JPH07224415A

JPH07224415A - 土木用シート・マットおよびこの施工方法

Info

Publication number: JPH07224415A
Application number: JP6040384A
Authority: JP
Inventors: Yukio Morita; 幸雄森田
Original assignee: Chisso Corp
Current assignee: JNC Corp
Priority date: 1994-02-15
Filing date: 1994-02-15
Publication date: 1995-08-22

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、土木用シート・マットおよびこの
施工方法を提供することを目的とし、さらに詳しくは、
均一面による接合強度が得られ、水中での敷設が容易で
あり、大幅な工期の短縮が図れ、破損することなく、土
砂の流出、汚染のない土木用シート・マットおよびこの
施工方法を提供することを目的とする。【構成】本発明は、水中で敷設する土木用シート・
マットにおいて、張り合わせファスナーを重ねしろに取
り付けた土木用シート・マット、および水中で張り合わ
せファスナーを張り合わせ敷設する土木用シート・マッ
トの施工方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【００１０】

【産業の利用分野】本発明は、土木用シート・マット
およびこの施工方法に関する。さらに詳しくは、均一面
による接合強度が得られ、水中での敷設が容易であり、
大幅な工期の短縮が図れ、土砂の流出、汚染のない土木
用シート・マットおよびこの施工方法に関する。

【００１１】

【従来の技術】河川堤防、港湾岸壁、防波堤、海岸護
岸の構造物の保護、土砂の流失（吸出）防止、構造物周
辺にできる陥没（先堀）防止、或いは構造物等の不等沈
下防止に土木用シート・マットが使用されている。この
従来の土木用シート・マットは、重ね合わせる位置に、
連結用金具を付けた取付バンド（俗称：フック及びバン
ドともいう）を取り付け、この連結用金具にロープを結
び、このロープを結び合わせ敷設していた。図２に示
す。

【００１２】

【本発明が解決しようとする課題】しかし従来の土木
用シート・マットの敷設は、水中でのロープの結び合わ
せのため、水中での潜水作業が困難であり、重ねしろの
均一、ロープ長さの均一の施工が困難であり、水中作業
が不安全であり、工数が多い。また従来の土木用シート
・マットは、ロープの結び合わせであり、重ねしろを接
合することなく重ね合わせだけのため、波の力などによ
り上部のまたは下部のシート・マットが波打ち、この部
分から土砂が流失した。工事中の捨石、土砂の投入、波
の力などにより結び目に応力が集中し、ロープ、金具、
金具取付バンド、金具取付バンドを接合したマットの切
断、破損がおき、このためさらに土砂が流失し、汚染が
発生した。本発明はこれらの問題を解決することを目的
とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の土木用シート
・マットは、水中で敷設するシート・マットにおいて、
張り合わせファスナーを重ねしろに設けた、および本発
明の土木用シート・マットの施工方法は、水中で張り合
わせファスナーを張り合わせ、重ねしろを設け敷設す
る。

【００１４】本発明の土木用シート・マット（１）
は、合成樹脂製、ゴム製、繊維織物、不織布のシート・
マットを例示でき、中でも厚み１〜５mmのポリ塩化ビニ
ル製や加硫ゴム系製等が多く用いられている。幅２ｍ前
後の原反でもよいが、この原反を３枚接合した幅６ｍも
のでもよく、６ｍ幅のものの方が水中での潜水作業が少
なく好ましい。長さ１０から３０ｍのシート・マットが
作業性の点で好ましい。本発明の土木用シート・マット
（１）は、重ねしろのそれぞれの裏表面の所定位置に、
オスメスの張り合わせファスナー（２）を取り付ける。
（図１参照）本発明の張り合わせファスナー（２）は、商標、マジッ
クテープともいい、面状の着脱自在な布製ファスナーで
あり、材質、フック、パイルなどの形状にこだわるもの
ではない。張り合わせファスナーの材質は、ポリアミド
系、ポリオレフィン系が多く使用されるが、これに限定
するものではない。

【００１５】張り合わせファスナーのシート・マット
への取り付けは、重ねしろに連続して取り付けても良
く、断続して取り付けても良く、必要個所に点状に取り
付けても良く、これらを組み合わせたものでも良い。連
続して張り合わせファスナーを取り付けると、シート・
マットの重ねしろを連続して接合するので、土砂の流出
を隙間なく防ぐことができ、水位が上下しても土砂の流
出がなく水のみが移動する。また断続して接合すると、
張り合わせファスナーの着脱が容易となり、施工が容易
である。張り合わせファスナーの幅は、３cmから３０cm
のものを用いるのが多く、太い幅であると接合力が大き
く、幅が狭いと施工が容易である。このような理由によ
り、幅１０cmの張り合わせファスナーを２０cm取り付
け、３０cm取り付けない断続して取り付け、さらにシー
ト・マットの端部に幅５cmの張り合わせファスナーを連
続して取り付け、この断続取り付けで仮接合し、微調整
後正確な位置に接合し幅５cmの連続張り合わせファスナ
ーを接合することで、土砂の流出もなくなり、作業性も
向上する。

【００１６】張り合わせファスナーのシート・マット
への取り付けは、熱溶着、高周波ウェルダー、縫いつ
け、接着等により接合することができ、中でも耐水性、
耐薬品性、耐久性等に優れた取り付けとして熱溶着、高
周波ウェルダーが好ましい。白色や蛍光色等の鮮やかな
色調の張り合わせファスナーを使用すると、水中での敷
設作業が容易に確認しながら施工出来る。本発明の土木
用シート・マットの施工方法は、水中で土木用シート・
マットに取り付けられた張り合わせファスナーを張り合
わせ敷設する。幅広の断続の張り合わせファスナーを接
合し仮接合し、さらに着脱を繰り返し微調整した後、接
合し所定位置に敷設する。本発明の土木用シート・マ
ットは、水中で使用することにより、河川堤防、港湾岸
壁、防波堤、海岸護岸等における背面や法面、また水中
構造物等の土砂の流失（吸出）防止、陥没（先堀）防
止、或いは構造物等の不等沈下防止に使用できる。

【００１７】

【発明の効果】本発明の土木用シート・マットは、張り
合わせファスナーを用いるので、ロープの結び解きと異
なり、接合が容易にできた。本発明の土木用シート・マ
ットは、張り合わせファスナーで重ねしろを面状に接合
しているので、強い波の力を受けても重ね合わせ部分が
破損したり、波うつことがない。本発明の土木用シート
・マットは、張り合わせファスナーで面状に接合してい
るので集中応力がなく、工事中の捨石や土砂の投入によ
ってロープが切断せず、シート・マットの破損がない。
本発明の土木用シート・マットは、張り合わせファスナ
ーで接合するので、フック、ロープ、連結用金具等の副
資材を一切必要としない。本発明の土木用シート・マッ
トは、張り合わせファスナーを用いロープ結び目の突起
がないので、運搬、施工、使用時の波力に対しても、集
中応力がなく、破損することが少なかった。本発明の土
木用シート・マットは、引剥がし接合が容易なので、水
中での仮接合、引剥がしの繰り返しをする微調整が容易
にでき、所定位置への接合が容易であった。水中作業が
容易なので重ねしろ、ロープ長さの均一の施工も容易で
あり、潜水作業が少なく済み、工数が１／５以下に短縮
できた。

【００１８】従来のシート・マットの接合は、ロープの
結び合うのみであり、重ねしろを接合していないのに対
し、本発明の土木用シート・マットは、張り合わせファ
スナーを用い、重ねしろを面状に接合している。このた
め従来のロープ結びでは重ねしろを５０cm前後必要とし
ていた、これに対し本発明では重ねしろ１０cmでも剥離
しない。水位が上下しても張り合わせファスナーの接合
面が、土砂を止め水を通す濾過材として機能し、微細な
土砂の流失もない。特に連続に取り付けた張り合わせフ
ァスナーを用いると、隙間なく連続面として接合でき、
土砂の流出がなく、水質汚濁の防止ができた。白色や蛍
光色等の色調を有する張り合わせファスナーを使用する
事により、水中での敷設作業が容易に確認しながら施工
出来た。以上の様々な利点により潜水作業での施工性の
向上、工期の短縮が計られ、土木用シート・マットの破
損がなく、土砂の流出がなく、水質汚濁の防止ができた
土木用シート・マットおよびこの施工方法である。

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の土木用シート・マットの施工例の
斜視図

【図２】従来の施工斜視図

【符号の説明】

１−シート・マット２−張り合わせファスナー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水中で敷設する土木用シート・マットに
おいて、張り合わせファスナーを重ねしろに取り付けた
土木用シート・マット。
【請求項２】水中で張り合わせファスナーを張り合わ
せ敷設する土木用シート・マットの施工方法。