JPH0722226U - 焼却炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】水冷式の金属製の炉体を有する焼却炉に於い
て、冷却水を合理的に使用する。 【構成】炉本体部１１と、中空体に形成した燃焼物投入
口用扉体１２並びに灰出し口用扉体１３にそれぞれ独立
した自動給水機構並び蒸気逃し部を形成し、更に炉本体
部と煙突部３との間に水室２１及び邪魔板部２３を設け
た空気清浄部２を介設し、特に煙突部に冷却水の蒸気逃
げ部１１５を連結して、煤塵を水室２１に滴下させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は水冷式の金属製の炉体を有する焼却炉に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

焼却炉は、高熱に晒されるため相応の耐熱製を具備する必要があり、耐熱煉瓦 で形成するのが一般的であるが、金属板で形成する場合には、炉体保護のため二 重構造として水冷式が採用されている。

【０００３】 この水冷式の焼却炉は、炉壁構成部材内に注水しておき、炉壁の温度上昇を防 止するもので、適宜な給水機構と、内部の水が沸騰した場合の対策として適宜な 蒸気逃がし構造を採用している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従前の水冷式の焼却炉は、主として炉本体は二重構造としてしてい るが、燃焼物の投入口や灰だし口の扉体は相応に小さく形成して、水冷を採用し ない場合もあるが、扉体を小さくすると燃焼物投入や灰の取り出し等の作業に不 便であり、逆に扉体を大きくすると、水冷が必要となる。そこで、扉体等の水冷 を実施する場合、各炉壁部材は適宜な配管で連通し、一箇所からの給水で全ての 炉壁部材への注水が実現するようにしている。

【０００５】 然し各炉壁部材が連通状態とするには、所定の配管が必要であるが、水の流れ も蒸気の流れも全てこの配管によって行われ、配管途中での僅かなつまりが大き な事故を引き起こす虞がある。

【０００６】 そこで本考案は、各炉壁部材を各別の給水と蒸気逃がしを採用すると共に、各 炉壁部材の特徴に対応したの特徴に応じた蒸気逃がし構造を採用した新規な焼却 炉を提案したものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る焼却炉は、二重構造の炉本体部と、中空体に形成した燃焼物投入 口用の扉体並びに灰出し口用の扉体にそれぞれ独立した自動給水機構を付設し、 炉本体部には煙突と連通した蒸気逃げ部を設け、燃焼物投入口用扉体には扁平に して長い通路を内装した放熱機構付きの蒸気逃がし部を付設し、灰出し口用扉体 に蒸気逃がし部を付設してなることを特徴とするものである。

【０００８】 また炉体と、炉本体部の排煙筒部の周囲に自動給水機構を付設した水室を形成 し、前記排煙筒部出口に邪魔板部を設け、邪魔板部の上部背後で煙突と連通せし めてなる排煙清浄部を付設したものである。

【０００９】

【作用】

炉本体部及び各扉体はそれぞれ独自の自動給水機構によって注水され、焼却稼 働時の各冷却水の温度上昇による蒸気の内、炉体下部の灰出し口用扉体は、温度 上昇が甚だしくなく、沸騰状態に至ることは稀であるので、単に蒸気を外気に放 出できれば良く、また燃焼物投入口用扉体は、高温に晒されるので、適宜な放熱 機構によって高温状態での大気放出を防止し、更に炉本体部は固定状態で煙突と 連通する配管が容易に実施でき、且つ大量の蒸気を発生するものであるから、そ の蒸気は煙突内に放出することで、煤煙除去の効果を有する。

【００１０】 また排煙清浄部では炉本体からの排煙が邪魔板に当たって水室水面に吹き付け られた後に煙突に排出されるので、排煙内の煤塵が水面に吸着され、排煙の清浄 化がなされる。

【００１１】

【実施例】

次に本考案の実施例について説明する。 実施例に示した焼却炉は、ステンレス鋼等の金属板で形成されたもので、炉体 １と、排煙清浄部２と、煙突部３とで構成される。 炉体１は、炉本体部１１と燃焼物投入口用扉体１２と、灰出し口用扉体１３と 給水配管１４からなり、炉本体部１１は内部の燃焼室１１１を囲繞する内外壁面 を具備した二重構造体で、壁面の上方部分に燃焼物投入口を、下方部分に灰出し 口をそれぞれ設け、上部面部分には少し広い水室部１１２とし、前記水室部水面 が一定に保持される周知のフロート弁機構を内蔵した給水機構部１１３を付設し 、燃焼室１１１の上部に排煙清浄部２と連通する排煙筒部１１４設けると共に、 水室部１１２の上部に煙突部３と連通する蒸気逃げ部１１５を設けてなる。又冷 却水の他の転用の為の給湯口１１６や空気供給口１１７を設けておく。

【００１２】 燃焼物投入口用扉体１２は、燃焼物投入口を開閉する構造とした中空体で、中 空内部に冷却水を充填すると共に、常に所定水位を保つように自動給水機構部１ ２１を付設し、且つ上部には蒸気逃がし部１２２を設けたもので、この蒸気逃し 部１２２は、扁平にして且つ内部に交互に食い違わせた仕切板を内設して長い通 路を形成したものである。

【００１３】 灰出し口用扉体１３は、前記の燃焼物投入口用扉体１２と同様に中空体で、自 動給水機構部１３１を付設して常に一定の推移を維持するようにし、且つ上部に 外気と連通する蒸気逃げ部１３２を設けてなる。

【００１４】 排煙清浄部２は、炉体１の上部に設けたもので、前記排煙筒部１１４を覆うよ うに水室２１を形成すると共に、給水配管１４と連結し、水室２１内の水面が排 煙筒部１１４の出口より低く維持されるようにした自動給水機構部２２を付設し 、且つ水室２１内の排煙筒部１１４の出口に邪魔板部２３を設け、邪魔板部２３ の上部背後で煙突部３と連通せしめてなる。また水室２１内が所定の水位以上と とならないように適宜なドレン管２４を水室２１を付設してなる。

【００１５】 煙突部３は、所定の排煙効果を具備する長さに形成したもので、出口近傍に網 体３１を張設してなる。

【００１６】 前記焼却炉は、廃材を焼却処理するもので、焼却時は予め炉体の各部（炉本体 部１１，扉体１２，１３）並びに排煙清浄部２の水室２１内にそれぞれ所定の給 水を実施し、しかる後廃材の焼却を行うもので、焼却に際して炉本体部１１及び 各扉体１２，１３内の冷却水は燃焼程度に応じて暖められるものであるが、灰出 し口用扉体１３内の冷却水は、温度上昇の程度は低く、沸騰状態に至ることは稀 で、蒸気逃げ部１３２から湯気が立ち上る程度である。また燃焼物投入口用扉体 １２内の冷却水は、高温となり多くの湯気を発生するが、蒸気逃し部１２２の長 い通路を通過して入る途中に放熱して結露し、扉体１２に戻るので、冷却水の消 費を少なくできる。

【００１７】 炉本体部１１の蒸気逃し構造は、排煙清浄部２の構成と相まって排煙の清浄化 を行うもので、水室部１１２内からの蒸気は、蒸気逃し部１１５から煙突部３に 導かれる。一方排煙は、排煙筒部１１４から水室２１内の邪魔板部２３に当たっ て水室水面に吹き付けられ、排煙内の煤塵の一部が水室２１の水面に吸着され、 排煙の清浄化がなされて煙突部３に排出される。更に煙突部３では、前記の通り 蒸気逃し部１１５から炉本体部１１の冷却作用によって得られた蒸気が供給され るので、蒸気は煤煙中の煤塵に吸着して結露するものであるから、煤塵を含んで 邪魔板部２３上に落下するか或は煙突部３の壁面に伝わって落下し、何れも水室 ２１に滴下することになる。

【００１８】 このように煤煙は、水室２３での清浄化と、冷却水の蒸気による清浄化の二段 処理がなされることになり、より確実で効果滴な煤煙清浄が行われるものである 。

【００１９】 また水室２１内の清浄化水が汚濁した場合は、強制給水を行うと、汚濁水はド レン管２４から排出される。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように、本考案は炉体構成部材について各独自の給水並びに蒸気逃し構 造を採用し、且つ排煙路に排煙清浄部を介設したもので、冷却水の効率的使用並 びに焼却稼働時の煤煙清浄化を実現したものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の全体外観図。

【図２】同要部（炉本体、排煙清浄部）断面図。

【図３】同要部（扉体）断面図。

【図４】同扉体の蒸気逃し部の断面図。

【図５】同Ａ−Ａ線断面図。

【符号の説明】

１ 炉体 １１ 炉本体部 １１２ 水室部 １１３ 自動給水機構部 １１４ 排煙筒部 １１５ 蒸気逃し部 １２ 燃焼物投入口用扉体 １２１ 自動給水機構部 １２２ 蒸気逃し部 １３ 灰出し口用扉体 １３１ 自動給水機構部 １３２ 蒸気逃し部 ２ 排煙清浄部 ２１ 水室 ２２ 自動給水機構部 ２３ 邪魔板部 ３ 煙突部 ３１ 網体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０９Ｂ 3/00

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 二重構造の炉本体部の適宜な上方部分に
   燃焼物投入口を、下方部分に灰出口をそれぞれ設けると
   共に、前記投入口及び灰出し口に中空体に形成した扉体
   を取り付け、炉本体部及び各扉体にそれぞれ独立した自
   動給水機構を付設し、炉本体部には煙突と連通した蒸気
   逃げ部を設け、燃焼物投入口用扉体には扁平にして長い
   通路を内装した放熱機構付きの蒸気逃がし部を付設し、
   灰出し口用扉体に蒸気逃がし部を付設してなる炉体と、
   炉本体部の排煙筒部の周囲に自動給水機構を付設した水
   室を形成し、前記排煙筒部出口に邪魔板部を設け、邪魔
   板部の上部背後で煙突と連通せしめてなる排煙清浄部
   と、所定の排煙効果を具備すると共に出口近傍に網体を
   張設した煙突部とで構成したことを特徴とする焼却炉。