JPH07225393A - アクティブマトリクス方式液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電気不良を最小限に防止することのできる
構造を提供すること。 【構成】 ゲート信号入力端子４の端部とショートパタ
ーン８の間に、抵抗パターン１２を接続形成し、抵抗パ
ターン１２の形状は製造誤差を加味した有効エリア内１
５では分離境界設計線１３に対し長手方向を平行にして
往復屈曲させており、分離境界の製造誤差範囲１４では
分離境界設計線１３に対し長手方向を垂直にして往復屈
曲させている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アクティブマトリクス
方式液晶表示装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、微細加工技術、材料技術、及び高
密度実装技術などの進歩により、１〜１５インチと幅広
い画面サイズで、またＡＶ機器、ＯＡ機器、車載機器と
様々な用途において液晶表示装置の占める割合は急速に
拡大しており、従来のＣＲＴにかわるキーデバイスとし
てエレクトロニクス業界全体の注目を集めている。しか
しながら、現状の最大の課題はコスト低減と生産性向上
であり、とりわけ大型化傾向の中、製造歩留りの向上が
急務の状況にある。

【０００３】まず、アクティブ・マトリクス型液晶表示
装置の製造工程途中における、アクティブマトリクス基
板の概略について図を用いて説明する。図２にその概略
図を示す。１はガラス基板、２は画像表示装置として必
要なアクティブマトリクス基板の有効エリアである。有
効エリア２の内側には液晶をスイッチングするアクティ
ブ素子であるＴＦＴを配する画像表示部３、外部より駆
動信号を入力させるためのゲート信号入力端子４とソー
ス信号入力端子５、また、これら入力端子４、５と画像
表示部３にあるＴＦＴのゲート、ソース電極を接続する
ゲート配線６、ソース配線７が配設されている。駆動信
号の入力方法にはいくつかの方法があるが、通常は樹脂
薄膜ベースに銅薄膜線を形成したフレキシブルテープに
ドライバＬＳＩを搭載させたＴＣＰ（Tape Carrier Pac
kage)をACF(Anisotropic Conductive Film）等で接続す
る方法が一般的である。一方、有効エリア２の外側には
製造工程途中の静電気より素子の破壊を防止するショー
トパターン８が配設されており、ショートパターン８は
ゲート信号入力端子とソース信号入力端子、叉はゲート
配線６とソース配線７を、すなわちアクティブ素子であ
るＴＦＴのゲート電極とソース電極を導電性薄膜等によ
り有効エリア２の外で全て接続し電気的に同一電位にす
るものである。またこのショートパターン８は、通常、
アクティブマトリクス基板と対向基板を貼り合わせる製
造工程の前後にはダイシング、割断、面取り、エッチン
グといった物理的、化学的な手段の組み合わせで有効エ
リア２から分離される。

【０００４】次に、アクティブマトリクス基板端面近傍
の構造について説明する。図３はその概略図である。図
３において、１はガラス基板、９は信号入力端子、１０
は信号配線、８はショートパターン、１１は有効エリア
の分離境界線である。ここで信号入力端子９はゲート信
号入力端子及びソース信号入力端子を、信号配線１０は
ゲート配線及びソース配線を総称したものである。この
ように分離境界線１１では信号入力端子９、叉は信号配
線１０がショートパターン８との接続のため交差してお
り、非有効エリアの分離後はそれら信号入力端子９、叉
は信号配線１０の端部がガラス基板１の端面に露出、叉
は面取りを実施したとしても非常に近接する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って、上記の従来の
構造では、基板からショートパターンを含む非有効エリ
アを分離した後の製造工程での静電気の進入、帯電基板
の放電に対しては、デバイスとしての対策手段を有して
いない。特に製造工程での静電気は、設備、治具、ハン
ドリング等の物理的接触叉は近接が原因となることが多
く、入力信号端子端や信号配線端など基板端面に近い導
電性パターンが静電気の出入口になり易いことが判明し
ている。一方、製造工程の静電気は、万全の管理であっ
てもゼロに抑えることは極めて困難であり、ゲート−ソ
ース間の電位差によるアクテイブ素子の特性劣化（Ｖｔ
シフト）や、層間絶縁膜破壊、過電流による配線の溶断
など静電気を原因とする不良品発生を避けることができ
ないのが現状である。

【０００６】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、製造の全工程において、静電気に対する耐性を向上
させる、液晶表示装置の有効な構造を提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の液晶表示装置は、ショートパターン分離後の
アクテイブマトリクス基板の端面近傍に位置するゲート
配線、ソース配線、ゲート信号入力端子、ソース信号入
力端子等の導電パターンの終端に、導電性薄膜からなる
抵抗パターンを配する構造を持たせたものである。

【０００８】

【作用】本発明は上記した構造により、静電気の伝達経
路に抵抗パターンを直列に挿入することで保護抵抗の役
割をもたせ、これにより急峻な静電気の入出力波形をＣ
Ｒ時定数のＲパラメータを増加させて遅延にて鈍らせる
作用、Ｒによる過電流防止作用と電圧降下作用により、
製造工程途中の静電気による不良発生を未然に防ぐこと
が可能となる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。

【００１０】図１は、本発明の一実施例の液晶表示装置
における製造工程途中のアクテイブマトリクス基板の基
板端面ゲート入力信号端子近傍の概略図である。

【００１１】図１において、１はガラス基板、４はゲー
ト信号入力端子、１２は抵抗パターン、６はゲート配
線、８はショートパターン、１３は有効エリアの分離境
界設計線、１４は分離境界線の製造誤差範囲を表してい
る。これらの構成要素個々の具体的な材料については、
要求される性能品質によって様々な組み合わせが可能で
あり、任意である。以下には、そのパターンレイアウト
の構成を説明する。

【００１２】本実施例はゲート信号入力端子４の終端部
に抵抗パターン１２を挿入した例である。抵抗パターン
１２は製造誤差を加味した有効エリア内１５では分離境
界設計線１３に対し長手方向を平行にして往復屈曲させ
ており、分離境界の製造誤差範囲１４では分離境界設計
線１３に対し長手方向を垂直にして往復屈曲させてい
る。

【００１３】以上のように構成された液晶表示装置で
は、有効エリア１５を分離した後の本体側のアクティブ
マトリクス基板を考えると、ゲート信号入力端子４の終
端には長さを必要十分に確保した所定の抵抗パターンが
残り、なおかつ基板端面には製造誤差を含むいかなる場
合でも一定最小限のパターン（＝抵抗配線幅）のみが露
出するため、静電気の悪影響を最小限にかつ安定して防
止でき、静電気不良発生がほぼ皆無であるという結果が
得られた。

【００１４】なお、以上の実施例の説明では主としてゲ
ート信号入力端子端を例にとって説明したが、本発明の
導電パターンは、アクティブマトリクス基板端面近傍に
位置する、アクテイブ素子に接続したその他のパター
ン、例えばソース信号入力端子、ゲート配線、ソース配
線、共通電極配線等の終端にも応用できるのはもちろん
である。

【００１５】

【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
以上のように本発明は、液晶表示装置の重大不良要因で
ある静電気不良を、その主要因たるアクティブマトリク
ス基板端面近傍の導電パターンを通しての静電気電荷の
移動について、上記導電パターンとなるゲート配線、ソ
ース配線、ゲート信号入力端子、ソース信号入力端子等
の端部に直列に接続した抵抗パターンをつくり込むこと
により、急激な電位変化、過電流による素子の特性劣
化、破壊を防止し、歩留り向上に寄与する極めて有用な
液晶表示装置の構造である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるアクティブマトリク
ス基板のゲート信号入力端子近傍の概略図

【図２】従来の液晶表示装置におけるアクティブマトリ
クス基板の概略図

【図３】従来の液晶表示装置におけるアクティブマトリ
クス基板端面近傍の概略図

【符号の説明】

１ ガラス基板 ２ 有効エリア ３ 画像表示部 ４ ゲート信号入力端子 ５ ソース信号入力端子 ６ ゲート配線 ７ ソース配線 ８ ショートパターン ９ 信号入力端子 １０信号配線 １１有効エリアの分離境界線 １２抵抗パターン １３有効エリアの分離境界設計線 １４有効エリアの分離境界線の製造誤差範囲 １５製造誤差を加味した有効エリア

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一対の基板間に液晶が充填され、基板上に
   所定の導電パターンが形成されてなるアクティブマトリ
   クス方式液晶表示装置において、前記基板の端面近傍に
   位置している、前記導電パターンの終端の少なくとも一
   つの終端に、導電性薄膜からなる抵抗パターンが接続形
   成されていることを特徴とするアクティブマトリクス方
   式液晶表示装置。