JPH07215645A - 出入口装置ブロック体の仮固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 昇降路内に足場を組むことなく出入口装置ブ
ロック体を仮固定することができる出入口装置ブロック
体の仮固定装置を提供することにある。 【構成】 三方枠３、扉５、及びシル２を含むエレベー
ターの出入口装置を一体的に形成して成るブロック体１
を、出入口部分に仮固定する出入口装置ブロック体１の
仮固定装置において、上記出入口部分を形成する建屋の
床部分に係止部２３を設け、上記出入口装置ブロック体
１の下部に上記係止部２３に係合可能なＬ字形部材９ａ
を含む位置調整機構９を装着するとともに、上記係止部
２３に上記Ｌ字形部材９ａを係合させた状態にある上記
出入口装置ブロック体１を建屋の壁に固定するストッパ
１２を設け、更に位置調整機構９により、出入口装置ブ
ロック体１を上下方向に微調整できるように構成してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、三方枠、扉、及びシル
を含むエレベーターの出入口装置を一体的に形成して成
るブロック体を、出入口部分に仮固定する仮固定装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の出入口装置ブロック体を、例え
ば新設エレベーターの据付けに際し、他の昇降路内機
器、部材の芯出し、あるいは据付けの終了まで、建屋の
エレベーター乗場を形成する出入口に仮固定しておく仮
固定装置として、従来実開昭６３−１００４７５号公報
に記載のものがある。

【０００３】この従来技術は、昇降路内に吊り上げた出
入口装置ブロック体を、出入口付近の昇降路壁に設けた
係止部にて仮固定する構成にしてある。このように仮固
定された出入口装置ブロック体は、上述した昇降路内機
器、部材の芯出し、あるいは据付け後に、昇降路内機
器、部材との関係に応じて正しく芯出しされ、出入口部
分に固定されるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、出入口装置ブロック体を、昇降路壁に設けた係止部
において仮固定することから、昇降路内に仮固定用の足
場を組むことが必要になる。したがって、この足場組み
作業、及び足場解体作業、足場材料の搬送、管理作業等
の特別な準備作業を要する他、昇降路内においてブロッ
ク体を仮固定しなくてはならず、このために出入口装置
ブロック体の仮固定作業が煩雑で面倒なものとなり、能
率の向上を見込めない問題がある。

【０００５】本発明の目的は、昇降路内に足場を組むこ
となく出入口装置ブロック体を仮固定することができる
出入口装置ブロック体の仮固定装置を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、三方枠、扉、及びシルを含むエレベータ
ーの出入口装置を一体的に形成して成るブロック体を、
出入口部分に仮固定する出入口装置ブロック体の仮固定
装置において、上記出入口部分を形成する建屋の床部分
に係止部を設け、上記出入口装置ブロック体の下部に上
記係止部に係合可能な掛止部材を装着し、上記係止部に
上記掛止部材を係合させた状態にある上記出入口装置ブ
ロック体を建屋の壁に固定する固定手段を設けるととも
に、上記掛止部材に、上記出入口装置ブロック体の昇降
路に沿う上下方向の位置決めが可能な位置調整機構を設
けた第１の手段にしてある。

【０００７】この目的を達成するために、本発明は、前
記第１の手段において、上記位置調整機構が、上記昇降
路と上記出入口部分を結ぶ水平方向の位置決めを行う手
段を含む第２の手段にしてある。

【０００８】

【作用】前記手段により、出入口装置ブロック体を建屋
の出入口部分に仮固定するには、例えば昇降路内を吊り
上げた出入口装置ブロック体を、出入口部分の建屋の床
部分に設けた係止部にその掛止部材が係合するように配
置し、この状態において固定手段で出入口装置ブロック
体を建屋の壁に固定すればよい。この固定手段による固
定は、建屋の壁において行うので、建屋の階床すなわち
ホール側で行うことができる。またこの時、位置調整機
構を操作することにより、出入口装置ブロック体を昇降
路に沿う上下方向に位置決めすることができ、係止部と
掛止部材との間に離脱等を生じることなく確実に出入口
装置ブロック体を仮固定することができる。

【０００９】したがって、昇降路内に足場を組むことな
く出入口装置ブロック体を仮固定することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図５により
説明する。

【００１１】図１は本発明の出入口装置ブロック体の一
実施例を示す説明図であり、（ａ）は正面図、（ｂ）は
側面図、図２は出入口装置ブロック体の仮固定部分を示
す拡大縦断面図、図３は出入口装置ブロック体の仮固定
部分を示す拡大横断面図、図４は出入口装置ブロック体
を建屋壁に固定する固定手段であるストッパを示す斜視
図、図５はエレベーターの昇降路の縦断面図である。

【００１２】図１において、１は本発明の出入口装置ブ
ロック体であり、この出入口装置ブロック体１には、シ
ル２と、三方枠３と、扉５を吊り下げ開閉させるポケッ
ト４と、シル２を建屋床部分に固定するシルブラケット
６ａ，６ｂと、ポケット４を昇降路壁に固定するポケッ
トブラケット７と、出入口装置ブロック体の剛性を保つ
ために取り付けられた補強材８と、シルブラケット６ａ
に固定された掛止部材を含む後述の位置調整機構９が設
けられている。

【００１３】位置調整機構９は、図２に示すようにシル
ブラケット６ａに固定され掛止部材を形成するＬ字形部
材９ａと、このＬ字形部材９ａに一体に設けられる別の
Ｌ字形部材９ｂと、Ｌ字形部材９ａに螺合させたボルト
９ｃと、Ｌ字形部材９ｂに螺合させたボルト９ｄとによ
って構成されている。また、図２において、２１は建屋
ホールの床で建屋梁２２によって支持され、建屋梁２２
の昇降路側（図２の左側）のフランジ２２ａ上には断面
Ｌ字型の係止部２３が固定されている。したがって、ボ
ルト９ｃは水平方向に配設され、ボルト９ｄは垂直方向
に配設され、両ボルト９ｃ、９ｄは略直向状態に設定さ
れている。そして、ボルト９ｃ、９ｄはの先端は係止部
２３の直向する内面にそれそれ当接して出入口装置ブロ
ック体１が位置決めされる。

【００１４】図３，図４において、１２はストッパで、
出入口装置ブロック体１の三方枠３を建屋壁２４に固定
するものであり、三方枠３に係合するコ字状の係合部１
２ａと、この係合部１２ａに対向するように設けられる
突出部１２ｂと、この突出部１２ｂに螺合させたボルト
１２ｃと、建屋壁２４に当接可能な張出し部１２ｄとを
備えている。ボルト１２ｃを螺進させることによりボル
ト１２ｃの先端が対向する係合部１２ａに近づいて三方
枠３を挟持固定する。尚、２５は、三方枠３を芯出し後
に、最終的に建屋に固定するための三方枠取付部材であ
る。

【００１５】図５において、３０は昇降路、３１は昇降
路３０の最上部にある機械室、３２は機械室３１の天井
にあけられた搬入口、３３は出入口装置ブロック体１を
取り付ける出入口部分、３４はタワークレーン等の吊り
ワイヤ３５に出入口装置ブロック体１を連結する玉掛け
ワイヤである。

【００１６】出入口装置ブロック体１は工場においてあ
らかじめ組み立てられ、現場へ搬入されるが、昇降路３
０は図５のように機械室３１の天井に搬入口３２が設け
てあり、タワークレーンにより出入口装置ブロック体１
は搬入口３２から搬入される。搬入した出入口装置ブロ
ック体１は出入口部分３３に仮固定する。

【００１７】次に、仮固定方法を、図２及び図３及び図
５により説明する。

【００１８】まず、昇降路３０上方から吊り降ろされた
出入口装置ブロック体１を、出入口部分３３の床部分に
取り付けられた係止部２３に、出入口装置ブロック体１
のシルブラケット６ａに取り付けてある位置調整機構９
のＬ字形部材９ａを嵌め込むように仮置きする。この状
態で出入口装置ブロック体１の下部は、係止部２３によ
り仮固定される。次に、出入口装置ブロック体１の上部
については、三方枠３にストッパ１２の係合部１２ａを
係合し、ボルト１２ｃを締結し、張出し部１２ｄを建屋
壁２４に当接させるようにする。

【００１９】上述のようにＬ字形部材９ａを係止部２３
に嵌め込む際に、Ｌ字形部材９ａと係止部２３との良好
な係合関係が得られない場合には、ボルト９ｄあるいは
ボルト９ｃを回せばよい。ボルト９ｄを回すと、出入口
装置ブロック体１を昇降路３０に沿うように移動させて
位置決めを行うことができ、またボルト９ｃを回すと、
出入口装置ブロック体１の下方部分を、出入口部分３３
と昇降路３０を結ぶ水平方向に移動させて位置決めを行
うことができる。なお、これらの作業はすべてホール側
で行う。

【００２０】また、出入口装置ブロック体１を全階床に
仮固定した後、芯出し固定作業は、昇降路３０内をかご
が昇降可能となった後、かご上に乗って作業する。

【００２１】本実施例にあっては、出入口装置ブロック
体１を仮固定するために、昇降路３０内にわざわざ足場
を組み立てる必要がなく、足場組立、解体、及び搬入作
業を削減でき、作業効率を大幅に向上させることができ
る。

【００２２】また、仮固定に際して、出入口装置ブロッ
ク体１を位置調整機構９によって上下方向あるいは水平
方向に移動させることができ、位置調整機構９のＬ字形
部材９ａと出入口部分３３の床部分に設けた係止部２３
との位置関係を調整できるので、確実に出入口装置ブロ
ック体１を仮固定することができる。

【００２３】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、出入口装
置ブロック体を建屋の出入口部分に仮固定するには、例
えば昇降路内を吊り上げた出入口装置ブロック体を、出
入口部分の建屋の床部分に設けた係止部にその掛止部材
が係合するように配置し、この状態において固定手段で
出入口装置ブロック体を建屋の壁に固定すればよい。こ
の固定手段による固定は、建屋の壁において行うので、
建屋の階床すなわちホール側で行うことができる。した
がって、昇降路内に足場を組むことなく出入口装置ブロ
ック体を仮固定することができる。

【００２４】また、位置調整機構を適宜操作することに
よって、建屋の床部分に設けた係止部に掛止部材を離脱
を生じることなく係合させることができ、確実に出入口
装置ブロック体を仮固定することができる。

【００２５】請求項２記載の発明によれば、位置調整機
構が、昇降路と出入口部分を結ぶ水平方向の位置決めを
行う手段を含むので、位置調整機構により出入口部分の
床部分に設けた係止部との水平方向の位置関係をも調整
でき、更に確実に出入口装置ブロック体を仮固定するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の出入口装置ブロック体の仮固定装置の
一実施例を示す説明図、（ａ）は正面図、（ｂ）は側面
図である。

【図２】本発明の出入口装置ブロック体の仮固定装置の
出入口装置ブロック体の仮固定部分を示す拡大縦断面図
である。

【図３】本発明の出入口装置ブロック体の仮固定装置の
出入口装置ブロック体の仮固定部分を示す拡大横断面図
である。

【図４】本発明の出入口装置ブロック体の仮固定装置の
出入口装置ブロック体を建屋壁に固定する固定手段であ
るストッパを示す斜視図である。

【図５】本発明の出入口装置ブロック体の仮固定装置を
適用するエレベーターの昇降路の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 出入口装置ブロック体 ２ シル ３ 三方枠 ５ 扉 ９ 位置調整機構 ９ａ Ｌ字形部材（掛止部材） ９ｂ Ｌ字形部材 ９ｃ，９ｄ ボルト １２ ストッパ（固定手段） １２ａ 係合部 １２ｂ 突出部 １２ｃ ボルト １２ｄ 張出し部 ２３ 係止部 ２４ 建屋壁 ３３ 出入口部分

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 三方枠、扉、及びシルを含むエレベータ
   ーの出入口装置を一体的に形成して成るブロック体を、
   出入口部分に仮固定する出入口装置ブロック体の仮固定
   装置において、 上記出入口部分を形成する建屋の床部分に係止部を設
   け、上記出入口装置ブロック体の下部に上記係止部に係
   合可能な掛止部材を装着し、上記係止部に上記掛止部材
   を係合させた状態にある上記出入口装置ブロック体を建
   屋の壁に固定する固定手段を設けるとともに、上記掛止
   部材に、上記出入口装置ブロック体の昇降路に沿う上下
   方向の位置決めが可能な位置調整機構を設けたことを特
   徴とする出入口装置ブロック体の仮固定装置。
2. 【請求項２】 上記位置調整機構が、上記昇降路と上記
   出入口部分を結ぶ水平方向の位置決めを行う手段を含む
   ことを特徴とする請求項１記載の出入口装置ブロック体
   の仮固定装置。