JPH07226532A - 多分割アバランシェフォトダイオード - Google Patents
多分割アバランシェフォトダイオードInfo
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- JPH07226532A JPH07226532A JP6286712A JP28671294A JPH07226532A JP H07226532 A JPH07226532 A JP H07226532A JP 6286712 A JP6286712 A JP 6286712A JP 28671294 A JP28671294 A JP 28671294A JP H07226532 A JPH07226532 A JP H07226532A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】不感帯幅を小さくして分解能が向上された多分
割APDを提供する。 【構成】受光部の外周縁部にのみガードリングを配置す
る。しかし、受光部が隣接する領域には、ガードリング
を設けない。そして、この領域を空乏層化する。空乏層
により電界集中が生じないため、エッジブレークダウン
は発生しない。
割APDを提供する。 【構成】受光部の外周縁部にのみガードリングを配置す
る。しかし、受光部が隣接する領域には、ガードリング
を設けない。そして、この領域を空乏層化する。空乏層
により電界集中が生じないため、エッジブレークダウン
は発生しない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の受光部を有する
多分割アバランシェフォトダイオードに関するものであ
る。
多分割アバランシェフォトダイオードに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アバランシェフォトダイオード(以下、
APDと称す)は、光を検出する受光素子の1種であ
る。この素子は、半導体のなだれ現象による増幅作用を
利用するもので、高速動作の要求される微弱光検出に優
れた特性を発揮する。なだれ現象は、受光部で光電変換
されたキャリアを半導体のPN接合部に形成した高電界
領域に進入させることにより生ずる。高電界領域に進入
したキャリアは、中性の半導体原子に衝突し、別のキャ
リアを生じさせる。更に、そのキャリアは、別の中性原
子に衝突し、更に新たなキャリアを生じさせる。そし
て、キャリアは、次々と衝突を繰り返す。このように、
APDは、光電変換された僅かなキャリアをなだれ現象
によって増幅させる素子である。別言すれば、中性原子
をイオン化させることにより、光の信号電流を増幅する
ものである。
APDと称す)は、光を検出する受光素子の1種であ
る。この素子は、半導体のなだれ現象による増幅作用を
利用するもので、高速動作の要求される微弱光検出に優
れた特性を発揮する。なだれ現象は、受光部で光電変換
されたキャリアを半導体のPN接合部に形成した高電界
領域に進入させることにより生ずる。高電界領域に進入
したキャリアは、中性の半導体原子に衝突し、別のキャ
リアを生じさせる。更に、そのキャリアは、別の中性原
子に衝突し、更に新たなキャリアを生じさせる。そし
て、キャリアは、次々と衝突を繰り返す。このように、
APDは、光電変換された僅かなキャリアをなだれ現象
によって増幅させる素子である。別言すれば、中性原子
をイオン化させることにより、光の信号電流を増幅する
ものである。
【0003】高電界領域は、PN接合部に100V程度
の逆バイアス電圧を印加することによって、生じさせ
る。このような高電界が半導体中に生じると、PN接合
の端部(以下、エッジと称す)において、エッジブレー
クダウンが生じ易い。エッジブレークダウンが生じる
と、受光部におけるなだれ現象が阻害される。これを防
止するため、様々な構造が提案されているが、周知のプ
レーナ技術を使用したAPDにおいては、一般に、PN
接合周縁部にガードリングを形成することによってエッ
ジブレークダウンを防止している。
の逆バイアス電圧を印加することによって、生じさせ
る。このような高電界が半導体中に生じると、PN接合
の端部(以下、エッジと称す)において、エッジブレー
クダウンが生じ易い。エッジブレークダウンが生じる
と、受光部におけるなだれ現象が阻害される。これを防
止するため、様々な構造が提案されているが、周知のプ
レーナ技術を使用したAPDにおいては、一般に、PN
接合周縁部にガードリングを形成することによってエッ
ジブレークダウンを防止している。
【0004】また、近年、科学の進歩に伴って、同一素
子内に、複数の受光部を有する多分割APDに対する要
求が高まっている。これを用いれば、微弱光の位置測定
等が可能となり、測定装置等の高機能化が図れる。この
ような、多分割APDにおいても、それぞれの受光部の
PN接合周縁部にガードリングを形成する。図を引用
し、従来の多分割APDを説明する。図3及び図4は、
従来の2分割APDの図であり、図3は平面図、図4は
図3のB−B’部分の断面図である。P型不純物濃度の
高いP+ 半導体基板(例えばシリコン基板)21上に、
不純物濃度の低いP- 型層22が配置される。このP-
型層は、一般に、エピタキシャル成長によって形成され
る。P- 型層22にN型不純物濃度の高い受光部として
のN+ 型層23a及び23bと、これらのN+ 型層の下
に、高電界領域を形成するためのP型層24a及び24
bが配置される。受光部即ちN+ 型層23a、23bの
周縁部には、N型のガードリング25a及び25bが配
置されている。従って、ガードリング25a及び25b
は、PN接合部のエッジをそれぞれ取り囲んでおり、こ
れにより、エッジブレークダウンが防止される。受光部
は、それぞれが独立して光を検出する。このため、互い
に隣接する受光部即ちN+ 型層23a及び23bによっ
て挟まれている領域26bには、分離領域26aが設け
られている。また、互いに隣接する受光部によって挟ま
れている領域26bには、分離領域26aの他に、ガー
ドリング25a及び25bも設けられている。
子内に、複数の受光部を有する多分割APDに対する要
求が高まっている。これを用いれば、微弱光の位置測定
等が可能となり、測定装置等の高機能化が図れる。この
ような、多分割APDにおいても、それぞれの受光部の
PN接合周縁部にガードリングを形成する。図を引用
し、従来の多分割APDを説明する。図3及び図4は、
従来の2分割APDの図であり、図3は平面図、図4は
図3のB−B’部分の断面図である。P型不純物濃度の
高いP+ 半導体基板(例えばシリコン基板)21上に、
不純物濃度の低いP- 型層22が配置される。このP-
型層は、一般に、エピタキシャル成長によって形成され
る。P- 型層22にN型不純物濃度の高い受光部として
のN+ 型層23a及び23bと、これらのN+ 型層の下
に、高電界領域を形成するためのP型層24a及び24
bが配置される。受光部即ちN+ 型層23a、23bの
周縁部には、N型のガードリング25a及び25bが配
置されている。従って、ガードリング25a及び25b
は、PN接合部のエッジをそれぞれ取り囲んでおり、こ
れにより、エッジブレークダウンが防止される。受光部
は、それぞれが独立して光を検出する。このため、互い
に隣接する受光部即ちN+ 型層23a及び23bによっ
て挟まれている領域26bには、分離領域26aが設け
られている。また、互いに隣接する受光部によって挟ま
れている領域26bには、分離領域26aの他に、ガー
ドリング25a及び25bも設けられている。
【0005】表面にはSiO2 からなる保護膜29が配
置される。ガードリング25a及び25bの上の保護膜
は、その一部が除去されており、これによりコンタクト
ホール30a及び30bが形成される。そして、これら
のコンタクトホールには、電極31a及び31bが設け
られている。また、P+ 半導体基板21の底面にも、電
極32が設けられている。
置される。ガードリング25a及び25bの上の保護膜
は、その一部が除去されており、これによりコンタクト
ホール30a及び30bが形成される。そして、これら
のコンタクトホールには、電極31a及び31bが設け
られている。また、P+ 半導体基板21の底面にも、電
極32が設けられている。
【0006】ところで、ガードリング25a及び25b
の周囲には、P型の反転防止層28が配置されている。
不純物濃度の低いP- 型層22の上にSiO2 膜(保護
膜29)が形成されると、P- 型層22と保護膜29と
の境界近傍は、N型の半導体層に反転してしまう。この
境界近傍が反転すると、受光部であるN+ 型層23aと
23bは、この反転層によって電気的に導通してしま
う。このため、各受光部23a及び23bからの出力
は、独立して取り出すことが出来なくなる。また、一つ
の受光部からなるAPDにおいては、受光部が半導体基
板全面に広がってしまう。反転防止層28は、これを防
止するために配置される。
の周囲には、P型の反転防止層28が配置されている。
不純物濃度の低いP- 型層22の上にSiO2 膜(保護
膜29)が形成されると、P- 型層22と保護膜29と
の境界近傍は、N型の半導体層に反転してしまう。この
境界近傍が反転すると、受光部であるN+ 型層23aと
23bは、この反転層によって電気的に導通してしま
う。このため、各受光部23a及び23bからの出力
は、独立して取り出すことが出来なくなる。また、一つ
の受光部からなるAPDにおいては、受光部が半導体基
板全面に広がってしまう。反転防止層28は、これを防
止するために配置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】分離領域26aとガー
ドリング25a及び25bは、光検出感度が低く、不感
帯と呼ばれている。この不感帯の幅は、狭い方が好まし
い。不感帯幅が狭いほど、分解能に関して有利だからで
ある。例えば、入射する光を0.5mmφのスポット光と
し、この不感帯の幅を0.5mm以上とするならば、この
不感帯に光が入射されると、信号電流は、出力されな
い。このため、不感帯幅より小さいスポット径の光を使
用できず、また、大きなスポット光を位置検出等に使用
すると、分解能が著しく悪化する。しかしながら、従来
の多分割APDは、不感帯幅が100μm以上あり、分
解能が著しく悪いという問題があった。
ドリング25a及び25bは、光検出感度が低く、不感
帯と呼ばれている。この不感帯の幅は、狭い方が好まし
い。不感帯幅が狭いほど、分解能に関して有利だからで
ある。例えば、入射する光を0.5mmφのスポット光と
し、この不感帯の幅を0.5mm以上とするならば、この
不感帯に光が入射されると、信号電流は、出力されな
い。このため、不感帯幅より小さいスポット径の光を使
用できず、また、大きなスポット光を位置検出等に使用
すると、分解能が著しく悪化する。しかしながら、従来
の多分割APDは、不感帯幅が100μm以上あり、分
解能が著しく悪いという問題があった。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みて、成
されたものであり、分解能を向上させた多分割APDを
提供する。
されたものであり、分解能を向上させた多分割APDを
提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】従来の多分割APDは、
互いに隣接する受光部に挟まれている領域にガードリン
グを含んでいた。このため、APDの不感帯幅が著しく
広かったのである。そこで、本発明者は、鋭意研究の結
果、驚くべきことに、互いに隣接する受光部に挟まれて
いる領域に含まれていたガードリングを省いても、エッ
ジブレークダウンが防止できることを初めて見出し、発
明するに至った。即ち、本発明は、第1に、「半導体基
板上に複数の受光部が配置されてなる多分割アバランシ
ェフォトダイオードにおいて、前記受光部の外周縁部に
のみガードリングが設けられていることを特徴とする多
分割アバランシェフォトダイオード(請求項1)」を提
供する。
互いに隣接する受光部に挟まれている領域にガードリン
グを含んでいた。このため、APDの不感帯幅が著しく
広かったのである。そこで、本発明者は、鋭意研究の結
果、驚くべきことに、互いに隣接する受光部に挟まれて
いる領域に含まれていたガードリングを省いても、エッ
ジブレークダウンが防止できることを初めて見出し、発
明するに至った。即ち、本発明は、第1に、「半導体基
板上に複数の受光部が配置されてなる多分割アバランシ
ェフォトダイオードにおいて、前記受光部の外周縁部に
のみガードリングが設けられていることを特徴とする多
分割アバランシェフォトダイオード(請求項1)」を提
供する。
【0010】また、本発明は、第2に、「前記複数の受
光部が互いに隣接する領域は、前記多分割アバランシェ
フォトダイオードが動作している間、空乏層化されてい
ることを特徴とする請求項1記載の多分割アバランシェ
フォトダイオード(請求項2)」を提供する。また、本
発明は、第3に、「前記半導体基板がシリコン基板であ
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多分
割アバランシェフォトダイオード(請求項3)」を提供
する。
光部が互いに隣接する領域は、前記多分割アバランシェ
フォトダイオードが動作している間、空乏層化されてい
ることを特徴とする請求項1記載の多分割アバランシェ
フォトダイオード(請求項2)」を提供する。また、本
発明は、第3に、「前記半導体基板がシリコン基板であ
ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多分
割アバランシェフォトダイオード(請求項3)」を提供
する。
【0011】
【作用】互いに隣接する受光部に挟まれている領域のガ
ードリングを省き、且つ、APDの動作時に、この領域
が空乏層化すれば、PN接合のエッジでの電界集中が緩
和される。このため、受光部同志が接近して隣接してい
る場合には、そのらの間の受光部周縁にガードリングを
配置しなくても、エッジブレークダウンが生じないので
ある。そして、ガードリングが省かれることにより、不
感帯幅は、数10μm程度まで減少させることが可能に
なる。
ードリングを省き、且つ、APDの動作時に、この領域
が空乏層化すれば、PN接合のエッジでの電界集中が緩
和される。このため、受光部同志が接近して隣接してい
る場合には、そのらの間の受光部周縁にガードリングを
配置しなくても、エッジブレークダウンが生じないので
ある。そして、ガードリングが省かれることにより、不
感帯幅は、数10μm程度まで減少させることが可能に
なる。
【0012】以下、図を参照し、これを説明する。図5
は、ガードリングが省略されているAPDの電界分布を
説明するための概念断面図である。図5(a)は、独立
している、単一の受光部周辺を示している。P型の半導
体層51と、受光部であるN型の半導体層52には、高
電界領域を生じさせるため、高電圧の逆バイアス電圧を
印加させる。これにより、その間に空乏層53、54が
生じる。空乏層53は、受光部中央の平坦な領域に生ず
る空乏層である。この空乏層53は、その上下に平行で
面積の等しい半導体層51、52で挟まれている。この
ため、空乏層53内における電気力線は、平行となる。
また、空乏層54は、周縁の湾曲した領域を示す。湾曲
しているため、その両側の半導体層の面積は異なる。即
ち、両端の半導体層のそれぞれの面積は、図5(a)に
おけるb−cの長さと、e−fの長さに対応する。図か
ら明らかなように、これらの長さは、(b−c)<(e
−f)の関係となる。このため、空乏層54内における
電気力線は、半導体層51から半導体層52に向かうに
従って、その密度が高くなる。即ち、空乏層54に電界
の集中が生ずる。そして、この湾曲した領域でエッジブ
レークダウンが生じ易くなる。
は、ガードリングが省略されているAPDの電界分布を
説明するための概念断面図である。図5(a)は、独立
している、単一の受光部周辺を示している。P型の半導
体層51と、受光部であるN型の半導体層52には、高
電界領域を生じさせるため、高電圧の逆バイアス電圧を
印加させる。これにより、その間に空乏層53、54が
生じる。空乏層53は、受光部中央の平坦な領域に生ず
る空乏層である。この空乏層53は、その上下に平行で
面積の等しい半導体層51、52で挟まれている。この
ため、空乏層53内における電気力線は、平行となる。
また、空乏層54は、周縁の湾曲した領域を示す。湾曲
しているため、その両側の半導体層の面積は異なる。即
ち、両端の半導体層のそれぞれの面積は、図5(a)に
おけるb−cの長さと、e−fの長さに対応する。図か
ら明らかなように、これらの長さは、(b−c)<(e
−f)の関係となる。このため、空乏層54内における
電気力線は、半導体層51から半導体層52に向かうに
従って、その密度が高くなる。即ち、空乏層54に電界
の集中が生ずる。そして、この湾曲した領域でエッジブ
レークダウンが生じ易くなる。
【0013】図5(b)は、2つの接近して隣接した受
光部周辺を示す。なお、この図は、中心線D−Dに対し
て、左右対称となるので、左側についてのみ説明する。
P型の半導体層55と、受光部であるN型の半導体層5
6、59には、高電界領域を生じさせるため、高電圧の
逆バイアス電圧が印加される。なお、半導体層56、5
9には、同一の電圧が印加される。これにより、その間
に空乏層57、58が生ずる。空乏層57は、受光部中
央の平坦な領域に生ずる空乏層である。この空乏層57
は、その上下に平行で面積の等しい半導体層55、56
で挟まれている。このため、空乏層57内における電気
力線は、平行となる。また、空乏層58は、周縁の湾曲
した領域を示す。湾曲しているため、その両側の半導体
層の面積は異なる。即ち、両端の半導体層のそれぞれの
面積は、図5(b)におけるg−hの長さと、i−jの
長さに対応する。このため、空乏層58内における電気
力線は、半導体層55から半導体層56に向かうに従っ
て、その密度が高くなる。しかし、図5(a)との比較
から明らかなように、空乏層58の両側の半導体層の面
積差は、空乏層54の両側のそれよりも小さい。その様
子は、長さe−fがi−jに短縮されたことに表れてい
る。このため、g−hでの電界の集中は緩和され、エッ
ジブレークダウンは、生じない。しかしながら、この電
界集中の緩和は、PN接合が平坦な領域と同程度にまで
緩和することが出来ない。従って、受光部(本図におい
ては52、56、59)の下に配置させるP型層は、受
光部より内側に配置することが肝要である。そして、こ
の構造での不感帯幅は、P型層の間隔となる。このよう
にすれば、多分割APDの不感帯幅は、数10μmにす
ることが可能となる。
光部周辺を示す。なお、この図は、中心線D−Dに対し
て、左右対称となるので、左側についてのみ説明する。
P型の半導体層55と、受光部であるN型の半導体層5
6、59には、高電界領域を生じさせるため、高電圧の
逆バイアス電圧が印加される。なお、半導体層56、5
9には、同一の電圧が印加される。これにより、その間
に空乏層57、58が生ずる。空乏層57は、受光部中
央の平坦な領域に生ずる空乏層である。この空乏層57
は、その上下に平行で面積の等しい半導体層55、56
で挟まれている。このため、空乏層57内における電気
力線は、平行となる。また、空乏層58は、周縁の湾曲
した領域を示す。湾曲しているため、その両側の半導体
層の面積は異なる。即ち、両端の半導体層のそれぞれの
面積は、図5(b)におけるg−hの長さと、i−jの
長さに対応する。このため、空乏層58内における電気
力線は、半導体層55から半導体層56に向かうに従っ
て、その密度が高くなる。しかし、図5(a)との比較
から明らかなように、空乏層58の両側の半導体層の面
積差は、空乏層54の両側のそれよりも小さい。その様
子は、長さe−fがi−jに短縮されたことに表れてい
る。このため、g−hでの電界の集中は緩和され、エッ
ジブレークダウンは、生じない。しかしながら、この電
界集中の緩和は、PN接合が平坦な領域と同程度にまで
緩和することが出来ない。従って、受光部(本図におい
ては52、56、59)の下に配置させるP型層は、受
光部より内側に配置することが肝要である。そして、こ
の構造での不感帯幅は、P型層の間隔となる。このよう
にすれば、多分割APDの不感帯幅は、数10μmにす
ることが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、図を引用して本発明の実施例を説明す
る。しかし、本発明は、これに限られるものではない。
図1及び図2は、本発明に係る多分割APDの実施例を
示し、図1はその平面図、図2は図1におけるA−A’
部分の断面図である。本実施例は、2つの受光部を有す
る2分割APDである。不純物濃度2×1017cm-3の
P型シリコン基板1上に、不純物濃度1×1014c
m-3、厚さ25μmのP- 型(シリコン)エピタキシャ
ル成長層2(P- 型層)を配置した。このエピタキシャ
ル成長層2に、リンが拡散されているN型の拡散層であ
るガードリング5a及び5b、高電界領域を形成するた
めのボロンが拡散されているP型層4a及び4b、砒素
が拡散されているN+ 型層3a及び3bがそれぞれ形成
されている。なお、N+ 型層3a及び3bが受光部とな
る。ガードリング5a及び5bは、図2に明瞭に示され
ているように、2つの受光部、即ち、N+ 型層3a及び
3bの外周縁部にのみ形成されている。換言すると、互
いに隣接する受光部によって挟まれている領域には、ガ
ードリングは設けられていない。これらのガードリング
5a及び5bは、拡散深さ(XJ)約5μm、シート抵抗
(Rs)110Ω/□であり、エッジ部分の電界集中を緩
和させている。
る。しかし、本発明は、これに限られるものではない。
図1及び図2は、本発明に係る多分割APDの実施例を
示し、図1はその平面図、図2は図1におけるA−A’
部分の断面図である。本実施例は、2つの受光部を有す
る2分割APDである。不純物濃度2×1017cm-3の
P型シリコン基板1上に、不純物濃度1×1014c
m-3、厚さ25μmのP- 型(シリコン)エピタキシャ
ル成長層2(P- 型層)を配置した。このエピタキシャ
ル成長層2に、リンが拡散されているN型の拡散層であ
るガードリング5a及び5b、高電界領域を形成するた
めのボロンが拡散されているP型層4a及び4b、砒素
が拡散されているN+ 型層3a及び3bがそれぞれ形成
されている。なお、N+ 型層3a及び3bが受光部とな
る。ガードリング5a及び5bは、図2に明瞭に示され
ているように、2つの受光部、即ち、N+ 型層3a及び
3bの外周縁部にのみ形成されている。換言すると、互
いに隣接する受光部によって挟まれている領域には、ガ
ードリングは設けられていない。これらのガードリング
5a及び5bは、拡散深さ(XJ)約5μm、シート抵抗
(Rs)110Ω/□であり、エッジ部分の電界集中を緩
和させている。
【0015】高電界領域を形成するためのP型層4a及
び4bは、XJ 2.2μm、RS 5.1Ω/□である。
N+ 型層3a及び3bは、XJ 0.2μm、RS 180
Ω/□である。これらの不純物濃度の条件で、逆バイア
ス電圧100Vにおいて、空乏層幅は、36μm程度と
なる。このため、N+ 型層3a及び3bとシリコン基板
1の間のエピタキシャル成長層2は、完全に空乏化す
る。
び4bは、XJ 2.2μm、RS 5.1Ω/□である。
N+ 型層3a及び3bは、XJ 0.2μm、RS 180
Ω/□である。これらの不純物濃度の条件で、逆バイア
ス電圧100Vにおいて、空乏層幅は、36μm程度と
なる。このため、N+ 型層3a及び3bとシリコン基板
1の間のエピタキシャル成長層2は、完全に空乏化す
る。
【0016】N+ 型層3a及び3bは、14μmの間隔
(6a)で配置されている。また、P型層4a及び4b
は、24μmの間隔(6b)で配置されている。P型層
4a及び4bがない領域は、なだれ現象を生じさせな
い。即ち、APDとしての作用がない。このため、不感
帯は、P型層4a及び4bの間隔(6b)の24μmと
なる。
(6a)で配置されている。また、P型層4a及び4b
は、24μmの間隔(6b)で配置されている。P型層
4a及び4bがない領域は、なだれ現象を生じさせな
い。即ち、APDとしての作用がない。このため、不感
帯は、P型層4a及び4bの間隔(6b)の24μmと
なる。
【0017】N+ 型層3a及び3bは、一部がガードリ
ングとオーバーラップして形成されている。本実施例に
おけるオーバーラップ量は、16μmである。N+ 型層
3a及び3b上には、厚さが600ÅでありSiO2 か
らなる反射防止膜7a、7bが配置されている。また、
ガードリング5a及び5bの周囲には、ボロンが拡散さ
れているP型の反転防止層8が配置され、その表面に
は、SiO2 からなる保護膜9が設けられている。反転
防止層8は、P- 型層(エピタキシャル成長層)2が表
面のSiO2 によりN型に反転するのを防止する。
ングとオーバーラップして形成されている。本実施例に
おけるオーバーラップ量は、16μmである。N+ 型層
3a及び3b上には、厚さが600ÅでありSiO2 か
らなる反射防止膜7a、7bが配置されている。また、
ガードリング5a及び5bの周囲には、ボロンが拡散さ
れているP型の反転防止層8が配置され、その表面に
は、SiO2 からなる保護膜9が設けられている。反転
防止層8は、P- 型層(エピタキシャル成長層)2が表
面のSiO2 によりN型に反転するのを防止する。
【0018】ガードリング5a及び5b上の反射防止膜
3a及び3bは、一部が除去されてコンタクトホール1
0a及び10bが形成されている。これらのコンタクト
ホールには、アルミニウムからなる電極11a及び11
bが設けられている。また、P型シリコン基板1にも、
アルミニウムからなる電極12が設けられている。この
実施例では、逆バイアス電圧100Vで増倍率100倍
が得られている。
3a及び3bは、一部が除去されてコンタクトホール1
0a及び10bが形成されている。これらのコンタクト
ホールには、アルミニウムからなる電極11a及び11
bが設けられている。また、P型シリコン基板1にも、
アルミニウムからなる電極12が設けられている。この
実施例では、逆バイアス電圧100Vで増倍率100倍
が得られている。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、互いに
隣接する受光部によって挟まれている領域にガードリン
グを配置しなくても良いので、不感帯幅を数十μmにす
ることが可能である。このため、多分割APDの分解能
が向上する。更に、不感帯幅が狭くなることにより、多
分割APDを微細化できると言う効果もある。
隣接する受光部によって挟まれている領域にガードリン
グを配置しなくても良いので、不感帯幅を数十μmにす
ることが可能である。このため、多分割APDの分解能
が向上する。更に、不感帯幅が狭くなることにより、多
分割APDを微細化できると言う効果もある。
【図1】本発明に係る多分割APDの実施例における平
面図である。
面図である。
【図2】図1におけるA−A’部分の断面図である。
【図3】従来の2分割APDの平面図である。
【図4】図3におけるB−B’部分の断面図である。
【図5】APDの電界分布を説明するための概念断面図
である。
である。
1・・・シリコン基板 2・・・エピタキシャル成長層 3a、3b、23a、23b・・・N+ 型層(受光部) 4a、4b、24a、24b・・・P型層 5a、5b、25a、25b・・・ガードリング 6a・・・N+ 型層の間隔 6b・・・不感帯幅 7a、7b、27a、27b・・・反射防止膜 8、28・・・反転防止層 9、29・・・保護膜 10a、10b、30a、30b・・・コンタクトホー
ル 11a、11b、12、31a、31b、32・・・電
極 21・・・半導体基板 22・・・P- 型層 26a・・・分離領域 26b・・・互いに隣接する受光部によって挟まれてい
る領域 51、55・・・P型の半導体層 52、56、59・・・N型の半導体層 53、54、57、58・・・空乏層 以上
ル 11a、11b、12、31a、31b、32・・・電
極 21・・・半導体基板 22・・・P- 型層 26a・・・分離領域 26b・・・互いに隣接する受光部によって挟まれてい
る領域 51、55・・・P型の半導体層 52、56、59・・・N型の半導体層 53、54、57、58・・・空乏層 以上
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体基板上に複数の受光部が配置され
てなる多分割アバランシェフォトダイオードにおいて、 前記受光部の外周縁部にのみガードリングが設けられて
いることを特徴とする多分割アバランシェフォトダイオ
ード。 - 【請求項2】 前記複数の受光部が互いに隣接する領域
は、前記多分割アバランシェフォトダイオードが動作し
ている間、空乏層化されていることを特徴とする請求項
1記載の多分割アバランシェフォトダイオード。 - 【請求項3】 前記半導体基板がシリコン基板であるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載の多分割ア
バランシェフォトダイオード。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28671294A JP3243952B2 (ja) | 1993-12-16 | 1994-11-21 | 多分割アバランシェフォトダイオード |
US08/354,731 US5596186A (en) | 1993-12-08 | 1994-12-06 | High sensitivity silicon avalanche photodiode |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-316280 | 1993-12-16 | ||
JP31628093 | 1993-12-16 | ||
JP28671294A JP3243952B2 (ja) | 1993-12-16 | 1994-11-21 | 多分割アバランシェフォトダイオード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07226532A true JPH07226532A (ja) | 1995-08-22 |
JP3243952B2 JP3243952B2 (ja) | 2002-01-07 |
Family
ID=26556420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28671294A Expired - Fee Related JP3243952B2 (ja) | 1993-12-08 | 1994-11-21 | 多分割アバランシェフォトダイオード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3243952B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1146010A (ja) * | 1997-05-27 | 1999-02-16 | Hamamatsu Photonics Kk | アバランシェフォトダイオード |
US6392282B1 (en) | 1998-01-30 | 2002-05-21 | Hamamatsu Photonics K.K. | BiCMOS-integrated photodetecting semiconductor device having an avalanche photodiode |
JP2007234641A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-13 | Sharp Corp | 光電変換素子 |
JP2007335596A (ja) * | 2006-06-14 | 2007-12-27 | Hamamatsu Photonics Kk | フォトダイオードアレイ |
CN111902949A (zh) * | 2018-03-27 | 2020-11-06 | 松下知识产权经营株式会社 | 光检测器 |
CN111937151A (zh) * | 2018-03-30 | 2020-11-13 | 松下知识产权经营株式会社 | 光检测器 |
-
1994
- 1994-11-21 JP JP28671294A patent/JP3243952B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1146010A (ja) * | 1997-05-27 | 1999-02-16 | Hamamatsu Photonics Kk | アバランシェフォトダイオード |
US6392282B1 (en) | 1998-01-30 | 2002-05-21 | Hamamatsu Photonics K.K. | BiCMOS-integrated photodetecting semiconductor device having an avalanche photodiode |
JP2007234641A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-13 | Sharp Corp | 光電変換素子 |
JP4489035B2 (ja) * | 2006-02-27 | 2010-06-23 | シャープ株式会社 | 光電変換素子 |
JP2007335596A (ja) * | 2006-06-14 | 2007-12-27 | Hamamatsu Photonics Kk | フォトダイオードアレイ |
JP4602287B2 (ja) * | 2006-06-14 | 2010-12-22 | 浜松ホトニクス株式会社 | フォトダイオードアレイ |
CN111902949A (zh) * | 2018-03-27 | 2020-11-06 | 松下知识产权经营株式会社 | 光检测器 |
CN111902949B (zh) * | 2018-03-27 | 2024-02-23 | 松下知识产权经营株式会社 | 光检测器 |
CN111937151A (zh) * | 2018-03-30 | 2020-11-13 | 松下知识产权经营株式会社 | 光检测器 |
JP2021192452A (ja) * | 2018-03-30 | 2021-12-16 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 光検出器 |
CN113851499A (zh) * | 2018-03-30 | 2021-12-28 | 松下知识产权经营株式会社 | 光检测器 |
US11888003B2 (en) | 2018-03-30 | 2024-01-30 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Photodetector |
US12113078B2 (en) | 2018-03-30 | 2024-10-08 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Photodetector |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3243952B2 (ja) | 2002-01-07 |
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