JPH07222926A - 窒素酸化物の分解除去触媒およびその製造法 - Google Patents

窒素酸化物の分解除去触媒およびその製造法

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JPH07222926A
JPH07222926A JP6016066A JP1606694A JPH07222926A JP H07222926 A JPH07222926 A JP H07222926A JP 6016066 A JP6016066 A JP 6016066A JP 1606694 A JP1606694 A JP 1606694A JP H07222926 A JPH07222926 A JP H07222926A
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JP
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oxide
cobalt
catalyst
molding
decomposing
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JP6016066A
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Yoshihiro Omachi
佳宏 大町
Motoya Mori
元哉 毛利
Tatsuro Takeuchi
辰郎 竹内
Toshio Kimura
俊雄 木村
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】強度および寸法精度に優れ、かつ優れた窒素酸
化物の分解除去活性を有する触媒の提供。 【構成】酸化コバルトおよび成形助剤を含有することを
特徴とする窒素酸化物の分解除去触媒、その製造法、製
造中間体および窒素酸化物の分解除去方法。 【効果】本発明の触媒は、強度および寸法精度に優れて
おり、かつ優れた窒素酸化物の分解除去活性を有する。
したがって、自動車、船舶、航空機、コージェネレーシ
ョンプラント、ボイラー等から排出されるガス中の窒素
酸化物の分解除去に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種排気ガス中の有害
な窒素酸化物を除去する触媒に関するものである。具体
的には、本発明は、窒素酸化物の分解除去触媒として有
用な酸化コバルト含有成形物ならびに成形焼成物、その
製造法、製造中間体および該触媒を用いる窒素酸化物の
分解除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】種々の燃料が燃焼する際に排出される大
気汚染物質は、環境保全の上から、その除去が重要な社
会的課題である。特に、固定発生源である工場や移動発
生源である自動車から排出される燃焼排ガスに含まれる
窒素酸化物(以下、NOxと称することもある)は、光
化学スモッグ、酸性雨の原因とされ、人体に有害である
ため、その除去が現在の緊急課題である。
【0003】従来、窒素酸化物を直接分解し、除去する
触媒として、金属酸化物が有効であることが知られてい
る(Plenum Press, New York(1975), p63)。例えば、
マンガン、コバルト、クロム、銅の金属元素の酸化物を
含有する触媒をNO2の接触熱分解に使用できることが
報告されている(特公平3−56779公報)。しか
し、この触媒は高酸素濃度下でNO2をNOと酸素に熱
分解するものであり、NOを分解することはできないの
で、排ガス中の窒素酸化物中のNOを分解除去するとい
う目的には適していない触媒である。また、Co34
NOの分解に有効であることが報告されているが、O2
存在下ではそのNO分解活性が著しく低下することが示
唆されている(浜田ら、ケミストリー レターズ(Chem
istry Letters),pp.1069-1070, 1990)。一方で、炭
化水素(例、プロパン)などの還元剤の存在下での金属
酸化物のNO分解活性が調べられているが、Co34
プロパンの存在下ではNOを効率良く分解することがで
きないことが報告されている(第12回環境触媒フォー
ラム講演会資料、1−11頁、平成5年7月19日、主
催 環境触媒フォーラム委員会、触媒学会)。逆に、酸
化コバルトを一酸化窒素を酸化して二酸化窒素を生成す
るための酸化触媒として使用することも提案されている
(特公昭57−39820公報)。このように、酸化コ
バルトがO2存在下において、あるいは還元剤の有無に
拘わらず、NO2またはNOを直接分解して除去する能
力を有するということを示唆している報告はない。
【0004】一方、金属酸化物の窒素酸化物の分解活性
を向上させることを目的として、ゼオライトなどの担体
上に、鉄、バナジウム、モリブテン、タングステン、ニ
ッケル、コバルト、銅、クロミウムおよびウランなど金
属の酸化物を担持させた触媒が提案されている(特公昭
60−12909公報、特表平2−500822公報な
ど)。また、金属の酸化物を含有する触媒あるいは金属
の酸化物を担体上に担持させた触媒をアンモニアの存在
下で窒素酸化物と接触させる排ガス中の窒素酸化物の除
去方法が提案されている(特開昭50−75969公
報、特開昭59−51339、特開昭63−29495
0公報)。さらに、金属酸化物に銀を助触媒金属として
含有させた触媒を用いる窒素酸化物の分解方法が提案さ
れている(特開平1−224047公報)。しかし、こ
れらの報告は何れも、金属酸化物を担体に担持させた触
媒、アンモニアの存在下で使用する触媒または助触媒を
含有する触媒を提案するものであり、Co34を単独で
含有することを特徴とする窒素酸化物(特に、NO)の
分解除去触媒を提案しているものは全くない。
【0005】また、酸化プラセオジムを含有する窒素酸
化物の分解除去触媒として、プラセオジムなどから選択
された1種もしくは2種以上の元素とストロンチウムと
ニッケルとからなる複合金属酸化物によって構成される
窒素酸化物還元触媒が提案されているが、この触媒が窒
素酸化物を窒素に還元するためには、一酸化炭素や炭化
水素などの還元剤を必要とする(特開昭48−9228
9公報)。また、アルミナ水和物中に、プラセオジムな
どから選ばれた少なくとも一種の希土類元素の酸化物、
および酸化銅、および場合によっては酸化ジルコニウム
からなる混合または複合酸化物の粉末を分散させたのち
成型し、この成型体を仮焼することを特徴とする触媒の
製造方法が提案されているが、この製造方法によって得
られる触媒が窒素酸化物を窒素などの無害ガスに分解除
去するにはアンモニア、一酸化炭素などの還元性ガスを
必要とする(特開昭50−24181公報)。このよう
に、酸化プラセオジムを含有する窒素酸化物の分解除去
触媒であって、窒素酸化物を分解除去するために還元剤
を全く必要としない触媒は全く提案されていない。
【0006】さらに、酸化タリウムを用いる窒素酸化物
の分解除去触媒として、タリウムなどの3族金属の酸化
物またはチタンなどの4族金属の酸化物を担体として、
この担体に気相状態のバナジウム化合物を接触担持させ
た脱硝触媒が提案されている(特開昭62−12164
6公報)。しかし、酸化タリウム自体が、還元剤の有無
に拘わらず、優れた窒素酸化物の分解除去活性を有して
いることを示唆する文献は報告されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窒素酸化物
の分解除去触媒として有用な酸化コバルト含有成形物な
らびに成形焼成物、それらの製造中間体となる可塑成形
性を向上せしめた成形用組成物、これら成形用組成物、
成形物ならびに成形焼成物の製造法および該触媒を用い
る窒素酸化物の分解除去方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、種々の金属酸化
物の中でも、特に酸化コバルト(特に、Co34)が極
めて優れた窒素酸化物の分解除去活性を有していること
を見い出した。さらに、この酸化コバルト100重量部
に対して、成形助剤0.1〜300重量部を添加するこ
とによって、成形性の優れた成形用組成物が得られるこ
とを見い出した。また、この成形用組成物を成形し、さ
らに焼成することによって、予想外にも触媒担体として
の機能を低下させることなく、工業的に実用し得る機械
的強度を確保し、ひび割れなく、強度および寸法精度に
優れている成形物ならびに成形焼成物を容易に得ること
ができることを見出した。そして、これら成形物ならび
に成形焼成物が還元剤の有無に拘わらず、またO2存在
下であっても、極めて優れた窒素酸化物の分解除去能力
を発揮することを見い出した。さらに、本発明者らは酸
化コバルト以外にさらに酸化プラセオジムおよび(また
は)酸化タリウムを含有する触媒が、より優れた窒素酸
化物の分解除去活性を発揮できることを見いだした。本
発明者らは、これらの知見に基づき、さらに研究を重ね
た結果、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、(1)酸化コバルト
および成形助剤を含有することを特徴とする窒素酸化物
の分解除去触媒、(2)酸化コバルトが、焼成すること
によってCo34に変化する水不溶性コバルト化合物を
焼成して得られる焼成物である第(1)項記載の窒素酸
化物の分解除去触媒、(3)焼成することによってCo
34に変化する水不溶性コバルト化合物が水酸化コバル
ト、炭酸コバルト、塩基性炭酸コバルト、シュウ酸コバ
ルト、CoO、Co23およびCo34から成る群から
選ばれる1種または2種以上のものである第(2)項記
載の窒素酸化物の分解除去触媒、(4)酸化コバルトが
Co34である第(1)項記載の窒素酸化物の分解除去
触媒、(5)成形助剤がβ−1,3−グルカン、粘土鉱
物、無機質繊維、セルロース系化合物、多価ヒドロキシ
化合物およびポリビニル重合体から成る群から選ばれる
1種または2種以上のものである第(1)〜(4)項記
載の窒素酸化物の分解除去触媒、(6)さらにプラセオ
ジムの酸化物および(または)タリウムの酸化物を含有
する第(1)〜(5)項記載の窒素酸化物の分解除去触
媒、(7)ハニカム構造物であることを特徴とする第
(1)〜(6)項記載の窒素酸化物の分解除去触媒、
(8)窒素酸化物がNOである第(1)〜(7)項記載
の窒素酸化物の分解除去触媒、(9)還元剤の非存在下
において窒素酸化物の分解除去することを特徴とする第
(1)〜(8)項記載の窒素酸化物の分解除去触媒、
(10)第(1)〜(7)項記載の窒素酸化物の分解除
去触媒を窒素酸化物に接触させることを特徴とする窒素
酸化物の分解除去方法、
【0010】(11)還元剤の非存在下において行うこ
とを特徴とする第(10)項記載の窒素酸化物の分解除
去方法、(12)O2存在下で行うことを特徴とする第
(10)または(11)項記載の窒素酸化物の分解除去
方法、(13)酸化コバルトおよび成形助剤を含有する
ことを特徴とする成形用組成物、(14)酸化コバルト
および成形助剤を含有することを特徴とする成形物、
(15)焼成することによってCo34に変化する水不
溶性コバルト化合物および成形助剤を含有することを特
徴とする成形用組成物、(16)焼成することによって
Co34に変化する水不溶性コバルト化合物および成形
助剤を含有することを特徴とする成形物、(17)第
(14)または(16)項記載の成形助剤を焼成して得
られることを特徴とする成形焼成物、(18)酸化コバ
ルトおよび成形助剤を混合することを特徴とする第(1
3)項記載の成形用組成物の製造法、(19)第(1
3)項記載の成形組成物を押出成形することを特徴とす
る第(14)項記載の成形物の製造法、(20)焼成す
ることによってCo34に変化する水不溶性コバルト化
合物および成形助剤を混合することを特徴とする第(1
5)項記載の成形用組成物の製造法、(21)第(1
5)項記載の成形組成物を押出成形することを特徴とす
る第(16)項記載の成形物の製造法、および(22)
第(14)または(16)項記載の成形物を焼成するこ
とを特徴とする第(17)項記載の成形焼成物の製造法
に関する。
【0011】さらに、具体的には、(18)酸化コバル
ト100重量部に対して、成形助剤0.1〜300重量
部を含有することを特徴とする第(1)項記載の窒素酸
化物の分解除去触媒、(19)酸化コバルトがCo34
である第(1)または(18)項記載の窒素酸化物の分
解除去触媒、(20)成形助剤がβ−1,3−グルカ
ン、粘土鉱物、無機質繊維、セルロース系化合物、多価
ヒドロキシ化合物およびポリビニル重合体から成る群か
ら選ばれる1種または2種以上のものである第(1)〜
(9)、(18)または(19)項記載の窒素酸化物の
分解除去触媒、(21)成形助剤がβ−1,3−グルカ
ンおよび粘土鉱物である第(1)〜(9)、(18)〜
(20)項記載の窒素酸化物の分解除去触媒、(22)
酸化コバルト100重量部に対して、β−1,3−グル
カン0.1〜20重量部および粘土鉱物5〜50重量部
を含有することを特徴とする第(21)項記載の窒素酸
化物の分解除去触媒、(23)β−1,3−グルカンが
カードランである第(6)、(20)〜(22)項記載
の窒素酸化物の分解除去触媒、(24)粘土鉱物が1:
1層型粘土鉱物および(または)2:1層型粘土鉱物で
ある第(6)、(20)〜(22)項記載の窒素酸化物
の分解除去触媒、(25)1:1層型粘土鉱物と2:1
層型粘土鉱物との重量比が10:90〜95:5である
第(24)項記載の窒素酸化物の分解除去触媒、(2
6)さらに、プタセオジム、タリウム、マンガン、クロ
ム、銅、鉄、バナジウム、モリブテン、タングステン、
ストロンチウム、ニッケル、クロミニウム、ウラン、ラ
ンタン、セリウム、ネオジウム、サマリウムなどの金属
元素の酸化物を1種または2種以上を含有する第(1)
〜(9)または(18)〜(25)項記載の窒素酸化物
の分解除去触媒、
【0012】(27)酸化コバルト100重量部に対し
て、プタセオジム、タリウム、マンガン、クロム、銅、
鉄、バナジウム、モリブテン、タングステン、ストロン
チウム、ニッケル、クロミニウム、ウラン、ランタン、
セリウム、ネオジウム、サマリウムなどの金属元素の酸
化物を1種または2種以上0.01〜10000重量部
を含有する第(26)項記載の窒素酸化物の分解除去触
媒、(28)さらにプラセオジムの酸化物および(また
は)タリウムの酸化物を含有する第(18)〜(25)
項記載の窒素酸化物の分解除去触媒、(29)酸化コバ
ルト100重量部に対して、プラセオジムの酸化物およ
び(または)タリウムの酸化物1〜10000重量部を
含有することを特徴とする第(6)または(28)項記
載の窒素酸化物の分解除去触媒、(30)成形物または
成形焼成物であることを特徴とする第(1)〜(6)ま
たは(18)〜(29)項記載の窒素酸化物の分解除去
触媒、(31)ハニカム構造物であることを特徴とする
第(18)〜(30)項記載の窒素酸化物の分解除去触
媒、(32)窒素酸化物がNOである第(18)〜(3
1)記載の窒素酸化物の分解除去触媒、(33)第(1
8)〜(29)項記載の窒素酸化物の分解除去触媒を窒
素酸化物に接触させることを特徴とする窒素酸化物の分
解除去方法、(34)還元剤の非存在下で行うことを特
徴とする第(33)項記載の窒素酸化物の分解除去方
法、(35)O2 存在下で行うことを特徴とする第(3
3)または(34)項記載の窒素酸化物の分解除去方
法、(36)約200〜700℃の温度下で行うことを
特徴とする第(10)〜(12)または(31)〜(3
3)項記載の窒素酸化物の分解除去方法、(37)酸化
コバルト100重量部に対して、成形助剤0.1〜30
0重量部を含有することを特徴とする第(13)項記載
の成形用組成物、(38)酸化コバルトが、焼成するこ
とによってCo34 に変化する水不溶性コバルト化合
物を焼成して得られる焼成物である第(13)または
(37)項記載の成形用組成物、
【0013】(39)焼成することによってCo34
に変化する水不溶性コバルト化合物が水酸化コバルト、
炭酸コバルト、塩基性炭酸コバルト、シュウ酸コバル
ト、CoO、Co23 およびCo34 から成る群か
ら選ばれる1種または2種以上のものである第(38)
項記載の成形用組成物、(40)酸化コバルトがCo3
4 である第(13)または(37)項記載の成形用組
成物、(41)成形助剤がβ−1,3−グルカン、粘土
鉱物、無機質繊維、セルロース系化合物、多価ヒドロキ
シ化合物およびポリビニル重合体から成る群から選ばれ
る1種または2種以上のものである第(13)、(3
7)〜(40)項記載の成形用組成物、(42)成形助
剤がβ−1,3−グルカンおよび粘土鉱物である第(1
3)、(37)〜(40)項記載の成形用組成物、(4
3)酸化コバルト100重量部に対して、β−1,3−
グルカン0.1〜20重量部および粘土鉱物5〜50重
量部を含有することを特徴とする第(42)項記載の成
形用組成物、(44)β−1,3−グルカンがカードラ
ンである第(41)〜(43)項記載の成形用組成物、
(45)粘土鉱物が1:1層型粘土鉱物および(また
は)2:1層型粘土鉱物である第(41)〜(43)項
記載の成形用組成物、(46)1:1層型粘土鉱物と
2:1層型粘土鉱物との重量比が10:90〜95:5
である第(45)項記載の成形用組成物、(47)さら
に、プタセオジム、タリウム、マンガン、クロム、銅、
鉄、バナジウム、モリブテン、タングステン、ストロン
チウム、ニッケル、クロミニウム、ウラン、ランタン、
セリウム、ネオジウム、サマリウムなどの金属元素の酸
化物を1種または2種以上を含有する第(13)または
(37)〜(46)項記載の成形用組成物、
【0014】(48)酸化コバルト100重量部に対し
て、プタセオジム、タリウム、マンガン、クロム、銅、
鉄、バナジウム、モリブテン、タングステン、ニッケ
ル、クロミニウム、ウラン、ランタン、セリウム、ネオ
ジウム、サマリウムなどの金属元素の酸化物を1種また
は2種以上0.01〜10000重量部を含有する第
(47)項記載の成形用組成物、(49)さらにプラセ
オジムの酸化物および(または)タリウムの酸化物を含
有する第(13)または(37)〜(46)項記載の成
形用組成物、(50)酸化コバルト100重量部に対し
て、プラセオジムの酸化物および(または)タリウムの
酸化物1〜10000重量部を含有することを特徴とす
る第(49)項記載の成形用組成物、(51)酸化コバ
ルト100重量部に対して、成形助剤0.1〜300重
量部を含有することを特徴とする第(14)項記載の成
形物、(52)酸化コバルトが、焼成することによって
Co34 に変化する水不溶性コバルト化合物を焼成し
て得られる焼成物である第(14)または(51)項記
載の成形物、(53)焼成することによってCo34
に変化する水不溶性コバルト化合物が水酸化コバルト、
炭酸コバルト、塩基性炭酸コバルト、シュウ酸コバル
ト、CoO、Co23 およびCo34 から成る群か
ら選ばれる1種または2種以上のものである第(52)
項記載の成形物、(54)酸化コバルトがCo34
ある第(14)または(51)項記載の成形物、(5
5)成形助剤がβ−1,3−グルカン、粘土鉱物、無機
質繊維、セルロース系化合物、多価ヒドロキシ化合物お
よびポリビニル重合体から成る群から選ばれる1種また
は2種以上のものである第(14)または(51)〜
(54)項記載の成形物、(56)成形助剤がβ−1,
3−グルカンおよび粘土鉱物である第(14)または
(51)〜(54)項記載の成形物、
【0015】(57)酸化コバルト100重量部に対し
て、β−1,3−グルカン0.1〜20重量部および粘
土鉱物5〜50重量部を含有することを特徴とする第
(56)項記載の成形物、(58)β−1,3−グルカ
ンがカードランである第(55)〜(57)項記載の成
形物、(59)粘土鉱物が1:1層型粘土鉱物および
(または)2:1層型粘土鉱物である第(55)〜(5
7)項記載の成形物、(60)1:1層型粘土鉱物と
2:1層型粘土鉱物との重量比が10:90〜95:5
である第(59)項記載の成形物、(61)さらに、プ
タセオジム、タリウム、マンガン、クロム、銅、鉄、バ
ナジウム、モリブテン、タングステン、ストロンチウ
ム、ニッケル、クロミニウム、ウラン、ランタン、セリ
ウム、ネオジウム、サマリウムなどの金属元素の酸化物
を1種または2種以上を含有する第(14)または(5
1)〜(60)項記載の成形物、(62)酸化コバルト
100重量部に対して、プタセオジム、タリウム、マン
ガン、クロム、銅、鉄、バナジウム、モリブテン、タン
グステン、ストロンチウム、ニッケル、クロミニウム、
ウラン、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム
などの金属元素の酸化物を1種または2種以上0.01
〜10000重量部を含有する第(61)項記載の成形
物、(63)さらにプラセオジムの酸化物および(また
は)タリウムの酸化物を含有する第(14)または(5
1)〜(60)項記載の成形用組成物、(64)酸化コ
バルト100重量部に対して、プラセオジムの酸化物お
よび(または)タリウムの酸化物1〜10000重量部
を含有することを特徴とする第(63)項記載の成形用
組成物、(65)ハニカム構造物を有することを特徴と
する第(14)または(51)〜(64)項目記載の成
形物、(66)焼成することによってCo34 に変化
する水不溶性コバルト化合物100重量部に対して、成
形助剤0.1〜300重量部を含有することを特徴とす
る第(15)項記載の成形用組成物、
【0016】(67)焼成することによってCo34
に変化する水不溶性コバルト化合物が水酸化コバルト、
炭酸コバルト、塩基性炭酸コバルト、シュウ酸コバル
ト、CoO、Co23 およびCo34 から成る群か
ら選ばれる1種または2種以上のものである第(66)
項記載の成形用組成物、(68)成形助剤がβ−1,3
−グルカン、粘土鉱物、無機質繊維、セルロース系化合
物、多価ヒドロキシ化合物およびポリビニル重合体から
成る群から選ばれる1種または2種以上のものである第
(15)、(66)または(67)項記載の成形用組成
物、(69)成形助剤がβ−1,3−グルカンおよび粘
土鉱物である第(15)または(66)〜(68)項記
載の成形用組成物、(70)焼成することによってCo
34 に変化する水不溶性コバルト化合物100重量部
に対して、β−1,3−グルカン0.1〜20重量部お
よび粘土鉱物5〜50重量部を含有することを特徴とす
る第(69)項記載の成形用組成物、(71)β−1,
3−グルカンがカードランである第(68)〜(70)
項記載の成形用組成物、(72)粘土鉱物が1:1層型
粘土鉱物および(または)2:1層型粘土鉱物である第
(68)〜(70)項記載の成形用組成物、(73)
1:1層型粘土鉱物と2:1層型粘土鉱物との重量比が
10:90〜95:5である第(72)項記載の成形用
組成物、(74)さらに、プタセオジム、タリウム、マ
ンガン、クロム、銅、鉄、バナジウム、モリブテン、タ
ングステン、ストロンチウム、ニッケル、クロミニウ
ム、ウラン、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリ
ウムなどの金属元素の酸化物を1種または2種以上を含
有する第(15)または(66)〜(73)項記載の成
形用組成物、(75)酸化コバルト100重量部に対し
て、プタセオジム、タリウム、マンガン、クロム、銅、
鉄、バナジウム、モリブテン、タングステン、ストロン
チウム、ニッケル、クロミニウム、ウラン、ランタン、
セリウム、ネオジウム、サマリウムなどの金属元素の酸
化物を1種または2種以上0.01〜10000重量部
を含有する第(74)項記載の成形用組成物、
【0017】(76)さらにプラセオジムの酸化物およ
び(または)タリウムの酸化物を含有する第(15)ま
たは(66)〜(73)項記載の成形用組成物、(7
7)酸化コバルト100重量部に対して、プラセオジム
の酸化物および(または)タリウムの酸化物1〜100
00重量部を含有することを特徴とする第(76)項記
載の成形用組成物、(78)焼成することによってCo
34 に変化する水不溶性コバルト化合物100重量部
に対して、成形助剤0.1〜300重量部を含有するこ
とを特徴とする第(16)項記載の成形物、(79)焼
成することによってCo34 に変化する水不溶性コバ
ルト化合物が水酸化コバルト、炭酸コバルト、塩基性炭
酸コバルト、シュウ酸コバルト、CoO、Co23
よびCo34 から成る群から選ばれる1種または2種
以上のものである第(78)項記載の成形物、(80)
成形助剤がβ−1,3−グルカン、粘土鉱物、無機質繊
維、セルロース系化合物、多価ヒドロキシ化合物および
ポリビニル重合体から成る群から選ばれる1種または2
種以上のものである第(16)、(78)または(7
9)項記載の成形物、(81)成形助剤がβ−1,3−
グルカンおよび粘土鉱物である第(16)、(78)ま
たは(79)項記載の成形物、(82)焼成することに
よってCo34 に変化する水不溶性コバルト化合物1
00重量部に対して、β−1,3−グルカン0.1〜2
0重量部および粘土鉱物5〜50重量部を含有すること
を特徴とする第(81)項記載の成形物、(83)β−
1,3−グルカンがカードランである第(80)〜(8
2)項記載の成形物、
【0018】(84)粘土鉱物が1:1層型粘土鉱物お
よび(または)2:1層型粘土鉱物である第(80)〜
(82)項記載の成形物、(85)1:1層型粘土鉱物
と2:1層型粘土鉱物との重量比が10:90〜95:
5である第(84)項記載の成形物、(86)さらに、
プタセオジム、タリウム、マンガン、クロム、銅、鉄、
バナジウム、モリブテン、タングステン、ストロンチウ
ム、ニッケル、クロミニウム、ウラン、ランタン、セリ
ウム、ネオジウム、サマリウムなどの金属元素の酸化物
を1種または2種以上を含有する第(16)または(7
8)〜(85)項記載の成形物、(87)酸化コバルト
100重量部に対して、プタセオジム、タリウム、マン
ガン、クロム、銅、鉄、バナジウム、モリブテン、タン
グステン、ストロンチウム、ニッケル、クロミニウム、
ウラン、ランタン、セリウム、ネオジウム、サマリウム
などの金属元素の酸化物を1種または2種以上0.01
〜10000重量部を含有する第(86)項記載の成形
物、(88)さらにプラセオジムの酸化物および(また
は)タリウムの酸化物を含有する第(16)または(7
8)〜(85)項記載の成形用組成物、(89)酸化コ
バルト100重量部に対して、プラセオジムの酸化物お
よび(または)タリウムの酸化物1〜10000重量部
を含有することを特徴とする第(88)項記載の成形用
組成物、(90)ハニカム構造物を有することを特徴と
する第(16)または(78)〜(89)記載の成形
物、(91)第(51)〜(65)項記載の成形物また
は第(78)〜(90)項記載の成形物を焼成して得ら
れることを特徴とする成形焼成物に関する。
【0019】本発明の窒素酸化物の分解除去触媒は、酸
化コバルトおよび成形助剤を含有することを特徴とする
ものであり、好ましくは、酸化コバルトおよび成形助剤
を含有する成形物であることを特徴とするもの、または
該成形物を焼成して得られる成形焼成物であることを特
徴とするものである。本発明の触媒に用いられる酸化コ
バルトとしては、例えばCoO、Co23、Co34
たはそれらの混合物などが用いられる。これら酸化コバ
ルトは、市販もの(例えば、和光純薬試薬など)であっ
てもよく、また焼成して得られたものであってもよい。
酸化コバルトのなかでも、Co34が好ましい。このC
34は、市販もの(例えば、和光純薬試薬など)であ
ってもよいが、また、焼成することによってCo34
変化する水不溶性コバルト化合物を通常300〜800
℃、好ましくは400〜700℃で、通常0.5〜24
時間、好ましくは1〜5時間程度焼成して得られる焼成
物などであってもよい。さらに好ましい焼成条件とし
て、酸化雰囲気などが挙げられ、焼成速度などを適宜選
択するのがよい。この焼成物の主成分はCo34であ
る。焼成することによってCo34に変化する水不溶性
コバルト化合物としては、例えば酸化コバルト(例、C
oO、Co23、Co34)もしくはその水和物(例、
水酸化コバルト)、炭酸コバルトもしくはその水和物、
塩基性炭酸コバルトもしくはその水和物、シュウ酸コバ
ルトなどから選ばれる1種または2種以上のものが用い
られる。なかでも、水酸化コバルト、炭酸コバルト、塩
基性炭酸コバルト、シュウ酸コバルト、CoO、Co2
3、Co34またはそれらの混合物などが好ましい。
これらの水不溶性コバルト化合物は市販のもの、例えば
塩基性炭酸コバルト(例えば、特 炭酸コバルト、日本
化学産業製または和光純薬試薬)、Co23(Co
23、和光純薬試薬、99.5%)、Co34(Co3
4、和光純薬化学用)、酸化コバルト(酸化コバル
ト、日本化学産業製)などが用いられるが、さらには水
不溶性コバルト塩(例、硫酸コバルト、酢酸コバルト、
塩化コバルト、フッ化コバルト、硝酸コバルトなど)を
用いて、それ自体公知の方法で合成して得た水酸化コバ
ルト、塩基性炭酸コバルトまたは炭酸コバルトなども用
いることができる。以下、Co34の他に、酸化コバル
ト(例、CoO、Co23、Co34)もしくはその水
和物(例、水酸化コバルト)、炭酸コバルトもしくはそ
の水和物、塩基性炭酸コバルトもしくはその水和物、シ
ュウ酸コバルトまたはそれらの混合物を焼成して得られ
る焼成物も含めてCo34と称する。
【0020】本発明の触媒は、上記の酸化コバルト以外
に他の金属酸化物を含有していてもよい。例えば、プラ
セオジム、タリウム、マンガン、クロム、銅、鉄、バナ
ジウム、モリブテン、タングステン、ストロンチウム、
ニッケル、クロミニウム、ウラン、ランタン、セリウ
ム、ネオジウム、サマリウムなどの金属元素の酸化物を
1種または2種以上含有していてもよい。これらの金属
酸化物のなかでも、特に、プラセオジム、タリウムなど
の金属元素の酸化物を含有させることが好ましい。該タ
リウムの酸化物としては、例えばTl2O、Tl23
たはそれらの混合物などが用いられる。なかでも、Tl
23が好ましい。酸化タリウムは、市販ものであっても
よく、また合成して得られたもの、焼成して得られたも
のなどであってもよい。市販の酸化タリウムとしては、
例えば酸化タリウム(Tl23、和光純薬製)などが用
いられる。合成して得られるものとしては、例えば水可
溶性タリウム塩(フッ化タリウム、塩化タリウム、過塩
素酸タリウム、三ヨウ化タリウム、水酸化タリウム、炭
酸タリウム、酢酸タリウムなどを用いてそれ自体公知の
方法で合成した酸化タリウムなどが用いられる。焼成し
て得られるものとしては、例えば水可溶性タリウム塩
(フッ化タリウム、塩化タリウム、過塩素酸タリウム、
三ヨウ化タリウム、水酸化タリウム、炭酸タリウム、酢
酸タリウムなどを用いてそれ自体公知の方法で合成した
酸化タリウムを通常300〜800℃、好ましくは40
0〜700℃で、通常0.5〜24時間、好ましくは1
〜5時間程度焼成することによって得られるものなどが
用いられる。
【0021】該プラセオジムの酸化物としては、例えば
Pr611、Pr23、PrO2またはそれらの混合物な
どが用いられる。なかでも、Pr611などが好まし
い。これらの酸化プラセオジムは、市販ものであっても
よく、また合成して得られるものや焼成して得られるも
のであってもよい。市販の酸化プラセオジムとしては、
例えばPr611(「酸化プラセオジム」96%以上、
ニッキ製)などが用いられる。合成して得られるものと
しては、例えば水可溶性プラセオジム塩(塩化プラセオ
ジム、臭化プラセオジム、ヨウ化プラセオジム、硫酸プ
ラセオジム、硝酸プラセオジム、酢酸プラセオジムなど
を用いてそれ自体公知の方法で合成した酸化コバルトな
どが用いられる。焼成して得られるものとしては、例え
ば水可溶性プラセオジム塩(塩化プラセオジム、臭化プ
ラセオジム、ヨウ化プラセオジム、硫酸プラセオジム、
硝酸プラセオジム、酢酸プラセオジムなどを用いてそれ
自体公知の方法で合成した酸化コバルト、水酸化プラセ
オジムもしくは炭酸プラセオジムなどを通常300〜8
00℃、好ましくは400〜700℃で、通常0.5〜
24時間、好ましくは1〜5時間程度焼成して得られる
焼成物などが用いられる。さらに好ましい焼成条件とし
て、酸化雰囲気などが挙げられ、焼成速度などを適宜選
択するのがよい。酸化コバルト以外の金属酸化物は、酸
化コバルト100重量部に対して通常約0.01〜10
000重量部、好ましくは約1〜10000重量部、よ
り好ましくは10〜200重量部程度添加させるのが好
適である。特に、プラセオジム、タリウムなどの金属元
素の酸化物は、酸化コバルト100重量部に対して通常
約1〜10000重量部、好ましくは約5〜500重量
部、より好ましくは10〜200重量部程度添加させる
のが好適である。
【0022】本発明の触媒に用いられる成形助剤として
は、例えばβ−1,3−グルカン、粘土鉱物、無機質繊
維、セルロース系化合物、多価ヒドロキシ化合物、ポリ
ビニル重合体などの1種または2種以上のものなどが用
いられる。本発明の触媒中の成形助剤の含量は、酸化コ
バルト100重量部に対して通常約0.1〜300重量
部、好ましくは約0.1〜150重量部程度である。本
発明の組成物において用いられるβ−1,3−グルカン
は、主に、酸化コバルトへの可塑性付与剤として作用す
る。このβ−1,3−グルカンは、グルコースが主にβ
−1,3−結合によって結合されているグルカンであっ
て、具体的には、カードラン、ラミナラン、バラミロ
ン、カロース、パキマン等が用いられる。これらβ−
1,3−グルカンのなかでは、微生物起源のβ−1,3
−グルカンが好ましく、従って、カードランやパラミロ
ン等が好ましく用いられ、特に、カードランが最も好ま
しく用いられる。これらは、いずれも、少量の使用に
て、酸化コバルトに高い可塑性を与える。カードランと
は、New Food Industry, 第20巻第10号第49〜5
7頁(1978年)に記載されているように、β−1,
3−グルコシド結合を主体とし、通常、加熱凝固性を有
する多糖類、即ち、水分の存在下で加熱することによっ
て、凝固する(ゲルを形成する)性質を有するβ−1,
3−グルカンである。かかるカードランは、アルカリゲ
ネス属又はアグロバクテリウム属の微生物によって生産
される。そのような微生物としては、具体的には、例え
ば、アルカリゲネス・フエカリス・バール・ミクソゲネ
ス菌株10C3K(アグリカルチュラル・バイオロジカ
ル・ケミストリー(Agricultural Biological Chemistr
y)、第30巻第196頁(1966年))や、或いは
アルカリゲネス・フエカリス・バール・ミクソゲネス菌
株10C3Kの変異株NTK−u(IFO 1314
0)(特公昭48−32673号)、アグロバクテリウ
ム・ラジオバクター(IFO 13127)及びその変
異株U−19(IFO 12126)(特公昭48−3
2674号)等を用いることができる。カードランは、
上述したように、微生物によって生産されるβ−1,3
−グルカンの一種であるが、本発明においては、これを
未精製のままにて用いてもよく、或いは必要に応じて、
高度に精製して用いてもよい。
【0023】パラミロンは、微生物であるユーグレナ
(Euglena)が細胞内に蓄積するβ−1,3−グルカン
の一種である。パラミロンは、例えば、Carbohydrate R
esearch, 25,231−242(1979)や、特開
平1−37297号公報等によって既に知られている。
また、パラミロンは、加熱凝固性をもたせるために、必
要に応じて、アルカリ処理したものを用いてもよい。パ
ラミロンも、本発明においては、これを未精製のままに
て用いてもよく、或いは必要に応じて、高度に精製して
用いてもよい。同様に、その他のβ−1,3−グルカン
も、未精製のままにて用いてもよく、或いは必要に応じ
て、高度に精製して用いてもよい。特に、本発明におい
ては、β−1,3−グルカンのなかでも、加熱凝固性を
有するカードランや、アルカリ処理したパラミロン等が
最も好ましく用いられる。このような加熱凝固性を有す
るβ−1,3−グルカンを可塑性付与剤として用いるこ
とによって、酸化コバルトを成形、乾燥、焼成する過程
において、十分な成形性を有する混練固体組成物や、十
分な強度を有する成形物を得ることができる。以上のよ
うに、本発明によれば、前述したようなβ−1,3−グ
ルカンは、本来、成形可塑性をもたない酸化コバルトに
成形可塑性を付与するために必要とされるものである。
【0024】本発明の触媒において、成形性の向上と焼
成後の焼成物の更なる強度保持のために粘土鉱物が用い
られる。該粘土鉱物としては、1:1層型粘土鉱物及び
2:1層型粘土鉱物などが用いられる。1:1層型粘土
鉱物としては、例えばカオリナイト族鉱物が用いられ
る。具体的には、カオリナイト、ハロイサイト、デイツ
カイト、リザーダイト、アメサイトや、天然粘土(木節
粘土、蛙目粘土等)等を挙げることができる。これら
は、単独でも、又は二種以上を混合しても用いることが
できる。なかでも、カオリナイト、ハロイサイト、木節
粘土等が好ましく用いられる。他方、2:1層型粘土鉱
物としては、例えばパイロフイライト族鉱物(パイロフ
イライト等)、スメクタイト族鉱物(モンモリロナイ
ト、ベントナイト、合成スメクタイト、ヘクトライト
等)、バーミキュライト族鉱物(バーミキュライト等)
が用いられる。これらは、単独でも、二種以上を混合し
ても用いることができる。好ましくは、スメクタイト族
鉱物が用いられる。なかでも、ベントナイト及び合成ス
メクタイトが特に好ましい。1:1層型粘土鉱物は、酸
化コバルト成形焼成物の機械的強度を高める効果を有す
る焼結剤であるが、しかし、押出成形時に鉱物分子が層
状に配向し、層間滑りを起こしやすくなる。従って、
1:1層型粘土鉱物を単独で用いたときや、その重量比
が多いときは、分子の配向した層方向に亀裂を生じて、
ひび割れを起こしやすくなる。その結果、酸化コバルト
成形焼成物の機械的強度は満足できるものとはならな
い。一方、2:1層型粘土鉱物は、微細結晶状であるた
め、層状に配向し難いので、これと1:1層型粘土鉱物
を適量混合して用いれば、上記1:1層型粘土鉱物の有
する欠点を補うことができる。また、2:1層型粘土鉱
物を単独で用いたときや、その重量比が多いときは、酸
化コバルト成形用混練固体組成物の成形性が悪く、押出
成形に適用し難くなる。そのような組成物を押出成形し
て得られる成形物は、その成形表面が平滑でなく、強度
も劣ったものとなる。
【0025】本発明の触媒において、補強材として無機
質繊維を配合することができる。該無機質繊維として
は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シ
リカ繊維、アルミナシリケート繊維、岩綿、ジルコニア
繊維、炭化ケイ素繊維、チタン質繊維、ホウ素質繊維、
マグネシア質繊維、スラグウール、石綿、セピオライト
等を挙げることができる。これらのなかでも、ガラス繊
維やセピオライトが好ましく用いられる。本発明の触媒
において、酸化コバルトに一層高い可塑成形性を付与す
るために、上記のもの以外の通常の成形用の助剤を用い
ることができる。該助剤としては、例えば、セルロース
系化合物、多価ヒドロキシ化合物、又はポリビニル重合
体などが好ましく用いられる。該セルロース系化合物と
しては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、
カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセ
ルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース等を
用いることができる。このようなセルロース系化合物
は、その分子量等によらず、市販されているものはすべ
て用いることができ、用途に応じて適宜に選択される。
該多価ヒドロキシ化合物としては、例えばグリセリン、
エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアル
キレングリコールや、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコー
ル等を用いることができる。これら多価ヒドロキシ化合
物も、その分子量等によらず、市販されているものはす
べて用いることができ、用途に応じて適宜に選択され
る。該ポリビニル重合体としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸樹
脂、ポリアクリル酸塩、例えば、ポリアクリル酸アンモ
ニウム、アクリル酸−マレイン酸共重合体、そのアンモ
ニウム塩等を挙げることができる。ポリアクリル酸樹脂
は架橋されていてもよい。かかる架橋型ポリアクリル酸
樹脂は既に知られており、市販品として入手することが
できる。これらポリビニル重合体も、その分子量等によ
らず、市販されているものはすべて用いることができ、
用途に応じて適宜に選択される。
【0026】さらに、上記以外にも、種々の有機物を助
剤として用いることができる。例えば、カルボキシルメ
チルスターチ、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アン
モニウム等を用いることができる。これらの助剤は、単
独にて用いてもよいが、2種以上の混合物として用いる
こともできる。上記のなかでも、例えばメチルセルロー
ス系成形助剤、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセ
ルロース等が好ましく用いられる。特に、これらの2%
水溶液の20℃における粘度が20〜100000セン
チポイズ、なかでも、400〜100000センチポイ
ズの範囲のものが好ましく用いられる。また、本発明に
おいては、必要に応じて、ポリエチレングリコールのア
ルキルエーテル、湿潤剤として知られている界面活性
剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸マグネシウム等の滑剤等を適宜に成形用酸化
コバルト組成物や酸化コバルト成形物に含有させてもよ
い。以上の成形助剤のなかでも、例えばβ−1,3−グ
ルカン、粘土鉱物などが好ましく、特にβ−1,3−グ
ルカンおよび粘土鉱物を含有する触媒は、ひび割れな
く、高強度の成形物となる。また、本発明の触媒として
は、加熱凝固性を有するβ−1,3−グルカン、特に、
カードランやアルカリ処理したパラミロンと、助剤とし
てメチルセルロース系成形助剤とを併用するとき、成形
性にすぐれる成形用酸化コバルト組成物を得ることがで
き、しかも後述するように、組成物を成形した後、この
成形物におけるこれら加熱凝固性β−1,3−グルカン
を加熱凝固させた後、乾燥することによって、ひび割れ
なく、高強度の成形物を得ることができる。さらに、多
価ヒドロキシ化合物として、ポリエチレングリコール、
好ましくは、分子量6000程度のものを用い、無機質
繊維、メチルセルロース系成形助剤等とを併用すること
によって、すぐれた強度を有する成形物、特にハニカム
構造を有する成形物を得ることができる。
【0027】本発明の触媒において、β−1,3−グル
カンは単独にて又は2種以上の混合物として、酸化コバ
ルト100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、
好ましくは0.5〜10重量部の範囲で用いられる。本
発明の触媒において、粘土鉱物は酸化コバルト100重
量部に対して、通常5〜50重量部、好ましくは10〜
45重量部の範囲で用いられる。また、上記した1:1
層型粘土鉱物及び2:1層型粘土鉱物は、通常10/9
0ないし95/5の重量比で、好ましくは30/70な
いし90/10の重量比で、さらに好ましくは55/4
5ないし85/15の重量比で用いられる。本発明の触
媒において、無機質繊維は酸化コバルト100重量部に
対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重
量部、最も好ましくは0.5〜10重量部の範囲で用い
られる。本発明の触媒において、セルロース系化合物、
多価ヒドロキシ化合物またはポリビニル重合体は酸化コ
バルト100重量部に対して、通常、(2種以上の混合
物が用いられるときは、その総量として)約0.1〜3
0重量部、好ましくは、約0.2〜15重量部の範囲で
用いられる。さらに、本発明の触媒には、前述の成形助
剤の代わりに、あるいは前述の成形助剤に加えて、通常
の触媒担体を含有させることができる。このような触媒
担体としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化チタ
ン、水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、シリ
カ、ゼオライトなどが用いられる。この場合、触媒担体
は酸化コバルト100重量部に対して、10〜700重
量部、好ましくは50〜600重量部、最も好ましくは
100〜500重量部の範囲で用いられる。
【0028】以下に、本発明の触媒の製造法を説明す
る。本発明においては、酸化コバルトおよび成形助剤、
必要に応じて酸化コバルト以外の他の金属酸化物とを混
合して成形用組成物(以下、成形用酸化コバルト組成物
と称する場合がある)を製造し、この成形用酸化コバル
ト組成物を押出成形で成形することによって成形物(以
下、酸化コバルト成形物と称する場合がある)を得るこ
とができ、さらに必要に応じて焼成することによって成
形焼成物(以下、酸化コバルト成形焼成物と称する場合
がある)を得ることができる。本発明においては、上記
で得られる酸化コバルト成形物および酸化コバルト成形
焼成物を窒素酸化物の分解除去触媒として用いることが
できる。本発明の触媒の本体となる上記の酸化コバルト
成形物および酸化コバルト成形焼成物は何れも新規なも
のであり、また上記の成形用酸化コバルト組成物は、酸
化コバルト成形物および酸化コバルト成形焼成物の製造
のための有用な製造中間体となる。以下により詳細に本
発明の触媒の製造法を説明する。本発明の成形用酸化コ
バルト組成物は、酸化コバルトおよび成形助剤、必要に
応じて酸化コバルト以外の他の金属酸化物を含有するも
のである。本発明の成形用酸化コバルト組成物における
酸化コバルト、成形助剤、酸化コバルト以外の他の金属
酸化物の種類および含量は、前記の本発明の触媒におけ
る酸化コバルト、成形助剤、酸化コバルト以外の他の金
属酸化物の種類および含量と同様である。本発明の成形
用酸化コバルト組成物は、通常、押出成形するために、
水を添加し、湿練固体状の組成物(以下、混練固体組成
物と称する)として用いられる。また、水の代わりにメ
タノールやエタノール等の水溶性の有機溶剤と水との混
合物を用いることもできる。この場合、有機溶剤の量は
適量であればよい。しかし、本発明においては水を用い
るのが好ましい。また、本発明の成形用酸化コバルト組
成物は、スラリー状や他の形態であってもよい。
【0029】本発明の成形用酸化コバルト組成物の調製
方法は、特に、限定されるものではない。例えば、β−
1,3−グルカン、粘土鉱物、助剤等とを粉体状のまま
酸化コバルトに加え、またはβ−1,3−グルカンと必
要に応じて助剤とを予め水や、あるいはメタノール、エ
タノール等のような水溶性の有機溶剤の少量に溶解さ
せ、これを酸化コバルトと粘土鉱物との混合物に加え、
この後、β−1,3−グルカン、助剤、粘土鉱物等が偏
在しないように十分に混合し、均一な混合物とし、次い
で、得られた混合物に適当量の水又は水性溶液を加え、
十分に混練して、可塑成形に適した混練固定組成物とす
ることができる。β−1,3−グルカン、粘土鉱物、助
剤は別々に酸化コバルトに混合してもよい。本発明の酸
化コバルト成形物は、酸化コバルトおよび成形助剤、必
要に応じて酸化コバルト以外の他の金属酸化物を含有す
るものであり、本発明の酸化コバルト成形物における酸
化コバルト、成形助剤、酸化コバルト以外の他の金属酸
化物の種類および含量は、前記の本発明の触媒および成
形用組成物における酸化コバルト、成形助剤、酸化コバ
ルト以外の他の金属酸化物の種類および含量と同様であ
る。本発明の酸化コバルト成形物は、前述の成形用酸化
コバルト組成物を用いていかなる方法で製造することが
できるが、例えば押出成形法に従って、所要形状に成形
し、室温ないし110℃にて乾燥することによって製造
することができる。ここで、混練によって得られた水分
を含有する成形用酸化コバルト組成物を成形した後、こ
の成形物を乾燥させるに際して、成形物を水分の存在下
に加熱して、前記加熱凝固性β−1,3−グルカンを熱
凝固させ、この後、乾燥するのが好ましい。一般的に
は、成形物が含有する水分の自由蒸発を抑制しつつ、必
要に応じて、付加的な水分の存在下に、成形物を加熱す
ることによって、前記熱凝固性β−1,3−グルカンを
凝固させることができる。より具体的には、マイクロウ
ェーブによる加熱、飽和水蒸気雰囲気下での加熱、密閉
容器中での加熱等によることができる。このように、β
−1,3−グルカンを加熱凝固させる温度は、用いるβ
−1,3−グルカンにもよるが、通常は70〜150℃
の範囲がよい。加熱時間は、通常0.5〜12時間程度
である。マイクロウェーブによる加熱の場合は、通常1
0秒〜10分程度である。また、ハニカム構造物のよう
な中空状のものは、風を強制的に通風させることによっ
て乾燥することもできる。
【0030】本発明の酸化コバルト成形物は、成形物に
含まれる加熱凝固性β−1,3−グルカンを凝固させる
ことによって、成形物に強度を付与することができ、か
くして、この後に成形物を乾燥させるとき、成形物にひ
び割れ等が生じない。加熱凝固性β−1,3−グルカン
を加熱凝固させた後の成形物の乾燥は、通常の乾燥方法
によればよく、高温下に静置し、熱風乾燥し、或いは低
温で乾燥させる等により行なうことができる。本発明に
おいては、特に、無機質繊維を配合した成形用酸化コバ
ルト組成物を焼成することによって、著しく機械的強度
の高い焼成物を得ることができる。本発明の酸化コバル
ト成形焼成物は、前述の酸化コバルト成形物を焼成する
ことによって得られるものである。例えば、本発明の酸
化コバルト成形物を通常300〜800℃、好ましくは
400〜700℃の範囲の温度で、通常0.5〜24時
間、好ましくは1〜5時間程度焼成することによって得
ることができる。この時、焼成によって、酸化コバルト
成形物に含まれていたβ−1,3−グルカンはほとんど
存在しなくなる場合がある。さらに、本発明の酸化コバ
ルト成形焼成物のうちCo34成形焼成物は、上記の製
造法以外に、焼成することによってCo34に変化する
水不溶性コバルト化合物および成形助剤を混合して成形
用組成物を製造し、この成形用組成物を押出成形で成形
することによって成形物を得、さらに焼成することによ
っても得ることができる。上記の製造法は前記の成形用
組成物の調製法、成形法、焼成法に準じて行うことがで
きる。すなわち、前述の酸化コバルト(例、CoO、C
23、Co34)もしくはその水和物(例、水酸化コ
バルト)、炭酸コバルトもしくはその水和物、塩基性炭
酸コバルトもしくはその水和物、シュウ酸コバルトと成
形助剤、必要に応じて他の金属酸化物(あるいは、焼成
することによって該金属酸化物に変化する原料化合物)
とを目的の形状に成形した後に、通常300〜800
℃、好ましくは400〜700℃で、通常0.5〜24
時間、好ましくは1〜5時間程度焼成することによって
も、酸化コバルトとしてCo34を含有する触媒を製造
することができる。
【0031】このように、焼成することによってCo3
4に変化する水不溶性コバルト化合物および成形助剤
を含有する成形用組成物および成形物は、本発明のCo
34成形焼成物を製造するための有用な製造中間体とな
る。以上のようにして得られる本発明の触媒、すなわち
(1)酸化コバルトおよび成形助剤、必要に応じて酸化
コバルト以外の他の金属酸化物を含有することを特徴と
する成形物である窒素酸化物の分解除去触媒および
(2)該成形物を焼成して得られる成形焼成物である窒
素酸化物の分解除去触媒は、かかる製造操作によって
も、ひび割れしない強度を有しており、かつ優れた窒素
酸化物(特に、NO)の直接分解除去活性を有するの
で、排ガス中などの窒素酸化物を分解除去する触媒とし
て利用することができる。例えば、ディーゼルエンジン
からの排ガス処理、リーンバーン方式のガソリンエンジ
ンからの排ガス処理、ボイラー排ガス処理などに用いる
ことができる。本発明の窒素酸化物の分解除去触媒を製
造する場合、それ自体公知の方法に従って、任意の形状
に成形し、焼成することができる。例えば、粒状物、球
状物、丸棒、角棒、中空管、薄板、シート、フィルム、
ハニカム構造物などにして使用できる。例えば、粒状物
は、ペレット成型装置(SEワークプレス WPM−1
0型およびSEダイズ、東洋油圧機械(株))などを用
いて製造することができる。ハニカム構造物は、酸化コ
バルトを押出し成形法(例えば、押出成形機、本多鉄工
社製DE−35型など)により、ハニカム構造物を成形
できる。成形焼成物は、該成形物を約115℃で乾燥
後、約300〜800℃で焼成することによって製造で
きる。例えば、粒状物、球状物とする場合は、実用的な
大きさであれば粒径は限定されないが、通常粒径0.5
〜50mm、好ましくは1〜20mmに調製するのがよ
い。また、ハニカム構造物にする場合は、開口率が大き
いのが好ましい。これは液体や気体がゼオライトに接触
し、流通する際に、抵抗を受けずに(即ち、圧力損失が
少なく)、通過し得るからである。その開口率は、通常
50〜90%、好ましくは50〜80%、さらに好まし
くは55〜80%の範囲である。セル数は通常10〜6
00セル/平方インチ、好ましくは20〜400セル/
平方インチの範囲である。さらには、本発明の成形用酸
化コバルト組成物は、金属やセラミックなどの板、球、
ハニカム基材などの表面にウオッシュコートでコーテイ
ングした形でも使用できる。成形用酸化コバルト組成物
の使用量は、使用場所、使用規模などによって異なるの
で、目的に応じて適宜選択することができる。
【0032】本発明の触媒を排気ガスなどに含まれる窒
素酸化物の分解除去に用いる場合、処理温度は通常20
0〜700℃、好ましくは250℃〜500℃、より好
ましくは300℃〜450℃の範囲である。特に、本発
明の触媒が酸化コバルトの他にプラセオジムの酸化物お
よび(または)タリウムの酸化物を含有する場合は、広
範囲の温度領域で窒素酸化物を分解除去することがで
き、処理温度は通常200〜700℃、好ましくは25
0℃〜600℃、より好ましくは300℃〜500℃の
範囲である。ガス流通(GHSV)は、通常2、000
〜200,000h-1の範囲が好ましい。さらに、本発
明の触媒(特に、Co34を含有する触媒)は、特にO
2存在下において優れた窒素酸化物の分解除去活性を発
揮できる。O2の濃度は、通常1%〜20%、好ましく
は5%〜20%である。このようにO2存在下において
もCo34を含有する触媒が、優れた窒素酸化物の分解
除去活性を発揮できるという知見は公知技術からは全く
予想できない驚くべきものである。さらに、本発明の触
媒(特に、Co34を含有する触媒)は、一酸化炭素、
炭化水素類などの還元剤の存在の有無に拘わらず優れた
窒素酸化物の分解除去活性を発揮することができる。こ
のように還元剤の非存在下においても窒素酸化物を効率
良く分解除去できる本発明の触媒は、公知技術からは全
く予想できない驚くできものである。還元剤として、炭
化水素類を共存させる場合は、例えばオレフィン系炭化
水素(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタンな
ど)、パラフィン系炭化水素(例えば、エチレン、プロ
ピレン、ブテンなど)、芳香族系炭化水素(例えば、ベ
ンゼンなど)、脂環式炭化水素(例えば、シクロヘキサ
ンなど)またはそれらの混合物(例えば、灯油、軽油、
重油など)などが用いられる。なかでも、プロパン、エ
チレン、プロピレン、灯油、軽油、重油などが好まし
い。また、アンモニア、尿素、アルコール類、エーテル
類、アルデヒド類などの有機化合物なども、上記の炭化
水素類に代えて、または炭化水素類と共に使用すること
ができる。炭化水素類を共存させる場合、炭化水素類は
本発明の触媒と排気ガスとが接触する温度条件下におい
て気体であることが好ましく、その添加量は、排ガス中
の窒素酸化物濃度により適宜選択できるが、排気ガスに
対して通常10〜10,000ppm、好ましくは20
〜6,000ppmの範囲である。
【0033】以上のように、本発明における成形用酸化
コバルト組成物は、すぐれた可塑成形性を有し、例え
ば、押出成形によって、所要形状に成形することがで
き、これを乾燥し、必要に応じて、焼成することによっ
て、強度及び寸法精度にすぐれる酸化コバルト成形物や
酸化コバルト成形焼成物を得ることができる。さらに、
本発明の成形用酸化コバルト組成物を用いることによっ
て、従来、困難であったハニカム構造物のような複雑な
形状を有する酸化コバルト成形物を押出成形法によって
容易に得ることができ、かかる酸化コバルト成形物を焼
成することによって、ハニカム構造を有する酸化コバル
ト成形焼成物を得ることができる。このようにして得ら
れる本発明の酸化コバルト成形物や酸化コバルト成形焼
成物は、極めて優れた窒素酸化物の分解除去活性(特
に、窒素酸化物の直接分解除去活性)を有しているの
で、自動車、船舶、航空機、コージェネレーションプラ
ント、ボイラー等から排出されるガス中の窒素酸化物の
除去触媒として有効に用いることができる。
【0034】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明は何らこれら実施例に限定されるものではな
い。
【参考例1】市販のCoO、Co23、Co34(和光
純薬、特級)それぞれ10gをペレット成型装置(SE
ワークプレス WPM−10型およびSEダイス、東洋
油圧機械(株)製)を用いて、2トンの圧力で8mmφ
×厚さ3mmのペレットに成型し、空気中、500℃
で、3時間焼成し、焼成ペレットを得た。
【参考例2】Co23(和光純薬、99.5%)、Co
34(和光純薬、化学用)、酸化コバルト(日本化学産
業製)および塩基性炭酸コバルト(日本化学産業製:特
炭酸コバルト)それぞれ10gペレット成型装置(S
Eワークプレス WPM−10型およびSEダイス、東
洋油圧機械(株)製)を用いて、2トンの圧力で8mm
φ×厚さ3mmのペレットに成型し、空気中、500℃
で、3時間焼成し、焼成ペレットを得た。焼成後のX線
回析パターンでは、四三酸化コバルト(Co34)が確
認された。
【参考例3】Co(NO32・6H2O(和光純薬)2
03.7gを純水1リットルに溶解した。この溶液に、
85gのNa2CO3を水500mlに溶解した溶液を、
常温、撹拌下、1時間で滴下した後、1時間撹拌を続け
て炭酸コバルトの沈殿物を得た。この沈殿物を洗浄、濾
過し、100℃で一晩乾燥した。これを空気中、400
℃で3時間焼成し、粉末を得た。この粉末10gをペレ
ット成型装置(SEワークプレス WPM−10型およ
びSEダイス、東洋油圧機械(株)製)を用いて、2ト
ンの圧力で8mmφ×厚さ3mmのペレットに成型し、
空気中、500℃で、3時間焼成し、焼成ペレットを得
た。
【0035】
【参考例4】市販の酸化プラセオジム(Pr611、和
光純薬、特級)10gをペレット成型装置(SEワーク
プレス WPM−10型およびSEダイス、東洋油圧機
械(株)製)を用いて、2トンの圧力で8mmφ×厚さ
3mmのペレットに成型し、空気中、500℃で、3時
間焼成し、酸化プラセオジム焼成ペレットを得た。
【参考例5】市販の酸化タリウム(Tl23;和光純
薬、特級)10gをペレット成型装置(SEワークプレ
ス WPM−10型およびSEダイス、東洋油圧機械
(株)製)を用いて、2トンの圧力で8mmφ×厚さ3
mmのペレットに成型し、空気中、500℃で、3時間
焼成し、酸化タリウム焼成ペレットを得た。
【参考例6】市販の硝酸プラセオジム(硝酸プラセオジ
ム(III)・n水和物;Pr(NO3)3・nH2O(n=4
〜6))の粉末、435gを純水に溶解し、全容積2リ
ットルとした。次に、この溶液を撹拌しながら、常温
下、1規定のNaOH溶液を滴加し、黄緑色の酸化プラ
セオジムの沈澱物を得た。沈澱物の生成が認められなく
なるまでNaOH溶液を滴加し、その後、撹拌しながら
一昼夜放置した。次に、この沈澱物を洗浄濾過し、10
0℃で一夜乾燥した。乾燥沈澱物は粉砕した後、空気
中、400℃で3時間焼成し、黒色の酸化プラセオジム
(Pr611)粉末を約170g得た。この粉末10gを
ペレット成型装置(SEワークプレス WPM−10型
およびSEダイス、東洋油圧機械(株)製)を用いて、
2トンの圧力で8mmφ×厚さ3mmのペレットに成型
し、空気中、500℃で、3時間焼成し、酸化プラセオ
ジム焼成ペレットを得た。
【0036】
【参考例7】市販の工業用酸化プラセオジム(ニッキ株
式会社製、Pr611含量96.9wt%)10gをペレ
ット成型装置(SEワークプレス WPM−10型およ
びSEダイス、東洋油圧機械(株)製)を用いて、2ト
ンの圧力で8mmφ×厚さ3mmのペレットに成型し、
空気中、500℃で、3時間焼成し、酸化プラセオジム
焼成ペレットを得た。
【参考例8】工業用酸化プラセオジム(ニッキ株式会社
製、Pr611含量96.9wt%)1400g(固形
分)に、焼結剤としてベントナイト粉末(水澤化学工業
(株)製 ベレクレイ)100g(固形分)および木節
粘度400g(固形分)と、ガラス繊維(日本板硝子
(株)製、マイクログラスチョップドストランド(RE
S030))100gとを加え、さらにカードラン(武
田薬品工業(株)製、Biopoly(商品名)−P)22.0
gおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化
学工業(株)製、メトローズ、90SH100,00
0)67.0g、ポリエチレングリコール(三洋化成工
業(株)製、マクロゴール6000)11.0gを加え
この混合物を卓上二軸混練機で約1時間乾式混合した。
次いで、この混合物に蒸留水を水総量が550gとなる
ように加えて、減圧下(約100〜700mmHg)に
約1時間、混練した。この混練において、混練機のジャ
ケットには5℃の冷水を循環させ、混練物を冷却した。
このようにして得られた混練物をポリエチレン袋に入
れ、1日間、室温(約23℃)で熟成した。次に、これ
を押出成形機(本田鉄工社製DE−35型)を用いて、
減圧下に混練して、成形用酸化プラセオジム組成物を得
た。
【参考例9】ハニカム成形用金型を押出成形機(本田鉄
工社製DE−35型)に装着し、これを用いて参考例8
で得られた成形用酸化プラセオジム組成物を一辺30m
mの正方形でセル数300個/平方インチのハニカム成
形物に成形した。これを長さ5cmに切断して、電子レ
ンジで2分加熱し、その後、115℃の乾燥機内で約2
時間乾燥し、開口率63%の酸化プラセオジムのハニカ
ム成形物を得た。
【0037】
【参考例10】参考例9で得られた成形物を、電気炉に
入れ500℃で3時間焼成することにより、酸化プラセ
オジムのハニカム焼成物を得た。
【参考例11】プロピレン存在下におけるNO分解除去
活性の測定 触媒として、参考例1で得られた粒状物を使用した。反
応には、常圧固定床流通式反応装置(CAT-4000、ベスト
測器製)を用いた。3種類の酸化コバルト10gをそれ
ぞれセルに充填し、反応ガスを流速6.67リットル/
分、反応温度200〜500℃で流通させ、セル前後の
入口ガスおよび出口ガスを化学発光式NOx計(BCL-51
1AS、ベスト測器製)およびガスクロマトグラフを用い
て分析した。反応ガスとしては、NO:1000pp
m、C36:1000ppm、O2:10%、H2O:1
0%:N2バランスの混合ガスを用いた。各酸化コバル
ト焼成ペレットのプロピレン存在下におけるNO還元反
応におけるNOの転化率の反応温度依存性を〔表1〕に
示した。
【表1】 〔表1〕より、CoOおよびCo34の焼成物は多量の
2存在下においても、直接分解による優れたNO分解
除去活性を示すことがわかる。
【参考例12】プロピレン非存在下におけるNO分解除
去活性の測定 常圧固定床流通式反応装置に、参考例2で得られた4種
類の酸化コバルト焼成ペレットを10g充填し、反応ガ
スを流速6.67l/分、反応温度200〜500℃で
流通させ、触媒層の入口ガスおよび出口ガスを化学発光
式NOx計およびガスクロコトグラフを用いて分析し
た。反応ガスとしてはNO:1000ppm,O2:1
0%,H2O:10%、N2で希釈した混合ガスを用い
た。各酸化コバルト焼成ペレットのプロピレン非存在下
におけるNO還元反応におけるNOの転化率の反応温度
依存性を〔表2〕に示した。
【表2】 〔表2〕より、各酸化コバルト焼成ペレットは、プロピ
レンが存在しない条件でも、O2存在下で、NOを直接
分解することが確認された。さらに、参考例3で得られ
た焼成ペレットを用いて、同様の試験を行った結果を
〔表3〕に示した。
【表3】 〔表3〕より、参考例3で得られた焼成ペレットは、プ
ロピレンが存在しない条件でも、O2存在下で、NOを
直接分解することが確認された。
【0038】
【参考例13】プロピレン存在下におけるNO分解除去
活性の測定 触媒として、参考例4〜6で得られた酸化プラセオジム
焼成ペレットおよび酸化タリウム焼成ペレットを使用し
た。反応には、常圧固定床流通式反応装置(CAT-4000、
ベスト測器製)を用いた。3種類の粒状物各10gをそ
れぞれセルに充填し、反応ガスを流速6.67リットル
/分、反応温度150〜500℃で流通させ、セル前後
の入口ガスおよび出口ガスを化学発光式NOx計(BCL-
511AS、ベスト測器製)およびガスクロマトグラフを用
いて分析した。反応ガスとしては、NO:1000pp
m、C36:1000ppm、O2:10%、H2O:1
0%、N2バランスの混合ガスを用いた。酸化プラセオ
ジム焼成ペレットおよび酸化タリウム焼成ペレットのプ
ロピレン存在下におけるNO還元反応におけるNOの転
化率の反応温度依存性を〔表4〕に示した。
【表4】 次に、〔表5〕には、C36のCOおよびCO2への転
化率を示した。
【表5】 〔表4〕および〔表5〕の結果から、本発明の酸化プラ
セオジム焼成ペレットおよび酸化タリウム焼成ペレット
が優れたNO分解活性を有すことが明らかになった。さ
らに、本発明の酸化プラセオジム焼成ペレットおよび酸
化タリウム焼成ペレットは、還元剤であるプロピレン
(C36)が存在しない条件下でも、NOを直接分解す
ることが示唆された、。この点を更に明白にするため
に、以下の参考例14を実施した。
【参考例14】プロピレン非存在下におけるNO分解除
去活性の測定 常圧固定床流通式反応装置に、参考例4〜6で得られた
酸化プラセオジム焼成ペレットおよび酸化タリウム焼成
ペレットを10g充填し、反応ガスを流速6.67リッ
トル/分、反応温度200〜500℃で流通させ、触媒
層の入口ガスおよび出口ガスを化学発光式NOx計およ
びガスクロマトグラフを用いて分析した。反応ガスとし
ては、NO:1000ppm、O2:10%、H2O:1
0%、N2で希釈した混合ガスを用いた。酸化プラセオ
ジム焼成ペレットおよび酸化タリウム焼成ペレットのプ
ロピレン非存在下におけるNO還元反応におけるNOの
転化率の反応温度依存性を〔表6〕に示した。
【表6】 〔表6〕の結果より、本発明の酸化プラセオジム焼成ペ
レットおよび酸化タリウム焼成ペレットが、還元剤であ
るプロピレンが存在しない条件下でも、NOを直接分解
することが確認された。
【0039】
【参考例15】プロピレン存在下におけるNO分解除去
活性の測定 触媒として、参考例7で得られた酸化プラセオジム焼成
ペレットを使用した。反応には、常圧固定床流通式反応
装置(CAT-4000、ベスト測器製)を用いた。参考例7で
調製した焼成ペレット10gをセルに充填し、反応ガス
を流速6.67リットル/分、反応温度150〜500
℃で流通させ、セル前後の入口ガスおよび出口ガスを化
学発光式NOx計(BCL-511AS、ベスト測器製)および
ガスクロマトグラフを用いて分析した。反応ガスとして
は、NO:1000ppm、C36:1000ppm、
2:10%、H2O:10%、N2バランスの混合ガス
を用いた。参考例7で調製した酸化プラセオジム焼成ペ
レットのプロピレン存在下におけるNO還元反応におけ
るNOの転化率およびC36のCOおよびCO2への転
化率の反応温度依存性を〔表7〕に示した。
【表7】 〔表7〕の結果より、本発明の酸化プラセオジム焼成ペ
レットが、還元剤であるプロピレンの存在下においても
NOを分解するが、必ずしも還元剤が反応に関与してい
ないことが示唆された。この点を更に明白にするため、
参考例14において、プロピレンの存在しない系でのN
O分解活性を測定した。
【参考例16】プロピレン非存在下におけるNO分解除
去活性の測定 常圧固定床流通式反応装置に、参考例7で得られた酸化
プラセオジム焼成ペレットを10g充填し、反応ガスを
流速6.67リットル/分、反応温度200〜500℃
で流通させ、触媒層の入口ガスおよび出口ガスを化学発
光式NOx計およびガスクロマトグラフを用いて分析し
た。反応ガスとしては、NO:1000ppm、O2
10%、H2O:10%、N2で希釈した混合ガスを用い
た。酸化プラセオジム焼成ペレットのプロピレン非存在
下におけるNO還元反応におけるNOの転化率の反応温
度依存性を〔表8〕に示した。
【表8】 〔表8〕の結果より、本発明の酸化プラセオジム焼成ペ
レットは、還元剤であるプロピレンが存在しない系にお
いても、NOを直接分解することが確認された。
【0040】
【参考例17】プロピレン非存在下におけるNO分解除
去活性の測定 参考例10で得られた酸化プラセオジムハニカム成形焼
成物を直径20mmφ、長さ30mmに切り、常圧固定
床流通式反応装置に充填し、参考例12と同じ条件でN
O転化率を求めた。酸化プラセオジムハニカム成形焼成
物のプロピレン非存在下におけるNO還元反応における
NOの転化率の反応温度依存性を〔表9〕に示した。
【表9】 〔表9〕より、参考例10で得られた酸化プラセオジム
ハニカム成形焼成物は、還元剤であるプロピレンが存在
しない条件下でも、NOを直接分解することが確認され
た。
【参考例18】特公昭48−32573号に記載されて
いる方法に従って、発酵液をアルカリ処理し、遠心分離
し、次いで、酸にて中和して、カードラン溶液を得た。
このカードラン溶液を脱塩濃縮し、スプレードライヤー
にて乾燥、濃縮して、カードランを得た。
【実施例1】塩基性炭酸コバルト(日本化学産業製:特
炭酸コバルト、Co含量44.6wt%,平均粒子
径:1.6μm)1400g(固形分)に、焼成剤とし
てベントナイト粉末(水澤化学工業(株)製 ベレクレ
イ)100g(固形分)及び木節粘土400g(固形
分)と、ガラス繊維(日本板硝子(株)製,マイクログ
ラスチョップドストランド(RES030))100g
とを加え、さらにカードラン(武田薬品工業(株)製、
Piopoly(商品名)−P)22.0gおよびヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(信越化学工業(製)メトロー
ズ、90SH100,000)67.0g、ポリエチレ
ングリコール(三洋化成工業(株)製、マクロゴール
6000)11.0gを加えこの混合物を卓上二軸混練
機で約1時間乾式混合した。次いで、この混合物に蒸留
水を水総量が580gとなるように加えて、減圧下(約
100〜700mmHg)に約1時間、混練した。この
混練において、混練機のジャケットには5℃の冷水を循
環させ、混練物を冷却した。このようにして得られた混
練物をポリエチレン袋に入れ、1日間、室温(約23
℃)で熟成した。次に、これを押出成形機(本田鉄工社
製DE−35型)を用いて、減圧下に混練して、成形用
塩基性炭酸コバルト組成物を得た。
【0041】
【実施例2】ハニカム成形用金型を押出成形機(本田鉄
工社製DE−35型)に装着し、これを用いて実施例1
で得られた成形用塩基性炭酸コバルト組成物を一辺30
mmの正方形でセル数300個/平方インチのハニカム
成形物に成形した。これを長さ5cmに切断して、電子
レンジで2分加熱し、その後、115℃の乾燥機内で約
2時間乾燥し、開口率63%の塩基性炭酸コバルトのハ
ニカム成形物を得た。
【実施例3】実施例2で得られた成形物を、電気炉に入
れ700℃で3時間焼成することにより、酸化コバルト
のハニカム焼成物を得た。X線回析パターンでは、四三
酸化コバルト(Co34)が確認された。
【実施例4】酸化コバルト(CoOおよびCo34の混
合物、日本化学産業製:酸化コバルト、Co含量72.
4wt%、平均粒子径:6.9μm)1400g(固形
分)に、焼成剤としてベントナイト粉末(水澤化学工業
(株)製 ベレクレイ)100g(固形分)及び木節粘
土400g(固形分)とガラス繊維(日本板硝子(株)
製、マイクログラスチョップドストランド(RES03
0))100gとを加え、さらにカードラン(武田薬品
工業(株)製、Piopoly(商品名)−P)22.0g及び
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業
(製)メトローズ、90SH100,000)67.0
g、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、
マクロゴール 6000)11.0gを加えこの混合物
を卓上二軸混練機で約1時間乾式混合した。次いで、こ
の混合物に蒸留水を水総量が620gとなるように加え
て、約5時間、混練した。この混練において、混練機の
ジャケットには5℃の冷水を循環させ、混練物を冷却し
た。このようにして得られた混練物をポリエチレン袋に
入れ、1日間、室温(約23℃)で熟成した。次に、こ
れを押出成形機(本田鉄工社製DE−35型)を用い
て、減圧下に混練して、成形用酸化コバルト組成物を得
た。
【0042】
【実施例5】ハニカム成形用金型を押出成形機(本田鉄
工社製DE−35型)に装着し、これを用いて実施例4
で得られた成形用酸化コバルト組成物を一辺30mmの
正方形でセル数300個/平方インチのハニカム成形物
に成形した。これを長さ5cmに切断して、電子レンジ
で2分加熱し、その後、115℃の乾燥機内で約2時間
乾燥し、開口率63%の酸化コバルトのハニカム成形物
を得た。
【実施例6】実施例5で得られた成形物を、電気炉に入
れ700℃で3時間焼成することにより、酸化コバルト
のハニカム焼成物を得た。X線回析パターンでは、四三
酸化コバルト(Co34)が確認された。
【実施例7】実施例4において、酸化コバルト(CoO
およびCo34の混合物、日本化学産業製:酸化コバル
ト、Co含量72.4wt%、平均粒子径:6.9μ
m)1400g(固形分)の代わりに、酸化コバルト
(CoOおよびCo34の混合物、日本化学産業製:酸
化コバルト、Co含量72.4wt%、平均粒子径:
6.9μm)700g(固形分)と工業用酸化プラセオ
ジム(ニッキ株式会社製、Pr611含量96.9wt
%)700gとを混合して得られる混合物を用いる以外
は、実施例4と同様の操作を行い、成形用酸化コバルト
/酸化プラセオジム組成物を得た。
【0043】
【実施例8】ハニカム成形用金型を押出成形機(本田鉄
工社製DE−35型)に装着し、これを用いて実施例7
で得られた成形用酸化コバルト/酸化プラセオジム組成
物を一辺30mmの正方形でセル数300個/平方イン
チのハニカム成形物に成形した。これを長さ5cmに切
断して、電子レンジで2分加熱し、その後、115℃の
乾燥機内で約2時間乾燥し、開口率63%の酸化コバル
ト/酸化プラセオジムのハニカム成形物を得た。
【実施例9】実施例8で得られた成形物を、電気炉に入
れ700℃で3時間焼成することにより、酸化コバルト
/酸化プラセオジムのハニカム焼成物を得た。
【実施例10】実施例4において、酸化コバルト(Co
OおよびCo34の混合物、日本化学産業製:酸化コバ
ルト、Co含量72.4wt%、平均粒子径:6.9μ
m)1400g(固形分)の代わりに、酸化コバルト
(CoOおよびCo34の混合物、日本化学産業製:酸
化コバルト、Co含量72.4wt%、平均粒子径:
6.9μm)700g(固形分)と酸化タリウム(Tl
23、和光純薬、特級)700gとを混合して得られる
混合物を用いる以外は、実施例4と同様の操作を行い、
成形用酸化コバルト/酸化タリウム組成物を得た。
【実施例11】ハニカム成形用金型を押出成形機(本田
鉄工社製DE−35型)に装着し、これを用いて実施例
10で得られた成形用酸化コバルト/酸化タリウム組成
物を一辺30mmの正方形でセル数300個/平方イン
チのハニカム成形物に成形した。これを長さ5cmに切
断して、電子レンジで2分加熱し、その後、115℃の
乾燥機内で約2時間乾燥し、開口率63%の酸化コバル
ト/酸化タリウムのハニカム成形物を得た。
【0044】
【実施例12】実施例11で得られた成形物を、電気炉
に入れ700℃で3時間焼成することにより、酸化コバ
ルト/酸化タリウムのハニカム焼成物を得た。
【試験例1】プロピレン非存在下におけるNO分解除去
活性の測定 実施例5で得られた酸化コバルトのハニカム成形物を、
400〜700℃の様々の温度で3時間焼成し、酸化コ
バルトハニカム成形焼成物を得た。この酸化コバルトハ
ニカム成形焼成物を直径20mmφ、長さ30mmに切
り、常圧固定流通式反応装置に充填し、参考例12と同
じ条件でNO転化率を求めた。各酸化コバルトハニカム
成形焼成物のNO還元反応におけるNOの転化率の反応
温度依存性を〔表10〕に示した。
【表10】 〔表10〕より、実施例5で得られた酸化コバルトのハ
ニカム成形物を焼成して得られた酸化コバルトハニカム
成形焼成物は、還元剤が存在しない条件でも、O2存在
下で、NOを直接分解することが確認された。
【試験例2】プロピレン非存在下におけるNO分解除去
活性の測定 実施例2で得られた炭酸コバルトハニカム成形物を、4
00〜700℃の様々の温度で3時間焼成し、酸化コバ
ルトハニカム成形焼成物を得た。参考例12と同様の方
法でNO転化率を求めた。各酸化コバルトハニカム成形
焼成物のNO還元反応におけるNOの転化率の反応温度
依存性を〔表11〕に示した。
【表11】 〔表11〕より、実施例2で得られた炭酸コバルトハニ
カム成形物を焼成して得られた酸化コバルトハニカム成
形焼成物、還元剤が存在しない条件でも、O2存在下
で、NOを直接分解することが確認された。
【0045】
【発明の効果】本発明における成形用酸化コバルト組成
物は、優れた可塑成形性を有し、例えば、押出成形によ
って、所要形状に成形することができ、これを乾燥し、
必要に応じて焼成することによって、強度及び寸法精度
に優れる酸化コバルト成形物や酸化コバルト成形焼成物
を得ることができる。本発明の酸化コバルト成形物およ
び酸化コバルト成形焼成物は、自動車、船舶、航空機、
コージェネレーションプラント、ボイラー等から排出さ
れる窒素酸化物の分解除去触媒として用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/74 ZAB 23/76 ZAB A 23/835 ZAB 35/02 ZAB A B01D 53/36 102 D 102 H B01J 23/82 ZAB A

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化コバルトおよび成形助剤を含有するこ
    とを特徴とする窒素酸化物の分解除去触媒。
  2. 【請求項2】酸化コバルトが、焼成することによってC
    34に変化する水不溶性コバルト化合物を焼成して得
    られる焼成物である請求項1記載の窒素酸化物の分解除
    去触媒。
  3. 【請求項3】焼成することによってCo34に変化する
    水不溶性コバルト化合物が水酸化コバルト、炭酸コバル
    ト、塩基性炭酸コバルト、シュウ酸コバルト、CoO、
    Co23およびCo34から成る群から選ばれる1種ま
    たは2種以上のものである請求項2記載の窒素酸化物の
    分解除去触媒。
  4. 【請求項4】酸化コバルトがCo34である請求項1記
    載の窒素酸化物の分解除去触媒。
  5. 【請求項5】成形助剤がβ−1,3−グルカン、粘土鉱
    物、無機質繊維、セルロース系化合物、多価ヒドロキシ
    化合物およびポリビニル重合体から成る群から選ばれる
    1種または2種以上のものである請求項1〜4記載の窒
    素酸化物の分解除去触媒。
  6. 【請求項6】さらにプラセオジムの酸化物および(また
    は)タリウムの酸化物を含有する請求項1〜5記載の窒
    素酸化物の分解除去触媒。
  7. 【請求項7】ハニカム構造物であることを特徴とする請
    求項1〜6記載の窒素酸化物の分解除去触媒。
  8. 【請求項8】窒素酸化物がNOである請求項1〜7記載
    の窒素酸化物の分解除去触媒。
  9. 【請求項9】還元剤の非存在下において窒素酸化物の分
    解除去することを特徴とする請求項1〜8記載の窒素酸
    化物の分解除去触媒。
  10. 【請求項10】請求項1〜7項記載の窒素酸化物の分解
    除去触媒を窒素酸化物に接触させることを特徴とする窒
    素酸化物の分解除去方法。
  11. 【請求項11】還元剤の非存在下において行うことを特
    徴とする請求項10記載の窒素酸化物の分解除去方法。
  12. 【請求項12】O2存在下で行うことを特徴とする請求
    項10または11記載の窒素酸化物の分解除去方法。
  13. 【請求項13】酸化コバルトおよび成形助剤を含有する
    ことを特徴とする成形用組成物。
  14. 【請求項14】酸化コバルトおよび成形助剤を含有する
    ことを特徴とする成形物。
  15. 【請求項15】焼成することによってCo34に変化す
    る水不溶性コバルト化合物および成形助剤を含有するこ
    とを特徴とする成形用組成物。
  16. 【請求項16】焼成することによってCo34に変化す
    る水不溶性コバルト化合物および成形助剤を含有するこ
    とを特徴とする成形物。
  17. 【請求項17】請求項14または16記載の成形助剤を
    焼成して得られることを特徴とする成形焼成物。
  18. 【請求項18】酸化コバルトおよび成形助剤を混合する
    ことを特徴とする請求項13記載の成形用組成物の製造
    法。
  19. 【請求項19】請求項13記載の成形組成物を押出成形
    することを特徴とする請求項14記載の成形物の製造
    法。
  20. 【請求項20】焼成することによってCo34に変化す
    る水不溶性コバルト化合物および成形助剤を混合するこ
    とを特徴とする請求項15記載の成形用組成物の製造
    法。
  21. 【請求項21】請求項15記載の成形組成物を押出成形
    することを特徴とする請求項16記載の成形物の製造
    法。
  22. 【請求項22】請求項14または16記載の成形物を焼
    成することを特徴とする請求項17記載の成形焼成物の
    製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115121256A (zh) * 2022-08-09 2022-09-30 石河子大学 一种负载型nh3-scr脱硝的光催化剂及其制备方法

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