JPH0722568Y2 - ボイラの圧力検出機器動作確認装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ボイラ運転の安全性を向上させる圧力検出
機器動作確認装置に関するものである。

〔従来の技術及びその課題〕

一般に、ボイラには缶内の圧力を検出するための圧力検
出器を設け、この検出器の出力信号に基づいて、燃焼の
開始及び停止を制御するようにしている。即ち、缶内圧
が予め設定したおいた圧力値以上になれば燃焼を停止さ
せ、缶内圧が設定値以下になれば燃焼を開始するように
制御する。

この検出器は、ボイラの燃焼を制御するための重要な機
器であり、これが故障してしまうと、ボイラの燃焼が停
止せず缶内の圧力が異常に上昇し、ボイラが破壊してし
まう。

そこで、ボイラには、安全弁等の安全装置を設けて、異
常圧力上昇に備えるようにしているが、この安全弁も経
年的腐食等の問題により故障することがあり、確実に作
動するかどうか定期的に（１年に１回程度）点検する必
要がある。この点検作業は煩雑な作業であるが、怠けて
点検作業を怠るとボイラ破壊或いは事故を招くことにな
る。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、上述の課題に鑑み、圧力検出器や安全弁等
の圧力検出機器が正常に作動しているかどうか、自動的
に確認できるようにしたもので、ボイラに缶内の蒸気温
度を検出するための蒸気温度検出器を設け、該ボイラに
付属の圧力検出機器の動作と前記蒸気温度検出器からの
信号とを比較する比較器を設け、前記圧力検出器が正常
な動作をしていないとき警報を発する警報器を前記比較
器に接続したことを特徴としている。

〔作用〕

上述の構成によれば、ボイラ運転中は、缶内は飽和水蒸
気圧の状態にあり、蒸気温度と蒸気圧力が一定の関係に
あるので、ボイラに付属の圧力検出機器の動作と蒸気温
度検出器からの信号とを比較し、圧力検出機器が正常に
作動しているかどうかを判定し、正常な動作をしていな
いときはボイラの運転を停止するとともに警報を発し、
ボイラ運転の安全性を常に確保することができる。

〔実施例〕

以下、この考案の好ましい実施例を図面に基づいて説
明する。

図中（１）はボイラで、加熱用のバーナ（２）を備えて
おり、送風機（３）にて燃焼用空気を該バーナに送るよ
うにしている。前記バーナ（２）には燃料供給ライン
（４）を接続し、このラインに燃料ポンプ（５）及び燃
料用電磁弁（６）を挿設している。（７）は火炎検出器
で、火炎の有無を検出する。

ボイラ（１）の稼動、停止は、負荷の状況によって制御
し、ボイラ缶内圧を検出する圧力検出器（８）の信号に
基づいて、燃焼制御器（９）により制御する。即ち、缶
内圧が予め設定しておいた圧力値以上になれば、燃焼を
停止し、缶内圧が設定値以下になれば燃焼を開始するよ
うに制御する。

（10）はボイラ缶内の水位を検出するための水位検出器
であり、この検出器の信号に基づいて、適宜の水位制御
装置により、給水ライン（11）中の給水ボンプ（12）を
ON-OFF稼動させ、缶内の水位を一定のレベルに保つ。
（13）は安全弁、（14）は蒸気温度検出器である。

ボイラ運転中は、缶内は飽和蒸気圧の状態にあり、蒸気
温度と蒸気圧力が一定の関係にある。従って、上記の圧
力検出器（８）や安全弁（13）等の圧力検出機器は、予
め設定しておいた圧力値で所定の動作を行うが、それら
の動作と前記蒸気温度検出器（14）からの信号とを、比
較器（15）で比較し、正常な動作をしているかどうか判
定することができる。圧力検出機器は、圧力導入管を有
し、又、缶内圧力を受けて動く稼動部分を備えている
為、その圧力導入管が詰まったり、稼動部分がサビつい
て動かなくなるなどの故障が生じていることがあるが、
その点、一般的に温度検出器は、故障の要因が少なく信
頼性が高いので、前記蒸気温度検出器からの信号によ
り、圧力検出機器のバックアップ制御を行う。

例えば、圧力検出器（８）の信号により設定圧で燃焼の
停止・開始が正常に行われているかどうか、安全弁（1
3）が作動すべき圧力に達しているはずなのに継続して
圧力が上昇していないかどうかなどを判定し、異常が認
められるときは、ボイラの運転を停止し、警報器（16）
で警報を発する。

〔考案の効果〕

この考案は、以上のような構成であるので、圧力検出機
器の動作を蒸気温度検出器からの信号に基づいて確認す
ることができ、非常に安全性の高いボイラ装置を提供す
ることができる。又、圧力検出機器が正常に作動してい
るかどうか、常時、自動的に確認することができ、その
点検作業を省略、或いは定期点検作業回数を減らして、
ボイラ管理の煩雑さを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す系統図である。 （１）……ボイラ、（14）……蒸気温度検出器 （15）……比較器、（16）……警報器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 坪田 吉民 愛媛県松山市堀江町７番地 三浦工業株式 会社内 (72)考案者 菅野 均 愛媛県松山市堀江町７番地 三浦工業株式 会社内 (72)考案者 安藤 秀朗 愛媛県松山市堀江町７番地 三浦工業株式 会社内 (72)考案者 重松 敬 愛媛県松山市堀江町７番地 三浦工業株式 会社内 審査官 清田 栄章

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボイラ（１）に缶内の蒸気温度を検出する
   ための蒸気温度検出器（14）を設け、該ボイラに付属の
   圧力検出機器の動作と前記蒸気温度検出器からの信号と
   を比較する比較器（15）を設け、前記圧力検出機器が正
   常な動作をしていないとき警報を発する警報器（16）を
   前記比較器に接続したことを特徴とするボイラの圧力検
   出機器動作確認装置。