JPH072211Y2 - 熱転写記録装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、熱転写記録装置、殊に熱転写材を供給側ロー
ルと巻取側ロールとの間に張設して収納した熱転写材収
納のカセットを装着し、熱転写材を熱転写に供する型式
の熱転写記録装置に関するもので、例えばパーソナルコ
ンピュータのグラフィックプリントに利用される。

（従来の技術） この種の熱転写記録装置に合成樹脂製の熱転写材収納カ
セットを装着して用いることが特開昭60-27580号公報で
知られている。これに開示のものは、熱転写材収納のカ
セットを着脱するのに、その熱転写材の巻取側のロール
からそれを駆動する熱転写材の巻取機構の連結を手操作
で解除させるようになっている。

（考案が解決しようとする問題点） 熱転写材を収納したカセットの使用で、熱転写材の装
着、取出しの作業が簡略化し、カセットを合成樹脂製と
することで軽量化、低コスト化が計れる。しかし、前記
のようにカセットを着脱するのに、巻取側ロールと巻取
機構とをいちいち手操作で連結解除させるのではまだ不
便である。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記のような問題点を解決するために、熱転写
材を収納するカセットが着脱自在に装着されるカセット
装着部と、カセット装着部に装着されたカセット内の熱
転写材巻取側ロールを駆動するための巻取手段と、サー
マルヘッドとプラテンとの圧接解除動作に応動して前記
巻取手段を非連結位置と連結位置との間で移動させる連
結手段とを備えたことを特徴とするものである。

（作用） 転写材収納のカセットをカセット装着部に着脱する際、
その着脱に先立ちサーマルヘッドとプラテンとの圧接が
解除される。そのときの解除動作に連結手段が応動し、
巻取手段を巻取側ロールとの連結位置から非連結位置に
自動的に移動させる。このためカセットの着脱を特別な
操作なく巻取手段の影響なしに行わせることができる。
またサーマルヘッドとプラテンとの圧接閉止動作に連結
手段が応動し、巻取手段を装着されるカセットの巻取側
ロールとの連結位置に移動させる。これによりカセット
を装着した後のサーマルヘッドとプラテンとの圧接閉止
動作だけで特別な操作なく熱転写材の巻取を自動的に可
能とすることができる。

（実施例） 図に示す本考案の実施例について説明すれば、第１図に
示すように本体ケース１の底板２上にカセット装着部３
が設けられている。カセット装着部３は基板４の上に熱
転写材７を収納しているカセット８を受入れ、モルトプ
レーン５や後部位置決め用のブロック６で着脱自在に受
止めるようになっている。

カセット８は合成樹脂製で、前後に供給側ロール９およ
び巻取側ロール10を第１図や第２図等に示すように遊び
Ｓを持って保持しており、供給側ロール９に巻かれた熱
転写材７はその先端を巻取側ロール10に接着テープ11に
より連結され、両ロール９、10間で熱転写に供されるよ
うになっている。この熱転写のためにカセット８の天板
および底板には窓12、13が開設され、カセット装着部３
の基板４上のモルトプレーン５とブロック６との間に装
着されるカセット８内を窓12、13を通じて底板側から天
板上に突き抜けるサーマルヘッド14部が設けられてい
る。

サーマルヘッド14は装着されたカセット８内の熱転写材
７を両ロール９、10間で持ち上げる形で第１図のように
カセット８の天板上へ押し上げ、本体ケース１内の上部
に設けられたペーパーフィーダ15のプラテン16に圧接さ
せるようになっている。この圧接部で熱転写材７を用い
た用紙17への熱転写がサーマルヘッド14によって行われ
る。

ペーパーフィーダ15は後部ヒンジ18を中心に第１図のサ
ーマルヘッド14とプラテン16とが圧接した状態の作用位
置と、その位置から本体ケース１の上部開口19を通じて
上方へ回動してサーマルヘッド14とプラテン16とが離隔
した状態のカセット装着部３からの退避位置とに回動で
きるようにされている。ペーパーフィーダ15はプラテン
16の上部にプラテン16と同期駆動されるトラクタフィー
ダ20を有し、用紙17を第１図矢印のようにプラテン16部
に送り込み、またプラテン16部から送り出すようになっ
ている。21はペーパーフィーダ15の駆動モータ、22は位
置センサである。ペーパーフィーダ15の上部には用紙ガ
イド板23が装着されている。用紙ガイド板23はその先端
折曲部23aがペーパーフィーダ15の軸24に着脱自在に掛
止し、後端部23bを本体ケース１の天板後部に載せてい
るだけで、それ自体は軸24を中心に回動でき、ペーパー
フィーダ15の前記位置変換に追随するし、着脱も自在な
ようになっている。

本体ケース１の開口19のペーパーフィーダ15設置部より
前側の部分には着脱自在な前カバー25が設けられ、前カ
バー25の取外しとペーパーフィーダ15の退避位置への回
動でカセット収納部３の全体が開口19へオープンし、カ
セット８を簡単に着脱できるようになっている。

本体ケース１内の基板４上には、第２図、第３図に示す
ように装着されるカセット８の巻取側ロール10の両端に
対応する巻取手段26と、供給側ロール９の両端部に対応
する位置出しブロック27と、ペーパーフィーダ15の閉じ
動作に応動して巻取手段26を巻取側ロール10に連結させ
る連結手段28とが設けられている。

巻取手段26は、装着されるカセット８の巻取側ロール10
の各端部とほぼ同一軸線上で対向する位置に設けられた
位置出し駆動用のヘッド31、32を有している。各ヘッド
31、32は、第３図、第４図、第５図に示すように基板５
の側壁に突設した軸33上に回転および軸方向移動可能な
よう保持され、軸33との間に働かせたばね34によって常
時第５図の巻取側ロール10と連結可能な進出位置にある
ように付勢されている。

連結手段28は、各ヘッド31、32とプラテン16を有するペ
ーパーフィーダ15とをワイヤ51により連結したもので、
ワイヤ51は途中プーリ52、53で案内して張設され、ペー
パーフィーダ15が退避位置に開かれるときの動作に応動
してヘッド31、32をばね34に抗し第４図に示すように後
退させて巻取側ロール10との連結を解除させる。この状
態で各ヘッド31、32は着脱されるカセット８と干渉しな
いようになっている。

これと反対にペーパーフィーダ15が作用位置に閉じられ
るとワイヤ51はヘッド31、32に対する引っ張り力を解除
するので、ヘッド31、32はばね34の付勢によって巻取側
ロール10との連結位置に復帰される。このときヘッド3
1、32は自身の雄テーパ面31b、32bを装着されたカセッ
ト８の巻取側ロール10の端部の雌テーパ面10aに自身の
ばね性を利用して圧着させる。

この圧着によって巻取側ロール10を基板４上にカセット
８とは無関係に位置決めし、必要な位置出しをカセット
８の装着に連動して自動的に行い、かつ一方のヘッド31
に与えるモータ37からの駆動力を伝達できるようになっ
ている。そしてペーパーフィーダ15の作用位置への閉じ
状態はロックすることで保たれるようになっている。

以上によってペーパーフィーダ15を退避位置に開くだけ
で特別な操作なしにカセット８の着脱が自在になり、ペ
ーパーフィーダ15が作用位置に閉じられるだけで特別な
操作なしに装着されているカセット８の巻取側ロール10
を駆動して熱転写材の巻取りを可能にすることができ
る。

ヘッド31から巻取側ロール10への駆動力伝達が確実であ
るように、雌テーパ面31bとそれが圧着する雌テーパ面1
0aとに互いに係合し合う係合凹凸31c、10bが第４図に示
すように形成されている。これらはカセット８の装着時
の自動圧着時に確実に係合し合わなくても、ヘッド31に
駆動力が掛かって回動し始めて巻取側ロール10と滑り回
転するときに確実に係合し合うので問題はない。

モータ37からヘッド31への駆動力伝達は、第２図のよう
に摩擦クラッチ38を介した歯車列39によって行われ、熱
転写材７を損傷させるほどの駆動力は伝達しないように
なっている。

位置出しブロック27は、カセット８を基板上に受ける前
記ブロック６と一体に形成され、隙間40を持って配した
立設壁41、41に、装着されるカセット８の供給側ロール
９の端部を回転自在に受けるＶ字形軸受部41aを有し、
この軸受部41aで供給側ロール９の両端部を受けること
でカセット８とは無関係に供給側ロール９を基板４上で
正確に芯出しし、巻取側ロール10との平行度を出す。

また供給側ロール９の一端部には位置出しフランジ9aが
一体的に設けられており、これがカセット８の装着時前
記立設壁41間の隙間40に嵌め込むことによって供給側ロ
ール９の軸線方向位置を基板４上で規制し、基板４上で
巻取手段26の各ヘッド31、32が両端に圧着して軸線方向
位置を規制される巻取側ロール10と、軸線方向位置も正
確に合される。

これによって、巻取側ロール10が回転駆動されると供給
側ロール９に巻かれている熱転写材７は、蛇行したりシ
ワを生じたりすることなく巻取側ロール10へ移行し、定
位置でしかもシワなしで熱転写に供されるとともに、巻
取側ロールの定位置に巻取られる。

位置出しフランジ9aは隙間40に嵌り込みやすいように山
形の断面形状とされている。

なお、本考案は前記実施例に限定されるものではなく本
考案の効果を発揮し得る範囲で種々の態様で実施するこ
とができる。例えば駆動用ヘッドは非連結位置に向けバ
ネで付勢しておき、ペッパーフィーダの開閉に応動させ
られるようにすることができる。また供給側ロール９の
芯出し用軸受部41aの軸受形状はＶ字形に限るものでは
ないし、軸方向位置も両端からの挟み規制によって行う
こともできる。同様に巻取手段26や連結手段28も具体的
構造は種々に変形設計することができる。

（考案の効果） 本考案によれば、前記構成および作用を有するので、カ
セットの着脱に巻取手段との連結解除の手操作が不要と
なりカセット着脱の作業が単純化する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の縦断側面図、第
２図はカセット装着部の横断平面図、第３図は巻取側ロ
ール駆動部の縦断面図、第４図、第５図は巻取側ロール
と巻取手段と連結手段とのペーパーフィーダの開閉に伴
う動作状態を示す断面図である。 ７……熱転写材 ８……カセット ９……供給側ロール 10……巻取側ロール 14……サーマルヘッド 16……プラテン 26……巻取手段 28……連結手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】熱転写材を収納するカセットが着脱自在に
   装着されるカセット装着部と、 カセット装着部に装着されたカセット内の熱転写材巻取
   側ロールを駆動するための巻取手段と、 サーマルヘッドとプラテンとの圧接解除動作に応動して
   前記巻取手段を非連結位置と連結位置との間で移動させ
   る連結手段と を備えたことを特徴とする熱転写記録装置。