JPH0722563B2 - カプセル形シャワールーム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、混合水栓により給湯を給水に混合し混合され
た温水をシャワーホースのヘッドからシャワー室に噴射
してなるカプセル形シャワールームに関する。

（ロ）従来の技術 この種のカプセル形シャワールームは実開昭63−47791
号公報に示されている。このものは、給湯配管及び給水
配管を混合水栓に接続し、この混合水栓の出口側配管に
シャワーホースを接続するとともに、出口側配管に定流
量弁と電動弁を配置したものである。従って、使用者が
シャワー水を多量に使用することにより、使用料金との
採算が合わなくなることを防止していた。

（ハ）発明が解決しようとする課題 従来のカプセル形シャワールームにおいては、シャワー
水が高温となった場合の保護装置が施されていないの
で、高温のシャワー水が使用者にかかり、火傷する恐れ
があった。

これを改善するために、シャワー水の温度を温度センサ
ーで検出して、高温になれば電動弁を閉じて使用者の火
傷を防止することが考えられる。

しかし、混合水栓からシャワーホースまでは通常距離が
あるため、出口側配管をシャワー水が流れている間に放
熱し、混合水栓で設定した温度より低くなる。特に、冬
期においては周囲温度の低下が目立つ。

従って、混合水栓近傍に温度センサーを配置したとき、
混合水栓から出る温度はあまり変わらないが、シャワー
ヘッドから出るシャワー水の温度は変わってしまうた
め、温度センサーで高温と判断する温度を周囲温度に応
じて変化させる必要があり、シャワー水の温度制御が複
雑化する。

また、電動弁の故障については、開放したままの故障は
シャワー水が止まらないので使用者等にも分かるが、閉
じたままの故障は現状がシャワー水が出ないだけなの
で、故障の状態が見えない。

従って、この故障を判別するには特別な装置を追加する
必要がある、コストアップの要因となる。

本発明はかかる課題を解決ものである。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明は、給湯設備から外部配管を通して給送される給
湯を給水に混合する混合水栓と、該混合水栓の出口側に
接続され電動弁を介設した出口側配管と、該出口側配管
に接続されシャワーヘッドからシャワー水を噴出するシ
ャワーホースと、前記シャワー水の温度を検出する温度
センサーと、前記シャワー水の出湯及び出湯停止を手動
にて切り換える操作部と、該操作部の操作に基づいて前
記電動弁を制御すると共に前記温度センサーの検出温度
が高温限界温度以上の場合に前記電動弁を閉じる制御装
置と、を備えてなるものにおいて、前記温度センサー
は、前記電動弁と前記シャワーホースとの間に配置した
構成である。

また、前記操作部に前記温度センサーで検出した温度等
を表示する表示部を備え、前記制御装置は、前記温度セ
ンサーの検出温度が低温限界温度以下の場合、前記表示
部に、前記給湯設備及び／又は前記電動弁の故障表示を
させた構成である。

（ホ）作用 即ち、シャワーホースに、シャワー水が流入する直前で
シャワー水の温度を検出するために、電動弁とシャワー
ホースとの間に温度センサーを配置したので、シャワー
ヘッドから噴射されるシャワー水の温度により近い温度
が検出で、冬期や夏期に関係なく一定の温度設定で制御
できるとともに、温度センサーの検出温度で電動弁の故
障も一緒に判断できる。

また、操作部に設けた表示部にはシャワー水の温度を表
示するだけでなく、シャワー水の温度が低温限界温度以
上に上昇しなかった場合、制御装置が給湯設備及び／ま
たは電動弁に故障が生じたと判断して、故障表示もさせ
るので、使用者にとっては現在故障が発生したから保守
点検管理者に故障を知らせることができ、保守点検管理
者にとってはどこが故障しているかがわかり、使い勝手
を向上させるものである。

（ヘ）実施例 次に本発明の一実施例について説明する。

第１図及び第２図において、（１）はカプセル形ルーム
本体で、パネル等を組合わせて構成し、ルーム床パネル
には支持脚（２）を有している。前記支持脚（２）は現
場設置時に長さ調節されることでカプセル形ルーム本体
（１）の水平バランス等を調整する。（３）はカプセル
形ルーム本体（１）の出入口を閉塞するドアで、把手
（４）を有している。（５）はドア（３）の周囲に配置
した意匠パネルで、カプセル形ルーム本体（１）に取り
付けられている。（６）はカプセル形ルーム本体（１）
の内部を更衣室（７）とシャワー室（８）に区画する中
折ドアで、シャワー時の飛散水から脱衣や着替えを保護
する。（９）は更衣室（７）に設けた脱衣棚、（10）は
機器収納部で、後述の制御装置（11）等を収納する。
（13）は鏡、（14）は排水口である。

（15）は更衣室（７）の照明器具、（16）はシャワー室
（８）の照明器具、（17）はシャワー室（８）から排気
する換気扇である。照明器具（15）等は、後述のように
ルーム使用可能時間だけ通電される電気設備（18）を構
成している。

（19）はシャワー水をノズル噴射するシャワーヘッド、
（20）はホース、（21）はシャワー水の温度調節用の混
合水栓で、給湯設備（図示しない）から外部配管を通し
て供給される高温水を水道水と混合して前記ホース（2
0）に給送する。（22）は使用者により任意に操作され
るシャワースタートスイッチで、その指示信号に基いて
混合水栓（21）の下流側で電動弁（35）（後記する）を
開閉する。（23）は出湯残り時間等の表示部である。前
記シャワーヘッド（19）、前記ホース（20）及び前記混
合水栓（21）等は、協同してシャワー設備（24）を構成
している。

（25）は使用者により室内から操作されドア（３）をロ
ックする室内ドアロック、（26）は室内ドアロック（2
5）に連動するドアロックスイッチ、（27）はドアロッ
クスイッチ（26）のドアロックオン信号に基いて自動的
に施錠状態になる電気錠、（28）は電気錠（27）の施錠
に連動して点灯する使用中ランプ、（29）は解錠時に点
灯している使用可ランプである。前記室内ドアロック
（25）、ドアロックスイッチ（26）及び電気錠（27）等
は、協同して２重錠態様のドアロック装置（30）を構成
している。

（31）は100円コイン等の投入される室外側コイン選別
機で、そのコイン検出信号を制御装置（11）に送って電
気錠（27）を解除すると共に電気設備（18）に通電開始
してルームを使用可能にする。（32）は更衣室（７）に
配設され追加コインの投入される室内側コイン選別機で
ある。コイン選別機（31）（32）の投入コインは、コイ
ン収納部（31a）に案内され収納される。

而して前記シャワー設備（24）は第３図に示すように、
前記混合水栓（21）の出口側配管（33）に、減圧逆止弁
（34）及び前記電動弁（35）を介設すると共に、前記混
合水栓（21）の湯温調節用操作部（21a）を前記シャワ
ー室（８）の内部に配設してある。

また、前記シャワー設備（24）は、前記電動弁（35）の
下流側に温度センサー（36）を設けると共に、この温度
センサー（36）の検出結果に基づいて前記制御装置（1
1）により前記電動弁（35）を開閉制御してなる。且つ
シャワー設備（24）は、前記温度センサー（36）の検出
温度、更には前記給湯設備及び又は前記電動弁（35）の
故障を表示すべく構成しある。前記表示部（23）は、前
記制御装置（11）の信号に基づいて、第４図に示すよう
に、通常はシャワー残り時間を表示し、前記シャワース
タートスイッチ（22）及びシャワー停止スイッチ（37）
を同時に押した場合にだけシャワー出湯温度を表示し、
更に検出温度が低温限界温度となる35℃以上に到達し得
ない場合は、前記給湯設備のボイラー（図示せず）の点
火ミス及び又は前記電動弁（35）が開成できずにシャワ
ー設備（24）が出湯不能になったものと判断しトラブル
モニターとして所定数字99等の故障対応表示すべく構成
してある。また前記シャワー設備（24）は、検出温度が
高温限界温度となる45℃以上になった場合には、前記電
動弁（35）を閉じてシャワー出湯を停止して高温ランプ
（38）を点滅し、検出温度が42℃に復帰した場合には前
記電動弁（35）を開成復帰させるように構成してある。
また、前記湯温調節用操作部（21a）は約43℃以上には
回動しないように調整してある。

前記カプセル形シャワールームでは、使用者は先ず使用
可ランプ（29）の点灯を確認して室外側コイン選別機
（31）にコインを投入する。すると電気錠（27）が解除
すると共に電気設備（18）に通電して照明器具（15）が
点灯し、従ってシャワールームは使用可能状態になる。
この使用可能状態において使用者はルーム内に入り室内
ドアロック（25）を施錠する。するとドアロックスイッ
チ（26）がオンしドアロックオン信号に基いて電気錠
（27）及び換気扇（17）が動作すると共にシャワー室
（８）の照明器具（16）が点灯し且つシャワー設備（2
4）が出湯可能状態になる。同時に使用可ランプ（29）
に代わって使用中ランプ（28）が点灯するようになる。
この状態において使用者はシャワースタートスイッチ
（22）を任意に操作する。すると出湯時間規制タイマー
がカウント開始して所定時間（５分）だけシャワー設備
（24）から出湯し、従って使用者は混合水栓（21）でシ
ャワー温度を調節しながら表示部（23）の残り時間表示
が０になるまでシャワーを浴びれるようになる。また出
湯時間規制タイマー使用者のシャワースタートスイッチ
の操作が遅れてコイン投入後所定時間（10分）経過して
しまった場合には自動的にカウント開始して５分後にカ
ウント終了してしまう。出湯時間規制タイマーがカウン
ト終了すると、同時にルーム使用終了タイマーがカウン
ト開始しそのタイマー時間（12分）後に警報を発して電
気設備（18）の照明器具（15）（16）が消灯してルーム
使用可能時間は終了する。このルーム使用終了タイマー
によって所定の着衣時間が確保されるため、使用者は安
心してシャワー及び着衣を済ませることができる。また
ルーム使用終了タイマーのカウント終了前に使用者が室
内ドアロック（25）を解錠操作して退室したときは、そ
の解錠操作から10秒後にドアロックオフ信号が発生して
電気設備（18）が全体的にオフ状態になると共に、使用
中ランプ（28）が消灯して使用可ランプ（29）が点灯
し、従ってカプセル形シャワールームは使用前の初期状
態に復帰する。

また、前記カプセル形シャワールームでは、使用者の湯
温調節用操作部（21a）の操作により給湯と給水の混合
比が調節されるだけで混合水量までは大きく変化される
ことがなく、この混合水量等の多少の変動も減圧逆止弁
（34）により抑制され、従ってシャワー出湯量は所定の
範囲内で安定化する。また、シャワー水の検出温度は、
シャワーホース（20）に流入する直前で温度センサー
（36）にて検出され使用者に触れるシャワー水温度につ
いて正確なものになり、この正確な検出温度に基づいて
電動弁（35）が正確な温度で閉成されるようになり、従
って、使用者は、所定の過熱温度でシャワー出湯が停止
して火傷が防止され所定の低下温度でシャワー出湯が復
帰供給されることで、安心してシャワーを浴びれるよう
になる。また、前記温度センサー（36）による正確な検
出結果に基づいて、シャワー水温度、給湯設備及びまた
は前記電動弁（35）の故障状態が表示され、従って、前
記カプセル形シャワールームは、使用者にとっても保守
点検管理者にとっても使用勝手の良いものになる。

（ト）発明の効果 本発明によれば、温度センサーをシャワーヘッドに近い
ところに配置したので、冬期や夏期に関係なく一定の高
温上限温度が設定でき、シャワー水の温度制御が簡単な
制御となる。また、電動弁の故障検知も特別な装置を用
いることなく、温度センサーで共用できるものである。

さらに、この故障表示を表示部に表示するので、使用者
や保守管理者に故障個所がわかり、使い勝手を向上する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の実施例を示し、第１図は正
面図、第２図は縦断面図、第３図は要部の構成図、第４
図は操作パネル部の説明図である。 （８）……シャワー室、（11）……制御装置、（19）…
…シャワーヘッド、（20）……シャワーホース、（21）
……混合水栓、（21a）……湯温調節操作部、（23）…
…表示部、（33）……出口側配管、（34）……減圧逆止
弁、（35）……電動弁、（36）……温度センサー。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯設備から外部配管を通して給送される
   給湯を給水に混合する混合水栓と、該混合水栓の出口側
   に接続され電動弁を介設した出口側配管と、該出口側配
   管に接続されシャワーヘッドからシャワー水を噴出する
   シャワーホースと、前記シャワー水の温度を検出する温
   度センサーと、前記シャワー水の出湯及び出湯停止を手
   動にて切り換える操作部と、該操作部の操作に基づいて
   前記電動弁を制御すると共に前記温度センサーの検出温
   度が高温限界温度以上の場合に前記電動弁を閉じる制御
   装置と、を備えてなるものにおいて、前記温度センサー
   は、前記電動弁と前記シャワーホースとの間に配置した
   ことを特徴とするカプセル形シャワールーム。
2. 【請求項２】前記操作部に前記温度センサーで検出した
   温度等を表示する表示部を備え、前記制御装置は、前記
   温度センサーの検出温度が低温限界温度以下の場合、前
   記表示部に、前記給湯設備及び／又は前記電動弁の故障
   表示をさせたことを特徴とする請求項１に記載のカプセ
   ル形シャワールーム。