JPH07224352A - 高温塩害特性、靱性及び高温強度に優れたCr含有鋼 - Google Patents

高温塩害特性、靱性及び高温強度に優れたCr含有鋼

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JPH07224352A
JPH07224352A JP1425094A JP1425094A JPH07224352A JP H07224352 A JPH07224352 A JP H07224352A JP 1425094 A JP1425094 A JP 1425094A JP 1425094 A JP1425094 A JP 1425094A JP H07224352 A JPH07224352 A JP H07224352A
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田 昌 哉 多
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崎 淳 宮
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澤 淳一郎 平
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高温塩害特性、靱性、高温強度に優れるCr含
有鋼、及び高温塩害特性、製造性及び加工性に優れる安
価なCr含有鋼の提供を目的とする。 【構成】C:0.01wt%以下;Mn:2.0wt%
以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;C
r:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:0.
1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:2.0
wt%以下を含有し;さらに、Nb、Taのうちの1種
または2種を0.01wt%以上1.0wt%以下含有
し;かつ、C、N、Nb、Taの含有量が下記式(1)
を満たすように調整され、残部が実質的にFe(鉄)及
び不可避的不純物からなる高温塩害特性、靱性、高温強
度に優れたCr含有鋼。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14・・・・式(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として廃棄物焼却
炉、排気ダクト等に使用される高温塩害特性が要求され
る部材に関する。さらに詳しくは、Cr(クロム)、S
i(ケイ素)の最適バランスおよび適切な安定化元素の
添加により、従来使用されてきた鋼(以下、従来鋼とい
う)よりも、高温塩害特性、靱性及び高温強度に優れた
高温塩害耐性用Cr含有鋼の技術分野に関する。本発明
は、また、上記のような用途に使用される高温塩害特
性、加工性が要求される部材に関する。さらに詳しく
は、高価なCrの添加量を低減しこれら部材のコストを
低下させつつ、低Cr含有鋼であっても、Si及び適切
な安定化元素を添加することにより、従来鋼よりも優れ
た高温塩害特性を有するとともに、優れた製造性及び加
工性を有する高温塩害耐性Cr含有鋼の技術分野に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、比較的低温で稼働する廃棄物焼却
炉、排気ダクト等の部材には、SUH409、SUS4
30J1L、SUS304等の鋼が用いられている。こ
のような廃棄物焼却炉や排気ダクト等は、塩化物や溶融
塩等がダクト材等に付着し、さらに650℃前後まで加
熱される環境で使用されるため、いわゆる高温塩害が問
題となり、これらの部材には高温塩害耐性が要求され
る。
【0003】一方、排気ダクト材は構造部材でもあるこ
とから、大きな高温強度が必要とされる部位もある。し
かしながら、一般的に、高温強度を向上させた鋼は良好
な靱性が得られず、また、製造性が劣るという欠点を有
している。高温塩害に強く、高温強度が大きく、靱性に
優れるという3点を兼ね備えた安価な材料は存在しなか
った。前述の従来鋼は、フェライト系であっても高価な
Crの含有量が多いため安価な材料とは言い難く、SU
S304ではNi(ニッケル)を含有しているためさら
に高価な材料となっている。
【0004】また、これらの部材は、曲げ加工をした
り、溶接施工されるため、母材部の加工性や溶接部の加
工性が重要である。曲げ加工の際には、通常は、破断近
くまで加工することはまれであり、むしろ加工のしやす
さ、低YS化(ここでYSは、yield stres
s(降伏応力)の略記である。)が望まれている。溶接
部ではしばしば、排気ガスの流れを最適なものとするた
めにその一部が加工されるため、とりわけ溶接部分のエ
リクセン値も重要である。
【0005】さらに、このような高温塩害特性あるいは
加工性以外にも、安価であることも重要である。安価で
あるということには、Cr含有量と共に素材メーカーに
おける製造性が関係してくる。製造性の指標の一つとし
て焼鈍温度があるが、低温焼鈍が可能であれば、その分
安価に製造することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような条件の下
で、従来鋼よりも高温塩害特性に優れ、高温強度が大き
く、靱性が高い安価な材料、及び高温塩害特性、製造性
及び加工性に優れた安価な材料の開発が強く求められて
いる。高温塩害特性を向上させた材料としては、フェラ
イト系ステンレス鋼に関する特開平5−125491が
ある。特開平5−125491では、650℃における
高温塩害特性の向上を、Siを添加することによって達
成した鋼が開示されている。しかし、この場合には高価
なCrが10%以上添加されており、素材価格の低減は
考慮されていない。また、Nb(ニオブ)が添加されて
いるため、製造性の面からも高温焼鈍が必要であり安価
に製造できない。添加する元素をNbからTi(チタ
ン)あるいはZr(ジルコニウム)に変えると、比較的
低温で焼鈍することが可能となるが、この場合には、溶
接部の加工性、すなわちエリクセン値が低下するという
問題がある。
【0007】また、排気ダクト材として従来使用されて
いる鋼は、Crを11.5wt%以上含有しているもの
が主であるが、コスト面を考慮すると、高価なCrの添
加量をなるべく減少させることが好ましい。オーステナ
イト系ステンレス鋼に至ってはさらに高価なNiを含有
しているため、コストが高くなっている。
【0008】本発明の発明者らは、Crの添加量を1
0.0%未満に減少させた領域における高温塩害特性、
靱性、高温強度、製造性及び加工性についての研究を重
ね、本発明を完成したものである。本発明は、高温塩害
特性に優れるとして従来使用されてきたSUH409、
SUS430J1Lよりも安価でありながら、さらに高
温塩害特性を向上させ、かつ靱性及び高温強度に優れる
Cr含有鋼を提供することを目的とする。また、本発明
は、高温塩害特性、製造性及び加工性に優れる安価なC
r含有鋼を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】一般的にステンレス鋼で
は、耐食性、耐酸化性を確保するために、Crを11.
5%以上含有させている。例えば、JIS G 430
4熱間圧延ステンレス鋼板、あるいはJIS G 43
05冷間圧延ステンレス鋼板で規定されるステンレス鋼
板は、いずれの鋼種においても11.5wt%以上のC
rを含有している。
【0010】本発明の発明者らは、塩化物を共存させた
条件下における高温腐食、すなわち高温塩害特性に及ぼ
す各種の合金に添加する元素の影響を調査し、Crの添
加量に最適範囲があることを見出した。また、Siの添
加により高温塩害特性が極めて大きく向上することが明
らかになり、Crの添加量が10.0wt%未満であっ
てもSiの添加量を増加させることによって、SUS3
04以上の耐高温塩害特性を示すという知見を得た。
【0011】すなわち、鋼中のCr含有量が多いと粒界
腐食が発生しやすく、そのために一部において著しく腐
食が進行し、最大浸食深さの最大値が大きくなる。ここ
で、最大浸食深さは腐食減肉量(μm)と粒界腐食深さ
(μm)の和で定義される。逆にCr含有量が少ないと
全面腐食が激しく、耐食性不足となり、結果として最大
浸食深さが深くなるものと考えられる。従って、高温塩
害特性を発揮するためには、上記のようなCr含有量の
最適範囲が存在する。
【0012】図1及び図2に、Cr及びSiの添加量を
変化させた鋼についての高温塩害耐性を示す。高温塩害
耐性は、650℃の大気中に2時間置き飽和食塩水に5
分間浸漬する工程を1サイクルとして10サイクルを行
った後に、試験片の片面の最大浸食深さで判定した。図
1及び図2より、Cr添加量が2wt%以上10wt%
未満の範囲にある時が最大浸食深さが小さくなることが
示された。図1及び図2中には、現在使用されているS
UH409、SUS430J1L、SUS304につい
て同様の試験を行った結果も示した。図1及び図2よ
り、Crの含有量が本発明の範囲にある時、高温塩害特
性が良好であることが示された。
【0013】また、前述したように、排気ダクト材は高
温強度が大きいことも要求されるが、高温強度を向上さ
せると、靱性が低下するために製造性が悪くなる。そこ
で、本発明の発明者らは、高温強度及び靱性に及ぼす各
種合金元素添加の影響を調査した。表1に、9wt%C
r−0.004wt%C(炭素)−0.004wt%N
(窒素)−1.3wt%Si鋼に、Nb、Ta(タンタ
ル)、Zr、V(バナジウム)及びTiを添加した鋼を
2mm厚冷延焼鈍板としたときの高温強度、及び上記鋼を
4mm厚熱延焼鈍板としたときの靱性を調べた結果をそれ
ぞれ示す。
【0014】 表 1 ─────────────────────────────────── 添加元素及び 高温強度* 靱性** 添加量(%) 引張強さ(700℃) 吸収エネルギー(室温) ─────────────────────────────────── 0.1Nb A A 0.3Nb A A 0.6Nb A A 1.1Nb A C 0.2Ta A A 0.5Ta A A 0.1Zr C A 0.3Zr C A 0.7Zr B B 0.5V C A 0.8V C B 0.5Ti C A ─────────────────────────────────── * A:200MPa以上 **A:100J/c
m2以上 B:100MPa以上200MPa未満 B: 50J/cm2
上100J/cm2未満 C:100MPa未満 C: 50J/cm2
【0015】表1より、Nb及びTaを添加すると、
1.1%Nbを添加した場合を除いて、高温強度及び靱
性ともに評価はAであり、他の元素を添加した鋼と比較
して高温強度、靱性ともに良好であった。Nb及びTa
は、高温塩害特性に悪影響を及ぼすC及びNを固定する
のにも有効であり、その効果を有効に発揮させるために
は、下記式(3)を満たすように添加する必要があるこ
とも明らかになった。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14・・・・式(3) このようにCr、Siの高温塩害特性に及ぼす効果の違
いを見出し、また良好な靱性を維持しつつ高温強度を向
上させるために、Nb、Taの添加量を最適範囲とし、
従来鋼より低コストで、高温塩害特性、靱性及び高温強
度に優れたCr含有鋼を発明することができた。
【0016】また、本発明の発明者らは、Si、Cr及
び安定化元素の作用を詳細に研究した結果、上述のよう
に高温塩害特性を向上させるためには最適のCrの添加
範囲が存在すること、また、Cr含有量の低い鋼(低C
r鋼)であってもSiを添加すると高温塩害特性が大き
く向上することを見出した。さらに、Crの添加量を減
少させることによって良好な母材の加工性が得られ、T
i、ZrとVの作用によってSiの含有量の多い鋼であ
っても溶接部加工性が従来鋼以上に改善できるとの知見
を得た。加えて、適切な安定化元素を使用することによ
り、低温焼鈍が可能となるために従来鋼より安価にでき
ることを見出して本発明を完成した。
【0017】低Cr鋼をベースとしてTi、Zrを添加
すると、低YS化が達成され、かつ再結晶温度を950
℃以下にできることから、従来使用されてきたSUS4
30J1Lのように1000℃近くまで加熱する必要が
なく、安価に製造できるようにした。さらに、溶接部加
工性を詳細に検討した結果、Cr−TiあるいはZrの
添加鋼において、微量のVを添加するとそのエリクセン
値が著しく改善されることが見出された。このような膨
大な研究結果を得て、本発明鋼は、Cr及びSi含有量
を最適な範囲とし、最適な安定化元素を添加することに
より、従来鋼よりも優れた高温塩害特性と、母材及び溶
接部の加工性を有する低コストのCr含有鋼の開発に成
功したのである。
【0018】すなわち、第一の発明は、C:0.01w
t%以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt
%以上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上1
0.0wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.
01wt%以下、Ni:2.0wt%以下を含有し、さ
らにNb、Taのうちの1種または2種を0.01wt
%以上1.0wt%以下含有し、かつ、C、N、Nb、
Taの含有量が下記式(4)を満たすように調整され、
残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
害特性、靱性、高温強度に優れたCr含有鋼である。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14・・・・式(4)
【0019】また、第二の発明は、C:0.01wt%
以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt%以
上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上10.0
wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.01w
t%以下、Ni:2.0wt%以下を含有し、さらにN
b、Taのうちの1種または2種を0.01wt%以上
1.0wt%以下含有し、かつ、C、N、Nb、Taの
含有量が前記式(4)を満たすように調整され、さらに
Ca及びREM(希土類元素)のうち1種または2種を
合計で0.01wt%以上0.2wt%以下含有し、残
部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩害
特性、靱性、高温強度に優れたCr含有鋼である。
【0020】さらに、第三の発明は、C:0.01wt
%以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt%
以上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上10.
0wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.01
wt%以下、Ni:2.0wt%以下を含有し、さらに
Nb、Taのうちの1種または2種を0.01wt%以
上1.0wt%以下含有し、かつ、C、N、Nb、Ta
の含有量が前記式(4)を満たすように調整され、さら
にMo、Cu:0.05wt%以上3.0wt%以下の
うち1種または2種を含有し、残部が実質的にFe及び
不可避的不純物からなる高温塩害特性、靱性、高温強度
に優れたCr含有鋼である。
【0021】本発明の第四の発明は、C:0.01wt
%以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt%
以上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上10.
0wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.01
wt%以下、Ni:2.0wt%以下を含有し、さらに
Nb、Taのうちの1種または2種を0.01wt%以
上1.0wt%以下含有し、かつ、C、N、Nb、Ta
の含有量が前記式(4)を満たすように調整され、さら
にCa及び希土類元素(REM)のうち1種または2種
を合計で0.01wt%以上0.2wt%以下、Mo、
Cuのうち1種または2種を0.05wt%以上3.0
wt%以下含有し、残部が実質的にFe及び不可避的不
純物からなる高温塩害特性、靱性、高温強度に優れたC
r含有鋼である。
【0022】本発明の第五の発明は、C:0.01wt
%以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt%
以上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上10.
0wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.01
wt%以下、Ni:2.0wt%以下 V:0.05%以上1%以下を含有し、さらにTi、Z
rのうちの1種または2種を0.01wt%以上1.0
wt%以下含有し、かつ、C、N、Ti、Zrの含有量
が下式(5)を満たすように調整され、残部が実質的に
Fe及び不可避的不純物からなる高温塩害特性、製造
性、加工性に優れたCr含有鋼である。 Ti%/48+Zr%/91≧C%/12+N%/14・・・・式(5)
【0023】さらに、第六の発明は、C:0.01wt
%以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt%
以上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上10.
0wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.01
wt%以下、Ni:2.0wt%以下、V:0.05%
以上1%以下を含有し、さらにTi、Zrのうちの1種
または2種を0.01wt%以上1.0wt%以下含有
し、かつ、C、N、Ti、Zrの含有量が前記式(5)
を満たすように調整され、さらにCa及びREMのうち
1種または2種を合計で0.01wt%以上0.2wt
%以下含有し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物
からなる高温塩害特性、製造性、加工性に優れたCr含
有鋼である。
【0024】さらに、第七の発明は、C:0.01wt
%以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt%
以上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上10.
0wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.01
wt%以下、Ni:2.0wt%以下、V:0.05%
以上1%以下を含有し、さらにTi、Zr:0.01w
t%以上1.0wt%以下のうちの1種または2種を含
有し、かつ、C、N、Ti、Zrの含有量が前記式
(5)を満たすように調整され、さらにMo、Cu:
0.05wt%以上3.0wt%以下のうち1種または
2種を含有し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物
からなる高温塩害特性、製造性、加工性に優れたCr含
有鋼である。
【0025】加えて第八の発明は、C:0.01wt%
以下、Mn:2.0wt%以下、Si:0.6wt%以
上5.0wt%以下、Cr:2.0wt%以上10.0
wt%未満、Al:0.1wt%以下、N:0.01w
t%以下、Ni:2.0wt%以下、V:0.05%以
上1%以下を含有し、さらにTi、Zrのうちの1種ま
たは2種を0.01wt%以上1.0wt%以下含有
し、かつ、C、N、Ti、Zrの含有量が前記式(5)
を満たすように調整され、さらにCa及びREMのうち
1種または2種を合計で0.01wt%以上0.2wt
%以下、Mo、Cuのうち1種または2種を0.05w
t%以上3.0wt%以下含有し、残部が実質的にFe
及び不可避的不純物からなる高温塩害特性、製造性、加
工性に優れたCr含有鋼である。
【0026】
【作用】以下に、本発明の上記組成における各成分範囲
の限定理由を説明する。Cは、高温塩害特性に大きく影
響を及ぼす元素であり、靱性を高めるため及び製造性の
面からも含有量は少ないほどよく、0.01%以下であ
ることが好ましい。0.006%以下であることが特に
好ましい。
【0027】Mnは、脱酸作用及び脱硫作用があるが、
過剰に添加すると鋼の耐酸化性を低下させ、また、鋼の
加工性が悪くなる。さらに、安定なフェライト組織を保
つ上からも過剰な添加は問題であり、上限を2.0%と
した。Mnを添加する好ましい範囲は、0.03%以下
である。
【0028】Siは、本発明の特徴のひとつであり、耐
高温塩害特性を高めるために必要な元素である。その効
果は、Siの添加量が0.6%以上であるときに顕著と
なり、5.0%以上添加してもそれ以上向上しない。ま
た、Siを必要以上に添加すると、鋼の加工性を低下さ
せるため、添加量の範囲を0.6%以上5.0%以下と
した。1.0%以上2.0%以下の範囲がさらに好まし
い。
【0029】Niは、特に靱性を向上させたい場合に添
加してもよい。添加による靱性の向上は、2.0%以上
の添加により飽和するため、上限を2.0%とした。靱
性を向上させる必要のない場合には、本来添加する必要
のない元素であるから、その含有量は不可避的不純物の
含有レベルから2.0%までとする。Niの添加量の好
ましい範囲は、0.2%以下である。
【0030】Crは高価な元素であるため、必要以上の
添加はコストの上昇を招く。また、前述したように、高
温塩害特性に対しては、添加量が多すぎると粒界腐食が
激しく局部的に腐食が進行する。一方、添加量が少ない
と全面腐食が進行する。このため、Cr含有量は2.0
%以上10.0%未満であることが好ましく、4.0%
以上9.0%以下の範囲であることがさらに好ましい。
【0031】Alは、脱酸剤として必要な元素である
が、添加量が多すぎると鋼の靱性を低下させ、製造性が
劣化する。また、特に固溶強化によって加工性が低下す
るため、添加量の上限を0.1%とした。Alの添加量
の好ましい範囲は、0.03%以下である。
【0032】Nは、Cと同じく鋼の高温塩害特性に悪影
響を及ぼす。また鋼の靱性、加工性を高めるためには含
有量は少なければ少ないほどよい。さらに、Nは溶接部
加工性に大きく影響する元素であり、含有量が多いと溶
接部加工性が悪くなるため、上限を0.01%とした。
0.006%以下であることがさらに好ましい。
【0033】Nb及びTaは、C及びNと結合して、炭
素窒化物を微細に分散させ高温強度を高める効果を有す
る。しかし、添加量が多すぎると鋼のYS値を高め、加
工性の低下を招くために、添加量はいずれも0.01%
以上1.0%以下とし、かつ下記式(6)を満たすよう
にすることが必要である。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14・・・・式(6)
【0034】Ti及びZrは、C及びNと結合して、低
YS化し加工性を向上させる。また、Vとともに添加す
ることによって溶接部のエリクセン値が向上し、従来鋼
よりも高い加工性を発揮するようになる。固溶Vの効果
を十分に引き出すために、Vの添加量は0.01%以上
1.0%以下とし、かつ下記式(7)を満たすようにす
る必要がある。 Ti%/48+Zr%/91≧C%/12+N%/14・・・・式(7) Vの添加量がこの範囲内のとき、Ti及びZrの作用効
果は均等である。ただし、各成分共に添加量が0.01
%未満ではその効果が現れず、また1%を越えると介在
物が多くなり加工性が悪くなるために、添加量の範囲を
いずれも0.01%以上1.0%以下とした。Ti及び
Zrの添加量は、上記式(7)を満たし、かつそれぞれ
0.2%以下であることが好ましい。また、これらの元
素は、Nbに比べて再結晶温度を低下させるため、製造
性が向上し安価に製造ができるようになる。
【0035】Vは、本発明にとって重要な元素である。
本発明のようなCr含有量が少なくAl含有量の多い鋼
の場合、Ti、Zrの1種または2種のみの添加では溶
接部の加工性が悪く、後述する比較鋼R及びSのように
V添加量が少ないと従来鋼にも及ばなかった。しかし、
Ti、Zrの1種または2種に加えてVを添加すること
により、溶接部の加工性が著しく向上した。Vの添加量
が0.05%以上でこの効果が現れるが、1%を越えて
添加すると加工性は低下するために、添加量の上限を1
%とした。Vの好ましい添加量は、0.05〜0.2%
の範囲である。また、固溶体Vがこのような効果を発揮
するのに寄与するため、C及びNとの結合力がVよりも
大きなTi及びZrとの結合力が上記式(7)を満たす
ように添加することが必要である。
【0036】Ca及びREMは、鋼の高温における耐酸
化性を向上させるので、必要に応じて1種または2種を
添加するとよい。ここでREMは希土類元素であり、具
体的には、Y(イットリウム)、及びLa(ランタ
ン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジウム)、N
d(ネオジウム)等のランタノイド系の元素群である。
耐酸化性を向上させるためには、これらの元素を0.0
1%以上添加することが必要であるが、過剰に添加する
と鋼の靱性の低下を招き、また、熱間加工性が低下する
ために、添加量の範囲を1種または2種の合計で0.0
1%以上0.2%以下に限定する。
【0037】Mo及びCuは、鋼の常温耐食性を向上さ
せるために必要に応じて1種または2種添加すればよ
い。その効果は、添加量が0.05%以上で顕著となる
が、過剰になると加工性が低下し、コストの上昇を招
く。このため、添加量の範囲を1種または2種の合計で
0.5以上3.0%以下とする。
【0038】
【実施例】
(実施例1)表2及び3に示す所定の各化学組成を有す
るCr含有鋼を真空溶解炉で溶製し、30kg鋼塊とし
た。以下、公知の方法により4mm厚板に熱間圧延し、
焼鈍し、2mm厚板に冷間圧延し、仕上げ焼鈍を行っ
た。上記のようにして得られた2mm冷延焼鈍板を用い
て試験片を作製した。本発明鋼1〜12及び比較鋼A〜
Jは550℃及び650℃での高温塩害試験と、600
℃及び700℃での高温引張試験に供した。また、本発
明鋼13〜25及び比較鋼K〜Tは650℃での高温塩
害試験と、母材加工性試験及び溶接部加工性試験に供し
た。各物性評価試験は以下のように行い、それぞれ評価
した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】(物性評価試験) (1)高温塩害試験 (実施例1)製造例で製造した各々の冷延焼鈍板を用い
て、厚さ2mm×幅20mm×長さ30mmの試験片を
作製した。これらの試験片を26%の飽和食塩水に5分
間浸漬し、本発明鋼1〜12及び比較鋼A〜Jは550
℃または650℃の大気中に、また、本発明鋼13〜2
5及び比較鋼K〜Tは650℃の大気中にそれぞれ2時
間置いた後5分間冷却するという工程を1サイクルとし
て、10サイクル行い、各試験片の最大浸食深さを測定
した。最大浸食深さは、腐食減肉量(μm)プラス粒界
腐食深さ(μm)の最大値とした。最大浸食深さの評価
は、本発明鋼1〜12及び比較鋼A〜Jについては実測
値で示し、本発明鋼13〜25及び比較鋼K〜Tについ
ては50μm未満のものをA、50μm以上100μm
未満のものをB、100μm以上のものをCとして示し
た。
【0044】(2)高温引張試験及び靱性の評価 高温引張試験は、本発明鋼1〜12及び比較鋼A〜Jの
各試験片を用いて、JIS G0517に準拠して行っ
た。また、靱性は、上記の本発明鋼及び比較鋼を4mm
厚の熱延板として試験片を作製し、シャルピー衝撃試験
を行い、20℃におけるこれら試験片の吸収エネルギー
を測定した。評価は、100J/cm2 以上のものを
A、50J/cm2 以上100J/cm2 未満のものを
B、50J/cm2 未満のものをCとして示した。
【0045】(3)再結晶温度の測定、母材加工性試験
及び溶接部加工性試験 仕上げ焼鈍温度を変化させて再結晶温度を求め、その再
結晶温度で仕上げ焼鈍を行った。母材加工性は、従来技
術の欄で述べたように、実用上ではYS値が重要である
ことから、YS値で評価した。評価は、YS値が350
MPa以下のものをA、350MPa超400MPa未
満のものをB、400MPa以上のものをCとして示し
た。溶接部加工性は、溶接速度600mm/分、溶接電
流130A、表面を10L/分のアルゴンガスシールド
の条件で溶接を行い、その部分をエリクセン試験に供し
評価した。エリクセン試験の結果、8mm以上のものを
A、5mm以上8mm未満のものをB、5mm未満のも
のをCとして示した。
【0046】(物性評価)(1)〜(4)の試験の結果
を表4及び5に示した。表4に示すように、本発明鋼1
〜12は650℃の高温塩害試験後の最大浸食深さの評
価はいずれもAであり、従来使用されてきた、比較鋼A
及びBに示すSUH409L、SUS430J1Lより
優れており、また比較鋼Jに示す高価なSUS304に
比べても著しく優れていた。引張試験の結果を見ても、
本発明鋼は600℃ではいずれも290MPa以上、7
00℃においても200MPa以上であり、比較鋼Aに
示すSUH409Lよりもはるかに高い高温強度を示し
た。比較鋼C、D及びEもまた高い高温強度を示してい
るが、比較鋼CはSi含有量が少ないために良好な高温
塩害特性が得られなかった。比較鋼EはC含有量が本発
明鋼1〜12よりも多いために高温塩害特性が劣ってい
た。さらに、比較鋼Dは高温塩害特性、高温強度ともに
良好であるが、Si量が過剰であるために従来鋼よりも
靱性が悪いという結果が得られた。以上のように、本発
明鋼1〜12は、良好な高温塩害特性、靱性及び高温強
度を兼ね備えた材料であり、しかもCr含有量が少ない
ために従来鋼よりも安価に提供することができる。
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】表5に示すように、本発明鋼13〜25の
高温塩害特性の評価はいずれもAであり、比較鋼K〜M
に示す従来鋼よりも著しく高温塩害特性が向上してい
た。本発明鋼13〜25はいずれも低Cr鋼であるが、
高価なNiを8%余り含有する比較鋼Mに示すSUS3
04よりもはるかに優れた高温塩害特性を示すことが注
目された。さらに、本発明鋼13〜25は再結晶温度が
950℃以下であり、従来鋼SUSU430J1Lより
安価に製造することが可能である。また、母材、溶接部
加工性も比較鋼K〜Mに示す従来鋼以上の評価となって
おり、実用上問題のない加工性を有することが示され
た。
【0050】Si含有量が少ない比較鋼Nでは十分な高
温塩害特性の向上が見られず、またSi含有量が過剰な
比較鋼Oは母材及び溶接部の加工性が従来鋼よりも劣
り、実用的でなかった。また、比較鋼Pは、Nを過剰に
含有しているために母材及び溶接部加工性が比較鋼K〜
Mに示す従来鋼よりも劣っていた。比較鋼Qは、安定化
元素としてNbを添加しているために再結晶温度が高
く、溶接部加工性も比較鋼K及びLに示す従来鋼と変わ
らなかった。比較鋼R及びSはVの含有量が少なく、溶
接加工性が劣っていた。また、比較鋼Tは、Ti及びZ
rの含有量が少ないために、母材及び溶接部加工性が比
較鋼K〜Mに示す従来鋼よりも劣り、実用的ではなかっ
た。
【0051】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、Cr
量の最適化を図るとともに、Si、NbまたはTaの添
加量を最低にすることにより高温塩害特性、靱性、高温
強度に優れ、かつ従来鋼よりも安価なCr含有鋼を得る
ことができる。さらに、低Cr鋼であっても、Cr、S
iあるいは安定化元素のバランスを最適にすることによ
りSUH409、SUS430J1Lよりはるかに優れ
た650℃の高温塩害特性を有し、母材、溶接部加工
性、製造性も従来鋼以上の特性を有し、かつ安価な鋼を
得ることができる。本発明鋼は、排気ダクト材および冷
延焼鈍板に限定されるものではなく、高温塩害、靱性、
高温強度、加工性、コスト等が問題となる部材には、冷
延板、熱延板、鋳物状態等、態様に関わらず適用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Fe−Nb−Cr−Si系の鋼及びFe−N
b−Cr−Mo−Si系の鋼の650℃における高温塩
害特性に及ぼすCr及びSiの影響を示すグラフであ
る。
【図2】 Fe−Ti−Cr−Si系の鋼及びFe−T
i−Cr−Mo−Si系の鋼の650℃における高温塩
害特性に及ぼすCr及びSiの影響を示すグラフであ
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C(炭素):0.01wt%以下;Mn
    (マンガン):2.0wt%以下;Si(ケイ素):
    0.6wt%以上5.0wt%以下;Cr(クロム):
    2.0wt%以上10.0wt%未満;Al(アルミニ
    ウム):0.1wt%以下;N(窒素):0.01wt
    %以下;Ni(ニッケル):2.0wt%以下を含有
    し;さらにNb(ニオブ)、Ta(タンタル)のうちの
    1種または2種を0.01wt%以上1.0wt%以下
    含有し;かつ、 C、N、Nb、Taの含有量が下記式(1)を満たすよ
    うに調整され、 残部が実質的にFe(鉄)及び不可避的不純物からなる
    高温塩害特性、靱性、高温強度に優れたCr含有鋼。 Nb%/93+Ta%/181≧C%/12+N%/14・・・・式(1)
  2. 【請求項2】C:0.01wt%以下;Mn:2.0w
    t%以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;
    Cr:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:
    0.1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:
    2.0wt%以下を含有し;さらにNb、Taのうちの
    1種または2種を0.01wt%以上1.0wt%以下
    含有し;かつ、 C、N、Nb、Taの含有量が前記式(1)を満たすよ
    うに調整され、さらにCa(カルシウム)及びREM
    (希土類元素)のうち1種または2種を合計で0.01
    wt%以上0.2wt%以下含有し、 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
    害特性、靱性、高温強度に優れたCr含有鋼。
  3. 【請求項3】C:0.01wt%以下;Mn:2.0w
    t%以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;
    Cr:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:
    0.1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:
    2.0wt%以下を含有し;さらにNb、Taのうちの
    1種または2種を0.01wt%以上1.0wt%以下
    含有し、かつ、 C、N、Nb、Taの含有量が前記式(1)を満たすよ
    うに調整され、さらにMo(モリブデン)、Cu(銅)
    のうち1種または2種を0.05wt%以上3.0wt
    %以下含有し、 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
    害特性、靱性、高温強度に優れたCr含有鋼。
  4. 【請求項4】C:0.01wt%以下;Mn:2.0w
    t%以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;
    Cr:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:
    0.1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:
    2.0wt%以下を含有し;さらにNb、Taのうちの
    1種または2種を0.01wt%以上1.0wt%以下
    含有し;かつ、 C、N、Nb、Taの含有量が前記式(1)を満たすよ
    うに調整され、さらにCa及びREMのうち1種または
    2種を合計で0.01wt%以上0.2wt%以下、 Mo、Cuのうち1種または2種を0.05wt%以上
    3.0wt%以下含有し、 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
    害特性、靱性、高温強度に優れたCr含有鋼。
  5. 【請求項5】C:0.01wt%以下;Mn:2.0w
    t%以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;
    Cr:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:
    0.1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:
    2.0wt%以下 V(バナジウム):0.05%以上1%以下を含有し;
    さらにTi(チタン)、Zr(ジルコニウム)のうちの
    1種または2種を0.01wt%以上1.0wt%以下
    含有し;かつ、 C、N、Ti、Zrの含有量が下記式(2)を満たすよ
    うに調整され、 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
    害特性に優れたCr含有鋼。 Ti%/48+Zr%/91≧C%/12+N%/14・・・・式(2)
  6. 【請求項6】C:0.01wt%以下、Mn:2.0w
    t%以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;
    Cr:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:
    0.1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:
    2.0wt%以下;V:0.05%以上1%以下を含有
    し;さらにTi、Zrのうちの1種または2種を0.0
    1wt%以上1.0wt%以下含有し、かつ、 C、N、Ti、Zrの含有量が前記式(2)を満たすよ
    うに調整され、さらにCa及びREMのうち1種または
    2種を合計で0.01wt%以上0.2wt%以下含有
    し、 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
    害特性に優れたCr含有鋼。
  7. 【請求項7】C:0.01wt%以下、Mn:2.0w
    t%以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;
    Cr:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:
    0.1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:
    2.0wt%以下;V:0.05%以上1%以下を含有
    し;さらにTi、Zrのうちの1種または2種を0.0
    1wt%以上1.0wt%以下含有し;かつ、 C、N、Ti、Zrの含有量が前記式(2)を満たすよ
    うに調整され、さらにMo、Cuのうち1種または2種
    を0.05wt%以上3.0wt%以下含有し、 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
    害特性に優れたCr含有鋼。
  8. 【請求項8】C:0.01wt%以下;Mn:2.0w
    t%以下;Si:0.6wt%以上5.0wt%以下;
    Cr:2.0wt%以上10.0wt%未満;Al:
    0.1wt%以下;N:0.01wt%以下;Ni:
    2.0wt%以下;V:0.05%以上1%以下を含有
    し;さらにTi、Zrのうちの1種または2種を0.0
    1wt%以上1.0wt%以下含有し;かつ、 C、N、Ti、Zrの含有量が前記式(2)を満たすよ
    うに調整され、さらにCa及びREMのうち1種または
    2種を合計で0.01wt%以上0.2wt%以下、 Mo、Cuのうち1種または2種を0.05wt%以上
    3.0wt%以下含有し、 残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる高温塩
    害特性に優れたCr含有鋼。
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