JPH07220618A - 含浸形カソ−ド構体及びその製造方法 - Google Patents

含浸形カソ−ド構体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07220618A
JPH07220618A JP1289194A JP1289194A JPH07220618A JP H07220618 A JPH07220618 A JP H07220618A JP 1289194 A JP1289194 A JP 1289194A JP 1289194 A JP1289194 A JP 1289194A JP H07220618 A JPH07220618 A JP H07220618A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
impregnated
metal
pellet
porous substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1289194A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikumitsu Nonaka
育光 野中
Hiroshi Takakura
博 高倉
Nobuyuki Koganezawa
信之 小金沢
Tomohide Shibata
倫秀 柴田
Yoshiharu Takeda
義治 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP1289194A priority Critical patent/JPH07220618A/ja
Publication of JPH07220618A publication Critical patent/JPH07220618A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Solid Thermionic Cathode (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 初期電流特性だけでなく、高密度電流下で長
時間使用したとしても、安定で良好な電子放出特性と高
い信頼性を持った含浸形カソ−ド構体の提供。 【構成】 酸化バリウム(BaO)を含有した多元酸化
物からなる電子放出物質12Bを含浸させた高融点金属
多孔質基体12Aと、高融点金属多孔質基体12Aの電
子放出面上に被着されたルテニウム(Ru)、オスミウ
ム(Os)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)
のグル−プの中から選ばれた少なくとも2種以上の金属
からなる合金被覆膜12Cとを備えたカソ−ドペレット
12、及び、高融点金属スリ−ブ15に内包されたカソ
ードペレット加熱用ヒ−タ19を有する含浸形カソ−ド
構体において、カソ−ドペレット12の電子放出面上に
被着された合金覆被膜12C中に含まれるカリウム
(K)の総含有量を0.5重量%以内にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含浸形カソ−ド構体及
びその製造方法に係わり、特に、投写型ブラウン管やテ
レビジョン用カラ−ブラウン管等のような高輝度、高性
能、高信頼性を有する陰極線管に用いられる含浸形カソ
−ド構体及び前記含浸形カソ−ド構体を用いた陰極線
管、更にはその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管、特に、高輝度で、高
精細な画像を表示させる高性能投写型ブラウン管やテレ
ビジョン用の大型カラ−ブラウン管においては、使用開
始当初は勿論のこと長期間経過しても、高輝度の表示画
像が安定して得られることが要求されている。このよう
な要求に対し、近年、陰極線管においては、各部に種々
の改良が施されるようになり、とりわけ、電子線流を発
生させるカソードについては、10A/cm2前後の高
密度電流を流すことが可能で、かつ、長寿命高信頼特性
を持った含浸形カソ−ド構体が注目を集めている。
【0003】ところで、この含浸形カソ−ド構体は、酸
化バリウム(BaO)を含有した多元酸化物からなる電
子放出物質を含浸させた高融点金属多孔質基体(これ
は、タングステン(W)等からなる)と、前記高融点金
属多孔質基体の電子放出面上にルテニウム(Ru)、オ
スミウム(Os)、イリジウム(Ir)、タングステン
(W)からなるグル−プの中から選ばれた1種ないしは
2種以上の金属と前記基体から熱拡散により得られた金
属とからなる合金被覆膜とを備えてなるカソ−ドペレッ
ト、及び、高融点金属スリ−ブに内包され、前記カソー
ドペレットを加熱するためのヒ−タとを有する構造のも
ので、陰極線管の使用時においては、前記カソ−ドペレ
ットを少なくとも約1000℃程度の高温状態に保持さ
せるようにしている。ここにおいて、前記カソ−ドペレ
ットをこのような高温状態に保持させる理由は、1つ
に、酸化バリウム(BaO)を含有した多元酸化物から
なる電子放出物質と、高融点金属多孔質基体を構成する
高融点金属との反応を促進させ、遊離バリウム原子(B
a)の生成をスム−ズに行わせるためであり、もう1つ
は、前記カソ−ドペレットの電子放出面の前記合金被覆
膜上に十分な量の遊離バリウム原子(Ba)を、常時、
下地になる高融点金属多孔質基体から拡散、供給させる
ためである。このようにして得られ、かつ、供給された
遊離バリウム原子(Ba)は、前記カソ−ドペレットの
前記合金被覆膜の表面にバリウム(Ba)の単分子層を
形成するようになり、それにより安定な高電流特性が得
られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成を有する含
浸形カソ−ド構体は、本来、安定した高電流特性が得ら
れ、かつ、長時間にわたって安定動作が可能な筈である
にも係わらず、既知の含浸形カソ−ド構体の中には、実
際に、初期の電流特性が不安定になったり、短時間で電
子放出寿命終止となるものもあったりして、種々の不合
理の原因となっている。このような含浸形カソ−ド構体
を用いた陰極線管は、当然に、画像表示特性が不安定に
なったり、信頼性に欠ける等の付加的な不合理を伴うよ
うになる。
【0005】かかる不合理が発生する原因について、こ
れまで考えられていたものは、10A/cm2前後の高
密度電流を得るために、含浸形カソ−ド構体を約100
0℃程度の高温に加熱しているが、このときの加熱温度
が変動することにより、電子放出物質自体の蒸発が著し
く変動し、この変動に伴って電子放出物質の枯渇到達時
間の変動を生じることが原因であると見られていた。
【0006】しかしながら、前記不合理が発生する原因
について、本発明者等が各種の実験及び研究をしたとこ
ろ、1つには短時間に寿命終止となった不合理カソ−ド
ペレットを厚み方向に破断し、同破断面をX線分光分析
機等にかけて調査すると、充分な量の電子放出物質が確
認されること、2つには前記カソ−ドペレットの電子放
出面上に被着された合金被覆膜中に含まれるカリウム
(K)の量が、前記バリウム(Ba)の単分子層に悪影
響を及ぼしていることが判明した。そして、前記カリウ
ム(K)の量が前記バリウム(Ba)の単分子層に悪影
響を及ぼすようになると、含浸形カソ−ド構体の初期電
流特性までも不安定になるものもあることが判った。
【0007】このように、既知の含浸形カソ−ド構体
は、カソ−ドペレットの電子放出面に被着された合金被
覆膜中のカリウム(K)含有量に何等の注意が払われて
いなかったために、前記合金被膜中のカリウム(K)が
前記バリウム(Ba)の単分子層に悪影響を及ぼすこと
があり、前記含浸形カソ−ド構体は、初期電流特性が不
安定になることがある等の理由によって、必ずしも、高
い信頼性を得ることができない等の問題を有するもので
あった。
【0008】本発明は、前記問題点を除去するものであ
って、その目的は、初期電流特性だけでなく、高密度電
流下で長時間使用したとしても、安定で良好な電子放出
特性と高い信頼性を持った含浸形カソ−ド構体、それを
用いた陰極線管、及びその製造方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的の達成のため
に、本発明は、酸化バリウム(BaO)を含有した多元
酸化物からなる電子放出物質を含浸させた高融点金属多
孔質基体と、前記高融点金属多孔質基体の電子放出面上
に被着されたルテニウム(Ru)、オスミウム(O
s)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)のグル
−プの中から選ばれた少なくとも2種以上の金属からな
る合金被覆膜とを備えたカソ−ドペレット、及び、高融
点金属スリ−ブに内包された前記カソードペレット加熱
用ヒ−タを有する含浸形カソ−ド構体において、前記カ
ソ−ドペレットの電子放出面上に被着された前記合金被
覆膜中に含まれるカリウム(K)の総含有量を0.5重
量%以内にした第1の手段を具備する。
【0010】また、前記目的の達成のために、本発明
は、カソ−ドペレットの電子放出面上に被着された合金
被覆膜中に含まれるカリウム(K)の総含有量が0.5
重量%以内の含浸形カソ−ド構体の製造方法であって、 1.タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニッケ
ル(Ni)の金属群の中から選ばれたいずれか1種もし
くは2種以上の高融点金属の粉末をバインダーを用いプ
レスした後に高温焼成し、焼成し放しの表面を有する円
筒状の多孔質基体を作成する工程、 2.酸化バリウム(BaO)を含有した多元酸化物から
なる電子放出物質を高温の還元及び不活性ガス内で溶融
し、この溶融電子放出物質を前記多孔質基体の空孔部に
含浸させてカソードペレットを作成する工程、 3.有底金属カップと、有底スリーブと、高融点金属製
支持線とを溶融接着させ、カソードペレット支持部を形
成する工程、 4.カソードペレット支持部の有底金属カップ内にカソ
ードペレットを収容装着させる工程、 5.ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジ
ウム(Ir)、タングステン(W)のグル−プの中から
選ばれた1種ないしは2種以上の金属の粉末を個別に真
空容器内に保持させ、その中にアルゴン(Ar)ガス等
の不活性ガスを導入する工程、 6.前記アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを導入し
た状態で前記金属の粉末をアーク溶解し、それぞれのボ
タン状の高純度金属塊を形成する工程、 7.これら高純度金属塊の中で1種ないしは2種以上の
前記塊を高真空中で高温溶融処理し、単層ないしは2種
以上の重層を前記カソードペレットの電子放出面上に被
着させ、被覆膜を作成する工程、 8.これら被覆膜を高真空中で高温処理し、前記高融点
基体金属の拡散を促して、前記カソードペレットの電子
放出面上に合金被覆膜を形成する工程、からなる第2の
手段を具備する。
【0011】
【作用】前記第1の手段によれば、カソ−ドペレットの
電子放出面上に被着された合金被覆膜中に含まれるカリ
ウム(K)の総含有量が0.5重量%以内になるように
選択構成しているので、合金被覆膜中のカリウム(K)
がカソ−ドペレットの表面に形成されるバリウム(B
a)の単分子層に悪影響を及ぼすことがなくなるか、も
しくは、悪影響を及ぼしたとしてもほんの僅かになるの
で、バリウム(Ba)の単分子層の機能には何等影響を
与えることがなくなり、安定な高電流特性と高い信頼性
とを合わせ持った含浸形カソ−ド構体を得ることができ
る。また、このような特性を有する含浸形カソ−ド構体
を用いた陰極線管は、高輝度の表示画像を安定継続的に
発生させることができ、高信頼性を得ることができる。
【0012】また、前記第2の手段によれば、カソード
ペレットの電子放出面上に被着した合金被覆膜を得る場
合、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジ
ウム(Ir)、タングステン(W)のグル−プの中から
選ばれた1種ないしは2種以上の金属の粉末を個別に真
空容器内に保持させ、その中にアルゴン(Ar)ガスを
導入する工程、その後の前記アルゴン(Ar)ガス等の
不活性ガスを導入した状態で前記金属の粉末を各々にア
ーク溶解し、それぞれのボタン状の高純度金属塊を形成
する工程を導入させているので、前記2種以上の金属の
粉末をアーク溶解する過程において、前記2種以上の金
属内に含まれるカリウム(K)を揮発除去させることに
よって充分に低減させることができ、それによってカソ
−ドペレットの電子放出面上に被覆された合金被膜中に
含まれるカリウム(K)の総含有量を0.5重量%以内
になるように選択構成させることが可能になる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0014】図1は、本発明に係わる含浸形カソ−ド構
体を用いたカラー陰極線管の一実施例の構成の概要を示
す断面構成図である。
【0015】図1において、1はパネル部、2はファン
ネル部、3はネック部、4は螢光体スクリーン、5はシ
ャドウマスク、6は磁気シールド、7は偏向ヨーク、8
はピュリテイ調整マグネット、9はセンタービームスタ
ティックコンバーゼンス調整用マグネット、10はサイ
ドビームスタティックコンバーゼンス調整用マグネッ
ト、11は本発明に係わる含浸形カソ−ド構体を用いた
電子銃、11Aは電子ビームである。
【0016】そして、カラー陰極線管を構成する管体
は、前側に配置されたパネル部1と、電子銃11を収納
しているネック部3と、パネル部1及びネック部3の中
間に配置されたファンネル部2からなっている。パネル
部1は、前面の内側に螢光体スクリーン4が配置形成さ
れ、この螢光体スクリーン4に対向してシャドウマスク
5が配置される。パネル部1とファンネル部2の結合部
分の内側に磁気シールド6が配置され、ファンネル部2
とネック部3の結合部分の外側に偏向ヨーク7が設けら
れる。ネック部3の外側に、ピュリテイ調整マグネット
8、センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット9、サイドビームスタティックコンバーゼン
ス調整用マグネット10が並設配置され、電子銃11か
ら投射された3本の電子ビーム11Aは、偏向ヨーク7
で所定方向に偏向された後、シャドウマスク5を通して
螢光体スクリーン4に選択的に到達するように構成され
ている。
【0017】この場合、前記構成によるカラー陰極線管
における画像表示動作は、既知のカラー陰極線管におけ
る画像表示動作と同じであるので、このカラー陰極線管
における画像表示動作についての説明は、省略する。
【0018】続いて、図2は、図1に図示のカラー陰極
線管の一部を拡大して示した断面構成図であって、
(a)は電子銃11の部分を拡大して示した断面構成図
であり、(b)は、カソード構体の部分をさらに拡大し
て示した断面構成図である。
【0019】図2(a)、(b)において、12はカソ
ードペレット、12Aはタングステン(W)からなる円
筒状の多孔質基体、12Bは酸化バリウム(BaO)、
酸化カルシウム(CaO)、アルミナ(Al2 3 )の
三元酸化物からなる電子放出物質、12Cはオスミウム
(Os)−ルテニウム(Ru)−タングステン(W)の
合金被覆膜、13はモリブデン(Mo)製の有底カッ
プ、14はレニウム(Re)−タングステン(W)から
なる高融点金属支持線、15はモリブデン(Mo)製の
有底円筒形のスリーブ、16は鉄(Fe)−ニッケル
(Ni)−コバルト(Co)製のアイレット、17は結
晶化ガラスからなる電気的絶縁及び断熱部材、18は鉄
(Fe)−ニッケル(Ni)製の支持体、19はヒー
タ、20はカソード構体、21は第1グリッド電極、2
2は第2グリッド電極、23は第3グリッド電極、24
はステムピンであり、その他、図1に示された構成要素
と同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0020】そして、図2(b)に示されるように、カ
ソードペレット12は、円筒状の多孔質基体12Aと、
その多孔質基体12Aの空孔部に含浸された電子放出物
質12Bと、多孔質基体12Aの電子放出面に被覆され
た合金被膜12Cによって構成される。有底カップ13
は、有底部が下側を向くように配置され、カップ内にカ
ソードペレット12が格納された状態で、両者が圧着固
定される。高融点金属支持線14は、2本が直交状態に
配置され、その直交部分が有底カップ13の有底部とス
リーブ15の有底部とともに溶接固着される。この支持
線14の各端部は、アイレット16に結合され、それに
よって有底カップ13及びスリーブ15は2本の支持線
14により吊られ、熱損失を低減させた状態に保持され
る。スリーブ15は、有底部が上側を向くように配置さ
れ、カップ内にカソードペレット12を加熱するヒータ
19が内包配置される。アイレット16は、支持体18
により支持されている電気的絶縁及び断熱部材17に結
合されて、全体としてカソード構体20が構成される。
また、このカソード構体20は、支持体18によってカ
ラー陰極線管のネック部3内に固定保持されている。
【0021】さらに、図2(a)に示されるように、カ
ソード構体20の前面には、電子ビ−ム11Aを制御し
て螢光体スクリーン4上に集束させる第1グリッド電極
21、第2グリッド電極22、第3グリッド電極23等
が順次配置されており、ネック部3の終端部からは、特
に、高電圧である陽極電圧を除いた他の電極に作動電
圧、信号電圧等を供給する複数のステムピン24が導出
される。
【0022】ここにおいて、図3は、投写型カラー陰極
線管における使用初期時の最大陽極電流とヒータ電圧と
の関係を示す特性図であって、は本実施例による含浸
形カソ−ド構体を用いたもの、は既知の含浸形カソ−
ド構体を用いたものの各特性である。
【0023】図3において、縦軸は、マイクロアンペア
(μA)で示された最大陽極電流、横軸は、ボルト
(V)で示されたヒータ印加電圧である。ちなみに、こ
の種の投写型カラー陰極線管においては、通常、定格ヒ
ータ印加電圧は、6.3Vであって、その6.3Vの電
圧がヒータ19に印加された際に、カソ−ドペレット1
2の温度が約1000℃程度になるように設計されてい
るものである。
【0024】図3に示されるように、ヒータ印加電圧が
5.5V以上のときには、本実施例による含浸形カソ−
ド構体を用いた投写型カラー陰極線管と、既知の含浸形
カソ−ド構体を用いた投写型カラー陰極線管との間に
は、最大陽極電流にそれ程の差はないが、ヒータ印加電
圧が5.0V以下に低下すると、本実施例による含浸形
カソ−ド構体を用いた投写型カラー陰極線管と、既知の
含浸形カソ−ド構体を用いた投写型カラー陰極線管との
間に、最大陽極電流に差を生じるようになり、その差
は、ヒータ印加電圧が5.0Vから低くなるにしたがっ
て大きくなる。このような特性は、使用時間が経過する
にしたがって前記三元電子放出物質が蒸発消耗され、前
記多孔質基体の底部の前記電子放出物質へと遊離バリウ
ム(Ba)の主成の主体が移るにつれ、5.0V以下の
特性が高ヒータ印加電圧側へシフトするような傾向を有
している含浸形カソ−ド一般においては、本実施例によ
る含浸形カソ−ド構体を用いた投写型カラー陰極線管の
初期電流特性の安定度が高いことを意味し、そのこと
は、取りも直さず、ヒ−タ印加電圧の低電圧への変動に
対し、本実施例による含浸形カソ−ド構体を用いた投写
型カラー陰極線管は、既知の含浸形カソ−ド構体を用い
た投写型カラー陰極線管よりも、倍以上の変動耐久度を
有するもので、陽極電流値が安定なものということがで
きる。
【0025】さらに、図4は、カラー陰極線管における
使用動作時間と最大陽極電流の変化状態(最大陽極電流
比)との関係を示す特性図であって、は本実施例によ
る含浸形カソ−ド構体を用いたもの、は既知の含浸形
カソ−ド構体を用いたものの各特性である。
【0026】図4において、縦軸は、%で示された最大
陽極電流比、横軸は、キロアワー(Kh)で示された使
用動作時間である。なお、この特性を得るための実験
は、本実施例による含浸形カソ−ド構体を用いたカラー
陰極線管と既知の含浸形カソ−ド構体を用いたカラー陰
極線管とのカソードペレットの温度がそれぞれ同一温度
になるように、ヒータ印加電圧を設定して行ったもので
ある。また、特性は、本実施例による5本の含浸形カソ
−ド構体を用いたカラー陰極線管と既知の5本の含浸形
カソ−ド構体を用いたカラー陰極線管におけるバラツキ
の最小値から求めたものであって、前記実験における強
制条件は、電流密度10A/cm2 の標準使用条件の8
倍に当たる温度強制を行って得たものである。
【0027】図4に示されるように、使用動作時間が3
000時間に達するまでは、本実施例による含浸形カソ
−ド構体を用いたカラー陰極線管と、既知の含浸形カソ
−ド構体を用いたカラー陰極線管とは、ともに、最大陽
極電流値が拮抗していて、最大陽極電流値の変動も少な
いが、使用動作時間が3000時間を超過すると、本実
施例による含浸形カソ−ド構体を用いたカラー陰極線管
は、依然として最大陽極電流値の変動も少なく、使用動
作時間が6000時間に達しても、その変動は僅かであ
るのに対して、既知の含浸形カソ−ド構体を用いたカラ
ー陰極線管は、3000時間を経過した後に最大陽極電
流値が急激に減少するようになり、しかも、4000時
間を経過した後には、陽極電流値がゼロになるものであ
る。これらの特性から見て、本実施例による含浸形カソ
−ド構体は、既知の含浸形カソ−ド構体に比べて、高密
度の電流放出を、かなりの長時間にわたって安定に行う
ことができるものである。
【0028】次に、本実施例による含浸形カソ−ド構体
を製造する工程について述べる。
【0029】始めに、平均粒径5μmの金属タングステ
ン(W)粉末をバインダーを用いて顆粒化し、その顆粒
化したタングステン(W)粉末を所定の圧力で円筒状に
プレス成形し、一旦、水素(H2 )ガス雰囲気中で仮焼
成した後、高真空中において1950℃の高温下で2時
間燒結を行い、例えば、外径が1.3mm、厚さが0.
55mmの円筒形の多孔質基体12Aを構成する。な
お、この多孔質体基体12Aは、約20%の空孔率を有
しており、少なくとも円筒形の多孔質基体12Aの両面
は、前記プレス及び燒結によって、表面が凹凸状態にな
っているものである。
【0030】次に、酸化バリウム(BaO)、酸化カル
シウム(CaO)、アルミナ(Al23 )の三元酸化
物からなり、モル比で4:1:1の組成比を有する電子
放出物質12Bを用意し、これを水素(H2 )ガス雰囲
気中において1900℃の温度下で約1分程度の短時間
で溶融させ、この溶融させた電子放出物質12Bを前記
多孔質基体12Aの空孔部に含浸させる。このとき、前
記多孔質基体12Aの周りに付着した余分な電子放出物
質12Bは、冷却、固形化の後、温純水によって洗い流
して綺麗に除去し、カソ−ドペレット12を作成させ
る。
【0031】続いて、所定の寸法形状、例えば、直径
0.05mmにプレス成型した2本のレニウム(Re)
−タングステン(W)支持線14を用意するとともに、
モリブデン(Mo)製の、例えば、厚さ0.05mm、
内径1.3mm、全高0.5mmの有底カップ13及び
同じくモリブデン(Mo)製の、例えば、厚さ0.1m
mの有底スリーブ15を用意する。そして、有底カップ
13の有底部と有底スリーブ15の有底部との間に十字
に交差させた支持線14を配設し、電気抵抗溶接機等を
用いて、有底カップ13の有底部、十字に交差させた支
持線14、有底スリーブ15の有底部の3者を同時溶接
させ、カソードペレット支持部を作成させる。
【0032】次に、上下動可能な一対の可動ロッド及び
固定ロッドを有する加圧挿入機を用い、カソードペレッ
ト支持部の有底カップ13のカップの内側にカソ−ドペ
レット12を収納させた後、カソ−ドペレット12を有
底カップ13内に圧着させ、カソード構体主要部が作成
される。
【0033】続いて、オスミウム(Os)粉末及びルテ
ニウム(Ru)粉末を個別に用意し、それらを10マイ
ナス2乗乃至10マイナス3乗Torr台にまで真空引
きした真空容器中に保持させる。
【0034】次いで、この真空容器内にアルゴン(A
r)ガスを導入し、その後に、オスミウム(Os)粉末
及びルテニウム(Ru)粉末をそれぞれア−ク溶解さ
せ、それぞれのボタン状の高純度オスミウム(Os)金
属塊及びルテニウム(Ru)金属塊を作成させる。
【0035】次に、これら金属塊及び前記カソ−ド構体
主要部を、高真空引きした真空容器中にセットし、電子
ビ−ム蒸着法を用いて、カソードペレット12の露出し
た表面、即ち、電子放出面に、例えば、600nmの厚
さで、オスミウム(Os)の被覆膜を設け、次いで50
nmの厚さでルテニウム(Ru)の膜を重ねて被着す
る。
【0036】この場合、前記オスミウム(Os)−ルテ
ニウム(Ru)積層被覆膜は、前述のアーク溶解時にお
いて、不純物として持ち込まれたカリウム(K)が揮発
除去されているので、その中に存在するカリウム含有量
が0.5重量%以下になっているものである。
【0037】次いで、前記積層被覆膜を表面に有するカ
ソードペレット12を備えたカソード構体主要部を、5
×10マイナス7乗Torrの高真空中において120
0℃の温度下で2時間の加熱処理を行い、多孔質基体1
2Aを構成する金属タングステン(W)の極く一部が前
記積層被覆膜中に拡散させる一方で、オスミウム(O
s)、ルテニウム(Ru)積層も混合され、最終的なオ
スミウム(Os)−ルテニウム(Ru)−タングステン
(W)合金被覆膜12Cを形成させている。そして、前
述のように、このオスミウム(Os)−ルテニウム(R
u)−タングステン(W)合金被覆膜12C内には、当
然、0.5重量%以下のカリウム(K)が含まれている
に過ぎない。
【0038】続いて、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−
コバルト(Co)製のアイレット16、結晶化ガラスか
らなる電気的絶縁及び断熱部材17、支持体18とから
なり、絶縁断熱部材17の中心部分にアイレット16が
保持され、絶縁断熱部材17の周辺部分が支持体18に
よって支持された構成のカソードペレット保持部材を用
意し、このカソードペレット保持部材の中心部に前記合
金被覆膜を備えたカソード構体主要部を設置させる。そ
して、その後に、図2(b)に示されるように、レ−ザ
溶接等によって、各支持線14の端部をアイレット16
の下部に溶接させ、2本の支持線14を介して前記カソ
ードペレット保持部材に前記合金被膜処理したカソード
構体主要部を保持させる。
【0039】次に、前記カソードペレット保持部材の有
底スリ−ブ15内にカソードペレット12を加熱するヒ
−タ19を挿入固定し、含浸型カソ−ド構体を完成させ
る。
【0040】なお、前記説明においては、オスミウム
(Os)−ルテニウム(Ru)合金被覆膜12Cを形成
させるために、電子ビ−ム蒸着法を用いる場合について
述べたが、本発明は、かかる合金被膜12Cの形成のた
めに、電子ビ−ム蒸着法を用いる他に、他の方法、例え
ば、スパッタ−法を用いることも可能である。このスパ
ッタ−法を用いた場合においても、当然に、合金被膜1
2C内に含有されるカリウム(K)の量を0.5重量%
以下にするための手段を講じる必要がある。また、レニ
ウム(Re)−タングステン(W)支持線14について
も、線に限るものではなく、狭幅の極く薄い帯状支持体
を用いても何等問題を生じるものではない。
【0041】このように、本実施例による含浸形カソ−
ド構体は、カソ−ドペレット12の電子放出面上に被覆
された合金被覆膜12C中に含まれるカリウム(K)の
総含有量を0.5重量%以内になるように選択構成した
ので、合金被覆膜12C中のカリウム(K)による前記
合金被覆膜12Cの表面上に形成されるバリウム(B
a)の単分子層への悪影響がなくなるか、もしくはほん
の僅かになるので、安定な高電流特性と高い信頼性とを
合わせ持った含浸形カソ−ド構体が得られる。また、こ
のような特性を有する含浸形カソ−ド構体を用いたカラ
ー陰極線管は、高輝度の表示画像を安定継続的に発生さ
せることができ、高信頼性のカラー陰極線管を得ること
ができる。
【0042】次に、本実施例による含浸形カソ−ド構体
について、動作時の物理現象の面から考察を行ったとこ
ろ、次のようなことが判明した。
【0043】まず、カソ−ドペレット12を加熱用ヒ−
タ19により標準使用温度である1000℃程度に加熱
すると、カソ−ドペレット12の内部においては、多孔
質基体12Aを構成している高融点金属と電子放出物質
12Bとが反応を起し、不要な反応生成物と遊離したバ
リウム(Ba)原子がそれぞれ生成される。この遊離し
たバリウム(Ba)原子は、含浸形カソ−ド構体のカソ
−ドペレット12の内部から電子放出面上まで移動拡散
した後、大部分の原子は未反応の電子放出物質12Bと
同様にカラー陰極線管内へ蒸発し、消失されるが、一部
の遊離したバリウム(Ba)原子は、カソ−ドペレット
12の表面の凹凸部分をマイグレ−ションし、合金被覆
膜12C上にバリウム(Ba)の単分子層を形成するよ
うになる。この場合、電子放出面上に形成されている凹
凸部分は、電子放出面積を有効的に稼ぎ、特性の安定化
を図るために設けているものである。
【0044】ここで、パウリング(Pauling)の
電気陰性度の大小関係を見ると、アルカリ土類金属群に
あるバリウム(Ba)原子の電気陰性度は、0.9と小
さい値であるのに対し、合金被覆膜12Cの電気陰性度
は、形成される金属材料により幾分か異なるが、1.7
乃至2.2というように大きな値を持っている。そし
て、ある金属分子が電気陰性度を異にする他の金属表面
に吸着されると、両者の間に電子の移動が起ることが知
られており、この電子の移動は、電気陰性度の小さなバ
リウム(Ba)原子側から電気陰性度の大きな合金被覆
膜12C側、つまり、カソ−ドペレット12側に電子の
移動が起り、その結果、カソ−ドペレット12の表面に
双極子モ−メントが作用する。この双極子モ−メント
は、カソ−ドペレット12の仕事関数を4.5eV近辺
から1.8乃至2.0eV近辺まで大幅に引き下げる働
きをし、このカソ−ドペレット12を約1000℃程度
加熱するだけで、10A/cm2 という高電流密度の電
子ビ−ム12を含浸形カソ−ド構体から取り出すことが
可能になるものである。
【0045】ところが、同じアルカリ金属の中でも、電
気陰性度が最も小さく、0.8であるカリウム(K)が
合金被覆膜12C中に存在すると、高電流密度の電子ビ
−ム11Aを含浸形カソ−ド構体から取り出すことが必
ずしも可能でなくなる。その理由は、合金被覆膜12C
自体が示す1.7乃至2.2というような大きな電気陰
性度が、内部に存在するカリウム(K)原子の低い電気
陰性度によって中和され、バリウム(Ba)原子の示す
電気陰性度との差が小さくなるか、もしくは、大きな電
気陰性度を示す合金被覆膜12Cの中に、部分的に0.
8というように極端に低い電気陰性度を示す部分が混在
していることによるものである。このような状態になる
と、バリウム(Ba)の単分子層における電子の移動が
妨げられたり、部分的に多孔質基体12Aを構成する高
融点金属側からバリウム(Ba)の単分子層側に電子が
移動するというような不安定な状態が作り出される。
【0046】このため、前記双極子モ−メントが弱めら
れたり、不均一な分布状態となったりして、カソ−ドペ
レット12の仕事関数が4.5eV近辺から僅かに低下
するか、殆んど低下しなくなり、その結果、含浸形カソ
−ド構体からの電子放出能力が著しく低下したり、不安
定になったりするものである。
【0047】また、含浸形カソ−ド構体の長期間にわた
る使用に対する寿命の到来は、カソードペレット12に
含浸されている電子放出物質12Bが長期間に及ぶ蒸発
によって消耗され、枯渇していくためであることは、容
易に推測されるところである。その際、当然に、電子放
出物質12Bは、カソードペレット12の表面に近い部
分から消耗され始め、順次、カソードペレット12の深
層部、つまり底部に進んで行くものと考えられる。この
結果を踏まえれば、電子放出物質12Bの枯渇ととも
に、遊離したバリウム(Ba)原子も、カソードペレッ
ト12の内部から表面部への拡散距離が著しく増加する
ものと考えれられる。
【0048】本発明者等が行った、四重極質量分析計を
用いた含浸形カソ−ド構体における蒸発物と蒸発量の調
査実験においても、遊離したバリウム(Ba)原子の供
給量は、含浸形カソ−ド構体の使用期間の1/2乗に従
って減少することが確認されており、それは前述の結果
を裏付けるものである。
【0049】そして、遊離バリウム(Ba)の供給量が
減少してくる結果、含浸形カソ−ド構体のカソ−ドペレ
ット12の表面の凹凸部分に形成されるバリウム(B
a)の単分子層の面積が減少するようになる。このよう
になると当然の事ながら、電子放出能力が低減するよう
になるのに加え、カリウム(K)原子による双極子モ−
メントの弱化作用が著しく強力になり、それにより電子
放出能力の低下が促進され、長期使用が不可能となっ
て、寿命が到来するものと解釈される。
【0050】そこで、本発明に係わる含浸形カソ−ド構
体においては、かかる不都合な現象を起す源になるカリ
ウム(K)原子を、合金被覆膜12Cから取り除き、合
金被覆膜12C中のカリウム(K)の総含有量が0.5
重量%以下になるように規定すれば、カリウム(K)原
子がバリウム(Ba)の単分子層に与える悪影響が殆ん
どなくなることを種々の研究、実験を重ねることによっ
て確認したものであって、かかるカリウム(K)の総含
有量を有する含浸形カソ−ド構体は、安定な高電流特性
と高い信頼性とを合わせ持つものであることは前述のと
おりである。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明による含浸形カソ
−ド構体によれば、カソ−ドペレットの電子放出面上に
被着された合金被覆膜中に含まれるカリウム(K)の総
含有量が0.5重量%以内になるように選択構成してい
るので、合金被覆膜中のカリウム(K)がカソ−ドペレ
ットの表面に形成されるバリウム(Ba)の単分子層に
何等影響を与えることがなくなり、安定な高電流特性と
高い信頼性とを合わせ持った含浸形カソ−ド構体を得る
ことができ、初期電流特性のみならず、高密度電流下に
おいて長時間使用しても、安定で良好な電子放出特性と
高い信頼性を持った含浸形カソ−ド構体を提供できると
いう効果がある。
【0052】そして、この含浸形カソ−ド構体を用いた
ブラウン管のようなカラー陰極線管は、高輝度の表示画
像を安定継続的に発生させることが可能になるという付
加的な効果もある。
【0053】また、本発明による含浸形カソ−ド構体の
製造方法によれば、カソードペレットの電子放出面上に
被着された合金被覆膜を得る場合、ルテニウム(R
u)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、タン
グステン(W)のグル−プの中から選ばれた1種もしく
は2種以上の金属の粉末を個別に真空容器内に保持さ
せ、その中にアルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを導
入する工程、その後の前記アルゴン(Ar)ガス等の不
活性ガスを導入した状態で前記金属の粉末を各々にアー
ク溶解し、それぞれのボタン状の高純度金属塊を形成す
る工程を導入させているので、前記金属の粉末をアーク
溶解する過程において、前記金属内に含まれるカリウム
(K)を揮発除去させて充分に低減させることができ、
それによってカソ−ドペレットの電子放出面上に被着さ
れた合金被覆膜中に含まれるカリウム(K)の総含有量
を0.5重量%以内になるように選択構成させることが
可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる含浸形カソ−ド構体を用いたカ
ラー陰極線管の一実施例の構成の概要を示す断面構成図
である。
【図2】図1に図示のカラー陰極線管の一部を拡大して
示した断面構成図である。
【図3】投写型カラー陰極線管における使用初期時の最
大陽極電流とヒータ電圧との関係を示す特性図である。
【図4】カラー陰極線管における使用動作時間と最大陽
極電流の変化状態(最大陽極電流比)との関係を示す特
性図である。
【符号の説明】
1 パネル部 2 ファンネル部 3 ネック部 4 螢光体スクリーン 5 シャドウマスク 6 磁気シールド 7 偏向ヨーク 8 ピュリテイ調整マグネット 9 センタービームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 10 サイドビームスタティックコンバーゼンス調整用
マグネット 11 電子銃 11A 電子ビーム 12 カソードペレット 12A 円筒状の多孔質基体 12B 電子放出物質 12C 合金被膜 13 有底カップ 14 支持線 15 有底円筒形のスリーブ 16 アイレット 17 絶縁断熱部材 18 支持体 19 ヒータ 20 カソード構体 21 第1グリッド電極 22 第2グリッド電極 23 第3グリッド電極 24 ステムピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 9/04 M 29/04 (72)発明者 柴田 倫秀 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 竹田 義治 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化バリウム(BaO)を含有した多元
    酸化物からなる電子放出物質を含浸させた高融点金属多
    孔質基体と、前記高融点金属多孔質基体の電子放出面上
    に、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジ
    ウム(Ir)、タングステン(W)のグル−プの中から
    選ばれた1種の金属ないしは2種以上の金属合金と熱拡
    散による前記多孔質基体の高融点金属との合金被覆膜を
    備えたカソ−ドペレット、及び、高融点金属スリ−ブに
    内包された前記カソードペレット加熱用ヒ−タを有する
    含浸形カソ−ド構体において、前記カソ−ドペレットの
    電子放出面上に被着された前記合金被覆膜中に含まれる
    カリウム(K)の総含有量を0.5重量%以内にしたこ
    とを特徴とする含浸形カソ−ド構体。
  2. 【請求項2】 前記高融点金属多孔質基体を構成する高
    融点金属は、タングステン(W)、モリブデン(M
    o)、ニッケル(Ni)の金属群の中から選ばれたいず
    れか1種の金属もしくは2種以上の金属からなる合金を
    主成分としたものであることを特徴とする請求項1に記
    載の含浸形カソ−ド構体。
  3. 【請求項3】 前記高融点金属多孔質基体の電子放出面
    は、その高融点金属の粉末プレス成形体を高温焼結して
    得られたままの凹凸状態のものであることを特徴とする
    請求項1乃至2のいずれかに記載の含浸形カソ−ド構
    体。
  4. 【請求項4】 前記含浸形カソ−ド構体は、陰極線管に
    用いられるものであることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の含浸形カソ−ド構体。
  5. 【請求項5】 以下の各工程を経て製造されることを特
    徴とするカソ−ドペレットの電子放出面上に被覆された
    合金被覆膜中に含まれるカリウム(K)の総含有量が
    0.5重量%以内の含浸形カソ−ド構体の製造方法。 1.タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニッケ
    ル(Ni)の金属群の中から選ばれたいずれか1種もし
    くは2種以上の高融点金属の粉末をバインダーを用いプ
    レスした後に高温焼成し、焼成し放しの表面を有する円
    筒状の多孔質基体を作成する工程、 2.酸化バリウム(BaO)を含有した多元酸化物から
    なる電子放出物質を高温の還元及び不活性ガス内で溶融
    し、この溶融電子放出物質を前記多孔質基体の空孔部に
    含浸させてカソードペレットを作成する工程、 3.有底金属カップと、有底スリーブと、高融点金属製
    支持線とを溶融接着させ、カソードペレット支持部を形
    成する工程、 4.カソードペレット支持部の有底金属カップ内にカソ
    ードペレットを収容装着させる工程、 5.ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、イリジ
    ウム(Ir)、タングステン(W)のグル−プの中から
    選ばれた1種ないしは2種以上の金属の粉末を個別に真
    空容器内に保持させ、その中にアルゴン(Ar)ガス等
    の不活性ガスを導入する工程、 6.前記アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスを導入し
    た状態で前記金属の粉末をアーク溶解し、それぞれのボ
    タン状の高純度金属塊を形成する工程、 7.これら高純度金属塊の中で1種ないしは2種以上の
    前記塊を高真空中で高温溶融処理し、単層ないしは2種
    以上の重層を前記カソードペレットの電子放出面上に被
    着させ、被覆膜を作成する工程、 8.これら被覆膜を高真空中で高温処理し、前記高融点
    基体金属の拡散を促して、前記カソードペレットの電子
    放出面上に合金被覆膜を形成する工程。
JP1289194A 1994-02-04 1994-02-04 含浸形カソ−ド構体及びその製造方法 Pending JPH07220618A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1289194A JPH07220618A (ja) 1994-02-04 1994-02-04 含浸形カソ−ド構体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1289194A JPH07220618A (ja) 1994-02-04 1994-02-04 含浸形カソ−ド構体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07220618A true JPH07220618A (ja) 1995-08-18

Family

ID=11818024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1289194A Pending JPH07220618A (ja) 1994-02-04 1994-02-04 含浸形カソ−ド構体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07220618A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109454869A (zh) * 2018-09-28 2019-03-12 长春理工大学 用于大尺寸光敏3d打印的点光源倍增扫描打印器件

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109454869A (zh) * 2018-09-28 2019-03-12 长春理工大学 用于大尺寸光敏3d打印的点光源倍增扫描打印器件
CN109454869B (zh) * 2018-09-28 2020-07-24 长春理工大学 用于大尺寸光敏3d打印的点光源倍增扫描打印器件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108878232A (zh) 用于真空电子器件的热阴极组件
US6504293B1 (en) Cathode ray tube having an improved cathode
US6791251B2 (en) Metal cathode and indirectly heated cathode assembly having the same
US6833659B2 (en) Cathode ray tube comprising a cathode of a composite material
JPH07220618A (ja) 含浸形カソ−ド構体及びその製造方法
US5552661A (en) Electron gun for cathode tube
JP2710700B2 (ja) 含浸形陰極の製造法及びこの方法によって得られる陰極
US20020070651A1 (en) Cathode ray tube comprising a doped oxide cathode
US6242854B1 (en) Indirectly heated cathode for a CRT having high purity alumina insulating layer with limited amounts of Na OR Si
JP3720913B2 (ja) 含浸型陰極構体、これに用いられる陰極基体及びこれを用いた電子管
JP2000340097A (ja) 含浸形カソード及びその製造方法
JPH07262906A (ja) 含浸形カソード構体とこれを用いた陰極線管
KR970009775B1 (ko) 함침형 음극의 제조방법
KR20030030686A (ko) 전자관용 금속 음극
JP2590151B2 (ja) ブラウン管陰極加熱ヒータ及びそれを用いたブラウン管
US20040007954A1 (en) Cathode ray tube
JPH11204019A (ja) 酸化物陰極
JPH04280029A (ja) 含浸形陰極
JPH11204053A (ja) 陰極線管用陰極およびその製造方法
JPH11273549A (ja) 傍熱型陰極およびこれを用いた陰極線管
JPH07169383A (ja) 含浸型カソードおよびそれを用いた電子管または電子線応用装置
JP2001256882A (ja) 電子管用含浸型陰極構体およびそれを用いた電子管
JPH08138536A (ja) 含浸形陰極とその製造方法並びにこれを用いた陰極線管
JPH0877915A (ja) 電子放射物質層を有する陰極を備えた電子管
JPH1116508A (ja) ブラウン管ヒータ及びその製造方法とそれを用いたブラウン管