JPH07223299A - 蓋材用易剥離複合シート - Google Patents

蓋材用易剥離複合シート

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JPH07223299A
JPH07223299A JP6016158A JP1615894A JPH07223299A JP H07223299 A JPH07223299 A JP H07223299A JP 6016158 A JP6016158 A JP 6016158A JP 1615894 A JP1615894 A JP 1615894A JP H07223299 A JPH07223299 A JP H07223299A
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Masayuki Hida
雅之 飛田
Toshikatsu Nakazato
利勝 中里
Tsuguo Hasegawa
嗣夫 長谷川
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Denka Co Ltd
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DENKA KAKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋材用易剥離複合シートを得る 【構成】 (1)下記の(A)100〜70重量%と下
記の(B)0〜30重量%を含有する表面層と(2)下
記の(C)100〜70重量%と下記の(B)0〜30
重量%を含有する基材層の少なくとも2層からなる共押
出複合シートで、表面層及び基材層の少なくとも1層に
含有される(B)が2〜30重量%であり、表面層の厚
みが50〜300μmで、基材層の厚みが250〜15
00μmである蓋材用易剥離複合シート。 (A)ポリオレフィン系樹脂 (B)スチレン系ブロックポリマー及び変性ポリオレフ
ィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種類 (C)スチレン系樹脂 【効果】本発明の蓋材用易剥離複合シートにて、表面層
を破断することなく容易に剥離し開封して使用できる蓋
材の付いた容器を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面層を容易に剥離し
開封して使用できる多層構成の蓋材用易剥離複合シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、食品包装等に使用されている
合成樹脂製容器は、容器の使用に際して、放置環境下で
容器の外側表面に塵埃が付着したり、微生物等による汚
染が発生するために、汚染物を拭き取ったり洗浄して使
用することが多く、食品衛生面で問題があった。この対
策として、包装容器全体をフィルムや袋で覆う2重包装
や、内容物を取り出したり開口する蓋の部分のみをフィ
ルムで覆ったり、キャップを被せたりして対応してい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、表面層を容
易に剥離し開封して使用できる多層構成の蓋材用易剥離
複合シートを提供することを目的とするものである。本
発明者等は、蓋材用易剥離複合シートにつき鋭意研究を
行った結果、使用時に表面層を剥離し開封して使用する
ことができる共押出成形された蓋材用易剥離複合シート
に到達し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の発明は、(1)下記の(A)100〜70重量%と下
記の(B)0〜30重量%を含有する表面層と(2)下
記の(C)100〜70重量%と下記の(B)0〜30
重量%を含有する基材層の少なくとも2層からなる共押
出複合シートで、表面層及び基材層の少なくとも1層に
含有される(B)が2〜30重量%であり、表面層の厚
みが50〜300μmで、基材層の厚みが250〜15
00μmであることを特徴とする蓋材用易剥離複合シー
ト、 (A)ポリオレフィン系樹脂 (B)スチレン系ブロックポリマー及び変性ポリオレフ
ィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種類 (C)スチレン系樹脂 であり、本発明の第2の発明は、表面層と基材層の18
0度剥離強度がJIS−K6854法による測定で15
〜300g/20mmである請求項1記載の蓋材用易剥
離複合シートであります。
【0005】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0006】本発明の蓋材用易剥離複合シートの表面層
を構成するポリオレフィン系樹脂としては、通常のポリ
プロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、通常のポリプロピレン
のホモポリマーや30重量%以下のエチレンやブテン−
1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1などのαオレフィンとのランダムコポリマーやブロ
ックコポリマーがある。また、これらのポリプロピレン
系樹脂のメルトインデックスは、一般に0.1〜15g
/10分、より好ましく0.5〜10g/10分であ
る。メルトインデックスがこれらの範囲を外れると溶融
押出性や熱成形性などで好ましくない。ポリエチレン系
樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレンが使用できる。これらの
ポリエチレン系樹脂のメルトインデックスは、通常は
0.02〜10g/10分、好ましくは0.03〜5g
/10分である。メルトインデックスがこれらの範囲を
外れると溶融押出性や熱成形性などで好ましくない。
【0007】本発明の蓋材用易剥離複合シートの基材層
を構成するポリスチレン系樹脂は、通常の汎用ポリスチ
レンやポリブタジエンなどのゴム成分を2〜15重量%
含有する耐衝撃性ポリスチレンなどである。このポリス
チレン系樹脂のメルトインデックスは、溶融押出性と熱
成形性などの点から0.5〜8g/10分、好ましくは
1〜6g/10分の範囲である。これらのスチレン系樹
脂の組成としては、70重量%以上のスチレン単量体の
ほかに、30重量%を越えないαメチルスチレンやアク
リロニトリル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、アク
リル酸n−ブチルなどの単量体とのスチレン系共重合樹
脂を使用することもできる。
【0008】本発明で使用されるスチレン系ブロックコ
ポリマーとは、スチレンや、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレ
ン、ジメチルスチレンなどの芳香族ビニル炭化水素とブ
タジエン、イソプレン、ペンタジエンなどのジエン化合
物とのブロックコポリマーである。その構造としては、
ポリスチレン−ポリブタジエン(SB)およびポリスチ
レン−ポリイソプレン(SI)などの2元系ブロックコ
ポリマー、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ン(SBS)およびポリスチレン−ポリイソプレン−ポ
リスチレン(SIS)などの3元系ブロックコポリマー
である。また、これらのブロックコポリマーを水素添加
したスチレン−エチレンブチレン−スチレン(SEB
S)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SE
PS)などの飽和型スチレン系ブロックコポリマーが使
用できる。このスチレン系ブロックコポリマー中のスチ
レン含有量については、特に限定するものではないけれ
ども、スチレンなどの芳香族ビニル炭化水素が10重量
%から80重量%の範囲の市販品、具体的には、電気化
学工業(株)製のデンカSTR、デンカ−クリアレン、
日本合成ゴム(株)製JSR−TR、旭化成工業(株)
製タフプレン、ソルプレン、アサフレックス、タフテッ
ク、フィリップス製ソルプレン、Kレジン、シエル化学
(株)製カリフレックスTR、クレイトンG、クラレ
(株)製セプトン等が使用できる。
【0009】本発明で使用される変性ポリオレフィン系
樹脂とは、通常のエチレン酢酸ビニル共重合体やエチレ
ンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エステル共
重合体、エチレンプロピレン系エラストマーなどのほ
か、マレイン酸などの不飽和カルボン酸やスチレンやス
チレン系ポリマーで変性したポリプロピレンやポリエチ
レン、エチレン系エラストマーなどを含有するポリオレ
フィン系組成物、具体的な商品名としては三菱油化
(株)製VMX、モディック、三井石油化学工業(株)
製アドマー、日本石油化学(株)製Nポリマー、東ソー
(株)製プレキサー等が含まれる。
【0010】本発明の蓋材用易剥離複合シートにおいて
は、ポリオレフィン系表面層及びポリスチレン系基材層
の少なくとも1層に、上記のスチレン系ブロックコポリ
マー及び変性ポリオレフィンから選ばれた少なくとも1
種類を2〜30重量%含有することが必要である。スチ
レン系ブロックコポリマー又は/及び変性ポリオレフィ
ンの含量が2重量%に満たないと、剥離強度が低すぎて
複合シートの製造中に表面層が剥離したり、蓋材にした
状態で蓋材周囲の切断面から自然に少しずつ剥離した
り、手で剥離した時の感触が弱すぎて好ましくない。3
0重量%を越えると、蓋材としての剥離強度が強すぎて
手で容易に剥離することができなくなり不適である。好
ましくは、5〜20重量%の範囲である。これらスチレ
ン系ブロックコポリマーと変性ポリオレフィンを少なく
とも1層に併用してもかまわなく、両層に使用すること
も差し支えない。
【0011】複合シートを構成する表面層の厚みは、薄
すぎるとポリオレフィン系表面層が破断し、厚すぎても
剥離しにくく経済的にも好ましくなく、50〜300μ
mの範囲が好ましい。一方、ポリスチレン系基材層の厚
みは、薄すぎると蓋材としての剛性と強度が不足し、厚
すぎると成形性や経済性で好ましくなく、250〜15
00μmの範囲が好ましく、特に好ましくは、400〜
1200μmの範囲である。
【0012】なお、容器の内容物にガスバリアー性が要
求される場合には、基材層に、その中間層としてに従来
から実施されているようなエチレンビニルアルコール系
共重合体やポリアクリルニトリル、塩化ビニリデン、ナ
イロン、ポリエチレンテレフタレートなどの層を設置
し、両側に接着剤層を構成する公知の方法で形成された
多層シートを用いることができる。
【0013】さらに、本発明の蓋材用易剥離複合シート
には、必要に応じて公知の着色剤、充填材、熱安定剤、
滑剤、可塑剤などを配合することができる。
【0014】本発明の蓋材用易剥離複合シートは、特に
限定するものではないが通常の複数の押出成形機でフィ
ードブロック法またはマルチマニホールド法を採用して
Tダイ法による共押出成形で容易に製造することができ
る。本発明の蓋材用易剥離複合シートの表面層と基材層
の180度剥離強度は、食品容器等の実用性からみて、
JIS K−6854法による測定で、好ましくは15
〜300g/20mmであり、特に好ましくは20〜2
00g/20mmである。
【0015】本発明の蓋材用易剥離複合シートは、シー
ト状のままで所定の形状に打抜いて容器の蓋材として用
いることが可能であり、さらに、ストレート法、ドレー
ブ法、プラグアシスト法などの通常の真空成形や圧空成
形、熱板成形などの熱成形、プレス成形によって所望の
形状の蓋材を成形し用いることができる。さらに、必要
時に、表面層を剥離して使用できる特徴がある。また、
表面層を剥離したのちにポリスチレン系基材層に飲み口
などの開口部が出現するように基材層のみに抜きカット
やハーフカットを設けることもできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1〜6 表1に示す原材料を用い、表2の配合で示される表面層
用の各成分及び基材層用の各成分を使用し、幅550m
mの2層Tダイを使用し、押出温度160〜210℃、
引取速度10m/分で共押出成形法によって、表2に示
される厚み構成の表面層と基材層からなる2層複合シー
トを製造した。得られた2層複合シートの表面層と基材
層の180度剥離強度(20mm幅)をJIS K−6
854に準じ引張速度200mm/分で測定した。得ら
れた2層複合シートを、真空成形機によって図1に示す
ポリオレフィン系表面層(2)に剥離用のタブ(5)を
設け、ポリスチレン系基材層(3)には飲み口(6)に
なるように抜きカットを入れた直径70mmの蓋材
(1)を成形し、タブ部を手で掴んで剥離した時の感触
や状態を評価し、容易に剥離できるものを○、剥離時に
破れたり、剥離できないものを×とした。これらの評価
結果を表2に示した。
【0017】比較例1〜5 実施例1と同様の方法によって表3の配合で示される表
面層用の各成分及び基材層用の各成分を使用し、複合シ
ートを製造して評価した。これらの評価結果を表3に示
した。比較例1と比較例2は蓋材を手で剥離したときに
ポリオレフィン系表面層が破断し、比較例3はポリスチ
レン系基材層の剛性が不足して蓋材として不適である。
比較例4はスチレン系ブロックコポリマーまたは変性ポ
リオレフィンの添加量が多すぎるために蓋材としての剥
離感が強すぎ、比較例5はスチレン系ブロックコポリマ
ーまたは変性ポリオレフィンの添加量が不足して剥離性
が弱すぎていずれも不良である。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】以上の通り、本発明の蓋材用易剥離複合
シートにて、表面層を破断することなく容易に剥離し開
封して使用できる蓋材の付いた容器を得ることができ
る。容器の外側に付着した塵埃等を除去することができ
るため、具体的用途として、乳酸菌飲料やジュース類、
コーヒー、茶、水などの飲料容器をはじめ、各種包装容
器として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋材用易剥離複合シートを成形した蓋
材の斜視図である。
【図2】本発明の蓋材用易剥離複合シートを成形した蓋
材でポリオレフィン系表面層を途中まで剥離した状態の
斜視図である。
【図3】本発明の蓋材用易剥離複合シートを成形した蓋
材を使用した飲料容器の斜視図である。
【符号の説明】
1 蓋材 2 ポリオレフィン系樹脂を主成分とする表面層 3 ポリスチレン系樹脂を主成分とする基材層 4 容器本体 5 表面層を剥離するためのタブ 6 基材層をカットして開口した飲み口の部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 嗣夫 群馬県伊勢崎市長沼町西河原245番地 デ ンカ化工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)下記の(A)100〜70重量%
    と下記の(B)0〜30重量%を含有する表面層と
    (2)下記の(C)100〜70重量%と下記の(B)
    0〜30重量%を含有する基材層の少なくとも2層から
    なる共押出複合シートで、表面層及び基材層の少なくと
    も1層に含有される(B)が2〜30重量%であり、表
    面層の厚みが50〜300μmで、基材層の厚みが25
    0〜1500μmであることを特徴とする蓋材用易剥離
    複合シート。 (A)ポリオレフィン系樹脂 (B)スチレン系ブロックポリマー及び変性ポリオレフ
    ィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種類 (C)スチレン系樹脂
  2. 【請求項2】 表面層と基材層の180度剥離強度がJ
    IS−K6854法による測定で15〜300g/20
    mmである請求項1記載の蓋材用易剥離複合シート。
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