールミル、ビーズミル、ペイントシェー
カー、サンドグラインダー、アトライター、ディスパー
ザー、ホモミキサーなどの公知の分散手段により分散す
ることで調製することができる。
【0021】感光体の感光層の形成は上記塗布液をスピ
ンコーター、アプリケーター、バーコーター、ドクター
ブレード、ロールコーター、スプレーコーター、ディッ
ピング等の手段を用いて導電性支持基体上に展開するこ
とで行うことができる。
【0022】本発明の電子写真感光体の構造としては、
単層型構造および電荷発生機能と電荷輸送機能をそれぞ
れ別の層に受け持たせた積層型構造のいずれをも用いる
ことができる。さらに上記した単層型構造或いは積層型
構造の構造層のほかに導電性支持基体上に中間層を設け
る、或いは/更に最上部に表面保護層を設けることもで
きる。単層型構造の感光体では正帯電用感光体として用
いるのが好ましい。機能を分離した、いわゆる分離積層
型構造の感光体では電荷発生層と電荷輸送層の位置関係
により、正帯電用感光体としても負帯電用感光体として
も使用できる。
【0023】前記のような機能分離型電子写真感光体に
おいて使用できる電荷輸送物質としては、ヒドラゾン系
化合物、オキサゾール系化合物、オキサジアゾール系化
合物、オキサチアゾール系化合物、チアゾール系化合
物、チアジアゾール系化合物、トリアゾール系化合物、
スチリル・スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、
トリアリールアミン系化合物、ジアリールアミン系化合
物、ジベンジルアミン系化合物、トリアリールメタン系
化合物、アジン系化合物、イミダゾール系化合物、イミ
ダゾリジン系化合物、ジシアノメチレン系化合物、等を
挙げることができる。またこれらの化合物のうち、芳香
族環を有するものについては、当該部分がベンゾ類縁体
等の縮合多環構造をしていてもよい。
【0024】さらに、本発明の電子写真感光体において
は、感度の向上、残留電位の低減等を目的に、電子受容
性物質を存在させることもできる。電子受容性物質の例
としては、コハク酸、マレイン酸、安息香酸、フタル
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、メリット酸、お
よびこれらの酸無水物、ならびにこれらカルボン酸およ
び酸無水物のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基等、電
子吸引性置換基による置換誘導体、ニトロベンゼンおよ
びその置換誘導体、ベンゾキノンおよびその置換誘導
体、ナフトキノンおよびその置換誘導体、アントラキノ
ンおよびその置換誘導体、フルオレンおよびその置換誘
導体、サリチル酸およびその置換誘導体、テトラシアノ
エチレン、テトラシアノキノジメタン、その他の電子親
和力の大きい化合物を挙げることができる。電子受容性
物質の添加量としては、電荷発生物質100重量部に対
し、0.01〜100重量部、特に0.1〜20重量部
が好ましい。
【0025】本発明の感光体は、白色光に対してのみな
らず、近赤外域の光に対しても高感度であることが確か
められた。具体的には以下の実施例で説明する。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、例中に於て部は重量部を意味する。
【0027】製造例1 96%濃硫酸1350部とキシレン150部を反応器に
仕込み、完全に溶解するまで室温で攪拌した。溶解後、
0℃まで冷却し、β型無金属フタロシアニン100部を
3〜5℃の範囲で少しづつ加え、溶解させた。完全に溶
解したことを確認したのち、15倍量の氷水に注ぎ、希
釈、晶出させた。晶出した無金属フタロシアニンを濾過
し、水20000部で洗浄した。ケーキを水1500部
に解膠し、濃アンモニア水20部を加え、約80℃で1
時間攪拌したのち濾過した。ケーキを水3000部で洗
浄し、乾燥してα型無金属フタロシアニン90部を得
た。
【0028】これをアルミナ製ボール2000部ととも
にボールミルに仕込み、周囲の気温を最低28℃、平均
35℃に保ちながら100rpmで150時間摩砕し、
CuKαのX線に対するブラッグ角度(許容範囲±0.
2度)が7.4、9.0、16.5、17.2、22.
1、23.8、27.0および28.4度に主要な回折
ピークを有し、かつブラッグ角度(許容範囲±0.2
度)が21度から25度の範囲に、明瞭な回折ピーク2
本のみを有する無金属フタロシアニンを得た。
【0029】製造例2 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1425部とキシレン75部を用いたこと以外は製造例
1と同様にして製造例1に記載したと同じX線回折スペ
クトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0030】製造例3 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1395部とキシレン105部を用いたこと以外は製造
例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線回折ス
ペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0031】製造例4 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1225部とキシレン225部を用いたこと以外は製造
例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線回折ス
ペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0032】製造例5 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1200部とキシレン300部を用いたこと以外は製造
例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線回折ス
ペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0033】製造例6 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1125部とキシレン375部を用いたこと以外は製造
例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線回折ス
ペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0034】製造例7 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1350部とトルエン150部を用いたこと以外は製造
例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線回折ス
ペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0035】製造例8 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1350部とクロロベンゼン150部を用いたこと以外
は製造例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線
回折スペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0036】製造例9 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1425部とナフタレン75部を用いたこと以外は製造
例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線回折ス
ペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0037】製造例10 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1350部とスルファニル酸150部を用いたこと以外
は製造例1と同様にして製造例1に記載したと同じX線
回折スペクトルを示す無金属フタロシアニンを得た。
【0038】製造例11 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1350部と5−スルホサリチル酸75部を用いたこと
以外は製造例1と同様にして製造例1に記載したと同じ
X線回折スペクトルを示す無金属フタロシアニンを得
た。
【0039】製造例12 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1350部と4−スルホフタル酸(80%水溶液)15
0部を用いたこと以外は製造例1と同様にして製造例1
に記載したと同じX線回折スペクトルを示す無金属フタ
ロシアニンを得た。
【0040】製造例13 濃硫酸1350部とキシレン150部に代えて、濃硫酸
1500部を用いたこと以外は製造例1と同様にして製
造例1に記載したと同じX線回折スペクトルを示す無金
属フタロシアニンを得た。
【0041】実施例1(積層型感光体の作成および評
価) 100mlガラス製ポットに、製造例1で製造された無
金属フタロシアニン1部、塩化ビニル−酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体(商品名エスレックM積水化学
製)1部、メチルエチルケトン28部、および直径3m
mのガラスビーズ40部を仕込み、ペイントシェーカー
にて2時間振盪、分散し、電荷発生層塗布液を調製し
た。一方、ポリカーボネート樹脂(商品名レクサン14
1−111ジーイープラスチックス製)1部、p−ジエ
チルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(商
品名A.B.P.H. 亜南香料製)1部をテトラヒド
ロフラン10部に溶解し、電荷輸送層塗布液を調製し
た。
【0042】アルミニウムを蒸着したポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、電荷発生層塗布液をバーコー
ターを用い、乾燥膜厚が約0.5μmになるよう塗布
し、乾燥して電荷発生層を形成した。続いて電荷輸送層
塗布液をバーコーターを用い、乾燥膜厚が約20μmに
なるよう塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成し、積層型
電子写真感光体を作成した。また、電荷発生層塗布液を
50℃の恒温槽で2週間静置した後、同様にして積層型
感光体を作成した。
【0043】得られた感光体の電子写真特性を、静電複
写紙試験装置EPA−8100(川口電機製作所製)を
用いて測定した。試料サイズは20mmφとした。帯電
はコロナ放電電圧−7kV、スタティックモード4で行
い、光源はキセノンランプの光をモノクロメータを通し
て得た780nmの光を用いた。5サイクル目の測定結
果を表1に示した。V0 は初期電位(V)、V2/VO
暗所2秒間の電荷保持率(%)、E1/2 は半減露光量
(erg/cm2)、VR5 は5秒後の残留電位(V)を表
す。
【0044】実施例2〜11 無金属フタロシアニンとして、製造例2〜5、および製
造例7〜12で得られた無金属フタロシアニンを用いた
こと以外は実施例1と同様にして、感光体を作成し、特
性を評価した。結果を表1に示した。
【0045】比較例1 無金属フタロシアニンとして、製造例13得られた無金
属フタロシアニンを用いたこと以外は実施例1と同様に
して、感光体を作成し、特性を評価した。結果を表1に
示した。
【0046】
【表1】
【0047】実施例12(単層型感光体の作成および評
価) 100mlガラス製ポットに製造例1で得られた無金属
フタロシアニン1部、ポリエステル樹脂(商品名バイロ
ン200 東洋紡製)6部、テトラヒドロフラン30
部、および直径3mmのガラスビーズ40部を仕込み、
ペイントシェーカにて2時間振盪、分散し、感光体塗布
液を調製した。アルミニウムを蒸着したポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に、感光体塗布液をバーコータ
を用い、乾燥膜厚が約20μmになるよう塗布し、乾燥
して電子写真感光体を作成した。
【0048】得られた感光体の電子写真特性を、静電複
写紙試験装置EPA−8100(川口電機製作所製)を
用いて測定した。試料サイズは44×44mmとした。
帯電はコロナ放電電圧+5.6kV、スタティックモー
ド4で行い、光源はタングステンランプの白色光(強度
10ルックス)を用いた。結果を表2に示した。V0
初期電位(V)、V10/VO は暗所10秒間の電荷保持
率(%)、E1/2 は半減露光量(ルックス・秒)、V
R15 は15秒後の残留電位(V)を表す。
【0049】実施例13〜22 無金属フタロシアニンとして、製造例2〜5、および製
造例7〜12で得られた無金属フタロシアニンを用いた
こと以外は実施例1と同様にして、感光体を作成し、特
性を評価した。結果を表2に示した。
【0050】比較例2 無金属フタロシアニンとして、製造例13得られた無金
属フタロシアニンを用いたこと以外は実施例1と同様に
して、感光体を作成し、特性を評価した。結果を表2に
示した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の光導電性無金属フタロシアニン
は、特に電荷発生物質として優れた性能を有しており、
これを電子写真用感光体用いた場合には、白色光に対し
てのみならず、長波長の光、特に半導体レーザー光に対
しても高い感度を有する電子写真感光体を製造すること
ができる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族化合物を溶解させた硫酸に溶解
    後、水で希釈、析出させて得たα型無金属フタロシアニ
    ンをミリング処理してなる無金属フタロシアニンである
    ことを特徴とする光導電性フタロシアニン。
  2. 【請求項2】 芳香族化合物が、硫酸に可溶なものであ
    る請求項1記載の光導電性フタロシアニン。
  3. 【請求項3】 硫酸に可溶な芳香族化合物が、ベンゼン
    またはその誘導体である請求項2記載の光導電性フタロ
    シアニン。
  4. 【請求項4】 硫酸に可溶な芳香族化合物が、ナフタレ
    ンまたはその誘導体である請求項2記載の光導電性フタ
    ロシアニン。
  5. 【請求項5】 芳香族化合物と硫酸の重量比が3:97
    〜20:80である請求項1記載の光導電性フタロシア
    ニン。
  6. 【請求項6】 無金属フタロシアニンが、CuKαのX
    線に対するブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が7.
    4、9.0、16.5、17.2、22.1、23.
    8、27.0および28.4度に主要な回折ピークを有
    し、かつブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が21度
    から25度の範囲に、明瞭な回折ピーク2本のみを有す
    るものである請求項1記載の光導電性フタロシアニン。
  7. 【請求項7】 電荷発生物質として用いる請求項1また
    は6記載の光導電性フタロシアニン。
  8. 【請求項8】 電子写真用感光体における光導電性物質
    として、芳香族化合物を溶解させた硫酸に溶解後、水で
    希釈、析出させて得たα型無金属フタロシアニンをミリ
    ング処理してなる無金属フタロシアニンを用いること特
    徴とする電子写真用感光体。
  9. 【請求項9】 芳香族化合物が、硫酸に可溶なものであ
    る請求項8記載の電子写真用感光体。
  10. 【請求項10】 硫酸に可溶な芳香族化合物が、ベンゼ
    ンまたはその誘導体である請求項9記載の電子写真用感
    光体。
  11. 【請求項11】 硫酸に可溶な芳香族化合物が、ナフタ
    レンまたはその誘導体である請求項9記載の電子写真用
    感光体。
  12. 【請求項12】 芳香族化合物と硫酸の重量比が3:9
    7〜20:80である請求項8記載の電子写真用感光
    体。
  13. 【請求項13】 無金属フタロシアニンが、CuKαの
    X線に対するブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が
    7.4、9.0、16.5、17.2、22.1、2
    3.8、27.0および28.4度に主要な回折ピーク
    を有し、かつブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が2
    1度から25度の範囲に、明瞭な回折ピーク2本のみを
    有するものである請求項8記載の電子写真用感光体。
  14. 【請求項14】 無金属フタロシアニンを電子写真用感
    光体における電荷発生物質として用いる請求項8記載の
    電子写真用感光体。
  15. 【請求項15】 無金属フタロシアニンが、CuKαの
    X線に対するブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が
    7.4、9.0、16.5、17.2、22.1、2
    3.8、27.0および28.4度に主要な回折ピーク
    を有し、かつブラッグ角度(許容範囲±0.2度)が2
    1度から25度の範囲に、明瞭な回折ピーク2本のみを
    有するものである請求項14記載の電子写真用感光体。
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