JPH07224906A - 伝動ベルトとその製造方法及び製造装置 - Google Patents

伝動ベルトとその製造方法及び製造装置

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JPH07224906A
JPH07224906A JP1521194A JP1521194A JPH07224906A JP H07224906 A JPH07224906 A JP H07224906A JP 1521194 A JP1521194 A JP 1521194A JP 1521194 A JP1521194 A JP 1521194A JP H07224906 A JPH07224906 A JP H07224906A
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vulcanizing
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Yoshitaka Tajima
義隆 田島
Masayoshi Suzuki
正義 鈴木
Nobutaka Kashiwagi
伸高 柏木
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 綿布2aの表裏面にカバーゴム2bを付着さ
せてなる帆布層2でベルト本体1の全表面が被覆され、
かつ上記帆布層2の両端が互いに接合されてなるラップ
ドVベルトにおいて、その使用初期時に帆布層2のプー
リ溝に接触する部分のカバーゴム2bが擦り取られると
いう事態の発生を回避できるようにし、もって、ゴム粉
の飛散に起因する周辺機器の汚染や故障等のトラブルの
発生を未然に防止できるようにする。 【構成】 帆布層2のベルト両側面のプーリ溝に接触す
る部分では、綿布2aの裏面のみにカバーゴム2bを付
着させておくようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、帆布にゴムが付着さ
せてなる帆布層で伝動ベルト本体の全表面を被覆した伝
動ベルトとその製造方法及び製造装置に関し、特に使用
初期時におけるベルト周辺機器へのゴム粉汚染を回避す
る対策に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の伝動ベルトは、例えば実開平4
−56240号公報等で知られているように、断面台形
状のVベルト本体をゴム付帆布からなる帆布層で包み込
み、このことから、Vベルト本体の全表面を被覆するよ
うになされたラップドVベルトと称されているもので、
例えば洗濯機や家庭用ミシン等の動力伝達機構に組み込
まれて使用されている。
【0003】このような伝動ベルトに要求される品質の
1つとして、美観がある。そこで、上記公報に記載され
ているものでは、図10に示すように、帆布層aの表裏
面に付着されるゴムについて、一般には黒色であるのを
淡色のものを用いることでベルト表面の淡色化を図る一
方、帆布層aとベルト本体bとの間に上記ゴムと同色の
淡色ゴム層cを設け、このことで、ベルト製造時に内部
のゴムが帆布層aの表面に滲み出してもベルト表面の変
色が回避できるようになされている。また、上記帆布層
aの帆布の表裏面に上記淡色ゴムが付着されているの
で、帆布層aの両端がベルト底部で互いに接合された接
合部dにおいても、十分な接合力を得ることができるよ
うになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の伝動ベルトでは、洗濯機等の動力伝達機構に組み込
まれて使用される際に、プーリ溝に接触する両側面(図
10の左右両側面)のゴムが使用初期時に擦られてゴム
粉となり、このゴム粉が飛散して周辺の機器を汚染し、
美観を損なうという問題がある。これは、ゴム粉が淡色
であっても飛散して汚染することに変わりはない。ま
た、単に美観の問題だけではなく、ゴム粉が周辺のモー
タやベアリング等に付着すると、故障等のトラブルを引
き起こす虞れもある。
【0005】そこで考えられるのは、帆布の片面だけに
ゴムを付着させてその面が内側となるように帆布層を設
け、このことで、帆布層の表面にゴムが付着していない
ようにすることである。現に、実公平5−33800号
公報では、少くとも片面にゴムが付着されていない帆布
を用い、その片面が外側に向けられてなる帆布層で歯部
表面を被覆した歯付ベルトが開示されている。
【0006】ところが、ベルト本体bの全表面を帆布層
aで被覆するラップドVベルトの場合には、歯部表面の
みが帆布層で被覆されている歯付ベルトの場合とは異な
り、帆布層aの接合部dにおける接合力が低下して帆布
層aの剥離を招き易くなるという別の問題が生じること
となる。また、一般に、ベルトの背面には、商品名や
形、サイズ、ロットナンバー等がマークで表示される
が、帆布層aの表面にゴムが付着されていないと、その
ようなマークが転写され難くなるという問題も生じる。
【0007】この発明は斯かる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、帆布の表裏面にゴムを付着
させた帆布層でベルト本体の全表面が被覆されている伝
動ベルトにおいて、その使用初期時に帆布層のプーリ溝
に接する部分のゴムが擦り取られるという事態の発生を
回避できるようにし、もって、ゴム粉の飛散に起因する
周辺機器の汚染や故障等のトラブルの発生を未然に防止
できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明に係る伝動ベルトでは、帆布の表裏
面にゴムを付着させておく部分と、帆布の裏面のみにゴ
ムを付着させておく部分とを区別するようにした。
【0009】すなわち、この発明では、帆布の表裏面に
ゴムを付着させてなる帆布層でベルト本体の全表面が被
覆され、かつ上記帆布層の両端が互いに接合されてなる
ラップドタイプの伝動ベルトが前提である。
【0010】そして、上記帆布層のベルト両側面のプー
リ溝に接触する部分では、帆布の裏面のみにゴムを付着
させておくようにする。
【0011】請求項2の発明に係る伝動ベルトの製造方
法では、上記請求項1の発明に係る伝動ベルトを製造す
る場合に、先ず、ベルト本体の全表面を、帆布の表裏面
にゴムを付着させてなる帆布層で被覆して加硫ベルトを
得る。その後、上記加硫ベルトの両側面をバフ加工し
て、その部分の帆布の表面に付着しているゴムを取り除
くようにする。
【0012】請求項3の発明に係る伝動ベルトの製造装
置では、上記請求項2の発明に係る伝動ベルトの製造方
法を実施する場合に、加硫ベルトが着脱可能に巻き掛け
られかつ巻き掛けられた加硫ベルトを走行させる駆動プ
ーリ及び従動プーリと、上記駆動プーリを回転駆動する
駆動手段とを有するバフ加工手段を備えるようにする。
そして、上記従動プーリのプーリ溝両側面に、加硫ベル
トの走行に伴い、その帆布層のベルト両側面をバフ加工
するバフ加工部を設けておく。
【0013】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
において、バフ加工部を、プーリ溝両側面に施されたロ
ーレット加工で構成する。
【0014】請求項5の発明では、上記請求項3の発明
において、バフ加工部を、プーリ溝両側面に固着された
研磨材で構成する。
【0015】請求項6の発明では、上記請求項3の発明
において、バフ加工手段は、駆動プーリ及び従動プーリ
をその軸間方向に相対移動させる移動手段を有するもの
とする。そして、上記移動手段を、軸間距離が拡大する
方向に駆動プーリ及び従動プーリを相対移動させる際の
移動量が調整可能なように構成する。
【0016】請求項7の発明では、上記請求項3の発明
において、バフ加工手段は、駆動プーリの回転駆動時間
を設定するためのタイマを有するものとする。
【0017】請求項8の発明では、上記請求項3の発明
において、バフ加工手段に加硫ベルトを装着する一方、
バフ加工された加硫ベルトを上記バフ加工手段から取り
外す着脱手段と、この着脱手段に加硫ベルトを順次供給
する供給手段と、上記着脱手段によりバフ加工手段から
取り外された加硫ベルトを順次回収する回収手段とを備
えるようにする。
【0018】請求項9の発明では、上記請求項8の発明
において、着脱手段を、ベルト幅方向がバフ加工手段の
駆動プーリ及び従動プーリの軸心方向と平行な状態にあ
る加硫ベルトをその軸心方向と直交する方向に挟圧して
駆動プーリ及び従動プーリの軸間方向に長円化する形状
に弾性変形させた状態で保持する挟持手段と、この挟持
手段を、バフ加工手段に対する加硫ベルトの着脱が行わ
れる着脱位置と、供給手段から加硫ベルトを受け取る受
取位置との間で上記軸心方向に平行移動させる移動手段
とで構成する。
【0019】請求項10の発明では、上記請求項9の発
明において、バフ加工手段の駆動プーリ及び従動プーリ
を、その軸心方向が水平でかつ軸間方向が鉛直となるよ
うに配置する。その上で、挟持手段を、ベルト幅方向が
上記軸心方向と平行な鉛直姿勢にある加硫ベルトを、そ
の軸心方向と直交する水平方向に挟圧して鉛直方向に長
円化する形状に弾性変形させた状態で保持するように構
成する。
【0020】請求項11の発明では、上記請求項10の
発明において、供給手段を、ベルト幅方向に配列された
複数の加硫ベルトを内面側から掛止してそのベルト幅方
向が軸心方向と平行な鉛直姿勢に吊り下げた状態でベル
ト幅方向に繰出可能に収容する繰出機構部と、この繰出
機構部にて軸心方向に繰り出された加硫ベルトをその繰
出端で鉛直姿勢のままに後続の加硫ベルトから繰出方向
に分離して順次取り出す取出機構部とで構成する。
【0021】請求項12の発明では、上記請求項11の
発明において、繰出機構部は、背面側に多数の歯部が所
定ピッチ間隔で連続して設けられかつ鉛直面内で循環走
行される際にその歯部が上向きとなる部分において相隣
接する歯部間の各々に加硫ベルトを内面側から掛止して
ベルト幅方向に配列された状態に吊り下げる歯付ベルト
と、この歯付ベルトが歯部を背面側にして巻き掛けられ
かつ巻き掛けられた歯付ベルトを鉛直面内で循環走行可
能に案内する複数の平プーリと、これら平プーリを回転
駆動して歯付ベルトを歯部が上向きとなる上側走行路に
おいて繰出方向に走行させる駆動手段とを有するものと
する。
【0022】請求項13の発明では、上記請求項11の
発明において、取出機構部は、繰出機構部の繰出端に近
接して鉛直姿勢の加硫ベルトを歯付ベルトの走行に伴い
内面側から引っ掛けて鉛直姿勢に吊り下げた状態に保持
する引掛位置と、引っ掛けた加硫ベルトを後続の加硫ベ
ルトから繰出方向に分離する取出位置との間で移動可能
に設けられた引掛部材と、この引掛部材を引掛位置と取
出位置との間で移動させる駆動手段とを有するものとす
る。
【0023】請求項14の発明では、上記請求項10の
発明において、挟持手段を、バフ加工手段から取り外し
た加硫ベルトを着脱位置と受取位置との間の中間位置で
落下させるように構成する。その上で、回収手段を、上
記中間位置に位置付けられた挟持手段が落下させる加硫
ベルトをその下方位置で受け止める受け機構部と、この
受け機構部により受け止められた加硫ベルトを内面側か
ら掛止してそのベルト幅方向が軸心方向と平行な鉛直姿
勢に吊り下げた状態でベルト幅方向に引き込みかつベル
ト幅方向に配列された状態に収容する収容機構部とで構
成する。
【0024】請求項15の発明では、上記請求項14の
発明において、受け機構部は、落下された加硫ベルトを
ベルト幅方向が軸心方向に対し傾斜した傾斜姿勢に案内
支持して受け止める傾斜位置と、その加硫ベルトを鉛直
姿勢に起立させてその上端部内面側を上記収容機構部の
引込端上に載置する起立位置との間で回動可能に設けら
れた受け部材と、この受け部材を傾斜位置と起立位置と
の間で回動させる駆動手段とを有するものとする。
【0025】請求項16の発明では、上記請求項14の
発明において、収容機構部は、内面側に多数の歯部が所
定ピッチ間隔で連続して設けられかつ鉛直面内で循環走
行される際にその歯部が下向きとなる部分において背面
に加硫ベルトを内面側から掛止してベルト幅方向に配列
された状態で吊り下げる歯付ベルトと、この歯付ベルト
が歯部を内面側にして巻き掛けられかつ巻き掛けられた
歯付ベルトを鉛直面内で循環走行可能に案内する複数の
歯付プーリと、これら歯付プーリを回転駆動して歯付ベ
ルトを歯部が下向きとなる上側走行路において引込方向
に走行させる駆動手段とを有するものとする。
【0026】請求項17の発明では、上記請求項14の
発明において、収容機構部を、その引込端を回動端とし
て水平回動可能に構成する。
【0027】
【作用】以上の構成により、請求項1の発明では、帆布
の表裏面にゴムを付着させてなる帆布層でベルト本体の
全表面が被覆され、かつ上記帆布層の両端が互いに接合
されてなる伝動ベルトにおいて、上記帆布層のベルト両
側面に位置する部分では、帆布の裏面のみにゴムが付着
されていて、表面にはゴムが付着していない。したがっ
て、この伝動ベルトが洗濯機や家庭用ミシン等の動力伝
達機構においてプーリ間に巻き掛けられて走行する際
に、そのベルト両側面がプーリ溝の両側面に接触しても
このベルト両側面からゴム粉は発生しない。よって、ゴ
ム粉が飛散することに起因する周辺機器の汚染や故障等
のトラブルは回避される。一方、上記帆布層の他の部分
では、帆布の表裏面にゴムが付着されているので、ベル
ト底部の接合部では従来どおりの接合力が得られ、この
ことで、接合部から帆布層が剥離するという事態は防止
される。また、ベルト背面におけるマークの転写の容易
さも従来どおり確保される。
【0028】請求項2の発明では、先ず、ベルト本体の
全表面が、帆布の表裏面にゴムを付着させてなる帆布層
で被覆され、このことで、従来の伝動ベルトである加硫
ベルトが得られる。したがって、この段階では、帆布の
表裏面にゴムが付着しているので、帆布層の両端が互い
に接合される接合部では従来どおりの接合力が得られ
る。その後、上記加硫ベルトのベルト両側面がバフ加工
され、その部分の帆布の表面に付着しているゴムが取り
除かれ、このことで、上記帆布層のベルト両側面に位置
する部分では、帆布の裏面のみにゴムが付着されてい
て、表面にはゴムが付着していない状態となる。すなわ
ち、従来の製造工程を変更することなくバフ加工工程を
追加するだけで上記請求項1の発明に係る伝動ベルトが
得られるので、製造工程の変更に伴う製造コストの上昇
が最低限に抑えられるのみならず、従来どおりの安定し
た品質の伝動ベルトが従来どおりの低い不良率で製造さ
れるようになる。
【0029】請求項3の発明では、上記加硫ベルトは、
バフ加工手段の駆動プーリ及び従動プーリに巻き掛けら
れかつ駆動プーリが駆動手段に回転駆動されることで走
行する。このとき、加硫ベルトの走行に伴い、上記従動
プーリのプーリ溝両側面のバフ加工部により、加硫ベル
トの帆布層のベルト両側面がバフ加工される。すなわ
ち、駆動プーリ、従動プーリ及び駆動手段を用いて加硫
ベルトを走行させながらバフ加工する際に、上記従動プ
ーリにバフ加工部を設けておくだけで済み、バフ加工専
用のプーリやその専用プーリを回転駆動するための新た
な駆動手段等が不要であるので、上記請求項2の発明に
係る伝動ベルトの製造方法を実施する場合に、バフ加工
手段の構造を簡単化でき、ベルト製造装置の低コスト化
を図ることができる。尚、この場合、上記バフ加工部が
駆動プーリに設けられていると、駆動プーリと加硫ベル
トとの間に滑りが発生するために加硫ベルトの走行駆動
に支障が生じる。
【0030】請求項4の発明では、上記バフ加工部は、
プーリ溝両側面に施したローレット加工で構成されてい
るので、上記請求項3の発明において、加硫ベルトの帆
布層のベルト両側面が具体的にバフ加工される。
【0031】請求項5の発明では、上記バフ加工部は、
プーリ溝の両側面に固着させた研磨材で構成されている
ので、上記請求項3の発明において、加硫ベルトの帆布
層のベルト本体両側面が具体的にバフ加工される。
【0032】請求項6の発明では、上記加硫ベルトの走
行時に、移動手段により駆動プーリ及び従動プーリが軸
間距離を拡げる方向に相対移動される際、その移動量が
加硫ベルトへの荷重負荷となり、この荷重負荷に応じて
加硫ベルトのベルト両側面に対するバフ加工部の面圧が
変化するので、上記請求項3の発明において、バフ加工
の程度やバフ加工作業の能率を調整することができる。
【0033】請求項7の発明では、上記加硫ベルトの走
行時に、バフ加工手段のタイマにより駆動プーリの回転
駆動時間が設定されるので、上記請求項3の発明におい
て、加硫ベルトに対するバフ加工時間を任意に設定で
き、かつその設定した時間だけ自動的にバフ加工できる
ようになる。
【0034】請求項8の発明では、上記加硫ベルトは、
着脱手段によりバフ加工手段に装着され、バフ加工され
た加硫ベルトは着脱手段によりそのバフ加工手段から取
り外される。また、上記着脱手段には供給手段により加
硫ベルトが順次供給される一方、着脱手段によりバフ加
工手段から取り外された上記加硫ベルトは回収手段によ
り順次回収される。したがって、上記請求項3の発明に
おいて、複数の加硫ベルトを自動的に順次バフ加工する
ことができる。
【0035】請求項9の発明では、上記バフ加工手段の
駆動プーリ及び従動プーリの軸心方向に対しベルト幅方
向が平行な状態にある加硫ベルトは、着脱手段の挟持手
段により上記軸心方向と直交する方向に挟圧されて上記
駆動プーリ及び従動プーリの軸間方向に長円化する形状
に弾性変形された状態で保持される。このとき、上記駆
動プーリ及び従動プーリの軸間方向に長円化すること
で、加硫ベルトの駆動プーリ及び従動プーリの各々に巻
き掛けられる軸間方向両端部分を各プーリの半径方向外
方に向けて拡がった形状とすることができ、これによ
り、加硫ベルトを駆動プーリ及び従動プーリに対しその
軸心方向に平行移動させることができるようになる。そ
して、上記加硫ベルトは上記挟持手段に保持された状態
で着脱手段の移動手段により、着脱位置に対し軸心方向
に平行移動され、このことで、バフ加工手段に対する加
硫ベルトの着脱を行うことができるので、上記請求項8
の発明において、ベルト着脱時における挟持手段の移動
経路を直線状に単純化して移動手段の構造を簡単化で
き、着脱手段の低コスト化を図ることができる。
【0036】請求項10の発明では、上記バフ加工手段
の駆動プーリ及び従動プーリの軸心方向が水平でかつ軸
間方向が鉛直である場合に、ベルト幅方向が上記軸心方
向と平行な鉛直姿勢にある加硫ベルトは、挟持手段によ
り軸心方向と直交する水平方向に挟圧されて鉛直方向に
長円化する形状に弾性変形した状態で保持される。した
がって、この場合には、挟持手段が着脱位置にありかつ
開状態にあるとき、軸間距離が狭められた状態にある駆
動プーリ及び従動プーリに加硫ベルトを掛止させておく
ことができるので、上記請求項9の発明において、加硫
ベルトの装着時に軸間距離が拡がる前に挟持手段が開動
作したり、加硫ベルトの取外時に挟持手段が開状態のま
まで軸間距離が狭まったりする等のように、挟持手段の
開閉動作と軸間距離の拡狭動作との間にタイミングのず
れがあっても、加硫ベルトの落下を回避することができ
る。
【0037】請求項11の発明では、上記供給手段の繰
出機構部において、ベルト幅方向に配列された複数の加
硫ベルトは内面側から掛止されてそのベルト幅方向が軸
心方向と平行な鉛直姿勢に吊り下げられた状態で収容さ
れる。そして、この繰出機構部にてベルト幅方向に繰り
出された加硫ベルトは、その繰出端において取出機構部
により鉛直姿勢のままに後続の加硫ベルトから繰出方向
に分離して順次取り出される。したがって、上記請求項
10の発明において、供給手段に複数の加硫ベルトをベ
ルト幅方向に配列して収容させることができ、加硫ベル
トの収容効率を高めることができるとともに、供給時に
はその加硫ベルトを1本ずつ取り出して着脱手段の挟持
手段に保持させることができる。
【0038】請求項12の発明では、上記供給手段の繰
出機構部において、背面側に多数の歯部を有する歯付ベ
ルトは、複数の平プーリに巻き掛けられた状態で駆動手
段が作動することにより鉛直面内で循環走行される。こ
のとき、上記歯付ベルトの歯部が上向きとなる上側走行
路において、加硫ベルトは歯付ベルトの相隣接する各歯
部間の各々に内面側から掛止されてベルト幅方向に配列
した状態に吊り下げられて収容される。そして、上記上
側走行路において歯付ベルトが繰出方向に走行されるこ
とで、加硫ベルトは鉛直姿勢のままで繰出機構部の繰出
端に向けて繰り出される。したがって、上記請求項11
の発明において、一般の歯付ベルト及び平プーリを用い
て複数の加硫ベルトをベルト幅方向に配列された状態で
繰出可能に収容することができるので、繰出機構部の低
コスト化を図ることができる。
【0039】請求項13の発明では、上記供給手段の取
出機構部による加硫ベルトの取出動作は、引掛部材が引
掛位置と前傾位置との間で駆動手段により回動されるこ
とで行われる。すなわち、歯付ベルトの相隣接する歯部
間に掛止されている加硫ベルトは繰出機構部の繰出端に
おいて、この繰出端に近接する引掛位置に位置付けられ
た引掛部材により歯付ベルトの走行に伴い内面側から引
っ掛けられ、このことで、加硫ベルトは鉛直姿勢に吊り
下げられた状態に保持される。次に、上記引掛部材は駆
動手段により取出位置に移動され、このことで、引掛部
材に引っ掛けられている加硫ベルトは後続の加硫ベルト
から繰出方向に分離される。したがって、上記請求項1
1の発明において、繰出機構部に収容されている複数の
加硫ベルトを繰出機構部の繰出動作を利用して1本ずつ
取り出すことができ、その分だけ取出機構部の構造を簡
単化して低コスト化を図ることができる。
【0040】請求項14の発明では、上記着脱手段によ
りバフ加工手段から取り外された加硫ベルトは、着脱位
置と受取位置との間の中間位置に位置付けられた着脱手
段の挟持手段から落下される。この落下された加硫ベル
トは、先ず、回収手段の受け機構部により受け止められ
る。次いで、回収手段の収容機構部により内面側から掛
止されてそのベルト幅方向が軸心方向と平行な鉛直姿勢
に吊り下げられた状態でベルト幅方向に引き込まれかつ
ベルト幅方向に配列した状態に収容される。したがっ
て、上記請求項10の発明において、着脱手段における
挟持手段の移動経路を変更することなく、バフ加工手段
から取り外した加硫ベルトを回収手段に回収させること
ができ、上記着脱手段における移動手段の構造の複雑化
を回避することができる。また、回収された加硫ベルト
はベルト幅方向に配列した状態に収容されるので、回収
手段における加硫ベルトの収容効率を高めることができ
る。
【0041】請求項15の発明では、上記回収手段の受
け機構部において、先ず、着脱手段の挟持手段から落下
された加硫ベルトは、傾斜位置にある受け部材により傾
斜姿勢に案内支持されて受け止められる。次いで、この
受け部材が駆動手段にて起立位置に回動されることによ
り、加硫ベルトは鉛直姿勢に起立され、このことで、そ
の上端部内面側が収容機構部の引込端上に載置される。
したがって、挟持手段から落下された加硫ベルトを鉛直
姿勢に矯正しかつ収容機構部の引込端に向けてベルト幅
方向に移載することができるので、上記請求項14の発
明において、落下してきた加硫ベルトを適正な状態で収
容機構部に収容させることができ、加硫ベルトを円滑に
回収することができる。
【0042】請求項16の発明では、上記回収手段の収
容機構部において、内面側に多数の歯部を有する歯付ベ
ルトは、複数の歯付プーリに巻き掛けられた状態で駆動
手段が作動することにより鉛直面内で循環走行される。
このとき、上記歯付ベルトの歯部が下向きとなる上側走
行路において、加硫ベルトは歯付ベルトの背面に内面側
から掛止されて吊り下げられ、この歯付ベルトが引込方
向に走行されることにより引き込まれてベルト幅方向に
配列した状態に収容される。したがって、一般の歯付ベ
ルト及び歯付プーリを用いて複数の加硫ベルトをベルト
幅方向に配列された状態に引き込んで収容することがで
きるので、上記請求項14の発明において、収容機構部
の低コスト化を図ることができる。
【0043】請求項17の発明では、上記回収手段の収
容機構部において、歯付ベルトの上側走行路に引き込ま
れた加硫ベルトはその引込方向と逆の方向に移動されて
引込端から外部に纏めて取り出される。したがって、上
記請求項14の発明において、回収手段の収容機構部に
収容されている複数の加硫ベルトをこの収容機構部から
取り出す際に、その取出動作がバフ加工手段及び回収手
段の受け機構部に干渉されるのを回避できる。
【0044】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この実施例に係る伝動ベルトとしての
ラップドVベルトtを示しており、このVベルトtは、
断面台形状のベルト本体1と、その全表面を被覆する帆
布層2とを備えている。上記ベルト本体1は、背面側
(同図の上面側)に位置する接着ゴム層3と、底面側
(同図の下面側)に位置する圧縮ゴム部4と、上記接着
ゴム層3に埋設され、ベルト長さ方向に延びかつベルト
幅方向に配置された複数本(この場合は6本)の心線5
とから構成されている。上記接着ゴム層3及び圧縮ゴム
層4は何れもスチレンブタジエンゴム、天然ゴム及びク
ロロプレンゴムからなる。また、上記心線5はテトロン
(登録商標)系繊維からなる。一方、上記帆布層2は、
1プライの綿布2aの両面にスチレンブタジエンゴム、
天然ゴム及びクロロプレンゴムからなるカバーゴム2b
がそれぞれフリクションにより擦り込まれてなってい
る。そして、内面側の接合部6において両端が接合され
ている。
【0045】この発明の特徴として、上記ラップドVベ
ルトtは、帆布層2のベルト両側面に位置する部分で
は、綿布2aの裏面のみにカバーゴム2bが付着されて
いる。一方、上記帆布層2のベルト底面及び背面に位置
する部分では、綿布2aの表裏面にカバーゴム2bが付
着されている。
【0046】また、上記ラップドVベルトtの製造方法
では、ベルト本体1の全表面を、綿布2aの表裏面にカ
バーゴム2bを付着させてなる帆布層2で被覆して加硫
ベルトを得るようにする。その後、この加硫ベルトの帆
布層2のベルト両側面をバフ加工してその部分の綿布2
aの表面に付着しているカバーゴム2bを図1に仮想線
で示すように取り除き、これらのことで、ラップドVベ
ルトtを製造するようになされている。
【0047】したがって、この実施例に係るVベルトで
は、帆布層2のベルト両側面に位置する部分では、綿布
2aの裏面のみにカバーゴム2bが付着していて、表面
にはカバーゴム2bが付着していないので、このVベル
トtが洗濯機や家庭用ミシン等の動力伝達機構において
プーリ間に巻き掛けられて走行する際に、そのベルト両
側面がプーリ溝の両側面に接触してもこのベルト両側面
からゴム粉は発生しない。よって、上記ゴム粉が飛散す
ることに起因する周辺機器の汚染や故障等のトラブルを
未然に防止することができる。一方、上記帆布層2のベ
ルト底部に位置する部分では、綿布2aの表裏面にカバ
ーゴム2bが付着されているので、ベルト底部の接合部
6では従来どおりの接合力を得ることができ、この接合
部6から帆布層2が剥離するという事態を防止すること
ができる。
【0048】また、この実施例に係るVベルトの製造方
法では、先ず、ベルト本体1の全表面が、綿布2aの表
裏面にカバーゴム2bを付着させてなる帆布層2で被覆
され、このことで、従来の伝動ベルトである加硫ベルト
が得られる。その後、上記加硫ベルトのベルト両側面が
バフ加工されてその部分の綿布2aの表面に付着してい
るカバーゴム2bが取り除かれ、このことで、上記帆布
層2のベルト両側面に位置する部分では、綿布2aの裏
面のみにカバーゴム2bが付着していて、表面にはカバ
ーゴム2bが付着していない状態となる。すなわち、従
来の製造工程を変更することなくバフ加工工程を追加す
るだけで上記Vベルトtが得られるので、製造工程の変
更に伴う製造コストの上昇を最低限に抑えることができ
るのみならず、従来どおりの安定した品質のVベルトt
を、しかも従来どおりの低い不良率で得ることができ
る。
【0049】次に、上記Vベルトtの製造に用いられる
ベルト製造装置について、図2〜図9に基づき説明す
る。上記ベルト製造装置は、図2及び図3の全体構成図
に示すように、加硫ベルトsをバフ加工するバフ加工手
段Aと、このバフ加工手段Aに加硫ベルトsを装着する
一方、バフ加工して得られた加硫ベルトsを上記バフ加
工手段Aから取り外す着脱手段Bと、この着脱手段Bに
加硫ベルトsを順次供給する供給手段Cと、上記着脱手
段Bによりバフ加工手段Aから取り外された加硫ベルト
sを順次回収する回収手段Dとを備えている。
【0050】上記バフ加工手段Aは、図4に詳示するよ
うに、加硫ベルトsが着脱可能に巻き掛けられかつ巻き
掛けられた加硫ベルトsを走行させる駆動プーリ11及
び従動プーリ12と、上記駆動プーリ11を回転駆動す
る駆動手段としてのモータ13と、上記従動プーリ12
を駆動プーリ11に対しその軸間方向に移動させる移動
手段14とを有する。上記駆動プーリ11及び従動プー
リ12は、その軸心方向が水平でかつ軸間方向が鉛直に
配置されている。また、上記移動手段14は、従動プー
リ12を鉛直方向に移動させるようになされている。そ
して、上記従動プーリ12のプーリ溝の両側面には研磨
材としてのダイヤモンド砥粒が蒸着されており、これに
より、加硫ベルトsの走行に伴って帆布層2のベルト両
側面に位置する部位表面をバフ加工するバフ加工部12
aが構成されている。
【0051】具体的には、上記製造装置の設置面左側に
は基板15が配設固定され、この基板15上に立設した
左右1対の支柱16,16の前面側に支持板17が鉛直
方向に取り付けられている。そして、この支持板17の
前面上辺部に配設された左右1対の軸受部18,18が
左右方向の水平軸心回りに回転可能に支持する駆動軸1
9の右端に、上記駆動プーリ11が回転一体に取り付け
られている。また、図3に示すように、上記モータ13
は支持板17の背面側に配設されており、駆動プーリ2
0、伝動ベルト21及び従動プーリ22を介して上記駆
動プーリ11を回転駆動するようになされている。さら
に、上記モータ13にはタイマ13aが連設されてい
て、このタイマ13aにより駆動プーリ11の回転駆動
時間、すなわち、加硫ベルトsに対するバフ加工時間を
調整できるようになされている。
【0052】一方、上記移動手段14は、支持板17の
前面中央部に配設されて鉛直方向に延びる左右1対のレ
ール23,23と、これらレール23により鉛直方向に
移動可能に案内されるスライドベース24と、その下方
に配設されてエア圧によりスライドベース24を鉛直方
向に移動させるエアシリンダ25とからなっている。そ
して、このスライドベース24の前面に配設された左右
1対の軸受部26,26が左右方向の水平軸心回りに回
転可能に支持する従動軸27の右端に、上記従動プーリ
12が回転一体に取り付けられている。尚、従動軸27
の左端には、その回転に制動を加えるためのブレーキ装
置28が連設されている。また、上記エアシリンダ25
のエア圧調整によりスライドベース24を下方移動させ
る際の移動力が変化するようになされ、このことで、駆
動プーリ11及び従動プーリ12に加硫ベルトsを巻き
掛けて走行させる際の加硫ベルトsの荷重負荷を調整で
きるようになっている。つまり、従動プーリ12等を含
むスライドベース24全体の自重(例えば16kgf)
に、所定のエア圧(例えば、シリンダチューブ内径が5
0mmの場合に、5kg/cm2 のエア圧)によるエア
シリンダ25の駆動力(5×2.52 ×3.14=98
〔kgf〕)を加えることで、バフ加工時の加硫ベルト
sの荷重負荷(この場合は、114kgf)を設定でき
るようになされている。
【0053】上記着脱手段Bは、図5〜図7に示すよう
に、ベルト幅方向がバフ加工手段Aの駆動プーリ11及
び従動プーリ12の軸心方向と平行な鉛直姿勢にある加
硫ベルトsを、上記軸心方向と直交する水平方向に挟圧
して鉛直方向に長円化する形状に弾性変形させた状態で
保持する挟持手段31と、この挟持手段31を、供給手
段Cから加硫ベルトsを受け取る受取位置(図5に仮想
線で示す右側位置)と、バフ加工手段Aに対する加硫ベ
ルトsの着脱を行う着脱位置(同図に仮想線で示す左側
位置)との間で軸心方向に平行移動させる移動手段32
とで構成されている。また、上記挟持手段31は、バフ
加工手段Aから取り外した加硫ベルトsを着脱位置と受
取位置との間の中間位置(図2及び図5にそれぞれ実線
で示す位置)で落下させるようになされている。
【0054】具体的には、上記着脱手段Bの挟持手段3
1は、略鉛直方向に延びかつ左右方向の水平軸心回りに
下部側が開閉可能に設けられた1対の開閉アーム33,
33と、これら開閉アーム33の両上端部間に配設さ
れ、相離反する方向に向けて進退動作する2本のロッド
34aにより両開閉アーム33,33の下部側を開閉さ
せる小型エアシリンダ34と、各開閉アーム33に取り
付けられ、図3に示すように相対向する面が水平断面V
字状に凹陥した1対の挟み板35,35とからなる。一
方、上記製造装置の設置面右側に配設固定された基板3
6上には上記バフ加工手段Aの支柱15と平行な支柱3
7が立設され、この支柱37の上端とバフ加工手段Aの
支持板17上端との間に左右方向に延びる梁部材38が
横設されており、この梁部材38に上記移動手段32が
配設されている。すなわち、この移動手段32は、図7
に詳示するように、梁部材38の下面に取り付けられて
いるブラケット39に支持された左右方向に延びる両側
1対のガイドロッド40,40と、これらガイドロッド
40に水平方向に移動可能に案内支持されたスライドブ
ロック41と、このスライドブッロック41にロッド4
2a先端が駆動連結されたエアシリンダ42とからなっ
ている。シリンダ42本体の先端は上記ブラケット39
の右端に、また基端は梁部材38に取り付けられた固定
ピン43にそれぞれ固定されている。そして、スライド
ブロック37には上記挟持手段28が垂設されている。
尚、上記ブラケット39の左右両端には、挟持手段28
に左右両側方から当接してその着脱位置及び受取位置を
規制する調整ねじ44がそれぞれ配設されている。
【0055】上記供給手段Cは、図8に示すように、ベ
ルト幅方向に配列された複数の加硫ベルトsを内面側か
ら掛止してそのベルト幅方向が軸心方向と平行な鉛直姿
勢に吊り下げた状態でベルト幅方向に繰出可能に収容す
る繰出機構部51と、この繰出機構部51にて繰り出さ
れた加硫ベルトsをその繰出端で鉛直姿勢のままに後続
の加硫ベルトsから繰出方向(同図に矢印で示す方向)
に分離して順次取り出す取出機構部52とで構成されて
いる。
【0056】すなわち、上記供給手段Cの繰出機構部5
1は、背面側に多数の歯部53aが所定ピッチ間隔で連
続して設けられかつ鉛直面内で循環走行される際にその
歯部53aが上向きとなる部分において相隣接する歯部
53a,53a間の各々に加硫ベルトsを内面側から掛
止してベルト幅方向に配列された状態に吊り下げる歯付
ベルト53と、この歯付ベルト53が歯部53aを外周
側にして巻き掛けられかつ巻き掛けられた歯付ベルト5
3を鉛直面内で循環走行可能に案内する1つの大径平プ
ーリ54及び2つの小径平プーリ55と、上記大径平プ
ーリ54を回転駆動して歯付ベルト53を歯部53aが
上向きとなる上側走行路において繰出方向に走行させる
駆動手段としてのギヤドモータ56とを有する。
【0057】具体的には、上記右側の支柱37の左側面
上部に、左方に向けて突出する供給フレーム57が配設
固定されている。そして、この供給フレーム57の基端
側において、上記大径プーリ54は供給フレーム57の
突出方向と直交する水平軸心回りに回転可能に設けられ
ている。上記各小径プーリ55は供給フレーム57の先
端側に大径プーリ54の水平軸心と平行な各々の水平軸
心回りに回転可能に設けられている。また、上記ギヤド
モータ56は供給フレーム57の基端側上部に配設され
ており、駆動プーリ58、伝動ベルト59及び従動プー
リ60を介して上記大径平プーリ54を回転駆動するよ
うになっている。
【0058】また、上記供給手段Cの取出機構部52
は、上記繰出機構部51の繰出端に近接して加硫ベルト
sを歯付ベルト53の走行に伴い内面側から引っ掛けて
鉛直姿勢に吊り下げた状態に保持する引掛位置(図8に
実線で示す位置)と、引っ掛けた加硫ベルトsを後続の
加硫ベルトsから繰出方向に分離する取出位置(同図に
仮想線で示す位置)との間で回動可能に設けられた引掛
部材61と、この引掛部材61を引掛位置と取出位置と
の間で回動させる駆動手段としての小型エアシリンダ6
2とを有する。
【0059】具体的には、上記引掛部材61はその下端
が繰出機構部51の供給フレーム57先端に軸心方向と
直交する水平軸心回りに回動可能に支持されかつ上端側
が前傾した状態に設けられている。また、上端には、繰
出方向の前後斜め上方に向けて二股状に突出する引掛部
61aが形成されている。この引掛部61aは、引掛位
置において、繰出機構部51の歯付ベルト53の走行に
伴い、歯付ベルト53の歯部53a,53a間に掛止さ
れている加硫ベルトsとその繰出端側に位置する歯部5
3aとの間に差し込まれ、このことで、上記加硫ベルト
sを下方からすくい上げて保持するようになされてい
る。そして、取出位置において上記加硫ベルトsを前方
に移動させ、この加硫ベルトsを後続の加硫ベルトsか
ら繰出方向に分離させるようになされている。また、上
記繰出機構部51の繰出端には図示しないセンサが配設
されており、このセンサにより歯付ベルト53上の加硫
ベルトsが引掛部61aに引っ掛かったことを検出する
ようになされている。そして、引っ掛かったときには繰
出機構部51のギヤドモータ56の作動が停止しかつ引
掛機構部52のシリンダ62が作動する一方、引掛部材
61が引掛位置に復帰したときに、上記モータ57が再
び作動するようになされている。すなわち、上記歯付ベ
ルト53は、取出機構部51における回動動作に連動し
て歯部53aのピッチ間隔ずつ間欠的に走行されること
になる。
【0060】一方、上記回収手段Dは、上記中間位置に
位置付けられた挟持手段31が落下させる加硫ベルトs
をその下方位置で受け止める受け機構部71と、この受
け機構部71により受け止められた加硫ベルトsを内面
側から掛止してそのベルト幅方向が軸心方向と平行な鉛
直姿勢に吊り下げかつベルト幅方向に配列された状態で
ベルト幅方向に引き込みかつベルト幅方向に配列された
状態に収容する収容機構部72とで構成されている。
【0061】すなわち、上記回収手段Dの受け機構部7
1は、図4に示すように、落下された加硫ベルトsをベ
ルト幅方向が軸心方向に対し傾斜した傾斜姿勢に案内支
持して受け止める傾斜位置(同図に実線で示す位置)
と、その加硫ベルトsを鉛直姿勢に起立させてその上端
部内面側を上記収容機構部72の引込端上に載置する起
立位置(同図に仮想線で示す位置)との間で回動可能に
設けられた受け部材73と、この受け部材73を傾斜位
置と起立位置との間で回動させる駆動手段としてのエア
シリンダ74とを有する。
【0062】具体的には、上記受け部材73は、バフ加
工手段Aの右側支柱15に右方に向けて突設された支持
アーム75がその先端において起伏回動可能に支持する
基体76に回動一体に取り付けられており、落下された
加硫ベルトsを滑落可能に支承して傾斜姿勢に案内する
傾斜板73aと、この傾斜板73aの下辺に設けられ、
傾斜板73a上を滑落する加硫ベルトsに下方から当接
してその滑落を停止させる係止部73bと、傾斜板73
aの両側に設けられ、傾斜板73a上を滑落する加硫ベ
ルトsを両側から規制する規制壁73cとを有する。ま
た、上記シリンダ74の基端は支持アーム74と支柱1
5との接続部に、またそのロッド74aは上記基体76
にそれぞれ枢着されており、これらのことで、上記受け
部材73を傾斜位置と起立位置との間で回動するように
なっている。尚、上記支持アーム75の先端には、起立
時の基体76に当接して受け部材73の起立位置を傾斜
位置側に規制する調整ねじ77が配設されている。
【0063】また、上記回収手段Dの収容機構部72
は、図9に詳示するように、内面側に多数の歯部78a
が所定ピッチ間隔で連続して設けられかつ鉛直面内で循
環走行される際にその歯部78aが下向きとなる部分に
おいて背面に加硫ベルトsを内面側から掛止してベルト
幅方向に配列された状態に吊り下げる歯付ベルト78
と、この歯付ベルト78が歯部78aを内面側にして巻
き掛けられかつ巻き掛けられた歯付ベルト78を鉛直面
内で循環走行可能に案内する1つの大径歯付プーリ79
及び2つの小径歯付プーリ80と、上記大径歯付プーリ
79を回転駆動して歯付ベルト78を歯部78aが下向
きとなる上側走行路において引込方向に走行させる駆動
手段としてのギヤドモータ81とを有する。また、収容
機構部72は、その引込端を回動端として水平回動可能
になされている。
【0064】具体的には、上記供給手段Cの供給フレー
ム57が突設されている支柱37の左側面下部に、左方
に向けて突出する回収フレーム82が配設されており、
この回収フレーム82の基端側において、上記大径歯付
プーリ79は回収フレーム82の突出方向と直交する水
平軸心回りに回転可能に設けられている。一方、上記各
小径歯付プーリ80は、回収フレーム82の先端側に大
径歯付プーリ79の水平軸心と平行に配設された各々の
水平軸心回りに回転可能に設けられている。また、上記
ギヤドモータ81は回収フレーム82の基端側上部に配
設されており、駆動プーリ83、伝動ベルト84及び従
動プーリ85を介して上記大径歯付プーリ79を回転駆
動するようになっている。そして、上記受け機構部71
における起伏動作と連動して歯付ベルト78を加硫ベル
トsのベルト幅寸法ずつ間欠的に走行させるようになさ
れている。さらに、上記回収フレーム82は支柱37の
左側下部に取り付けられたブラケット86に立設した枢
支ピン87により水平回動可能に支持されており、この
ことで、収容機構部72は支柱37に対し水平回動可能
となっている。また、回収フレーム82の大径プーリ7
9近傍位置には、収容機構部72における歯付ベルト7
8の上側走行路に沿って引き込まれる加硫ベルトsに当
接してその移動を規制するストッパ88が設けられ、こ
の収容機構部72に加硫ベルトsが溜まると全装置が作
動を停止するようになされている。
【0065】したがって、この実施例に係るベルト製造
装置では、加硫ベルトsは、着脱手段Bによりバフ加工
手段Aに装着され、バフ加工して得られた加硫ベルトs
は着脱手段Bによりそのバフ加工手段Aから取り外され
る。また、上記着脱手段Bには供給手段Cにより加硫ベ
ルトsが順次供給される一方、着脱手段Bによりバフ加
工手段Aから取り外された加硫ベルトsは回収手段Dに
より順次回収される。よって、多数の加硫ベルトsを自
動的に順次バフ加工することができるので、この実施例
に係るラップドVベルトtを製造する際にその低コスト
化を図ることができる。
【0066】順を追って詳しく説明すると、先ず、上記
供給手段Cの繰出機構部51により、ベルト幅方向に配
列された多数の加硫ベルトsは内面側から掛止されてそ
のベルト幅方向が軸心方向と平行な鉛直姿勢に吊り下げ
られた状態で収容されている。そして、この繰出機構部
51にてベルト幅方向に繰り出された加硫ベルトsは、
その繰出端において取出機構部52により鉛直姿勢のま
まに後続の加硫ベルトsから繰出方向に分離して順次取
り出される。一方、着脱手段Bの挟持手段31は、上記
取出機構部52により取り出された鉛直姿勢の加硫ベル
トsを受け取る受取位置と、その加硫ベルトsをバフ加
工手段Aに装着する着脱位置との間で軸心方向に平行移
動される。したがって、上記供給手段Cの繰出機構部5
1に加硫ベルトsをベルト幅方向に配列して収容させる
ことで、加硫ベルトsの収容効率を高めることができる
ととともに、供給時にはその加硫ベルトsを1本ずつ取
り出して挟持手段31に保持させることができ、しかも
挟持手段31は受取位置と着脱位置との間を平行移動す
るだけなので着脱手段Bの移動手段32の構造を簡単化
することができる。
【0067】つまり、上記供給手段Cの繰出機構部51
では、背面側に多数の歯部53aを有する歯付ベルト5
3が、1つの大径平プーリ54及び2つの小径平プーリ
55に巻き掛けられた状態でギヤドモータ56が作動す
ることにより鉛直面内で循環走行される。このとき、上
記歯付ベルト53の歯部53aが上向きとなる上側走行
路において、加硫ベルトsは歯付ベルト53の相隣接す
る各歯部53a,53a間の各々に内面側から掛止され
てベルト幅方向に配列した状態に吊り下げられて収容さ
れる。そして、上記上側走行路において歯付ベルト53
が繰出方向に走行されることで、加硫ベルトsは鉛直姿
勢のままで繰出機構部51の繰出端に向けて繰り出され
る。したがって、一般の歯付ベルト53及び平プーリ5
4,55を用いて多数の加硫ベルトsをベルト幅方向に
配列された状態で繰出可能に収容することができるの
で、繰出機構部51の低コスト化を図ることができる。
【0068】また、上記供給手段Cの取出機構部52で
は、引掛部材61が引掛位置と前傾位置との間で小型シ
リンダ62に回動されることで上記繰出機構部51の繰
出端から加硫ベルトsが1本ずつ取り出される。すなわ
ち、繰出機構部51の歯付ベルト53の相隣接する歯部
53a,53a間に掛止されている加硫ベルトsは繰出
機構部51の繰出端において、この繰出端に近接する引
掛位置にある引掛部材61により歯付ベルト53の走行
に伴い内面側から引っ掛けられ、このことで、加硫ベル
トsは鉛直姿勢に吊り下げられた状態に保持される。次
に、上記引掛部材61は小型シリンダ62により取出位
置に回動され、このことで、引掛部材61に引っ掛けら
れている加硫ベルトsは後続の加硫ベルトsから繰出方
向に分離される。したがって、上記繰出機構部51に収
容されている複数の加硫ベルトsを繰出機構部51の繰
出動作を利用して1本ずつ取り出すことができ、その分
だけ取出機構部52の構造を簡単化して低コスト化を図
ることができる。
【0069】一方、上記着脱手段Bでは挟持手段31が
移動手段32により受取位置に移動され、取出位置にあ
る引掛部材61に保持されている加硫ベルトsを軸心方
向と直交する水平方向で挟圧して保持する。このとき、
上記加硫ベルトsは繰出機構部51が収容する後続の加
硫ベルトsから繰出方向に分離されているので、この加
硫ベルトsのみが上記挟持手段31により保持される。
また、上記挟圧時には、挟持手段31の挟み板35の内
面側が凹陥しているので、上記加硫ベルトsが鉛直軸心
回りに変位して適正な鉛直姿勢から多少ずれていても、
上記挾み板35により保持することができる。さらに、
上記加硫ベルトsは鉛直方向に長円化する形状に弾性変
形された状態で保持される。つまり、上記加硫ベルトs
をその弾性変形を利用して保持することで、加硫ベルト
sを安定して保持することができる。
【0070】そして、上記挟持手段31は移動手段32
によりバフ加工手段Aに対する着脱位置に向けて軸心方
向に平行移動される。このとき、上記加硫ベルトsが鉛
直方向、すなわち、駆動プーリ11及び従動プーリ12
の軸間方向に長円化され、かつ従動プーリ12が移動手
段14により上方移動されて駆動プーリ12との間の軸
間距離が狭められることで、図6に示すように、加硫ベ
ルトsの駆動プーリ11及び従動プーリ12の各々に巻
き掛けられる軸間方向両端の部分を各プーリ11,12
の半径方向外方に向けて拡がった形状とすることがで
き、これにより、加硫ベルトsを駆動プーリ11及び従
動プーリ12に対しその軸心方向に平行移動させること
ができるようになる。そして、上記加硫ベルトsは挟持
手段31に保持された状態で着脱位置に対し軸心方向に
平行移動され、このことで、バフ加工手段Aに対する加
硫ベルトsの装着が行われるので、上記挟持手段31の
移動手段32による移動経路を直線状に単純化でき、着
脱手段Bの構造を簡単化することができる。尚、以上の
ことは、バフ加工された加硫ベルトsを保持して取り外
す場合についても同じである。
【0071】次に、上記バフ加工手段Aの移動手段14
により従動プーリ12が下方移動されて駆動プーリ11
との軸間距離が拡げられ、このことで、上記加硫ベルト
sを駆動プーリ11と従動プーリ12との間に走行可能
に巻き掛けることができる。すなわち、図7に示すよう
に、閉状態の挟持手段31により着脱位置に保持されて
いる加硫ベルトsに対し軸間距離が拡げられることで、
上記挟持手段31の開動作を伴うことなく加硫ベルトs
を駆動プーリ11と従動プーリ12との間に巻き掛ける
ことができ、かつ上記加硫ベルトsに走行に必要な張り
荷重を付与することができる。このとき、上記移動手段
14による従動プーリ12の下方移動が開始される前に
挟持手段31が開動作しても、軸間距離が狭まったまま
の状態にある駆動プーリ11及び従動プーリ12に加硫
ベルトsを掛止させておくことができるので、加硫ベル
トsの落下を回避することができる。
【0072】そして、上記加硫ベルトsが駆動プーリ1
1と従動プーリ12との間に走行可能に巻き掛けられた
状態で、モータ13が駆動プーリ11を回転駆動し、加
硫ベルトsを走行させる。このとき、加硫ベルトsの走
行に伴い、上記従動プーリ12のプーリ溝両側面のバフ
加工部12aにより、加硫ベルトsの帆布層2のベルト
両側面に位置する部位表面がバフ加工される。すなわ
ち、加硫ベルトsを走行させるのに最低限必要な駆動プ
ーリ11、従動プーリ12及びモータ13によりバフ加
工を行うことができるので、バフ加工手段Aの構造が簡
単であり、ベルト製造装置の低コスト化を図ることがで
きる。
【0073】さらに、上記バフ加工時には、従動プーリ
12を下方移動させようとする力が加硫ベルトsへの荷
重負荷となるが、このとき、移動手段14のエアシリン
ダ25のエア圧を調整することで上記荷重負荷が変化
し、それに応じて加硫ベルトsのバフ加工すべき部位表
面に対するバフ加工部12aの面圧を変化させることが
できるので、バフ加工の程度やバフ加工作業の能率を調
整することができる。また、上記加硫ベルトsの走行時
に、バフ加工手段Aのタイマ13aにより駆動プーリ1
1の回転駆動時間を設定できるので、加硫ベルトsに対
するバフ加工時間を任意に設定でき、かつその設定した
時間だけ自動的にバフ加工することができる。
【0074】上記バフ加工が終了すると、従動プーリ1
2は移動手段14により軸間距離が狭まる方向に上方移
動され、このことで、駆動プーリ11及び従動プーリ1
2に巻き掛けられている加硫ベルトsの取外しが容易に
行われる。すなわち、図7に示すように着脱位置に位置
付けられかつ閉状態にある挟持手段31に対し、従動プ
ーリ11を駆動プーリ12との軸間距離が狭まる方向に
移動手段14により上方移動させることで、上記従動プ
ーリ12の上方移動に挟持手段31の閉動作を同期させ
ることなく挟持手段31に加硫ベルトsを保持させるこ
とができる。このとき、上記移動手段14が開状態にあ
った場合には、軸間距離が狭まったままの状態にある駆
動プーリ11及び従動プーリ12に加硫ベルトsを掛止
させておくことができるので、そのような場合でも、加
硫ベルトsの落下する虞れはない。
【0075】上記着脱手段Bによりバフ加工手段Aから
取り外された加硫ベルトsは、着脱位置と受取位置との
間の中間位置に位置付けられた着脱手段Bの挟持手段3
1から落下される。この落下された加硫ベルトsは、先
ず、回収手段Dの受け機構部71により受け止められ
る。次いで、回収手段Dの収容機構部72により内面側
から掛止されて鉛直姿勢に吊り下げられかつベルト幅方
向に配列した状態でベルト幅方向に引き込まれながらこ
の収容機構部72に収容される。したがって、着脱手段
Bにおける挟持手段31の移動手段38による上記移動
経路を変更することなく、バフ加工手段Aから取り外し
た加硫ベルトsを回収手段Dに回収させることができ、
上記移動手段38の構造の複雑化を回避することができ
る。また、回収された加硫ベルトsはベルト幅方向に配
列した状態に収容されるので、回収手段Dにおける加硫
ベルトsの収容効率を高めることができる。
【0076】つまり、上記回収手段Dの受け機構部71
では、先ず、挟持手段31から落下された加硫ベルトs
は、傾斜位置にある受け部材73により傾斜姿勢に案内
支持されて受け止められる。次いで、この受け部材73
が小型シリンダ74にて起立位置に回動されることによ
り、加硫ベルトsは鉛直姿勢に起立され、このことで、
その上端部内面側が収容機構部72の引込端上に載置さ
れる。したがって、着脱手段Bの挟持手段31から落下
された加硫ベルトsを鉛直姿勢に矯正しかつ収容機構部
72の引込方向に対しベルト幅方向が平行となる適正な
状態で移載することができるので、上記Vベルトを適正
な状態で収容機構部72に収容させることができ、加硫
ベルトsの回収を円滑に行うことができる。
【0077】また、上記回収手段Dの収容機構部72で
は、内面側に多数の歯部78aを有する歯付ベルト78
が、1つの大径歯付プーリ79及び2つの小径歯付プー
リ80に巻き掛けられた状態でギヤドモータ81が作動
することにより鉛直面内で循環走行される。このとき、
上記歯付ベルト78の歯部78aが下向きとなる上側走
行路において、加硫ベルトsは歯付ベルト78の背面に
内面側から掛止されて吊り下げられ、この歯付ベルト7
8が引込方向に走行されることによりベルト幅方向に引
き込まれて収容される。したがって、一般の歯付ベルト
78及び歯付プーリ79,80を用いて多数の加硫ベル
トsをベルト幅方向に配列された状態に引き込んで収容
することができるので、収容機構部72の低コスト化を
図ることができる。
【0078】そして、上記回収手段Dの収容機構部72
では、歯付ベルト78の上側走行路に引き込まれた加硫
ベルトsはその引込方向と逆の方向に移動されて引込端
から外部に纏めて取り出される。したがって、回収手段
Dの収容機構部72に収容されている多数の加硫ベルト
sをこの収容機構部72から取り出す際に、その取出動
作がバフ加工手段A及び回収手段Dの受け機構部71に
干渉されるのを回避することができる。
【0079】ここで、上記ベルト製造装置を用いた加硫
ベルトsに対するバフ加工の具体例について説明する。
先ず、加硫ベルトsには、背面側の幅寸法bがb=1
0.0mm、背面と底面との間の厚さ寸法hがh=5.
5mm、ベルト両側面の互いになす角度αがα=40°
で、有効外周長さ寸法LがL=541mmmのラップド
Vベルトを用いた。尚、この加硫ベルトsは加硫成形
後、ベルト癖が出ないように整列状態で竿掛けして一昼
夜以上経過させている。また、冬場等では、エイジング
を促進させるために、10〜15分間程度に亘って温風
ヒータで温めると好適である。一方、バフ加工手段Aの
駆動プーリ11及び従動プーリ12を炭素鋼(S45
C)で作製した。各々、溝幅寸法wはw=12mm、溝
角度βはβ=34°、外径dはd=51mmである。ま
た、プーリ溝両側面の表面あらさは1.6a程度とす
る。そして、従動プーリ12のプーリ溝両側面に、粒度
が#140のダイヤモンド砥粒を電着加工してバフ加工
部12aを形成した。そして、バフ加工手段Aの両プー
リ11,12間に巻き掛け、この加硫ベルトsに114
kgの負荷荷重を加えた状態で、駆動プーリ11を18
40rpmで3秒間に亘り回転駆動した。
【0080】これにより得られたVベルトtでは、帆布
層2のベルト両側面に位置する部位表面のカバーゴム2
bが取り除かれて綿布2aの表面が露呈した状態であっ
た。そして、上記Vベルトtを洗濯機の動力伝達機構に
組み込んで使用したところ、ゴム粉の発生は見られず、
したがって、ゴム粉による周辺機器の汚染も生じなかっ
た。尚、上記ベルト製造装置によるバフ加工の副次的な
効果として2つのことが挙げられる。1つは、Vベルト
tの剛性が取れて組込時の張力調整がし易くなったこと
である。もう1つは、心線5の位置がずれている不良品
はバフ加工手段Aでの走行時にプーリ11,12上で横
転することから、不良品のチェックもできるようになっ
たことである。
【0081】尚、上記実施例に係るベルト製造装置で
は、ダイヤモンド砥粒の蒸着によりバフ加工部12aを
構成しているが、研磨材を用いる場合にはダイヤモンド
砥粒以外のものを用いてもよく、またローレット加工等
によりバフ加工部を構成することもできる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
係る伝動ベルトによれば、帆布の表裏面にゴムを付着さ
せてなる帆布層でベルト本体の全表面が被覆され、かつ
上記帆布層の両端が互いに接合されてなるラップドタイ
プの伝動ベルトにおいて、上記帆布層のベルト両側面の
プーリ溝に接触する部分では帆布の裏面のみにゴムを付
着させておくようにしたことで、この伝動ベルトが洗濯
機や家庭用ミシン等の動力伝達機構においてプーリ間に
巻き掛けられて走行する際に、そのベルト両側面がプー
リ溝の両側面に接触してもこのベルト両側面からゴム粉
が発生するのを回避することができ、上記ゴム粉の飛散
に起因する周辺機器の汚染や故障等のトラブルを未然に
防止することができる一方、上記帆布層のベルト底部の
接合部では従来どおりの接合力を得ることができ、この
接合部から帆布層が剥離するという事態を防止すること
ができる。
【0083】請求項2の発明に係る伝動ベルトの製造方
法によれば、帆布の表裏面にゴムを付着させてなる帆布
層でベルト本体の全表面を被覆して加硫ベルトを得た
後、この加硫ベルトのベルト両側面をバフ加工して、そ
の部分の帆布の表面に付着しているゴムを取り除くこと
により、従来の製造工程を変更することなくバフ加工工
程を追加するだけで上記請求項1の発明に係る伝動ベル
トを得ることができるので、製造工程の変更に伴う製造
コストの上昇を最低限に抑えることができるのみなら
ず、従来どおりの安定した品質の伝動ベルトを、従来ど
おりの低い不良率で製造することができる。
【0084】請求項3の発明に係る伝動ベルトの製造装
置によれば、上記加硫ベルトが着脱可能に巻き掛けられ
かつ巻き掛けられた加硫ベルトを走行させる駆動プーリ
及び従動プーリと、上記駆動プーリを回転駆動する駆動
手段とを有するバフ加工手段を備え、上記従動プーリの
プーリ溝両側面に、加硫ベルトの走行に伴って帆布層の
ベルト両側面をバフ加工するバフ加工部を設けたことに
より、上記駆動プーリ、従動プーリ及び駆動手段を用い
て加硫ベルトを走行させるだけで加硫ベルトに対するバ
フ加工を行うことができるようにしたので、上記請求項
2の発明に係る伝動ベルトの製造方法を実施する場合
に、バフ加工専用のプーリやその専用プーリを回転駆動
するための新たな駆動手段等が不要で、バフ加工手段の
構造を簡単化でき、ベルト製造装置の低コスト化を図る
ことができる。
【0085】請求項4の発明によれば、上記バフ加工部
を、プーリ溝両側面に施されたローレット加工で構成す
るようにしたので、上記請求項3の発明において、加硫
ベルトに対するバフ加工を具体的に行うことができる。
【0086】請求項5の発明によれば、上記バフ加工部
を、プーリ溝両側面に固着された研磨材で構成するよう
にしたので、上記請求項3の発明において、加硫ベルト
に対するバフ加工を具体的に行うことができる。
【0087】請求項6の発明によれば、上記バフ加工手
段に、駆動プーリ及び従動プーリをその軸間方向に相対
移動させる移動手段を設け、この移動手段により駆動プ
ーリ及び従動プーリが相対移動される際の移動量を調整
可能としたので、この移動量の調整により加硫ベルトに
対するバフ加工部の面圧を変化させることができ、上記
請求項3の発明において、バフ加工の程度やバフ加工作
業の能率を調整することができる。
【0088】請求項7の発明によれば、上記加硫ベルト
の走行時に、バフ加工手段のタイマにより駆動プーリの
回転駆動時間が設定されるので、上記請求項3の発明に
おいて、加硫ベルトに対するバフ加工時間を任意に設定
でき、かつその設定した時間だけ自動的にバフ加工でき
るようになる。
【0089】請求項8の発明によれば、上記加硫ベルト
を着脱手段によりバフ加工手段に装着させ、バフ加工さ
れた加硫ベルトは着脱手段によりそのバフ加工手段から
取り外すようにし、かつ上記着脱手段には供給手段によ
り加硫ベルトを順次供給させる一方、着脱手段によりバ
フ加工手段から取り外された上記加硫ベルトを回収手段
により順次回収させるようにしたので、上記請求項3の
発明において、複数の加硫ベルトを自動的に順次バフ加
工することができる。
【0090】請求項9の発明によれば、上記着脱手段
を、ベルト幅方向がバフ加工手段の駆動プーリ及び従動
プーリの軸心方向と平行な状態にある加硫ベルトを上記
軸心方向と直交する方向に挟圧して長円化する形状に弾
性変形させた状態で保持する挟持手段と、上記バフ加工
手段への着脱位置に対し上記挟持手段を軸心方向に平行
移動させる移動手段とで構成し、上記加硫ベルトを駆動
プーリ及び従動プーリの軸間方向に長円化させた状態で
保持するようにしたことにより、加硫ベルトを駆動プー
リ及び従動プーリに対し軸心方向に平行移動させること
でバフ加工手段に対する加硫ベルトの着脱を行うことが
でき、ベルト着脱時における挟持手段の移動経路を直線
状に単純化して移動手段の構造を簡単化できるので、上
記請求項8の発明において、着脱手段の低コスト化を図
ることができる。
【0091】請求項10の発明によれば、上記バフ加工
手段の駆動プーリ及び従動プーリを軸間方向が鉛直とな
る状態に配置する一方、挟持手段を鉛直姿勢にある加硫
ベルトに対し水平方向に挟圧して鉛直方向に長円化する
形状に弾性変形させた状態で保持するようにし、ベルト
着脱時に、軸間距離が狭められた状態の駆動プーリ及び
従動プーリに加硫ベルトを掛止させておくことができる
ようにしたので、挟持手段の開閉動作と軸間距離の拡狭
動作との間にタイミングのずれがあっても加硫ベルトの
落下を回避することができ、したがって、上記請求項9
の発明において、バフ加工手段に対するベルト着脱動作
の信頼性を高めることができる。
【0092】請求項11の発明によれば、上記供給手段
を、ベルト幅方向に配列された複数の加硫ベルトを内面
側から掛止してそのベルト幅方向が軸心方向と平行な鉛
直姿勢に吊り下げた状態でベルト幅方向に繰出可能に収
容する繰出機構部と、この繰出機構部にて繰り出された
加硫ベルトをその繰出端で鉛直姿勢のままに後続の加硫
ベルトから繰出方向に分離して順次取り出す取出機構部
とで構成したので、上記請求項10の発明において、供
給手段における加硫ベルトの収容効率を高めることがで
きるととともに、着脱手段に対して加硫ベルトを1本ず
つ供給することができる。
【0093】請求項12の発明によれば、上記供給手段
の繰出機構部は、背面側に多数の歯部が所定ピッチ間隔
で連続して設けられかつ鉛直面内で循環走行される際に
その歯部が上向きとなる部分において相隣接する歯部間
の各々に加硫ベルトを内面側から掛止してベルト幅方向
に配列された状態に吊り下げる歯付ベルトと、この歯付
ベルトが歯部を背面側にして巻き掛けられかつ巻き掛け
られた歯付ベルトを鉛直面内で循環走行可能に案内する
複数の平プーリと、これら平プーリを回転駆動して歯付
ベルトを歯部が上向きとなる上側走行路において繰出方
向に走行させる駆動手段とを有するものとし、一般の歯
付ベルト及び平プーリを用いて複数の加硫ベルトを繰出
可能に収容できるようにしたので、上記請求項11の発
明において、繰出機構部の低コスト化を図ることができ
る。
【0094】請求項13の発明によれば、上記供給手段
の取出機構部は、繰出機構部の繰出端に近接して加硫ベ
ルトを歯付ベルトの走行に伴い内面側から引っ掛けて鉛
直姿勢に吊り下げた状態に保持する引掛位置と、引っ掛
けた加硫ベルトを後続の加硫ベルトから繰出方向に分離
する取出位置との間で移動可能に設けられた引掛部材
と、この引掛部材を引掛位置と取出位置との間で移動さ
せる駆動手段とを有するものとし、上記繰出機構部の繰
出動作を利用して加硫ベルトを1本ずつ取り出せるよう
にしたので、上記請求項11の発明において、供給手段
の繰出機構部に収容されている複数の加硫ベルトを1本
ずつ着脱手段に供給することができ、その分だけ取出機
構部の構造を簡単化して低コスト化を図ることができ
る。
【0095】請求項14の発明によれば、上記着脱手段
の挟持手段がバフ加工手段から取り外した加硫ベルトを
着脱位置と受取位置との間の中間位置で落下させるよう
にする一方、回収手段を、上記着脱手段により落下され
た加硫ベルトをその下方位置で順次受ける受け機構部
と、この受け機構部により受けられた加硫ベルトを鉛直
姿勢の状態で順次収容する収容機構部とで構成し、上記
挟持手段の移動経路を複雑化することなく加硫ベルトを
回収手段に回収させることができるようにしたので、上
記請求項10の発明において、着脱手段の構造が複雑化
してコストアップするのを回避することができる。
【0096】請求項15の発明によれば、上記回収手段
の受け機構部は、落下された加硫ベルトを傾斜姿勢に案
内支持して受け止める傾斜位置と、その加硫ベルトを鉛
直姿勢に起立させて上記収容機構部に引き渡す起立位置
との間で回動可能に設けられた受け部材と、この受け部
材を傾斜位置と起立位置との間で回動させる駆動手段と
を有するものとし、上記落下された加硫ベルトを鉛直姿
勢に補正して収容することができるようにしたので、上
記請求項14の発明において、落下してきた加硫ベルト
を適正な状態で収容機構部に収容させることができ、加
硫ベルトを円滑に回収することができる。
【0097】請求項16の発明によれば、上記回収手段
の収容機構部は、内面側に多数の歯部が所定ピッチ間隔
で連続して設けられかつ鉛直面内で循環走行される際に
その歯部が下向きとなる部分において背面に加硫ベルト
を内面側から掛止してベルト幅方向に配列された状態で
吊り下げる歯付ベルトと、この歯付ベルトが歯部を内面
側にして巻き掛けられかつ巻き掛けられた歯付ベルトを
鉛直面内で循環走行可能に案内する複数の歯付プーリ
と、これら歯付プーリを回転駆動して歯付ベルトを歯部
が下向きとなる上側走行路において引込方向に走行させ
る駆動手段とを有するものとし、一般の歯付ベルト及び
歯付プーリを用いて加硫ベルトをベルト幅方向に配列し
つつ収容できるようにしたので、上記請求項14の発明
において、収容機構部の低コスト化を図ることができ
る。
【0098】請求項17の発明によれば、上記回収手段
の収容機構部を、その引込端を回動端として水平面内で
回動可能に構成したので、上記請求項14の発明におい
て、収容機構部に収容されている加硫ベルトを引込端か
ら外部に纏めて取り出す際に受け機構部との干渉を回避
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るラップドVベルトを示
す横断面図である。
【図2】ベルト製造装置の全体構成を示す正面図であ
る。
【図3】ベルト製造装置を示す平面図である。
【図4】ベルト製造装置におけるバフ加工手段と回収手
段の受け機構部とを併せて示す側面図である。
【図5】ベルト製造装置における着脱手段を示す側面図
である。
【図6】着脱位置において挟持手段が加硫ベルトを保持
している状態を示す正面図である。
【図7】着脱位置に閉状態で位置付けられている挟持手
段とバフ加工手段の駆動プーリ及び従動プーリに走行可
能に巻き掛けられている加硫ベルトの状態とを併せて示
す正面図である。
【図8】ベルト製造装置における供給手段を示す側面図
である。
【図9】ベルト製造装置における回収手段の収容機構部
を示す側面図である。
【図10】従来のラップドVベルトを示す縱断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ベルト本体 2 帆布層 2a 綿布(帆布) 2b カバーゴム(ゴム) 6 接合部 s 加硫ベルト t ラップドVベルト(伝動ベルト) A バフ加工手段 11 駆動プーリ 12 従動プーリ 12a バフ加工部 13 モータ(駆動手段) 13a タイマ 14 移動手段 B 着脱手段 31 挟持手段 32 移動手段 C 供給手段 51 繰出機構部 52 取出機構部 53 歯付ベルト 53a 歯部 54 大径平プーリ(平プーリ) 55 小径平プーリ(平プーリ) 61 引掛部材 62 小型エアシリンダ(駆動手段) D 回収手段 71 受け機構部 72 収容機構部 73 受け部材 74 エアシリンダ(駆動手段) 78 歯付ベルト 78a 歯部 79 大径歯付プーリ(歯付プーリ) 80 小径歯付プーリ(歯付プーリ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 29:00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帆布の表裏面にゴムを付着させてなる帆
    布層でベルト本体の全表面が被覆され、かつ上記帆布層
    の両端が互いに接合されてなるラップドタイプの伝動ベ
    ルトにおいて、 上記帆布層のベルト両側面のプーリ溝に接触する部分で
    は、帆布の裏面のみにゴムが付着されていることを特徴
    とする伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の伝動ベルトを製造する方
    法であって、 ベルト本体の全表面を、帆布の表裏面にゴムを付着させ
    てなる帆布層で被覆して加硫ベルトを得た後、 上記加硫ベルト両側面をバフ加工して、その部分の帆布
    の表面に付着しているゴムを取り除くことを特徴とする
    伝動ベルトの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の伝動ベルトの製造方法に
    用いる製造装置であって、 加硫ベルトが着脱可能に巻き掛けられかつ巻き掛けられ
    た加硫ベルトを走行させる駆動プーリ及び従動プーリ
    と、 上記駆動プーリを回転駆動する駆動手段とを有するバフ
    加工手段を備え、 上記従動プーリのプーリ溝両側面に、加硫ベルトの走行
    に伴い、その帆布層のベルト両側面をバフ加工するバフ
    加工部が設けられていることを特徴とする伝動ベルトの
    製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の伝動ベルトの製造装置に
    おいて、 バフ加工部は、プーリ溝両側面に施したローレット加工
    で構成されていることを特徴とする伝動ベルトの製造装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の伝動ベルトの製造装置に
    おいて、 バフ加工部は、プーリ溝両側面に固着した研磨材で構成
    されていることを特徴とする伝動ベルトの製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の伝動ベルトの製造装置に
    おいて、 バフ加工手段は、駆動プーリ及び従動プーリをその軸間
    方向に相対移動させる移動手段を有し、 上記移動手段は、軸間距離が拡大する方向に駆動プーリ
    及び従動プーリを相対移動させる際の移動量が調整可能
    に構成されていることを特徴とする伝動ベルトの製造装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の伝動ベルトの製造装置に
    おいて、 バフ加工手段は、駆動プーリの回転駆動時間を設定する
    ためのタイマを有することを特徴とする伝動ベルトの製
    造装置。
  8. 【請求項8】 請求項3記載の伝動ベルトの製造装置に
    おいて、 バフ加工手段に加硫ベルトを装着する一方、バフ加工さ
    れた加硫ベルトを上記バフ加工手段から取り外す着脱手
    段と、 上記着脱手段に加硫ベルトを順次供給する供給手段と、 上記着脱手段によりバフ加工手段から取り外された加硫
    ベルトを順次回収する回収手段とを備えていることを特
    徴とする伝動ベルトの製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の伝動ベルトの製造装置に
    おいて、 着脱手段は、ベルト幅方向がバフ加工手段の駆動プーリ
    及び従動プーリの軸心方向と平行な状態にある加硫ベル
    トを、その軸心方向と直交する方向に挟圧して駆動プー
    リ及び従動プーリの軸間方向に長円化する形状に弾性変
    形させた状態で保持する挟持手段と、 上記挟持手段を、バフ加工手段に対する加硫ベルトの着
    脱が行われる着脱位置と、供給手段から加硫ベルトを受
    け取る受取位置との間で上記軸心方向に平行移動させる
    移動手段とで構成されていることを特徴とする伝動ベル
    トの製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の伝動ベルトの製造装置
    において、 バフ加工手段の駆動プーリ及び従動プーリはその軸心方
    向が水平でかつ軸間方向が鉛直に配置され、 挟持手段は、ベルト幅方向が上記軸心方向と平行な鉛直
    姿勢にある加硫ベルトを、その軸心方向と直交する水平
    方向に挟圧して鉛直方向に長円化する形状に弾性変形さ
    せた状態で保持するように構成されていることを特徴と
    する伝動ベルトの製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の伝動ベルトの製造装
    置において、 供給手段は、ベルト幅方向に配列された複数の加硫ベル
    トを内面側から掛止してそのベルト幅方向が軸心方向と
    平行な鉛直姿勢に吊り下げた状態でベルト幅方向に繰出
    可能に収容する繰出機構部と、 上記繰出機構部にて繰り出された加硫ベルトをその繰出
    端で鉛直姿勢のままに後続の加硫ベルトから繰出方向に
    分離して順次取り出す取出機構部とで構成されているこ
    とを特徴とする伝動ベルトの製造装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の伝動ベルトの製造装
    置において、 繰出機構部は、背面側に多数の歯部が所定ピッチ間隔で
    連続して設けられかつ鉛直面内で循環走行される際にそ
    の歯部が上向きとなる部分において相隣接する歯部間の
    各々に加硫ベルトを内面側から掛止してベルト幅方向に
    配列された状態に吊り下げる歯付ベルトと、 上記歯付ベルトが歯部を背面側にして巻き掛けられかつ
    巻き掛けられた歯付ベルトを鉛直面内で循環走行可能に
    案内する複数の平プーリと、 上記平プーリを回転駆動して歯付ベルトを歯部が上向き
    となる上側走行路において繰出方向に走行させる駆動手
    段とを有することを特徴とする伝動ベルトの製造装置。
  13. 【請求項13】 請求項11記載の伝動ベルトの製造装
    置において、 取出機構部は、繰出機構部の繰出端に近接して加硫ベル
    トを歯付ベルトの走行に伴い内面側から引っ掛けて鉛直
    姿勢に吊り下げた状態に保持する引掛位置と、引っ掛け
    た加硫ベルトを後続の加硫ベルトから繰出方向に分離す
    る取出位置との間で移動可能に設けられた引掛部材と、 上記引掛部材を引掛位置と取出位置との間で移動させる
    駆動手段とを有することを特徴とする伝動ベルトの製造
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の伝動ベルトの製造装
    置において、 挟持手段は、バフ加工手段から取り外した加硫ベルトを
    着脱位置と受取位置との間の中間位置で落下させるよう
    に構成され、 回収手段は、上記中間位置に位置付けられた挟持手段が
    落下させる加硫ベルトをその下方位置で受け止める受け
    機構部と、 上記受け機構部により受け止められた加硫ベルトを内面
    側から掛止してそのベルト幅方向が軸心方向と平行な鉛
    直姿勢に吊り下げた状態でベルト幅方向に引き込みかつ
    ベルト幅方向に配列された状態に収容する収容機構部と
    で構成されていることを特徴とする伝動ベルトの製造装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の伝動ベルトの製造装
    置において、 受け機構部は、落下された加硫ベルトをベルト幅方向が
    軸心方向に対し傾斜した傾斜姿勢に案内支持して受け止
    める傾斜位置と、その加硫ベルトを鉛直姿勢に起立させ
    てその上端部内面側を上記収容機構部の引込端上に載置
    する起立位置との間で回動可能に設けられた受け部材
    と、 上記受け部材を傾斜位置と起立位置との間で回動させる
    駆動手段とを有することを特徴とする伝動ベルトの製造
    装置。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の伝動ベルトの製造装
    置において、 収容機構部は、内面側に多数の歯部が所定ピッチ間隔で
    連続して設けられかつ鉛直面内で循環走行される際にそ
    の歯部が下向きとなる部分において背面に加硫ベルトを
    内面側から掛止してベルト幅方向に配列された状態で吊
    り下げる歯付ベルトと、 上記歯付ベルトが歯部を内面側にして巻き掛けられかつ
    巻き掛けられた歯付ベルトを鉛直面内で循環走行可能に
    案内する複数の歯付プーリと、 上記歯付プーリを回転駆動して歯付ベルトを歯部が下向
    きとなる上側走行路において引込方向に走行させる駆動
    手段とを有することを特徴とする伝動ベルトの製造装
    置。
  17. 【請求項17】 請求項14記載の伝動ベルトの製造装
    置において、 収容機構部は、その引込端を回動端として水平回動可能
    に構成されていることを特徴とする伝動ベルトの製造装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003181946A (ja) * 2001-12-13 2003-07-03 Mitsuboshi Belting Ltd Vリブドベルトの製造方法
JP2010069724A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Mitsuboshi Belting Ltd ベルト成形体の成形装置、及び、ベルト成形体の成形方法
JP2016050081A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 三ツ星ベルト株式会社 ベルト搬送システム

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