JPH07222768A - 水崩壊性衛生材料 - Google Patents

水崩壊性衛生材料

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JPH07222768A
JPH07222768A JP6018426A JP1842694A JPH07222768A JP H07222768 A JPH07222768 A JP H07222768A JP 6018426 A JP6018426 A JP 6018426A JP 1842694 A JP1842694 A JP 1842694A JP H07222768 A JPH07222768 A JP H07222768A
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JP
Japan
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water
sheet
disintegrating
disintegratable
polyvinyl alcohol
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JP6018426A
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English (en)
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Masahiro Shigemitsu
正弘 重光
Mitsuru Endo
満 遠藤
Masako Shigemitsu
昌子 重光
Noriko Shigemitsu
紀子 重光
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 湿潤強度が大きく、廃棄時の水崩壊性を可能
とする。 【構成】 素材シート材料11に対して、グリセリン等
の脂肪族多価アルコール,若しくはこれらの混合物を3
0〜50重量部と、電解質を5〜10重量部と、平均重
合度300〜700,鹸化度87〜89モル%のポリビ
ニルアルコール20〜50重量部とを水100〜200
重量部にコロイド状に分散させたポリビニルアルコール
溶液12,及び脂肪酸アマイド0.1〜2.0%トルエ
ン溶液13を塗工して吸着させた40〜60g/m2
パルプ等からなる水崩壊性シート10′,10″を設け
ると共に、このシートを任意な量の高吸水性ポリマーを
含有する未処理のパルプ等からなる水崩壊性吸収シート
20の両面に重ね合わせて、一方のシートが身体に接触
する透過吸収性面,他方のシートが衣類等に固定する防
漏性面となる如くヒートシール成形して所要形状に形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水崩壊性衛生材料に関
し、更に詳しくは、特に人体から排泄される経血の吸
収,排尿等がなされた後に、廃棄処理のために水洗トイ
レットの放流水中に投入することで水崩壊させ、そのま
まで放流可能にした生理帯,紙おむつ等の水崩壊性衛生
材料に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の生理帯,紙おむつ等の
衛生材料に共通する基本構造として、従来の場合には、
例えば、厚さ20μm程度のポリエチレンフィルムによ
る下層側(衣類に接する側)の防漏性層の上に、パル
プ,又はパルプを主成分とする吸収性層を配置させると
共に、該吸収性層上にポリエチレン,又は他のポリマー
の繊維を用いた多孔質シートによる上層側(身体に接す
る側)の透過性層を重ねた多層構造が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記多
層構造による従来の衛生材料においては、中間の吸収性
層を挟む上層側,下層側に夫々配置される透過性層,防
漏性層の各素材が、共に水に対して非崩壊性であること
から、たとえ中間吸収性層としての素材自体が水崩壊性
であっても、該衛生材料の全体としては、水に対して非
崩壊性となり、その使用後に、水洗トイレットの放流水
中に投棄して放流させることは不可能である。
【0004】一方、このための対応策,つまり、前記透
過性層,防漏性層を水崩壊性にするための手段として、
該各層を構成する素材の一部にポリビニルアルコールを
使用することの提案がなされている。この提案には、
(a) 高価なキャスティング方式によるポリビニルアルコ
ールフィルムを防漏フィルムとして応用すること(該フ
ィルムが高価であることから、実際上,使用不可能),
(b) ポリビニルアルコール水溶液を耐水性に乏しい紙シ
ート面上に塗工すること(該塗工によって、実際上,紙
シートが截断されてしまう),(c) ポリビニルアルコー
ルを電解質によりゲル化させて全体の強度を向上させる
こと(ポリビニルアルコールが素材繊維に直接,吸着さ
れてしまい、水崩壊性を維持し得ない)等が挙げられる
が、何れも満足な品質を得られず、このために商品とし
ては、未だ市場に出現していない現況にある。
【0005】従って、現在においては、経血,尿等を含
んだ使用済みの衛生材料を通常の家庭ゴミと一緒に廃棄
処理している状況にあり、これが環境衛生上,大きな社
会問題となりつつある。
【0006】本発明は、このような従来の問題点を改善
するためになされたもので、その目的とするところは、
周囲環境に有害な影響を与える惧れがなく、廃棄時に容
易に水崩壊性となり、しかも生産性に優れて安価に提供
し得る生理帯,紙おむつ等の水崩壊性衛生材料を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段,及び作用】前記目的を達
成するために、本発明に係る水崩壊性衛生材料は、グリ
セリン,プロピレングリコール,又は平均分子量400
〜600のポリエチレングリコール等の脂肪族多価アル
コール,若しくはこれらの混合物を30〜50重量部
と、電解質を5〜10重量部と、平均重合度300〜7
00,鹸化度87〜89モル%のポリビニルアルコール
20〜50重量部を水100〜200重量部にコロイド
状に分散させたポリビニルアルコール溶液,及び脂肪酸
アマイド0.1〜2.0%トルエン溶液を塗工して吸着
させた40〜60g/m2 のパルプ,又は天然繊維,若
しくは合成繊維からなる水崩壊性シートを設けると共
に、該水崩壊性シートを任意な量の高吸水性ポリマーを
含有する未処理のパルプ,又は天然繊維,若しくは合成
繊維からなる水崩壊性吸収シートの両面に重ね合わせ
て、一方の水崩壊性シートが身体に接触する透過吸収性
面,他方の水崩壊性シートが衣類等に固定する防漏性面
となる如くヒートシール成形して所要形状に形成すると
共に、更に、該衣類等に固定する防漏性面の適所に粘着
剤を付着させ、且つ該粘着剤面に水崩壊性剥離紙を施し
て構成したことを特徴とするものである。
【0008】先にも述べたように、従来のこの種の生理
帯,紙おむつ等の水崩壊性衛生材料の場合には、衣類に
接する下層側の防漏性層と身体に接する上層側の多孔質
シートの透過性層との各素材の夫々が、共に水に対して
非崩壊性であるために、結果として、使用済み後に水洗
トイレットの放流水中に投棄しての放流が不可能であっ
た。
【0009】一般に、ポリビニルアルコールを水崩壊性
のパルプ,又は天然繊維,若しくは合成繊維シートの成
形に適用するのには、予め、これを必要量混合した水性
分散体を用いて成形させる手段があるが、この方法の場
合には、衛生材料としての強度保持のために、かなりの
量のポリビニルアルコールを添加する必要があり、シー
ト自体の湿潤強度が大きくなって使用時の強度こそ十分
ではあるが、良好な水崩壊性が得られない。又、予め、
ポリビニルアルコール・フィルムを調製してシート面に
貼り合わせる手段もあるが、この方法の場合には、該貼
り合わせ面が連続した平面となるので、経血,尿等の排
泄液体を殆んど透過することができないほかに、該ポリ
ビニルアルコール・フィルム自体の成形には、通常,キ
ャスティング方式を必要としていて価格が非常に高く、
ここでの衛生材料のような安価な商品に対しては経済的
に適用できず、更には、T−ダイ方式によるポリビニル
アルコール・フィルムの成形についても種々検討を重ね
たが、その成形性が非常に劣っており、到底,使用に耐
える満足なものが得られない。
【0010】しかしながら、一方でポリビニルアルコー
ルは、脂肪族多価アルコールと共々に Pseudomonas菌に
よって生分解されることから、環境上においても望まし
いポリマーの一つであり、本発明においては、これらの
素材を用い、使用時の水量,つまり、対象とする排泄液
体量が想定値程度であることを条件にして、該使用に十
分に耐え得る耐水性を有し、且つ水量の多い水洗トイレ
ットの放流水中に投棄することで、該水中で崩壊して放
流可能となるように、次の構成による水崩壊性衛生材料
を創案した。
【0011】即ち、本発明に係る水崩壊性衛生材料の構
成は、(A) 身体に直接接触させて違和感が少なく、排泄
される液体を透過し、且つ想定される排泄液体量程度で
は崩壊しない水崩壊性の透過性層,(B) 前記透過性層を
透過した排泄液体を吸収,且つ保持する水崩壊性の吸収
性層,及び(C) 前記吸収性層に吸収された排泄液体の漏
洩を防ぐ水崩壊性の防漏性層の夫々を主体部とし、該主
体部に対して、(D) 使用に際し、前記防漏性層側を衣類
等に固定するための粘着剤層,及び(E) 不使用時に前記
粘着剤層を覆い、且つ使用時に剥離して該粘着剤層を露
出させる水崩壊性の剥離層を夫々に配したものである。
【0012】而して、これらの各層は、付着面積が比較
的少なくて済む粘着剤層を除き、その全てが水崩壊性と
されており、且つ透過性層,及び防漏性層については、
使用に際して形状保持の可能な耐水性を有すると共に、
所要形状に形成させるための生産工程上,ヒートシール
成形が可能にされ、更に、吸収性層については、既存の
未処理パルプ,又は天然繊維,若しくは合成繊維からな
る材料自体が水崩壊性であって必要とされる液体吸収能
力が与えられていることから、そのまま使用可能である
が、要求される液体吸収能力に対応して適当量の高吸水
性ポリマーが添加されるもので、この構成によって前記
目的が十分に達成される。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る水崩壊性衛生材料の実施
例につき、図1を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例を適用した水崩
壊性衛生材料の概念を模式的に示す構成説明図である。
【0015】この図1に示す本実施例による水崩壊性衛
生材料(100)は、先にも述べた如く、以下の各部材
の積層によって構成される。即ち、本実施例の場合は、
透過性層,及び防漏性層を夫々に形成する水崩壊性シー
ト(10’),(10”)と、吸収性層を形成する水崩
壊性吸収シート(20)と、粘着剤層(30)と、それ
に、剥離層を形成する水崩壊性粘着剤剥離シート(4
0)とで構成される。
【0016】続いて、前記各部材の詳細について述べ
る。
【0017】前記透過性層を形成する水崩壊性シート
(10’),及び防漏性層を形成する水崩壊性シート
(10”)の各素材として、本実施例においては、40
〜60g/m2 のパルプ,又は天然繊維,若しくは合成
繊維からなる素材シート材料(11)を準備する。前記
素材シート材料(11)に対しては、先ず、所要の柔軟
性,及び使用時の耐水性を含む強度性,並びに使用後の
水崩壊性を与えるために、グリセリン,プロピレングリ
コール,又は平均分子量400〜600のポリエチレン
グリコール等の脂肪族多価アルコール,若しくはこれら
の混合物を30〜50重量部と、硫酸ソーダ,硫酸カ
リ,硫酸アルミニウム,くえん酸ソーダ,くえん酸カリ
等の電解質を5〜10重量部との夫々を含有する平均重
合度300〜700,鹸化度87〜89モル%のポリビ
ニルアルコール20〜50重量部を水100〜200重
量部にコロイド状に分散させたポリビニルアルコール溶
液(12)を塗工して吸着させ、次いで、疎水性を与え
るために、脂肪酸アマイド0.1〜2.0%トルエン溶
液(13)を塗工して吸着させる。
【0018】ここで、前記脂肪族多価アルコール,及び
電解質を夫々に含有するポリビニルアルコール溶液(1
2),及び脂肪酸アマイドトルエン溶液(13)を吸着
させた水崩壊性シート(10’),(10”)は、前者
のポリビニルアルコール溶液(12)の吸着によって、
素材自体が平均40〜60%の空隙率を有しており、該
空隙率は、既存の同種材料における約50%の空隙率と
略等しく、経血,尿等の排泄液体の透過,ならびに吸収
についても略同程度の能力があり、又、後者の脂肪酸ア
マイドトルエン溶液(13)の吸着によって、身体に接
触させたときの湿った不快感,違和感を減少させると共
に、吸収された排泄液体の水分が衣類等に浸透するのを
容易に防ぐことができ、併せて、150℃以上の温度で
加熱することによって所要形状へのヒートシール成形が
可能で、既存商品に適用されているポリエチレンネッ
ト,フィルムに代わり得る十分な特性を有すると共に、
ここでは生産工程の簡略化に資するところが頗る大であ
る。
【0019】一方、前記水崩壊性吸収シート(20)
は、既存のパルプ,又は天然繊維,若しくは合成繊維か
らなる未処理の吸収シート材料(21)であってよく、
該吸収シート材料(21)は、それ自体が水崩壊性であ
ると共に、必要とされる排泄液体の吸収,保持能力を十
分に有することから、そのままでの使用も可能ではある
が、ここでは、更に、要求される排泄液体の吸収,保持
能力に対応して適当量の高吸水性ポリマーを添加して用
いる。
【0020】而して、前記各水崩壊性シート(1
0’),(10”)は、前記水崩壊性吸収シート(2
0)の両面に重ね合わせた状態で、一方の水崩壊性シー
ト(10’)が身体に直接接触する透過吸収性面,他方
の水崩壊性シート(10”)が衣類等に固定する防漏性
面となる如く、所要形状にヒートシール成形されると共
に、該衣類等に固定する防漏性面側の適所に対して、所
要量,一般的には比較的少量の粘着剤(31)を付着さ
せて粘着剤層(30)とし、且つ該粘着剤層(30)の
表面には、水崩壊性剥離紙シート(40)を着脱,剥離
可能に施す。なお、この場合、前記粘着剤(31)につ
いては、その所要量が少量で済むために、水溶性,若し
くは水不溶性の何れであっても、特に、問題ではない。
【0021】又、前記水崩壊性剥離紙シート(40)と
しては、この場合、30〜60g/m2 の水崩壊性シー
ト(41)の表面側に対して、前記した脂肪酸アマイド
0.1〜2.0%トルエン溶液(11)を塗工して吸着
させると共に、平均重合度300〜700,鹸化度87
〜89モル%のポリビニルアルコール溶液(42)を1
0〜80g/m2 吸着させ、更に、その表面側に剥離用
シリコーン(43)の薄膜を1〜2g/m2 吸着させた
ものであってよい。
【0022】ここで、本実施例構成による水崩壊性衛生
材料(100)を使用するのには、先ず、水崩壊性剥離
紙シート(40)を剥離して粘着剤層(30)を露出さ
せるが、該剥離した水崩壊性剥離紙シート(40)は、
これを水洗トイレットの放流水中に投棄することで、水
溶性の脂肪族多価アルコール,この場合、脂肪酸アマイ
ドトルエン溶液(11)とポリビニルアルコール溶液
(42)とが水に溶解して、水不溶性の剥離用シリコー
ン(43)の薄膜が分離し、且つ水崩壊性シート(4
1)も水に溶解して夫々に放流可能となる。次いで、前
記露出された粘着剤層(30)の面を衣類面に押し付け
ることで固定して使用する。
【0023】この使用状態において、身体に直接接触す
る水崩壊性シート(10’)は、空隙率40〜60%で
あり、経血,尿等の水性排泄液体(50)がこの水崩壊
性シート(10’)を容易に透過するが、このとき、該
水崩壊性シート(10’)中でのポリビニルアルコール
溶液(12)に含まれる電解質が部分的に溶解し、これ
がポリビニルアルコールの溶解を防止して原形態を保持
する。一方、この水崩壊性シート(10’)の表面に
は、水不溶性で柔軟性のある脂肪酸アマイドトルエン溶
液(11)が薄膜となって施されているために、身体の
皮膚に直接接触する面の湿潤状態が少なく、使用者にと
って好ましい結果を与えることになる。
【0024】又、前記水崩壊性シート(10’)を透過
した経血,尿等の水性排泄液体(50)は、高吸水性ポ
リマーを含有する水崩壊性吸収シート(20)に吸収,
且つ保持される。ここで、一般に、高吸水性ポリマー
は、電解質を含有する水の吸収が、該ポリマー重量の5
0〜100倍であって、電解質を含まないときの1/1
0程度に低下する性質があるが、経血,尿等には、各種
の水溶性無機塩類,有機化合物が含まれていることか
ら、該電解質によって特に吸収能力が低下することはな
い。
【0025】更に、前記水崩壊性吸収シート(20)に
は、水性排泄液体に対する十分な吸収,保持能力が与え
られているが、全体として湿潤状態にあるので、水崩壊
性シート(10”)によって衣類側への漏洩が防止され
る。
【0026】そして、前記のようにして使用済みとなっ
た水崩壊性衛生材料(100)は、これを水洗トイレッ
トの大量の放流水中に投棄することにより、電解質水溶
液の濃度が5%以下に低下し、この結果、ポリビニルア
ルコール溶液(12)が水に溶解され、該材料全体が放
流水中に水崩壊して、そのままでの放流が可能になるの
である。
【0027】次に、本実施例を具体化した各別例につい
て述べる。
【0028】具体例1.先ず、平均重合度500,鹸化
度87モル%のポリビニルアルコール30重量部と、グ
リセリン30重量部と、水170重量部とからなる水溶
液に対して、無水硫酸ソーダ7gを分散,溶解させるこ
とによって、ポリビニルアルコールがコロイド状に析出
された溶液となる。次いで、該コロイド状ポリビニルア
ルコール分散体溶液をパルプシートに塗工してポリビニ
ルアルコール20g/m2 ,及びグリセリン20g/m
2 を吸着させる。
【0029】このようにして得たパルプシートは、グリ
セリンを多量に含有すると共に、電解質である無水硫酸
ソーダによってコロイド状に析出されたポリビニルアル
コールで表面がコートされているために、比較的少量の
水との共存では耐水性があって所要の使用時強度を有し
ており、且つ電解質濃度が5%程度以下となる比較的大
量の水中では、該水に溶解して崩壊可能な空隙率40〜
60%程度の経血,尿等の水性排泄液体を透過し得るも
のとなる。
【0030】又、前記ポリビニルアルコール,及びグリ
セリンを含有するパルプシートに対して、脂肪酸アマイ
ド0.1%トルエン溶液を塗工することにより、該パル
プシートに柔軟さと耐水性とが与えられ、比較的多量の
水中では、ポリビニルアルコールの溶解に伴い、脂肪酸
アマイドが薄いフィルム状の小片となって分離し、該水
中での崩壊,且つ放流が可能になる。
【0031】続いて、前記身体に直接接触する水崩壊性
シートと衣類等に固定する水崩壊性シートとの間に、所
要形状に裁断したアクリル系高吸水性ポリマー2%を含
有するパルプシートを挿入した上で、該各水崩壊性シー
トの周縁部相互をヒートシールして、いわゆる接着,裁
断処理する。
【0032】その後、前記衣類等に固定する水崩壊性シ
ートの所要面部分に少量の粘着剤を塗工,付着させ、該
粘着剤面には、水崩壊性剥離シートを施し、このように
して所期通りの水崩壊性衛生材料を得るのである。ここ
で、該水崩壊性剥離シートとしては、紙製等の水崩壊性
シートを用い、該シート表面に脂肪酸アマイド0.1%
トルエン溶液を塗工し、且つ平均重合度500,鹸化度
87モル%のポリビニルアルコール15%水溶液を塗
工,乾燥させて、ポリビニルアルコールを20g/m2
吸着させ、更に、剥離用シリコンポリマー7%トルエン
溶液を塗工し、且つ温度80〜90℃で10秒間加熱硬
化させたものである。
【0033】而して、前記積層構成による水崩壊性衛生
材料では、生理体,おむつとして使用したとき、経血,
尿等の排泄液体の吸収能力,防漏性,及び使用時の形状
保持能力,感触性等において満足し得る結果が得られ、
併せて、この水崩壊性衛生材料は、粘着面を覆う水崩壊
性剥離シートを含めて水崩壊性が良好で、使用済みの該
水崩壊性衛生材料を水洗トイレットの放流水中に投棄し
たとき、約5分間で水崩壊されて放流可能になった。
【0034】具体例2.前記具体例1において、脂肪族
多価アルコールとして、平均分子量400のポリエチレ
ングリコールをグリセリン30重量部に対し、更に5重
量部添加混合したところ、非常に柔軟なシートが得ら
れ、同時に、その湿潤強度もかなり向上することが確か
められた。
【0035】
【発明の効果】以上、実施例によって詳述したように、
本発明に係る水崩壊性衛生材料によれば、グリセリン,
プロピレングリコール,又は平均分子量400〜600
のポリエチレングリコール等の脂肪族多価アルコール,
若しくはこれらの混合物を30〜50重量部と、電解質
を5〜10重量部と、平均重合度300〜700,鹸化
度87〜89モル%のポリビニルアルコール20〜50
重量部とを水100〜200重量部にコロイド状に分散
させたポリビニルアルコール溶液,及び脂肪酸アマイド
0.1〜2.0%トルエン溶液を塗工して吸着させた4
0〜60g/m2のパルプ,又は天然繊維,若しくは合
成繊維からなる水崩壊性シートを設けると共に、該水崩
壊性シートを任意な量の高吸水性ポリマーを含有する未
処理のパルプ,又は天然繊維,若しくは合成繊維からな
る水崩壊性吸収シートの両面に重ね合わせて、一方の水
崩壊性シートが身体に接触する透過吸収性面,他方の水
崩壊性シートが衣類等に固定する防漏性面となる如くヒ
ートシール成形して所要形状に形成し、更に、該衣類等
に固定する防漏性面の適所に粘着剤を付着させ、且つ該
粘着剤面に水崩壊性剥離紙を施して構成したので、例え
ば、経血,尿等の排泄液体のための生理帯,おしめ等に
用い、使用時に十分な湿潤強度が得られると共に、使用
済み後における水洗トイレットの放流水等の水中に投
入,廃棄するときは、含浸された電解質濃度が5%以下
に低下した時点で、ポリビニルアルコールが溶解し、シ
ート自体が放流水中に崩壊して放流可能になるという優
れた特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を適用した水崩壊性衛生材料
の概念を模式的に示す構成説明図である。
【符号の説明】
100 水崩壊性衛生材料 10’,10” 水崩壊性衛生材料 11 素材シート材料 12 ポリビニルアルコール溶液 13 脂肪酸アマイドトルエン溶液 20 水崩壊性吸収シート 21 吸収シート材料 30 粘着剤層 31 粘着剤 40 水崩壊性粘着剤剥離シート 41 水崩壊性シート 42 ポリビニルアルコール溶液 43 剥離用シリコーン 50 経血,尿等の水性排泄液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 1/34 F

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセリン,プロピレングリコール,又
    は平均分子量400〜600のポリエチレングリコール
    等の脂肪族多価アルコール,若しくはこれらの混合物を
    30〜50重量部と、電解質を5〜10重量部と、平均
    重合度300〜700,鹸化度87〜89モル%のポリ
    ビニルアルコール20〜50重量部を水100〜200
    重量部にコロイド状に分散させたポリビニルアルコール
    溶液,及び脂肪酸アマイド0.1〜2.0%トルエン溶
    液を塗工して吸収させた40〜60g/m2 のパルプ,
    又は天然繊維,若しくは合成繊維からなる水崩壊性シー
    トを設けると共に、該水崩壊性シートを任意な量の高吸
    水性ポリマーを含有する未処理のパルプ,又は天然繊
    維,若しくは合成繊維からなる水崩壊性吸収シートの両
    面に重ね合わせて、一方の水崩壊性シートが身体に接触
    する透過吸収性面,他方の水崩壊性シートが衣類等に固
    定する防漏性面となる如くヒートシール成形して所要形
    状に形成すると共に、更に、該衣類等に固定する防漏性
    面の適所に粘着剤を付着させ、且つ該粘着剤面に水崩壊
    性剥離紙を施して構成したことを特徴とする水崩壊性衛
    生材料。
  2. 【請求項2】 前記各水崩壊性シートには、脂肪族多価
    アルコールを10〜80g/m2 ,電解質を2〜5g/
    2 ,及びポリビニルアルコールを10〜80g/m2
    夫々に吸着させたことを特徴とする請求項1に記載の水
    崩壊性衛生材料。
  3. 【請求項3】 前記各水崩壊性シートの身体に接触する
    透過吸収性面,及び衣類等に固定する防漏性面の各面に
    対して、脂肪酸アマイド0.1〜2.0%トルエン溶液
    を塗工して吸収させたことを特徴とする請求項1に記載
    の水崩壊性衛生材料。
  4. 【請求項4】 前記粘着剤面に施す水崩壊性剥離紙とし
    て、30〜60g/m2 の水崩壊性シートの表面側に対
    し、脂肪酸アマイド0.1〜2.0%トルエン溶液を塗
    工して吸着させると共に、平均重合度300〜700,
    鹸化度87〜89モル%のポリビニルアルコールを10
    〜80g/m2 吸着させ、更に、その表面側に剥離用シ
    リコーンを1〜2g/m2 吸着させたことを特徴とする
    請求項1に記載の水崩壊性衛生材料。
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