JPH0722802A - 伝送線路スイッチ - Google Patents

伝送線路スイッチ

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JPH0722802A
JPH0722802A JP5185602A JP18560293A JPH0722802A JP H0722802 A JPH0722802 A JP H0722802A JP 5185602 A JP5185602 A JP 5185602A JP 18560293 A JP18560293 A JP 18560293A JP H0722802 A JPH0722802 A JP H0722802A
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line
transmission line
fet
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switch
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Kazuhiro Mori
和宏 守
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オン状態では雑音指数及び挿入損失を小さく
し、オフ状態では減衰特性を高くすることができ、しか
もFETを多段に形成することなく、設計が容易となる
ようにする。 【構成】 2入力単出力の伝送線路では、入力ライン毎
にスイッチ動作をするFET10,25と、PINダイ
オード18,33とを設け、この入力ライン毎に両素子
を同期してオンオフ動作させる。このスイッチ素子と、
2入力と単出力との接合点との間には、オフ動作時に接
合点から見て高インピーダンスとなる所定長さのストリ
ップ線路21,36を設ける。上記FET10,25の
存在により優れた雑音性能が得られ、上記PINダイオ
ード18,33の存在により高い減衰特性(信号分離性
能)が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は伝送線路スイッチ、特に
マイクロ波帯における複数の入出力信号の切り換えを行
うスイッチの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来では、マイクロ波回路で用いられる
伝送線路スイッチとして、PINダイオードを用いたス
イッチ、FET(電界効果型トランジスタ)を用いたス
イッチ等があり、これらのスイッチは、特開平3−24
2002号公報、特開平3−52301号公報等に示さ
れている。これらのスイッチによれば、送信、受信の切
り換え、受信回路では複数の入力の切り換え等が行われ
る。
【0003】図2には、マイクロ波受信回路において二
つの入力ライン(伝送線路)を一つの出力ラインに接続
した場合の例が示されている。この例では、図示される
ように、一方の入力ラインでは、FET1を介挿してス
トリップ線路2、3が設けられ、また他方の入力ライン
では、FET4を介挿してストリップ線路5,6が設け
られており、上記ストリップ線路3,6は出力ラインの
ストリップ線路7に接続される。従って、この例によれ
ば、FET1とFET4とを交互にオンオフ動作させる
ことにより、入力信号の切り換えが実行される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記P
INダイオードを用いたスイッチでは、オフ(OFF )状
態で高い減衰特性を有するという利点があるが、オン
(ON)状態では特に受信回路の入力部に用いる場合にお
いて挿入損失を無視できる程度に小さくすることが困難
となるという問題がある。また、上記FET1,4を用
いたスイッチでは、オン状態においては、その増幅特性
を利用することで、雑音指数を小さく抑えることができ
る利点があるが、オフ状態で高い減衰特性を得るために
は、FET1,4を多段に形成しなければならない。即
ち、この減衰特性は、使用するFET1,4のオン状態
とオフ状態の透過特性の差により決定されるので、減衰
特性を高くするにはFET1,4を多段に接続する必要
がある。
【0005】しかも、上記図2のような複数入力単数出
力の構成の伝送線路スイッチでは、上記多段形成の回路
設計が複雑となる。即ち、図2の入力ラインと出力ライ
ンの接合点8とFET1或いはFET4との間に挿入さ
れるストリップ線路3又は6の長さLは、使用されるF
ET1,4のインピーダンス特性により決定されるが、
このFET1,4には個々で特性のバラツキがあるた
め、使用される複数のFET1,4等に適合させるため
の回路設計が複雑となってしまうという問題がある。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、オン状態では雑音指数を
小さくし、かつ挿入損失を無視できる程度に小さくする
と共に、オフ状態では減衰特性を高くすることができ、
しかもFETを多段に形成する必要がなく、設計が容易
となる伝送線路スイッチを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1請求項の発明に係る伝送線路スイッチは、スイ
ッチング動作をするFET素子と、このFET素子の後
段の伝送線路へ所定長さの伝送線路を介してカソード側
が接続されたPINダイオード素子と、を備え、上記F
ET素子とPINダイオード素子を同期させてオンオフ
動作を実行することを特徴とする。第2請求項の発明
は、一つの伝送線路へ接続される複数の伝送線路毎に設
けられ、スイッチ動作をするFET素子と、このFET
素子の後段の伝送線路へ所定長さの伝送線路を介してカ
ソード側が接続され、FET素子に同期してオンオフ動
作するように構成されたPINダイオード素子と、この
PINダイオード素子と上記一つの伝送線路への接合点
との間に形成され、オフ動作時に接合点から見て高イン
ピーダンスとなる所定長さの伝送線路と、を含んでなる
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、前段に配置されたFET
素子へバイアス回路から所定のオン動作電圧とピンチオ
フ電圧を交互に与えることによって、FET素子とその
後段に配置されたPINダイオード素子が同時に(同期
状態で)オンオフ制御されることになる。このとき、オ
ン状態では、スイッチの雑音性能が前段のFET素子に
より決定されるので、後段のPINダイオード素子の挿
入損失はスイッチ全体の雑音性能に影響を与えず、雑音
指数は低く抑えられることになる。また、オフ状態で
は、スイッチの減衰性能が前段のFET素子の透過特性
と後段のPINダイオード素子の減衰によって決定され
るが、このPINダイオード素子の高い減衰特性によ
り、当該スイッチにおいても高い減衰特性を得ることが
できる。
【0009】更に、オフ状態での出力インピーダンスが
使用されるFET素子によらず一定となるので、複数入
力単数出力型のスイッチに使用した場合には、入力ライ
ンと出力ラインの接合点とスイッチ素子との間に介挿さ
れる伝送線路の長さが一律に決定されることとなり、回
路設計が容易となる。
【0010】
【実施例】図1には、実施例に係る伝送線路スイッチの
構成が示されており、この実施例は2入力単出力伝送の
例である。図1において、第1入力ラインにはFET1
0を介挿してストリップ線路11A,11Bが形成され
ており、このストリップ線路11AがFET10のゲー
ト(G)へ、ストリップ線路11Bがドレイン(D)へ
接続され、FET10のソース(S)は接地される。こ
のストリップ線路11A,11BとFET10との間
に、インピーダンス整合を図るスタブ(他のマッチング
ネットワークでもよい)12,13が設けられる。ま
た、上記ストリップ線路11Aとスタブ12の間に、チ
ョークコイル14を介して端子15が接続され、この端
子15へバイアス回路が接続される。
【0011】そして、上記ストリップ線路11Bの後段
において、入力ラインに並列にストリップ線路17A、
PINダイオード18、ストリップ線路17Bが接続さ
れており、このPINダイオード18はカソード側が入
力ラインへ向けて接続され、アノード側にはチョークコ
イル19を介してバイアス回路が接続される端子20が
配置されている。また、第1入力ラインには、上記スト
リップ線路11Bの後段にストリップ線路(D.C.ブ
レーク)21が接続されており、この第1入力ラインは
接合点22により出力ラインのストリップ線路23へ接
続される。
【0012】第2入力ラインにおいても、同様にFET
25を介挿してストリップ線路26A,26Bが設けら
れ、FET25とストリップ線路26A,26Bの間に
はスタブ27,28が接続される。また、上記ストリッ
プ線路26Aとスタブ27との間に、チョークコイル2
9を介してバイアス回路を接続する端子30が配置され
る。そして、第2入力ラインに並列にストリップ線路3
2A、PINダイオード33、ストリップ線路32Bが
接続され、このPINダイオード33のアノード側に、
チョークコイル34を介してバイアス回路を接続する端
子35が配置される。
【0013】更に、上記ストリップ線路26Bの後段に
は、上記接合点22との間にストリップ線路36が形成
される。なお、上記ストリップ線路17A,17B,2
1,32A,32B,36を含めて全てのストリップ線
路は、λ/4(λ:ストリップ線路上の信号波長)の2
n+1(nは0以上の整数)倍の長さとされる。
【0014】上記実施例の構成においては、不図示のバ
イアス回路によって上記FET10,25のゲート側の
端子15,30へオン動作電圧VGS、ピンチオフ電圧V
P が交互に与えられ、PINダイオード18,33のア
ノード側へは所定の定電圧VDSが与えられる。例えば、
図示のように第1入力ラインのFET10にオン動作電
圧VGSが与えられ、第2入力ラインのFET25にピン
チオフ電圧VP が与えられた場合は、第1入力ラインの
FET10がオン状態になると同時に、このFET10
のオン動作により図示の電流IDSが流れてPINダイオ
ード18がオン状態となる。一方、第2入力ラインのF
ET25はオフ状態となり、電流IDSは流れないので、
PINダイオード33もオフ状態を維持することにな
る。従って、この場合は第1入力ラインへ入力された高
周波(RF)信号が選択されて出力ライン(ストリップ
線路23)へ出力され、第2入力ラインは共通出力ライ
ンから分離されることになる。逆に、FET10にピン
チオフ電圧VP が与えられ、FET25にオン動作電圧
GSが与えられると、第2入力ラインが選択され、第1
入力ラインが共通出力ラインから分離される。
【0015】このような動作では、オン状態のFET1
0は雑音指数が最も小さくなるように動作することにな
り、この雑音指数はFET10によって決定されるの
で、オン状態のPINダイオード18の挿入損失は無視
できる程度に小さくなる。従って、第1入力ラインに与
えられた信号は、雑音性能の劣化を最小限に抑えた状態
でストリップ線路21へ伝達される。一方、オフ状態の
FET25では、動作電流を流さない状態の透過特性に
より信号が減衰されるのに加えて、オフ状態のPINダ
イオード33の最大減衰性能によって信号が減衰される
ことになり、第2入力ラインへ与えられる信号は、高い
減衰特性により減衰される。
【0016】また、図1の動作状態では、上記第1入力
ラインから伝送される信号は、接合点22から出力ライ
ンのみに伝達し、第2入力ラインへは伝達されないよう
にして、伝達効率を高める必要がある。このためには、
ストリップ線路36が接合点22において高インピーダ
ンスとなるように構成し、ストリップ線路36が接合点
22でストリップ線路21から分離されるようにすれば
よい。実施例では、第2入力ラインがオフ状態のとき、
出力インピーダンスがPINダイオード33の存在によ
り、使用されるFET25の特性によらず一定となるの
で、ストリップ線路36の長さLをストリップ線路21
との関係で適切な長さに設定することにより、ストリッ
プ線路36のインピーダンスをストリップ線路21や出
力ラインのストリップ線路23に比べて高い値とするこ
とができる。
【0017】即ち、分布定数回路では負荷を所定の電気
長離れた所から見たときのインピーダンスがλ/4の長
さ毎にオープン(∞)状態とショート(0)状態が反転
する。そこで、実施例では、ストリップ線路17A,1
7B,21,32A,32B,36の長さをλ/4単位
で調整することによって、各点のインピーダンスを図1
の動作状態において図示の[Hi(高)]又は[Lo
(低)]のように設定しており、これによって上記スト
リップ線路32Aとストリップ線路36との接続点が高
インピーダンス(入力ラインのオンオフ状態が反転すれ
ば低インピーダンス)とされる。従って、第1入力ライ
ンから伝達された信号は、効率よく(優先的に)共通の
出力ラインへ伝達され、第2入力ラインへの信号の伝達
(信号損失)が最小限に抑えられることになる。なお、
第1入力ラインがオフ状態、第2ラインがオン状態とな
るときは、上記と両者の関係が逆転するが、その作用効
果は上記と同様となる。
【0018】以上のように、実施例はFET10,25
とPINダイオード18,33とを図1のように組合
せ、かつ同期させる構成とすることにより、優れた雑音
性能と高い信号分離性能を得ることができ、FET素子
とPINダイオード素子のそれぞれの利点を有効に利用
することが可能となる。特に、衛星受信装置に適用され
るスイッチでは、従来は低雑音特性のFETスイッチが
多く用いられているが、近年ではデジタル対応化が進め
られ、2信号分離性能が高いものが求められている。従
って、本発明のスイッチはこのような低雑音、信号分離
性能が求められるスイッチとして有用である。
【0019】なお、上記実施例のFET10,25の代
りに、FET素子として高電子移動度トランジスタ(H
EMT)を用いることができ、これによっても同様の効
果を得ることができる。
【0020】また、上記実施例では、2入力単出力伝送
のスイッチに使用した例を示したが、これに限らず、他
の複数入力単数出力の伝送等に用いることができ、更に
は上記図1における一つ入力ラインのFET素子とPI
Nダイオード素子の組合せでスイッチを構成し、これを
送信、受信の切り換え等のスイッチとして用いることが
可能である。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、第1請求項の発明
によれば、スイッチング動作をするFET素子の後段に
PINダイオード素子を備え、このFET素子とPIN
ダイオード素子を同期させてオンオフ動作するようにし
たので、従来のPINダイオードスイッチに比べて優れ
た雑音性能を有すると共に、従来のFETに比べて高い
信号分離性能を得ることができ、しかも高減衰特性を得
るためにFETを多段に形成する必要もないという利点
がある。
【0022】また、第2請求項の発明によれば、一つの
伝送線路へ複数の伝送線路が接続される形式のスイッチ
に適用し、複数の伝送線路毎に上記FET素子及びこれ
と同期するPINダイオード素子を設けるようにしたの
で、オフ状態での出力インピーダンスが使用されるFE
T素子によらず一定となり、PINダイオードと一つの
伝送線路への接合点との間に形成される伝送線路を高イ
ンピーダンスとする際の回路設計が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る伝送線路スイッチの構成
を示す回路図である。
【図2】従来における複入力単出力の伝送線路スイッチ
の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
10,25 … FET、 11A,11B,17A,17B,21,26A,26
B,32A,32B,36 … ストリップ線路、 12,13,27,28 … スタブ、 18,33 … PINダイオード。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング動作をするFET素子と、
    このFET素子の後段の伝送線路へ所定長さの伝送線路
    を介してカソード側が接続されたPINダイオード素子
    と、を備え、上記FET素子とPINダイオード素子を
    同期させてオンオフ動作を実行する伝送線路スイッチ。
  2. 【請求項2】 一つの伝送線路へ接続される複数の伝送
    線路毎に設けられ、スイッチ動作をするFET素子と、
    このFET素子の後段の伝送線路へ所定長さの伝送線路
    を介してカソード側が接続され、FET素子に同期して
    オンオフ動作するように構成されたPINダイオード素
    子と、このPINダイオード素子と上記一つの伝送線路
    への接合点との間に形成され、オフ動作時に接合点から
    見て高インピーダンスとなる所定長さの伝送線路と、を
    含んでなる上記第1請求項記載の伝送線路スイッチ。
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