JPH0721786U - レピアバンドのガイド部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レピア織機のレピアバンドが走行中にスレー
から脱落するのを防止するガイド部材に関し、経糸に異
形糸を使用した場合でも経糸切れが起こらず、レピア織
機で高付加価値織物を織成できるガイド部材を提供す
る。 【構成】 オサ面１３に対向してレピアバンドの走行路
１６の一側面を形成する垂直面６とこの垂直面６からス
レー１２の上方に庇状に伸びて前記走行路の上面を形成
する水平面７とを有するレピアバンドのガイド部材にお
いて、前記水平面を含む先端部５の前縁８を幅広とした
ことを特徴とする。筬の戻り動作にともなってガイド部
材が経糸開口に進入するときに、下側経糸群１８と先端
部の前縁８とが線接触し、ガイド部材の先端部５が異形
糸のループやスラブ部、毛羽等に引っ掛かることがな
い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、棒状ないし帯状のレピアバンドが走行中にスレーから脱落するのを 防止するためにスレーに複数個配置されるガイド部材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

レピア織機は、レピアバンドの先端に設けられたレピアヘッドで別途設けられ た緯糸先端を把持し、これをスレー上を走行させて緯入れ動作を行うものである 。この緯入れ動作の際にはスレー上からレピアバンドが脱落するのを防止するた めの走行路が必要である。この走行路１６は、図３及び図４に示すように、その 一方の側面がオサ面１３により、他方の側面がオサ面１３と対向して設けられた ガイド部材２１の垂直面６で形成され、その上下面がスレーの上面１５とガイド 部材２１の上端から庇状に伸びる水平面７とで形成されている。このような垂直 面６と水平面７とを備えたガイド部材２１は、図５に示すように筬打ち前では下 側経糸群１８の間から経糸開口に進入しており、筬打ち動作が開始すると経糸開 口の下側経糸群１８の間を通過して経糸群の下方に退出し、筬打ち動作が終了し て筬が戻り始めると、下方から下側経糸群１８を分けるようにして進入して、経 糸開口に戻るという動作を繰り返す。このため従来のガイド部材は、下側経糸群 １８の間にすみやかに挿入されるように、先端部の前縁８が尖っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

最近、図６に示すような異形糸を経糸として高付加価値織物が生産されるよう になってきた。同図（ａ）の異形糸はループを散在させたものであり、同図（ｂ ）の異形糸は大きなスラブ部を設けたものであり、同図（ｃ）の異形糸は撚り数 の少ない太い糸であり、同図（ｄ）の異形糸は非常に毛羽の多い糸である。

【０００４】 このような異形糸の経糸をレピア織機に使用すると、ガイド部材が下側経糸群 を分け入るときに先端部の前縁が異形糸のループやスラブ部に引っ掛かったり、 太い部分を引き裂いたり、毛羽を引っ掛けたりして頻繁に経糸切れを起こすとい う問題が発生する。

【０００５】 本考案は、上記問題を解決することを課題としており、上記のような異形糸を 経糸として使用した場合でも経糸切れが起こらず、レピア織機で高付加価値織物 を織成することができるレピアバンドのガイド部材を提供することを目的として いる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るレピアバンドのガイド部材は、オサ面１３に対向させて複数個配 置してレピアバンドの走行路１６の一側面を形成する垂直面６とこの垂直面６か らスレー１２の上方に庇状に伸びて前記走行路の上面を形成する水平面７とを有 するレピアバンドのガイド部材において、前記水平面を含む先端部５の前縁８を 幅広としたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】

本考案のガイド部材１は、その垂直面６をオサ面１３に対向させ、水平面７を スレーの上面１５に対向させてスレー１５に装着される。このようにして装着さ れたガイド部材１の先端部の前縁が幅広となっているから、筬の戻り動作にとも なってガイド部材が経糸開口に進入するときに、下側経糸群１８と先端部の前縁 ８とが線接触し、ガイド部材の先端部５が異形糸のループやスラブ部、毛羽等に 引っ掛かることがない。また、ガイド部材の先端部の上面が山形となっているの で、この山形の稜線が経糸開口の下側経糸群１８を分けて経糸開口にガイド部材 が円滑に進入する。

【０００８】

【実施例】

図１は本考案に係るレピアバンドのガイド部材を示したものであり、ガイド部 材１は、その下部にレピア織機のスレーと嵌合する幅広の水平溝２とこの水平溝 ２に直交する取付孔３とを有している。ガイド部材１の上部は、下部から絞られ ながら上方へ伸びる直立部４とこの直立部４の上端から水平溝側に水平に伸びる 先端部５とを有している。直立部の内側（水平溝側）の側面は垂直面６となって おり、先端部の下面（スレーの上面側）は水平面７となっている。先端部の前縁 ８は幅広（略４〜５mm）に形成されており、先端部の上面９は山形である。先端 部の稜線１０は基端側に伸びて緩く湾曲し、直立部４の外側につながっている。

【０００９】 図２は本考案のガイド部材をスレーに取りつけて示した平面図である。ガイド 部材１は、その水平溝２をスレー１２に嵌合し、垂直面６をスレー１２に固着し た筬のオサ面１３と平行にして、取付孔３に挿通したボルト１４で固定される。 このとき、ガイド部材の水平面７とスレーの上面１５とが平行になる。このよう にしてレピアバンドの走行路１６の手前側側面と上面とが形成される。

【００１０】 図２の状態から筬打ち動作をすると、ガイド部材１は奥端１７から経糸開口の 下側経糸群１８の間を通って離脱し、筬打ち動作が完了して筬が戻り始めると、 先端部の前縁８が下側経糸群１８に線状に接触する。更に筬が戻ると、先端部の 稜線１０で下側経糸群１８を分け、異形糸のループ１９に引っ掛かることがなく 、先端部が下側経糸群１８の間を通過して経糸開口に進入し、レビアバンドが走 行するのを待つ。

【００１１】

【考案の効果】

以上のように、本考案のガイド部材は、その先端が幅広となっているので、経 糸に異形糸を使用したときでもガイド部材が異形糸に引っ掛かることがなく、下 側経糸群に分け入り、筬打ち動作に伴う経糸切れの発生を防止することができる という効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガイド部材の斜視図及び背面図

【図２】ガイド部材の使用状態を示す平面図

【図３】レピアバンドの走行路を示す斜視図

【図４】従来のガイド部材の斜視図及び背面図

【図５】従来のガイド部材の使用状態を示す平面図

【図６】異形糸の平面図

【符号の説明】

１ ガイド部材 ５ 先端部 ６ 垂直面 ７ 水平面 ８ 前縁 12 スレー 13 オサ面 16 走行路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 オサ面(13)に対向させて複数個配置して
   レピアバンドの走行路(16)の一側面を形成する垂直面
   (6) とこの垂直面(6) からスレー(12)の上方に庇状に伸
   びて前記走行路(16)の上面を形成する水平面(7) とを有
   するレピアバンドのガイド部材において、前記水平面
   (7) を含む先端部(5) の前縁(8) を幅広としたことを特
   徴とする、レピアバンドのガイド部材。