JPH07222570A - 濃厚だしの製造方法 - Google Patents

濃厚だしの製造方法

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JPH07222570A
JPH07222570A JP6035186A JP3518694A JPH07222570A JP H07222570 A JPH07222570 A JP H07222570A JP 6035186 A JP6035186 A JP 6035186A JP 3518694 A JP3518694 A JP 3518694A JP H07222570 A JPH07222570 A JP H07222570A
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JP
Japan
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extract
extraction
membrane
soup stock
concentrated
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JP6035186A
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English (en)
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Kotaro Nobuhara
弘太郎 延原
Toshio Furukawa
俊夫 古川
Akira Arai
晃 荒井
Hikotaka Hashimoto
彦尭 橋本
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Kikkoman Corp
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Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】香味のバランスがよく、清澄な濃厚だしを得
る。 【構成】節類に温水を接触させて呈味成分を含む抽出液
を得る。次いで抽出液と抽出残渣とに分離した後、抽出
残渣に温水を接触させて芳香成分を抽出する。芳香成分
を含む抽出液を、限外濾過膜により濾過して懸濁成分を
除去した後、得られた清澄な濾液を逆浸透膜により濃縮
する。該濃縮液を、呈味成分を含む抽出液と混合し濃厚
だしを得る。 【効果】本発明の方法で得られる濃厚だしは、だし液の
濃縮に逆浸透膜を用いるため、芳香成分の損失および変
質が少なく、香味のバランスがよい。また、限外濾過膜
により懸濁の原因物質を除去しているため、清澄であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は香味のバランスがよく、
清澄な濃厚だしの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カツオ節、宗田節、サバ節などの節類エ
キス分の抽出液、即ちだし液をつくるには、一般には節
類(重量)に対して20〜50倍量の熱湯を用いて抽出
する方法が最もよいとされている。しかしながら、だし
液そのものは量販性に欠け、また、各種調味料、加工食
品などにおいても、だし液そのものよりも、これを濃縮
したもの、すなわち濃厚だしが要求される傾向にある。
従来、節類より濃厚だしを得る方法としては、熱湯抽出
後単に加熱濃縮する方法、抽出液の芳香成分を精留塔に
より蒸発濃縮する方法などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単なる
加熱濃縮法は、濃縮の際に多量のエネルギーを消費する
上、大部分の芳香成分が飛散してしまうという問題点が
あり、また、蒸発濃縮法は、蒸発濃縮の際に芳香成分の
損失および変質が避けられないため、風味のよい濃厚だ
しを得ることが困難であるという問題点があった。ま
た、従来法では、だし液中に含まれる中高分子のペプチ
ド、ヌクレオチドおよび脂肪が沈殿し、だし液の濁りの
原因になるという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来法の
問題点を解決し、香味のバランスがよく、清澄な濃厚だ
しを効率よく製造する方法を提供するものである。即ち
本発明は、節類に温水を接触させてエキス分を抽出した
後、抽出液と抽出残渣とに分離する第1工程。第1工程
で得られる抽出残渣に、温水を接触させてエキス分を抽
出する第2工程。第2工程で得られる抽出液を、限外濾
過膜により濾過する第3工程。第3工程で得られる濾液
を、逆浸透膜により濃縮する第4工程。第4工程で得ら
れる濃縮液を、第1工程で得られる抽出液と混合する第
5工程。を含むことを特徴とする濃厚だしの製造方法で
ある。
【0005】本発明の節類としてはカツオ節、宗田節、
サバ節などの節類、あるいは削り節が使用される。第1
工程では、節類に温水を接触させて、主として呈味成分
を抽出する(ここで得られる抽出液を初期抽出液とい
う)。抽出方法としては、回分抽出法、向流多段式抽出
法、向流連続抽出法が挙げられ、特に向流多段式抽出法
および向流連続抽出法は、エキス分を効率的に抽出する
という点から好ましい。抽出は、粉砕した節類(重量)
に対し1〜10倍量、好ましくは1〜5倍量の温水を用
いて行なう。また、抽出温度は60〜100℃、特に8
0〜100℃であることが好ましい。
【0006】第2工程では、第1工程で得られる抽出残
渣に温水を接触させて、主として芳香成分を抽出する
(ここで得られる抽出液を後期抽出液という)。抽出
は、該抽出残渣(重量)に対し2〜50倍量、好ましく
は5〜20倍量の温水を用いて行なう。また、抽出温度
は60〜100℃、特に80〜100℃であることが好
ましい。なお、本発明の第1および第2工程における抽
出操作は、密閉下で行なうことが好ましく、こうするこ
とにより、抽出液の酸化褐変等の品質変化を防止すると
いう効果が奏される。
【0007】後期抽出液は、懸濁の原因物質である中高
分子のペプチド、ヌクレオチドおよび脂肪を含んでいる
ために濁度が高く、そのままではだし液として用いるこ
とができない。そこで第3工程では、該抽出液を、限外
濾過膜(UF膜)により濾過する。こうすることによっ
て、懸濁物質を除去して清澄なだし液を得ることができ
る。UF膜としては、例えば分画分子量5,000〜2
00,000MWのものが挙げられ、特に分画分子量1
0,000〜50,000MWのものは、上記の懸濁物
質を効率よく除去するという点から好ましい。分画分子
量がこの範囲より大きくなると、懸濁物質を除去するこ
とができず、一方小さくなると膜が目詰まりしやすくな
り、作業性が低下するという傾向がある。
【0008】そして、濾過圧力としては、2〜10Kg/c
m2・Gが適当であり、UF膜の形状としては、平膜状、中
空繊維状、スパイラル状等種類を問わず利用することが
できる。なお、本発明においては、第1工程で得られる
初期抽出液を、UF膜により濾過する工程を設けてもよ
い。UF膜としては、例えば分画分子量5,000〜2
00,000MWのものが挙げられ、特に分画分子量1
0,000〜50,000MWのものは、初期抽出液に
含まれる呈味成分に影響を与えずに懸濁物質を除去する
という点から好ましい。
【0009】さらに本発明においては、後期抽出液をプ
ロテアーゼ処理する工程を、第2工程と第3工程の間に
設けてもよい。本処理により、懸濁の原因物質である中
高分子のペプチドが加水分解され、より清澄なだし液が
得られるという効果が奏される。用いるプロテアーゼと
しては、市販のプロテアーゼ、例えばプロザイム6(天
野製薬)、プロテアーゼS(天野製薬)、サモアーゼ
(大和化成)、アクチナーゼAS(科研製薬)、あるい
はこれらの混合物が挙げられ、特にプロザイム6は、懸
濁した後期抽出液を清澄化する効果が優れている。本処
理にプロザイム6を用いる場合は、後期抽出液100m
lに対し、5〜500mgのプロテアーゼを加え、30
〜50℃で10〜120分間反応させた後、70〜10
0℃で1〜5分間加熱処理してプロテアーゼを失活させ
ることが好ましい。本処理で用いられるプロテアーゼ
は、第3工程のUF膜濾過により、後期抽出液から除去
される。
【0010】初期抽出液と、第3工程で得られる濾液と
を単に混合して得られるだし液は、風味が乏しく、また
量販性および簡便性に欠ける。そこで第4工程では、該
濾液を10〜30倍に濃縮し、芳香成分に富む濃縮物を
得る。濃縮方法としては、芳香成分の損失および変質を
防止するという点から、逆浸透膜(RO膜)を用いる方
法が採用される。このRO膜による濃縮方法としては公
知の手段が採用できるが、特に高阻止率と低阻止率のR
O膜を組み合わせた高濃度濃縮システムが好ましい(大
谷敏郎:化学工学,第57巻,12号,47〜52頁,1993
年)。該システムは、高阻止率のRO膜により濃縮対象
液の水だけを透過させて濃縮する第1ステージと、低阻
止率のRO膜により濃縮対象液の溶質を一部透過液側に
透過させ、濃縮液と透過液の浸透圧差を小さく保ちなが
ら濃縮する第2ステージからなる方法である。該システ
ムでは、第2ステージで生じる透過液を第1ステージに
返送し再循環するので、本システムの系外に流出する液
量を極力減少させることができる。該システムを用いる
ことにより、膜モジュールや濃縮装置への負担が少ない
操作圧力で、だし液を高濃度に濃縮できるという効果が
奏される。
【0011】本発明に該システムを用いる場合は、高阻
止率RO膜としては塩分阻止率90〜99.7%のもの
が、低阻止率RO膜としては塩分阻止率50〜70%の
ものが採用される。また、該システムの第1ステージで
生じる透過液は、本発明の第1工程および第2工程で用
いる抽出用温水の一部として再循環することが好まし
く、こうすることにより、節類エキス分の抽出効率を向
上させることができる。
【0012】第5工程では、第4工程で得られる濃縮液
を、初期抽出液と混合して、本発明の目的とする濃厚だ
しを得る。本発明の方法で得られる濃厚だしは、必要に
応じて精密濾過膜や限外濾過膜などによりさらに清澄化
してもよい。
【0013】
【発明の効果】本発明の方法で得られる濃厚だしは、だ
し液の濃縮に逆浸透膜を用いるため、芳香成分の損失お
よび変質が少なく、香味のバランスがよい。また、限外
濾過膜により懸濁の原因物質を除去しているため、清澄
である。
【0014】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に説明する。 (第1工程)粉砕したカツオ節(粒度20〜100メッ
シュ)700gを、温水ジャケットをとり付けて95℃
に保温したカラム(内径50mm、長さ500mm )に充
填した。次いで、カラム下部より95℃の温水を、流量
200ml/minにて6分間供給し、初期抽出液20
0ml(全窒素濃度2.02%、濁度7.0ppm)を
得た。
【0015】(第2工程)さらに温水を40分間供給
し、後期抽出液7800ml(全窒素濃度0.26%、
濁度259ppm)を得た。 (第3工程)後期抽出液をUF膜(平膜限外濾過膜;日
東電工社製NTU-2120、膜面積44.2cm2、分画分子量
20,000MW)により圧力2.0Kg/cm2・G、流量9
00ml/minの割合で濾過し、清澄な濾液7750
ml(濁度2.2ppm)を得た。
【0016】(第4工程) 第1ステージ:該濾液を、高阻止率のRO膜(平膜逆浸
透膜;日東電工社製NTR-759HR、膜面積44.2cm2、塩
分阻止率99.5%)を装着したマグネチックスターラ
ー付きバッチテスト機により圧力30Kg/cm2・G、流量1
60ml/minの割合で約5倍に濃縮し、濃縮液14
50mlを得た。なお、第1ステージで生じた透過液
は、第1および第2工程で用いる抽出用温水の一部とし
て再循環させた。 第2ステージ:該濃縮液を、低阻止率のRO膜(平膜逆
浸透膜;日東電工社製NTR-7450、膜面積44.2cm2
塩分阻止率50.0%)を装着したマグネチックスター
ラー付きバッチテスト機により圧力30Kg/cm2・G、流量
1.4L/minの割合で約3倍に濃縮した。透過液を
第1ステージに再循環しながら濃縮を行ない、濃縮液の
全窒素濃度2.27%、液量500mlとなった時点で
本操作を終了させた。
【0017】(第5工程)第4工程で得られた濃縮液5
00mlを、初期抽出液200mlと混合して、濃厚だ
し700ml(全窒素濃度2.15%、濁度12.0p
pm)を得た。上記のようにして得た本発明の濃厚だし
について、官能検査を行った。その結果を表1に示す。
なお、評価方法は、下記のように調製したそばつゆを、
そばにつけて食し、熟練したパネル20名による3点識
別嗜好試験法により評価した。
【0018】(1)そばつゆ用だしの調製 本発明の濃厚だし700mlを20倍に希釈し、14
Lのだし液(本発明のだし、全窒素濃度0.10%)を
得た。 粉砕したカツオ節(粒度20〜100メッシュ)70
0gを、95℃の温水15Lを加えて10分間抽出し、
14Lのだし液(対照液、全窒素濃度0.09%)を得
た。 (2)そばつゆの調製 上記またはのだし300mlと、かえし(うすくち
醤油180ml、みりん18g、上白糖37.5gを混
合して調製)100mlを混合して調製した。
【0019】
【0020】識別試験の正解者は18人。そのうち、本
発明のだしを好ましいとしたのは13人。対照液を好ま
しいとしたのは5人であった。
【0020】上記の結果から、本発明の濃厚だしは、対
照だしより有意に好まれることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 彦尭 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の5工程を含む濃厚だしの製造法。節
    類に温水を接触させてエキス分を抽出した後、抽出液と
    抽出残渣とに分離する第1工程。第1工程で得られる抽
    出残渣に、温水を接触させてエキス分を抽出する第2工
    程。第2工程で得られる抽出液を、限外濾過膜により濾
    過する第3工程。第3工程で得られる濾液を、逆浸透膜
    により濃縮する第4工程。第4工程で得られる濃縮液
    を、第1工程で得られる抽出液と混合する第5工程。
  2. 【請求項2】 次の5工程を含む濃厚だしの製造法。節
    類に、1〜10倍量の60〜100℃の温水を接触させ
    てエキス分を抽出した後、抽出液と抽出残渣とに分離す
    る第1工程。第1工程で得られる抽出残渣に、2〜50
    倍量の60〜100℃の温水を接触させてエキス分を抽
    出する第2工程。第2工程で得られる抽出液を、限外濾
    過膜により濾過する第3工程。第3工程で得られる濾液
    を、逆浸透膜により10〜30倍に濃縮する第4工程。
    第4工程で得られる濃縮液を、第1工程で得られる抽出
    液と混合する第5工程。
JP6035186A 1994-02-09 1994-02-09 濃厚だしの製造方法 Pending JPH07222570A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003092996A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Yaizu Suisankagaku Industry Co Ltd イミダゾールジペプチド類含有組成物の製造方法
WO2006098708A3 (en) * 2004-01-30 2007-02-15 Conagra Foods Food Ingredients Process for producing a low fat, concentrated meat broth from meat by-products

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