JPH07224067A - 7−アルコキシまたはヒドロキシスタウロスポリン系物質の製造法 - Google Patents

7−アルコキシまたはヒドロキシスタウロスポリン系物質の製造法

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JPH07224067A
JPH07224067A JP1861294A JP1861294A JPH07224067A JP H07224067 A JPH07224067 A JP H07224067A JP 1861294 A JP1861294 A JP 1861294A JP 1861294 A JP1861294 A JP 1861294A JP H07224067 A JPH07224067 A JP H07224067A
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staurosporine
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Masashi Kasai
真史 河西
Rintaro Yamada
林太郎 山田
Satoshi Omura
智 大村
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Kitasato Institute
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kitasato Institute
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 スタウロスポリン、K−252、それらの誘
導体等の7−無置換スタウロスポリン系化合物に不活性
溶媒中低級アルコールの存在下キノン系酸化剤を反応さ
せることを特徴とする7−アルコキシスタウロスポリン
系化合物の製造法、および7−無置換スタウロスポリン
系化合物に不活性溶媒中低級アルコールの存在下キノン
系酸化剤を反応させ、得られた7−アルコキシスタウロ
スポリン系化合物を酸加水分解することを特徴とする7
−ヒドロキシスタウロスポリン系化合物の製造法であ
る。 【効果】 本発明によれば、抗菌作用、抗腫瘍作用、細
胞生育阻害作用、プロティンキナーゼC阻害作用等の薬
理作用を有する7−ヒドロキシスタウロスポリン系化合
物およびその中間体を従来公知の方法よりを簡便かつ高
収率で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌作用、抗腫瘍作
用、細胞生育阻害作用、プロテインキナーゼC阻害作用
等の薬理作用を有し、スタウロスポリン、K−252、
それらの誘導体等であるスタウロスポリン系化合物の7
−ヒドロキシ体およびその中間体の新規製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、スタウロスポリン、K−252、
SF−2370、UCN−01、TAN−1030A、
TAN999、RK−286C,D、RK−1409B
などのインドロピロロカルバゾール骨格を有する物質
(以下、「スタウロスポリン系物質」と総称することが
ある)およびそれらの誘導体が種々報告されている。特
に、特公平5−74595号公報には、発酵法により抗
菌作用および抗腫瘍作用を有する次式(4)
【0003】
【化1】 で表されるUCN−01、すなわち7−ヒドロキシスタ
ウロスポリンが得られることが開示されている。特開平
1−168689号公報には、抗腫瘍作用およびプロテ
インキナーゼC阻害作用を有する次式(5)
【0004】
【化2】 で表される7−ヒドロキシ−K−252誘導体が開示さ
れ、次式(6)
【0005】
【化3】 で表されるK−252をPb(OAc)4 による酸化反
応により製造する合成法が報告されている。
【0006】WO89/07105号国際公開明細書に
は、細胞生育阻害作用およびプロテインキナーゼC阻害
作用を有する7−ヒドロキシまたはメトキシスタウロス
ポリン誘導体が開示され、上記と同様な酸化反応により
製造する合成法が報告されている。
【0007】上記の通り、スタウロスポリン系物質また
はその7位に置換基を有しない誘導体から7−ヒドロキ
シ体を化学的に合成するには、上記のPb(OAc)4
による酸化反応は重要な反応である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Pb
(OAc)4 による酸化反応は、収率が低く、反応後の
鉛廃棄物処理の問題もあり、産業上好ましくなく、また
目的物を医薬として使用するに当たっては重金属残留の
恐れもある等、種々の問題がある。スタウロスポリン系
物質またはその7位に置換基を有しない誘導体の7位を
酸化し得る酸化剤としては、他にt−ブチルヒドロペル
オキシドとマンガン(III)アセチルアセトネートを
用いる方法(特開平4−145085号公報)、無水ク
ロム酸を用いる方法(特開平5−247055号公報)
等が知られているが、これらは7−オキソ体にまで酸化
され、効率よく、且つ産業的に問題のないスタウロスポ
リン系物質およびその7位に置換基を有しない誘導体の
7−ヒドロキシ体の新規合成法が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の問題点を解決し、高収率で、かつ産業上適用し得
る合成法について種々研究を続けた結果、スタウロスポ
リンに不活性溶媒中低級アルコールの存在下キノン系酸
化剤を反応させ、得られた7−アルコキシスタウロスポ
リンを加水分解することにより7−ヒドロキシスタウロ
スポリンが高収率で得られることを見出した。本発明
は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
【0010】すなわち、本発明は、置換テトラヒドロピ
ラン環または置換テトラヒドロフラン環を有する7−無
置換スタウロスポリン系化合物(以下、単に「7−無置
換スタウロスポリン系化合物」と称する)に不活性溶媒
中低級アルコールの存在下キノン系酸化剤を反応させる
ことを特徴とする置換テトラヒドロピラン環または置換
テトラヒドロフラン環を有する7−アルコキシスタウロ
スポリン系化合物(以下、単に「7−アルコキシスタウ
ロスポリン系化合物」と称する)の製造法を提供するも
のである。
【0011】また、本発明は、7−アルコキシスタウロ
スポリン系化合物を酸加水分解することを特徴とする置
換テトラヒドロピラン環または置換テトラヒドロフラン
環を有する7−ヒドロキシスタウロスポリン系化合物
(以下、単に「7−ヒドロキシスタウロスポリン系化合
物」と称する)の製造法を提供するものである。
【0012】さらにまた、本発明は7−無置換スタウロ
スポリン系化合物に不活性溶媒中低級アルコールの存在
下キノン系酸化剤を反応させ、得られた7−アルコキシ
スタウロスポリン系化合物を酸加水分解することを特徴
とする7−ヒドロキシスタウロスポリン系化合物の製造
法を提供するものである。
【0013】本発明において出発物質として使用される
7−無置換スタウロスポリン系化合物とは、スタウロス
ポリン、K−252、SF−2370、TAN−103
0A、TAN999、RK−1409B等のインドロピ
ロロカルバゾール骨格を有し、且つ置換テトラヒドロピ
ラン環または置換テトラヒドロフラン環を構成している
物質、いわゆるスタウロスポリン系物質およびそれらの
7位が置換されていない誘導体を示すものである。上記
7−無置換スタウロスポリン系化合物の例を一般式で示
せば、例えば、次の一般式(1)
【0014】
【化4】 (式中、環Aおよび環Bは置換基を有していてもよい芳
香環、R1 は水素原子または低級アルキル基、Zは−C
H(OMe)−CH(NR2 3 )−、−CH(OM
e)−CH(=NOH)−、−CR5 (OR4 )−また
は−CH(OR11)−CHR12−、R2 は水素原子また
はメチル基、R3 は水素原子、低級アルキル基、ホルミ
ル、低級アルカノイル、保護されていてもよい水酸基、
アミノ酸のアシル残基またはアミノ基の保護基、R4
水素原子、低級アルキル、低級アルカノイルまたは水酸
基の保護基、R5 は−COOR6 、−CONR7 8
−CH 2 9 または−CH2 11基、R6 は水素原子、
低級アルキルまたはカルボキシル基の保護基、R7 は水
素原子、低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、アミ
ノ低級アルキルまたは低級アルコキシカルボニル基、R
8 は水素原子または低級アルキル基を示し、R9 はR4
と一緒にて−O−(C=S)−、−NH−CO−、−O
−SO−、−O−C(CH3 2 −または−NH−(C
=S)−を形成し、R11は水素原子、ハロゲン原子、水
酸基、低級アルキル、低級アルカノイルオキシ、低級ア
ルカノイルアミノ、アジド、p−トルエンスルホニルオ
キシ、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキ
ルスルホニル、グアニジノ、アミノ、低級アルキルアミ
ノ、ジ低級アルキルアミノ、ベンジルアミノ、モルホリ
ノまたはピロリジノ基、R11は水素原子、メチルまたは
低級アルカノイル基、R12は水素原子または水酸基を示
す)で表される化合物を挙げることができる。
【0015】化合物(1)の一般式(1)中の各基は、
次の通り定義され得る。環Aおよび環Bで示される芳香
環において置換してもよい置換基としては、同一または
異なり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等の
低級アルキル基、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、ヒドロ
キシメチル基が挙げられる。
【0016】基R1 の定義における低級アルキルとは炭
素数1〜4個の直鎖または分鎖のアルキル基を示し、例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等が挙
げられる。
【0017】基Zで示される−CH(OMe)−CH
(NR2 3 )−、−CH(OMe)−CH(=NO
H)−、−CH(OMe)−CH(OR4 )−、−CR
5 (OR 4 )−または−CH(OR11)−CHR12−は
各々前方の置換位置が=C(Me)−に置換し、後方の
置換位置が−CH2 −に置換されるものであって、次式
(7)、(8)、(9)および(10)
【0018】
【化5】
【0019】
【化6】
【0020】
【化7】
【0021】
【化8】 で示されるものである。
【0022】基R3 の定義における低級アルキルとは炭
素数1〜4個の直鎖または分鎖のアルキル基を示し、例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等が挙
げられる。低級アルカノイルとは炭素数2〜5個の直鎖
または分鎖のアルカノイル基を示し、例えばアセチル、
プロピオニル、ブチリル、バレリル等が挙げられる。水
酸基の保護基とは糖化学において使用される公知の水酸
基の保護基を示し、例えばベンジル、ベンジルオキシメ
チル、テトラヒドロピラニル等が挙げられる。アミノ酸
のアシル残基とは、公知のアミノ酸のカルボキシル基の
水酸基を除いたアシル残基を示し、これらのアミノ酸と
しては、例えば、グリシン、アラニン、プロリン等が挙
げられる。アミノ基の保護基とは糖化学またはアミノ酸
化学において使用される公知のアミノ基の保護基を示
し、例えば、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシ
カルボニル、β,β,β−トリクロロエトキシカルボニ
ル等が挙げられる。
【0023】基R4 の定義における低級アルキルとは炭
素数1〜4個の直鎖または分鎖のアルキル基を示し、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル等が挙げられる。低級アルカノイルとは
炭素数2〜5個の直鎖または分鎖のアルカノイル基を示
し、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレ
リル等が挙げられる。水酸基の保護基とは糖化学におい
て使用される公知の水酸基の保護基を示し、例えば、ベ
ンジル、ベンジルオキシメチル、テトラヒドロピラニル
等が挙げられる。
【0024】基R6 の定義における低級アルキルとは炭
素数1〜4個の直鎖または分鎖のアルキル基を示し、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル等が挙げられる。カルボキシル基の保護
基とはアミノ酸化学において使用される公知のカルボキ
シル基の保護基を示し、例えば、メトキシメチル、ベン
ジルオキシメチル、2,2,2−トリクロロエチル、ベ
ンジル等が挙げられる。
【0025】基R7 の定義における低級アルキルとは炭
素数1〜4個の直鎖または分鎖のアルキル基を示し、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル等が挙げられる。基R8 の定義における
低級アルキルとは炭素数1〜4個の直鎖または分鎖のア
ルキル基を示し、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
【0026】基R10の定義における低級アルキルとは炭
素数1〜4個の直鎖または分鎖のアルキル基を示し、例
えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、t−ブチル等が挙げられる。低級アルカノイルとは
炭素数2〜5個の直鎖または分鎖のアルカノイル基を示
し、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレ
リル等が挙げられる。
【0027】基R11の定義における低級アルカノイルと
は炭素数2〜5個の直鎖または分鎖のアルカノイル基を
示し、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バ
レリル等が挙げられる。本発明の出発物質である7−無
置換スタウロスポリン系化合物、例えば、次式
【0028】
【化9】 で表されるスタウロスポリンは特公昭57−53076
号公報、特開平3−244687号公報等に記載の方法
で製造され、スタウロスポリン誘導体は特開昭64−3
4989号公報、WO89/07105号国際公開明細
書、特開平1−149791号公報、特開平3−724
85号公報、特開平3−220194号公報、特開平4
−364186号公報等に記載の方法で製造され、TA
N−1030Aおよびその誘導体は特開平1−2462
88号公報等に記載の方法で製造される。
【0029】また、TAN999は特開平1−1497
91号公報等に記載の方法で製造され、K−252(K
−252a,SF−2370と同一)は特公平3−67
073号公報等に記載の方法で製造され、K−252誘
導体は特公平5−1794号公報、特公平5−1795
号公報、特開昭63−295588号公報等に記載の方
法で製造され、SF−2370誘導体は特開昭61−2
68687号公報、特公平2−15555号公報、特開
昭62−240689号公報、特開平5−247054
号公報等に記載の方法で製造され、RK−1409Bは
特開平5−222054号公報等に記載の方法で製造さ
れる。
【0030】尚、以下の本発明の方法において、定義し
た基が実施方法の条件下変化するかまたは方法を実施す
るのに不適切な場合、有機合成化学で常用される方法、
例えば官能基の保護、脱保護等の手段〔例えばプロテク
ティヴ・グループス・イン・オーガニック・シンセシ
ス、グリーン著、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・
インコーポレイテッド(1991)参照〕に付すのが好
ましい。
【0031】本発明においては、7−無置換スタウロス
ポリン系化合物を7−アルコキシスタウロスポリン系化
合物に変換する工程は、不活性溶媒中、低級アルコール
の存在下、キノン系酸化剤を反応させることにより行わ
れる。上記7−アルコキシスタウロスポリン系化合物の
例を一般式で示せば、例えば、次の一般式(2)
【0032】
【化10】 (式中、Rは低級アルキル基を示し、環A、環B、R1
およびZは前記と同じ意味を有する)で表される化合物
を挙げることができる。
【0033】上記の基Rの定義における低級アルキル基
とは炭素数1〜4個の直鎖または分鎖のアルキル基を示
し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
等が挙げられる。上記の反応に使用される不活性溶媒と
しては、例えばベンゼン、アセトン、1,4−ジオキサ
ン、ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。好
ましい溶媒としてはジクロロメタンがその一例である。
【0034】上記反応に使用される低級アルコールとし
ては、炭素数1〜4個の直鎖または分鎖を有するアルカ
ノールが挙げられるが、好ましくはメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール等である。低級
アルコールの使用割合は7−無置換スタウロスポリン系
化合物に対して1〜50倍モル、好ましくは10〜20
倍モル使用するのが適当である。
【0035】上記反応に使用されるキノン系酸化剤とし
ては、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベン
ゾキノン、クロラニル、o−クロラニル等が挙げられ
る。キノン系酸化剤の使用割合は7−無置換スタウロス
ポリン系化合物に対して1.0〜1.5倍モル、好まし
くは1.0〜1.2倍モルである。上記の反応温度は0
〜60℃程度、好ましくは10〜30℃の範囲で行われ
る。反応経過は薄層クロマトグラフィー(TLC)、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)等により追跡で
きるので、7−無置換スタウロスポリン系化合物の消失
を待って適宜反応を終了させればよいが、通常は2〜1
0時間程度で反応終了する。
【0036】このようにして得られた反応液から目的の
7−アルコキシスタウロスポリン系化合物を採取するに
は、反応液に7−アルコキシスタウロスポリン系化合物
を抽出するための非親水性有機溶媒、例えば酢酸エチル
等を加え、弱アルカリ性水で洗浄後、有機溶媒を留去す
ることにより行われる。7−アルコキシスタウロスポリ
ン系化合物をさらに精製する場合には、有機化合物を精
製する公知の手段により、例えば抽出、結晶化、クロマ
トグラフィー等を適宜組み合わせることにより行えばよ
い。
【0037】このようにして得られた7−アルコキシス
タウロスポリン系化合物をさらに7−ヒドロキシスタウ
ロスポリン系化合物に変換する場合は、次の工程により
行われる。すなわち、7−アルコキシスタウロスポリン
系化合物を酸加水分解反応を行う工程である。この7−
ヒドロキシスタウロスポリン系化合物の例としては、例
えば、一般式(3)
【0038】
【化11】 (式中、環A、環B、R1 およびZは前記と同じ意味を
有する)で表される化合物またはその塩をを挙げること
ができる。
【0039】上記の酸加水分解反応は不活性溶媒中で行
うのが好ましい。不活性溶媒としては、テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン、ダイグライム等のエーテル
系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。好ましく
はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン等
を使用するのがよい。
【0040】上記の酸加水分解反応に使用される酸とし
ては、例えば硫酸、塩酸等の鉱酸、無水リン酸、ピロリ
ン酸等のリン酸類、p−トルエンスルホン酸、メタンス
ルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸化合物
を用いるのが好ましい。通常、加水分解反応に必要な水
は7−アルコキシスタウロスポリン系化合物に対して5
〜100倍モル程度、好ましくは10〜20倍モル程度
である。反応温度は20〜100℃程度、好ましくは4
0〜70℃の範囲で行われる。反応経過はTLC、HP
LC等により追跡できるので、7−ヒドロキシスタウロ
スポリン系化合物が最大に生成されるのを待って適宜反
応を終了させればよい。通常は2〜10時間程度で反応
は終了する。
【0041】このようにした得られた反応液から7−ヒ
ドロキシスタウロスポリン系化合物を採取するには、反
応液をアルカリ水溶液で中和し、析出した生成物を濾取
し、洗浄、乾燥することにより行われる。7−ヒドロキ
シスタウロスポリン系化合物をさらに精製する場合に
は、有機化合物を精製する公知の手段により、例えば抽
出、結晶化、クロマトグラフィー等を組み合わせること
により行えばよい。
【0042】上記の7−アルコキシスタウロスポリン系
化合物または7−ヒドロキシスタウロスポリン系化合物
中にアミノ基、水酸基および/またはカルボキシル基の
保護基を有し、該保護基を脱離する必要がある場合に
は、糖化学またはアミノ酸化学においてアミノ基、水酸
基およびカルボキシル基の保護基の脱離化に使用される
公知の方法により脱離すればよい。
【0043】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、これにより本発明が限定されるものでは
ない。 実施例1 化合物Aの製造
【0044】
【化12】 4’−N−(β,β,β−トリクロロエトキシカルボニ
ル)スタウロスポリン944mg(1.47mmol)
をジクロロメタン10mlに溶解し、これにメタノール
1mlおよび2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p
−ベンゾキノン410mg(1.72mmol)を加
え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、反応液に酢酸
エチル60mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
60mlで2回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒を減圧留去して化合物Aの7−エピ混合物
970mg(1.41mmol、収率96%)を得た。
【0045】1H−NMR(DMSO,50℃)δ;
9.23(d,1H,J=8.9Hz)、8.91(b
rs,1H)、8.34、8.32(each d,t
otal,1H,J=7.8Hz)、7.96(d,1
H,J=8.3Hz)、7.64(d,1H,J=8.
3Hz)、7.5(m,2H)、7.4−7.3(m,
2H)、7.01(dd,1H,J=5.9,8.9H
z)、6.51(s,1H)、4.7−4.5(m,3
H)、4.33、4.30(each brs,tot
al,1H)、3.2(s,3H)、2.84(br,
1H)、2.76(s,3H)、2.69、2.64
(each s,total,3H)、2.40(s,
3H)、2.4−2.2(m,1H) IR ν(KBr);1710,1340,1140c
-1 MS(m/z);670(M+ ) 元素分析(C32294 6 Cl3 ) 計算値;C:57.20,H:4.35,N:8.34 測定値;C:57.25,H:4.17,N:8.29
【0046】実施例2 化合物Bの製造
【0047】
【化13】 化合物A14.7g(21.9mmol)にN,N−ジ
メチルホルムアミド495mlと1N−塩酸49.5m
lを加え、60〜65℃で3.5時間撹拌した。反応終
了後、反応液に3%−アンモニア水300mlを氷冷下
にて加え、析出した不溶物を濾取した。これを減圧乾燥
(50℃、7時間)した後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(クロロホルム−メタノール−25%アンモ
ニア水=99:1:0.1)で精製し、化合物Bの7−
エピ混合物12.4g(18.8mmol,収率85
%)を得た。
【0048】1H−NMR(DMSO,50℃)δ;
9.23(m,1H)、8.7−8.3(m,2H)、
8.0−7.2(m,6H)、7.01(m,1H)、
6.5−6.3(m,2H)、4.8−4.5(m,2
H)、4.34(m,1H)、3.21(s,3H)、
2.8−2.7(m,4H)、2.4−2.2(m,4
H) IR ν(KBr);1710,1350,1140c
-1 MS(m/z);656(M+ ) 元素分析(C31274 6 Cl3 ) 計算値;C:56.59,H:4.14,N:8.52 測定値;C:56.68,H:4.02,N:8.54
【0049】実施例3 化合物Cの製造
【0050】
【化14】 K−252a(5mg,0.01mmol)をジクロロ
メタン0.2mlとメタノール0.04mlの混液に溶
解し、これに2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p
−ベンゾキノン3mg(0.013mmol)を加え、
室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応液に酢酸エチ
ル10mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10
mlで2回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣にN,N−ジメ
チルホルムアミド1mlと1N−塩酸0.1mlを加
え、60〜65℃で3.5時間撹拌した。
【0051】反応終了後、反応液に3%−アンモニア水
0.3mlを氷冷下にて加え、析出した不溶物を濾取し
た。これを減圧乾燥(50℃、7時間)した後、シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィー(クロロホルム−メタノー
ル−25%アンモニア水=99:1:0.1)で精製
し、化合物Cの7−エピ混合物3.5mg(0.007
2mmol,収率72%)を得た。得られた物質は特開
平1−168689号公報記載の化合物5のNMRおよ
びマススペクトル分析結果と一致した。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌活性、抗腫瘍活
性、細胞生育阻害作用、プロテインキナーゼC阻害作用
等の薬理作用を有する7−ヒドロキシスタウロスポリン
系化合物を従来公知の方法より簡便かつ高収率で得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C07D 498/22 209:00 273:06 309:14) (C07D 498/22 209:00 273:06 309:28) (C07D 498/22 209:00 307:24) (C07D 498/22 209:00 273:06 309:10) (72)発明者 大村 智 東京都世田谷区瀬田5丁目12番7号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 置換テトラヒドロピラン環または置換テ
    トラヒドロフラン環を有する7−無置換スタウロスポリ
    ン系化合物に不活性溶媒中低級アルコールの存在下キノ
    ン系酸化剤を反応させることを特徴とする置換テトラヒ
    ドロピラン環または置換テトラヒドロフラン環を有する
    7−アルコキシスタウロスポリン系物質化合物の製造
    法。
  2. 【請求項2】 置換テトラヒドロピラン環または置換テ
    トラヒドロフラン環を有する7−アルコキシスタウロス
    ポリン系化合物を酸加水分解することを特徴とする置換
    テトラヒドロピラン環または置換テトラヒドロフラン環
    を有する7−ヒドロキシスタウロスポリン系物質化合物
    の製造法。
  3. 【請求項3】 置換テトラヒドロピラン環または置換テ
    トラヒドロフラン環を有する7−無置換スタウロスポリ
    ン系化合物に不活性溶媒中低級アルコールの存在下キノ
    ン系酸化剤を反応させ、得られた置換テトラヒドロピラ
    ン環または置換テトラヒドロフラン環を有する7−アル
    コキシスタウロスポリン系化合物を酸加水分解すること
    を特徴とする置換テトラヒドロピラン環または置換テト
    ラヒドロフラン環を有する7−ヒドロキシスタウロスポ
    リン系物質化合物の製造法。
JP1861294A 1994-02-15 1994-02-15 7−アルコキシまたはヒドロキシスタウロスポリン系物質の製造法 Withdrawn JPH07224067A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6472385B1 (en) * 1999-08-09 2002-10-29 Trustees Of Darmouth College Compositions and methods to enhance cancer chemotherapy in p53 defective tumors
WO2011103586A3 (en) * 2010-02-22 2011-12-29 The Johns Hopkins University Suppression of cancer growth and metastasis using nordihydroguaiaretic acid derivatives with 7-hydroxystaurosporine

Cited By (3)

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US6472385B1 (en) * 1999-08-09 2002-10-29 Trustees Of Darmouth College Compositions and methods to enhance cancer chemotherapy in p53 defective tumors
WO2011103586A3 (en) * 2010-02-22 2011-12-29 The Johns Hopkins University Suppression of cancer growth and metastasis using nordihydroguaiaretic acid derivatives with 7-hydroxystaurosporine
US9101567B2 (en) 2010-02-22 2015-08-11 The Johns Hopkins University Suppression of cancer growth and metastasis using nordihydroguaiaretic acid derivatives with 7-hydroxystaurosporine

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