JPH07225587A - 車載用スピーカシステム - Google Patents

車載用スピーカシステム

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JPH07225587A
JPH07225587A JP3756194A JP3756194A JPH07225587A JP H07225587 A JPH07225587 A JP H07225587A JP 3756194 A JP3756194 A JP 3756194A JP 3756194 A JP3756194 A JP 3756194A JP H07225587 A JPH07225587 A JP H07225587A
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JP
Japan
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speaker
listener
grill
axis
long
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Pending
Application number
JP3756194A
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English (en)
Inventor
Kozo Kobayashi
耕三 小林
Hideaki Asamizu
英明 浅水
Toshikazu Kobayashi
稔和 小林
Yoshiaki Kato
喜昭 加藤
Goro Takahashi
吾朗 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nakamichi Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nakamichi Corp
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Nakamichi Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Nakamichi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グリルの開口部の聴取者の耳に対する開口率
を大きくして、開口部を通じて伝搬される音を聴取者の
耳の方向に指向させ、音質を向上する。 【構成】 スピーカ14の前面に取付けられるグリル2
6は、長孔28から成る開口部30を有している。スピ
ーカ14は、グリルの長孔28の長軸L3 の指向方向
が、スピーカ軸線L1 と聴取者の耳22の軸線L2 とを
結んで形成される面Pにほぼ平行になるように配置され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車室内のドアの内面や
フロントパネルに取付けられるスピーカを含む車載用ス
ピーカシステムの改良に関し、特にグリルの開口部の指
向特性を向上して音質を改良する車載用スピーカシステ
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、スピーカは、その振動板の前方
に、開口部が形成されたグリルが取付けられている。こ
のグリルは、専らスピーカの振動板を保護することを目
的としているため、従来、その開口部については、音を
伝搬することができる程度の開口率を確保する程度の配
慮しかなされていなかった。そのため、従来のグリル
は、円形の丸孔に形成された開口部を有するパンチング
メタルか、または、所定の強度を有する金網により形成
されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術のよ
うに、グリルの開口部を単なる丸孔とした場合、また
は、金網によりグリルを形成した場合、これらの開口部
を通じて伝搬される音は、主にスピーカ軸線方向に対し
指向特性を有し、そのスピーカ軸線から離れた斜めの方
向に対しては、特定方向に対しての指向特性を有しな
い。このため、聴取者との位置関係が特定される車載用
スピーカシステムにおいて、スピーカのグリルの開口部
が丸孔であると、スピーカ軸線から離れた斜めの位置に
おいては、グリルに対する聴取者の耳の傾斜角度が小さ
い場合、聴取者の耳に対する開口部の開口率が低下す
る。このことは、孔を正面から目視した場合と斜め上方
から目視した場合とでは、孔を斜め上方から目視した場
合の方が、その可視面積が狭くなることからも解る。
【0004】このため、この従来技術の車載用スピーカ
システムに用いられるグリルでは、例えば、ドアミラー
の裏側に取付けられるツイータの如く、スピーカの軸線
を聴取者の耳にほぼ指向することができる場合には、従
来技術のグリルを用いても音質に与える影響は少ない
が、ドア等の車室内の側面に取付けられるスピーカの場
合、通常、聴取者の足元、または、腰付近等、スピーカ
軸線が聴取者の耳を指向しないような位置に配置されて
いるため、音質が劣化する欠点があった。また、フロン
トパネルに取付けられるスピーカの場合も、そのフロン
トパネルのフロアに対する傾斜角度によっては、同様
に、そのスピーカ軸線が聴取者の耳を指向しないような
位置に配置されるため、音質が劣化する場合がある。
【0005】この場合、車載用スピーカシステムにおい
て、スピーカ及びグリルを、スピーカ軸線が聴取者の耳
を指向するように角度をつけてドアに取付け、聴取者の
耳に対する開口部の開口率を向上することが考えられる
が、グリルがドアから突出するため、余分なスペースを
確保することが必要となり、ドアの開閉に支障をきたす
等、車室スペースを確保する上でも好ましくない。ま
た、グリルのリブを傾斜させ、リブとリブとの間に形成
されるスリットを、スピーカ軸線に対して傾くように延
在させることにより、グリルに指向特性を持たせようと
する技術が提供されている(実開平4−48797号公
報参照)。しかし、この従来技術では、音の回折が発生
することにより、スピーカ軸線方向におけるスリットの
奥行を長くしなければ指向特性を持たせることができな
い。しかも、このように、奥行を長くすると、スリット
による共振現象が生じ、音質上悪影響を及ぼす欠点があ
る。
【0006】本発明の目的は、上記の課題を解決するた
め、スピーカグリルの開口部自体の形状、配置により聴
取者の耳に対して大きな開口率を維持し聴取者に対する
指向特性を向上して、音質を向上することができる車載
用スピーカシステムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するための手段として、スピーカ軸線が聴取者の耳
に指向しないように配置されたスピーカを含む車載用ス
ピーカシステムにおいて、スピーカのグリルは長孔から
成る開口部を有し、このスピーカはグリルの長孔の長軸
の指向方向がスピーカ軸線と聴取者の耳の軸線とを結ん
で形成される面にほぼ平行するように配置されているこ
とを特徴とする車載用スピーカシステムを提供するもの
である。
【0008】特に、上記の車載用スピーカシステムにお
いて、スピーカが聴取者の足元に位置するようにドアに
取付けられている場合に、このスピーカはグリルの長孔
の長軸の指向方向が車室のフロアに対して傾斜するよう
に、より具体的には、約40°に傾斜するように配置さ
れていることを特徴とする車載用スピーカシステムを提
供するものである。
【0009】また、上記の車載用スピーカシステムにお
いて、スピーカが聴取者の腰付近に位置するようにドア
に取付けられている場合に、このスピーカはグリルの長
孔の長軸が車室のフロアに対して垂直になるように配置
されていることを特徴とする車載用スピーカシステムを
提供するものである。
【0010】また、本発明は、上記の課題を解決するた
めの他の手段として、フロントパネルに取付けられたス
ピーカを有する車載用スピーカシステムにおいて、この
スピーカのグリルは長孔から成る開口部を有し、このス
ピーカはグリルの長孔の長軸の指向方向が車室のフロア
に対してほぼ上下方向となるように配置されていること
を特徴とする車載用スピーカシステムを提供するもので
ある。
【0011】本発明は上記の課題を解決すための更に他
の手段として、上記のうちのいずれかの車載用スピーカ
システムであって、複数の長孔のうち任意に選択された
長孔Hi と、この長孔Hi の長軸の長手方向において長
孔Hi と隣接する長孔Hj との間のグリルの壁の肉厚
が、長孔Hi と、この長孔Hi の長軸の横手方向におい
て長孔Hi と隣接する長孔Hk との間のグリルの壁の肉
厚より薄く形成されていることを特徴とする車載用スピ
ーカシステムを提供するものである。
【0012】
【作用】このように、スピーカのグリルの開口部を長孔
とし、かつ、スピーカを、この長孔の長軸の指向方向が
スピーカ軸線と聴取者の耳の軸線とを結んで形成される
面にほぼ平行となるように配置すると、長孔の長軸が聴
取者の耳の方向を指向し、聴取者の耳に対するグリルの
開口部の開口率が向上するため、開口部を通じて伝搬さ
れる音が長孔の長軸方向に存在する聴取者の耳の方向に
指向特性を示すようになるため、音質を向上することが
できる。
【0013】具体的には、例えば、聴取者の足元に位置
するようにドアに取付けられているスピーカを有する車
載用スピーカシステムにおいては、上記のように、この
スピーカを、グリルの長孔の長軸の指向方向が車室のフ
ロアに対して傾斜するように、より具体的には、約40
°に傾斜するように配置すると、長孔の開口部を通じて
伝搬される音が、聴取者の耳の方向に指向特性を示すよ
うになり、音質が向上する。
【0014】また、聴取者の腰付近に位置するようにド
アに取付けられているスピーカを有する車載用スピーカ
システムにおいては、上記のように、このスピーカをグ
リルの長孔の長軸が車室のフロアに対して垂直になるよ
うに配置すると、長孔の開口部を通じて伝搬される音が
聴取者の耳の方向に指向特性を示すようになり、音質が
向上する。
【0015】更に、フロントパネルに取付けられたスピ
ーカを有する車載用スピーカシステムにおいて、上記の
ように、このスピーカを、グリルの長孔の長軸の指向方
向が車室のフロアに対してほぼ上下方向となるように配
置すると、長孔の開口部を通じて伝搬される音が聴取者
の耳の方向に指向特性を示すようになり、音質が向上す
る。
【0016】特に、上記のように、これらの車載用スピ
ーカシステムにおいて、長孔の長軸の長手方向において
隣接する長孔間のグリルの壁の肉厚を、長孔の長軸の横
手方向で隣接する長孔間のグリルの壁の肉厚より薄くす
ると、長孔の長軸方向に存在する聴取者の耳に対する指
向特性を、より一層向上することができる。これは、グ
リルの壁の肉厚が薄い方が、開口部を通じて聴取者に直
接伝わる音と、長孔の開口部の壁面に反射する音との干
渉が少なくなることに起因し、この肉厚を長孔の長軸の
長手方向において隣接する長孔間のグリルの壁、すなわ
ち聴取者方向を指向する方向の壁を薄くしているため、
長孔の長軸方向に存在する聴取者の耳に対する開口部の
開口率が向上するからである。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細にのべ
ると、図1乃至図4は、本発明に係る車載用スピーカシ
ステム10を搭載した車両12の車室内を示し、この車
載用スピーカシステム10は、スピーカ軸線L1 (図5
乃至図7参照)が聴取者の耳22(図5乃至図7参照)
を指向しないように配置されたスピーカ14を含んでい
る。
【0018】この車載用スピーカシステム10は、図1
乃至図4の実施例では、ドア16に取付けられるフルレ
ンジスピーカ14Aと、フロントパネル18に搭載され
るフロントスピーカ14Bと、ドアミラー20の裏側に
取付けられるツイーター14Cとを有している。これら
の複数のスピーカ14のうち、スピーカ軸線L1 (図5
乃至図7参照)が聴取者の耳22(図5乃至図7参照)
を指向しないような位置に配置されているスピーカ14
とは、具体的には、図1、図2及び図4に示すフルレン
ジスピーカ14Aと、図3に示すフロントスピーカ14
Bを指す。
【0019】すなわち、フルレンジスピーカ14Aは、
図1に示すように、通常、聴取者の足元に位置するよう
に、または、図4に示すように、聴取者の腰付近に位置
するように、ドア16に取付けられる。このため、図5
及び図6に示すように、そのスピーカ軸線L1 (図5及
び図6参照)は、フルレンジスピーカ14より上方に位
置する聴取者の耳22を指向しておらず、聴取者の足元
または聴取者の腰付近を指向している。なお、この場
合、フルレンジスピーカ14Aが取付けられるドア16
は、図1及び図2に示すように、フロントドア16A、
リヤドア16Bを問わず、フロントドア16Aに取付け
られる場合には、聴取者の耳22とは運転者を対象に、
またリヤドア16Bに取付けられる場合には後部座席に
着座する搭乗者を対象にし、スピーカ軸線L1 (図5及
び図6参照)が聴取者の耳22を指向しているか否かを
特定する。また、このことより、本発明の車両用スピー
カシステム10は、搭載される車両12の形式、すなわ
ち、4ドア車か、2ドア車か等のドア16の数は問わ
ず、適用することができる。
【0020】また、フロントスピーカ14Bも、図7に
示すように、聴取者の耳22より低いフロントパネル1
8に取付けられているため、そのスピーカ軸線L1 (図
7参照)が、聴取者の耳22ではなく、聴取者の腹部付
近を正面から指向している。特に、このフロントパネル
18が、車両12のフロア24に対してほぼ垂直、また
は、下方に傾斜して取付けられている場合には、聴取者
の耳22を指向しない。
【0021】なお、図1乃至図4は、本発明の車載用ス
ピーカシステム10の一例をそれぞれ示すものであり、
このようにスピーカ軸線L1 (図5乃至図7参照)が聴
取者の耳22を指向しないような位置に取付けられてい
るスピーカ14を含むものであれば、スピーカ14の数
や、ツイーターかフルレンジかウーハーか等のスピーカ
14の種類及び取付の対象となる部品の場所は特に問わ
ず、この図1乃至図4に示す実施例と異なる他の構成で
あってもよい。また、スピーカ軸線L1 (図5乃至図7
参照)が聴取者の耳22を指向しないような位置に取付
けられるスピーカ14も、上述したドア16に取付けら
れるフルレンジスピーカ14Aや、フロントパネル18
に取付けられるフロントスピーカ14Bに限定されるこ
となく、スピーカ軸線が聴取者の耳22を指向していな
いスピーカであれば他のスピーカであっても、本発明を
適用することができる。
【0022】本発明においては、これらのスピーカ軸線
1 (図5乃至図7参照)が聴取者の耳22に指向しな
いように配置されたスピーカ14のグリル26は、図8
に示すように、長孔28から成る開口部30を有してい
る。
【0023】このグリル26は、スピーカ14を構成す
る図示しない振動板を保護するように、スピーカ14の
前面に取付けられる。また、このグリル26は、ABS
樹脂等の樹脂または金属等の材料から形成され、長孔2
8から成る開口部30は、これらの樹脂の成型時に、ま
たは金属をパンチングすることにより形成される。
【0024】このように開口部30を長孔28から形成
すると、スピーカ軸線L1 (図5乃至図7参照)の方向
ばかりではなく、この長孔28の長軸L3 (図8参照)
方向にも音が拡散され易くなる。これは、従来技術のよ
うに開口部30の形状を単なる丸孔とした場合に比べ、
長孔28の長軸L3 (図8参照)方向に対する開口率が
向上するためである。
【0025】この長孔28から成る開口部30は、図8
に示すように、縦横に連続するグリル26の壁27によ
って区切られて形成されている。また、このようにして
区切られてグリル26上において縦横に並ぶ複数の長孔
28から成る開口部30は、図8に示すように、複数の
長孔28の長軸L3 (図8参照)が全て平行となるよう
に、整列して配置されている。このように、長孔28の
長軸L3 (図8参照)が同一方向を指向するように形成
することにより、上述した長孔28の長軸L3(図8参
照)方向に対する音の拡散を特定方向に指向するように
調整することができる。
【0026】このような長孔28から成る開口部30を
有するグリル26を、図1、図2及び図4に示すドア1
6等の車両12の側面に取付けられるスピーカ14、す
なわち上述したフルレンジスピーカ14Aに取付ける場
合、図5及び図6に示すように、スピーカ14は、グリ
ル26の長孔28の長軸L3 (図5、図6及び図8参
照)の指向方向がスピーカ軸線L1 (図5及び図6参
照)と聴取者の耳22の軸線L2 (図5及び図6参照)
とを結んで形成される面P(図5及び図6参照)にほぼ
平行するように配置されている。すなわち、上述した長
孔28の長軸L3 (図8参照)方向に対する音の拡散
を、聴取者の耳22の方向を指向するように特定したも
のである。従って、スピーカ軸線L1 (図5乃至図6参
照)が聴取者の耳22を指向しないような位置に配置さ
れているフルレンジスピーカ14Aであっても、長孔2
8の開口部30を通じて伝搬される音が聴取者の耳22
の方向に指向特性を示すようになり、音質が向上する。
特に、グリル26の開口部30の形状、配置により、グ
リル26自体に指向特性を持たせているため、スピーカ
軸線L1 (図5及び図6参照)を聴取者の耳22に向け
る必要がないので余分なスピーカ取付スペースを要する
ことなく、音質を向上することができる。
【0027】これは、聴取者の耳22がスピーカ軸線L
1 (図5、図6及び図8参照)上に存在せず聴取者の耳
22のグリル26に対する傾斜角度θ(図5(A)参
照)が小さくても、開口部30が長孔28で、しかも、
長孔28の長軸L3 (図5、図6及び図8参照)が、図
5(B)及び図6(B)に示すように、聴取者の耳22
の方向を指向しているので、聴取者の耳22に対する開
口部30の開口率が向上するためである。このことは、
長孔28と、従来技術の単なる丸孔とを、同様な角度で
斜め上方から目視した場合に、本発明に係る長孔28の
方が可視面積が広いことからも解る。
【0028】スピーカ14の配置状態をより具体的に特
定すると、図1に示すように、フルレンジスピーカ14
Aが聴取者の足元に位置するようにドアに取付けられる
場合には、特に図5(B)に示すように、グリル26の
長孔28の長軸L3 (図5参照)の指向方向が車室のフ
ロア24に対して傾斜するように、より具体的には、長
孔の長軸L3 (図5参照)が、車室のフロア24に対し
て約40°に傾斜するようにフルレンジスピーカ14A
を配置する。これは、スピーカ軸線L1 (図5参照)と
聴取者の耳22の軸線L2 (図5参照)とを結んで形成
される面P(図5参照)の車室のフロア24に対する傾
斜角度θ1 (図5(B)参照)が、通常はほぼ40°で
あることよる。従って、長孔28の長軸L3 (図5
(B)参照)の車室のフロア24に対する傾斜角度をこ
のように調整することにより、長孔28の長軸L3 (図
5及び図8参照)を聴取者の耳22をほぼ指向させるこ
とができ、聴取者の耳22に対する開口部30の開口率
を大きくして音質を向上することができる。もっとも、
この長孔28の長軸L3 (図5(B)参照)の車室のフ
ロア24に対する傾斜角度は、この40°に限定される
ことはなく、フルレンジスピーカ14Aの取付位置に応
じて、適宜調整することにより対応することができる。
【0029】また、図4に示すように、フルレンジスピ
ーカ14Aが聴取者の腰付近に位置するようにドア16
に取付けらる場合には、図6に示すように、このフルレ
ンジスピーカ14Aを、グリル26の長孔28の長軸L
3 (図6(B)参照)が車室のフロア24に対して垂直
になるように配置する。これは、スピーカ軸線L1 (図
6参照)と聴取者の耳22の軸線(図6参照)とを結ん
で形成される面P(図6参照)の車室のフロア24に対
する傾斜角度θ1 (図6(B)参照)が、通常はほぼ9
0°であることよる。従って、長孔28の長軸L3 (図
6(B)参照)の車室のフロア24に対する傾斜角度を
このように調整することにより、長孔28の長軸L3
(図6及び図8参照)を聴取者の耳22にほぼ指向させ
ることができ、聴取者の耳22に対する開口部30の開
口率を大きくして音質を向上することができる。もっと
も、この長孔28の長軸L3 (図6(B)参照)の車室
のフロア24に対する傾斜角度は、ほぼ垂直に限定され
ることはなく、フルレンジスピーカ14Aの取付位置に
応じて、適宜調整することにより対応すればよい。
【0030】次に、本発明の他の実施例について図7を
参照して説明すると、長孔28から成る開口部30を有
するグリル26を、フロントパネル18に取付けられる
スピーカ14、すなわち上述したフロントスピーカ14
Bに取付ける場合、図7に示すように、グリル26の長
孔28の長軸L3 (図7(B)参照)の指向方向が車室
のフロア24に対してほぼ上下方向となるようにフロン
トスピーカ14Bを配置する。なお、図7において符号
32は、車両用シートを示す。
【0031】このフロントスピーカ14Bは、フロント
パネル18に取付けられているため、図7(A)に示す
ように、通常、聴取者の前方において聴取者の耳22よ
りも下方に位置する。このため、開口部30を通じて伝
搬される音が、上方に向けて指向特性をもつように開口
率を向上させる必要がある。このため、フロントスピー
カ14Bの場合には、長孔28の長軸L3 (図7(B)
参照)を車室のフロア24に対してほぼ上下方向を指向
するようにグリル26を配置するのであり、これにより
上述した長孔28の長軸L3 (図7及び図8参照)方向
に対する音の拡散を、聴取者の耳22の方向を指向する
ように設定することができる。従って、スピーカ軸線L
1 (図7(A)参照)が聴取者の耳22を指向しないよ
うな位置に配置されているフロントスピーカ14Bであ
っても、長孔28の開口部30を通じて伝搬される音が
聴取者の耳22の方向に指向特性を示すようになり、音
質が向上する。
【0032】更に、本発明の車載用スピーカシステム1
0において、長孔28間の壁の肉厚を適宜に設定するこ
とによって、グリル26の強度を維持しながら、長孔2
8の長軸L3 (図8参照)方向の指向特性を一層良好に
することができる。すなわち、図8に示すグリル26に
つき、そのA−A線断面図である図9及びB−B線断面
図である図10に示すように、複数の長孔28のうち任
意に選択された長孔Hi と、この長孔Hi の長軸L3
(図8参照)の長手方向において長孔Hi と隣接する長
孔Hj との間のグリル26の壁27の肉厚t1 (図9参
照)が、長孔Hiと、この長孔Hi の長軸L3 (図8参
照)の横手方向において長孔Hi と隣接する長孔Hk
の間のグリル26の壁27の肉厚t2 (図9及び図10
参照)より薄く形成することができる。
【0033】従って、例えば、図8に示す長孔28A
と、この長孔28Aと長手方向で隣接する長孔28Bと
の間のグリル26の壁27Aの肉厚t1 (図9参照)
は、図9及び図10に示すように、長孔28Aと、この
長孔28Bと横手方向で隣接する長孔28Cとのグリル
26の壁27Bの肉厚t2 (図9及び図10参照)より
も、図9及び図10に示すように、薄く形成されてい
る。このことは、図9及び図10からも解るように、他
のすべての長孔28間においても同様である。従って、
グリル26全体で見た時、長孔28の長軸L3 (図8参
照)の長手方向に隣接する全ての長孔28間のグリル2
6の壁27Aが薄く、上述したように開口部30を通じ
て伝わる音の指向する方向、すなわち長孔28の長軸L
3 (図8参照)を横切って存在するグリル26の壁27
Aが薄く形成されていることになる。
【0034】これにより、長孔28の長軸L3 (図8参
照)方向に対する音の抜けが良くなり、長孔28の長軸
3 (図8参照)方向に存在する聴取者の耳22に対す
る指向特性を、より一層向上することができる。これ
は、グリル26の壁27の肉厚が薄い方が壁27の面
積、すなわち反射面積が小さくなるため、開口部30を
通じて聴取者に直接伝わる音と、長孔28の開口部30
の壁27面に反射する音との干渉が少なくなることによ
り、長孔28の長軸方向L3 (図8参照)に存在する聴
取者の耳22に対する開口部30の開口率が向上するか
らである。なお、このようにグリル26の壁27の肉厚
を設定する場合、グリル26の形状が複雑となるため、
ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を、熱溶融後冷却すること
により形成すると、製造が容易となり好ましい。
【0035】なお、上記の実施例では、開口部30はグ
リル26の平面上において縦横に区切られた長孔28か
ら形成したが、図11に示すように、長孔28の長軸L
3 (図11参照)方向においては区切られずに連続して
形成された長孔28から形成してもよい。長孔28をこ
のような形状とすると、聴取者の耳22に対する開口部
30の開口率を、より一層向上することができる。但
し、この場合、グリル26の強度が低下しないように充
分配慮することが好ましい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、スピー
カのグリルの開口部を長孔とし、かつ、スピーカを、こ
の長孔の長軸の指向方向がスピーカ軸線と聴取者の耳の
軸線とを結んで形成される面にほぼ平行となるように配
置しているため、長孔の長軸が聴取者の耳の方向を指向
し、聴取者の耳に対するグリルの開口部の開口率が向上
するので、開口部を通じて伝搬される音が長孔の長軸方
向に存在する聴取者の耳の方向に指向特性を示すように
なり、音質を向上することができる実益がある。
【0037】特に、聴取者の足元に位置するようにドア
に取付けられているスピーカを有する車載用スピーカシ
ステムにおいて、上記のように、このスピーカを、グリ
ルの長孔の長軸の指向方向が車室のフロアに対して傾斜
するように、より具体的には、約40°に傾斜するよう
に配置することにより、長孔の長軸を聴取者の耳方向に
指向させているため、長孔の開口部を通じて伝搬される
音が、聴取者の耳の方向に指向特性を示すようになり、
音質が向上する。
【0038】また、聴取者の腰付近に位置するようにド
アに取付けられているスピーカを有する車載用スピーカ
システムにおいて、上記のように、このスピーカをグリ
ルの長孔の長軸が車室のフロアに対して垂直になるよう
に配置することにより、長孔の長軸を聴取者の耳方向に
指向させているため、長孔の開口部を通じて伝搬される
音が聴取者の耳の方向に指向特性を示すようになり、音
質が向上する。
【0039】また、本発明によれば、フロントパネルに
取付けられたスピーカを有する車載用スピーカシステム
において、上記のように、このスピーカを、グリルの長
孔の長軸の指向方向が車室のフロアに対してほぼ上下方
向となるように配置し、長孔の長軸を聴取者の耳の方向
に指向させているため、長孔の開口部を通じて伝搬され
る音が聴取者の耳の方向に指向特性を示すようになり、
音質が向上する実益がある。
【0040】更に、本発明によれば、上記のように、こ
れらの車載用スピーカシステムにおいて、長孔の長軸の
長手方向において隣接する長孔間のグリルの壁の肉厚
を、長孔の長軸の横手方向で隣接する長孔間のグリルの
壁の肉厚を薄く形成しているため、長孔の長軸方向にお
いては、開口部を通じて聴取者に直接伝わる音と、長孔
の開口部の壁面に反射する音との干渉が少なくなり、長
孔の長軸方向に存在する聴取者の耳に対する開口部の開
口率が向上し、長孔の長軸方向に存在する聴取者の耳に
対する指向特性を、より一層向上することができる実益
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載用スピーカシステムを搭載した車
両の車室内の概略斜視図である。
【図2】図1に示す本発明の車載用スピーカシステムを
搭載した車両の車室内の概略平面図である。
【図3】本発明の車載用スピーカシステムが搭載された
フロントパネルの正面図である。
【図4】本発明の他の実施例の車載用スピーカシステム
を搭載した車室内の概略斜視図である。
【図5】本発明に用いられるスピーカを聴取者の足元付
近に位置するようにドアに取付ける場合のグリルの取付
状態を示す図である。
【図6】本発明に用いられるスピーカを聴取者の腰付近
に位置するようにドアに取付ける場合のグリルの取付状
態を示す図である。
【図7】本発明に用いられるスピーカをフロントパネル
に取付ける場合のグリルの取付状態を示す図である。
【図8】本発明に用いられるグリルの平面図である。
【図9】図8に示すグリルのA−A線の断面図である。
【図10】図8に示すグリルのB−B線の断面図であ
る。
【図11】本発明の他の実施例に用いられるグリルの平
面図である。
【符号の説明】
10 車載用スピーカシステム 12 車両 14 スピーカ 14A フルレンジスピーカ 14B フロントスピーカ 14C ツイーター 16 ドア 18 フロントパネル 20 ドアミラー 22 聴取者の耳 24 車室のフロア 26 グリル 27 グリルの壁 28 長孔 30 開口部 L1 スピーカ軸線 L2 聴取者の耳の軸線 L3 長孔の長軸 P スピーカ軸線と聴取者の耳の軸線とを結んで形成さ
れる面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04R 5/02 F (72)発明者 小林 稔和 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 加藤 喜昭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高橋 吾朗 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカ軸線が聴取者の耳に指向しない
    ように配置されたスピーカを含む車載用スピーカシステ
    ムにおいて、前記スピーカのグリルは長孔から成る開口
    部を有し、前記スピーカは前記グリルの長孔の長軸の指
    向方向が前記スピーカ軸線と前記聴取者の耳の軸線とを
    結んで形成される面にほぼ平行するように配置されてい
    ることを特徴とする車載用スピーカシステム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車載用スピーカシステ
    ムであって、前記スピーカは聴取者の足元に位置するよ
    うにドアに取付けられ、前記スピーカは前記グリルの長
    孔の長軸の指向方向が車室のフロアに対して傾斜するよ
    うに配置されていることを特徴とする車載用スピーカシ
    ステム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車載用スピーカシステ
    ムであって、前記スピーカのグリルの長孔の長軸の指向
    方向が車室のフロアに対して約40°に傾斜するように
    配置されていることを特徴とする車載用スピーカシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の車載用スピーカシステ
    ムであって、前記スピーカは聴取者の腰付近に位置する
    ようにドアに取付けられ、前記スピーカは前記グリルの
    長孔の長軸が車室のフロアに対してほぼ垂直になるよう
    に配置されていることを特徴とする車載用スピーカシス
    テム。
  5. 【請求項5】 フロントパネルに取付けられたスピーカ
    を有する車載用スピーカシステムにおいて、前記スピー
    カのグリルは長孔から成る開口部を有し、前記スピーカ
    は前記グリルの長孔の長軸の指向方向が車室のフロアに
    対してほぼ上下方向となるように配置されていることを
    特徴とする車載用スピーカシステム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の車載
    用スピーカシステムであって、前記複数の長孔のうち任
    意に選択された長孔Hi と、前記長孔Hi の長軸方向に
    おいて前記長孔Hi と隣接する長孔Hj との間のグリル
    の壁の肉厚が、前記長孔Hi と、前記長孔Hi の横手方
    向において前記長孔Hi と隣接する長孔Hk との間のグ
    リルの壁の肉厚より薄く形成されていることを特徴とす
    る車載用スピーカシステム。
JP3756194A 1994-02-14 1994-02-14 車載用スピーカシステム Pending JPH07225587A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USD963610S1 (en) 2020-01-24 2022-09-13 Oakwood Metal Fabricating Co. Multi-tone audio speaker cover
US11575982B2 (en) 2020-01-23 2023-02-07 Oakwood Metal Fabricating Co. Audio speaker cover for enhanced audio performance

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11575982B2 (en) 2020-01-23 2023-02-07 Oakwood Metal Fabricating Co. Audio speaker cover for enhanced audio performance
USD963610S1 (en) 2020-01-24 2022-09-13 Oakwood Metal Fabricating Co. Multi-tone audio speaker cover

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