JPH07227927A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH07227927A
JPH07227927A JP6024125A JP2412594A JPH07227927A JP H07227927 A JPH07227927 A JP H07227927A JP 6024125 A JP6024125 A JP 6024125A JP 2412594 A JP2412594 A JP 2412594A JP H07227927 A JPH07227927 A JP H07227927A
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JP
Japan
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film
melting point
porous film
acid
polyolefin resin
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JP6024125A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kaminami
康夫 神波
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通気性を有し、水滴を通さず、ヒートシール
可能で、雨中でのレインコート等の衣類の材料、農業用
材料、建築用材料、包装材料として好適な材料を提供す
る。 【構成】 透気度、透湿度等が特定の値を示すポリオレ
フィン系多孔フィルムと特定構造の扁平フィルムを網状
としたものとを熱融着により一体化したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層体に関する。詳しく
は、レインコート、ジャンパー、ゴルフウェアー等の雨
水を防ぎ、かつむれないように通気性を保った衣料材
料、農業用材料、建築材料、包装材料として用いて好適
な積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】通気性を有し、水滴を通さない材料とし
て、ポリオレフィン樹脂に無機充填剤等を添加し、フィ
ルム状に成形し、延伸して微小な亀裂を生ぜしめ、通気
性を持たせたり、ポリオレフィン樹脂に溶剤で抽出可能
な物質を混入してフィルム状に成形し、後で溶剤処理し
て多孔フィルムとしたものが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして得た
通気性を有し、水滴を通さないフィルムは、レインコー
ト、ジャンパー、ゴルフウェアー等の用途が考えられる
が、これらの衣料品とするためには衣服の形に縫製やヒ
ートシール等により作り上げる必要がある。このため、
フィルムには縫製やヒートシールに堪える強度が要求さ
れるが、ポリオレフィンからなる薄膜は単独ではこの要
求を満さない。特に、この通気性・防水フィルムを糸で
縫製すると縫製部分に水が染み込むことがあるので、ヒ
ートシールで衣服等に組立得る素材が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ヒートシー
ルによる接合が容易で衣服としての強度も満足し、かつ
通気性、防水性を満足する積層体を提供するべく鋭意検
討を重ねた結果、特殊の積層体とすることにより問題を
解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明の要旨は透気度が30〜3,000
秒/100ml、透湿度が500〜20,000gH2
O/日・m3 、耐水圧が500mmH2 O以上、平均孔
径が0.01〜50μの微孔を有し、空隙率が10〜7
0%で、厚さが10〜200μであるポリオレフィン系
多孔フィルムと、幅が0.5〜10mm、厚さが10〜
300μの扁平なフィルム状をなし、両表面が、上記多
孔性フィルムの融点より3℃以上低い融点を有するポリ
オレフィン樹脂からなり、中間層が表面層を形成するポ
リオレフィン樹脂の融点より5℃以上高い融点を有する
樹脂からなる扁平フィルムを縦糸又は横糸として構成し
た網状体とを熱融着により一体化してなる積層体に存す
る。
【0006】本発明で用いられる多孔性フィルムは通気
性防水フィルムである。通気性防水フィルムとは空気、
水蒸気等の気体に対して透過性を有し、且つ水滴(液
体)に対し非透過性を有するフィルムで、上記性能を有
するものであれば広い範囲から選ばれるが、好ましくは
透気度30〜3,000秒/100ml、透湿度500
〜20,000gH2 O/日・m2 、耐水圧500mm
2 O以上平均孔径が0.01〜50μ、空隙率が10
〜70%、厚さが10〜200μの性能のフィルムが良
い。
【0007】ここで、透気度はJIS−P−8117に
規定する方法、透湿度はJIS−Z−0208に規定す
る方法、また、耐水圧はJIS−L−1092A法によ
り測定される値、平均孔径は水銀圧入法を用いたポロシ
メーターで測定した値、空隙率はフィルム重量と体積を
測定し、原料の密度を考慮して計算によって求めた値で
ある。透湿度が小さすぎると被覆内環境が過湿になり易
く衣料等とした場合に不快感があり、又、耐水圧が小さ
いと、降雨の場合雨水が洩れ易くなり、雨具等の用途に
適さない。また、融点は示差熱走査熱量計を用い、10
℃/分の昇温条件で測定した値である。
【0008】フィルム厚に関しても特に制限はないが、
実用上10〜100μが好ましい。フィルム材質につい
ても特に規定されるものではないが、通常、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂製フィル
ムが好適に使用される。かかるフィルムは次記の方法で
製造することができる。ポリオレフィン樹脂(A)はエ
チレンもしくはプロピレンのホモポリマー又はエチレン
もしくはプロピレンと他のコモノマー(炭素数4以上の
二重結合を分子内に1個以上有する化合物)とのコポリ
マーからなり、密度(ρ)0.930g/cm3 以下、
メルトインデックス(MI)2g/10分以下のポリオ
レフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。たとえば低密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、密度0.910以下の超低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン
−メタアクリル酸エステルもしくはこれらの混合物等い
ずれでも良いが、好ましくは密度0.91−0.95g
/cm3 の線状低密度ポリエチレン50−100重量部
と密度0.91g/cm3 未満のエチレン−α−オレフ
ィン共重合体50−0重量部とからなるρ0.930g
/cm3 以下、MI2以下のポリオレフィン系熱可塑性
樹脂である。
【0009】線状低密度ポリエチレンは、エチレンと他
のα−オレフィンとの共重合体であり、例えばエチレン
と、その4〜17重量%程度、好ましくは5〜15重量
%程度の1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、4−メチル−1−ペンテン等の他のα−オレ
フィンとを、中低圧法高密度ポリエチレン製造に用いら
れるチーグラー型触媒又はフィリップス型触媒を用いて
共重合することにより製造される。
【0010】上記エチレン−α−オレフィン共重合体と
しては、通常、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィ
ンとの共重合体であって、その密度が0.91g/cm
3 未満のものが好ましく、より好ましくは0.85〜
0.90g/cm3 のものである。エチレンと共重合さ
せる炭素数3以上のα−オレフィンとしてはプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン等が挙げられ、これらと共に1,4
−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノ
ルボルネン等の非共役ジエンを使用することもできる。
【0011】上記エチレン−α−オレフィン共重合体
は、チーグラー型触媒、中でもオキシ三塩化バナジウ
ム、四塩化バナジウム等のバナジウム化合物と有機アル
ミニウム化合物とからなる触媒を用いて、エチレンとα
−オレフィンとを共重合させることにより製造すること
ができ、共重合体中のエチレン含有量が40〜90モル
%の範囲であり、α−オレフィンの含有量が10〜60
モル%の範囲であるのが望ましい。
【0012】上記エチレン−α−オレフィン共重合体の
市販品としては例えば、CdF Chimie E.
P.社のNORSOFLEX(FW1600,FW19
00,MW1920,SMW2440,LW2220,
LW2500,LW2550);日本ユニカー社のフレ
ックスレジン(DFDA1137,DFDA1138,
DEFD1210,DEFD9042);三井石油化学
社のタフマー(A4085,A4090,P0180,
P0480)、日本合成ゴム社のJSR−EP(EP0
2P,EP07P,EP57P)などが挙げられる。
【0013】単独もしくは混合物であるポリオレフィン
樹脂(A)の密度(ρ)は0.930g/cm3 より大
きいと、可塑剤とラジカル発生剤の相乗効果が小さく引
裂強度が向上しない。またMIは2g/10分より大き
いと、フィルムの引裂強度が低下し、また成形安定性が
低下する。
【0014】本発明方法においてメルトインデックス
(MI)とはJIS−K−6760の引用規格であるJ
IS−K−7210の表1の条件4に準拠して測定した
値である。なお、ポリオレフィン樹脂には、常法に従
い、熱安定剤、紫外線安定剤、顔料、帯電防止剤、蛍光
剤等を添加しても差支えない。
【0015】次に成分(B)の充填剤としては、無機及
び有機の充填剤が用いられる。無機充填剤としては、炭
酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪
藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイ
カ、アスベスト粉、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオラ
イト、珪酸白土等が使用され、特に炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、シリカ、珪藻土、硫酸バリウム等が好適
である。
【0016】有機充填剤としては、木粉、パルプ粉等の
セルロース系粉末等が使用される。これらは単独で又は
混合して用いられる。充填剤の平均粒径としては、30
μm以下のものが好ましく、10μm以下のものが更に
好ましく、0.8〜5μmのものが最も好ましい。粒径
が大きすぎると延伸物の気孔の緻密性が悪くなり、又粒
径が小さすぎると、樹脂への分散性が悪く、成形性も劣
る。
【0017】充填剤の表面処理は、樹脂への分散性、更
には延伸性の点で、実施されている事が好ましく、脂肪
酸又はその金属塩での処理が好ましい結果を与える。成
分(C)の添加剤としては、常圧での沸点が200℃以
上、かつ融点が100℃以下の炭化水素化合物が挙げら
れる。例えば、液状またはワックス状の炭化水素重合体
や、ジペンタエリスリトールのエステル化物を用いるの
が良い。
【0018】液状またはワックス状の炭化水素重合体と
しては、液状ポリブタジエン、液状ポリブテン、液状ポ
リイソプレン及びそれらの誘導体が挙げられる。なかで
もカルボキシル基あるいは水酸基末端液状ポリブタジエ
ンが用いられ、水酸基末端液状ポリブタジエンの誘導
体、例えば末端がイソシアネート変性、無水マレイン酸
変性、エポキシ基変性等の液状物も用いられる。
【0019】更には液状ポリブタジエンを水素添加した
液状のポリブタジエン水添物、水酸基末端液状ポリブタ
ジエンを水素添加したポリヒドロキシ飽和炭化水素が用
いられる。該ポリヒドロキシ飽和炭化水素は、1分子当
たり少なくとも1.5個の水酸基を有する主鎖が飽和し
たまたは大部分飽和した炭化水素重合体である。これら
の数平均分子量は400〜20,000、さらには50
0〜10,000が好ましい。
【0020】またカルボキシル基末端液状ポリブタジエ
ンの水添物を用いてもよい。エポキシ基含有有機化合物
も用いられ、例えばエポキシ化アマニ油、エポキシ化大
豆油等のエポキシ化植物油、エポキシ樹脂、好ましくは
硬化剤を含まない液状エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑
剤が挙げられる。更に液状又はワックス状の炭化水素重
合体あるいはエポキシ基含有有機化合物は、1〜100
重量部、好ましくは1〜70重量部である。エポキシ基
含有有機化合物は、これを単独で用いるより、炭化水素
系重量体との併用とする方が好ましい。
【0021】液状またはワックス状の炭化水素重合体又
はエポキシ基含有有機化合物を配合する際にはポリオレ
フィン樹脂100重量部に対して100重量部を越える
とポリオレフィン樹脂の持つ特性が薄れ満足な混練性、
フィルムの成形性および延伸性を確保することが出来な
い。第三成分としては、他にジペンタエリスリトールの
全又は部分エステル化物等も好適に用いられる。ジペン
タエリスリトールのエステル化物は、ジペンタエリスリ
トールとカルボン酸の部分エステルであるのが好まし
い。代表的カルボン酸としては炭素数1〜30の脂肪族
モノまたはジカルボン酸および炭素数7〜16の芳香族
モノまたはジカルボン酸が挙げられる。成形性、延伸性
の点から特に脂肪族モノカルボン酸が好ましい。
【0022】これらの例としては、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン
酸、イソカプロン酸、2−エチルブタン酸、エナント
酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、
ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エイコ
サン酸、ベヘン酸、セロチン酸、メリシン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸が挙げられ
る。ジペンタエリスリトールの単分子部分エステルの場
合は上記モノカルボン酸を単独又は混合して使用でき
る。また、ジカルボン酸を使用する場合はジペンタエリ
スリトール1モルに対し0.5モル以下が好ましく、残
った水酸基は相当するモル数のモノカルボン酸を使用し
て部分エステルとする。
【0023】また、該ジペンタエリスリトールの部分エ
ステル1分子当りの残存OH基数の割合としては3%か
ら70%の間がよく、3〜50%の間が特に好ましい。
3%未満では延伸性及び印刷性の改良効果が不十分であ
り、70%を越えるとフィルムの製膜性が低下する。ジ
ペンタエリスリトールのエステル化物の配合割合は、ポ
リオレフィン系樹脂100重量部に対し、1〜30重量
部が好ましく、3〜20重量部が更に好ましい。
【0024】配合量が多すぎると満足すべき混練性が得
られず、フィルムの成形性、延伸性を確保できない。特
に、分子内にエステル結合もしくはアミド結合を有する
分子量100以上、かつ常圧での沸点が200℃以上か
つ融点が100℃以下の化合物である。例えば、オレイ
ン酸アミド、ステアリン酸アミド、ジオクチルフタレー
ト、トリオクチルトリメリテート等が好ましい。
【0025】より好ましくは、分子量350以上、かつ
常圧での沸点が250℃以上、融点が50℃以下で炭素
数6以上のカルボン酸と炭素数5以上のアルコールとか
らなるエステル化合物、更に好ましくは、分子量350
以上、かつ常圧での沸点が250℃以上、融点が30℃
以下で、芳香族カルボン酸と炭素数6以上のアルコール
とからなるエステル化合物、例えば、DOP、トリオク
チルトリメリテート、DIDP等である。
【0026】融点は100℃より高いとラジカル発生剤
での変性による引裂強度向上の効果が少なく、また沸点
が200℃未満では、成形加工時の発煙、発泡により成
形・延伸性が低下する。また分子量が小さいと、フィル
ムから可塑剤のブリーディングが早く好ましくない。
【0027】次に、必要に応じ本発明に使用される成分
(D)のラジカル発生剤としては、半減期1分となる分
解温度が130〜300℃の範囲のものが好ましく、例
えばジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘ
キシン、α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、ジベンゾイルペルオキシド、ジ−t
−ブチルペルオキシド等の過酸化物が挙げられる。
【0028】多孔性フィルムを得るには、ポリオレフィ
ン樹脂(A)100重量部に対して充填剤(B)100
〜400重量部、炭化水素化合物(C)1〜100重量
部、及び必要に応じラジカル発生剤(D)0.0001
〜0.1重量部の範囲で用いるのが良い。充填剤(B)
の割合が100重量部に満たないと、延伸したフィルム
に気孔が充分形成されず、多孔化度合が低くなる。ま
た、充填剤の割合が400重量部を超えると混練性、分
散性、フィルム又はシート成形性が劣り、更に延伸物の
表面強度が低下する。
【0029】特に好ましい配合割合は、ポリオレフィン
樹脂(A)100重量部に対して充填剤(B)120〜
300重量部である。炭化水素化合物(C)は1重量部
よりも少ないと、引裂強度向上の効果が無く、100重
量部より多いと、混練性、分散性が悪化し、フィルム成
形性の低下、延伸性を確保できない。好ましくは5重量
部以上50重量部以下である。
【0030】ラジカル発生剤(D)は0.0001〜
0.1重量部の範囲から選ばれ、この範囲よりも少ない
場合は炭化水素化合物との相乗効果による引裂強度の向
上は得られず、またこの範囲よりも多い場合はメルトイ
ンデックスが低くなり過ぎて、フィルム成形時に膜切れ
が起りやすく、かつフィルム表面に肌荒れが生起するの
で好ましくない。
【0031】ポリオレフィン樹脂(A)、充填剤
(B)、可塑剤(C)、及びラジカル発生剤(D)を、
通常は、例えば次の1又は2の方法により前記の量比で
混合し、次いで混練してペレット化した後、Tダイ成形
やインフレーション成形して未延伸フィルムとする。 方法1:ポリオレフィン樹脂、充填剤、可塑剤及び、ラ
ジカル発生剤を混合し、押出機、バンバリーミキサー等
の混練機を用いて混練した後、ペレット化し、このペレ
ットを用いてTダイ成形やインフレーション成形する。 方法2:ポリオレフィン樹脂に、多量のラジカル発生剤
0.5〜1%(5000〜10000ppm程度)を配
合し、ラジカル発生剤がポリオレフィンと殆ど反応しな
い温度で、しかもポリオレフィンの融点以上の温度にお
いて溶融混練してペレット状としたマスターバッチを予
め調整し、このマスターバッチを、ポリオレフィン樹
脂、充填剤及び可塑剤と混合し、混練した後ペレット化
し、このペレットを用いてTダイ成形やインフレーショ
ン成形する。
【0032】上記1又は2に示す方法に従って、ポリオ
レフィン樹脂をラジカル発生剤と共に加熱下(好ましく
はラジカル発生剤の半減期が10分となる温度以上の温
度で)混練処理すると、ラジカル発生剤による架橋反応
が生起しポリオレフィンが分子間カップリングして高分
子量成分が増加し、かつメルトインデックスの低下した
変性ポリマーが得られる。この変性ポリマーは、変性前
のポリマーに比べてインフレーション成形を用いた場合
には横方向の配向がかかり易く、このようにして得られ
たフィルムは、これを延伸処理した場合に、引張り強度
及び衝撃強度が著しく向上する。
【0033】ポリオレフィン樹脂、可塑剤、ラジカル発
生剤及び充填剤を混合するには、ドラム、タンブラー型
混合機、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スー
パーミキサー等が使用されるが、ヘンシェルミキサーの
ような高速攪拌型の混合機が望ましく、ポリエチレンは
通常10〜150メッシュ、特に20〜60メッシュの
パウダーの形態で供給するのが好ましい。得られた混合
物の混練は、例えばスクリュー押出機、二軸スクリュー
押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、二軸
型混練機等の周知の混練装置を用いて実施される。
【0034】上記で得た混合物からTダイ法またはイン
フレーション法により未延伸フィルムを成形し、次いで
この未延伸フィルムを延伸処理する。インフレーション
成形の場合は、ブローアップ比(BUR)を2〜8で成
形する。好ましくは、ブローアップ比3〜6、フロスト
ラインの高さをダイの環状スリットの直径の2〜50倍
にする。さらに好ましくはフロストラインの高さをダイ
の環状スリットの直径の5〜20倍の範囲の条件下で行
なわれる。ブローアップ比が上記範囲よりも低いとフィ
ルムの引張り強度及び衝撃強度が低下し、上記範囲より
も高いとバブルの成形安定性が低下するので好ましくな
い。また、フロストラインの高さが上記範囲よりも低い
とフィルムの引張り強度が低下し、上記範囲よりも高い
とバブルの成形安定性が低下するので好ましくない。
【0035】Tダイ法またはインフレーション法により
成形された未延伸フィルムは、次いで少なくとも一軸方
向、好ましくは縦方向(フィルムの引き取り方向)に一
軸延伸される。一軸延伸には通常ロール延伸法が採用さ
れるが、チューブラー延伸法で一軸方向(引き取り方
向)を強調させた形であってもよい。また、延伸処理は
一段でも二段以上の多段でも差支えない。
【0036】延伸処理は樹脂組成物の融点より100℃
低い温度から融点より20℃低い温度の範囲、特に樹脂
組成物の融点より90℃低い温度から融点より50℃低
い温度の範囲で実施するのが好ましく、この範囲より低
い温度ではフィルムに延伸斑が発生し、またこの範囲よ
り高い温度ではフィルムの多孔性が低下する傾向があ
る。
【0037】延伸倍率は1.2〜8倍であることが必要
であり、この範囲未満では延伸フィルムの多孔化及び引
張り強度が不充分である。また延伸倍率が8倍を超える
と、フィルムは縦方向への過度の分子配向を有するもの
となり、フィルムの面強度が低下して好ましくない。な
お、一軸延伸後に熱処理すればフィルムの寸法精度を安
定化することができ、また公知のコロナ処理、フレーム
処理等の表面処理を施すこともできる。
【0038】本発明の積層体は、上述の方法によって得
られた柔軟性に富む多孔質フィルムに特殊の網状体を熱
溶着により貼り合せる。特殊の網状体とは、幅が0.5
〜10mm、厚さが10〜300μの扁平なフィルム状
物を縦糸又は横糸として網状に構成したものである。網
状に構成する方法としては、上記の扁平フィルムを縦糸
又は横糸の一方又は両方もしくは縦糸又は横糸の一部に
用いて編織するか、縦糸と横糸とを重ね合せて置いてそ
の交点を熱融着する等の方法を用いれば良い。
【0039】この網状体を構成する扁平フィルムは、上
述のような幅と厚さを有するが、更に、積層される多孔
性フィルムとの関係として、特殊な構造とされている。
すなわち、扁平フィルムは少なくとも3層の構造とされ
ており、その両表面層は多孔性フィルムを構成するポリ
オレフィン樹脂の融点より3℃以上低い融点を有するポ
リオレフィン樹脂が用いられる。そして、中間層として
は、扁平フィルムの表面層を形成するポリオレフィン樹
脂の融点より5℃以上高い融点を有する樹脂が用いられ
る。
【0040】このような構成の扁平フィルムを網状体の
一部に用いることにより、網状体と多孔性フィルムとを
熱融着するに当り、多孔性フィルムが溶融して孔が閉塞
するより低い温度で網状体の表面の融点の低いポリオレ
フィン樹脂が溶融して融着が行なわれるので多孔性フィ
ルムの通気度、透湿度を大きく低下させるようなことが
ない。しかも扁平フィルムの中間層として表面層より融
点が3℃以上高い樹脂が用いられているから多孔性フィ
ルムとの融着に当って扁平フィルムが切断したり網状体
がくずれたりすることもない。
【0041】網状体は、上述のように10〜300μ、
好ましくは10〜50μという薄いフィルム状のもので
構成されているので、多孔性フィルムと積層しても、多
孔性フィルムの柔軟性を大きく損うようなこともなく、
衣服材料としての柔らかさを保つ。また、積層体自体が
ヒートシール等による熱融着が可能な材質となる。扁平
フィルムの表面を構成するポリオレフィン樹脂としては
多孔性フィルムとの融着性を考慮して多孔性フィルムを
構成するポリオレフィン樹脂と同質のものを用いるのが
良い。また、このポリオレフィン樹脂に熱融着性を高め
るため、無水マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボ
ン酸を0.001〜1重量%程度グラフトすることも考
えられる。
【0042】扁平フィルムの中間層を構成する樹脂とし
ては表面のポリオレフィン樹脂よりも融点が3℃以上高
い樹脂であって、表面のポリオレフィン樹脂とある程度
の接着性を有している樹脂であれば良く、ポリオレフィ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が好適に
用いられる。表面層と中間層との間に接着層を介在させ
ることもできる。
【0043】網状体としては上記の扁平フィルムを用い
て網状としたものであるが、扁平フィルムを縦糸又は横
糸、もしくはその両方に用いて良い。縦糸又は横糸の一
方、又は全体の網の一部を他の材質の糸で構成しても良
い。網の糸のピッチとしては縦糸、横糸とも1〜5本/
cm程度である。多孔性フィルムと網状体を熱融着する
方法としては、例えば加熱したローラー間に多孔性フィ
ルムと網状体を通過させて融着する方法が好適に用いら
れる。
【0044】また、その融着の際、更にポリオレフィン
系の不織布等を重ねてヒートシールして多孔性フィルム
網状体−不織布等の多層構造の積層体としても良い。上
述した構成の積層体によると、多孔性フィルムと貼り合
せた網状体が薄いので多孔質フィルムの表面が非常に平
滑となり、その結果当該表面への印刷も極めて鮮明にで
き、しかも全体として風合は著しく向上し且つ通気性を
損うことはない。
【0045】かかる、積層体は、ヒートシールも可能で
ありヒートシール部分の強度が低下することがなく、該
積層体を用いたレインコート、ジャンパー、ゴルフウエ
アー等の衣料品は通気性を有するのでむれることがな
く、ヒートシールにより作れるので縫製部分から水が染
み込むようなこともない優れたものとなる。また、この
積層体同士をヒートシール等で接続するに際し、前述し
た扁平フィルムの幅の広いテープ(幅5〜300mm程
度)を用意し、積層体同士の間に挟んでヒートシールし
て幅広のシートを得たりすることもできる。この際、積
層体の辺縁部に沿って多孔性フィルムと網状体とが融着
していない部分を作っておき、接続しようとする網状体
同士、多孔性フィルム同士を重ね合せ、それらの間の適
宜位置に前記した幅広の扁平フィルムを挟んで熱融着す
るような方法を用いれば、網状体同士が融着した構造と
することができるので、外観上、強度上も好ましい。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
に制約されるものではない。
【0047】実施例1、比較例1,2 (1)線状低密度ポリエチレン{メルトインデックス
(MI):1.0g/10分、流動比:19、密度:
0.921g/cm3 、共重合成分:1−ブテン、共重
合量:10重量%、融点:120℃}を40メッシュの
パウダーに粉砕したものを80重量部とエチレン−プロ
ピレン共重合体(EPR,日本合成ゴム社製EP07
P)を同じく40メッシュのパウダーに粉砕したものを
20重量部とをヘンシェルミキサー中で攪拌混合し、次
いでこれに可塑剤としてジオクチルフタレート4重量部
とラジカル発生剤2,5−ジメチル−2,5−ビス(t
−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシンを0.03重量部
攪拌しながら添加混合する。
【0048】更に炭酸カルシウム(平均粒径1.2μ
m、脂肪酸処理)を200重量部添加し、攪拌混合し
た。かくして得られた混合物を、二軸混練機DSM−6
5(Double Screw Mixer,日本製鋼
所(株)製)を用いて混練し、造粒した。これを40m
mφ押出機によりインフレーション成形し、厚さ100
μmのフィルムに製膜した。押出条件は下記のとおり。
【0049】
【表1】 シリンダー温度:170−190−210−230℃ ヘッド、ダイス温度:200℃ ダイス直径:100mm 引取速度:8m/min ブローアップ比:3 フロストライン高さ:700mm 折り径:471mm
【0050】かくして得られたフィルムを引取方向にス
リットしたものをロール延伸機により一軸延伸を行っ
た。延伸条件は下記のとおりとした。
【0051】
【表2】 延伸温度:60℃ 延伸速度:11.0m/min 延伸後のフィルム厚み:65μm 得られたフィルムの物性評価は下記のとおり。
【0052】
【表3】 透気度 500秒/100ml 透湿度 7000g/m2 /24Hr 耐水圧 2000mm H2 O以上 平均孔径 0.7μ 空隙率 40% 引裂強度 60g/1枚 成形性 ◎ 柔軟性 ◎ 延伸性 ◎
【0053】物性評価は下記によって行なった。 1)透湿度:ASTM E26−66(E)に準する。 2)引裂強度:JIS P 8116に準じ、フィルム
の引取方向を測定し、1枚当りの強度をgで求める。 3)成形性:目視により次の基準により判定した。 ◎:バブル安定,ダイライン無し ○: 〃 ,ダイライン有 △:フィルム幅変動 ×:成形不可 4)柔軟性:手の感触で、次の基準により判定した。 ◎:極めて柔らかい ○:柔らかい △:少し硬い ×:硬い 5)延伸性 ◎:切断なし、均一延伸、延伸ムラなし ○:切断なし、延伸ムラ、殆どなし △:切断なし、延伸ムラ、ややあり ×:切断又は延伸ムラ大
【0054】このポリエチレン製多孔性フィルムと、ポ
リエチレン製扁平フィルムからなる網状体(両表面を融
点120℃のポリエチレンとし、中間層を融点135℃
のポリエチレンとした厚さ30μ、幅2mmの扁平フィ
ルムを縦、横2本/cmで編織したもの)とを重ね合
せ、128℃の加熱ロールと90℃の冷却ロールの間に
網状体が加熱ロールに接する側として、ロール間圧力1
0kg/cm、ラミネート速度60m/分で熱着した。
得られた積層体は透気度650秒/100ml、透湿度
6500gH2 O/日・m2 、耐水圧3000mmH2
O引裂強度1400gであった。ヒートシールによりジ
ャンパー状の衣服を作成したが、充分に使用に耐えた。
【0055】実施例2 扁平フィルムとして厚さ25μ、巾1.3mm、縦・横
糸の本数は各3本/cmのものを用いて、多孔質フィル
ムは実施例1と同じものを用い、加熱ロール温度を13
3℃としたほかは実施例1と同様にして積層体を得た。
この時多孔質フィルムは1050mm巾のものを用い、
この一方を5mm重ね合せ全巾として2040mmと
し、上記扁平フィルムを用いた2050mm巾網状体と
積層した。この時同時に多孔質フィルム同士の境目は水
漏れのないようにこの部分の縦糸に5mm巾の糸3本を
相互に1mmずつ重ね合わせるようにして積層した。得
られた積層体の透気度は700秒/100ml、透湿度
6300gH2 O/日・m2 、耐水圧3300mmH2
O、引裂強度1200gであった。多孔質フィルムの境
目より水漏れすることなく、農業用マルチシートとして
充分に使用に耐えた。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば多孔性フィルムの柔軟性
を損うことなく、強度を向上させ、かつヒートシールも
可能な通気、防水フィルムを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06C 7/00 A

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透気度が30〜3,000秒/100m
    l、透湿度が500〜20,000gH2 O/日・m
    2 、耐水圧が500mmH2 O以上、平均孔径が0.0
    1〜50μの徴孔を有し、空隙率が10〜70%で、厚
    さが10〜200μであるポリオレフィン系多孔性フィ
    ルムと、幅が0.5〜10mm、厚さが10〜300μ
    の扁平なフィルム状をなし、両表面が、上記多孔性フィ
    ルムの融点より3度以上低い融点を有するポリオレフィ
    ン樹脂からなり、中間層が表面層を形成するポリオレフ
    ィン樹脂の融点より5℃以上高い融点を有する樹脂から
    なる扁平フィルムを縦糸又は横糸として構成した網状体
    とを熱融着により一体化してなる積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11155898A (ja) * 1997-12-02 1999-06-15 Sekisui Chem Co Ltd 通気性粘着テープの製造方法
JP2003062947A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Diatex Co Ltd 通気性防水シート

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