JP2001220063A - トラバース巻用ボビン、トラバース巻コイルおよびその条材の供給方法 - Google Patents

トラバース巻用ボビン、トラバース巻コイルおよびその条材の供給方法

Info

Publication number
JP2001220063A
JP2001220063A JP2000263726A JP2000263726A JP2001220063A JP 2001220063 A JP2001220063 A JP 2001220063A JP 2000263726 A JP2000263726 A JP 2000263726A JP 2000263726 A JP2000263726 A JP 2000263726A JP 2001220063 A JP2001220063 A JP 2001220063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traverse
coil
bobbin
winding
wound coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000263726A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadao Hayashi
貞雄 林
Kenji Kanao
健志 金尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2000263726A priority Critical patent/JP2001220063A/ja
Publication of JP2001220063A publication Critical patent/JP2001220063A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Unwinding Of Filamentary Materials (AREA)
  • Filamentary Materials, Packages, And Safety Devices Therefor (AREA)
  • Winding, Rewinding, Material Storage Devices (AREA)
  • Storage Of Web-Like Or Filamentary Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラバース巻用ボビンの返却、管理、補修等
のコストを抑え、従来のトラバース巻コイルと同等の長
さの長尺コイルの条材を変形させることなく且つ安定し
て供給することが可能なトラバース巻用ボビンと、この
ボビンに金属条または合金条等の条材をトラバース巻き
したトラバース巻コイル、およびそのトラバース巻コイ
ルからの条材の供給方法とを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 条材をトラバース巻きして多層に形成さ
れた条材コイルに用いるトラバース巻用ボビン3であっ
て、回転軸を取り付けるための軸孔を中央部に有する左
右の側板4,4と、前記左右の側板の周縁に渡って所定
の直径で形成された円筒状の胴体部32とからなるボビ
ンとして構成した。また、トラバース巻用ボビンに金属
条2をトラバース巻きして作製したトラバース巻コイル
1として構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、条材をトラバース巻き
するためのトラバース巻用ボビン、トラバース巻コイル
およびその条材の供給方法に係り、特に、生産性と経済
性に優れたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属条のコイルとしては、広幅金
属条がスリッタによって所定寸法の狭幅のスリット条に
剪断されて円盤状に巻き取られた、いわゆるパンケーキ
(質量:約250kg/1コイル)と称されるものと、
前記スリット条の長手方向の端部同士を溶接して形成さ
れた長尺条材を各巻層毎にトラバース巻きして多層の巻
層を有する、いわゆるトラバース巻コイル(質量:約2
50ないし1000kg/1コイル)とがある。近時に
おいては、生産性向上の観点から、前記トラバース巻コ
イルが多用されている。
【0003】一般に、前記パンケーキコイルまたはトラ
バース巻コイルは、その巻心の軸線が水平になるように
縦型アンコイラーにセットし、巻き取り方向と逆向きに
回転させることにより、コイル条を連続的に巻き出す。
このようにして巻き出された条は、スタンピング等の加
工処理が施され、所定の部品、製品が作製される。この
ようなパンケーキコイルおよびトラバース巻コイルに
は、以下のような問題点が内包されている。
【0004】〔パンケーキコイル〕前記パンケーキコイ
ルにおいては、例えば、そのアンコイラーとスタンピン
グ加工設備とが接続されている場合、コイルの取り出し
端がその加工設備に導かれて順次加工され、コイルの巻
き出しが終了後、次のコイルをアンコイラーにセットし
て次の加工が行われる。その際、パンケーキコイルの質
量は1コイルあたり200ないし250kg程度と比較
的軽量であり、近時のスタンピングプレスの高速化とも
相まって、1コイルあたりの加工時間が短くなってきて
いる。そのため、このような加工工程においてはコイル
交換作業が頻繁に発生し、その結果、作業効率を低下さ
せ、ひいては生産効率の低下を招き易くなる。また、パ
ンケーキコイルは、通常、巻心の軸線が垂直な状態で搬
入または納入されるため、この状態からアンコイラーに
セットする際には重量物を引き起こす必要がある。その
ため、このような作業には危険が伴うとともに、この作
業中にコイルの端面を損傷させる可能性が高まって製品
の生産性や歩留りの低下を招き易いという問題点があ
る。
【0005】そこで、このような問題点を改善するため
に特許2757052号公報においては、複数のパンケ
ーキコイルの隣り合う一方の内側端末と他方の外側端末
とを接合してターンテーブル上に横置きし(コイルの巻
心の軸が垂直な状態)、ターンテーブルを巻き出し方向
に回転させることによってコイル条を連続的に供給する
方法が提案されている。この方法によれば、トラバース
巻コイルに匹敵する長さの条材を連続的に供給すること
ができ、作業性、歩留り性、生産性を向上させる効果が
期待できる。しかしながら、複数のパンケーキコイルの
隣り合う一方の内側端末と外側端末との接合、接合して
重ねられた複数のパンケーキコイルの位置がずれないよ
うに運搬するための固定、およびコイル巻き出し後のス
ペーサー除去等の問題点が依然として残る。
【0006】〔トラバース巻コイル〕一方、前記トラバ
ース巻コイルについて従来のものを、図7を例に挙げて
説明すると、トラバース巻用ボビン50(以下、ボビン
50という。)は、左右のツバ部52、52と、このツ
バ部52、52の間に設けた胴体部51とから構成され
ており、ツバ部52、52の中心に回転軸60が挿入さ
れ、その回転軸60を軸線方向に移動させながら条材7
0を巻き取るように構成されている。すなわち、ボビン
50の左端より条材70を胴体部51に巻き始め、ボビ
ン50を左方向に移動させながら条材70を胴体部51
の右端に向けて巻き取り、条材70がボビン50の右端
に達すると、今度はボビン50を右方向に移動させて条
材70を胴体部51の左端に向けて巻き取るようにして
トラバース巻コイルが作製される。このような往復運動
を繰返し、最終的にそのコイル1本あたりの質量が25
0〜1000kg程度(銅または銅合金の場合)とな
る。このようなトラバース巻コイル1の問題点として、
以下の事項が挙げられる。
【0007】(1)前記トラバース巻コイルに用いられ
るボビンの価格が比較的高い。 (2)そのため、一般に、前記ボビンは条材コイルが空
になった後、回収・再利用されるが、再使用のために、
所定の検査と保守を要し、生産効率が阻害される。 (3)前記ボビンの重さまたは大きさが比較的大きく、
ハンドリング性が悪い。 (4)前記トラバース巻コイルにおいては、条材が巻き
出される位置がボビンの幅方向で常に移動するため、条
材を打ち抜きプレス等に連続的に供給するには専用の巻
き出し装置が必要となる。
【0008】そこで、例えば、特開平9−57339号
公報においては、ボビンが、ツバ部と、周方向に分割さ
れている複数のセグメントとからなる分解式として構成
され、このボビンに紙管等の使い捨て可能な巻心を被せ
て条材を巻き取るようにしてなるトラバース巻コイルが
提案されている。この方法によれば、前記コイルから前
記ボビン、紙管を抜き取った後条材を巻き出すことがで
き、ボビンの回収・再利用の手間を省くことができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成されるトラバース巻コイルにおいては、以下の
ような問題点が内包される。 (1)ツバ部と、周方向に分割されている複数のセグメ
ントとから構成される分解式ボビンに、紙管等の使い捨
て可能な巻心を被せたものに条材を巻き取って条材コイ
ルを形成するため、コイルを巻き始める際のボビンの組
み立て、または、コイルを巻き取った後のボビンの分解
等の作業が発生し、作業能率が低下し易い。 (2)前記トラバース巻コイルを内側より巻き出す場
合、コイル内側の巻心の抜き取りが必須であり、そのた
め作業が煩雑化し、作業時間が長くなるとともに、内面
の条が巻心あるいは条材同士がこすれて疵ができ易い。
【0010】(3)前記トラバース巻コイルは、両側端
部に巻かれた条の端面を幅方向の同一位置に揃えること
が難しい(数mm程度ずれる)ため、コイルの側端部が
凹凸状となり易い。このため、前記トラバース巻コイル
を内側より巻き出すためにコイル内側の巻心を抜き取
り、パレット等に載置した際、コイルの下端部で条が押
しつぶされることにより変形が起き易く、このようなコ
イルを用いて、例えば、スタンピングプレス等の加工を
行うと条の変形部がスタンピングプレス装置のガイド部
でつかえたりして加工が不可能となり易く、生産性、歩
留りを著しく低下させる恐れがある。 (4)前記トラバース巻コイルの全長に渡って巻き出し
を安定して行うには、コイル内側より巻き出す場合には
前記トラバース巻コイルの外側、または、コイル外側よ
り巻き出す場合には前記トラバースコイルの内側に、そ
れぞれ条材ずれ止め手段が必要であり、コストアップ要
因となる。
【0011】本発明は、前記した問題点を解決するため
になされたものであり、トラバース巻用ボビンの返却、
管理、補修等のコストを発生させることなく、従来のト
ラバース巻コイルと同等の長さの長尺コイルの条材を変
形させることなく、且つ安定して供給することが可能な
トラバース巻用ボビンと、このボビンに金属条をトラバ
ース巻きしたトラバース巻コイル、およびそのトラバー
ス巻コイルからの条材の供給方法とを提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記トラ
バース巻用ボビンにおいて、両側端部にツバ部を備えな
い構成とすることで、従来のトラバース巻用ボビンの問
題点であったボビンの回収、管理、補修等に係るコスト
の問題を解決できることを見出し本発明を創出するに至
った。すなわち、本発明は、このトラバース巻用ボビン
に条材を巻回してトラバース巻コイルとし、さらに、こ
のコイルの巻心の軸線を垂直にしてターンテーブル上に
載置し、条材の巻き出し方向にターンテーブルを回転さ
せることにより長尺の条材を連続的に安定して供給する
構成としたものである。
【0013】本発明の第1の態様は、条材をトラバース
巻きして多層に形成された条材コイルに用いるトラバー
ス巻用ボビンであって、回転軸を取り付けるための軸孔
を中央部に有する左右の側板と、前記左右の側板の周縁
に渡って所定の直径で形成された円筒状の胴体部とから
なるボビンとして構成した。
【0014】本発明の第2の態様は、前記第1の態様に
おいて、前記側板がその軸孔部の位置に、前記回転軸に
沿って一方の側に突出するフランジ部を有するボビンで
あることが好ましい。
【0015】本発明の第3の態様は、前記第1または第
2の態様において、左右の側板は、それぞれが少なくと
も2箇所に、前記側板の外径より大きな外径を有するツ
バ板を着脱自在に設けるための、係合部および係止部か
らなる連結手段の一方を設けたトラバース巻用ボビンと
して構成した。
【0016】本発明の第4の態様は、前記第1ないし第
3の態様におけるトラバース巻用ボビンに金属条をトラ
バース巻きして作製したトラバース巻コイルとして構成
した。
【0017】本発明の第5の態様は、前記第4の態様に
おいて、前記トラバース巻きが、前記ボビンの両端よ
り、少なくとも3mm離れた内側の位置に条材をトラバ
ース巻きすることによって、条材を各巻層毎に軸線方向
に多層に形成されたトラバース巻コイルであることが望
ましい。
【0018】本発明の第6の態様は、前記第4または5
の態様のトラバース巻コイルから金属条を供給する方法
であって、前記トラバース巻コイルの軸線を垂直にして
ターンテーブル上に載置し、ターンテーブルをそのトラ
バース巻コイルの巻き出し方向に回転させ、前記トラバ
ース巻コイルの側端部が載置面に非接触な状態で、前記
トラバース巻コイルの外側の巻層より順に金属条を連続
的に巻き出し、供給すると都合がよい。
【0019】本発明の第7の態様は、前記第4または第
5態様の条材コイルから金属条を供給するトラバース巻
コイルにおいて、前記トラバース巻コイルの外径より大
きな前記ツバ板を、前記係合部および係止部からなる連
結手段の他方を介して、前記側板に設けた前記結合手段
の一方に係合させることで取り付けてトラバース巻コイ
ルとし、前記トラバース巻コイルの巻心の軸線を水平と
なるように縦型アンコイラーに装着し、前記縦型アンコ
イラーを前記トラバース巻コイルの巻き出し方向に回転
させ、前記トラバース巻コイルの外側の巻層より順に前
記金属条を巻き出し、供給する条材の供給方法とした。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトラバース巻用ボ
ビン、このボビンを用いたトラバース巻コイル、および
このコイルからの条材の供給方法について図面を参照し
て詳細に説明する。図1はトラバース巻用ボビンから条
材を供給している状態を示す斜視図であり、図2はトラ
バース巻用ボビンの構成を示す斜視図であり、図3
(a)はトラバース巻用ボビンの一部を切り欠いた正面
図であり、図3(b)は胴体部と側板との接合状態を示
す拡大断面図であり、図4(a)はトラバース巻用ボビ
ンのフランジ部の他の構成を示す一部を切り欠いた正面
図であり、図4(b)は胴体部と側板との接合状態を示
す拡大断面図、図5(a)(b)はトラバース巻用ボビ
ンにツバ板を着脱自在に取り付けるための連結手段を示
す分解斜視図および断面図、図6(a)、(b)、
(c)は、連結手段の構成を示す断面図である。
【0021】〔トラバース巻用ボビン〕本発明のトラバ
ース巻用ボビン3の一例を図2ないし図4に示す。図2
に示すように本発明のトラバース巻用ボビン3は、左右
の側板4、4と、この側板4、4の周縁に渡って設けら
れる胴体部32と、側板4、4の中央に設けたフランジ
部6、6とから構成されている。そして、その特徴は従
来のトラバース巻用ボビンの側面に設けられているツバ
部を備えないことである。
【0022】〔胴体部〕本発明に係るボビン3の胴体部
32は、図1ないし図3に示すように、側板4と連接し
て構成されている。また、胴体部32は所定の直径を有
する円筒からなり、この胴体部32に直接、条材2がト
ラバース巻きされ巻層10a、10b、…が形成され
る。胴体部32の形状または材質は、特に限定されるも
のではなく、条材の幅、材質、作製されるコイルの質量
に応じて適宜に決定される。
【0023】一例として、幅10ないし50mmの銅ま
たは銅合金条を巻回する場合には、外径200ないし7
00mm、肉厚3ないし10mm程度、長さ200ない
し500mm程度の形状とすることができる。胴体部3
2の外径が200mmより小さいとコイルに巻癖がつ
き、コイルを巻き出した際に長手方向に反りが生じ易く
なる。したがって、ボビン3の外径は、200mm以上
であることが望ましい。また、胴体部32の大きさが7
00mmより大きいと巻き取られる条の長さに対するト
ラバース巻コイル1の大きさの割合が大きくなり過ぎト
ラバースコイルの巻き出し装置が巨大化するため、生産
効率が阻害される。したがって、ボビン3の外径は70
0mm以下であることが望ましい。
【0024】また、胴体部32の材質は、鋼、鉄合金、
アルミニウム合金等を用いることができる。特に、耐蝕
性を必要とする場合には、ステンレス鋼を使用したり、
胴体部32にメッキ、クロメート処理、塗装等の表面処
理を施してもよい。
【0025】〔側板〕側板4は、図2に示すように、中
央部に軸孔部5を備えており、胴体部32の力学的強度
保持、変形防止、フランジ部6を軸孔部5に取り付ける
基板等の役割を演ずるために設けられるものであって、
その材質、肉厚は特に限定されるものではなく、トラバ
ース巻きされる条の質量に応じて適宜に決定すればよ
い。
【0026】また、側板4と胴体部32とは、図3
(a)に示すように、胴体部32の内側に、側板4の周
面を溶接等の方法で接合されている。また、図3(b)
に示すように、胴体部32の側端部7に側板4の周縁が
溶接等の方法で接合されてもよい。また、側板4と胴体
部32との溶接は、全周に渡って肉盛り溶接しても、さ
らに、所定の部分をスポット溶接してもよい。このよう
な側板4の一例として、前記トラバースコイル32の形
状に適応した直径を有するもので、側板4の肉厚を3な
いし10mm程度とすることができ、材質は胴体部32
と同一または略同一、あるいは胴体部32と溶接可能な
ものを用いるとよい。なお、側板4と胴体部32との接
合関係は、前記したものに限定される必要はなく、条材
2の巻き付けられる胴体部32より側板4が大きく突出
していなければよいものである。
【0027】〔フランジ部〕フランジ部6は、図3
(a)に示すように側板4を貫通してボビン3の外方に
突出したもの、または、図4(a)に示すように内方に
突出したものであり、トラバースコイル巻取り装置の回
転軸(図略)をその内面に挿入し、その回転軸を当接さ
せて回転軸の回転をボビン3に伝達する役割を演ずる部
材である。フランジ6の形状は円筒形であれば、内径、
肉厚、高さ等の寸法は特に限定されるものではなく、胴
体部32と側板4との組み合わせ等に応じて適宜に決定
することができる。フランジ部6の形状の一例として、
内径150ないし200mm、肉厚3ないし10mm、
高さ10ないし30mm程度とすることができる。ま
た、フランジ部6は、両側の側板4間を連通するように
構成することもできるが、この場合には、ボビン3の質
量が大きくなる。なお、前記側板4が、前記回転軸の動
力を充分にボビン3に伝達することができれば、フラン
ジ部6を省略することも可能である。
【0028】〔ボビンの特徴〕以上のように構成される
ボビン3は、従来のトラバース巻用ボビンと比較して約
1/10のコスト、且つより短時間で製作することがで
きる。また、従来のトラバースコイル巻用ボビンは製作
コストが比較的高いため顧客から製造メーカーに返却さ
れ反復使用されるが、本発明のボビン3はコストが比較
的低いため反復使用の必然性がなくなり、ボビン3の回
収、管理、補修等に要する費用を最小限に抑えるか、ま
たは不要とすることができる。
【0029】また、ボビン3が返却され反復使用される
際にも、従来のトラバース巻用ボビンと比べて容積が小
さいため、同一容積の保管用積載箱に比較的多くの数の
ボビン3を収容することができる。したがって、返却コ
ストを低く抑えることができる。また、ボビン3は、両
側端部に比較的変形が起き易いツバ部を備えないため、
従来のボビンに比べ損傷頻度が小さくなり、補修、管理
の手間を著しく省いてトラバース巻コイル1を反復使用
することができる。
【0030】〔トラバース巻コイル〕本発明のトラバー
ス巻コイル1(以下、コイル1という。)は、前記ボビ
ン3に金属条を条材2としてトラバース巻きして作製す
るものである。図1および図3(a)に示すように、コ
イル1は、胴体部32の両端からの距離D1として少な
くとも3mm内側に入り込んだ位置にトラバース巻きさ
れる構成としている。そして、条材2は、ボビン3上に
各巻層10a、10b、…、毎に間隔D2として2ない
し15mmの間隔をあけてトラバース巻きして形成され
ている。
【0031】〔ボビンの最も外側に位置する巻層の側端
部からの距離〕なお、本発明のボビン3に巻回された巻
層のうち、ボビン3の幅方向の最外側に位置する最外周
部の巻層の端面は、前記条材コイル1の外側の巻層(例
えば10a)におけるボビン3の側端部7からの距離D
1が、少なくとも3mmであることが好ましい。このよ
うに巻回することで、ボビン3の軸心が垂直となるよう
に載置しても、前記最外周部の端面が載置面に接触して
変形することを防いで連続的に条材2を巻き出すことが
可能となる。また、ボビン3に条材2を巻き取る際の条
材2の各巻層10a、10b、…の位置精度の点から、
少なくとも距離D1が3mm以上内側であることが望ま
しい。そのため、コイル1の最外周の巻層が変形するこ
とによって起こる加工中のトラブルを防止でき、ひいて
はスタンピングプレス加工を行った場合、高い生産効率
を達成することができる。
【0032】〔巻層の間隔〕さらに、本発明のボビン3
に巻回された各巻層の間隔D2は、特に限定されるもの
ではないが、長尺のコイル1を作製するためには2ない
し15mm程度であることが好ましい。各巻層の間隔が
2mmより小さいと条材2が接触して重なり合って巻層
が乱れ易くなり、15mmより大きいとボビン3上に形
成できる巻層10a、10b、…、の数が少なくなり巻
き取られる条材2の全長が短くなるためである。
【0033】〔金属条の種類〕前記ボビン3に巻回され
る条材2としては、特に限定されるものではなく、例え
ば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、各
種鋼、鉄合金等の金属条を巻回してコイル1を形成する
ことができ、充分に安定して巻回することができれば使
用可能である。
【0034】〔金属条の幅〕前記ボビン3に巻回される
条材2の幅は、特に限定されるものではなく、用途に応
じて適宜に決定されるが、生産性の点から、5ないし1
00mm程度とするのが望ましい。
【0035】〔トラバース巻用ボビンへの金属条のトラ
バース巻き〕条材2を前記ボビン3へトラバース巻きす
る際には、巻回する条材2に所定の引張張力を作用させ
て巻回する。この所定の引張張力の範囲は、特に限定さ
れるものではなく、条材2の質量、条材2の巻取り速度
等に応じて、適宜に決定される。例えば、条材2が前記
した銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、各
種鋼、鉄合金等からなる場合には、前記引張張力は5な
いし50(N/m2 )程度の範囲から適宜に決定するこ
とができる。このようにしてボビン3へ条材2を巻回す
ると、作製したコイル1をその軸心を垂直にしてターン
テーブル12上に載置し、さらに、条材2を巻き出す際
にも条材2が下向きにずれることがなくなる。
【0036】〔トラバース巻コイルからの条材の供給方
法〕さらに、コイル1は、条材2を巻き出すアンコイラ
ー20として、従来の装置に特段の改造を施すことなく
安価なターンテーブル12を設置し、テーンテーブル1
2をコイル1の巻き出し方向に回転させるだけで連続巻
き出しを行うことができる。
【0037】例えば、図1に示すように、タ−ンテーブ
ル12上に設置されたパレット(架台)13にボビン3
の軸心が垂直となるようにコイル1を載置し、ターンテ
ーブル12をコイル1の巻き出し方向に回転させて、長
尺の条材2を連続して、図略の加工設備に供給すること
ができる。なお、コイル1の側面にすべり止めパッド1
4が適度な力で接面させることにより、条材2の各巻層
10a、10b、…の位置がずれないようにして安定し
て条材2を供給してもよい。この場合、ボビン3は、巻
き終わった後も回転軸より抜き取るだけでよく、分解す
る必要がなく従来のトラバース巻コイルと同様に巻回転
軸を水平またはパンケーキコイルと同様にして巻回転軸
を垂直にして梱包、運搬が可能である。また、コイル1
のフランジ6が側板4から突出している構成のもので
は、そのコイル1の設置状態を安定させるために中央に
穴を設けた介在板を介してパレット13に載置してい
る。なお、コイル1はツバ板がない状態であっても、既
存の縦型アンコイラーを用いて条材2の供給は可能であ
【0038】〔トラバース巻コイルの運搬または保管方
法〕なお、本発明のトラバース巻コイル1を運搬または
保管するに際し、トラバース巻コイル1をパレット13
上に横置きまたは縦置きに載置し、従来公知の包装また
は梱包を適用することで所望の品質を充分に保持するこ
とできる。すなわち、従来のパンケーキコイルまたはト
ラバース巻コイル1の包装または梱包を大幅に変更する
必要はない。
【0039】なお、このような本発明のトラバース巻コ
イル1より条材2を巻き出す方法としては、ボビン3の
側板4の外側に適切な方法で、別体に形成されたツバ部
を、側板4の所定位置に後から設ける構成にすることに
より、従来のツバ部を備えるボビンを有するトラバース
巻コイルと全く同様の方法で巻出すこともできる。
【0040】その一例として、つぎのように構成しても
よい。すなわち、トラバース巻用ボビンは、図5および
図6(c)に示すように、側板4が、ツバ板24を着脱
自在に係合するために設けられる連結手段Aの係合部4
Aまたは係止部4Bのどちらか一方を備える構成として
いる。図5および図6(c)では、連結手段Aの一方と
しての係止部4Bであるボルトを側板4に2箇所以上
(図面では3箇所)設けている。この係止部4Bである
ボルトは、ボルト頭を側板4に溶接して固定され、側板
4の貫通孔4aにそのボルトのネジ部分を突出させ、さ
らに、そのネジ部分がフランジ6より出っ張らないよう
に設置される。
【0041】図5に示すように、側板4に取り付けられ
るツバ板24は、その中央に、側板4のフランジ6の外
径より大きな軸穴24dを有し、さらに、側板4に設け
られる連結手段Aの一方としての係止部4Bの対応する
位置に、取付孔24aが形成されており、また、強度を
維持するためのリブ24bを内周円位置および外周縁位
置ならびに半径方向の少なくともいずれかの位置に設け
る構成としている。そして、このツバ板24は、鋼、ス
テンレス、アルミニウム合金など側板4と同材質のもの
より構成されると都合がよい。また、ツバ板の24取付
孔24aは、側板4の貫通孔より直径がやや大きくなる
ように形成されている。そして、このツバ板24の取付
孔24aの位置と、側板4の係止部4Bとの係合作業が
容易となるように、側板4のフランジ部6に位置決めの
目安となる突起4cを形成しておき、この突起4cに嵌
合することができる凹部24cをツバ板24に設ける構
成とすれば都合がよい。なお、側板4にツバ板24を取
り付ける場合は、係止部4Bであるボルトに係合部4A
であるナットを介して着脱自在に取り付ける。
【0042】また、図6(a)、(b)に示すように、
側板4とツバ板24との連結手段Aは、係合部4Aを側
板4に設け、係止部4Bによりツバ板24を着脱自在に
取り付ける構成としてもよい。すなわち、図6(a)に
示すように、連結手段Aの一方としての係合部4Aは、
側板4の貫通孔4aに取付ネジを形成し、左右の側板4
の少なくとも2箇所以上(図面では3箇所)に形成した
構成としている。なお、連結手段Aは、図6(b)に示
すように、係合部4Aとして、側板4に設けた貫通孔4
aにナットを取り付ける構成としてもよい。
【0043】図6(a)、(b)に示すように、側板4
に連結手段Aの一方としての係合部4Aを用いる場合
は、ツバ板24を取り付ける際に係止部4Bとしてのナ
ットを用いて側板4にツバ板24を取り付ける。ここで
用いられる連結手段Aの構成は、ツバ板24が側板4に
着脱自在に取り付けられるものであれば、特にその構成
を限定されるものではない。さらに、側板4に係合部4
Aあるいは係止部4Bを固定する場合は、溶接、ロウ付
け、接着材など、特に限定されるものではない。
【0044】なお、フランジ6が側板4から突出する構
成の場合は、係合部4Aとしてのナットをその側板4の
表面側に固定する構成としてもよい。また、フランジ部
6が側板4から出っ張らない構成である場合は、連結手
段Aの一方である係合部4Aがナットや、あるいは、側
板4に取付ネジを形成する構成であるものを用いると都
合がよい。
【0045】このように、側板4にツバ板24を取り付
けられる構成にすることで、縦型アンコイラーによって
条材2を供給するときに既存の設備により安定して使用
することが可能となり、条材2の供給手段の選択肢が増
えて都合がよい。また、条材2を供給し終わったボビン
3は、側板4からツバ板24が取り外された状態で返却
される。そのため、縦型アンコイラーの近くに一組のツ
バ板24を準備しておけば都合がよい。また、ツバ板が
側板に固定されているボビンと比べると、ツバ板が変形
しても簡単に取り替えることができると共に、ツバ板と
ボビンが別々に形成されることから強度を損なうことな
く構成も簡素化できるものである。
【0046】
【実施例1】以下、本発明に係る実施例を図面を参照し
て説明する。図2に示されるトラバース巻用ボビン3
を、表1に示す寸法にて各種作製し、それぞれのボビン
3に厚さ0.25mm、幅30mmの銅合金(JISに
規定されているC2600(Cu-30%Zn))の条材2に11
0(N/mm2)の引張張力を作用させてトラバース巻
きし、巻き終わり終端部はテープ止めして図1に示すよ
うな質量500kgのトラバース巻コイル1を作製し
た。なお、各巻層の条材2の間隔(D2)は5mm、コ
イル1の最も外側の巻層端部とボビン3の側端部7との
距離(D1)は7mmに設定した。そして図1に示すよ
うに、フランジ部6の突出部の高さに相当する木製の図
略のスペーサーを介して、トラバース巻コイル1を木製
のパレット13に載置した。
【0047】
【表1】
【0048】次に、このコイル1をパレット13ととも
に、アンコイラー20のターンテーブル12に載置し、
ターンテーブル12をトラバース巻コイル1の巻き出し
方向に回転させて条材2を巻き出し、図略の打ち抜きプ
レス装置に供給して連続的に打ち抜き加工(600sp
m)を行うことによって、電子部品用端子を作製した。
この電子部品用端子は紙製のロールに巻き取られ、この
紙製ロールが満巻になった時点で前記打ち抜きプレス装
置を停止させて、新たな巻き取り用ロールを設置後前記
打ち抜きプレス装置を運転した。なお、前記打ち抜きプ
レス装置の運転停止時にはターンテーブル12の回転を
一旦止めるが、その際、図1に示すように油圧または空
圧で作動するシリンダーに接続したコイルずれ防止機構
30によってコイル1に所定の圧力を作用させながら条
材2がずり落ちないようにして条材2を供給した。前記
コイルずれ防止機構30は、コイル条に接触する部分が
ゴム製のすべり止めローラ14で構成され、条材のゆる
みを防止するだけでなく、条材2の供給方向にすべり止
めローラ14が回転して条材2の表面に疵を発生させる
ことなく、条材2が円滑に供給されるようになってい
る。
【0049】以上のようにして、トラバース巻コイル1
から打ち抜きプレス装置に条材2を供給した結果、コイ
ル1の全長に渡って、打ち抜きプレス装置の詰まり、停
止等の不具合が生じることなく、電子部品用端子を作製
することができた。
【0050】
【実施例2】図2に示されるボビン3を、表2に示す寸
法にて各種作製し、それぞれのボビン3に、電気錫めっ
きを施した厚さ0.25mm、幅30mmの銅合金(J
ISに規定されているC2600(Cu-30%Zn))の条材2
に100ないし200(N/mm2)の引張張力を作用
させてトラバース巻きし、巻き終わり終端部はテープ止
めして図1に示すような質量1000kgのトラバース
巻コイル1を作製した。なお、各巻層の条材2の間隔
(D2)は4mm、コイル1の最も外側の巻層端部とボ
ビン3の側端部7との距離(D1)は15mmに設定し
た。また、本実施例においては、フランジ部6が側板4
より内方に突出している(図4(a)に示す構成)た
め、実施例1で用いたスペーサー(図略)を介すること
なく、作製したコイル1を木製のパレット12に直接載
置した。
【0051】
【表2】
【0052】そして、実施例1と同様にして、条材2を
巻き出して図略のプレス打ち抜き装置に条材2を供給
し、電子部品用端子を作製した。その結果、コイル1の
全長に渡って、条材2の錫めっき表面に供給時の擦れ疵
が発生したり、打ち抜きプレス装置の詰まり、停止等の
不具合が発生したりすることなく、電子部品用端子を作
製することができた。
【0053】
【実施例3】つぎに、側板にツバ板を取り付けたトラバ
ース巻用ボビンについて説明する。なお、前記した構成
と同じ部材は、その説明を省略する。ここでは、連結手
段の係止部としてボルトを側板の中心から330cmの
位置に120度に3箇所設けた構成として説明する。な
お、ボルトはM12ものを使用した。そして、ボルトの
突出高さは20mmとした。さらに、ツバ板として表4
に示すものを用いた。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】表3に示す構成のトラバース巻用ボビン
に、厚さ0.25mm、幅30mmのC2600の条材
を110N/mm2の引張り張力を作用させてトラバー
ス巻し、巻き終わりはテープ止めして図1に示すような
トラバース巻コイルを作製した。各巻層の条材の間隔
と、また、トラバース巻コイルの最外層の巻層端部とト
ラバース巻用ボビンの側端部との距離は、共に実施例1
と同じ値とした。
【0057】つぎに、このトラバース巻コイルのフラン
ジ部を縦型アンコイラーの回転軸に挿通させた。このと
き、コイルの両側面に表4のツバ板を押し当てて結合手
段の係合部であるナットで固定した。このツバ板を付け
た状態で、縦型アンコイラーをコイルの巻き出し方向に
回転させて条材を、図示しない打ち抜きプレス装置に供
給し連続的に打ち抜き加工を行った(600spm)。
約、200kgの条材を打ち抜き加工後、その作業を一
旦中止して条材を切断し、残ったコイルにテープ止めし
た。そして、ツバ板をつけたままの状態でコイルを縦型
アンコイラーより抜き取り、コイルの軸心が水平となる
ように床面に載置した。その後、約48時間経過させ、
再び縦型アンコイラーにコイルを装着し、残りの条材の
打ち抜き加工を行った。
【0058】実施例3においては、打ち抜き加工を途中
で中断後、再度加工を行ったが、打ち抜きプレス装置の
詰まり、停止などの不具合は全く発生せず、また、中断
時に床面に載置してもツバ板の変形、条材のずれなども
発生しなかった。実施例3のように側板に結合手段の係
止部または係合部の一方を設ける構成としたトラバース
巻コイルとすることによって、コイルの使用場所にツバ
板を一組準備しておけば、縦型アンコイラーでの安定し
た使用も可能となる。
【0059】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本
発明の技術的思想に基づいて各種の変形または変更が可
能である。例えば、前記コイル1の質量は、用途に応じ
て1500ないし2000kgとすることも可能であ
る。
【0060】
【発明の効果】以上、説明した通り構成される本発明
は、以下のような効果を奏する、請求項1によれば、ト
ラバース巻用ボビンのツバ部を排除したことで、コスト
を低く抑えることができ経済性に優れる。また、機械的
損傷を受けにくくして回収・再利用に伴う点検・保守の
手間を省くとともに、大きさがコンパクトになってハン
ドリングに優れたものとなり、生産性を向上させること
ができる。
【0061】請求項2によれば、トラバース巻用ボビン
がフランジ部を有するため、機械的強度を向上したボビ
ンとなる。
【0062】請求項3によれば、トラバース巻用ボビン
の側板にツバ板を連結手段により着脱自在に取り付ける
構成とすることで、トラバース巻用ボビンの条材を巻き
出す際に、既存の縦型アンコイラーの使用を安定して行
うことができると共に、軸心を床面に対して水平な状態
で保管することも可能となる。また、ツバ板を着脱自在
に側板に取り付けられる構成とすることから、ツバ板が
変形しても簡単に取り替えることができ、また、トラバ
ース巻用ボビンの製造が簡易となる。
【0063】請求項4によれば、請求項1または請求項
2のトラバース巻用ボビンに金属条、または、合金条を
トラバース巻きして作製したトラバース巻コイルとする
ことで、その巻心の軸線を水平方向、および、垂直方向
のいずれにも保持して使用でき、前記トラバース巻コイ
ルの適用範囲を広げることができる。
【0064】請求項5によれば、トラバース巻用ボビン
は前記ボビンに条材を巻き取る際、前記ボビンの両側端
部に巻き取られる条材の巻層の位置を規定することで、
その巻心の軸線を垂直方向にして載置した場合に、前記
両側端部に巻き取られた条材の変形を防止でき、トラバ
ース巻コイルの品質を向上させることができる。
【0065】請求項6によれば、トラバース巻用ボビン
の条材の供給方法は、トラバース巻用ボビンの軸線を垂
直とした状態でターンテーブルの回転によりトラバース
巻コイルが外側の巻層より送り出されて供給されるた
め、ターンテーブル上のトラバース巻コイルは、その側
端部がトラバース巻用ボビンの側板より内側に位置して
いることからターンテーブルと非接触状態に置かれ、接
触による損傷を防止する。そして、トラバース巻用ボビ
ンの条材の供給方法は、トラバース巻用ボビンの巻心の
軸線を水平にして回転させるための一連の付加装置の必
要がないため、本発明のトラバース巻用ボビンを扱う設
備が簡素化できる。
【0066】請求項7によれば、トラバース巻用ボビン
の条材の供給方法は、トラバース巻用ボビンの側板にツ
バ板を、連結手段を介し取り付けた状態により行うこと
ができるため、トラバース巻用ボビンの軸線を垂直方向
にした状態で条材を供給できることはもちろんのこと、
その軸線を水平状態として、縦型アンコイラーの使用も
可能となる。また、トラバース巻コイルからの条材の供
給を途中で一旦停止して、その後再開するような操作を
行ってもツバ板によりコイルが直接床面などの設置面に
接触することがなく、コイルに対する疵をつける原因を
最小限とすることが可能となると共に、トラバース巻コ
イルのハンドリング性の向上を図ることができる。さら
に、ツバ板は、縦型アンコイラーで操作する位置に少な
くとも一組を備えておけばよく都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトラバース巻用ボビンから条材を
供給している状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るトラバース巻用ボビンの構成を示
す斜視図である。
【図3】(a)本発明に係るトラバース巻用ボビンの一
部を切り欠いた正面図である。 (b)本発明に係る胴体部と側板との接合状態を示す拡
大断面図である。
【図4】(a)本発明に係るトラバース巻用ボビンのフ
ランジ部の他の構成を示す一部を切り欠いた正面図であ
る。 (b)本発明に係るトラバース巻用ボビンの胴体部と側
板との接合状態を示す拡大断面図である。
【図5】(a)本発明に係るトラバース巻用ボビンにツ
バ板を着脱自在に取り付けるための連結手段を示す分解
斜視図である。 (b)本発明に係るトラバース巻用ボビンにツバ板を着
脱自在に取り付けるための連結手段を示す断面図であ
る。
【図6】(a)、(b)、(c)は、本発明に係る連結
手段の構成を示す断面図である。
【図7】従来のトラバース巻用ボビンの平面図である。
【符号の説明】
1 トラバース巻コイル 2 条材(金属条) 3 トラバース巻用ボビン 4 側板 4A 係合部 4B 係止部 5 軸孔部 6 フランジ部 7 側端部 10a 巻層 10b 巻層 12 ターンテーブル 13 パレット 14 すべり止めローラ 20 アンコイラー 24 ツバ板 30 コイルずれ防止機構 32 胴体部 A 結合手段 D1 ボビンの最も外側に位置する巻層の側端部から
の距離 D2 ボビンに巻回された各巻層の間隔
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65H 75/14 B65H 75/14 Z // B21C 47/26 B21C 47/26 F Fターム(参考) 3F058 AA04 AB01 BB19 CA09 CA11 DA04 DA05 DB05 JA05 3F109 BA01 CA06 CA08 CB07 3F115 AA02 BA03 BA05 4E026 CB01 CB10 EA01 FA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 条材をトラバース巻きして多層に形成さ
    れた条材コイルに用いるトラバース巻用ボビンであっ
    て、回転軸を取り付けるための軸孔を中央部に有する左
    右の側板と、前記左右の側板の周縁に渡って所定の直径
    で形成された円筒状の胴体部とからなることを特徴とす
    るトラバース巻用ボビン。
  2. 【請求項2】 前記側板は、その軸孔部に、前記回転軸
    に沿って一方の側に突出するフランジ部を有することを
    特徴とする請求項1に記載のトラバース巻用ボビン。
  3. 【請求項3】 前記左右の側板は、それぞれが少なくと
    も2箇所に、その側板の外径より大きな外径を有するツ
    バ板を着脱自在に設けるための、係合部および係止部か
    らなる連結手段の一方を設けたことを特徴とする請求項
    1または2に記載のトラバース巻用ボビン。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3に記載のトラバ
    ース巻用ボビンに、金属条をトラバース巻きして作製し
    たことを特徴とするトラバース巻コイル。
  5. 【請求項5】 前記トラバース巻きは、その両側端の位
    置が前記胴体部の両側端部より少なくとも3mm内側に
    離れた位置に形成されてなることを特徴とする請求項4
    に記載のトラバース巻コイル。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載のトラバ
    ース巻コイルの巻心の軸線を垂直にしてターンテーブル
    上に載置し、ターンテーブルをそのトラバース巻コイル
    の巻き出し方向に回転させ、前記トラバース巻コイルの
    側端部が載置面に非接触な状態で、前記トラバース巻コ
    イルの外側の巻層より順に条材を連続的に巻き出し、供
    給することを特徴とする条材の供給方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または請求項5に記載のトラバ
    ース巻コイルにおいて、前記トラバース巻コイルの外径
    より大きな前記ツバ板を、前記係合部および係止部から
    なる連結手段の他方を介して、前記側板に設けた前記結
    合手段の一方に係合させることで取り付けてトラバース
    巻コイルとし、前記トラバース巻コイルの巻心の軸線を
    水平となるように縦型アンコイラーに装着し、前記縦型
    アンコイラーを前記トラバース巻コイルの巻き出し方向
    に回転させ、前記トラバース巻コイルの外側の巻層より
    順に前記金属条を巻き出し、供給することを特徴とする
    条材の供給方法。
JP2000263726A 1999-11-30 2000-08-31 トラバース巻用ボビン、トラバース巻コイルおよびその条材の供給方法 Pending JP2001220063A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000263726A JP2001220063A (ja) 1999-11-30 2000-08-31 トラバース巻用ボビン、トラバース巻コイルおよびその条材の供給方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34138199 1999-11-30
JP11-341381 1999-11-30
JP2000263726A JP2001220063A (ja) 1999-11-30 2000-08-31 トラバース巻用ボビン、トラバース巻コイルおよびその条材の供給方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001220063A true JP2001220063A (ja) 2001-08-14

Family

ID=26576953

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000263726A Pending JP2001220063A (ja) 1999-11-30 2000-08-31 トラバース巻用ボビン、トラバース巻コイルおよびその条材の供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001220063A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106144726A (zh) * 2015-03-22 2016-11-23 王威 一种带添料提示功能的卷料输送装置及其使用方法
CN108861739A (zh) * 2018-08-01 2018-11-23 河北华通线缆集团股份有限公司 一种连续供带的水平供带装置
JP2021017303A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 積水化学工業株式会社 帯巻き重ね体保持装置及びその使用方法
CN114324993A (zh) * 2021-12-15 2022-04-12 河钢股份有限公司承德分公司 一种钢铁厂供电线路检修装置及使用方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53138181U (ja) * 1977-04-08 1978-11-01
JPH01275378A (ja) * 1988-04-27 1989-11-06 Watanabe Tekko Kk 金属条材巻取用ボビン、その使用及び取扱方法
JPH02139872U (ja) * 1989-04-26 1990-11-22
JPH07303917A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Nikko Kinzoku Kk コイル条取り出し方法
JPH08117848A (ja) * 1994-10-21 1996-05-14 Yutani:Kk 縦横兼用アンコイラ
JPH0957339A (ja) * 1995-08-18 1997-03-04 Furukawa Electric Co Ltd:The コイル条から長尺条材を供給する方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53138181U (ja) * 1977-04-08 1978-11-01
JPH01275378A (ja) * 1988-04-27 1989-11-06 Watanabe Tekko Kk 金属条材巻取用ボビン、その使用及び取扱方法
JPH02139872U (ja) * 1989-04-26 1990-11-22
JPH07303917A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Nikko Kinzoku Kk コイル条取り出し方法
JPH08117848A (ja) * 1994-10-21 1996-05-14 Yutani:Kk 縦横兼用アンコイラ
JPH0957339A (ja) * 1995-08-18 1997-03-04 Furukawa Electric Co Ltd:The コイル条から長尺条材を供給する方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106144726A (zh) * 2015-03-22 2016-11-23 王威 一种带添料提示功能的卷料输送装置及其使用方法
CN108861739A (zh) * 2018-08-01 2018-11-23 河北华通线缆集团股份有限公司 一种连续供带的水平供带装置
CN108861739B (zh) * 2018-08-01 2023-11-24 河北华通线缆集团股份有限公司 一种连续供带的水平供带装置
JP2021017303A (ja) * 2019-07-17 2021-02-15 積水化学工業株式会社 帯巻き重ね体保持装置及びその使用方法
JP7328814B2 (ja) 2019-07-17 2023-08-17 積水化学工業株式会社 帯巻き重ね体保持装置及びその使用方法
CN114324993A (zh) * 2021-12-15 2022-04-12 河钢股份有限公司承德分公司 一种钢铁厂供电线路检修装置及使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101062133B1 (ko) 코일 포장시스템
JP2001220063A (ja) トラバース巻用ボビン、トラバース巻コイルおよびその条材の供給方法
RU2299774C2 (ru) Способ и устройство для намотки тонкой металлической полосы, в частности горяче- или холоднокатаной тонкой стальной полосы (варианты)
US20220332538A1 (en) Split spool assembly for a three-dimensional printer
JP2011136346A (ja) ペイルパック用押さえ部材、ペイルパック用容器及び溶接ワイヤ収納ペイルパック
JPH0521816B2 (ja)
US3895708A (en) Connector plate coil
US20020080000A1 (en) Method and apparatus for making a transformer core from amorphous metal ribbons
KR101337249B1 (ko) 접기 롤러 및 이를 이용한 코일 포장용 방청지 권취장치
US4844360A (en) Long-length continuous metal strip feed device
JP6646333B2 (ja) 打抜き加工方法および積層鉄心の製造方法
CN114798743B (zh) 一种带钢卷取机用的倒卷工艺
JP2829222B2 (ja) ストリップコイルの搬出方法および装置
CN210023243U (zh) 一种不锈钢带辅助生产系统
JPH09295768A (ja) 金属細線巻取用リール
JPH091273A (ja) コイル梱包用外周リングのロール成形方法および設備
JP2954512B2 (ja) コイル自動梱包設備
CN218595659U (zh) 一种钢带卷料装置及钢带供料设备
JP4408300B2 (ja) 自動車製造工場への鋼板供給システム
JP2001206636A (ja) 金属線巻取用リール
CN219004145U (zh) 一种适用于窄带线卷取机的钳口结构
EP4234468A1 (en) Automatic winding machine of wire of added material
JP2846251B2 (ja) 薄物鋼帯コイルの巻き取り方法
US20220381374A1 (en) Tubular structures
JP2898561B2 (ja) 連続コイル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100511