JPH0721647A - 光ディスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 円盤状のディスク基板１の中央には、チャッ
キングプレート５を取り付けるための取付け孔１ａが形
成されている。この取付け孔１ａに臨むディスク基板１
の内周縁は、上方に向かって傾斜するテーパ面４とされ
る。また、チャッキングプレート５の外周縁は、上記テ
ーパ面４に対向するテーパ面６とされる。プレート取付
け孔１ａに臨む上記ディスク基板１の内周縁のテーパ面
４の上端部には、ひさし部３が設けられている。そし
て、上記チャキングプレート５の外周縁は、上記ディス
ク基板１の内周縁上に載置されてなるので、チャッキン
グプレート５の移動によりディスク基板の温度変化によ
る寸法移動が吸収される。 【効果】 チャッキングプレートの取付けに関する高精
度の位置合わせが不要になると共に高精度の中心出しが
簡単に行えるので製造が容易になり、また、基板の内径
が周囲温度の変化によって変わっても中心位置の変化を
補正できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクチャッキング
機構によりディスクテーブル上に圧接固定され、スピン
ドルモータにより回転駆動されて情報信号の記録及び／
又は読み出しが行われる光ディスクに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、情報信号の記録媒体として光ディ
スクが提案されている。この光ディスクは図２に示すよ
うにポリカーボネイト等の透明樹脂や硝子等からなる円
盤状のディスク基板１０１と、このディスク基板１０１
の一方の主面部に設けられた信号記録層１０２とを有し
て構成されている。

【０００３】上記信号記録層１０２は、情報信号の読出
し専用の光ディスクにあっては、アルミニウム等の金属
薄膜により形成されている。また、上記信号記録層１０
２は、いわゆる光磁気ディスク等のように情報信号の書
込み及び読出しが可能となされた光ディスクにあって
は、所定の磁性材料からなる薄膜により形成されてい
る。この信号記録層１０２の表面部は、信号記録面１０
２ａとなされている。そして、この信号記録面１０２ａ
には、略同心円状態となるように螺旋状に形成されて記
録グルーブが形成されている。

【０００４】上記光ディスクに対して情報信号の書込み
及び／又は読出しを行うには、いわゆる光ディスクプレ
ーヤ装置が用いられる。この光ディスクプレーヤ装置
は、上記光ディスクを保持して回転操作する回転駆動装
置と、この回転駆動装置により回転操作される光ディス
クに対してレーザビーム等の光束を照射する光学ピック
アップ装置等を有して構成されている。

【０００５】この光ディスクプレーヤ装置においては、
上記光学ピックアップ装置により、上記信号記録面１０
２ａに対して光束が集光されて照射され、情報信号の書
込み及び／又は読出しが行われる。上記光ディスクに対
する光束の照射は、上記ディスク基板１０１の他方の主
面側より行われる。すなわち、上記光束は、上記ディス
ク基板１０１中を透過して、上記信号記録面１０２ａに
照射される。また、上記光束は、上記光学ピックアップ
装置によって、上記記録グループを辿るように照射され
る。

【０００６】そして、上記ディスクプレーヤ装置の上記
回転駆動装置は、上記光ディスクを保持するため、光デ
ィスクチャッキング機構を有している。この光ディスク
チャッキング機構として、装置構成の小型化を計るた
め、中心部に鉄やステンレスまたはニッケル等の磁性材
料からなるディスクハブが取りつけられた光ディスクを
用い、このディスクハブをマグネットにより吸着して、
該光ディスクを保持するようにしたものが提案されてい
る。

【０００７】この光ディスクチャッキング機構は、図２
に示すように、上記回転駆動装置を構成するスピンドル
モータ１０４の回転軸１０４ａと、この回転軸１０４ａ
に取り付けられるディスクテーブル１０５を有して構成
される。上記ディスクテーブル１０５は、略円盤形状に
形成され、下面側の中央部に上記回転軸１０４ａが嵌入
される支持孔１０９が設けられている。すなわち、上記
ディスクテーブル１０５は、上記支持孔１０９に上記回
転軸１０４ａが下面側より圧入されることにより、上記
回転軸１０４ａに取り付けられる。

【０００８】そして、上記ディスクテーブル１０５の上
面側の周縁側部分は、円環状の載置部１０６となされて
いる。この載置部１０６は、上記光ディスクに当接して
該光ディスクの高さ位置、すなわち、上記ディスク基板
１０１の主面に垂直な方向の位置を規制するためのもの
である。また、上記ディスクテーブル１０５の上面側の
中央部には、スピンドル軸１０７が突設されている。こ
のスピンドル軸１０７は、上記載置部１０６よりも上方
側に突出している。そして、上記載置部１０６の内周側
部分、すなわち、上記スピンドル軸１０７の周囲部分に
は、円環状のマグネット１０８が設けられている。この
マグネット１０８の上面部は、上記載置部１０６よりも
上方側に突出しないようになされている。

【０００９】一方、上記光ディスクのディスク基板１０
１には、中央部にチャッキングプレート１０３が取り付
けられている。このチャッキングプレート１０３は、磁
性材料により、略円盤状に形成され、上記ディスク基板
１０１の中心部に設けられたプレート取り付け孔１０１
ａに嵌入され、さらに、接着剤を用いた接合等の手段に
よって上記ディスク基板１０１に取り付けられている。
このチャッキングプレート１０３の中心部には、上記ス
ピンドル軸１０７が挿入されるためのセンターホール１
１０が設けられている。

【００１０】上記光ディスクを上記光ディスクチャッキ
ング機構により保持させるには、上記センターホール１
１０に上記スピンドル軸１０７を挿入し、上記チャッキ
ングプレート１０３を上記ディスクテーブル１０５上に
載置させる。すると、上記マグネット１０８は、上記チ
ャッキングプレート１０３を吸引し、該チャッキングプ
レート１０３の周縁部分を上記載置部１０６に圧接させ
る。このように上記光ディスクチャッキング機構に保持
された光ディスクは、上記載置部１０６を基準として、
上記回転軸１０４ａに対する偏心がないように、水平方
向、すなわち、上記ディスク基板１０１の径方向の位置
が規制されている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク
チャッキング機構に保持された光ディスクが回転操作さ
れるとき、上記信号記録面１０２ａに形成される記録グ
ルーブの曲率中心が上記スピンドルモータ１０４の回転
軸１０４ａの回転中心に対して偏心していると、上記記
録グルーブは、上記光ディスクの径方向に周期的に移動
することとなる。このような記録グルーブの移動量が大
きいと、上記光学ピックアップ装置によって光束を該記
録グルーブ上に照射することが困難となり、上方信号の
良好な書込み及び／又は読出しが行えなくなる。

【００１２】そして、上述のような光ディスク及び光デ
ィスクチャッキング機構においては、上記光ディスクの
水平方向の位置規制は、上記スピンドル軸１０７と上記
センターホール１１０との嵌合により規制されている。
そのため、この光ディスクにおいては、上記チャッキン
グプレート１０３を上記ディスク基板１０１に取り付け
る際に、上記センターホール１１０の中心と上記記録グ
ルーブの曲率中心とを一致させる必要がある。

【００１３】すなわち、上記光ディスクの製造にあたっ
ては、上記チャッキングプレート１０３を、上記記録グ
ルーブを基準として高精度に位置決めして上記ディスク
基板１０１に取り付ける必要があり、工程が煩雑であ
る。

【００１４】また、例えばコンパクトディスク（ＣＤ）
やさらに径の短いディスク等で行われているように、デ
ィスク基板の内径を短くして偏心を小さくすることも考
えられているが、この場合、ディスク基板の内径が温度
によって変化するため、ディスク基板の受け側のスピン
ドルシャフトの径を可変または、受け口にテーパ（傾
斜）を付けなければならず、やはり工程が煩雑である。

【００１５】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みてな
されたものであり、チャッキングプレート等の取り付け
に関する高精度の位置合わせが不要になると共に高精度
の中心出しが簡単に行えるので製造が容易になり、さら
に基板の内径が周囲温度の変化によって変わっても中心
位置の変化が補正される光ディスクの提供を目的とす
る。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る光ディスク
は、ディスクチャッキング機構によりディスクテーブル
上に圧接固定され、スピンドルモータにより回転駆動さ
れて情報信号の記録及び／又は読出しが行われる光ディ
スクにおいて、信号記録層が設けられた円盤状のディス
ク基板と、スピンドルモータの回転軸が挿入される中心
孔を有する円形のチャッキングプレートとを備え、前記
ディスク基板の中央に前記チャッキングプレートの取付
け孔が形成され、該取付け孔に臨むディスク基板の内周
縁が上方に向かって傾斜するテーパ面とされるととも
に、チャッキングプレートの外周縁がこれに対向するテ
ーパ面とされ、前記ディスク基板の内周縁上に前記外周
縁が接するようにチャッキングプレートが載置されてい
ることにより上記課題を解決する。

【００１７】

【作用】円盤状のディスク基板の中央に円形のチャッキ
ングプレートを取付けるために形成された取付け孔に臨
む該ディスク基板の内周縁が上方に向かって傾斜するテ
ーパ面とされるとともに、チャッキングプレートの外周
縁がこれに対向するテーパ面とされ、該チャッキングプ
レートの外周縁が上記ディスク基板の内周縁上に載置さ
れてなるので、チャッキングプレートの移動によりディ
スク基板の温度変化による寸法移動が吸収される。ま
た、ディスク基板中心とチャッキングプレートの中心は
常に一致する。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照
しながら説明する。本発明に係る光ディスクは、ディス
クチャッキング機構によりディスクテーブル上に圧接固
定され、スピンドルモータにより回転駆動されて情報信
号の記録及び／又は読出しが行われる光ディスクであ
り、図１に示すように、ポリカーボネイト等の透明樹脂
や硝子等からなる円盤状のディスク基板１と、スピンド
ルモータ８の回転軸９が挿入される中心孔７を有するチ
ャッキングプレート５とを備えてなる。

【００１９】上記ディスク基板１の一方の主面側には、
信号記録層２が設けられている。この信号記録層２は、
所定の磁性材料からなる薄膜により形成され、情報信号
の書込み及び読出しが可能となされている。この信号記
録層２の表面部は、信号記録面２ａとなされている。そ
して、この信号記録面２ａには、略同心円状態となるよ
うに螺旋状に形成された図示しない記録グルーブが形成
されている。なお、上記信号記録層２は、情報信号の読
出し専用の光ディスクにあっては、アルミニウム等の金
属薄膜により形成される。

【００２０】そして、上記ディスク基板１の中央には、
上記チャッキングプレート５を取り付けるためのプレー
ト取付け孔１ａが形成されている。このプレート取付け
孔１ａに臨むディスク基板１の内周縁は、上方に向かっ
て傾斜するテーパ面４とされる。また、チャッキングプ
レート５の外周縁は、上記テーパ面４に対向するテーパ
面６とされる。

【００２１】上記プレート取り付け孔１ａは、上記ディ
スク基板１を例えば射出成形等の手段により形成する際
に、同時に形成される。このプレート取り付け孔１ａ
は、中心が上記記録グルーブの曲率中心に一致するよう
に形成されている。このように上記プレート取り付け孔
１ａの中心と上記記録グルーブの曲率中心とを一致させ
るには、上記ディスク基板１を形成する際に一体的に上
記記録グルーブを形成するようにすればよい。すなわ
ち、上記ディスク基板１を射出成形により形成する場合
には、上記ディスク基板１を形成する金型の精度によっ
て、上記プレート取り付け孔１ａの中心と上記記録グル
ーブの曲率中心とが一致させられる。また、上記記録グ
ルーブを、上記プレート取付け孔１ａを基準として形成
するようにしてもよい。

【００２２】また、上記プレート取付け孔１ａに臨む上
記ディスク基板１の内周縁のテーパ面４の上端部には、
ひさし部３が設けられている。このひさし部３は、上述
したようにして形成されたプレート取付け孔１ａが設け
られた上記ディスク基板１のテーパ面４の上端部付近の
一方の主面の端部に載置されたリング状のプラスチック
リブを加熱圧着することにより形成される。

【００２３】また、上記円形のチャッキングプレート５
は、鉄やステンレスまたはニッケル等の磁性材料である
金属により形成されている。この円形のチャッキングプ
レート５の外周縁は、上述したように上記取付け孔１ａ
に臨むディスク基板１の内周縁のテーパ面４と対向する
テーパ面６とされている。ここで、上記プレート取付け
孔１ａの最小径をＡとし、上記チャッキングプレート５
の最大径をＢとすると、これらの関係は、Ａ＜Ｂとな
る。

【００２４】このため、上記チャキングプレート５は、
上記ひさし部３と上述したＡ＜Ｂの関係より、上記ディ
スク基板１から外れることがない。

【００２５】このような光ディスクに対しての情報信号
の書込み及び／又は読出しは、該光ディスクを光ディス
クプレーヤ装置等に装着して行われる。

【００２６】この光ディスクプレーヤ装置は、上記光デ
ィスクを保持して回転操作する回転駆動装置と、この回
転駆動装置により回転操作される光ディスクに対してレ
ーザビーム等の光束を照射する光学ピックアップ装置等
を有して構成されている。

【００２７】この光ディスクプレーヤ装置においては、
上記光学ピックアップ装置により、上記信号記録面２ａ
に対して光束が集光されて照射され、上記信号記録層２
に対する情報信号の書込み及び／又は読出しが行われ
る。上記光ディスクに対する光束の照射は、上記ディス
ク基板１の他方の主面側より行われる。すなわち、上記
光束は、上記ディスク基板１中を透過して、上記信号記
録面２ａに照射される。また、上記光束は、上記光学ピ
ックアップ装置によって、上記記録グルーブを辿るよう
に照射される。

【００２８】このとき、上記回転駆動装置において、上
記光ディスクを保持するために用いられるのがディスク
チャッキング機構である。このディスクチャッキング機
構は、図１に示すように、上記回転駆動装置を構成する
スピンドルモータ８の回転軸９と、この回転軸９に取り
付けられるディスクテーブル１０と、このディスクテー
ブル１０の凹部に嵌め込まれるように配設され上記回転
軸９を通す中央孔が設けられた永久磁石１１とにより構
成されている。

【００２９】上述のように構成された光ディスクを上記
ディスクチャッキング機構により保持させるには、上記
回転軸９が上記円形のチャッキングプレート５の中央孔
７の真下の位置となるように上記ディスク基板１を上記
ディスクテーブル１０に載置する。すると、永久磁石１
１は上記チャッキングプレート５を吸引し、上記回転軸
９が上記円形のチャッキングプレート５の中央孔７に入
る。このため、上記ディスク基板１の他方の主面側の上
記プレート取付け孔１ａの周辺部分は上記ディスクテー
ブル１０の載置部（図中ではディスク基板１とディスク
テーブル１０との接触部）に圧接固定される。

【００３０】このようにして上記ディスクチャッキング
機構により圧接固定された光ディスクは、上記スピンド
ルモータ８が回転駆動することにより、上記ディスクテ
ーブル１０と一体的に回転操作される。このとき、上記
円形のチャッキングプレート５は、上述したように上記
ディスク基板１から外れないようになっており、チャッ
キングプレート５の移動により上記ディスク基板１の温
度変化による寸法変動が吸収される。また、上記円形の
チャッキングプレート５と上記回転軸９と上記ディスク
基板１は、上記円形のチャッキングプレート５のテーパ
面６と、上記ディスク基板１のテーパ面４との関係によ
り、同一中心に合うようになる。これにより、上記ディ
スク基板１とスピンドルモータ８間の偏心をとることが
できる。

【００３１】そして、この光ディスクに対しては、上記
光ディスクプレーヤ装置により、情報信号の書込み及び
／読出しが行われる。

【００３２】

【発明の効果】本発明に係る光ディスクは、円盤状のデ
ィスク基板の中央に円形のチャッキングプレートを取付
けるために形成された取付け孔に臨む該ディスク基板の
内周縁が上方に向かって傾斜するテーパ面とされるとと
もに、チャッキングプレートの外周縁がこれに対向する
テーパ面とされ、該チャッキングプレートの外周縁が上
記ディスク基板の内周縁上に載置されてなるので、チャ
ッキングプレートの移動によりディスク基板の温度変化
による寸法移動が吸収され、ディスク基板中心とチャッ
キングプレートの中心は常に一致する。このため、チャ
ッキングプレートの取り付けに関する高精度の位置合わ
せが不要になると共に高精度の中心出しが簡単に行える
ので製造が容易になり、また、基板の内径が周囲温度の
変化によって変わっても中心位置の変化を補正できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光ディスクの実施例の構成を示す
断面図である。

【図２】従来の光ディスクの構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１・・・・・ディスク基板 １ａ・・・・プレート取付け孔 ２・・・・・信号記録層 ３・・・・・ひさし部 ４・・・・・ディスク基板の内周縁のテーパ面 ５・・・・・チャッキングプレート ６・・・・・チャッキングプレートの外周縁のテーパ面 ７・・・・・チャッキングプレートの中央孔（回転軸が
挿入される） ８・・・・・スピンドルモータ ９・・・・・回転軸 １０・・・・ディスクテーブル １１・・・・永久磁石

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ディスクチャッキング機構によりディス
   クテーブル上に圧接固定され、スピンドルモータにより
   回転駆動されて情報信号の記録及び／又は読み出しが行
   われる光ディスクにおいて、 信号記録層が設けられた円盤状のディスク基板と、スピ
   ンドルモータの回転軸が挿入される中心孔を有する円形
   のチャッキングプレートとを備え、 前記ディスク基板の中央に前記チャッキングプレートの
   取付け孔が形成され、該取付け孔に臨むディスク基板の
   内周縁が上方に向かって傾斜するテーパ面とされるとと
   もに、チャッキングプレートの外周縁がこれに対向する
   テーパ面とされ、 前記ディスク基板の内周縁上に前記外周縁が接するよう
   にチャッキングプレートが載置されていることを特徴と
   する光ディスク。