JPH07216519A - 化成処理皮膜外観の優れたアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

化成処理皮膜外観の優れたアルミニウム合金板の製造方法

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JPH07216519A
JPH07216519A JP804894A JP804894A JPH07216519A JP H07216519 A JPH07216519 A JP H07216519A JP 804894 A JP804894 A JP 804894A JP 804894 A JP804894 A JP 804894A JP H07216519 A JPH07216519 A JP H07216519A
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JP804894A
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Kimitaka Hayashi
公隆 林
Hiromasa Nomura
広正 野村
Kazuhiko Honda
和彦 本田
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム合金板の化成処理後の皮膜量を
最適皮膜量に付与させるために、アルミニウム合金中の
Cu含有量を制御して、容易に化成処理皮膜外観の優れ
たアルミニウム合金板を製造する方法を提供すること。 【構成】 アルミニウム合金板への化成処理中の自然電
位を経時測定することにより化成処理皮膜量を推定し、
最適皮膜量に成るようにアルミニウム合金中のCu含有
量を0.03〜0.4の範囲で制御する化成処理皮膜外
観の優れたアルミニウム合金板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用化成処理皮膜外
観の優れたアルミニウム合金板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウム合金材料はその軽量
性の他、成形性や耐食性の点で優れているため、自動
車、家電パネル等の部材として用いられるようになって
来ている。ところで自動車用アルミニウム合金材料は通
常、先ずプレス成形された後塗装される場合に化成処理
し、電着塗装、仕上げ塗装の表面処理が施されるのが一
般的である。このうち、化成処理は塗装後の塗膜の密着
性、耐食性を向上させる等塗装材の表面処理の効果をよ
り効率的に得るために行われるものである。
【0003】そこで従来、特開昭60−96772号公
報のようにアルミニウム合金における化成処理によって
優れた塗料密着性並びに耐食性を付与する化成皮膜を形
成させるための前処理が示されている。また、特開平2
−2505944号公報のように、Mgを0.6wt%
以上含有するアルミ合金板につき、表面層の除去後最終
熱処理を施した状態での表面層が酸化皮膜厚さを50〜
150Åで、かつMg/Alの比を0.6〜5であるリ
ン酸亜鉛処理に優れたアルミ合金板が開示されている。
更には、神戸製鋼技報/Vol43.No3(199
3)第59頁に「アルミニウム合金へのりん酸亜鉛の析
出挙動」と題して、りん酸亜鉛浴中のアルミニウム合金
板の自然電位が振動する現象及びこの電位変化とりん酸
亜鉛の析出状況が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭60−
96772号公報については、合金表面のMgO除去に
より化成皮膜の塗膜密着性を向上するものであって、化
成処理皮膜外観上からのアルミニウム合金中のCu含有
量を制御することについては何ら述べられていない。ま
た、特開平2−2505944号公報はリン酸亜鉛処理
性の向上のみであって、上記同様その具体的な化成処理
皮膜外観上からのアルミニウム合金中のCu含有量を制
御することは示されていない。更に、神戸製鋼技報にお
いては、りん酸亜鉛浴中のアルミニウム合金板の自然電
位が振動する現象及びりん酸亜鉛の析出状況までは開示
されているが、その電位変化とアルミニウム合金のCu
含有成分との関係およびそれに伴う最適処理と化成処理
皮膜外観性との関係は何ら開示されていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述したよう
な、アルミニウム合金板の化成処理後の皮膜量を化学分
析等を行わずに化成処理中のアルミニウム合金の自然電
位の波形から化成処理皮膜量を推定して、最適被覆量を
付与させるためにアルミニウム合金中のCu含有量を制
御することにより、容易に化成処理皮膜外観の優れたア
ルミニウム合金板を製造する方法を提供することにあ
る。その発明の要旨とするところは、化成処理皮膜外観
の優れたアルミニウム合金板の製造方法において、アル
ミニウム合金板への化成処理中の自然電位を経時測定す
ることにより化成処理皮膜量を推定し、最適皮膜量に成
るようにアルミニウム合金中のCu含有量を0.03〜
0.4%の範囲で制御することを特徴とする化成処理皮
膜外観の優れたアルミニウム合金板の製造方法である。
【0006】
【作用】以下本発明について図面に従って詳細に説明す
る。図1は本発明に係るCu0.1%及び0.3%含有
するアルミニウム合金の化成処理時間と自然電位との関
係を示す図である。すなわち、図1は、Cu0.1%及
びCu0.3%含有するアルミニウム合金板の2種を無
酸洗及び酸洗した後、りん酸亜鉛浴に浸漬したときの電
位変化を経時的に調べた結果であり、浸漬初期の卑な電
位を示している領域から貴の領域に移行し、一定時間を
保った後再び卑の電位に下降し再び上昇するような電位
変化を繰り返し行われることが判る。しかも、貴の領域
に達したときにCu0.1%含有アルミニウム合金板の
場合に比較してCu0.3%含有するアルミニウム合金
板の場合には比較的長い時間一定保持されていることが
判る。
【0007】この電位変化とりん酸亜鉛の析出の関係に
ついては、浸漬初期の卑の電位を示している領域ではり
ん酸亜鉛の析出は少なく、りん酸亜鉛の析出はアルミニ
ウム合金板の面が貴の電位域で進行し、卑の電位では成
長が少ないことが判った。その理由は卑の電位を示す領
域ではアルミ表面とりん酸亜鉛浴界面のpHはりん酸亜
鉛の析出pHより低い値を示し、貴の電位を示す領域で
はアルミニウム合金とりん酸亜鉛浴界面のpHはりん酸
亜鉛の析出する高いpH値を示すからである。
【0008】図2は、本発明に係るCu0.1%及び
0.3%含有するアルミニウム合金複合板の化成処理時
間と自然電位との関係を示す図である。この図から、図
1に示すCu0.1%含有するアルミニウム合金板に近
い電位変化を示していることが判る。すなわち、処理時
間の経過と共に自然電位は浸漬初期の卑の電位を示して
いる領域から貴の領域に移行し、再び卑の領域に下降
し、卑の電位において一定時間保持されて再び上昇する
ような電位変化を繰り返し行われる。しかも卑の領域に
達したときの時間の方が貴の領域より長い時間保持して
いることを示している。このように成分の異なるアルミ
ニウム合金複合板を同時に合わせて化成処理すると自然
電位は両者の合成的な電位変化ではなく、一方の成分の
挙動を示すことが解明された。
【0009】図3は電位振動に伴う化成皮膜成長モデル
を示す図である。図3(A)は電位振動に伴う析出する
化成皮膜形成速度v(v=dm/dt)との関係を模式
的に示したもので、その時間tと析出する化成皮膜量と
の関係を化成皮膜形成速度勾配として図3(B)に模式
的に示した。また、図3(A)の電位変化を一定時間で
の卑の電位による化成皮膜形成と貴の電位における化成
皮膜形成とを分けて、それぞれの時間tと析出量を全体
量として模式的に示したのが図3(C)である。更にそ
の全体量を析出する化成処理皮膜形成速度の勾配として
模式的に示したのが図3(D)である。
【0010】而して、図3に示すように、t1 〜t2
3 〜t4 の区間でのアルミ表面に各々析出する化成皮
膜と時間との関係については、次式のように表すことが
出来る。 △t1 =t1 +(t3 −t2 )+(t5 −t4 ) △t2 =(t2 −t1 )+(t4 −t3 ) △t1 +△t2 =Tと定義し、これにより、△t1 、△
2 と化成皮膜付着量の間の相関性を見出したものであ
る。 ただし、t1 ,t3 :電位が卑から貴に移行する直前の
時刻 t2 ,t4 :電位が貴から卑に移行した瞬間の時刻 t1 〜t2 、t3 〜t4 の区間でアルミ表面のpHが上
昇し、電位が貴になると同時に化成皮膜形成が大きく起
こることを示している。
【0011】また、図3(D)より、 m=v1 △t1 +v2 △t2 …… (1) 前記より、 m=v1 (T−△t2 )+v2 △t2 であるから、 m=(v2 −v1 )△t2 +v1 T …… (2) なお、 k=v2 −v1 △t2 =△t n=v1 T とすると、 m=k△t+n …… (3) ただし、m:化成皮膜量 V:化成皮膜の析出する速度 T:全化成処理時間
【0012】本発明の実験結果より、 v1 =1.03×10-2・g/m2 s v2 =1.71×10-2・g/m2 s 従って、v2 /v1 =1.66 …… (4) ただし、T=100s また、同様に(2)式の係数は、 k=0.68×10-2g/m2 s n=1.03g/m2 s 故に、(2)式は m=0.68×10-2△t+n …… (5) (4)式より電位が貴の状態においては卑に比較して
1.66倍の析出する化成皮膜の多いことを意味してい
る。また、(5)式より、化成皮膜量mは電位上昇時間
に比例することを示している。
【0013】図4は本発明に係るCu含有率と電位上昇
時間及び化成皮膜量の関係を示す図である。すなわち、
図5は種々のCu量を変えたアルミニウム合金板の電位
上昇時間△t/sec及び化成皮膜付着量との関係を示
している。これによればアルミニウム合金中のCu含有
量が0.03%含有する場合に化成皮膜は1.2g/m
2 で電位上昇時間△tが25秒以上処理すれば最適外観
である1.2g/m2を付着させることが出来る。従っ
て、化成皮膜付着量を1.2g/m2 以上付着させるた
めの電位上昇時間△tとアルミニウム合金中に含有する
Cu量を制御することで、常に付着量を1.2g/m2
以上の外観性に優れた表面に形成させることが出来る。
【0014】すなわち、外観性の優れた化成処理皮膜を
得るためには、化成皮膜付着量を1.2g/m2 以上必
要であり、一定処理時間に固定した状態で、この付着量
を得るためにはアルミニウム合金中に含有するCu量を
0.03〜0.4%の範囲で制御すれば、最適皮膜量で
ある1.2g/m2 以上の付着量を得ることが出来るも
のである。ここでCu含有量を0.03%未満であると
図4に示すように、付着量1.2g/m2 以上の付着量
は得られず、また、0.4%を越える場合は、それ以上
のCu含有量を上げても皮膜量の上昇は得られず、母材
の耐食特性からも好ましくないので、Cu含有量は0.
03〜0.4%の範囲で制御することに規制した。
【0015】
【実施例】供試材としてアルミニウム合金板を酸洗後り
ん酸亜鉛処理工程において、市販浴であるりん酸亜鉛浴
を用いて、温度40℃、攪拌条件下で実施した。ここ
で、アルミニウム合金中に含有するCu量及びりん酸亜
鉛処理時間を変化させ、りん酸亜鉛の析出量の変化を測
定した。その結果、Cu0.03%含有するアルミニウ
ム合金の電位上昇時間△tが25秒の時のりん酸亜鉛皮
膜量は1.2g/m2となり、このりん酸亜鉛皮膜量に
ついての化成皮膜特性は極めて表面外観の優れたアルミ
ニウム合金板を得ることが出来た。これによって電位上
昇時間△tを25秒以上のある一定時間に固定した状態
でアルミニウム合金中のCu量を0.03〜0.4%の
範囲で変化させることによって、化成皮膜付着量を種々
変化させて、最適付着量に制御することが出来た。この
結果はアルミニウム合金複合(結線された)板は勿論の
こと5000系アルミニウム合金板や広くは6000系
アルミニウム合金板等の一般的なアルミニウム合金板に
も適用可能なことがわかった。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば自動
車用アルミニウム合金板としの化成処理性の観点から化
成処理後の皮膜量をアルミニウム合金中のCu量を制御
することで最適膜厚に調整することが可能となり、常に
化成処理皮膜外観の優れたアルミニウム合金板を容易に
製造することが出来る優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCu0.1%及び0.3%含有す
るアルミニウム合金の化成処理時間と自然電位との関係
を示す図、
【図2】本発明に係るCu0.1%及び0.3%含有す
るアルミニウム合金複合板の化成処理時間と自然電位と
の関係を示す図、
【図3】電位振動に伴う化成皮膜成長モデルを示す図、
【図4】本発明に係るCu含有率と電位上昇時間及び化
成皮膜量の関係を示す図である

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成処理皮膜外観の優れたアルミニウム
    合金板の製造方法において、アルミニウム合金板への化
    成処理中の自然電位を経時測定することにより化成処理
    皮膜量を推定し、最適皮膜量に成るようにアルミニウム
    合金中のCu含有量を0.03〜0.4%の範囲で制御
    することを特徴とする化成処理皮膜外観の優れたアルミ
    ニウム合金板の製造方法。
JP804894A 1994-01-28 1994-01-28 化成処理皮膜外観の優れたアルミニウム合金板の製造方法 Withdrawn JPH07216519A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10306382A (ja) * 1997-04-30 1998-11-17 Honda Motor Co Ltd アルミニウム合金用リン酸亜鉛処理剤
JP2002249882A (ja) * 2001-02-23 2002-09-06 Kobe Steel Ltd 耐糸錆性に優れたアルミニウム合金材

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10306382A (ja) * 1997-04-30 1998-11-17 Honda Motor Co Ltd アルミニウム合金用リン酸亜鉛処理剤
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Effective date: 20010403