JPH0721657U - レベルワウンドコイルの梱包用リール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レベルワウンドコイルを巻戻し時における、
コイルの絞り込みや陥没を防止したこと。 【構成】 レベルワウンドコイル８の内側に挿入するド
ラムの中胴２を有し、該中胴の両側面に、巻戻しシャフ
トの挿通孔９と、スチールバンド４で締結する貫通孔
３、またはボルト・ナットで締結する皿型座金１０を有
する鍔板１，６を備えると共に、該中胴の外周面にエア
ーパック５を設けることを特徴とするレベルワウンドコ
イルの梱包用リール。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば冷暖房用各種機器用として使用するコイル巻銅管いわゆるＬ ＷＣ（レベルワウンドコイル）の梱包用リールの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の管材や線材のレベル ワウンドコイルは、直径５００〜７００ｍｍのコラブシブルリールに巻付けて造 られ、巻付けられたコイルは、形がくずれないように銅線や鉄帯により、結束し てからリールをすぼめて取出し、これを焼鈍した後、銅線や鉄帯を取外して製品 とするものである。 このレベルワウンドコイルの梱包には、例えば実公昭４９−１６３４９号公報 に示すような方法がある。これは図６に示すように、レベルワウンドコイル８の 内側に梱包用ドラムの中胴２を挿入し、その両側面に鍔板１，６を取付け、スチ ールバント４または組立ボルトにより固定した後包装するものである。 中胴には、通常緩衝材や防錆紙を巻付けてからコイル内側に挿入する。このた めコイル内側と中胴との間には適当なクリアランスが必要となり、このクリアラ ンスが小さいと中胴の挿入時にコイル内層にきずを付けたり中胴に巻付けた緩衝 材や防錆材が片寄ることがあり、またクリアランスが大きいと、使用時の巻戻し において、コイル内層が絞り込まれたり、コイルとドラムの隙間からはみ出した り、内層が陥没する等の問題が起ることがある。

【０００３】 上記の問題点を解決するために、くさび形部材で中胴をスライド自在に結合す る方法が実開昭６４−４２７１６号公報で公開されている。 しかしこの方法においては、中胴も金属製で重いため作業性が悪く、また中胴 の突合せ部間を、テーパー側縁のくさび形部材でスライドするため、スライドさ せすぎると、レベルワウンドコイルの内側の管が偏平に変形するおそれがある等 の難点がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の問題について検討の結果なされたもので、レベルワウンドコイ ルと中胴とのクリアランスを低減し、コイル使用時の巻戻しにおけるコイル内層 の絞り込みや、陥没によるトラブルの発生を防止した梱包用リールを提供するも のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、レベルワウンドコイルの内側に挿入するドラムの中胴を有し、該中 胴の両側面に、巻戻しシャフトの挿通孔と、スチールバンドで締結する貫通孔を 有する鍔板を備えると共に、該中胴の外周面にエアーパックを設けることを特徴 とするレベルワウンドコイルの梱包用リールを請求項１とし、 レベルワウンドコイルの内側に挿入するドラムの中胴を有し、該中胴の両側面 に、巻戻しシャフトの挿通孔と、ボルト・ナットで締結する皿型座金を有する鍔 板を備えると共に、該中胴の外周面にエアーパックを設けることを特徴とするレ ベルワウンドコイルの梱包用リールを請求項２とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案は上記のように中胴の外周面にエアーパックを設け、このエアーパック を膨張させて、コイル内側と中胴の隙間をなくして、レベルワウンドコイルの巻 戻しの際の内層の絞り込みや、陥没等のトラブルを防止するものである。 本考案において、中胴の両側面の鍔板の固定方法としては、鍔板に設けたスチ ールバンドの貫通孔にスチールバンドを通して両鍔板を締結する方法や、鍔板に 設けた皿型座金を介して、ボルト・ナットで両鍔板を固定する方法が適用できる 。この場合は、ボルトにネジ付スリーブを用いると、両鍔板の間隔を調整するこ とが可能である。 またエアーパックは、コイル内側と中胴の隙間にシート状のフィルムを挿入す るか、または中胴の外周に予めシート状のフィルムを貼付けておき、コイルを挿 入後、フィルムの空気注入口から空気を吹き込み膨張させるいずれの方法でもよ い。このエアーパックは市販のものが使用できる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案の一実施例について図面を参照して説明する。 図１は本考案に係るレベルワウンドコイルの梱包用リールの側面図であり、図 ２は、図１のＡ〜Ａ部の断面図である。図において１は上面の鍔板、２は中胴、 ３はスチールバンドの貫通孔、４はスチールバンド、５はエアーパック、６は下 面の鍔板である。 図２に示すように、下面の鍔板６の上にレベルワウンドコイル８を置き、この 内側に中胴２を挿入し、レベルワウンドコイル８と中胴２の隙間にシート状のフ ィルムのエアーパック５を挿入する。このエアーパック５は、予め中胴の外周に 貼り付けて置いてもよい。 その後エアーパックの空気注入口から空気を吹き込み、エアーパックを膨張さ せて隙間をなくする。 次に上面の鍔板１を中胴２に装着し、鍔板１，６に設けられた貫通孔３にスチ ールバンド４を通して上下の鍔板を締結する。 またレベルワウンドコイルの側面に緩衝のため、ダンボール等のクッション材 ７を入れると効果的である。 レベルワウンドコイルを使用する際は、巻戻しシャフトの挿入孔９にシャフト を通して、コイルを巻戻し使用するが、レベルワウンドコイルと中胴の間にはエ アーパックが隙間なく挿入されているので、コイル内層の絞り込みや、陥没等の トラブルが防止できる。 なお上記の鍔板、中胴等の材質は、通常ダンボール、合板、プラスチックが使 用される。

【０００８】 次に上記のスチールバンドの代りに、図３〜図５に示すように、上面の鍔板１ と、下面の鍔板６に皿型座金１０を設け、これにボルト１１を挿通し、ナット１ ２で上下の鍔板１，６を固定することもできる。 また図５に示すようにボルトにネジ付きスリーブ１３を使用すると、上下の鍔 板１，６の間隔を調整することが可能となる。

【０００９】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案によれば、レベルワウンドコイルの巻戻しの際の コイル内層の絞り込みや、陥没によるトラブルを防止できるもので工業上顕著な 効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るレベルワウンドコイル
の梱包用リールの側面図

【図２】図１のレベルワウンドコイルの梱包用リールの
Ａ〜Ａ部断面図

【図３】本考案の一実施例に係るレベルワウンドコイル
の梱包用リールの他の例の側面図

【図４】図３のレベルワウンドコイルの梱包用リールの
Ａ〜Ａ部断面図

【図５】本考案の一実施例に係るレベルワウンドコイル
の梱包用リールのさらに他の例の断面図

【図６】従来のレベルワウンドコイルの梱包用リールの
断面図

【符号の説明】

１ 上面の鍔板 ２ 中胴 ３ 貫通孔 ４ スチールバンド ５ エアーパック ６ 下面の鍔板 ７ クッション材 ８ レベルワウンドコイル ９ 巻戻しシャフトの挿入孔 １０ 皿型座金 １１ ボルト １２ ナット １３ ネジ付スリーブ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レベルワウンドコイルの内側に挿入する
   ドラムの中胴を有し、該中胴の両側面に、巻戻しシャフ
   トの挿通孔と、スチールバンドで締結する貫通孔を有す
   る鍔板を備えると共に、該中胴の外周面にエアーパック
   を設けることを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包
   用リール。
2. 【請求項２】 レベルワウンドコイルの内側に挿入する
   ドラムの中胴を有し、該中胴の両側面に、巻戻しシャフ
   トの挿通孔と、ボルト・ナットで締結する皿型座金を有
   する鍔板を備えると共に、該中胴の外周面にエアーパッ
   クを設けることを特徴とするレベルワウンドコイルの梱
   包用リール。