JPH07228048A - 赤外感光性カラー記録材料 - Google Patents

赤外感光性カラー記録材料

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JPH07228048A
JPH07228048A JP6021266A JP2126694A JPH07228048A JP H07228048 A JPH07228048 A JP H07228048A JP 6021266 A JP6021266 A JP 6021266A JP 2126694 A JP2126694 A JP 2126694A JP H07228048 A JPH07228048 A JP H07228048A
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JP
Japan
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infrared
color
group
recording material
parts
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JP6021266A
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English (en)
Inventor
Kotaro Nakamura
孝太郎 中村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異なる波長の赤外光を吸収して、異なる色相
に発色させることができ、しかも、現像液を使用するな
どの後処理が不要で、高品質のカラー画像を得ることが
できる赤外感光性カラー記録材料を提供すること。 【構成】 支持体上に、赤外光を吸収して発色する赤外
感光記録層を少なくとも2層設け、それらの発色成分
が、ジアゾ化合物とカップリング成分の組み合わせ又は
電子供与性染料前駆体(発色剤)と電子受容性化合物
(顕色剤)の組み合わせであり、該記録層は赤外光吸収
物質を含有し、各々波長の異なる赤外光、好ましくは赤
外レーザービームを吸収して、異なる色相に発色する赤
外感光性カラー記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー記録材料に関し、
特に、異なる波長の赤外光を吸収して、異なる色相に発
色させることができ、しかも、現像液を使用するなどの
後処理が不要で、高品質のカラー画像を得ることができ
る赤外感光性カラー記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー画像を形成する技術は、従来から
カラー写真感光材料として膨大な技術開発がなされてお
り、現在も続行中である。高品質の画像を得ることがで
きるこのカラー写真システムは、銀化合物を必須の成分
として含有するがために、現像、定着という液体による
処理工程を経ねばならず、現像機の設置場所、現像液の
品質管理、使用後の廃液の処分など、いくつかのやっか
いな問題の対処を必要としている。また、写真材料であ
りながら、液体現像の代わりに熱現像を行ったり、現像
シートと密着させて現像したりなど、さまざまな工夫が
なされたシステムも実用化されているが、形成されたカ
ラー画像が変色しやすかったり、廃棄物出たり、大画面
の画像を得るのが難しかったりなどの問題があって、汎
用されるには到っていない。
【0003】一方、銀化合物を使用せずに、従って現
像、定着などの液体による後処理が不要となる、カラー
画像を形成する技術開発も活発に行われている。中で
も、サーマルヘッドとの接触により得られる熱エネルギ
ーを利用して画像を形成する、いわゆる感熱記録法は、
使用する記録装置が簡便であるにもかかわらず、信頼性
が高くメインテナンスも不要であることから、近年目覚
ましい発展を遂げている。代表的な方法としては、色素
を薄膜状に塗布した合成樹脂フィルム(インクシート)
をサーマルヘッドと接触させて熱エネルギーを加え、色
素の昇華性や低融点のワックスなど共存物の溶融などを
利用する方式で、印可エネルギーの大きさに応じて、複
数の色素を順次受像シートに転写させる、昇華転写方
式、溶融転写方式などと呼ばれているものがあるが、い
ずれも使用後のインクシートが廃棄物として発生し、し
かも画像情報が含まれているために、守秘の観点から、
処分することが一層厄介な問題となっている。
【0004】この欠点を解消させるために、支持体上に
異なる発色色相の感熱記録層を多層に積層し、異なる熱
エネルギーを印可して、各々異なる色相に発色する(色
分画という)ジアゾ化合物とカップリング成分の組み合
わせ又は電子供与性染料前駆体(発色剤)と電子受容性
化合物(顕色剤)の組み合わせを利用しようとする、例
えば、特開平3−288688号などに記載の提案があ
る。確かにこの方式によれば、廃棄物の発生もなく、簡
便にカラー画像を得ることができるが、この方法とて、
感熱記録方法には共通の問題、例えば、長期間使用する
とサーマルヘッドが磨耗し、場合によっては破壊に到る
ことがあったり、記録中にサーマルヘッド表面に感熱記
録材料の成分がカスとなって付着したり、サーマルヘッ
ドと記録材料表面の接着が発生したりすることにより正
しい記録画像が得られなかったり、また、サーマルヘッ
ドの構造上の特質から発熱素子の加熱冷却の高速制御や
発熱素子密度を大きくする上で限界があるため、高速記
録や高密度、高画質記録には限界があったりするという
ことなど、を含んでいるものであり、その解決法は関心
事となっている。
【0005】サーマルヘッドを用いる感熱記録方法にお
いては、上記の如き問題点を解決するために熱源として
レーザー光を用い、感熱記録材料に対し非接触でかつ高
速、高密度で熱記録を行なうことが提案されているほ
か、それに関連して、感熱記録材料にレーザー光を効率
良く吸収させるための方法の提案も多くなされている。
しかしながら、感熱記録層中にレーザーの発振波長に合
った吸収波長を持つ物質を添加する場合、添加する光吸
収物質は、可視領域に吸収がほとんどないことが必要と
されるが、一般に可視領域に吸収を持たない光吸収物質
は無機化合物に多く、その殆どのものは光吸収効率が低
く実用には程遠いものであるし、また、有機化合物を光
吸収物質として用いた場合は、高い吸収効率が得られる
が、ほとんどの化合物では可視光領域にも吸収があるた
め、地肌部が着色してしまうという問題がある。特に、
レーザーの発振波長に応じて異なる色相をもつカラー発
色画像を得ようとする場合は、この光吸収物質の選択が
極めて重要な課題となり、それゆえ、実用に耐え得る記
録材料及び画像形成方法の提案は未だなされていないの
が現状である。(例えば特開昭50−23617号、特
開昭54−121140号、特開昭57−11090
号、特開昭58−56890号、特開昭58−9449
4号、特開昭58−134791号、特開昭58−14
5493号、特開昭59−89192号、特開昭60−
205182号、特開昭62−56195号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、現像液を使用するなどの後処理が不要で、廃棄物の
発生もなく、簡便で、かつ高速、高密度、高画質のカラ
ー画像を得ることができる記録材料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に、赤外光を吸収して発色する赤外感光記録層を少な
くとも2層設けた記録材料であって、該記録層は、各々
波長の異なる赤外光を吸収して、異なる色相に発色する
ことを特徴とする赤外感光性カラー記録材料により達成
された。
【0008】本発明において使用する赤外光は、赤外レ
ーザービームであること、及び異なる色相を得るために
少なくとも2層の赤外感光記録層中に含有される赤外光
吸収物質の有する吸収極大波長が、少なくとも20n
m、特に好ましくは、40nm以上互いに異なっている
こと、及び少なくとも2層の赤外感光記録層に照射する
赤外レーザービームの発振波長は、該感光記録層中に含
有される赤外光吸収物質の吸収極大波長の値を中心にし
てマイナス20nmからプラス20nmの範囲、特に好
ましくは、マイナス10nmからプラス10nmの範囲
にあること、さらに発振波長そのものが、少なくとも2
0nm互いに異なっていることが、所望のカラー画像を
混色なく形成するために必要である。
【0009】本発明のカラー記録材料に用いる発色成分
は、加熱による物質の接触に基づいて化学的に発色反応
を起こす物質であり、具体的にはジアゾ化合物とカップ
ラーの組み合わせ又は電子供与性染料前駆体(発色剤)
と電子受容性化合物(顕色剤)の組み合わせである。こ
れらの発色成分を赤外光吸収物質の近傍、好ましくは同
一層に共存させることにより、該赤外光吸収物質が吸収
した赤外レーザーは熱エネルギーに変換され、その熱に
よって発色反応を生じさせる。
【0010】本発明において赤外光吸収物質の選択は、
高品位のカラー画像を得るためのほか、小型で安価な装
置をつくるのに必要なレーザー出力をできるだけ小さく
済ますことのために極めて重要である。本発明において
使用する赤外光吸収物質は、可視光領域の波長の光の吸
収は少ないが赤外線領域の光の波長の吸収が特に高いと
いう色素が好ましい。このような色素としては、シアニ
ン系色素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系または
チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリ
リウム系色素、Ni、Cr等の金属錯塩系色素、ナフト
キノン系またはアントラキノン系色素、インドフェノー
ル系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン
系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウム系または
ジインモニウム系色素、ニトロソ化合物等を挙げること
ができる。
【0011】これらの赤外光吸収物質は、700〜13
00nmの範囲に吸収極大を有する状態で記録層に含有
されており、使用する赤外レーザーの波長に合わせて選
択する。本発明には、赤外感光記録層が、発色成分と共
に少なくとも20nm互いに分離して吸収極大を有する
赤外レーザー吸収物質を含有し、順次もしくは同時に照
射された各々波長の異なる赤外レーザーを吸収して、各
々、シアン、マゼンタ、イエローの3色に発色するフル
カラー記録材料が含まれる。本発明において、赤外感光
記録層中の発色成分の中に、光分解性のジアゾニウム化
合物が含まれる場合には、該記録層の発色反応が終了し
た後、紫外光照射などにより、未反応の該ジアゾニウム
化合物を失活させる、いわゆる定着工程を設けることも
できる。
【0012】本発明のカラー記録材料において、使用さ
れる素材について詳細に説明する。本発明のカラー記録
材料に用いる発色成分は、加熱による物質の接触に基づ
いて発色反応を起こす物質であり、具体的にはジアゾ化
合物とカップラーの組み合わせ又は電子供与性染料前駆
体(発色剤)と電子受容性化合物(顕色剤)の組み合わ
せである。以下にジアゾ化合物とカップラーの組み合わ
せについて、詳述する。
【0013】ジアゾ化合物としては、下記に示す化合物
群があるが本発明はこれによって限定されるものではな
い。「感光性ジアゾニウム塩の光分解と化学構造」(角
田隆弘、山岡亜夫著、日本写真学会誌29(4)197
〜205(1965))や特開平2−136286号等
に記載されているジアゾ化合物、芳香族ジアゾニウム
塩、ジアゾスルホネート化合物、ジアゾアミノ化合物で
あり、代表的なジアゾ化合物としては、4−(N−(2
−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリ
ル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、4−ジオクチ
ルアミノベンゼンジアゾニウム、4−(N−(2−エチ
ルヘキサノイル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、
4−ジヘキシルアミノ−2−ヘキシルオキシベンゼンジ
アゾニウム、4−N−エチル−N−ヘキサデシルアミノ
−2−エトキシベンゼンジアゾニウム、3−クロロ−4
−ジオクチルアミノ−2−オクチルオキシベンゼンジア
ゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−モルホリノベンゼ
ンジアゾニウム、2,5−オクトキシ−4−モルホリノ
ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブトキシ−4−(N
−(2−エチルヘキサノイル)ピペラジノ)ベンゼンジ
アゾニウム、2,5−ジエトキシ−4−(N−(2−
(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブチリ
ル)ピペラジノ)ベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブ
トキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウム、3−
(2−オクチルオキシエトキシ)−4−モルホリノベン
ゼンジアゾニウム、2,5−ジエトキシ−4−トリルチ
オベンゼンジアゾニウム、2−クロル−5−メトキシ−
4−ピペラジノベンゼンジアゾニウム、2,5−ジエト
キシ−4−(4−メトキシ)フェニルチオベンゼンジア
ゾニウム、2,5−ジエトキシ−4−(4−メトキシ)
ベンズアミドベンゼンジアゾニウム、4−ピロリジノ−
5−メトキシベンゼンジアゾニウム、2,5−ジブトキ
シ−4−(4−クロロフェニルチオ)ベンゼンジアゾニ
ウム、2−ヘキシルオキシ−4−(N−ヘキシル−N−
(1−メチル−2−(4−メトキシフェノキシ)エチル
アミノベンゼンジアゾニウムなどがある。上記ジアゾ化
合物とジアゾニウム塩を形成する酸の具体例としては、
n 2n 1COOH(nは1〜9の整数)、C m 2m 1
SO3 H(mは1〜9の整数)、四フッ化ホウ素、テト
ラフェニルホウ素、ヘキサフルオロリン酸、芳香族カル
ボン酸、芳香族スルホン酸、金属ハライド(塩化亜鉛、
塩化カドミウム、塩化スズなど)などが挙げられる。
【0014】本発明で使用するジアゾ化合物は、後述す
るカップリング成分と反応して所望の色相に発色するも
のであり、反応前に特定波長の光を受けると分解し、も
はやカップリング成分が作用しても発色能力を持たなく
なる光分解性ジアゾ化合物である。この発色系における
色相はジアゾ化合物とカップリング成分が反応して生成
したジアゾ色素により決定される。従って、良く知られ
ているようにジアゾ化合物の化学構造を変えるか、カッ
プリング成分の化学構造を変えれば容易に発色色相をか
えることができ、組み合わせ次第で略任意の発色色相を
得ることができる。また、2種以上のジアゾ化合物を併
用して用いることもできる。
【0015】本発明に用いられるジアゾ化合物は、記録
前の記録材料保存中に生じる着色(かぶり)や、該化合
物の不安定性に基づく分解を防止するために、マイクロ
カプセルに内包して用いることが望ましい。
【0016】本発明に用いられるジアゾ化合物と熱時反
応して発色するカプラーとしては、該ジアゾ化合物とカ
ップリング反応してアゾ色素を生成することが可能な有
機化合物である。用いられるカプラーとしては、塩基性
雰囲気でジアゾ化合物とカップリングして色素を形成す
るもので、カルボニル基の隣にメチレン基を有するいわ
ゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導体、ナフトー
ル誘導体などがあり、具体例として下記のものが挙げら
れる。
【0017】レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジ
ヒドロキシナフタレン−6−スルホン酸ナトリウム、1
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸モリホリノプロピルアミ
ド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒド
ロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシ−6−スルフ
ァニルナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸モ
ルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸
アニリド、ベンゾイルアセトニリド、1−フェニル−3
−メチル−5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリク
ロロフェニル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、2−
〔3−α−(2,5−ジ−tert−アミルフェノキ
シ)−ブタンアミドベンヅアミド〕フェノール、2,4
−ビス−(ベンゾイルアセトアミノ)トルエン、1,3
−ビス−(ピバロイルアセトアミノメチル)ベンゼン、
2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸エタノールアミド、2
−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸オクチルアミド、2−ヒ
ドロキシ−3−ナフトエ酸−N−ドデシルオキシプロピ
ルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸テトラデシ
ルアミド、アセトアセトアニリド、2−クロロ−5−オ
クチルアセトアセトアニリド、1−(2−テトラデカノ
キシフェニル)−2−カルボキシメチルシクロヘキサン
−3,5−ジオン、1−(2’−オクチルフェニル)−
3−メチル−5−ピラゾロン、1−(2’,4’,6’
−トリクロロフェニル)−3−ベンズアミド−5−ピラ
ゾロン、1−(2’,4’,6’−トリクロロフェニ
ル)−3−アニリノ−5−ピラゾロン、1−フェニル−
3−フェニルアセトアミド−5−ピラゾロンなどであ
る。これらのカップリング成分の詳細は特開昭62−1
46678号に記載されている。これらのカップリング
成分は単独でも2種以上の併用でも用いることができ、
必要に応じて任意の色相を得ることもできる。
【0018】本発明においてジアゾ化合物とカップリン
グ成分の組み合わせを用いる場合、カップリング反応が
塩基性雰囲気で起こりやすいため、発色助剤として塩基
性物質を添加してもよい。塩基性物質としては水不溶性
または難溶性の塩基性物質や加熱によりアルカリを発生
する物質が用いられる。それらの例としては無機および
有機アンモニウム塩、有機アミン、アミド、尿素やチオ
尿素およびその誘導体、チアゾール類、ピロール類、ピ
リミジン類、ピペラジン類、グアニジン類、インドール
類、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアゾール
類、モルフォリン類、ピペリジン類、アミジン類、フォ
リムアジン類、ピリジン類等の含窒素化合物が挙げられ
る。これらの具体例は例えば特開昭61−291183
号等に記載されている。これらの塩基性物質は2種以上
併用して用いることができる。
【0019】本発明において、ジアゾ化合物1重量部に
対してカップリング成分は、0.1〜30重量部、塩基
性物質は、0.1〜30重量部の割合で使用することが
好ましい。
【0020】本発明の発色助剤に含まれるものとして、
他に低エネルギーで迅速かつ完全に熱現像が行われるよ
うに、感光層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導
体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタ
レン類、ヒドロキシ化合物、アミド化合物、スルホンア
ミド化合物を加えることができる。これらの化合物は、
カップリング成分あるいは、塩基性物質の融点を低下さ
せるか、あるいは、マイクロカプセル壁の熱透過性を向
上させ、その結果高い発色濃度が得られるものと考えら
れる。
【0021】本発明の発色助剤にはまた、熱融解性物質
も含まれる。熱融解性物質は、常温では固体であって加
熱により融解する融点50°C〜150°Cの物質であ
り、ジアゾ化合物、カップリング成分、或いは塩基性物
質を溶かす物質である。これらの化合物の具体例として
は、脂肪酸アミド、N−置換脂肪酸アミド、ケトン化合
物、尿素化合物、エステル類等が挙げられる。
【0022】本発明のカラー記録材料における赤外感光
記録層は、実質的に透明である方が画像品質を向上させ
ることができる。この場合には、カプラー及び発色助剤
を固体分散させるのではなく、水に難溶性又は不溶性の
有機溶剤に溶解せしめた後、これを水溶性高分子を保護
コロイドとして及び必要に応じて更に界面活性剤を含有
する水相と混合し、乳化分散した分散物の形で使用す
る。乳化分散を容易にする観点から、界面活性剤を用い
ることが好ましい。
【0023】次に、電子供与性染料前駆体(発色剤)と
電子受容性化合物(顕色剤)の組み合わせについて、詳
述する。電子供与性染料前駆体としてはトリアリールメ
タン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジン系
化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合物等
が挙げられるが、特にトリアリールメタン系化合物及び
キサンテン系化合物が、発色濃度が高いので有用であ
る。これらの物質の具体例については特開昭61−24
495号に詳細に記載されている。下記に代表的な化合
物を示すが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。
【0024】3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド(即ちクリスタルバ
イオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルア
ミノ)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)
−3−(1,3−ジメチルインドール−3−イル)フタ
リド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2
−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(o−
メチル−p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メ
チルインドール−3−イル)フタリド、4,4’−ビス
(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、
N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−
トリクロロフェニルロイコオーラミン、ローダミン−B
−アニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロアニリ
ノ)ラクタム、ローダミン−B−(p−クロロアニリ
ノ)ラクタム、2−ベンジルアミノ−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−アニリノ−6−ジエチルアミノフル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミ
ノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロ
ヘキシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−
(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−オクチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン、ベンゾイルロイコメチレ
ンブルー、p−ニトロベンジルロイコメチレンブルー;
3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−ス
ピロ−ジナフトピラン、3,3’−ジクロロ−スピロ−
ジナフトピラン、3−ベンジル−スピロ−ジナフトピラ
ン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等がある。
【0025】これらの電子供与性無色染料と組み合わせ
る電子受容性化合物としては、フェノール化合物、有機
酸もしくはその金属塩、オキシ安息香酸エステル等の酸
性物質が用いられる。電子受容性化合物の例としては、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン
(一般名ビスフェノールA)、2,2−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジクロロフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−
メチル−ペンタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)−2−エチル−ヘキサン、1,1−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,4−ビス(p−
ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、1,3−ビス
(p−ヒドロキシフェニルクミル)ベンゼン、ビス(p
−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(3−アリル
−4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ビス(p−ヒ
ドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル等のビスフェ
ノール類、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル
酸、3,5−ジ−ターシャリーブチルサリチル酸、3−
α−α−ジメチルベンジルサリチル酸、4−(β−p−
メトキシフェノキシエトキシ)サリチル酸等のサリチル
酸誘導体、またはその多価金属塩(特に亜鉛、アルミニ
ウムが好ましい)、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジルエ
ルテル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシル
エステル、β−レゾルシン酸−(2−フェノキシエチ
ル)エステル等のオキシ安息香酸エステル類、p−フェ
ニルフェノール、3,5−ジフェニルフェノール、クミ
ルフェノール、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ
−ジフェニルスルフォン、4−ヒドロキシ−4’−フェ
ノキシ−ジフェニルスルフォン等のフェノール類が挙げ
られ、単独もしくは2種以上混合して用いられる。この
なかで発色性向上の目的にはビスフェノール類が好まし
い。顕色剤は発色剤の50〜800重量%使用すること
が好ましく、さらに好ましくは100〜500重量%で
ある。
【0026】本発明において電子供与性染料前駆体と電
子受容性化合物の組み合わせを用いる場合は発色剤と顕
色剤の発色反応を促進し、より少ない熱エネルギーでの
記録を可能にするため必要に応じて増感剤を併用しても
よい。増感剤の例を挙げると、p−ベンジルオキシ安息
香酸ベンジル、β−ナフチル−ベンジルエーテル、ステ
アリン酸アミド、ステアリル尿素、p−ベンジルビフェ
ニル、ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メ
トキシフェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メ
チルベンジル)エーテル、α−ナフチル−ベンジルエー
テル、1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエ
ーテル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフ
ェニルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−ターシ
ャリーオクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2
−(4−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−
2−(4−クロルフェノキシ)エタン、1,4−ブタン
ジオールフェニルエーテル、ジエチレングリコール−ビ
ス−(4−メトキシフェニル)エーテル、4−エトキシ
フェニル−p−クロルベンジルエーテル、1(4−メト
キシ−フェノキシ)−2−フェノキシ−プロパン、1,
3−ビス−(4−メトキシフェノキシ)プロパン、3−
メチル−4−クロルフェニル−p−メトキシベンジルエ
ーテル、3,5−ジメチル−4−クロルフェニル−p−
メトキシベンジルエーテル、4−クロルフェニル−p−
メトキシベンジルエーテル、1−フェノキシ−2(4−
メトキシ−フェノキシ)−プロパン、シュウ酸ジベンジ
ルエステル、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)エステ
ル等が挙げられる。これらの増感剤は、単独あるいは混
合して用いられる。十分な熱応答性を得るためには、顕
色剤に対し、10〜200重量%使用することが好まし
く、さらに好ましくは20〜200重量%である。増感
剤はあらかじめ発色剤ないし顕色剤と熱共融物を作成し
た後使用しても良い。
【0027】本発明において使用する発色成分である電
子供与性染料前駆体(発色剤)と電子受容性化合物(顕
色剤)は、単に感熱層中に固体分散して用いてもよい
が、感熱層の透明性向上の観点、常温で発色成分の接触
を防止するといった記録前の材料保存性の観点(カブリ
防止)、および希望のレーザーエネルギーで発色させる
ような感度制御の観点等から、発色剤および顕色剤を各
々異なるマイクロカプセルに内包せしめて用いるか、発
色剤または顕色剤のいずれか一方をマイクロカプセル化
し、他方を固体分散するか、あるいは水に不溶性または
難解性の有機溶剤に溶解せしめた後、これを水溶性高分
子を保護コロイドとして必要に応じて更に界面活性剤を
含有する水相と混合し、乳化分散した分散物の形で使用
する。乳化分散を容易にする観点から、界面活性剤を用
いることが好ましい。
【0028】本発明のジアゾ化合物や電子供与性無色染
料を含有させたマイクロカプセルは、界面重合法、内部
重合法、外部重合法など例えば特開昭59−19088
6号に記載の方法で調製することができる。マイクロカ
プセルの壁を形成するポリウレア、ポリウレタンは相当
するモノマーを上記記載の方法で重合して得ることがで
きるが、モノマーの使用量は該マイイクロカプセルの平
均粒径0.3μ〜12μ、壁厚0.01〜0.3になる
ように決定される。また、ジアゾ化合物や電子供与性無
色染料は、0.05〜5.0g/m2 塗布することが
好ましい。
【0029】本発明で使用するマイクロカプセルの製造
には、界面重合法、内部重合法、外部重合法のいずれの
方法も採用することができるが、特に、ジアゾニウム
塩、電子供与性無色染料等を含有した芯物質を、水溶性
化合物を溶解した水溶液中で乳化した後、その油滴の周
囲に高分子物質の壁を形成させる界面重合法を採用する
ことが好ましい。高分子を形成するリアクタントは、油
滴の内部にも又は油滴の外部にも添加することができ
る。
【0030】高分子物質の具体例としては、ポリウレタ
ン、ポリウレア、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂、ポリスチレン、スチレンメタクリレート共重合体、
スチレン−アクリレート共重合体等が挙げられる。好ま
しい高分子物質はポリウレタン、ポリウレア、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネートであり、特に好ま
しくは、ポリウレタン及びポリウレアである。高分子物
質は2種以上併用することもできる。
【0031】前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えば、ポリウレアをカプセル壁材とし
て用いる場合には、ジイソシアナート、トリイソシアナ
ート、テトライソシアナート、ポリイソシアナートプレ
ポリマー等のポリイソシアナートと、ジアミン、トリア
ミン、テトラアミン等のポリアミン、アミノ基を2個以
上含むプレポリマー、ピペラジンもしくはその誘導体ま
たはポリオール等とを、水系溶媒中で界面重合法によっ
て反応させることにより容易にマイクロカプセル壁を形
成させることができる。また、例えばポリウレアとポリ
アミドからなる複合壁もしくはポリウレタンとポリアミ
ドからなる複合壁は、例えばポリイソシアナートと酸ク
ロライドもしくはポリアミンとポリオールを用い、反応
液となる乳化媒体のpHを調整した後、加温することに
より調整することができる。これらのポリウレアとポリ
アミドからなる複合壁の製造方法の詳細については、特
開昭58−66948号公報に記載されている。
【0032】さらに、本発明のジアゾ化合物や電子供与
性無色染料を含有させたマイクロカプセルは、常圧で4
0°C以上95°C以下の沸点をもつ非水溶媒に芯物質
及び互いに反応して高分子物質を生成する同種または異
種の化合物を溶解した溶液を、親水性保護コロイド溶液
中に分散乳化後、反応容器を減圧にしながら系を昇温し
て非水溶媒を留去させ油滴表面に壁形成物質を移動さ
せ、かつ油滴表面で重付加及び重縮合による高分子生成
反応を進行させて壁膜を形成させて製造された実質的に
溶媒を含まないマイクロカプセルを用いてもよい。
【0033】本発明で使用するマイクロカプセルの芯物
質には赤外光吸収物質を含有させることもできる。それ
らは、マイクロカプセルの外部に、あるいはマイクロカ
プセル壁中に含有せしめても良い。同時に2箇所以上に
含有せしめても良い。
【0034】本発明に用いられるカップリング成分、塩
基性物質、その他の発色助剤は、サンドミル等により水
溶性高分子とともに固体分散して用いることもできる。
好ましい水溶性高分子としては、マイクロカプセルを調
製する時に用いられる水溶性高分子が挙げられる(例え
ば、特開昭59−190886号参照)。この場合、水
溶性高分子溶液に対してジアゾ化合物、カップリング成
分、発色助剤はそれぞれ5〜40重量%になるように投
入される。分散された粒子サイズは10μ以下になるこ
とが好ましい。
【0035】本発明において使用する赤外光吸収物質に
ついて詳述する。本発明において使用する赤外光吸収物
質としては、水溶液あるいは有機溶媒に溶解された状態
で、可視光領域の吸収が小さく赤外光領域の吸収が特に
大きいという色素が好ましいが、それ以外にも水溶液状
態では可視光領域に吸収極大波長を有して着色していて
も、該水溶液の水分を除き、乾燥状態にした場合には、
色素の化学構造に基づく分子の存在状態の変化によって
可視光領域の吸収極大波長が長波側へ、即ち赤外領域へ
シフトするような色素も好ましい。このような色素を記
録層に添加した場合には、塗布時には着色していても、
記録層が乾燥された後には無色化するので、記録材料の
地肌を白色または無色に近くすることが可能である上、
赤外光の吸収効率を向上させることもできるからであ
る。シアニン系色素は、特にこのような特性をもってお
り本発明にとってはより好ましい。シアニン系色素は勿
論、そのような特性を持たない色素であっても、非感光
性ハロゲン化銀微粒子に色素を吸着させる方法、高沸点
オイルに色素を溶解し乳化分散する方法、色素を微粒子
状として固体分散させる方法、色素を会合体(凝集体と
いう)として存在させる方法等により吸収極大波長を赤
外領域へシフトさせることができる。これらの方法の中
でも、感熱記録材料の製造適性の観点から、染料を水に
溶解させて水溶液とした後、該水分を除き、感熱層中に
凝集体として存在せしめる方法が好ましい。
【0036】本発明において、使用する赤外レーザーの
発振波長と20nm以上吸収極大波長が異なる赤外吸収
物質を用いると、赤外光吸収物質が吸収する赤外光エネ
ルギーの吸収効率が低下してしまうために変換される熱
エネルギーがそれに応じて小さくなり、該赤外感光記録
層は発色することができない。本発明において、特に好
ましく使用される赤外光吸収物質の具体例を下記に示
す。
【0037】(1)シアニン系色素:
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】但し、nは2または3である。
【0041】
【化3】
【0042】但し、Rは水素原子またはジメチルアミノ
基である。
【0043】
【化4】
【0044】但し、Aは下記の式で表される基である。
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】また、Bは下記の式で表される基である。
【0052】
【化11】
【0053】
【化12】
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】
【化16】
【0058】上記の(化5)〜(化16)において、R
はアルキル基、Xは対イオンであり、ベンゼン環または
ナフタレン環には塩素原子、アルキル基、アルコキシ基
またはアリール基で置換されていてもよく、nは0〜3
の整数である。
【0059】
【化17】
【0060】但し、Rはアルキル基であり、Xはハロゲ
ン原子である。
【0061】
【化18】
【0062】但し、Rは置換または未置換のアルキル
基、アルコキシ基、またはアルケニル基を、Xは水素原
子またはハロゲン原子を、Yはハロゲン原子、パークロ
レート、置換または未置換のベンゼンスルホネート、パ
ラトルエンスルホネート、メチルスルフェート、エチル
スルフェート、ベンゼンカルボキシレート、メチルカル
ボキシレートまたはトリフルオロメチルカルボキシレー
トを、nは0〜3の整数を表す。
【0063】
【化19】
【0064】但し、R1 、R2 及びR3 はそれぞれ置換
または未置換のアルキル基であって、互いに同じであっ
ても異なっていてもよく、X−は過ハロゲン酸イオン、
トルエンスルホン酸イオンまたはアルキル硫酸イオンで
ある。nは0〜3の整数であり、インドレニン環の4
位、5位、6位及び7位のうち少なくとも一つにハロゲ
ン原子が存在するとともに、場合によっては他の位置に
更にハロゲン原子が存在してもよい。または、場合によ
り、ベンゼン環は、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロ
キシ基、アリル基またはアリルカルボニル基で置換され
ていてもよい。
【0065】
【化20】
【0066】但し、A1 及びA2 はそれぞれ水素原子、
置換または未置換のアルキル基であり、Zは5員の複素
環を形成するのに必要な原子団、R1 、R3 、R4 、R
5 はそれぞれ水素原子、置換または未置換のアルキル基
であり、R5 は、Zとともに6員の複素環を形成しても
良い。R2 は、置換または未置換のメチン基または窒素
原子を表し、X−はハロゲンイオン、パークロレート、
置換または未置換のベンゼンスルホネート、パラトルエ
ンスルホネート、メチルスルフェート、エチルスルフェ
ート、ベンゼンカルボキシレート、メチルカルボキシレ
ートまたはトリフルオロメチルカルボキシレートであ
り、nは0〜2の整数である。
【0067】
【化21】
【0068】
【化22】
【0069】
【化23】
【0070】但し、Φ及びΨはそれぞれ芳香族環が縮合
していてもよいどインドール環、チアゾール環残基、オ
キサゾール環残基、セレナゾール環残基、イミダゾール
環残基またはピリジン環残基であり、Lはモノカルボシ
アニン、ジカルボシアニン、トリカルボシアニンまたは
テトラカルボシアニンを形成するための連結基であり、
mは0または1である。
【0071】(2)スクワリウム系色素:
【0072】
【化24】
【0073】
【化25】
【0074】(3)インドフェノール系色素:
【0075】
【化26】
【0076】但し、X及びYはそれぞれ水素原子、アル
キル基、アルコキシ基またはハロゲン原子であり、
1 、R2 及びR3 はそれぞれ水素原子、C1 〜C20
置換または未置換のアルキル基、アリール基、複素環ま
たはシクロアルキル基であり、Aは−NHCO−または
−CONH−である。
【0077】(4)金属錯塩系色素:
【0078】
【化27】
【0079】但し、R1 〜R4 はそれぞれアルキル基ま
たはアリール基であり、Mは二価の遷移金属原子(Ni
など)である。
【0080】
【化28】
【0081】但し、R1 及びR2 はそれぞれアルキル基
またはハロゲン原子であり、Mは二価の遷移金属原子
(Niなど)である。
【0082】
【化29】
【0083】但し、R1 及びR2 はそれぞれ置換または
未置換のアルキル基またはアリール基であり、R3 はア
ルキル基、ハロゲン原子または−N(R4 )(R5 )基
(ここで、R4 及びR5 はそれぞれ置換または未置換の
アルキル基またはアリール基である)、Mは二価の遷移
金属原子(Niなど)、nは0〜3の整数である。
【0084】
【化30】
【0085】但し、[Cat]は錯塩を中性ならしめる
ために必要な陽イオン、MはNi、Cu、Co、Pdま
たはPtであり、nは1または2である。
【0086】
【化31】
【0087】但し、[Cat]は錯塩を中性ならしめる
ために必要な陽イオン、MはNi、Cu、Co、Pdま
たはPtであり、nは1または2である。
【0088】
【化32】
【0089】但し、Xは水素原子、臭素原子またはメチ
ル基であり、nは1〜4の整数であり、Aは第四級アン
モニウム基である。
【0090】
【化33】
【0091】但し、X1 及びX2 はそれぞれニトロ基ま
たはハロゲン原子であり、m及びnはそれぞれ1〜3の
整数、R1 及びR2 はそれぞれアミノ基、モノアルキル
アミノ基、ジアルキルアミノ基、アセチルアミノ基、ベ
ンゾイルアミノ基(置換ベンゾイルアミノ基を含む)で
あり、X1 とX2 、mとn及びR1とR2はそれぞれ互
いに同じであっても異なっていてもよく、MはCrまた
はCo原子であり、Y+は水素、ナトリウム、カリウ
ム、アンモニウム、脂肪族アンモニウム(置換脂肪族ア
ンモニウムを含む)または脂肪族アンモニウムである。
【0092】(5)ナフトキノン系、アントラキノン系
色素:
【0093】
【化34】
【0094】但し、Rは水素原子、アルキル基、アリー
ル基、アミノ基または置換アミノ基である。
【0095】
【化35】
【0096】但し、Rは水素原子、アルキル基、アリー
ル基、アミノ基または置換アミノ基である。
【0097】
【化36】
【0098】但し、Rは水素原子、アルキル基、アリー
ル基または置換アミノ基である。
【0099】
【化37】
【0100】但し、Xはハロゲン原子であり、nは0〜
10の整数である。
【0101】
【化38】
【0102】但し、Xはハロゲン原子である。
【0103】
【化39】
【0104】
【化40】
【0105】式中、Z1 及びZ2 は環を形成するための
非金属原子群、R1 及びR2 はアルキル基、R3 及びR
5 は各々水素原子又は連結して5員環を形成するのに必
要な原子、R4 は水素原子または1価の基、X−はハロ
ゲンイオン、パークロレート、置換または未置換のベン
ゼンスルホネート、パラトルエンスルホネート、メチル
スルフェート、エチルスルフェート、ベンゼンカルボキ
シレート、メチルカルボキシレートまたはトリフルオロ
メチルカルボキシレートである。
【0106】
【化41】
【0107】式中、Zはベンゼン環、ナフタレン環又は
複素芳香族環を形成するための非金属原子群、Tは5又
は6員環を形成するのに必要な原子、QはNとCとを連
結して5、6もしくは7員環を形成するための原子団、
Lは5もしくは7個のメチン基が共役二重結合によって
連結されて生じる3価の連結基、X- はハロゲンイオ
ン、パークロレート、置換または未置換のベンゼンスル
ホネート、パラトルエンスルホネート、メチルスルフェ
ート、エチルスルフェート、ベンゼンカルボキシレー
ト、メチルカルボキシレートまたはトリフルオロメチル
カルボキシレートである。
【0108】
【化42】
【0109】式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、アリール基又はピリジン環に縮
合するベンゼン環、R1 及びR2 は水素原子、アルキル
基又はアリール基、Zは末端に窒素原子又は酸素原子を
もつ、ピロコリン核の窒素原子との間に共役を完成する
のに必要な原子団である。
【0110】
【化43】
【0111】式中、Z1 及びZ2 は互いに連結して環を
形成するか、または互いに同一でも異なっていてもよい
アルキル基、アリール基又はアルケニル基、Qは窒素原
子又は置換、非置換のメチン基、R1 、R2 及びR3
これらの少なくとも一つの基がLと連結して環を形成す
るか、または互いに同一でも異なっていてもよいアルキ
ル基、アリール基又はアルケニル基、Lは置換、非置換
のメチン基、又はこれらの3、5もしくは7個が共役二
重結合を形成するように連結されてなる三価の基、Gは
5又は6員環を形成するために必要な原子団、X- はハ
ロゲンイオン、パークロレート、置換または未置換のベ
ンゼンスルホネート、パラトルエンスルホネート、メチ
ルスルフェート、エチルスルフェート、ベンゼンカルボ
キシレート、メチルカルボキシレートまたはトリフルオ
ロメチルカルボキシレートである。
【0112】
【化44】
【0113】式中、Z1 及びZ2 は含窒素複素環を形成
するのに必要な原子群、Z3 は5又は6員環を形成する
のに必要な2価の炭化水素基、R1 及びR2 は水素原子
又はアルキル基、Aは酸素原子、硫黄原子、イミノ基、
l、m及びnは0又は1、p及びqは、0、1又は2で
ある。
【0114】
【化45】
【0115】式中、Lはメチン基又はこれらが共役二重
結合で連結されてなるトリメチン鎖もしくはペンタメチ
ン鎖、Eは酸素原子、硫黄原子、NR4 、R1 及びR4
は互いに連結して環を形成するか、または互いに同一で
も異なっていてもよいアルキル基、アリール基、アルケ
ニル基、アルキニル基、複素環基、アミノ基、ヒドラジ
ノ基、R2 は水素原子、アルキル基、アリール基、アル
ケニル基、アルキニル基又は複素環基、R3 は水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カル
ボキシル基及びその塩、アルキル基、アリール基、アル
ケニル基、アルキニル基、複素環基又は酸素原子、硫黄
原子、窒素原子、カルボニル基により連結された置換基
である。
【0116】
【化46】
【0117】式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子、ア
ルキル基、、ハロゲン原子又は酸素原子、硫黄原子、窒
素原子、カルボニル基、スルホニル基により連結された
置換基、nは0〜3、R4 及びR5 は互いに結合して環
を形成するか、または互いに同一でも異なっていてもよ
い水素原子、アルキル基又はアリール基、R6 及びR7
はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシルア
ミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基又はウレイド
基、Xはシアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基又はスルホニル基、Arはアリール
基又はヘテロアリール基である。
【0118】
【化47】
【0119】式中、R1 及びR2 はアルキル基、アリー
ル基、シクロアルキル基又はヘタリール基、R3
4 、R5 、R6 及びR7 はこれらの任意の2つが互い
に結合して5〜7員の脂肪環又は複素環を形成するか、
または互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ア
ルキル基、アリール基、ヘタリール基、ハロゲン原子、
シアノ基又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子、カルボニ
ル基、スルホニル基により連結された置換基、Yは酸素
原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子、窒素原子又
はリン原子、A及びZは、各々独立に脂肪環又は複素環
を形成するのに必要な原子、但し、Yが窒素原子又はリ
ン原子の場合は、Zは環状構造を形成するのに必要な原
子、nは0〜2、X- はハロゲンイオン、パークロレー
ト、置換または未置換のベンゼンスルホネート、パラト
ルエンスルホネート、メチルスルフェート、エチルスル
フェート、ベンゼンカルボキシレート、メチルカルボキ
シレートまたはトリフルオロメチルカルボキシレートで
ある。
【0120】
【化48】
【0121】式中、Rはアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基又はヘタリール基、R1、R2 、R3
4 及びR5 はこれらの任意の2つが互いに結合して5
〜7員の脂肪環又は複素環を形成するか、または互いに
同一でも異なっていてもよい水素原子、アルキル基、ア
リール基、ヘタリール基、ハロゲン原子、シアノ基又は
酸素原子、硫黄原子、窒素原子、カルボニル基、スルホ
ニル基により連結された置換基である。Aは−CO
6 、−CO2 6 、−CONHR6 、−CON
(R62 、−SO2 6 、−SO2 NHR6 、−SO
2 N(R6 )2、−SR6 又は−CNであり、Bは−N
HR6 、−N(R6 2 、−OR6 、−SR6 又はR6
であるか、あるいは、AとBとが互いに結合もしくはR
3 もしくはR4 と結合して5〜7員の脂肪環又は複素環
を形成してもよい。R6 はアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基又はヘタリール基、Yは5又は6員環を
形成するのに必要な原子、Zは5〜7員の脂肪環又は複
素環を形成するのに必要な原子団、nは0〜5である。
【0122】
【化49】
【0123】式中、R1 、R2 、R3 及びR4 はこれら
の任意の2つが互いに結合して5〜7員の脂肪環又は複
素環を形成するか、または互いに同一でも異なっていて
もよい水素原子、アルキル基、アリール基、ヘタリール
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又は酸素原
子、硫黄原子、窒素原子、カルボニル基、スルホニル基
により連結された置換基、あるいは、R5 、R6
7 、もしくはR8 と結合して5〜7員の脂肪環又は複
素環を形成してもよい。R5 、R6 、R7 、及びR8
これらの任意の2つが互いに結合して5〜7員の脂肪環
又は複素環を形成するか、または互いに同一でも異なっ
ていてもよい水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アリール基またはヘタリール基、n及びmは1〜4
である。
【0124】
【化50】
【0125】式中、Rは水素原子、アルキル基、アリー
ル基、ヘタリール基、ハロゲン原子、シアノ基又は酸素
原子、硫黄原子、窒素原子、カルボニル基、スルホニル
基により連結された置換基、Zは5〜7員の窒素含有複
素環、芳香環又は融合環を形成する原子団、nは0〜2
である。
【0126】本発明で使用する赤外光吸収物質は、複写
材料の地肌の白色度を高めると共に、赤外光の吸収効率
を高める観点から、該色素の水溶液の吸収極大波長より
50nm以上長波長であって且つ700〜1300nm
の範囲に吸収極大波長を有する状態で記録層に含有され
ることが好ましい。
【0127】上記の状態にする方法としては、非感光性
ハロゲン化銀微粒子に赤外光吸収物質を吸着させる方
法、高沸点オイルに該光吸収物質を溶解し乳化分散する
方法、該物質を微粒子状として固体分散させる方法、該
物質を会合体(凝集体ともいう)として存在させる方法
等がある。これらの方法の中でも、カラー記録材料の製
造適性の観点から、赤外光吸収物質を水に溶解させて水
溶液とした後、該水分を除き、記録層中に凝集体として
存在せしめる方法が好ましい。
【0128】本発明で使用する赤外光吸収物質は、各記
録層毎に0.01〜5g/m2 、好ましくは0.05〜
2g/m2 になるように含有される。これらの赤外光吸
収物質は、それぞれの吸収極大波長における光学濃度と
して、少なくとも0.5、好ましくは1.0以上となる
ように記録層中に存在することが、赤外光を有効に吸収
するために必要である。
【0129】本発明のカラー記録材料は、発色成分及び
赤外光吸収物質やその他の添加物を含有した塗布液を調
製し、紙や合成樹脂フィルム等の支持体の上に公知の塗
布方法、例えば、原崎勇次著「コーティング工学」25
3頁(1987年朝倉書店発行)に記載の方法から選択
し、逐次多層もしくは同時多層塗布により記録層を設け
る。
【0130】本発明のカラー記録材料においては、記録
層液を安全かつ均一に塗布するとともに、塗膜の強度を
保持するために、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉類、ゼ
ラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリスチレン及
びその共重合体、ポリエステル及びその共重合体、ポリ
エチレン及びその共重合体、エポキシ樹脂、アクリレー
ト及びメタアクリレート系樹脂及びその共重合体、ポリ
ウレタン樹脂並びにポリアミド樹脂等を塗布時にバイン
ダーとして追添加して使用することもできる。
【0131】また、本発明のカラー記録材料において
は、物理的な力(折れ、ひっかき、こすれなど)や水分
の付着などによる塗膜の破壊を防ぐために、これらのバ
イダーと化学的に結合して塗膜の強度を発現させる物
質、例えば、ポリビニルアルコールに対するホウ酸やゼ
ラチンに対するジアルデヒド類、ジビニルスルホン類な
どを併用することも好ましい。
【0132】さらに、支持体の上に特開昭61−549
80号公報等に記載した中間層を設けた後、記録層を塗
布することもできる。
【0133】本発明に使用される支持体としては、透明
なもの、不透明なものいずれも使用することができる。
それらのものとして、紙、合成紙、紙に高分子フイルム
をラミネートしたもの、アルミ蒸着ベース、高分子フィ
ルムに白色顔料をコートしたもの、高分子フィルムにさ
らに異種の高分子フィルムをラミネートしたもの、等を
挙げることができる。支持体に用いられる紙としては通
常の感圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複写紙などに
用いられる紙支持体はいずれも使用することができる他
アルキルケテンダイマー等の中性サイズ剤によりサイジ
ングされた、熱抽出pHが6〜9の中性紙(例えば、特
開昭55−14281号)を用いることもできる。
【0134】また、支持体に用いられる紙以外のものと
しては、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテ
レフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セルロ
ースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
フィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィ
ルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフ
ィルム、ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカーボ
ネートフィルム等が挙げられ、これらを単独或いは貼り
合わせて用いることができる。支持体の厚みとしては、
10〜200μのものが用いられるが、必要に応じて耐
熱処理、帯電防止処理を施したものが好ましい。
【0135】本発明においては、支持体から記録層が剥
離することを防止するため、記録層を支持体上に塗布す
る前に、支持体に下塗り層を設けることが好ましい。下
塗層の素材としては、ゼラチンや合成高分子ラテック
ス、ニトロセルロース等が用いられる。下塗層の塗布量
は0.1g/m2 〜2.0g/m2 の範囲にあることが
好ましく、特に0.2g/m2 〜1.0g/m2 の範囲
が好ましい。
【0136】本発明のカラー記録材料の赤外感光記録層
において、赤外光を吸収して熱に変換させることのでき
る前記赤外光吸収物質がマイクロカプセルの内部、外部
および壁内部のいずれか1箇所以上に含有している場合
は、前記赤外光吸収物質が照射された赤外光を吸収して
そのエネルギーを熱エネルギーに変換する。これにより
前記マイクロカプセルが加熱されて物質透過性となり、
マイクロカプセル内外の反応物質がマイクロカプセル壁
を透過接触して発色する。
【0137】本発明で用いられるレーザービームは、赤
外領域にその波長を持つものが使用される。その具体例
としては、ヘリウム−ネオンレーザー、アルゴンレーザ
ー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、、YLFレー
ザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが挙げられ
る。
【0138】
【発明の効果】支持体上に、赤外光を吸収して発色する
赤外感光記録層を少なくとも2層設けた記録材料におい
て、該記録層が各々波長の異なる赤外光を吸収して、異
なる色相に発色することができることを特徴とする赤外
感光性カラー記録材料を用いると、発振波長の異なるレ
ーザーを使用し、記録材料の受けるエネルギーを調整し
ながらレーザーを照射することにより、白地部の着色が
ほとんどなく、しかも混色のない多色カラー画像が得ら
れた。
【0139】
【実施例】本発明の効果を一層明確なものとするため
に、以下に、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色から
なるフルカラー記録材料の作製例を実施例として、示す
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例において「%」は、特に記載のない限り
「重量%」を意味するものとする。
【0140】(実施例1) (1)シアン記録層液の調製 (電子供与性染料前駆体を含有するカプセル液の調製)
クリスタルバイオレトラクトン(電子供与性染料前駆
体)3部を酢酸エチル20部に溶解させた後、これにア
ルキルナフタレン(高沸点溶媒)20部を添加し、加熱
して均一に混合した。得られた溶液に、キシリレンジイ
ソシアナート/トリメチロールプロパンの1/3付加物
(タケネートD−110N:武田薬品工業株式会社製の
商品名)15部を添加して均一に撹拌した後、フタル化
ゼラチン6%水溶液54部中に、ドデシルスルホン酸ナ
トリウム2%水溶液2部を添加した溶液に加え、ホモジ
ナイザーを用いて乳化分散した。得られた乳化分散液に
水68部を加え、混合して均一にした後、該混合液を撹
拌しながら40℃に加熱し、マイクロカプセルの平均粒
子径が1.6μmとなるようにカプセル化反応を3時間
行わせてカプセル液を得た。
【0141】(電子受容性化合物分散液の調製)ビスフ
ェノールA(顕色剤)30部をゼラチン4%水溶液15
0部に投入し、平均粒子径が1.2μmとなるようにボ
ールミルを使用して24時間分散し、分散液を得た。
【0142】(赤外光吸収色素溶液の調製)下記化51
で表される赤外光吸収色素(メタノール溶液中でλma
x720nm)1.5gを蒸留水に溶解し100gとし
た。この水溶液10gをゼラチン4%水溶液50gと混
合、1時間撹拌した。
【0143】
【化51】
【0144】(塗布液の調製)電子供与性染料前駆体を
含有するカプセル液50部と電子受容性化合物分散液1
00部を混合し、さらに赤外光吸収色素溶液30部を加
えてシアン感熱記録層塗布液を得た。
【0145】(2)マゼンタ記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)4−N−
(2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ブ
チリル)ピペラジノベンゼンジアゾニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート(ジアゾ化合物:365nmの波長の
光で分解)2.0部を、酢酸エチル20部に溶解した後
更にアルキルナフタレン20部を添加し、加熱して均一
に混合した。得られた溶液にキシリレジンイソシアナー
ト/トリメチロールプロパンの1/3の付加物(カプセ
ル壁剤)15部を添加し、均一に混合してジアゾ化合物
の溶液を得た。
【0146】得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化
ゼラチン6%水溶液54部とドデシルスルホン酸ナトリ
ウムの2重量%水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホ
モジナイザーを使用して乳化分散した。得られた乳化分
散液に水68部を加えて均一に混合し、撹拌しながら4
0℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.1μmとな
るように3時間カプセル化反応を行わせてカプセル溶液
を得た。
【0147】(カプラー分散液の調製)1−(2’−オ
クチルフェニル)−3−メチル−5−ピラゾロン(カプ
ラー)30部を、ゼラチン4%水溶液150部中に投入
した後、ボールミルを用いて24時間分散し、カプラー
の平均粒子径が1.2μmの分散液を得た。
【0148】(赤外光吸収色素溶液の調製)下記化52
で表される赤外光吸収色素1.0gを蒸留水に溶解し1
00gとした。濃度10-5Mに希釈して島津スペクトロ
フォトメータで測定したところ最大吸収波長は650n
mであった。この1%水溶液10gをゼラチン4%水溶
液50gと混合、1時間撹拌した。
【0149】
【化52】
【0150】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有する
カプセル液とカプラー分散液をジアゾニウム化合物/カ
プラーが重量比で2/3となるように混合し,さらに赤
外光吸収色素溶液50部を加えて、塗布液を得た。
【0151】(3)イエロー記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)2,5−
ジブトキシ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキ
サフルオロフォスフェート(ジアゾ合物:420nmの
波長の光で分解)3.0部を酢酸エチル20部に溶解し
た後、これに高沸点溶媒としてアルキルナフタレン20
部を添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液
に、カプセル壁剤としてキシリレンジイソシアナート/
トリメチロールプロパンの1/3付加物を15部添加
し、均一に混合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【0152】得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化
ゼラチンの6重量%水溶液54部とドデシルスルホン酸
ナトリウム水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジ
ナイザーを用いて乳化分散した。得られた乳化分散液に
水68部を加えて均一に混合した溶液を、更に攪拌しな
がら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が1.0μ
mとなるように3時間カプセル化反応を行わせてカプセ
ル溶液を得た。
【0153】(カプラー分散液の調製)2−クロロ−5
−(3−(2,4−ジ−tert−ペンチル)フェノキ
シプロピルアミノ)アセトアセトアニリド2部及び1,
2,3−トリフェニルグアニジン10部を、ゼラチン4
重量%水溶液200部中に投入し、ボールミルを用い2
4時間分散し、カプラーの平均粒子径が1.2μmの分
散液を得た。
【0154】(赤外光吸収色素溶液の調製)下記化53
で表される赤外光吸収色素(メタノール溶液中でλma
x700nm)1.8gを蒸留水に溶解し100gとし
た。この1%水溶液10gをゼラチン4%水溶液50g
と混合、1時間撹拌した。
【0155】
【化53】
【0156】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有する
カプセル液とカプラー分散液とを、ジアゾニウム化合物
/カプラーの比が重量比で2/3となるように混合し、
さらに赤外光吸収色素溶液50部を加えて、塗布液を得
た。
【0157】(4)中間層液の調製 ゼラチン15重量%水溶液10部に、ポリアクリル酸
(商品名ジュリマーAC−10L:日本純薬株式会社
製)の15%水溶液3部を加えて均一に混合し、中間層
液を得た。
【0158】(5)保護層液の調製 イタコン酸変性ポリビニルアルコール(KL−318:
クラレ株式会社製の商品名)の6%水溶液100gと、
エポキシ変性ポリアミド(FL−71:東邦化学株式会
社製の商品名)の30%分散液10gとを混合した液
に、ステアリン酸亜鉛40%分散液(ハイドリンZ:中
京油脂株式会社製の商品名)15gを添加して保護層液
を得た。
【0159】(6)紫外線吸収剤層液の調製 2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール10部、2−(5
−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール26部及び2−(3−t−ブチル−5−sec−
ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
47部(何れも紫外線吸収剤)を、各々トリノニルフォ
スフェート(高沸点溶媒)42部と酢酸エチル47部と
を混合した溶液に添加して加熱溶解した。得られた溶液
を、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ソーダ10
部を添加したゼラチン8%水溶液1,000部に投入
し、コロイドミルを用いて平均粒子径が0.4μmとな
るように乳化分散した。得られた乳化分散液に、更にゼ
ラチン8%溶液200部を添加して紫外線吸収剤層液を
得た。
【0160】(7)記録材料の作製 上質紙に酸化チタンを含有したポリエチレンで両面ラミ
ネートした支持体の片面上に、支持体側から順にシアン
記録層液、紫外線吸収剤層液、マゼンタ記録層液、中間
層液、イエロー記録層液及び保護層液となるように多層
重層塗布し、乾燥して多色感熱記録材料を得た。塗布量
は、乾燥後の固形分換算で、シアン感熱記録層が6.1
g/m2 、紫外線吸収剤層が2.0g/m2 、マゼ
ンタ感熱記録層が7.8g/m2 、中間層が1.0g
/m2 、イエロー感熱記録層が7.2g/m2 及び
保護層が2.0g/m2 となるように各塗布液を塗布
した。塗布後乾燥し、分光反射スペクトルを測定する
と、シアン記録層は840nm、マゼンタ記録層は81
0nm、イエロー記録層は790nmに吸収極大波長を
有する赤外吸収物質が含有されていることがわかった。
【0161】(8)赤外レーザー記録 得られた記録材料を用い、保護層の側から波長785n
mの半導体レーザー(SONY社製SLD304−1)
を画像様に照射してイエロー記録画像を得た。レーザー
の出力は、1ミリ秒間で40mJ/mm2 のエネルギー
となるように調節した。得られた画像の発色部分の反射
濃度をマクベス濃度計を用いて測定したところ1.45
であった。
【0162】次に、発光中心波長が420nmで出力4
0Wの紫外線ランプ下に10秒間曝し、イエロー記録層
を光定着した後次いで、波長807nmの半導体レーザ
ー(SONY社製SLD304−24)を画像様に照射
してマゼンタ記録画像を得た。レーザーの出力は、1ミ
リ秒間で60mJ/mm2 のエネルギーとなるように調
節した。得られた画像の発色部分の反射濃度をマクベス
濃度計を用いて測定したところ1.60であった。
【0163】更に次に、発光中心波長が365nmで出
力40Wの紫外線ランプ下に15秒間曝し、マゼンタ感
熱記録層を光定着した後、最後に波長830nmの半導
体レーザー(SONY社製SLD304−3)を画像様
に照射してシアン記録画像を得た。レーザーの出力は、
1ミリ秒間で80mJ/mm2 のエネルギーとなるよう
に調節した。得られた画像の発色部分の反射濃度をマク
ベス濃度計を用いて測定したところ1.75であった。
このようにして、イエロー、マゼンタ及びシアンの各発
色画像の他に、イエローとマゼンタの記録が重複した画
像部分は赤色に、マゼンタとシアンの記録が重複した画
像部分は青色に、イエローとシアンの記録が重複した部
分は緑色に、そしてイエロー、マゼンタ及びシアンの記
録が重複した画像部分は黒色に発色した。
【0164】(実施例2) (1)シアン記録層液の調製 (電子供与性染料前駆体を含有するカプセル液の調製)
3−(1−エチル−2−メチルインドール−イル)−3
−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−
アザフタリド(電子供与性染料前駆体)10部を酢酸エ
チル24部に溶解させた後、これにα−イソプロピルフ
ェニル−β−フェニルエタン(高沸点溶媒)14部を添
加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、キシ
リレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの1
/3付加物(タケネートD−110N:武田薬品工業株
式会社製の商品名)20部を添加して均一に撹拌した
後、フタル化ゼラチン8%水溶液70部中に、ドデシル
スルホン酸ナトリウム10%水溶液5部を添加した溶液
に加え、ホモジナイザーを用いて乳化分散した。得られ
た乳化分散液に水20部を加え、混合して均一にした
後、該混合液を撹拌しながら40℃に加熱し、マイクロ
カプセルの平均粒子径が1.3μmとなるようにカプセ
ル化反応を3時間行わせてカプセル液を得た。
【0165】(電子受容性化合物分散液の調製)p−ジ
−(α−ジメチル−α−(p−ヒドロキシフェニル))
ベンゼン(顕色剤)10部を2%W5031部を加えた
ゼラチン4%水溶液150部に投入し、平均粒子径が
0.6μmとなるようにボールミルを使用して24時間
分散し、分散液を得た。
【0166】(赤外光吸収色素溶液の調製)下記化54
で表される赤外光吸収色素2.0gを蒸留水に溶解し1
00gとした。濃度10-5Mに希釈して島津スペクトロ
フォトメータで測定したところ最大吸収波長は807n
mであった。この1%水溶液10gをゼラチン4%水溶
液50gと混合、1時間撹拌した。
【0167】
【化54】
【0168】(塗布液の調製)電子供与性染料前駆体を
含有するカプセル液50部と電子受容性化合物分散液2
00部、ゼラチン15%水溶液15部を混合し、さらに
赤外光吸収色素溶液40部を加えてシアン感熱記録層塗
布液を得た。
【0169】(2)マゼンタ感熱記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)2−ヘキ
シル−4−N−(1−メチル−2−(p−メトキシフェ
ノキシ)エチル−N−ヘキシルアミノベンゼンジアゾニ
ウムヘキサフルオロフォスフェート(ジアゾ化合物:3
65nmの波長の光で分解)10部を、酢酸エチル70
部に溶解した後更にトリクレジルホスフェート10部を
添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液にキシ
リレジンイソシアナート/トリメチロールプロパンの1
/3の付加物(カプセル壁剤)20部を添加し、均一に
混合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【0170】得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化
ゼラチン8%水溶液20部とドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムの10%水溶液2部を混合した溶液に添加
し、ホモジナイザーを使用して乳化分散した。得られた
乳化分散液に水10部を加えて均一に混合し、撹拌しな
がら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が0.5μ
mとなるように3時間カプセル化反応を行わせてカプセ
ル溶液を得た。
【0171】(カプラー乳化分散液の調製)1−(2,
5−ジオクチルフェニル)−3−フェニル−2,4,6
−(1H,3H,5H)−ピリミジントリオン(カプラ
ー)10部を1,2,3−トリフェニルグアニジン10
部と共に酢酸エチル35部に溶解した後、更にトリクレ
ジルホスフェート3部を加え、均一に混合してカプラー
の溶液を得た。得られたカプラー溶液をゼラチン8%水
溶液30部中に添加し、ホモジナイザーで乳化分散し、
平均粒径が0.4μmの乳化分散液を得た。
【0172】(赤外光吸収色素溶液の調製)下記化55
で表される赤外光吸収色素(メタノール溶液中でλma
x720nm)1.5gを蒸留水に溶解し100gとし
た。この水溶液10gをゼラチン4%水溶液50gと混
合、1時間撹拌した。
【0173】
【化55】
【0174】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有する
カプセル液とカプラー乳化分散液をジアゾニウム化合物
/カプラーが重量比で2/3となるように混合し、さら
に赤外光吸収色素溶液50部を加えて、塗布液を得た。
【0175】(3)イエロー感熱記録層液の調製 (ジアゾ化合物を含有するカプセル液の調製)2,5−
ジブトキシ−4−p−クロロフェニルチオベンゼンジア
ゾニウムヘキサフルオロフォスフェート(ジアゾ合物:
420nmの波長の光で分解)4部、2,5−ジブトキ
シ−4−トリルチオベンゼンジアゾニウムヘキサフルオ
ロフォスフェート(ジアゾ合物:420nmの波長の光
で分解)1部を酢酸エチル4部に溶解した後、これに高
沸点溶媒としてイソプロピルフェニルベンゼン10部を
添加し、加熱して均一に混合した。得られた溶液に、カ
プセル壁剤としてキシリレンジイソシアナート/トリメ
チロールプロパンの1/3付加物を5部添加し、均一に
混合してジアゾ化合物の溶液を得た。
【0176】得られたジアゾ化合物の溶液を、フタル化
ゼラチンの8%水溶液15部と2%ドデシルスルホン酸
ナトリウム水溶液2部を混合した溶液に添加し、ホモジ
ナイザーを用いて乳化分散した。得られた乳化分散液に
水3部を加えて均一に混合した溶液を、更に攪拌しなが
ら40℃に加熱し、カプセルの平均粒子径が0.8μm
となるように3時間カプセル化反応を行わせてカプセル
溶液を得た。
【0177】(カプラー乳化分散液の調製)2,5−ジ
ヘプチルオキシアセトアセトアニリド10部及び1,
2,3−トリフェニルグアニジン10部を、酢酸エチル
30部に溶解したものをゼラチン15%水溶液20部中
に添加し、ホモジナイザーを用いて、平均粒子径が0.
3μmになるよう乳化分散した。
【0178】(赤外光吸収色素溶液の調製)下記化56
で表される赤外光吸収色素(メタノール溶液中でλma
x700nm)1.8gを蒸留水に溶解し100gとし
た。この1%水溶液10gをゼラチン4%水溶液50g
と混合、1時間撹拌した。
【0179】
【化56】
【0180】(塗布液の調製)ジアゾ化合物を含有する
カプセル液とカプラー分散液とを、ジアゾニウム化合物
/カプラーの比が重量比で2/3となるように混合し、
さらに赤外光吸収色素溶液50部を加えて、塗布液を得
た。
【0181】(4)中間層液の調製 実施例1と同様にして、中間層液を得た。
【0182】(5)保護層液の調製 実施例1と同様にして、保護層液を得た。
【0183】(6)紫外線吸収剤層液の調製 実施例1と同様にして、紫外線吸収剤層液を得た。
【0184】(7)記録材料の作製 実施例1ど同様にして、ポリエステル支持体(東レ製E
68L)の片面上に公知のゼラチン下塗り層(厚み2
μ)を設けた後、多層重層塗布し、乾燥して多色感熱記
録材料を得た。塗布量は、乾燥後の固形分換算で、シア
ン感熱記録層が4.5g/m2 、紫外線吸収剤層が
3.0g/m2 、マゼンタ感熱記録層が3.8g/m
2 、中間層が2.0g/m2 、イエロー感熱記録層
が5.6g/m 2 及び保護層が2.0g/m2 とな
るように各塗布液を塗布した。塗布後乾燥し、分光反射
スペクトルを測定すると、シアン記録層は950nm、
マゼンタ記録層は840nm、イエロー記録層は790
nmに吸収極大波長を有する赤外吸収物質が含有されて
いることがわかった。
【0185】(8)赤外レーザー記録 得られた記録材料を用い、保護層の側からを波長785
nmの半導体レーザー(SONY社製SLD304−
1)画像様に照射してイエロー記録画像を得た。レーザ
ーの出力は、1ミリ秒間で45mJ/mm2 のエネルギ
ーとなるように調節した。得られた画像の発色部分の反
射濃度をマクベス濃度計を用いて測定したところ1.5
6であった。
【0186】次いで波長830nmの半導体レーザー
(SONY社製SLD304−3)を画像様に照射して
マゼンタ記録画像を得た。レーザーの出力は、1ミリ秒
間で70mJ/mm2 のエネルギーとなるように調節し
た。得られた画像の発色部分の反射濃度をマクベス濃度
計を用いて測定したところ1.80であった。
【0187】最後に、波長980nmの色素レーザー
(Specra Physics社製)を画像様に照射
してシアン記録画像を得た。レーザーの出力は、1ミリ
秒間で100mJ/mm2 のエネルギーとなるように調
節した。得られた画像の発色部分の反射濃度をマクベス
濃度計を用いて測定したところ1.90であった。この
ようにして、イエロー、マゼンタ及びシアンの各発色画
像の他に、イエローとマゼンタの記録が重複した画像部
分は赤色に、マゼンタとシアンの記録が重複した画像部
分は青色に、イエローとシアンの記録が重複した部分は
緑色に、そしてイエロー、マゼンタ及びシアンの記録が
重複した画像部分は黒色に発色した。この発色後のサン
プルは、発光中心波長が365nm、420nmでそれ
ぞれ出力40Wの紫外線ランプ下に15秒間曝すことに
より、不要なジアゾ化合物が光分解し、画像が安定化さ
れる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、赤外光を吸収して発色する
    赤外感光記録層を少なくとも2層設けた記録材料であっ
    て、該記録層は、各々波長の異なる赤外光を吸収して、
    異なる色相に発色することを特徴とする赤外感光性カラ
    ー記録材料。
  2. 【請求項2】 赤外光吸収物質が700〜1300nm
    の範囲に吸収極大を有する状態で記録層に含有されてい
    ることを特徴とする請求項1の赤外感光性カラー記録材
    料。
  3. 【請求項3】 少なくとも2層の赤外感光記録層中に含
    有される赤外光吸収物質の有する吸収極大波長が、少な
    くとも20nm互いに異なっていることを特徴とする請
    求項1の赤外感光性カラー記録材料。
  4. 【請求項4】 少なくとも2層の赤外感光記録層が、赤
    外非感光層によって互いに隔てられて存在することを特
    徴とする請求項1の赤外感光性カラー記録材料。
  5. 【請求項5】 赤外感光記録層が、各々波長の異なる赤
    外光を吸収して、各々、シアン、マゼンタ、イエローの
    3色に発色することを特徴とする請求項1の赤外感光性
    カラー記録材料。
  6. 【請求項6】 発色成分が、ジアゾ化合物とカップリン
    グ成分の組み合わせ又は電子供与性染料前駆体と電子受
    容性化合物の組み合わせであることを特徴とする請求項
    1の赤外感光性カラー記録材料。
  7. 【請求項7】 赤外感光記録層が吸収する赤外光が、赤
    外レーザービームであることを特徴とする請求項1の赤
    外感光性カラー記録材料。
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