JPH07225169A - 単結晶チップのガラス封止方法 - Google Patents

単結晶チップのガラス封止方法

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JPH07225169A
JPH07225169A JP1632394A JP1632394A JPH07225169A JP H07225169 A JPH07225169 A JP H07225169A JP 1632394 A JP1632394 A JP 1632394A JP 1632394 A JP1632394 A JP 1632394A JP H07225169 A JPH07225169 A JP H07225169A
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JP
Japan
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glass
single crystal
crystal chip
chip
thermal expansion
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Application number
JP1632394A
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English (en)
Inventor
Susumu Okauchi
享 岡内
Hiroki Kusakabe
弘樹 日下部
Masuo Takigawa
益生 瀧川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 単結晶チップを破壊することなく、ガラス封
止し、耐環境性を向上させる。 【構成】 単結晶チップのどの方向の熱膨張係数より
も、大きい熱膨張係数を有する高膨張結晶化ガラスで、
単結晶チップの周囲を囲み、非結晶化ガラスで封止する
ことにより、非結晶化ガラスの熱膨張の影響を単結晶チ
ップに伝わらないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のシリンダ内燃
焼圧等の圧力検出に適した圧電型圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】ニオブ酸リチウムを圧電体として見たと
き、そのキューリー温度は1100℃以上あるため、ニ
オブ酸リチウム素子は高温に曝されることによる、分極
特性の低下が非常に小さい。この特性は高温下の圧力検
出用素子として適している。このニオブ酸リチウムを感
圧素子として用いた、高温流体の圧力検出用センサの先
行例では特開昭61−23933がある。この例では、
ニオブ酸リチウムを熱膨張係数の小さい金属片で挟み、
その外側を熱膨張係数の大きい絶縁体で挟んだ構造と
し、全体として熱膨張量を、ケーシングと合わせてい
た。また、圧電素子の固定は、受圧面と反対側にあるネ
ジの締め付けによって行っている。しかし、圧電素子で
圧力検出を行う場合、圧電素子の電極間を絶縁性の高い
状態(数100MΩ以上)に確保しなければならない。
従って、この例の様な圧電素子の固定方法の場合、絶縁
性確保のため、乾燥気体をセンサ内に封入することが不
可欠となる。この場合、信号取出端子や電源供給端子な
どは、全て気密端子としなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エンジンに直接取り付
けるセンサには、大きな振動が常に加わる。そのため、
長期間に渡る端子の気密性確保は困難である。そこで、
圧電素子の電極間の絶縁性確保には、圧電素子をガラス
などでモールドするのが効果的である。しかし、単結晶
には、方向により熱膨張係数が異なるものもある。特
に、ニオブ酸リチウムなどでは、通常の封止ガラスに比
べ、熱膨張係数が非常に大きく、そのままガラス封止す
ると、結晶が熱応力により破壊される。本発明は、単結
晶のガラス封止時の破壊を防ぐことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の第1の発明では、単結晶チップの全方向の熱膨張係数
のうち、少なくとも1方向の熱膨張係数よりも、熱膨張
係数が大きい結晶化ガラスで単結晶チップの周囲を囲
み、その上から粉末ガラスを充填・焼成する。
【0005】第2の発明では、粉末ガラスの焼成温度に
おける単結晶チップの外形寸法以上の空間を有する様
に、単結晶のどの方向の熱膨張係数よりも熱膨張係数が
小さい低膨張結晶化ガラス・セラミック・低膨張金属の
いずれかで、単結晶チップの周囲を囲み、その上から粉
末ガラスを充填・焼成する。
【0006】第3の発明では、単結晶チップの周囲を雲
母の様な劈開性の高い物質で囲み、その上から粉末ガラ
スを充填・焼成する。
【0007】第4の発明では、単結晶チップの全方向の
熱膨張係数のうち、少なくとも1方向の熱膨張係数より
も、熱膨張係数が大きい金属片(例えばSUS)で単結
晶チップの周囲を囲み、その上から粉末ガラスを充填・
焼成する。
【0008】第5の発明では、単結晶チップの周囲を窒
化硼素でコーティングした後、粉末ガラスを充填・焼成
する。
【0009】第6の発明では、単結晶チップの外面を鏡
面研磨した後、粉末ガラスを充填・焼成する。
【0010】
【作用】第1の発明によれば、焼成温度からの冷却時に
は、結晶化ガラスは単結晶チップよりも大きく膨張し、
また結晶化ガラスとチップとは接着していないため、熱
応力は結晶化ガラスにのみ加わり、単結晶チップに影響
を及ぼさないようにできる。
【0011】第2の発明によれば、単結晶チップ周囲の
低膨張結晶化ガラスまたはセラミックまたは低膨張金属
と単結晶チップとは接着されていないため、単結晶チッ
プ周辺に空間ができることにより、熱応力を吸収するこ
とができる。
【0012】第3の発明によれば、粉末ガラス焼成時の
熱応力を、チップ周囲の雲母の様な劈開性の高い物質が
劈開する事により吸収することができる。
【0013】第4の発明によれば、単結晶チップ周囲の
金属片は単結晶チップよりも大きく膨張し、また単結晶
チップは周囲の金属片と接着されていないため、熱応力
は金属片にのみ加わるようにできる。
【0014】第5の発明によれば、単結晶チップ周囲に
コーティングされている窒化硼素粒子の摺動性のため、
チップ表面とガラス表面が滑り、熱応力を吸収する事が
できる。
【0015】第6の発明によれば、封止ガラスの単結晶
チップ表面に対するアンカー効果を抑制できるため、封
止ガラスが単結晶チップに及ぼす熱応力を封止ガラスと
単結晶チップの境界面の滑りにより、吸収することがで
きる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)本発明の実施例について、以下に図面を参
照しながら説明する。
【0017】図1(A),(B),(C)は本発明の第
1の実施例における単結晶チップの、粉末ガラスによる
封止過程を表わした素子部の断面図である。単結晶には
ニオブ酸リチウムを用い、ウェハはY−Z平面でスライ
スされた、Xカットのものを用いた。このXカットのウ
ェハを3.5×3にカットし、長辺がZ方向・短辺がY
方向のニオブ酸リチウムチップ12を作製した。このニ
オブ酸リチウムチップ12の表裏面(Y−Z平面)には
電極が設けられ、チップへの荷重印加により発生した電
荷はこの電極上に集められる。圧力荷重は、チップの表
裏面から圧縮により印加されるため、圧電定数d22と印
加された荷重に比例した電荷が発生する。図1(A)は
常温の状態で、ニオブ酸リチウムチップ12の周囲を高
膨張結晶化ガラス11で囲み、その上から粉末の非結晶
化ガラス10を充填した状態を示している。ここで用い
られている高膨張結晶化ガラス11の熱膨張係数は、ニ
オブ酸リチウムの熱膨張係数の内、最大のものよりも大
きいものを用いる。従って、ニオブ酸リチウムの熱膨張
係数が、Z方向で7.5×10-6・XY方向で15.4×
10-6であるため、高膨張結晶化ガラスの熱膨張係数は
15.4×10-6以上のものを用いる。図1(B)は、
(A)の状態から焼成温度(約800℃)まで上昇させ
た状態である。この温度では非結晶化ガラス10は溶融
するが、高膨張結晶化ガラス11は溶融せず、形を守っ
たまま膨張する。また、高膨張結晶化ガラス11の熱膨
張係数は、ニオブ酸リチウムチップ12よりも大きく、
またニオブ酸リチウムチップ12と高膨張結晶化ガラス
11は接着されていないため、両者の間には空間13が
発生する。その後、温度を常温まで冷却した状態が、図
1(C)である。このとき、封止状態の非結晶化ガラス
10の熱膨張係数は7×10-6と小さく、高膨張結晶化
ガラス11の方が大きく収縮しようとするため、高膨張
結晶化ガラス11には、a方向の引張力が加わり、時に
は破損することがある。しかし、高膨張結晶化ガラス1
1とニオブ酸リチウムチップ12は接着されていないた
め、この熱応力はニオブ酸リチウムチップ12には影響
しない。従って、ニオブ酸リチウムチップ12を破損す
る事なく、ガラス封止による防湿が実現できる。
【0018】(実施例2)図2(A),(B),(C)
は本発明の第2の実施例における、単結晶チップの粉末
ガラスによる封止過程を表わした素子部の断面図であ
る。使用している単結晶チップは、実施例1と同様のニ
オブ酸リチウムチップ12である。また、ニオブ酸リチ
ウムチップ12の電極の構成や、荷重の印加方法も同様
である。図2(A)は常温状態で、ニオブ酸リチウムチ
ップ12の周囲に空間13を設けて、アルミナケース2
1で囲み、その上から粉末の非結晶化ガラス10を充填
した状態を示している。アルミナケース21とニオブ酸
リチウムチップ12との間の空間13は、アルミナの熱
膨張係数は7×10-6で、焼成時にニオブ酸リチウムチ
ップ12がアルミナケース21よりも多く膨張する膨張
代である。図2(B)は、(A)の状態から非結晶化ガ
ラスの焼成温度まで、温度を上昇させた状態を示す。前
述のように、アルミナはニオブ酸リチウムよりも熱膨張
係数が小さいため、非結晶化ガラス10の焼成温度にお
いて、アルミナケース21内部にニオブ酸リチウムチッ
プ12が収まるように、アルミナケース21の内部空間
の大きさを設定している。次に、焼成温度から常温に冷
却した状態を図2(C)に示す。アルミナケース21の
熱膨張係数と、封止された非結晶化ガラス10の熱膨張
係数は一致させているため、熱応力は発生しない。一
方、アルミナケース21とニオブ酸リチウムチップ12
は接着されていないため、熱応力がニオブ酸リチウムチ
ップ12には加わらない。このため、ニオブ酸リチウム
チップ12を破損する事なく、ガラス封止する事ができ
る。尚、実施例2ではアルミナケースを用いたが、コー
ジライト・窒化珪素・炭化珪素・ジルコンなどのセラミ
ックや、低膨張結晶化ガラス、426合金などの低膨張
金属を使用してもよい。
【0019】図3(A),(B),(C)は本発明の第
3の実施例における、単結晶チップの粉末ガラスによる
封止過程を表わした素子部の断面図である。使用してい
る単結晶チップは、実施例1と同様のニオブ酸リチウム
チップ12である。また、ニオブ酸リチウムチップ12
の電極の構成や、荷重の印加方法も同様である。図3
(A)は常温状態で、ニオブ酸リチウムチップ12の周
囲を雲母層31によって囲み、その上から粉末状態の非
結晶化ガラス10を充填した状態を示している。また、
雲母層31とニオブ酸リチウムチップ12は接着されて
いる。図3(B)は、(A)の状態から非結晶化ガラス
の焼成温度まで、温度を上昇させた状態を示している。
雲母層の熱膨張係数は3×10-6なので、温度を焼成温
度まで上昇させると、ニオブ酸リチウムチップ12の方
が雲母層よりも大きく膨張し、雲母層31にはb方向の
圧縮が加わる。しかし、雲母には劈開性があるため、雲
母層31の内部にクラックが入ることにより、熱による
圧縮応力は吸収され、ニオブ酸リチウムチップ12は破
損しない。図3(C)は、焼成温度から常温に冷却した
状態を示している。ニオブ酸リチウムチップ12・雲母
層31・非結晶化ガラス10の熱膨張の差によって、雲
母層31はニオブ酸リチウムチップ12からはc方向の
引張を受け、また非結晶化ガラス10からもa方向に引
張を受ける。しかし、上記のように雲母の劈開性のた
め、雲母層31内部にクラックが発生することにより、
a・c方向のいずれの引張応力も吸収される。従って、
ニオブ酸リチウムチップ12を破損する事なく、ガラス
封止する事ができる。
【0020】図4(A),(B),(C)は本発明の第
4の実施例における、単結晶チップの粉末ガラスによる
封止過程を表わした素子部の断面図である。使用してい
る単結晶チップは、実施例1と同様のニオブ酸リチウム
チップ12である。また、ニオブ酸リチウムチップ12
の電極の構成や、荷重の印加方法も同様である。図4
(A)は常温状態で、ニオブ酸リチウムチップ12の周
囲をSUS片(例えばSUS310S)41で囲み、そ
の上から粉末状態の非結晶化ガラス10を充填した状態
を示している。このSUS片41表面は酸化膜が設けて
あり、非結晶化ガラスのアンカー効果を高めてある。ま
た、ニオブ酸リチウムチップ12とSUS片41は接着
しない。図4(B)は、(A)の状態から非結晶化ガラ
ス10の焼成温度まで、温度を上昇させた状態を示して
いる。SUS片にSUS310Sを用いる場合、SUS
310Sの熱膨張係数は16.2×10-6であり、ニオ
ブ酸リチウムの熱膨張係数はZ軸方向が7.5×10-6
・X軸方向が15.4×10-6である。従って、図4
(B)の状態ではニオブ酸リチウムチップ12のZ方向
には、SUS片41とニオブ酸リチウムチップ12の間
に比較的大きな空間13が発生し、Y方向には僅かな隙
間が発生する。いずれの方向も、SUS片41とニオブ
酸リチウムチップ12の膨張の差により、ニオブ酸リチ
ウムチップ12が破損することはない。図4(C)は
(B)の状態から、温度を常温まで冷却したときの状態
を示している。SUS片41の表面は酸化膜が形成され
ているので、非結晶化ガラス10と強固に接着される。
この状態で冷却すると、非結晶化ガラス10とSUS片
41との熱膨張係数の差によって、SUS片41の表面
にはa方向の引張力が発生し、常温でもニオブ酸リチウ
ムチップ12の周囲に空間13が残る。しかし、これら
の熱応力はニオブ酸リチウムチップ12には影響を及ぼ
さないため、ニオブ酸リチウムチップ12を破壊するこ
となしに、ガラス封止することができる。
【0021】図5(A),(B),(C)は本発明の第
5の実施例における、単結晶チップの粉末ガラスによる
封止過程を表わした素子部の断面図である。使用してい
る単結晶チップは、実施例1と同様のニオブ酸リチウム
チップ12である。また、ニオブ酸リチウムチップ12
の電極の構成や、荷重の印加方法も同様である。図5
(A)は常温状態で、ニオブ酸リチウムチップ12の周
囲に、コーティングにより窒化硼素層51を形成し、そ
の上から粉末状態の非結晶化ガラス10を充填した状態
を示している。コーティングにより形成される窒化硼素
層は、六方晶系窒化硼素の微粉末を付着させた膜で、六
方晶系窒化硼素は高温潤滑剤や離型剤として、よく用い
られている。図5(B)は(A)の状態から、非結晶化
ガラス10の焼成温度まで、温度を上昇させた状態を示
している。ニオブ酸リチウムチップ12表面の窒化硼素
層51は、微粉末が付着・堆積した層であるため、ニオ
ブ酸リチウムとの熱膨張差による割れ・剥がれは発生せ
ず、窒化硼素層51にマイクロクラックが入ることによ
り、熱応力を吸収することができる。図5(C)は
(B)の状態から、温度を常温に冷却したときの状態を
示している。非結晶化ガラス10の熱膨張係数よりも、
ニオブ酸リチウムチップ12の熱膨張係数が大きいた
め、冷却時に窒化硼素層51に引張の力が加わる。しか
し、窒化硼素層51は微粒子が堆積してできた膜である
ため、その一部がニオブ酸リチウムチップ12側へ付着
し、残りは非結晶化ガラス10側へ付着する。このよう
に、窒化硼素層51が両方に分かれ、間に空間13がで
きることで、熱応力は吸収される。従って、ニオブ酸リ
チウムチップ12を破損する事なく、ガラス封止するこ
とができる。
【0022】図6(A),(B),(C)は本発明の第
6の実施例における、単結晶チップの粉末ガラスによる
封止過程を表わした素子部の断面図である。使用してい
る単結晶チップは、実施例1と同様のニオブ酸リチウム
チップ12である。また、ニオブ酸リチウムチップ12
の電極の構成や、荷重の印加方法も同様である。図6
(A)は常温状態で、ニオブ酸リチウムチップ12の周
囲に、鏡面研磨を施し、その上から粉末状態の非結晶化
ガラス10を充填した状態を示している。図6(B)は
(A)の状態から、非結晶化ガラス10の焼成温度ま
で、温度を上昇させた状態を示している。鏡面研磨され
たニオブ酸リチウムチップチップ12の表面には、溶融
した非結晶化ガラス10が接触している。図6(C)は
(B)の状態から、温度を常温まで冷却した状態を示し
ている。封止ガラスの接着力は、被接着物の表面の凹凸
に、溶融したガラスが入り込み、中で固まることにより
発しするアンカー効果によるものである。金属とガラス
を接着する際に、金属表面に酸化膜を設けるのは、酸化
膜表面の凹凸により、このアンカー効果を高めているこ
とに他ならない。逆に言うと、被接着物の表面を鏡面と
して、凹凸を極端に少なくすると、ガラスによる接着を
防止できる。この様な状態では、ガラスによって伝えら
れる力は圧縮力だけで、引張や剪断力を伝えることはで
きない。ここで、図6(C)の状態を考える。非結晶化
ガラスの熱膨張係数は、ニオブ酸リチウムチップの熱膨
張係数よりも小さいため、ニオブ酸リチウムチップ12
の表面に引張が加わる。しかし、ニオブ酸リチウムチッ
プ12表面は鏡面研磨されているため、非結晶化ガラス
10はニオブ酸リチウムチップ12表面からすぐに剥が
れ、そこに空間13が発生する。従って、冷却時の熱応
力はニオブ酸リチウムチップチップ12に作用せず、ニ
オブ酸リチウムチップチップ12を破壊することなく、
ガラス封止することができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、単
結晶チップの周囲を高膨張結晶化ガラスで囲み、非結晶
化ガラスで封止することにより、熱応力を高膨張結晶化
ガラスにのみ加わるようにできる。従って、単結晶チッ
プを破損する事なく、非結晶化ガラスにより封止でき、
耐湿性・耐環境変化に優れた圧電型圧力センサ用素子を
実現できる。
【0024】第2の発明によれば、非結晶化ガラスの焼
成温度において、単結晶チップが収まるような空間を有
する様に、単結晶チップの周囲を低膨張結晶化ガラス・
セラミック・低膨張金属のいずれかで囲み、非結晶化ガ
ラスで封止する。このことにより、単結晶チップを熱応
力から開放でき、単結晶チップを破損する事なく、非結
晶化ガラスにより封止できる。よって、耐湿性・耐環境
変化に優れた圧電型圧力センサ用素子を実現できる。
【0025】第3の発明によれば、単結晶チップの周囲
を雲母の様な劈開性の高い物質で囲み、非結晶化ガラス
で封止する。非結晶化ガラス焼成の際に発生する熱応力
は、単結晶チップ周囲の物質が劈開する事により吸収さ
れ、単結晶チップを破損する事なく、非結晶化ガラスに
より封止できる。よって、耐湿性・耐環境変化に優れた
圧電型圧力センサ用素子を実現できる。
【0026】第4の発明によれば、単結晶チップのどの
方向の熱膨張係数よりも、大きい熱膨張係数を有する金
属片で、単結晶チップの周囲を囲み、非結晶化ガラスで
封止する。この時、金属片表面には酸化膜を形成させ、
非結晶化ガラスと接着させるが、単結晶チップと金属片
は接着しない。従って、非結晶化ガラスとの熱膨張差に
よる応力は、金属片上にのみ加わり、単結晶チップには
加わらない構造とできる。よって、単結晶チップを破損
する事なく、非結晶化ガラスにより封止でき、耐湿性・
耐環境変化に優れた圧電型圧力センサ用素子を実現でき
る。
【0027】第5の発明によれば、単結晶チップの周囲
に、コーティングにより窒化硼素層を形成し、その後非
結晶化ガラスで封止する。単結晶と非結晶化ガラスとの
熱膨張差により、単結晶チップ表面に引張や剪断力が加
わるが、窒化硼素が離型剤として働くので熱応力は吸収
される。従って、単結晶チップを破壊することなしに、
非結晶化ガラスにより封止でき、耐湿性・耐環境変化に
優れた圧電型圧力センサ用素子を実現できる。
【0028】第6の発明によると、単結晶チップ表面を
鏡面研磨した後、非結晶化ガラスにより封止する。この
とき、単結晶チップ表面は鏡面研磨により、凹凸が極め
て少ないため、非結晶化ガラスのアンカー効果は殆ど期
待できない。即ち、単結晶チップ表面と溶融した非結晶
化ガラスは、接触しているが、冷却時に接着はされな
い。従って、熱応力は単結晶チップ表面に働かず、単結
晶チップを破壊することなしに、非結晶化ガラスにより
封止でき、耐湿性・耐環境変化に優れた圧電型圧力セン
サ用素子を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における単結晶チップ
の、粉末ガラスによる封止過程を表わした素子部の断面
【図2】本発明の第2の実施例における単結晶チップ
の、粉末ガラスによる封止過程を表わした素子部の断面
【図3】本発明の第3の実施例における単結晶チップ
の、粉末ガラスによる封止過程を表わした素子部の断面
【図4】本発明の第4の実施例における単結晶チップ
の、粉末ガラスによる封止過程を表わした素子部の断面
【図5】本発明の第5の実施例における単結晶チップ
の、粉末ガラスによる封止過程を表わした素子部の断面
【図6】本発明の第6の実施例における単結晶チップ
の、粉末ガラスによる封止過程を表わした素子部の断面
【符号の説明】 10 非結晶化ガラス 11 高膨張結晶化ガラス 12 ニオブ酸リチウムチップ 13 空間 21 アルミナケース 31 雲母層 41 SUS片 51 窒化硼素層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶チップを前記単結晶チップの各方向
    の熱膨張係数のうち少なくとも1方向の熱膨張係数より
    も熱膨張係数が小さい封止ガラスでガラス封止するにあ
    たり、前記単結晶チップの全方向の熱膨張係数よりも大
    きい熱膨張係数の結晶化ガラスで、単結晶チップと前記
    封止ガラスが接触する部分を区切り、かつ前記単結晶チ
    ップと前記結晶化ガラスを接着することなしに前記単結
    晶チップを前記結晶化ガラスで囲み、その上から前記封
    止ガラスを充填し、加熱焼成することを特徴とする単結
    晶チップのガラス封止方法。
  2. 【請求項2】単結晶チップを前記単結晶チップの各方向
    の熱膨張係数のうち少なくとも1方向の熱膨張係数より
    も熱膨張係数が小さい封止ガラスでガラス封止するにあ
    たり、前記単結晶チップの全方向の熱膨張係数よりも小
    さい熱膨張係数のセラミックまたは結晶化ガラスまたは
    低膨張金属で作られ、かつ単結晶チップと前記封止ガラ
    スが接触する部分を区切り、かつ前記封止ガラスの焼成
    温度において前記単結晶チップの外形寸法と同じかまた
    は大きい空間を内側に有する囲いにより、前記囲いと前
    記単結晶チップを接着することなく前記囲いで前記単結
    晶チップを囲み、その上から前記封止ガラスを充填し、
    加熱焼成することを特徴とする単結晶チップのガラス封
    止方法。
  3. 【請求項3】単結晶チップを封止ガラスでガラス封止す
    るにあたり、前記単結晶チップが前記封止ガラスと接触
    する面に劈開性の高い物質を接着し前記劈開性の高い物
    質の層で前記単結晶チップを囲み、その上から前記封止
    ガラスを充填し、加熱焼成することを特徴とする単結晶
    チップのガラス封止方法。
  4. 【請求項4】単結晶チップを前記単結晶チップの各方向
    の熱膨張係数のうち少なくとも1方向の熱膨張係数より
    も熱膨張係数が小さい封止ガラスでガラス封止するにあ
    たり、前記単結晶チップの全方向の熱膨張係数よりも大
    きい金属片で単結晶チップと前記封止ガラスが接触する
    部分を区切り、かつ前記単結晶チップと前記金属片を接
    着することなしに前記単結晶チップを前記金属片で囲
    み、その上から前記封止ガラスを充填し、加熱焼成する
    ことを特徴とする単結晶チップのガラス封止方法。
  5. 【請求項5】単結晶チップを前記単結晶チップの各方向
    の熱膨張係数のうち少なくとも1方向の熱膨張係数より
    も熱膨張係数が小さい封止ガラスでガラス封止するにあ
    たり、前記封止ガラスと接触する前記単結晶チップの表
    面に窒化硼素コーティングを施した上で、前記封止ガラ
    スを充填し、加熱焼成することを特徴とする単結晶チッ
    プのガラス封止方法。
  6. 【請求項6】単結晶チップを前記単結晶チップの各方向
    の熱膨張係数のうち少なくとも1方向の熱膨張係数より
    も熱膨張係数が小さい封止ガラスでガラス封止するにあ
    たり、前記封止ガラスと接触する前記単結晶チップの表
    面に鏡面研磨を施した上で、前記封止ガラスを充填し、
    加熱焼成することを特徴とする単結晶チップのガラス封
    止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006190540A (ja) * 2005-01-05 2006-07-20 Dialight Japan Co Ltd フィールドエミッション型面状光源
CN103308247A (zh) * 2012-03-08 2013-09-18 精工电子有限公司 压力传感器

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