JPH07214396A - 段付成形品の粉末成形方法および装置 - Google Patents

段付成形品の粉末成形方法および装置

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JPH07214396A
JPH07214396A JP3302094A JP3302094A JPH07214396A JP H07214396 A JPH07214396 A JP H07214396A JP 3302094 A JP3302094 A JP 3302094A JP 3302094 A JP3302094 A JP 3302094A JP H07214396 A JPH07214396 A JP H07214396A
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punches
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Abstract

(57)【要約】 【目的】密度のばらつきがなく精密に圧縮でき、しかも
ストッパの解除機構が不要で、かつ搬送性もよい段付成
形品の粉末成形方法および装置を提供する。 【構成】少なくとも一端面が複数の段部4,5を有する
段付き形状の段付成形品1を成形するもので、ダイ孔3
0aに粉末50を充填し、次いで、充填粉末を上下パン
チ6U,6L;7U,7Lによって、上パンチ側が段付
き形状側となるようにトランスファを行い、その後、各
パンチ組によって挟まれている各粉末部分の密度が圧縮
途中で常に同一であるように各パンチ組の上下パンチに
よって同時に加圧し、上パンチよって段付き形状を成形
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一端面が平坦で他端面
が段付形状の段付成形品の粉末成形方法および粉末成形
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図11(a),(e)に示すよう
に、一端面が平坦で他端面が段付の成形品100の成形
は、通常平坦面101を上面側に、段付面102が下面
側となるように成形するのが一般的である。
【0003】すなわち、図11(a),(b)に示すよう
に、ダイ孔103に粉末104を充填した時点で粉末1
04の上端面はダイス105上面に合致した平坦面なの
で、この充填粉末の上面を平坦面側とし、各段部に対応
して複数の下パンチ106,107を設け、各下パンチ
106,107によって段付面102を成形していた。
【0004】図10 に示すように、上パンチ108が
上ラム109に固定され、外側の下第1パンチ106が
流体圧シリンダ112によって移動自在に支持され、内
側の下第2パンチ107が固定プレート111に固定さ
れている。そして、上ラム109によって上パンチ10
8を下動させて粉末104を加圧し、加圧力と流体圧シ
リンダ112の支持力とのバランスによって下第1パン
チ106を下動させ、最終的な加圧完了時点において下
第1パンチ106をストッパ機構113によって位置決
めして成形品100を所定寸法に成形する。
【0005】ストッパ機構113は、下第1パンチ10
6を支持する下第1パンチプレート114下面に沿って
スライド可能に設けられるスライデイングブロック11
5と、固定プレート111に立設され加圧完了時点でス
ライデイングブロック115が上方から当接するストッ
パ116と、から構成されている。
【0006】さらに、ダイス105を下降させることに
よって成形品100をダイ孔103から抜き出し、抜き
出した成形品100をダイス105上面を滑らせて搬送
し、次の成形のための粉末充填工程に移行する。
【0007】成形品100を抜き出すためには、ストッ
パ機構113を解除してダイス105を下動させる必要
があるので、ダイス105の下方への動きによってスラ
イデイングブロック115を横方向に移動させるための
ストッパ解除機構117が設けられている。ストッパ解
除機構117は、下第1パンチプレート114に上下動
可能に設けられる解除ピン118と、この解除ピン11
8の下端に設けられ解除ピン118の上下動をスライデ
イングブロック115の横方向移動に変換するウエッジ
119と、ダイプレート120に固定されダイプレート
120の下動によって解除ピン118を押圧するプッシ
ャ121と、から構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来技術の場合には、粉末104の充填深さを成形品1
00の各段部102a,102bの比率を同一にして最
終の成形品が均一な密度に成形されるようにしている
が、下第1パンチ106が下降していくと、まず上パン
チ108と外側の下第1パンチ106の間の粉末部分を
圧縮されるため、中央の下第2パンチ107に近い粉末
が移動して下第2パンチの上に落下する。次に上パンチ
108と下第1パンチ106が同時に同時に下降すると
下第2パンチ107の上の粉末が下第1パンチ106側
に戻されるというように、圧縮途中において粉末104
が移動して均一な密度に加圧されず、焼結時に収縮して
ゆがみを生じたりクラックが発生してしまうという問題
があった(図11(f)参照)。
【0009】特に、図11(a)に示すような極めて薄い
成形品の場合には、このような傾向が顕著に現れる。
【0010】また、加圧完了時に加圧力を支持するため
に、スライデイングブロック115とストッパ116と
の間にある程度の係合代dが必要であるが(図10(b)
参照)、成形品100が極く薄いとこの係合代dが確保
されないという問題もあった。すなわち、成形品100
の厚さに対応する抜き出しストロークが、ウエッジ11
9を介してスライデイングブロック115の水平運動に
変換されるので、成形品100が薄いと係合代dを充分
とれない。ところが、加圧力を受けるためにはある程度
の係合代dが最低限必要であり、極薄い成形品では係合
代dを充分確保できない。
【0011】ウエッジ19の角度を代えて水平運動の変
換される割合を大きくとればよいが、プッシャの押圧力
の制約があり、通常ほぼ45度程度に設定されている。
実例として、100トンプレスの場合、ウエッジ119
の下動ストロークc=15[mm]で係合代d=14
[mm]程度必要であるが、ダイの充填量が4[mm]
程度の場合には、c=4[mm],d=3[mm]程度
としかならず、大きな荷重を受けることができない。
【0012】また、抜き出し後の成形品100搬送の時
に、たとえば下面側に段部102bが突出している場合
には、不安定でありこわれやすいので、後の搬送工程で
成形品100を上下を逆にする必要があり、逆転機構が
必要となり装置構成が複雑になし工程数も増大してしま
う。そのため、成形段階で平坦面101が下面側となる
ような成形方法が要請されている。
【0013】本発明は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、密
度のばらつきがなく精密に圧縮でき、しかもストッパの
解除機構が不要で、かつ搬送性もよい段付成形品の粉末
成形方法および装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも一端面が複数の段部を有する
段付き形状となっている段付成形品を成形するもので、
成形品の各段部に対応する上下一対のパンチで一組の複
数のパンチ組を準備し、ダイ孔の下方から前記複数のパ
ンチ組の下パンチを挿入し、各下パンチの上端面をそれ
ぞれダイス上面から各段部に対応する所定の深さに位置
させてダイ孔内に粉末を充填し、次いで、粉末が充填さ
れたダイ孔内に上パンチを挿入して充填された粉末を各
パンチ組の上下パンチによって、上パンチ側が段付き形
状側となるように相対移動させ、その後、各パンチ組に
よって加圧されている各粉末部分の密度が圧縮途中で常
に同一であるように、各粉末部分を各パンチ組の上下パ
ンチによって同時に加圧し、上パンチよって段付き形状
を成形することを特徴とする。
【0015】ダイ孔に充填された粉末を各パンチ組によ
って相対移動した段階で各パンチ組の下パンチの上端面
を所定位置に固定したことを特徴とする。
【0016】加圧終了時に、各パンチ組の各上下パンチ
に作用する加圧力の圧抜きを行うことを特徴とする。
【0017】圧抜き後、成形品をダイスより抜き出すこ
とを特徴とする。
【0018】段付き成形品は一端面が複数の段部を有す
る段付き形状で、他端面が平坦形状であることが好適で
ある。
【0019】また、粉末成形装置は、粉末充填用のダイ
孔を備えたダイスと、ダイ孔に充填された粉末を圧縮す
る上下一対で一組の複数のパンチ組と、ダイ孔内に成形
品の各段部寸法に対応して粉末充填深さを所定寸法に設
定すべくダイ孔内の下パンチの位置決めをする充填深さ
設定手段と、ダイ孔内に上パンチを挿入して充填された
粉末を各パンチ組の上下パンチによって、上パンチ側が
段付き形状側となるように相対移動させるトランスファ
手段と、トランスファ後の各パンチ組の下パンチの上端
面を所定位置に保持して加圧力を受けるストッパ手段
と、各パンチ組によって圧縮される各粉末部分の密度が
圧縮途中で常に同一となるように上パンチを移動させて
各粉末部分を加圧する加圧手段と、ダイ孔から成形品を
抜き出す抜き出し手段と、を具備して成ることを特徴と
する。
【0020】加圧終了時に、各パンチ組の各上下パンチ
に作用する加圧力の圧抜きを行う圧抜き手段を有するこ
とを特徴とする。
【0021】トランスファ手段によって複数のパンチ組
の下パンチ側が平坦形状側ととなるように移動し、スト
ッパ手段によって下パンチの上端面が同一面位置にて位
置決め保持することを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明にあっては、パンチ組の上下パンチによ
って各被圧縮粉末部分の圧縮密度が圧縮途中で常に同一
となるように圧縮しているので、成形途中における各被
圧縮粉末部分間の粉末移動がなく、成形品にクラック等
の発生しない。
【0023】また、粉末充填後にトランスファを行って
成形品の上端側に段部を形成し、加圧時には下端側の下
パンチを所定位置で固定してしまうので、従来のように
加圧の際に下パンチ側で段部を形成する場合のように抜
き出し時に複数の下パンチを所定位置に位置させるため
にストッパを解除しないで、そのまま抜き出しを行うこ
とができる。
【0024】特に成形品の下端面を平坦形状とすれば、
搬送を安定してスムーズに行うことができる。凸形状の
段付成形品の場合に特に有効であるが、凹形状の段付成
形品の場合でも、凹部の損傷も防止できる。
【0025】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。
【0026】図3は本発明の粉末成形方法によって成形
される段付成形品の一例を示している。この成形品1は
コンピュータの部品に用いられるもので、極く薄い正方
形の薄板形状で、その一端面が平坦面2で、他端面が段
付形状の段付面3となっている。段付面3は、周辺部位
の第1段部4と、第1段部4よりも一段高くなった中央
部位の第2段部5とから構成されている。第2段部5の
平面形状は第1段部4よりも小径の正方形状で、第1段
部4と同心的に配置されており、第2段部5は第1段部
4周囲を取り囲むように構成されている。
【0027】この成形品1を成形するための上下パンチ
は、図4に示すように、上下一対で一組の2つのパンチ
組によって構成される。すなわち、第1段部4を成形す
る第1のパンチ組6としての上第1パンチ6Uおよび下
第1パンチ6Lと、第2段部5を成形する第2のパンチ
組7として上第2パンチ7Uおよび下第2パンチ7Lと
から構成されている。この図4では、構造を理解しやす
くするために内側の上,下第2パンチ7U,7Lを突出
させて記載したものである。
【0028】上,下第1パンチ6U,6Lは同一形状で
同軸的に配置され、成形品1の第1段部4と同一の断面
形状を有する中空の正四角筒形状に構成されている。ま
た、上,下第2パンチ7U,7Lも同一形状で同軸的に
配置され、成形品1の第2段部5と同一断面形状を有す
る四角柱形状に構成されている。これら上,下第2パン
チ7U,7Lは、それぞれ上,下第1パンチ6U,6L
内周に軸方向に摺動自在に嵌合されている。
【0029】図5には、本発明が適用される粉末成形プ
レスのツールセット部の基本的な構成例を示している。
上第1,第2パンチ6U,7Uおよび下第1,第2パン
チ6L,7Lの構成は図4に示す構成と同様である。
【0030】ツールセットは、大きく分けて、プレス本
体8の上ラム9に接続される上パンチユニット10と、
プレス本体8に固定される下パンチユニット11とから
構成されている。上ラム9の駆動は、クランク機構やト
グル機構等の機械的加圧機構、油圧,空気圧等の流体圧
を利用した加圧機構、また電動のボールねじ機構等の種
々の駆動機構を採用してもよい。
【0031】上パンチユニット10は、上パンチプレー
ト12と、上パンチプレート12に取付けられる油圧シ
リンダ等の加圧シリンダ13と、この加圧シリンダ13
に固定される上第1,第2パンチ6U,7Uと、から構
成されている。
【0032】加圧シリンダ13は、中央に配置される上
端が上パンチプレート12下面に固定される円柱状のシ
リンダコア部14と、このシリンダコア部14外周に軸
方向に摺動自在に嵌合される環状の可動シリンダ部15
と、から構成されている。可動シリンダ部15の内周面
には環状凹所16が形成されており、一方、シリンダコ
ア部14外周には前記環状凹所16内に張り出す環状ピ
ストン部17が設けられている。環状ピストン部17外
周は円筒状の環状凹所16内周壁に油密状態で摺動自在
に密接しており、環状凹所16を上下2室18,19に
区分している。
【0033】そして、この実施例ではシリンダコア部1
4下端面に上第2パンチ7Uが固定され、一方、可動シ
リンダ部15下端面に上第1パンチ6Uが固定されてい
る。したがって、上第2パンチ7Uは上ラム9と一体的
に移動し、上第1パンチ6Uは上ラム9と共に移動しな
がら、加圧シリンダ13の動きが重畳されて上第2パン
チ7Uに対して相対移動する。
【0034】上パンチプレート12は上ラム9に接続さ
れるが、この実施例では上ラム9にクッションシリンダ
20が設けられており、このクッションシリンダ20を
介して上ラム9に上パンチプレート12が接続されてい
る。
【0035】クッションシリンダ20は、上ラム9下端
面に凹部21を形成し、この凹部21の開口部を蓋体2
2によって閉塞して中空のシリンダ室23を構成し、こ
のシリンダ室23内にピストン24を軸方向に往復移動
自在に挿入してシリンダし、ピストンロッド25を蓋体
22のロッド孔26を介して下方に突出させ、ロッド突
出端に継手ブロック体27を介して上パンチプレート1
2が接続されている。
【0036】継手ブロック体27には軸方向に延びるガ
イドピン28が取付けられ、上ラム9にシリンダ室23
と平行に設けられたピン孔29に摺動自在に挿入され、
軸方向移動の案内をしている。
【0037】また、上パンチユニット10は、上端が上
パンチプレート12に固定されたガイドロッド10aを
介して下パンチユニット11のダイプレート31に軸方
向に移動自在に支持されている。ガイドロッド10aの
下端はダイプレート31の固定されたブッシュ10bに
摺動自在に挿通されている。
【0038】また、加圧シリンダ13の回り止めを図る
ために、加圧シリンダ13の可動シリンダ部15に回り
止め用ブラケット13aが突設されており、このブラケ
ット13aが前記上パンチユニット10を案内するガイ
ドロッド10aに摺動自在に挿通されている。
【0039】下パンチユニット11は、ダイス30が固
定されたダイプレート31と、ダイプレート31の下方
に設けられ下第1パンチ6Lを支持する可動パンチプレ
ート32と、可動パンチプレート32の下方に設けられ
下第2パンチ7Lを支持する固定プレート33と、固定
プレート33のさらに下方に設けられダイプレート31
を支持する引き下げプレート34と、を備えている。こ
の引き下げプレート34とダイプレート31とが複数本
の固定ロッド35を介して連結されており、固定ロッド
35は、引き下げプレート34とダイプレート31の間
に設けられる固定プレート33および可動パンチプレー
ト32を貫通し、可動パンチプレート32の軸方向移動
を案内している。
【0040】下第1パンチ6Lは、中空の下第1パンチ
ホルダ36を介して下第1パンチプレート32に固定さ
れている。一方、下第2パンチ7Lは下第2パンチホル
ダ37を介して固定プレート33に固定されている。下
第2パンチ7Lは中空の下第1パンチホルダ36内部を
通じて下第1パンチ6L内に挿入され、可動パンチプレ
ート32に設けられた貫通孔38を通じて下第2パンチ
ホルダ37が挿入されている。この下第2パンチホルダ
37は中実の柱部材で、下端が固定プレート33に固定
されている。
【0041】固定プレート33には可動パンチプレート
32の下方への移動を規制する複数のストッパ39が立
設されている。
【0042】また、可動パンチプレート32と固定プレ
ート33との間には、可動パンチプレート32を保持
し、また自由状態での下第1パンチ7Lの位置を位置決
めするエアシリンダ等のパンチ支持シリンダ40が設け
られている。このパンチ支持シリンダ40は、ダイ孔3
0内に粉末充填深さを成形品の各段部に対応して設定す
べくダイ孔30内の下第1,第2パンチ6L,7Lの位
置決めをするもので、充填深さ設定手段を構成する。
【0043】このパンチ支持シリンダ40は中空のシリ
ンダチューブ41と、このシリンダチューブ41内に摺
動自在に挿入されるピストン部42と、このピストン部
42と一体的に設けられるロッド43と、から構成され
ている。シリンダチューブ41は、可動パンチプレート
32の側方に張り出すブラケット44を介して、可動パ
ンチプレート32に固定されている。ピストンロッド4
3の下端にはねじ部45が設けられており、このねじ部
45が図6に示すような固定プレート33に設けられた
ギヤボックス46内の位置調整機構に固定されている。
【0044】図6(a)にはギヤボックス46内部の位置
調整機構を示している。
【0045】すなわち、各ピストン43の下端部に固定
されたウオームホイール46aと、このウオームホイー
ル46aに噛み合うウオーム46bと、から構成され、
ウオーム46bの回転をピストンロッド43の上下動に
変換する。また、各ウオーム軸46c間にはチェーンと
スプロケット,タイミングベルトとプーリー等の伝動機
構46Dを介して同期して駆動されるようになってい
る。図示例では、一方のウオーム軸46cの軸端46e
をハンドル等で回転して駆動するようになっている。こ
のように、ウオームホイール46aを回転させることに
よってピストンロッド43を上下させ、ピストンロッド
43と一体的に設けられたピストン部42の位置を上下
させるようになっている。
【0046】パンチ支持シリンダ40のシリンダ上室4
7内に充填されるエア圧によって、シリンダチューブ4
1をピストン部42に対して上方に押し上げ、ピストン
部42がシリンダチューブ41の下端壁41aに当接し
た位置で位置決めしている。すなわち、自由状態ではエ
ア圧等の流体圧によってピストン部42がシリンダチュ
ーブ下端壁41aに当接して停止しており、下第1パン
チ6Lはこの位置で位置決めされることになる。
【0047】したがって、ピストン部42の位置を調整
することによって下第1パンチ6Lの位置を調整するこ
とが可能である。パンチ支持シリンダ40は左右に一対
あり、調整軸48の回転によって左右のパンチ支持シリ
ンダ40,40が連動して上下することになる。
【0048】一方、このパンチ支持シリンダ40,40
に対応して、上ラム9側にはトランスファ手段としての
トランスファシリンダ49が設けられている。
【0049】このトランスファシリンダ49は、ダイ孔
30a内に充填した粉末50をトランスファするための
もので、上記したパンチ支持シリンダ40の上方にパン
チ支持シリンダ40と同軸的に配設されている。このト
ランスファシリンダ49は、上パンチユニット10の左
右側方に上ラム9に固定されるプレート51を介して下
方に向けて取り付けられており、上端がプレート51に
固定されるシリンダチューブ52と、シリンダチューブ
52内に摺動自在に挿入されるピストン53と、ピスト
ン53に連結され下端がシリンダチューブ52の下端壁
52aから下方に向かって突出するピストンロッド54
と、から構成されている。ピストンロッド54下端部外
周にはねじ部55が設けられ、このねじ部55に下方の
パンチ支持シリンダ40のシリンダチューブ上端壁41
bに設けられた環状凸部41cに当接可能な押圧ブロッ
ク56が螺合されている。
【0050】ピストンロッド54は、自由状態では流体
圧によって下限位置まで突出しており、所定の圧力を加
えると上方に収縮するようになっている。
【0051】一方、上パンチユニット10の上パンチプ
レート12と下パンチユニット11のダイプレート31
の間には、上下第2パンチ7U,7Lによる粉末加圧量
を検出するための第1リニアセンサ58が設けられてい
る。この第1リニアセンサ58はダイプレート31に下
端が固定され上方に向かって軸方向に沿って平行に立設
されている。また、上パンチプレート12下面には下方
に向かって延びるセンサ押え部材59が設けられ、この
センサ押え部材59によって作動される。
【0052】この第1リニアセンサ58とセンサ押え部
材59とは加圧開始位置にて接触し、上下第2パンチ7
U,7Lによる粉末の加圧量を検出する。この実施例で
は加圧開始位置はトランスファ完了位置であり、上第2
パンチ7Uの下端がダイス30上面と同一面に達した位
置である。センサ押え部材59の下端には上下位置を調
整する調整ねじ60が設けられ、第1リニアセンサ58
の作動開始位置を調整可能としている。
【0053】この位置から上下第2パンチ7U,7Lに
よる加圧量、この実施例では下第2パンチ7Lが固定な
ので、上第2パンチ7Uの下動量が加圧量となる。加圧
開始位置は必ずしもダイス30上面よりもダイ孔30a
内に入り込んだ位置でもよい。
【0054】この上第2パンチ7Uによる加圧量に対応
して第1リニアセンサ58からパルスが発生し、このパ
ルス数に所定の係数を掛けて上下第1パンチ6U,6L
による加圧量、この実施例では下ダイ1パンチ6Lが固
定なので、上ダイ1パンチ6Uの移動速度を決定し、加
圧シリンダ13を制御する。
【0055】また、上パンチユニット10には上第1パ
ンチ6Uの位置を検出するための第2リニアセンサ62
が設けられている。この第2リニアセンサは上パンチプ
レート12に対する上第1パンチ6Uの位置を検出する
もので、第2上パンチプレート12下面に軸方向下方に
向かって突出するように設けられている。一方、上第1
パンチ6Uを駆動する加圧シリンダ13の環状の可動シ
リンダ部15から側方に検出プレート63が突設してお
り、この検出プレート63が前記第2リニアセンサ62
の検出端に接触するようになっている。
【0056】図7(a)はこの加圧シリンダ13の制御構
成を示すブロック図である。
【0057】すなわち、加圧シリンダ13の流量等を制
御する電磁弁等の制御手段を備えた油圧制御回路と、こ
の油圧制御回路300に油圧等の流体圧を供給する圧力
供給部301と、制御回路300に制御信号を送出する
コントローラ302と、を備えている。
【0058】このコントローラ302には、第1リニア
センサ58からの上第2パンチ7Uの加圧量情報と、第
2リニアセンサ62からの上第1パンチ6Uの位置情報
が入力される。
【0059】次に、図1,図2,図5および図7に基づ
いて、成形工程について説明する。
【0060】成形工程は、概略、ダイ孔30aに粉末5
0を充填する工程と、充填された粉末50をトランスフ
ァする工程と、加圧終了後に圧抜きする工程と、圧抜き
後に成形品1を抜き出す工程と、からなっている(図1
参照)。
【0061】粉末充填工程では、下端が開口する中空の
フィーダ64を用いるもので、粉末50を保持したフィ
ーダ64下端縁をダイス30上面に接触させ、フィーダ
64下端縁を滑らせてフィーダ64開口部をダイ孔30
a上に位置させ、粉末50を自重によってダイ孔30a
内に落下させてダイ孔30a内に充填する。そして、フ
ィーダ64の下端縁でダイ孔30a内に充填された粉末
50をダイス30上面位置で摺り切ることによって、ダ
イ孔30aに充填された粉末50の上面をダイス30上
面位置に一致させる(図1(a),(b),図2(a)参
照)。
【0062】粉末50の充填量は、ダイス30上面から
下第1,下第2パンチ6L,7Lの上端面までの充填深
さで決定されるもので、この下第1パンチ6L上端面に
対応する粉末部分の充填深さと、下第2パンチ7L上端
面に対応する第2の粉末部分の充填深さとの比率は、成
形品1の第1段部4と第2段部5の厚さの比率と同一比
率に設定しており、成形品1の厚さの2倍程度の充填深
さに設定されている。
【0063】トランスファ工程では、上ラム9の駆動に
よって上パンチユニット10を一体的に下方に移動させ
る。トランスファ開始時点では上第1パンチ6Uの下端
面がダイス30上面位置すなわち粉末上端に位置する
(図1(b)参照)。この上第1パンチ6Uの下端面は上
第2パンチ7U下端面よりも下方に所定距離だけ突出す
るような相対位置関係に設定されている。
【0064】この突出量は下第1パンチ6Lの上端面か
ら下第2パンチ7Lの上端面までの相対距離に等しい寸
法に設定され、下第1,第2パンチ6L,7Lとは対称
的な位置関係となっている(図1(b)参照)。突出量
は、第2リニアセンサ62によって上第2パンチ7Uに
対する上第1パンチ6Uの位置を検出することによって
測定でき、加圧シリンダ13によって位置調整すること
が可能である。
【0065】このトランスファ開始時点では、上パンチ
ユニット10の移動に伴って左右のトランスファシリン
ダ49,49も下動しており、その下端の押圧部材5
6,56下端面が、パンチ支持シリンダ40,40のシ
リンダチューブ41の上端の環状凸部41cに当接して
いる。
【0066】そして、上ラム9の下動に従って上第1パ
ンチ6Uがダイ孔30a内に侵入していく。一方、上ラ
ム9の下動に従って、トランスファシリンダ49下端の
押圧部材56によって環状凸部41c,シリンダチュー
ブ41および可動パンチプレート32を介して下第1パ
ンチ6Uが前記上第1パンチ6Uと同期して押し下げら
れ、下第1パンチ6Uの上端面が下第2パンチ7Uの上
端面と同一面位置に達した時点で可動パンチプレート3
2がストッパ39,39に突き当たり停止する。この位
置がトランスファ終了位置であり、上第2パンチ7U下
端面がダイス30の上面位置に達している。したがっ
て、第1パンチ組6によって挟まれる粉末部分は何等圧
縮されることなく、基本的には充填時の密度のままスラ
イドされる。このように、下第1パンチ6Lの上端面を
下第2パンチ6Lの上端面を同一位置にして成形品1の
平坦面2に対応する連続する一つの平面を構成している
(図1(c)参照)。
【0067】なお、パンチ支持シリンダ40よりもトラ
ンスファシリンダ49の方が力が強くなるように設定し
ている。
【0068】トランスファが終了した時点で上記第1リ
ニアセンサ58がセンサ押え部材59に接触し、加圧開
始の条件信号とする。この加圧開始位置は調整ねじ60
によって調整することができる。
【0069】そして、加圧工程では、この第1リニアセ
ンサ58からの信号に基づいて上第2パンチ7Uを駆動
する加圧シリンダ13が制御され、上記第2リニアセン
サ62から上第1パンチ6Uの位置情報に基づいて加圧
シリンダ13の制御を補正する。
【0070】加圧工程では、上,下第1パンチ6U,6
Lをおよび上,下第2パンチ7U,7Lによって対応す
る粉末部分を軸方向に同時に圧縮する。この時に、各粉
末部分の密度が圧縮途中で常に同一となるように圧縮す
る(図1(d)参照)。
【0071】そのために、本実施例では、上下第1パン
チ6U,6Lによる加圧速度v1と、上下第2パンチ7
U,7Lによる加圧速度v2の比率が、第1段部4と第
2段部5の軸方向寸法の比率αと同一比率となるように
制御する。
【0072】本実施例では下第1,第2パンチ6L,7
Lは共に固定されているので、上第1,第2パンチ6
U,7U側の速度のみを考慮すればよく、この内上第2
パンチ7Uが上ラム9によって駆動されるので、この上
ラム9の駆動に対応させて上第1パンチ6Uを移動させ
るべく加圧シリンダ13が制御される。この加圧工程に
おいてはトランスファシリンダ49,49がパンチ支持
シリンダ40,40上端の環状凸部41cに押されて収
縮する。
【0073】上ラム9の下動速度をvとすると、上下第
2パンチ7U,7Lによる圧縮速度に対応する上第2パ
ンチ7Uの下降速度v2は上ラムの下動速度vに等し
い。
【0074】一方、上第1パンチ6Uは上ラム9によっ
て上第2パンチ7Uと共に下動しており、粉末を圧縮す
る際には上第2パンチ7Uに対して上に移動させること
になる。
【0075】第1パンチ6Uの速度v1は、上ラム9の
速度vから加圧シリンダ13による上昇速度分vs分だ
け減じた速度であり、(v1=v−vs)で与えられ
る。このv1とv2の比が成形品1の第1,第2段部
4,5の軸方向寸法の比率αとなるように設定すればよ
いから、加圧シリンダ13の上昇速度vsは、v(1ー
α)で与えられる。
【0076】このようにすれば、加圧工程中のどの瞬間
においても、上下第1パンチ6U,6Lによって圧縮さ
れる粉末部分の密度と、上下第2パンチ7U,7Lによ
って圧縮される粉末部分の密度が常に同一となり、均一
な段付き成形品を得ることができる。
【0077】図7(a)の制御ブロック図に対応して説明
すると、第1リニアセンサ58によって検出された加圧
量情報をパルス信号等によってコントローラ302に読
み込み、コントローラ302において上記演算を行う。
この演算に必要な成形品のデータや演算ソフト等は予め
コントローラ302に予め入力し、記憶されている。
【0078】そして、コントローラ302において加圧
量情報とコントローラ内部のクロックパルスに基づいて
上第2パンチ7Uの加圧速度v1が演算され、さらに係
数(1ーα)を掛けて加圧シリンダ13の上昇速度vs
が演算され、油圧回路300に制御信号を送って上第1
パンチ6Uが速度v2で下動するように制御する。
【0079】また、上第1パンチ6Uの位置が第2リニ
アセンサ62によって検出され、この位置情報をフィー
ドバックすることにより、極めて精密に制御することが
できる。
【0080】加圧方式としては、図示例では下第1,第
2パンチ6L,7Lを固定して上第1,第2パンチ6
U,7Uを下方に押圧する片押し方式であるが、両押し
としてもよいし、また加圧時に上第1,第2パンチ6
U,7U、ダイス30および下第1,第2パンチ6L,
7Lのすべてを下降させ、その速度差によって上,下第
1パンチ6U,6L間および上,下第2パンチ7U,7
L間の粉末部分を圧縮するウイズドロアル方式を採用し
てもよいし、種々の加圧方式を採用することができる。
【0081】加圧が完了すると、上ラム9の下死点で加
圧シリンダ13の作動を中止させ圧抜きを行う。
【0082】圧抜きとは、加圧終了時点で成形品の各段
部4,5が均等に弾性復帰するように各段部4,5に加
えている加圧力を抜くことである。加圧終了時点におい
て上第1,第2パンチ6U,7Uを上昇させていく過程
において、成形品1の第1,第2段部4,5のスプリン
グバック量の差と各パンチ6U,6L;7U,7Lの弾
性歪量の差によって、第1,第2段部4,5が均等に弾
性復帰しない。たとえば、第1段部4が上第1パンチ6
Uによってまだ押さえられている状態で第2段部5側の
加圧力が抜けると、第2段部5の弾性復帰による伸びに
よって第1段部4と第2段部5の境界部にクラックが発
生するおそれがある。
【0083】特に、本実施例のような強度の弱い極薄の
成形品の場合にはクラックが発生しやすい。
【0084】そこで、各パンチおよびパンチアダプタ部
の弾性変形量および成形品の各段部のスプリングバック
量を考慮して、上ラム9の上昇量に対応して加圧シリン
ダ13を上昇あるいは下動させる。これにより、上第
1,第2パンチ6U,7U間の圧が均等に抜けるように
調整する(図2(d´)参照)。等に弾性復帰するように
する。
【0085】この実施例では、圧抜きと同時にクッショ
ンシリンダ20を作動させ、クッションシリンダ20に
よって成形品1を挟みつけておいて、上ラム9が上昇し
ても上第1,第2パンチ6U,7Uによって成形品1を
所定の力で押圧して圧が急激に抜けるのを規制してい
る。
【0086】クッションシリンダ20は、加圧完了時点
まではシリンダ下室23bに流体圧を充填しておいて上
パンチユニット10全体を上方に持ち上げておき、加圧
完了時点でシリンダ下室23bから流体圧を抜いてシリ
ンダ上室23aに流体圧を充填して、上パンチユニット
10全体を下方に押し出す。もっとも流体圧の切換は加
圧完了前に行ってもよい。
【0087】その後、成形品1の抜き出しを行う(図1
(e)参照)。
【0088】この成形品1の抜き出しは、クッションシ
リンダ20によって上第2パンチ7U下端面を成形品1
の第2段部5上端面に当接させた状態で上第1パンチ6
U下端面が上第2パンチ7U下端面と同一位置となるま
で上昇させる。
【0089】次いで、上第2パンチ7Uと下第1,第2
パンチ6L,7Lによって成形品1を上下に挟んだ状態
で、下ラムを下動させて引き下げプレートおよび固定ロ
ッドを介してダイプレート31を下降させ、ダイス30
に対して下第1,第2パンチ6L,7Lを相対的に上昇
させることにより成形品1をダイス30上面まで押し出
して抜き出しを行うと同時に、上第2パンチ7Uを停止
させて上第1パンチ6Uを上げる。そして、クッション
シリンダ20を上昇させ、一連の作動が完了する(図1
(e)参照)。
【0090】成形品の抜き出しが完了すると、成形品1
をダイス30上面をすべらせて搬送する。この搬送は次
の成形工程の粉末50を充填するために前進するフィー
ダ64によって側方に押し出され、それと同時に次の成
形のための粉末50がダイ孔30a内に充填される(図
1(a)参照)。
【0091】図6(b)は本発明の第2実施例が示されて
いる。
【0092】この第2実施例は上記した上第1,第2パ
ンチ6U,7Uと加圧シリンダ13との接続を逆にした
ものである。
【0093】すなわち、上第1パンチ6Uが固定される
シリンダ部151を上パンチプレート12に固定して上
ラム9と一体的に移動させ、上第2パンチ7Uが固定さ
れるシリンダコア部141を可動として上第2パンチ7
Uを上第1パンチ6Uに対して相対移動させるようにし
たものである。
【0094】図7(b)は上記第2実施例の場合の制御ブ
ロック図を示す。
【0095】すなわち、この例では、上第1パンチ6U
が上ラム9と一体的に移動するので、第1リニアセンサ
58は上第1パンチ6Uの移動量を検出することにな
る。第1リニアセンサ58の作動開始時点はトランスフ
ァ終了位置、すなわち加圧開始位置であり、上第2パン
チ7Uがダイス上面に達した時点、上第1パンチ6Uが
所定量ダイ孔31a内に入り込んだ位置である。
【0096】この例では、上第1パンチ6Uの加圧量に
基づいて上第2パンチ7Uの加圧量を制御するので、上
記実施例とは異なり、上第1,第2パンチ6U,7Uは
共に下方に移動する。すなわち、上第1パンチ6Uの速
度v1は上ラム9の速度vと同一であり、上第2パンチ
7Uの移動速度v2は上ラム9の速度vと加圧シリンダ
13による加圧速度vsとを加えたものであり、この
(v+vs)とv1との比が段部4,5間の比率αと同
一となるように、加圧シリンダの加圧速度vsが決定さ
れる。すなわち、加圧シリンダvsは、(1ー1/α)
vで決定される。
【0097】その他の構成は上記実施例と同一であるの
で、同一の構成部分については同一の符号を付してその
説明を省略する。
【0098】図8および図9は本発明の第3実施例を示
している。
【0099】その成形工程は、第1実施例と同様に、ダ
イ孔30aに粉末50を充填する工程と、充填された粉
末50をトランスファする工程と、加圧終了後に圧抜き
する工程と、圧抜き後に成形品を抜き出す工程と、から
なっている。
【0100】この第2実施例も、第1実施例同様は一端
面が平坦面202の正方形の薄板形状の成形品である
が、図8(g)に示すように、他端面が第1実施例では凸
状の段付形状であるのに対して、凹状の段付形状の段付
面203となっている。すなわち、段付面203は、周
辺部位の第1段部204と、第1段部204よりも一段
低くなった中央部位の第2段部205とから構成されて
いる。第2段部205の平面形状は第1段部204より
も小径の正方形状で、第1段部204と同心的に配置さ
れており、第2段部205は第1段部204周囲を取り
囲むように構成されている。
【0101】図9には、本第2実施例の粉末成形プレス
のツールセット部の基本的な構成例を示している。
【0102】基本的な構成は、図5に示した第1実施例
と全く同一であるので、同一の構成部分については同一
の符号を付して説明を省略し、異なる点のみを説明する
ものとする。
【0103】上パンチユニット210に関しては、上第
1,第2パンチ206U,207Uの長さ関係が、上第
1パンチ206Uの方が上第2パンチ207Uよりも短
い点以外は第1実施例と全く同一である。
【0104】下パンチユニット211に関しては、第1
実施例では、下第1パンチ6Lを可動、下第2パンチ7
Lを固定としているのに対し、第2実施例では、下第1
パンチ206Lを固定、下第2パンチ207Lを可動と
している点が異なり、その他の構成は全く同一である。
【0105】すなわち、この第2実施例では、下第2パ
ンチ207Lを中空の下第2パンチホルダ237を介し
て可動のパンチプレート232に支持し、下第1パンチ
206Lを下第1パンチホルダ236を介して固定プレ
ート33に支持したものである。
【0106】下第1パンチホルダ236は、可動パンチ
プレート232の中央孔232aに挿通され、その上端
が中空の下第2パンチホルダ237内に挿入される中実
の柱部236aと、この柱部236a上端面に立設され
中空の下第2パンチホルダ237に設けられた孔237
aを通じて上方に延びて下第1パンチ206Lを支持す
る複数のロッド部236bと、を備えている。
【0107】この第2実施例では、トランスファ工程で
中央の下第2パンチ207Lを押し下げてストッパ23
9で位置決めし、上端位置を固定の下第1パンチ206
Lの上端位置に合致させる。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
パンチ組の上下パンチによって各被圧縮粉末部分の圧縮
密度が圧縮途中で常に同一となるように圧縮しているの
で、成形途中における各被圧縮粉末部分間の粉末移動が
なく、成形品にクラック等の発生しない。
【0109】また、粉末充填後にトランスファを行って
成形品の上端側に段部を形成し、下端側の下パンチを平
坦面で固定してしまうので、従来のように加圧の際に下
パンチ側で段部を形成する場合のように抜き出し時に複
数の下パンチの上端面位置を同一面に位置させるために
ストッパを解除しないで、そのまま抜き出しを行うこと
ができる。
【0110】さらに、成形された成形品の下端面が平坦
面であり、搬送を安定してスムーズに行うことができ
る。凸形状の段付成形品の場合に特に有効であるが、凹
形状の段付成形品の場合でも凹部の損傷も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例に係る段付成形品の
粉末成形方法の成形工程を示す工程図である。
【図2】図2(a)は図1の成形工程に対応するストロー
ク線図、同図(d),(d´)および(e)は同図(a)中の加
圧完了,圧抜きおよび抜き出し位置における上パンチユ
ニット部の概略説明図である。
【図3】図3(a)〜(d)は本発明の成形方法によって成
形される段付成形品を示すもので、同図(a)は平面図、
同図(b)は側面図、同図(c)は断面図、同図(d)は斜視
図である。
【図4】図4は加圧パンチの構成例を示す説明図であ
る。
【図5】図5は本発明の第1実施例に係る粉末成形装置
の要部概略構成図である。
【図6】図6(a)は図5の装置のギヤボックス部内の機
構を示す図、同図(b)は本発明の第2実施例に係る装置
構成、特に上パンチと加圧シリンダの接続部を示す図で
ある。
【図7】図7(a)は図5の第1実施例装置の加圧シリン
ダ制御構成を示すブロック図、同図(b)は図6(b)の第
2実施例装置の加圧シリンダ制御構成を示すブロック図
である。
【図8】図8は本発明の第3実施例に係る段付成形品の
粉末成形方法の成形工程を示す工程図である。
【図9】図9は本発明の第3実施例に係る粉末成形装置
の要部概略構成図である。
【図10】図10(a)〜(c)は従来の粉末成形装置の各
工程の断面図である。
【図11】図11は従来の段付成形品の粉末成形方法の
工程図である。
【符号の説明】
1 段付成形品 2 平坦面 3 段付面 4 第1段部 5 第2段部 6,7 第1,第2パンチ組 6U,7U;6L,7L 上第1,第2;下第1,第2
パンチ 8 プレス本体 9 上ラム 13 加圧シリンダ 20 クッションシリンダ 30 ダイス 31 ダイプレート 32 可動プレート 33 固定プレート 34 引き下げプレート 39 ストッパ 40 パンチ支持シリンダ(充填量設定手段) 49 トランスファシリンダ(トランスファ手段) 50 粉末 58 上第2リニアセンサ 62 上第1リニアセンサ 64 フィーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B30B 11/02 H 8824−4E

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一端面が複数の段部を有する段
    付き形状となっている段付成形品を成形するもので、 成形品の各段部に対応する上下一対のパンチで一組の複
    数のパンチ組を準備し、 ダイ孔の下方から前記複数のパンチ組の下パンチを挿入
    し、各下パンチの上端面をそれぞれダイス上面から各段
    部に対応する所定の深さに位置させてダイ孔内に粉末を
    充填し、 次いで、粉末が充填されたダイ孔内に上パンチを挿入し
    て充填された粉末を各パンチ組の上下パンチによって、
    上パンチ側が段付き形状側となるように相対移動させ、 その後、各パンチ組によって加圧されている各粉末部分
    の密度が圧縮途中で常に同一であるように、各粉末部分
    を各パンチ組の上下パンチによって同時に加圧し、上パ
    ンチよって段付き形状を成形することを特徴とする段付
    成形品の粉末成形方法。
  2. 【請求項2】ダイ孔に充填された粉末を各パンチ組によ
    って相対移動した段階で各パンチ組の下パンチの上端面
    を所定位置に固定したことを特徴とする請求項1に記載
    の段付成形品の粉末成形方法。
  3. 【請求項3】加圧終了時に、各パンチ組の各上下パンチ
    に作用する加圧力の圧抜きを行うことを特徴とする請求
    項1または2に記載の段付成形品の粉末成形方法。
  4. 【請求項4】圧抜き後、成形品をダイスより抜き出すこ
    とを特徴とする請求項1,2または3に記載の段付成形
    品の粉末成形方法。
  5. 【請求項5】段付き成形品は一端面が複数の段部を有す
    る段付き形状で、他端面が平坦形状である請求項1,
    2,3または4に記載の段付成形品の粉末成形方法。
  6. 【請求項6】粉末充填用のダイ孔を備えたダイスと、 ダイ孔に充填された粉末を圧縮する上下一対で一組の複
    数のパンチ組と、 ダイ孔内に成形品の各段部寸法に対応して粉末充填深さ
    を所定寸法に設定すべくダイ孔内の下パンチの位置決め
    をする充填深さ設定手段と、 ダイ孔内に上パンチを挿入して充填された粉末を各パン
    チ組の上下パンチによって、上パンチ側が段付き形状側
    となるように相対移動させるトランスファ手段と、 トランスファ後の各パンチ組の下パンチの上端面を所定
    位置に保持して加圧力を受けるストッパ手段と、 各パンチ組によって圧縮される各粉末部分の密度が圧縮
    途中で常に同一となるように上パンチを移動させて各粉
    末部分を加圧する加圧手段と、 ダイ孔から成形品を抜き出す抜き出し手段と、を具備し
    て成ることを特徴とする段付き成形品の粉末成形装置。
  7. 【請求項7】加圧終了時に、各パンチ組の各上下パンチ
    に作用する加圧力の圧抜きを行う圧抜き手段を有するこ
    とを特徴とする請求項6に記載の段付成形品の粉末成形
    装置。
  8. 【請求項8】トランスファ手段によって複数のパンチ組
    の下パンチ側が平坦形状側ととなるように移動し、スト
    ッパ手段によって下パンチの上端面が同一面位置にて位
    置決め保持する請求項6または7に記載の段付き成形品
    の粉末成形装置。
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