JPH07215913A - 2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸の製造方法 - Google Patents
2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸の製造方法Info
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- JPH07215913A JPH07215913A JP3084994A JP3084994A JPH07215913A JP H07215913 A JPH07215913 A JP H07215913A JP 3084994 A JP3084994 A JP 3084994A JP 3084994 A JP3084994 A JP 3084994A JP H07215913 A JPH07215913 A JP H07215913A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】4,4−ジアルキル−2−(2,4,5−トリ
ハロゲノフェニル)オキサゾリンをリチウムビス(トリ
メチルシリル)アミドで脱プロトン化後、メチル化剤と
反応させることにより、4,4−ジアルキル−2−
(2,4,5−トリハロゲノ−3−メチルフェニル)オ
キサゾリンを得たのち、得られた化合物を加水分解する
ことを特徴とする2,4,5−トリハロゲノ−3−メチ
ル安息香酸の製造方法。 【効果】抗菌剤等の医薬又は農薬の合成中間体として有
用な2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸
を、短工程でしかも収率よく得ることができる。
ハロゲノフェニル)オキサゾリンをリチウムビス(トリ
メチルシリル)アミドで脱プロトン化後、メチル化剤と
反応させることにより、4,4−ジアルキル−2−
(2,4,5−トリハロゲノ−3−メチルフェニル)オ
キサゾリンを得たのち、得られた化合物を加水分解する
ことを特徴とする2,4,5−トリハロゲノ−3−メチ
ル安息香酸の製造方法。 【効果】抗菌剤等の医薬又は農薬の合成中間体として有
用な2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸
を、短工程でしかも収率よく得ることができる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌剤等の医薬及び農
薬の合成中間体として有用な下記一般式(III)
薬の合成中間体として有用な下記一般式(III)
【化4】 (式中、X1,X2 及びX3 は各々独立してハロゲン原子
を表す。)で示される2,4,5−トリハロゲノ−3−
メチル安息香酸の製造方法に関するものである。
を表す。)で示される2,4,5−トリハロゲノ−3−
メチル安息香酸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、2,4,5−トリハロゲノ−3−
メチル安息香酸(III) の製造については、以下のような
幾つかの方法(従来法1〜3)が知られているが、いず
れも製造工程が長い、収率が低い等の欠点を有し、工業
的に必ずしも満足できるものでは無かった。従来法1:
特開昭63−264461号
メチル安息香酸(III) の製造については、以下のような
幾つかの方法(従来法1〜3)が知られているが、いず
れも製造工程が長い、収率が低い等の欠点を有し、工業
的に必ずしも満足できるものでは無かった。従来法1:
特開昭63−264461号
【化5】 従来法2:特開昭62−215572号
【化6】 従来法3:特開平3−95176号
【化7】 また、本発明に係わる製造方法のうち4,4−ジアルキ
ル−2−(2,4,5−トリハロゲノフェニル)オキサ
ゾリン(I)から、4,4−ジアルキル−2−(2,
4,5−トリハロゲノ−3−メチルフェニル)オキサゾ
リン(II)を製造する第一工程についても、以下のような
脱プロトン化剤としてリチウムジイソプロピルアミドを
用いる方法(従来法4)は既に知られているが、本脱プ
ロトン化剤を用いてベンゼン環の3位にメチル基を導入
するには−78℃という極低温で反応を行う必要があ
る、という欠点を有していた。 従来法4:J.Heterocyclic Chem., 27巻,1609頁
(1990年)
ル−2−(2,4,5−トリハロゲノフェニル)オキサ
ゾリン(I)から、4,4−ジアルキル−2−(2,
4,5−トリハロゲノ−3−メチルフェニル)オキサゾ
リン(II)を製造する第一工程についても、以下のような
脱プロトン化剤としてリチウムジイソプロピルアミドを
用いる方法(従来法4)は既に知られているが、本脱プ
ロトン化剤を用いてベンゼン環の3位にメチル基を導入
するには−78℃という極低温で反応を行う必要があ
る、という欠点を有していた。 従来法4:J.Heterocyclic Chem., 27巻,1609頁
(1990年)
【化8】 また同論文には、脱プロトン化剤としてn-ブチルリチウ
ムを用いると、ベンゼン環の3位へのメチル化は起こら
ず、2位n-ブチル化体(IV)や6位メチル化体(V)が得
られるとの記載も認められる。
ムを用いると、ベンゼン環の3位へのメチル化は起こら
ず、2位n-ブチル化体(IV)や6位メチル化体(V)が得
られるとの記載も認められる。
【化9】 尚、本発明に係わる製造方法のうち、化合物(II)を加水
分解して2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香
酸(III) を製造する第二工程については、これまで全く
知られていない。
分解して2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香
酸(III) を製造する第二工程については、これまで全く
知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題、課題を解決するための
手段】このような背景の下に、本発明者らは該化合物の
製造方法について鋭意検討した結果、新規でしかも極め
て有利に化合物(III) を製造する方法を見い出した。即
ち本発明者らは、従来−78℃という極低温条件下でし
か可能でなかった化合物(I)のベンゼン環3位の選択
的脱プロトン化反応を、脱プロトン化剤としてリチウム
ビス(トリメチルシリル)アミドを用いることにより、
工業的に可能な温和な反応温度条件下でも可能であるこ
とを見い出し、しかもこの反応を利用することにより、
抗菌剤等の医薬及び農薬の合成中間体として有用な化合
物(III) を短工程で収率良く製造できることを見い出
し、本発明を完成させた。
手段】このような背景の下に、本発明者らは該化合物の
製造方法について鋭意検討した結果、新規でしかも極め
て有利に化合物(III) を製造する方法を見い出した。即
ち本発明者らは、従来−78℃という極低温条件下でし
か可能でなかった化合物(I)のベンゼン環3位の選択
的脱プロトン化反応を、脱プロトン化剤としてリチウム
ビス(トリメチルシリル)アミドを用いることにより、
工業的に可能な温和な反応温度条件下でも可能であるこ
とを見い出し、しかもこの反応を利用することにより、
抗菌剤等の医薬及び農薬の合成中間体として有用な化合
物(III) を短工程で収率良く製造できることを見い出
し、本発明を完成させた。
【0004】本発明は、下記反応式に示される如く、
【化10】 (式中、R1 及びR2 は各々独立して低級アルキル基を
表し、X1,X2 及びX3は各々独立してハロゲン原子を
表す。) −10℃〜室温の温和な反応温度条件下で、4,4−ジ
アルキル−2−(2,4,5−トリハロゲノフェニル)
オキサゾリン(I)をリチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミドで脱プロトン化後メチル化剤と反応させるこ
とにより、4,4−ジアルキル−2−(2,4,5−ト
リハロゲノ−3−メチルフェニル)オキサゾリン(II)を
得たのち、化合物(II)を加水分解することを特徴とする
2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸(III)
の新規な製造方法を提供するものである。
表し、X1,X2 及びX3は各々独立してハロゲン原子を
表す。) −10℃〜室温の温和な反応温度条件下で、4,4−ジ
アルキル−2−(2,4,5−トリハロゲノフェニル)
オキサゾリン(I)をリチウムビス(トリメチルシリ
ル)アミドで脱プロトン化後メチル化剤と反応させるこ
とにより、4,4−ジアルキル−2−(2,4,5−ト
リハロゲノ−3−メチルフェニル)オキサゾリン(II)を
得たのち、化合物(II)を加水分解することを特徴とする
2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸(III)
の新規な製造方法を提供するものである。
【0005】本発明の化合物(I),(II)及び(III) 中、R
1 及びR2 で表される低級アルキル基としては、例え
ば、メチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル
基,n-ブチル基,イソブチル基,tert- ブチル基等が挙
げられ、X1,X2 及びX3 で表されるハロゲン原子とし
ては、例えば、フッ素原子,塩素原子,臭素原子等が挙
げられる。
1 及びR2 で表される低級アルキル基としては、例え
ば、メチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル
基,n-ブチル基,イソブチル基,tert- ブチル基等が挙
げられ、X1,X2 及びX3 で表されるハロゲン原子とし
ては、例えば、フッ素原子,塩素原子,臭素原子等が挙
げられる。
【0006】本発明の製造方法において、第一工程の脱
プロトン化に用いる反応溶媒としては、例えば、テトラ
ヒドロフラン,1,4−ジオキサン,ジエチルエーテル
等のエーテル系溶媒、ヘキサン,ペンタン等の炭化水素
系溶媒あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応
は、−10℃〜室温の温度範囲で行われる。また、リチ
ウムビス(トリメチルシリル)アミドは市販されている
が、一般には、ヘキサメチルジシラザンとn-ブチルリチ
ウムから調製し、そのまま反応に供される。
プロトン化に用いる反応溶媒としては、例えば、テトラ
ヒドロフラン,1,4−ジオキサン,ジエチルエーテル
等のエーテル系溶媒、ヘキサン,ペンタン等の炭化水素
系溶媒あるいはこれらの混合溶媒が挙げられる。反応
は、−10℃〜室温の温度範囲で行われる。また、リチ
ウムビス(トリメチルシリル)アミドは市販されている
が、一般には、ヘキサメチルジシラザンとn-ブチルリチ
ウムから調製し、そのまま反応に供される。
【0007】また、メチル化の反応は通常脱プロトン化
反応液中にメチル化剤を滴下することにより達成され、
メチル化剤としては、例えば、ヨウ化メチル,臭化メチ
ル,メチル メタンスルホネート,メチル トリフルオ
ロメタンスルホネート,メチル p-トルエンスルホネー
ト等が挙げられ、反応は−10℃〜室温の温度範囲で行
われる。
反応液中にメチル化剤を滴下することにより達成され、
メチル化剤としては、例えば、ヨウ化メチル,臭化メチ
ル,メチル メタンスルホネート,メチル トリフルオ
ロメタンスルホネート,メチル p-トルエンスルホネー
ト等が挙げられ、反応は−10℃〜室温の温度範囲で行
われる。
【0008】第二工程の加水分解は塩酸,硫酸,臭化水
素酸等の酸又は、必要に応じてメタノール,エタノー
ル,n-ブタノール,sec-ブタノール,tert- ブタノール
等の有機溶媒との含水溶媒を用い、室温から加熱還流温
度下において行われる。尚、化合物(II)中、X1 が塩素
原子である化合物の加水分解は、上記酸性条件での加水
分解中間体であるエステル体(VI)を一旦単離し、続いて
化合物(VI)をアルカリ条件下で、常温から加熱還流温度
下にて加水分解することにより行われる。
素酸等の酸又は、必要に応じてメタノール,エタノー
ル,n-ブタノール,sec-ブタノール,tert- ブタノール
等の有機溶媒との含水溶媒を用い、室温から加熱還流温
度下において行われる。尚、化合物(II)中、X1 が塩素
原子である化合物の加水分解は、上記酸性条件での加水
分解中間体であるエステル体(VI)を一旦単離し、続いて
化合物(VI)をアルカリ条件下で、常温から加熱還流温度
下にて加水分解することにより行われる。
【化11】 (式中、R1,R2,X2 及びX3 は前述と同意義を表
す。)
す。)
【0009】アルカリ加水分解に用いられるアルカリと
しては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等
が挙げられ、反応溶媒としては、例えば、水又はメタノ
ール,エタノール,n-プロパノール,n-ブタノール,se
c-ブタノール,tert- ブタノール等のアルコール系溶
媒、あるいはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
しては、例えば、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等
が挙げられ、反応溶媒としては、例えば、水又はメタノ
ール,エタノール,n-プロパノール,n-ブタノール,se
c-ブタノール,tert- ブタノール等のアルコール系溶
媒、あるいはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0010】尚、本発明の出発原料である化合物(I)
は公知の化合物であり、例えば、J.Heterocyclic Che
m., 27巻,1609頁(1990年)の方法に従って
製造することができる。
は公知の化合物であり、例えば、J.Heterocyclic Che
m., 27巻,1609頁(1990年)の方法に従って
製造することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0012】実施例1 4,4−ジメチル−2−(2,4,5−トリフルオロ−
3−メチルフェニル)オキサゾリン ヘキサメチルジシラザン329mlの無水テトラヒドロフ
ラン1.4L溶液に窒素気流下、4〜7℃でn-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液1.62mol/Lを1時間かけて滴
下し、さらに同温で1時間攪拌を続けた。反応液に2−
(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4−ジメ
チル−2−オキサゾリン140gの無水テトラヒドロフ
ラン560ml溶液を内温2〜4℃で滴下し、同温で2時
間攪拌を続けた。反応液にヨウ化メチル114mlを内温
3〜10℃で滴下し、同温で1時間攪拌した。反応液を
氷水850gに加え、イソプロピルエーテル1.4Lに
て抽出した。抽出液を1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄,
硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し、黄褐色オイル1
65gを得た。n-ヘキサンで結晶化させ、淡黄褐色結晶
として目的化合物118g(収率80%)を得た。本品
は融点,NMRで文献値(J.Heterocyclic Chem., 27
巻,1609頁(1990年))と一致した。
3−メチルフェニル)オキサゾリン ヘキサメチルジシラザン329mlの無水テトラヒドロフ
ラン1.4L溶液に窒素気流下、4〜7℃でn-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液1.62mol/Lを1時間かけて滴
下し、さらに同温で1時間攪拌を続けた。反応液に2−
(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4−ジメ
チル−2−オキサゾリン140gの無水テトラヒドロフ
ラン560ml溶液を内温2〜4℃で滴下し、同温で2時
間攪拌を続けた。反応液にヨウ化メチル114mlを内温
3〜10℃で滴下し、同温で1時間攪拌した。反応液を
氷水850gに加え、イソプロピルエーテル1.4Lに
て抽出した。抽出液を1N塩酸及び飽和食塩水で洗浄,
硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し、黄褐色オイル1
65gを得た。n-ヘキサンで結晶化させ、淡黄褐色結晶
として目的化合物118g(収率80%)を得た。本品
は融点,NMRで文献値(J.Heterocyclic Chem., 27
巻,1609頁(1990年))と一致した。
【0013】実施例2 2−(2−クロロ−4,5−ジフルオロ−3−メチルフ
ェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン ヘキサメチルジシラザン660mlの無水テトラヒドロフ
ラン3.0L溶液に窒素気流下、−2〜8℃でn-ブチル
リチウムのヘキサン溶液1.62mol/Lを80分間かけ
て滴下し、さらに同温で1時間攪拌した。反応液に2−
(2−クロロ−4,5−ジフルオロフェニル)−4,4
−ジメチル−2−オキサゾリン300gの無水テトラヒ
ドロフラン1.2L溶液を−5℃で滴下し、同温で2時
間攪拌を続けた。反応液にヨウ化メチル228mlを内温
10℃以下で30分間かけて滴下し、さらに同温で1時
間攪拌した。反応液に水1.8Lを加え、イソプロピル
エーテル3Lで抽出した。抽出液を1N塩酸3L及び飽
和食塩水で洗浄,硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去
し、褐色オイル400gを得た。減圧蒸留して、沸点1
39〜142℃/14mmHgの淡赤褐色オイルとして目的
化合物231g(収率73%)を得た。 NMRスペクトル δ (CDCl3) ppm : 1.40(6H,s),2.
37(3H,d,J=3Hz),4.12(2H,s),7.41(1H,dd,J=10,8.5Hz) マススペクトル m/z : 259 , 261 (3:1)
ェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン ヘキサメチルジシラザン660mlの無水テトラヒドロフ
ラン3.0L溶液に窒素気流下、−2〜8℃でn-ブチル
リチウムのヘキサン溶液1.62mol/Lを80分間かけ
て滴下し、さらに同温で1時間攪拌した。反応液に2−
(2−クロロ−4,5−ジフルオロフェニル)−4,4
−ジメチル−2−オキサゾリン300gの無水テトラヒ
ドロフラン1.2L溶液を−5℃で滴下し、同温で2時
間攪拌を続けた。反応液にヨウ化メチル228mlを内温
10℃以下で30分間かけて滴下し、さらに同温で1時
間攪拌した。反応液に水1.8Lを加え、イソプロピル
エーテル3Lで抽出した。抽出液を1N塩酸3L及び飽
和食塩水で洗浄,硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去
し、褐色オイル400gを得た。減圧蒸留して、沸点1
39〜142℃/14mmHgの淡赤褐色オイルとして目的
化合物231g(収率73%)を得た。 NMRスペクトル δ (CDCl3) ppm : 1.40(6H,s),2.
37(3H,d,J=3Hz),4.12(2H,s),7.41(1H,dd,J=10,8.5Hz) マススペクトル m/z : 259 , 261 (3:1)
【0014】比較例 脱プロトン化剤としてリチウムジイソプロピルアミドを
用いた化合物(II)の合成例 ジイソプロピルアミン3.86mlの無水テトラヒドロフ
ラン47ml溶液に窒素気流下、−3〜−1℃でn-ブチル
リチウムのヘキサン溶液(1.66mol/L)を6分間か
けて滴下し、さらに同温で1時間攪拌した。反応液に2
−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4−ジ
メチル−2−オキサゾリン5.05gの無水テトラヒド
ロフラン17ml溶液を内温−5〜5℃で滴下し、−8〜
−1℃で2時間攪拌を続けた。反応液にヨウ化メチル
3.48mlを内温−1〜−1℃で滴下し、同温で1.5
時間攪拌した。反応液を氷水30gに加え、イソプロピ
ルエーテルにて抽出した。抽出液を希塩酸で洗浄,硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、暗褐色オイル4.
69gを得た。カラムクロマトグラフィー〔シリカゲ
ル,n-ヘキサン−酢酸エチル(5:1)〕で精製し、橙
色オイル3.3gを得た。得られた化合物は、NMRス
ペクトルより化合物(I)と化合物(II)の比率が1:
4.9の混合物であることが明らかとなった。実施例
1,2及び比較例の結果を表1にまとめた。
用いた化合物(II)の合成例 ジイソプロピルアミン3.86mlの無水テトラヒドロフ
ラン47ml溶液に窒素気流下、−3〜−1℃でn-ブチル
リチウムのヘキサン溶液(1.66mol/L)を6分間か
けて滴下し、さらに同温で1時間攪拌した。反応液に2
−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−4,4−ジ
メチル−2−オキサゾリン5.05gの無水テトラヒド
ロフラン17ml溶液を内温−5〜5℃で滴下し、−8〜
−1℃で2時間攪拌を続けた。反応液にヨウ化メチル
3.48mlを内温−1〜−1℃で滴下し、同温で1.5
時間攪拌した。反応液を氷水30gに加え、イソプロピ
ルエーテルにて抽出した。抽出液を希塩酸で洗浄,硫酸
ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、暗褐色オイル4.
69gを得た。カラムクロマトグラフィー〔シリカゲ
ル,n-ヘキサン−酢酸エチル(5:1)〕で精製し、橙
色オイル3.3gを得た。得られた化合物は、NMRス
ペクトルより化合物(I)と化合物(II)の比率が1:
4.9の混合物であることが明らかとなった。実施例
1,2及び比較例の結果を表1にまとめた。
【0015】
【表1】
【0016】実施例3 2,4,5−トリフルオロ−3−メチル安息香酸 4,4−ジメチル−2−(2,4,5−トリフルオロ−
3−メチルフェニル)−2−オキサゾリン902g,6
N塩酸16.2Lの混合物を2時間加熱還流した。冷後
反応液をイソプロピルエーテルで抽出し、飽和食塩水で
洗浄後、溶媒を留去し、無色結晶として目的化合物63
7g(収率90%)を得た。本品をn-ヘキサンで再結晶
して、文献値(特開昭62−215572号)と融点,
NMRが一致する結晶が得られた。
3−メチルフェニル)−2−オキサゾリン902g,6
N塩酸16.2Lの混合物を2時間加熱還流した。冷後
反応液をイソプロピルエーテルで抽出し、飽和食塩水で
洗浄後、溶媒を留去し、無色結晶として目的化合物63
7g(収率90%)を得た。本品をn-ヘキサンで再結晶
して、文献値(特開昭62−215572号)と融点,
NMRが一致する結晶が得られた。
【0017】実施例4 2−クロロ−4,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸
(2−アミノ−2−メチル)プロピルエステル・塩酸塩 2−(2−クロロ−4,5−ジフルオロ−3−メチルフ
ェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン5.00g及
び1N塩酸の混合物を60℃で1時間加熱攪拌した。冷
後塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後減圧
濃縮し、無色結晶として目的化合物6.05gを得た。
エタノールから再結晶して、融点218〜219℃の無
色針状晶を得た。 元素分析値 C12H14ClF2 NO2 ・HCl 理論値 C, 45.88; H, 4.81; N, 4.46 実験値 C, 45.59; H, 4.79; N, 4.44
(2−アミノ−2−メチル)プロピルエステル・塩酸塩 2−(2−クロロ−4,5−ジフルオロ−3−メチルフ
ェニル)−4,4−ジメチルオキサゾリン5.00g及
び1N塩酸の混合物を60℃で1時間加熱攪拌した。冷
後塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後減圧
濃縮し、無色結晶として目的化合物6.05gを得た。
エタノールから再結晶して、融点218〜219℃の無
色針状晶を得た。 元素分析値 C12H14ClF2 NO2 ・HCl 理論値 C, 45.88; H, 4.81; N, 4.46 実験値 C, 45.59; H, 4.79; N, 4.44
【0018】実施例5 2−クロロ−4,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸 2N水酸化ナトリウム58mlを110℃に加熱攪拌し、
2−クロロ−4,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸
(2−アミノ−2−メチル)プロピルエステル塩酸塩
5.34gのメタノール58ml溶液を滴下し、30分加
熱還流した。冷後減圧濃縮し、残渣に水を加え、塩化メ
チレンで洗浄後,水層に濃塩酸10mlを加え酸性とし
た。塩化メチレンで抽出し、抽出液を硫酸ナトリウムで
乾燥後減圧濃縮し、無色結晶として目的化合物3.0g
(収率85%)を得た。n-ヘキサンから再結晶して、融
点120〜121℃の無色結晶を得た。 元素分析値 C8 H5 ClF2 O2 理論値 C, 46.51; H, 2.44 実験値 C, 46.34; H, 2.18
2−クロロ−4,5−ジフルオロ−3−メチル安息香酸
(2−アミノ−2−メチル)プロピルエステル塩酸塩
5.34gのメタノール58ml溶液を滴下し、30分加
熱還流した。冷後減圧濃縮し、残渣に水を加え、塩化メ
チレンで洗浄後,水層に濃塩酸10mlを加え酸性とし
た。塩化メチレンで抽出し、抽出液を硫酸ナトリウムで
乾燥後減圧濃縮し、無色結晶として目的化合物3.0g
(収率85%)を得た。n-ヘキサンから再結晶して、融
点120〜121℃の無色結晶を得た。 元素分析値 C8 H5 ClF2 O2 理論値 C, 46.51; H, 2.44 実験値 C, 46.34; H, 2.18
【0019】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、前記一般式
(III) で示される2,4,5−トリハロゲノ−3−メチ
ル安息香酸を、短工程でしかも収率よく得ることができ
る。この様にして製造される化合物(III) は、抗菌剤等
の医薬又は農薬の合成中間体として極めて有用である。
(III) で示される2,4,5−トリハロゲノ−3−メチ
ル安息香酸を、短工程でしかも収率よく得ることができ
る。この様にして製造される化合物(III) は、抗菌剤等
の医薬又は農薬の合成中間体として極めて有用である。
フロントページの続き (72)発明者 山本 陽一 石川県七尾市八田町ウ部72番地
Claims (1)
- 【請求項1】下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は各々独立して低級アルキル基を
表し、X1,X2 及びX3は各々独立してハロゲン原子を
表す。)で示される4,4−ジアルキル−2−(2,
4,5−トリハロゲノフェニル)オキサゾリンをリチウ
ムビス(トリメチルシリル)アミドで脱プロトン化後、
メチル化剤と反応させることにより下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1,R2,X1,X2 及びX3 は前述と同意義を表
す。)で示される4,4−ジアルキル−2−(2,4,
5−トリハロゲノ−3−メチルフェニル)オキサゾリン
を得たのち、化合物(II)を加水分解することを特徴とす
る下記一般式(III) 【化3】 (式中、X1,X2 及びX3 は前述と同意義を表す。)で
示される2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香
酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03084994A JP3420321B2 (ja) | 1994-02-03 | 1994-02-03 | 2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03084994A JP3420321B2 (ja) | 1994-02-03 | 1994-02-03 | 2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07215913A true JPH07215913A (ja) | 1995-08-15 |
JP3420321B2 JP3420321B2 (ja) | 2003-06-23 |
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ID=12315161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03084994A Expired - Fee Related JP3420321B2 (ja) | 1994-02-03 | 1994-02-03 | 2,4,5−トリハロゲノ−3−メチル安息香酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3420321B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002538129A (ja) * | 1999-02-26 | 2002-11-12 | ベーリンガー インゲルハイム ファルマ コマンディトゲゼルシャフト | ビフェニル−2−カルボン酸の誘導体の調製方法 |
CN102531887A (zh) * | 2012-01-05 | 2012-07-04 | 连云港威远精细化工有限公司 | 2,4,5-三氟-3-甲基苯甲酸的制备方法 |
-
1994
- 1994-02-03 JP JP03084994A patent/JP3420321B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002538129A (ja) * | 1999-02-26 | 2002-11-12 | ベーリンガー インゲルハイム ファルマ コマンディトゲゼルシャフト | ビフェニル−2−カルボン酸の誘導体の調製方法 |
CN102531887A (zh) * | 2012-01-05 | 2012-07-04 | 连云港威远精细化工有限公司 | 2,4,5-三氟-3-甲基苯甲酸的制备方法 |
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JP3420321B2 (ja) | 2003-06-23 |
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