JPH07214240A - 成形用耐圧性崩壊中子 - Google Patents

成形用耐圧性崩壊中子

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JPH07214240A
JPH07214240A JP2911894A JP2911894A JPH07214240A JP H07214240 A JPH07214240 A JP H07214240A JP 2911894 A JP2911894 A JP 2911894A JP 2911894 A JP2911894 A JP 2911894A JP H07214240 A JPH07214240 A JP H07214240A
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molding
core
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JP2911894A
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Masaru Nemoto
本 賢 根
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Mold Materials And Core Materials (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 形状の制約を受けることなく品質に優れた成
形品を得られる崩壊可能な材料からなる耐圧性崩壊中
子。 【構成】 紙や穀物等の崩壊可能な材料を用い耐圧性を
備えた耐圧性崩壊中子1を上型2と下型3との間に配設
して成形型4を形成し、成形型に形成された空洞部に成
形品6の材質に応じてアルミニュウム溶湯等や合成樹脂
やセラミック材料等の成形材料を注入する。空洞部の形
状に応じた形状の成形品を成形した後、成形品を成形型
より取出す。耐圧性崩壊中子の除去は、抜出し可能な部
分は抜出し、余熱除去可能部分は余熱除去し、残部につ
いて水等の溶剤による溶解または加熱による燃焼等によ
り殆ど全てを除去消失出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形用耐圧性崩壊中子
に関し、特に中子として従来一般に用いられている砂中
子を使用することなく、耐圧性崩壊中子を使用すること
により、中子材料の選択範囲を拡大すると共に、形状の
制約を受けることなく広範な形状の成形品を効率良く形
成することができるようにした、中空形状やアンダカッ
ト形状等を鋳造品やプラスチック成形品やセラミック成
形品等の成形品を形成する為に使用される成形用耐圧性
崩壊中子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械工作の一環として採用される鋳造
や、プラスチック成形の一環として採用される射出成形
等の成形方法や、セラミック成形の一環として採用され
る射出成形等の成形方法によって成形した成形品あって
は、中空部やアンダカット部を形成する為、従来、非崩
壊性中子又は崩壊性中子を使用して成形し、該成形品を
得ていた。
【0003】ところで、前者(非崩壊性中子)として
は、金属中子があり、鋳造のみでなく、プラスチック成
形の一環として採用される射出成形等の成形方法や、セ
ラミック成形の一環として採用される射出成形等の成形
方法に適用されるが、直抜きや変形抜き出来るもの以外
には使用できず、使用範囲が特定形状のものに制限され
てしまうという問題点があった。
【0004】また、後者(崩壊性中子)としては、上記
各成形品のうち鋳造品を得る鋳造では、砂中子が一般に
使用されているが、造型が困難であると共に、崩壊し易
く、取扱いが難しいばかりでなく、鋳造時における耐圧
性と鋳造後における崩壊性との相反条件を具備するのが
困難であるという問題点があった。
【0005】そこで、近年、該鋳造にあっては、該砂中
子の表面に特殊なコーティングを施した中子を使用して
鋳造して鋳造品を得ることが提案されたが、種々の問題
点がある為、問題点を解決するには至らなかった。
【0006】すなわち、コーティングを複数層形成する
ことが、困難かつ工数を要し、目的も期し難く、また成
形後の完全除去が困難で、砂焼処理が必要となる等、工
数を要し、時間と経費がかかる。 また、砂中子は、造
型困難で、設備と工数を要し、また壊れ易く、取扱い困
難で、工数を要し、歩留りも悪く、崩壊阻止には煩雑な
圧力調整を要し、しかも鋳造後の完全崩壊が困難である
為、熱処理工程や砂落工程や砂落検査を要し、工数を要
し、時間と経費がかかる。 さらに、鋳造時の溶湯差込
みや、砂中子成分の鋳造品への浸透により鋳造品に鋳巣
発生等不良品が発生し、鋳造歩留りが悪く、生産性が劣
悪で、しかも鋳造後の中子砂の完全除去が困難で、付着
により製品摩耗や破損等の不具合が発生した。 また、
複雑形状や大きいものは鋳造が困難又は不可能で適用範
囲が限定され、設計上及び生産上支障を来した。 さら
に、、再使用する砂中子の砂にはコーティング層や粘結
剤が含有され、完全に除去が困難で、時間と経費がかか
る。 また、砂中子は、造型と取扱いと鋳造後の崩壊が
困難である為、多くの工程を要し、しかも歩留まりも悪
く、時間と経費がかかる等の多大な問題点があった。
【0007】さらに、プラスチック成形の一環として採
用される射出成形等の成形方法や、セラミック成形の一
環として採用される射出成形等の成形方法によって成形
した成形品においても、上記鋳造と同様に種々の問題点
があった。
【0008】例えば、上記中子は、成形時における耐圧
性や耐熱性を具備した特定の材料から形成しなければな
らず、中子成形が困難であることや、コストが高価であ
ること等の問題点があった。
【0009】この為、これらの問題点を解消する為、先
に中空形状やアンダカット形状等を鋳造品やプラスチッ
ク成形品やセラミック成形品等の成形品に形成する為に
使用される成形用中子にあって、成形用中子を合成樹脂
(プラスチック)から形成することを特徴とする成形用
特殊中子及び該成形用特殊中子を用いた成形方法並びに
該特殊中子を用いて成形した成形品が提案されたが、成
形品の大きさや形状によってはコストが高くなる場合が
あることや成形品の肉厚等の成形品の性質によってはひ
けや湯皺や鋳巣等の成形欠陥を生じる虞があるという問
題点があった。
【0010】そこで、研究を続けた結果、これらの種々
の問題点を解消することができる最適な成形用耐圧性崩
壊中子及び該成形用耐圧性崩壊中子を用いた成形方法並
びに該成形用耐圧性崩壊中子を用いて成形した成形品を
究明することができた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、下記構成
とすることによって、上述した問題点を解決することを
目的とする。
【0012】すなわち、例えば、前記各成形品のうち鋳
造品を得る鋳造においては、成形用耐圧性崩壊中子を使
用することにより、要求される耐圧性や耐熱性等の条件
を緩和し、中子材料の選択範囲を拡大すると共に、材料
や量等の選択で、耐圧性や耐熱性の調整を可能とし、し
かも中子造型と取扱の容易化により、工数を削減し、時
間と経費を低減させる。
【0013】また、粘結剤等の浸透成分を使用しない耐
圧性崩壊中子を使用し、中子成分の鋳造品への浸透を防
止する等により、鋳巣発生等の不具合発生を阻止し、鋳
造品の不良品発生を阻止して、歩留まり向上と、生産性
向上に寄与せしめ、さらに成形中の溶湯差込み等の不具
合発生を回避すると共に耐圧性(非崩壊性)を維持し、
かつ成形後の中子の崩壊性と中子成分の除去とを容易と
し、成形品への付着を防止して、成形品の摩耗や破損等
の成形品不具合の発生を阻止する。
【0014】さらに、成形用耐圧性崩壊中子を使用し、
中空部分やアンダカット部分等の形成を容易とし、しか
も中子強度の向上により、形状や大きさをと問わず、全
形状や全大きさの鋳造を可能として、適用範囲を拡大す
ると共に、粘結剤等の除去困難成分の非含有により、鋳
造後の中子の崩壊除去を容易とし、公害発生を阻止する
と共に、工数を削減して、時間と経費を低減させる。
【0015】さらにまた、プラスチック成形の一環とし
て採用される射出成形等の成形方法や、セラミック成形
の一環として採用される射出成形等の成形方法によって
成形品を得る場合においても、上記成形用耐圧性崩壊中
子を使用することにより、目的の成形品を得るものであ
り、品質に優れた成形品を効率良く得るようにする。
【0016】そして、上記成形用耐圧性崩壊中子の構成
によって、プラスチック成形やセラミック成形の場合に
あっても、生産性の向上と適用範囲の拡大を図ること
や、上記鋳造の場合と同様に、成形用耐圧性崩壊中子を
使用することで、中子の造型を容易とし、造型設備を簡
易化し、かつ工程を削減し、時間と経費の低減を図るこ
とや、取扱いを容易とし、運搬や保管が容易とする他、
成形時の圧力調整を不要とする等工数を削減し、時間と
経費の低減を図る等従来の問題点を解決する。
【0017】本発明は、簡易な構成でひけや湯皺や鋳巣
等の成形欠陥を防止して、中空形状やアンダカット形状
等を有する成形品や、大型の成形品や複雑形状の成形品
等、広範な形状の成形品の成形を可能とすると共に、成
形品の品質を向上させ、しかも成形品の成形の生産性を
飛躍的に向上させることで、コストを大幅に安くし、鋳
造品やプラスチック成形品やセラミック成形品等の成形
品を効率良く成形することができるようにした成形用耐
圧性崩壊中子を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、中空形状やアンダカット形状等を鋳造品や
プラスチック成形品やセラミック成形品等の成形品を形
成する為に使用される成形用中子にあって、該成形用中
子が、紙や繊維や穀物等の崩壊可能な材料から形成した
耐圧性を備えたものである、ことを特徴とする成形用耐
圧性崩壊中子、を提供することにより達成される。
【0019】
【作用】このような本発明によれば、以下の作用があ
る。
【0020】すなわち、本発明によれば、中子として成
形用耐圧性崩壊中子を使用することにより、生産性の向
上と適用範囲の拡大を図ると共に、品質に優れた成形品
を効率良く得るという考え方であり、通常は廃棄される
ことが多い古紙等の崩壊可能な材料を原料として使用し
て、成形用耐圧性崩壊中子を成形して使用することによ
り、従来の砂中子や樹脂中子を使用する場合に比して、
大幅に材料費のコストダウンを図ることができるという
大なる作用がある他、例えば、前記鋳造品やプラスチッ
ク成形品やセラミック成形品等の成形品を形成する為に
使用される成形用耐圧性崩壊中子のうち鋳造品を得る鋳
造用の成形用耐圧性崩壊中子の場合においては、成形用
耐圧性崩壊中子を使用し、要求される耐圧性や耐熱性等
の条件を緩和し、中子材料の選択範囲を拡大できる他、
材料やその量等を選択して、中子の耐圧性や耐熱性を調
整でき、中子造型の容易化と、造型設備の簡易化、及び
工程削減とにより、時間と経費の低減を図ることができ
る。
【0021】また、耐圧性崩壊中子を使用し、強度向上
により取扱いや運搬や保管が容易となる等工数が削減さ
れ、時間と経費の低減を図れる他、耐圧性崩壊中子が粘
結剤等の浸透成分を含有していない為、成形品への中子
成分浸透が防止される等により、鋳巣発生等の不具合発
生が阻止され、成形品の不良品発生が阻止され、歩留ま
り向上と、生産性向上とを図ることができる。
【0022】さらに、成形用耐圧性崩壊中子を使用し、
従来不可能であった中空部分やアンダカット部分等の形
成が容易となり、しかも中子強度が向上するから、形状
や大きさを問わず、全形状や全大きさの成形が可能とな
り、適用範囲の拡大を図ることができる。 また、成形
時における耐圧性と成形後における消失性等の崩壊性と
の相反条件を兼備する中子を使用することにより、成形
中の溶湯差込み等の不具合発生を回避すると共に耐圧性
(非崩壊性)を維持し、かつ成形後の中子の消失性等の
崩壊性と中子成分の除去とを容易とし、成形品への付着
を防止して、成形品の摩耗や破損等の成形品不具合発生
の阻止を図ることができる。
【0023】さらに、耐圧性崩壊中子は、粘結剤等の除
去困難成分を含有せず、しかも成形後における崩壊性を
具備している為、中子の除去が容易となり、公害発生を
阻止することができると共に工数が削減され時間と経費
の低減を図ることができる。
【0024】さらにまた、プラスチック成形の一環とし
て採用される射出成形等の成形方法や、セラミック成形
の一環として採用される射出成形等の成形方法によって
成形品を得る場合においても、上記成形用耐圧性崩壊中
子を使用することにより、さらに成形用耐圧性崩壊中子
の除去方法を特定のものとすることにより、目的の成形
品を得るものであり、品質に優れた成形品を効率良く得
ることができる。
【0025】そして、上記成形用耐圧性崩壊中子の構成
によれば、プラスチック成形やセラミック成形の場合に
あっても、生産性の向上と適用範囲の拡大を図ることが
でき、上記鋳造の場合と同様に、成形用耐圧性崩壊中子
を使用することで、中子の造型が容易となり、造型設備
が簡易化され、かつ工程が削減され、時間と経費の低減
を図ることができることや、取扱いが容易となり、運搬
や保管が容易となる他、成形時の圧力調整が不要となる
等工数が削減され、時間と経費の低減を図ることができ
る等の種々の作用がある。
【0026】
【実施例】以下に添付の図面を参照して、本発明を特定
の実施例について詳述する。
【0027】図1〜図4は本発明の成形用耐圧性崩壊中
子の第一実施例を示す。
【0028】すなわち、本発明は、中子として一般に広
く使用されている砂中子を使うことなく、通常は使用困
難または使用不可能と考えられている紙や繊維や穀物等
の崩壊可能な材料から形成した耐圧性を備えた成形用中
子を使用することにより、中空形状やアンダカット形状
等を鋳造品やプラスチック成形品やセラミック成形品等
の成形品に形成することを特徴とする成形用耐圧性崩壊
中子である。
【0029】そして、本発明にあっては、該成形用中子
は、崩壊可能な材料からなる成形用耐圧性崩壊中子とす
る。
【0030】さらに、該成形用耐圧性崩壊中子を使用し
て、鋳型やプラスチック成形型やセラミック成形型等の
成形型を形成し、該成形型を用いて成形することによ
り、鋳造品やプラスチック成形品やセラミック成形品等
の成形品を成形するのである。
【0031】この為、本発明に使用される成形用耐圧性
崩壊中子は、成形品を成形する成形時に、耐熱性や耐圧
性等の非崩壊性を具備すると共に、成形後においては、
水等の溶剤等によって除去消失する消失性(除去性)
や、余熱、加熱によって消失する熱消失性等の崩壊性を
具備することが要求される。
【0032】また、該成形用耐圧性崩壊中子は、上記成
形時に多量のガスを発生する等の成形品に対する悪影響
を付与しない条件を具備するものであることが要求され
る。
【0033】本出願人は、研究を続けた結果、上記成形
用耐圧性崩壊中子として、紙や繊維や穀物等の崩壊可能
な材料が適当であることを究明したので、ここでは、成
形用耐圧性崩壊中子として崩壊可能な材料からなる中子
を使用する場合について説明する。
【0034】該成形用中子としての崩壊可能な材料から
なる成形用耐圧性崩壊中子(以下「耐圧性崩壊中子」と
いう)1は、紙や繊維や穀物等の崩壊可能な材料から形
成されている。
【0035】そして、該耐圧性崩壊中子1は、紙や繊維
や穀物等の崩壊可能な材料を用いて、図4に良く示され
ているように、耐圧性を備えた充実形状に形成する。
【0036】この為、該耐圧性崩壊中子1は、成形品を
成形する成形時に、耐熱性や耐圧性等の非崩壊性を具備
すると共に、成形後においては、水等の溶剤等によって
除去消失する消失性(除去性)等の崩壊性を兼備したも
のに形成する。
【0037】そして、該成形用耐圧性崩壊中子1を使用
して、鋳造品やプラスチック成形品やセラミック成形品
等の成形品を形成することができる。
【0038】例えば、該成形用耐圧性崩壊中子である耐
圧性崩壊中子1を使用して鋳造品やプラスチック成形品
やセラミック成形品等の成形品を成形する場合には、図
1に良く示されているように、該耐圧性崩壊中子1を上
型2と下型3との間に配設して、空洞部5を有する成形
型4を形成することができる。
【0039】上記耐圧性崩壊中子1としては、次のもの
がある。
【0040】すなわち、まず、古紙等の紙材からなる中
子があり、これには例えば、古紙等の紙材を水等を媒介
として分散させた後、加圧成形して所定形状に形成し、
さらに脱水乾燥させて所定形状の耐圧性崩壊中子1を形
成することができる。
【0041】このようにして形成された耐圧性崩壊中子
1は、コチコチに堅いものとなり、成形品の成形時に
は、耐圧性や耐熱性等の非崩壊性を具備すると共に、成
形後においては、消失性(除去性)等の崩壊性を具備し
ており、成形品の成形時には、その形状を保持すること
により、所期の目的の成形品6の形成に寄与すると共
に、成形後には、その崩壊性により、水等の溶剤により
溶解して除去消失される為、残留分が残らない。
【0042】この場合耐圧性崩壊中子1は、成形品の成
形時には、耐圧性や耐熱性等の非崩壊性を具備すると共
に、成形後においては、消失性(除去性)等の崩壊性を
具備しており、しかも成形時に多量のガスを発生する等
の成形品に対する悪影響を付与しない条件を具備するも
のであるから、成形時には、その形状を保持することに
より、所期の目的の成形品6の形成に寄与すると共に、
成形後には、水等の溶剤により溶解して除去消失される
為、残留分が残らず、内面平滑化等の品質に優れた成形
品の成形に寄与することが出来る。
【0043】そして、成形用耐圧性崩壊中子である耐圧
性崩壊中子1を使用して、所期の目的の成形品を形成す
ることができる。
【0044】この際、上記耐圧性崩壊中子1は、熱容量
が大である為、溶湯等の成形材料の注入に対して耐熱性
が高く、しかも耐圧性も高い為、成形時の高圧溶湯の注
湯等の成形材料の注入によっても、熱変形や圧力変形せ
ずに、初期形状を保持することができる。
【0045】さらに、成形材料の注入温度、例えば、溶
湯等の温度は、上記鋳型等の成形型4の空洞部5に達す
るまでに初期の温度(例えば、アルミニュウム溶湯にあ
っては、約660度C)に比べてかなり温度が低下する
為、上記耐圧性崩壊中子1は、自身の温度と熱容量によ
り、該溶湯等が作用しても、反射作用と温度作用とによ
り、直ちに消失等崩壊することなく初期形状を保持する
ことができる。
【0046】この為、上記耐圧性崩壊中子1を変形させ
ることなく原形状を維持した状態で、上記空洞部5の形
状に応じた形状の成形品6が成形される。
【0047】この場合、耐圧性崩壊中子1の除去として
は、例えば、成形品である鋳造品6内の耐圧性崩壊中子
1に水を供給し、耐圧性崩壊中子1を水に浸漬して、水
により耐圧性崩壊中子1を溶解し、ドロドロの状態とし
て、成形品である鋳造品6の外部へ排出することによっ
て、鋳造品6内から除去消失させることが出来る。
【0048】尚、この耐圧性崩壊中子1は、上記古紙等
の紙材からなる中子に限られることなく、他の崩壊可能
な材料料から形成することができる。
【0049】例えば、耐圧性崩壊中子1として、米等の
穀物からなる中子があり、これには例えば、米、粟、き
び、とうもろこし等の穀物があり、該穀物を水等と共に
加熱して粘性を付与した後、加圧成形して所定形状に形
成し、さらに冷却させて所定形状の耐圧性を備えた耐圧
性崩壊中子1を形成することができる。
【0050】この際、例えば、糯米を使用する場合に
は、水等と共に加熱して粘性を付与した後、加圧成形し
て所定形状に形成し、さらに冷却させて所定形状の耐圧
性崩壊中子1を形成することができ、該耐圧性崩壊中子
1は、金槌で割らないと割れないくらいにコチコチに堅
くなるから、成形品を成形する成形時に、耐圧性や耐熱
性等の非崩壊性を具備すると共に、成形後においては、
消失性(除去性)等の崩壊性を具備しており、しかも成
形時に多量のガスを発生する等の成形品に対する悪影響
を付与しない条件を具備するものとなり、品質に優れた
成形品を効率良く得ることに寄与することができるよう
になる。
【0051】そして、成形用中子である耐圧性崩壊中子
1を使用して、所期の目的の成形品を形成することがで
きるのである。
【0052】さらに、複数の崩壊可能な材料を混合した
材料からなる中子があり、これには例えば、上記古紙等
の紙材と米等の穀物とを混合した材料があり、該混合し
た材料にて加圧成形して所定形状の耐圧性を備えた耐圧
性崩壊中子1を形成することができる。
【0053】また、耐圧性崩壊中子1は、これらのもの
に限らず、崩壊可能な材料からなる成形用耐圧性崩壊中
子であればよく、これら以外の単独または複数の崩壊可
能な材料によって、所定形状の耐圧性を備えた耐圧性崩
壊中子1を形成することができる。
【0054】次に、上記成形用耐圧性崩壊中子を使用し
て、鋳造品やプラスチック成形品やセラミック成形品等
の成形品を成形する成形用耐圧性崩壊中子を用いた成形
方法のうち、鋳造品を成形する耐圧性崩壊中子を用いた
鋳造方法の実施例について説明する。
【0055】ここでは、該鋳造を行う場合にあって、そ
の一つとしてダイカスト鋳造を行う場合を、成形用耐圧
性崩壊中子を使用する場合について説明する。
【0056】すなわち、本実施例にあっては、以下の工
程にて鋳造を行う。
【0057】第1工程 まず、図示は省略するが、前記と同要領にて崩壊可能な
材料を用いて図4に良く示されているように耐圧性を備
えた充実形状の耐圧性崩壊中子1を成形する。
【0058】該耐圧性崩壊中子1は、成形品を成形する
成形時に、耐熱性や耐圧性等の非崩壊性を具備すると共
に、成形後においては、水等の溶剤等によって除去消失
する消失性(除去性)等の崩壊性を兼備したものに形成
されている。
【0059】第2工程 つづいて、図1に良く示されているように、該耐圧性崩
壊中子1を上型2と下型3との間に配設して、空洞部5
を有する鋳型4を形成する。
【0060】第3工程 次に、図1と図2に良く示されているように、鋳型4内
に形成される空洞部5に鋳造品の材質に応じてアルミニ
ュウム溶湯等の溶湯に圧力を加えながら注湯する。
【0061】この際、上記耐圧性崩壊中子1は、熱容量
が大であるため、溶湯に対して耐熱性が高く、しかも耐
圧性も高い為、成形時の高圧溶湯の注湯によっても、熱
変形や圧力変形せずに、初期形状を保持することができ
る。
【0062】さらに、溶湯の温度は、上記鋳型4の空洞
部5に達するまでに初期の温度(例えば、アルミニュウ
ム溶湯にあっては、約660度C)に比べてかなり温度
が低下する為、上記耐圧性崩壊中子1は、自身の温度と
熱容量により、該溶湯が作用しても、反射作用と温度作
用とにより、直ちに溶融することなく初期形状を保持す
ることができる。
【0063】この為、上記耐圧性崩壊中子1を変形させ
ることなく原形状を維持した状態で、上記空洞部5の形
状に応じた形状の鋳造品6が鋳造される。
【0064】そして、該耐圧性崩壊中子1は、鋳造時に
は、その形状を保持することにより、所期の目的の鋳造
品6の形成に寄与すると共に、鋳造後には、水等の溶剤
により溶解して除去消失される為、残留分が残らず、内
面平滑化等の品質に優れた鋳造品の鋳造に寄与すること
が出来る。
【0065】この場合、本実施例にあっては、耐圧性崩
壊中子1の除去は、例えば、成形品である鋳造品6内の
耐圧性崩壊中子1に水を供給し、耐圧性崩壊中子1を水
に浸漬して、水により耐圧性崩壊中子1を溶解し、ドロ
ドロの状態として、成形品である鋳造品6の外部へ排出
することによって、鋳造品6内から除去消失させること
が出来る。
【0066】また、この耐圧性崩壊中子1の除去は、そ
の形状や大きさに応じて、余熱単独又は余熱と加熱とを
併用して、或るいは加熱単独で燃焼させることによっ
て、鋳造品6内から除去消失させることもできる。
【0067】この際、加熱除去方法としては、バーナー
による加熱や、加熱槽にて行う加熱、その他の加熱方法
があり、何れにしても、成形後の成形用耐圧性崩壊中子
を加熱によって完全除去することができる。
【0068】さらに、成形後の耐圧性崩壊中子の除去
は、上記水等の溶剤による除去消失と加熱による除去消
失とを併用して実施することが出来る。
【0069】尚、耐圧性崩壊中子1は、上記水による除
去消失の他、他の溶剤特に有機溶剤によって、余熱や加
熱と併用して、又は単独にて溶解除去することができ
る。
【0070】溶剤としては、ノルマルアルキルベンゼン
(商品名「ノニオン」等)が機能やコスト面から充分満
足できるものであり実際の使用においても問題がなかっ
た。
【0071】この他の溶剤としては、下記のものが挙げ
られる。
【0072】例えば、テトラクロロエタン、メチレンク
ロライド、クロロホルム、1,1,2トリクロロエタ
ン、等であり、同等の効果を得ることができた。
【0073】本発明の溶剤は、成形用耐圧性崩壊中子を
溶解し得るものならば、上記実施例の溶剤に限られるこ
となく、種々の溶剤を使用することができるのは勿論で
あり、余熱又は加熱と共に、或るいは単独で行い、上記
実施例と同様の効果を発揮することができる。
【0074】つづいて、図2と図3に良く示されている
ように、上記により形成された鋳造品6を鋳型4から取
り出すことにより、鋳造を終了する。
【0075】第4工程 さらに、図示は省略するが、該鋳造品6のバリ等の不要
部分を除去して、完成品を得ることができる。
【0076】従って、従来の鋳造方法が、以下の10工
程を要したのに比べて、4工程で済み、6工程が省略さ
れることになる。
【0077】すなわち、従来の砂中子を用いる方法は、
次のようである。 (1)中子成形→(2)中子の塗型→(3)中子の乾燥
→(4)鋳型の形成→(5)溶湯の注湯による鋳造→
(6)鋳造品の砂落し→(7)鋳造品の砂熱処理(砂焼
き)→(8)鋳造品の砂落検査→(9)鋳造品のバリ取
り→(10)完成品。
【0078】このように、本発明の成形用耐圧性崩壊中
子を用いた成形方法の第一実施例であるダイカスト鋳造
を行う場合において、該耐圧性崩壊中子1は、鋳造時に
は、その形状を保持することにより、所期の目的の鋳造
品6の形成に寄与すると共に、鋳造後には、水等の溶剤
により溶解して除去消失される為、残留分が残らず、内
面平滑化等の品質に優れた鋳造品の鋳造に寄与すること
が出来るのである。
【0079】そして、上記耐圧性崩壊中子1を変形させ
ることなく原形状を維持した状態で鋳造することによっ
て、上記空洞部5の形状に応じた形状の鋳造品6を得る
ことができるのである。
【0080】さらに、該耐圧性崩壊中子1は、上記空洞
部5に溶湯を注湯した後、所定の時間を経過し、溶湯が
冷えて固まってから、水等の溶剤または余熱や加熱によ
り除去消失されるので、成形品6から耐圧性崩壊中子1
を簡易に除去することができる。
【0081】この際、耐圧性崩壊中子1の除去は、基本
的には水等の溶剤または余熱や加熱により除去消失され
るので残留分が残らないが、形状によっては水等の溶剤
または余熱や加熱により全体を溶解することなく、全体
または一部を抜出して耐圧性崩壊中子1の材料として再
加工することで再使用することができ、材料費の低減を
図ることができる。
【0082】また、耐圧性崩壊中子1の抜出しや余熱に
よる全体除去が不十分または困難乃至不可能な場合にあ
っては、水等の溶剤または加熱により除去消失すること
によって全体除去することができる。
【0083】この場合、本実施例にあっては、抜出し可
能な部分については抜出し、また余熱除去可能な部分に
ついては余熱除去し、これらによって残っている部分に
ついて、水等の溶剤または加熱により除去消失する。
【0084】この耐圧性崩壊中子1、特に水等の溶剤ま
たは加熱により除去消失される耐圧性崩壊中子1には、
古紙等の紙材からなる耐圧性を備えた中子、これには例
えば、古紙等の紙材を水等を媒介として分散させた後、
加圧成形して所定形状に形成し、さらに脱水乾燥させて
形成した耐圧性を備えた中子があり、または、米等の穀
物からなる耐圧性を備えた中子、これには例えば、米、
粟、きび、とうもろこし等の穀物があり、該穀物を水等
と共に加熱して粘性を付与した後、所定形状に形成し、
さらに冷却させて形成した耐圧性を備えた中子があり、
或いは、複数の崩壊可能な材料を混合した材料からなる
耐圧性を備えた中子、これには例えば、古紙等の紙材と
米等の穀物とからなる耐圧性を備えた中子等、が挙げら
れるが、これに限らず崩壊可能な材料からなる耐圧性を
備えた耐圧性崩壊中子であればよい。
【0085】これら成形用崩壊中子は、何れも、抜出し
可能な部分については抜出し、また余熱除去可能な部分
については余熱除去し、これらによって残っている部分
について、水等の溶剤による溶解または加熱による燃焼
等により殆ど全て除去消失することが出来る。
【0086】また、これらの耐圧性崩壊中子に限らず、
水等の溶剤によりまたは加熱により崩壊性のあるものな
らば、他の材料からなる耐圧性崩壊中子にも適用できる
のは勿論である。
【0087】このように本発明の成形用耐圧性崩壊中子
を用いた成形方法によれば、鋳造品6の摩耗や破損等の
不具合を阻止することができ、品質向上を図ることが出
来ると共に、鋳巣発生等の不具合発生が阻止され、外観
品質および機能品質に優れたものとなるので、歩留まり
も向上し、さらに工数を大幅に低減して、品質に優れた
鋳造品6を効率良く得ることができるようになる為、時
間と経費を節約することができ、生産性を向上させるこ
とが出来るようになる。
【0088】尚、本発明の成形用耐圧性崩壊中子を用い
た成形方法は、上記実施例に示した鋳造方法の一つとし
てのダイカスト鋳造に限られることなく、該ダイカスト
鋳造方法に特定の工程を加えてさらに鋳造品の品質向上
を図る等することが出来、上記実施例に限定されず、多
くの変形例が考えられる。
【0089】また、上記実施例は、鋳造方法の一つとし
てのダイカスト鋳造を行う場合について説明したが、本
発明の成形用耐圧性崩壊中子を用いた成形方法は、該ダ
イカスト鋳造に限られることなく、砂型重力鋳造法、金
型重力鋳造法、低加圧鋳造法や精密鋳造法、その他の鋳
造法によって鋳造される鋳造品に適用できるのは勿論で
あり、上記実施例と同様な優れた効果を得ることができ
る。
【0090】この場合、上記重力鋳造法において本発明
の効果が特に大である。
【0091】すなわち、該重力鋳造法においては、鋳造
時における溶湯の滞留時間が他の鋳造方法に比べて長
く、中子に溶湯が接触する時間が長い他、溶湯の温度も
比較的高い為、特に中子は耐圧性と耐熱性とを具備する
ことが要求されるが、上記成形用耐圧性崩壊中子1を使
用する場合、熱容量が大であり、溶湯を注湯する際の該
成形用耐圧性崩壊中子1の温度上昇が比較的小さく、溶
湯に対する耐熱性が高いと共に、耐圧性も高い為、上記
鋳造時の滞留時間の長い溶湯の注湯によっても、熱変形
や圧力変形せずに、初期形状を保持することができ、所
期の目的の鋳造品6の形成に寄与するとができる。
【0092】この場合にあっても、該耐圧性崩壊中子1
は、鋳造品を鋳造する鋳造時に、耐熱性や耐圧性等の非
崩壊性を具備すると共に、鋳造後においては、水等の溶
剤等によって除去消失する消失性(除去性)等の崩壊性
を具備しており、しかも鋳造時に多量のガスを発生する
等の鋳造品に対する悪影響を付与しない条件を具備する
ものであるから、品質に優れた鋳造品を効率良く得るこ
とに寄与することができる。
【0093】そして、該成形用中子である耐圧性崩壊中
子1を使用して、所期の目的の鋳造品を形成することが
できる。
【0094】この場合、耐圧性崩壊中子1を上型2と下
型3との間に配設し、空洞部5を有する鋳型4を形成し
た後、前記実施例と同要領にて鋳型4の内部に形成され
る空洞部5に成形材料を注入することで、目的の成形品
6を成形することができる。
【0095】この場合、溶湯の温度は、上記鋳型4の空
洞部5に達するまでに初期の温度に比べてかなり温度が
低下する為、上記耐圧性崩壊中子1は、耐圧性が向上す
ることと相俟って、自身の温度と熱容量とにより、溶湯
を注湯する際の耐圧性崩壊中子1の温度上昇が比較的小
さく、溶湯に対する耐熱性が高く、耐圧性も向上する
為、鋳造時の高圧溶湯の注湯によっても、反射作用と温
度作用とにより、直ちに溶融する等の熱変形や圧力変形
せずに、初期形状を保持することができる。
【0096】また、耐圧性崩壊中子1は、通常空洞部5
に溶湯を注湯した後、所定時間を経過し、溶湯が冷えて
固まってから排出除去する。
【0097】このように、耐圧性崩壊中子1の除去は、
基本的には、抜出し可能な部分については抜出し、また
余熱除去可能な部分については余熱除去し、これらによ
って残っている部分について、水等の溶剤または加熱に
より除去消失する。
【0098】これによって、耐圧性崩壊中子1は、完全
に除去消失され残留分が残らないが、形状によっては、
全体または一部を抜出して耐圧性崩壊中子1の材料とし
て再加工することで再使用することができ、材料費の低
減を図ることができる。
【0099】また、これらの成形用耐圧性崩壊中子に限
らず、崩壊性のあるものならば、他の崩壊可能な材料か
らなる耐圧性を備えた耐圧性崩壊中子1にも適用できる
のは勿論である。
【0100】本発明の溶剤は、成形用耐圧性崩壊中子を
溶解し得るものならば、実施例の溶剤に限られることな
く、種々の溶剤を使用することができるのは勿論であ
り、余熱又は加熱と共に、或るいは単独で行い、上記実
施例と同様の効果を発揮することができる。
【0101】尚、本発明の成形用耐圧性崩壊中子は、上
記実施例の鋳造方法に限られることなく、多くの変形例
が考えられる他、さらに該鋳造方法以外の成形方法であ
るプラスチック成形の一環として採用される射出成形等
の成形方法や、セラミック成形の一環として採用される
射出成形等の成形方法に使用する成形用中子に適用で
き、上記鋳造の場合と同様に種々の問題点を解消するこ
とができる。
【0102】そして、該成形用中子である耐圧性崩壊中
子1は、成形品を成形する成形時に、耐圧性や耐熱性等
の非崩壊性を具備すると共に、成形後においては、消失
性(除去性)等の崩壊性を具備しており、しかも成形時
に多量のガスを発生する等の成形品に対する悪影響を付
与しない条件を具備するものとなり、成形時には、その
形状を保持することにより、品質に優れた所期の目的の
成形品効率良く得ることに寄与すると共に、成形後に
は、水等の溶剤または加熱等により除去消失され、残留
分が残らず除去排出が容易となり、製品の摩耗や破損等
の不具合を阻止することができ、成形品の品質向上を図
ることが出来ると共に、歩留まりも向上し、さらに時間
と経費を節約することができ、生産性を向上させること
が出来ることになる。
【0103】さらに、本発明の成形用耐圧性崩壊中子
は、上記各成形方法に適用する場合に限られることなく
広く使用でき、特定の工程を加えてさらに成形品の品質
向上を図る等することが出来、上記成形方法に適用する
場合に限定されず広く使用でき、多くの変形例が考えら
れる。
【0104】次に、前記図1〜図4により、本発明の成
形用耐圧性崩壊中子の第二実施例である鋳造方法以外の
成形方法であるプラスチック成形の一環として採用され
る射出成形等の成形方法や、セラミック成形の一環とし
て採用される射出成形等の成形方法に適用する成形用耐
圧性崩壊中子について説明する。
【0105】すなわち、本実施例においては、本発明の
成形用耐圧性崩壊中子を用いて、成形品を成形する成形
方法の一つとして、耐圧性崩壊中子1を使用して鋳造方
法以外の成形方法であるプラスチック成形やセラミック
成形に適用する場合について説明する。
【0106】第1工程 まず、図示は省略するが前記実施例と同要領にて、古紙
等の紙材または米等の穀物その他の崩壊可能な材料を用
いて図4に良く示されているように、耐圧性を備えた充
実形状の耐圧性崩壊中子1を成形する。
【0107】第2工程 つづいて、図1に良く示されているように、該耐圧性崩
壊中子1を上型2と下型3との間に配設して、空洞部5
を有する成形型4を形成する。
【0108】第3工程 次に、図1と図2に良く示されているように、該耐圧性
崩壊中子1を使用した成形型4内に形成される空洞部5
に、成形品の材質に応じて、合成樹脂(プラスチック)
やセラミック等の成形材料に圧力を加えながら射出する
ことで、該空洞部5の形状に応じた形状の成形品6が射
出成形される。
【0109】この際、上記耐圧性崩壊中子1は、熱容量
が大である為、合成樹脂(プラスチック)やセラミック
等の成形材料を射出する際の温度上昇が比較的小さくな
り、耐熱性が高く、しかも耐圧性も高い為、上記成形時
の高温によっても、熱変形や圧力変形せずに、初期形状
を保持することができ、所期の目的の成形品6の形成に
寄与するとができる。
【0110】また、成形材料を射出する際の温度は、上
記成形型4の空洞部5に達するまでに初期の温度に比べ
てかなり温度が低下する為、上記耐圧性崩壊中子1は、
自身の温度と熱容量により、該高温が作用しても、反射
作用と温度作用とにより、直ちに溶融することなく初期
形状を保持することができる。
【0111】この為、上記耐圧性崩壊中子1を変形させ
ることなく原形状を維持した状態で、上記空洞部5の形
状に応じた形状の成形品6を得ることができる。
【0112】次に、成形が終了した後、上記により形成
された成形品6を成形型4から取り出す。
【0113】この際、耐圧性崩壊中子1の除去は、前記
実施例と同様に、基本的には水等の溶剤または余熱や加
熱により除去消失されるので残留分が残らないが、形状
によっては水等の溶剤または余熱や加熱により全体を溶
解することなく、全体または一部を抜出して耐圧性崩壊
中子1の材料として再加工することで再使用することが
でき、材料費の低減を図ることができる。
【0114】また、耐圧性崩壊中子1の抜出しや余熱に
よる全体除去が不十分または困難乃至不可能な場合にあ
っては、水等の溶剤または加熱により除去消失すること
によって全体除去することができる。
【0115】この場合、本実施例にあっては、前記実施
例と同様に、抜出し可能な部分については抜出し、また
余熱除去可能な部分については余熱除去し、これらによ
って残っている部分について、水等の溶剤または加熱に
より除去消失することで、成形品6から容易に除去する
ことができるのである。
【0116】このように、耐圧性崩壊中子1は、成形時
には、その形状を保持することにより、所期の目的の成
形品6の形成に寄与すると共に、成形後には崩壊して除
去消失される為、残留分を残さずに除去することが出来
る。
【0117】この為、製品の摩耗や破損等の不具合を阻
止することができ、成形品の品質向上を図ることが出来
ると共に、歩留まりも向上し、さらに時間と経費を節約
することができ、生産性を向上させることが出来るよう
になる。
【0118】第4工程 さらに、図3に良く示されているように、上記により形
成された成形品6を成形型4から取り出して、上記のよ
うに水等の溶剤または加熱により耐圧性崩壊中子1が除
去消失することにより、成形が終了するので、該成形品
6のバリ等の不要部分を除去して、所期の目的の完成品
たる成形品6が形成される。
【0119】このようにして形成された成形品6は、不
具合発生が阻止され、外観品質および機能品質に優れた
成形品となる。
【0120】そして、本発明の成形用耐圧性崩壊中子を
用いた成形方法は、プラスチック成形の一環として採用
される射出成形等の成形方法や、セラミック成形の一環
として採用される射出成形等の種々の成形方法に適用し
た場合にあっても、前記鋳造に使用する鋳造用耐圧性崩
壊中子と同様に、優れた作用があり、従来の問題点を解
消することができる。
【0121】従って、従来成形用中子として一般に広く
使用されている金属中子を使って鋳造することで、成形
品を得る場合に比べて、成形品の大きさや形状に制約を
受けることなく、全ての形状や大きさのものを成形で
き、工数を大幅に低減して、品質に優れた成形品を効率
良く得ることができるようになる。
【0122】このように、本発明の成形用耐圧性崩壊中
子を用いて、成形品を成形する成形方法の一つとして、
耐圧性崩壊中子1を使用して鋳造方法以外の成形方法で
あるプラスチック成形やセラミック成形に適用する場合
においては、成形用耐圧性崩壊中子は、成形時にはその
形状を保持することにより所期の目的の成形品の形成に
寄与すると共に、成形後には該成形品の余熱や加熱によ
り溶解して除去消失され残留分が残らず成形品6からの
成形用耐圧性崩壊中子1の除去が容易となり、また材料
選択の範囲を著しく拡大することができ、中子成形が容
易となることやコストを低減できる他、製品の摩耗や破
損等の不具合を阻止することができ成形品の品質向上を
図ると共に、歩留まりも向上し、さらに時間と経費を節
約することができ、生産性を向上させることができるこ
とになる。
【0123】また、本発明の実施例の一つとして成形用
耐圧性崩壊中子を用いた成形方法を鋳造方法以外の成形
方法であるプラスチック成形や、セラミック成形に適用
する場合おいても、上記実施例の射出成形に限られるこ
となく、その他の成形法に適用できるのは勿論であり、
多くの変形例が考えられ、上記実施例と同様な効果を得
ることができる。
【0124】尚、本実施例に使用する成形用中子である
耐圧性耐圧性崩壊中子1は、成形品を成形する成形時
に、耐圧性や耐熱性等の非崩壊性を具備すると共に、成
形後においては、消失性(除去性)等の崩壊性を具備し
ており、しかも成形時に多量のガスを発生する等の成形
品に対する悪影響を付与しない条件を具備するものであ
ることが要求されるが、この条件を具備する中子材料と
しては紙や穀物その他の崩壊可能な材料があげられる
が、これには次のようなものがある。
【0125】すなわち、この耐圧性崩壊中子1には、古
紙等の紙材からなる耐圧性を備えた中子、これには例え
ば、古紙等の紙材を水等を媒介として分散させた後、加
圧成形して所定形状に形成し、さらに脱水乾燥させて形
成した耐圧性を備えた中子があり、または、米等の穀物
からなる耐圧性を備えた中子、これには例えば、米、
粟、きび、とうもろこし等の穀物があり、該穀物を水等
と共に加熱して粘性を付与した後、所定形状に形成し、
さらに冷却させて形成した耐圧性を備えた中子があり、
或いは、複数の崩壊可能な材料を混合した材料からなる
耐圧性を備えた中子、これには例えば、古紙等の紙材と
米等の穀物とからなる耐圧性を備えた中子等、が挙げら
れるが、これに限らず崩壊可能な材料からなる耐圧性を
備えた耐圧性崩壊中子であればよい。
【0126】これら成形用耐圧性崩壊中子は、何れも、
抜出し可能な部分については抜出し、また余熱除去可能
な部分については余熱除去し、これらによって残ってい
る部分について、水等の溶剤による溶解または加熱によ
る燃焼等により殆ど全て除去消失することが出来る。
【0127】また、これらの耐圧性崩壊中子に限らず、
水等の溶剤によりまたは加熱により崩壊性のあるものな
らば、他の材料からなる耐圧性崩壊中子にも適用できる
のは勿論である。
【0128】そして、該耐圧性崩壊中子1は、何れも、
抜出し可能な部分については抜出し、また余熱除去可能
な部分については余熱除去し、これらによって残ってい
る部分について、水等の溶剤による溶解または加熱によ
る燃焼等により殆ど全て除去消失することが出来る。
【0129】また、これらの耐圧性崩壊中子に限らず、
水等の溶剤によりまたは加熱により崩壊性のあるものな
らば、他の材料からなる耐圧性崩壊中子にも適用できる
のは勿論である。
【0130】次に、本実施例に係る成形用耐圧性崩壊中
子の作用について説明する。
【0131】すなわち、本発明によれば、中子を成形用
耐圧性崩壊中子とし、該成形用耐圧性崩壊中子を使用し
て成形品を成形することにより、さらに成形用耐圧性崩
壊中子の除去方法を特定のものとすることにより、生産
性の向上と適用範囲の拡大を図ると共に、品質に優れた
成形品を効率良く得るという考え方であり、通常は廃棄
されることが多い古紙等の崩壊可能な材料を原料として
使用して、成形用耐圧性崩壊中子を成形して使用するこ
とにより、従来の砂中子や樹脂中子を使用する場合に比
して、大幅に材料費のコストダウンを図ることができる
という大なる作用がある他、例えば、鋳造品やプラスチ
ック成形品やセラミック成形品等の成形品を形成する為
に使用される成形用耐圧性崩壊中子のうち、鋳造品を得
る鋳造用耐圧性崩壊中子の場合においては、下記の作用
がある。 (1)成形用耐圧性崩壊中子を使用することで、中子に
要求される耐圧性や耐熱性等の条件を緩和し、中子材料
の選択範囲を拡大することが出来る。 (2)成形用耐圧性崩壊中子を使用することで、その材
料やその量を選択することで、中子の耐圧性や耐熱性を
調整することが出来る。 (3)中子として成形用耐圧性崩壊中子を使用すること
で、中子の造型が容易となり、造型設備が簡易化され、
かつ工程が削減され、時間と経費の低減を図ることがで
きる。 (4)中子として成形用耐圧性崩壊中子を使用する為、
落としても投げても壊れないので取扱いが容易となり、
運搬や保管が容易となる等工数が削減され、時間と経費
の低減を図ることができる。 (5)使用する成形用耐圧性崩壊中子が粘結剤等の浸透
成分を含有していない為、成形品への中子成分浸透が防
止される等により、鋳巣発生等の不具合発生が阻止さ
れ、成形品の不良品発生が阻止され、歩留まり向上と、
生産性向上とを図ることができる。 (6)中子として成形用耐圧性崩壊中子を使用すること
により、中空部分やアンダカット部分の形成が容易とな
り、しかも中子強度が向上するから、形状や大きさに囚
われることなく、全形状や全大きさの成形が可能とな
り、適用範囲の拡大を図ることができる。 (7)成形時における耐圧性と成形後における崩壊性と
の相反条件を兼備する中子を使用することにより、成形
中の溶湯差込み等の不具合発生を回避すると共に耐圧性
(非崩壊性)を維持し、かつ成形後の中子の崩壊性と中
子成分の完全除去とを容易とし、成形品への付着を防止
して、成形品の摩耗や破損等の成形品不具合発生の阻止
を図ることができる。 (8)成形用耐圧性崩壊中子は、粘結剤等の除去困難成
分を含有せず、しかも成形後における崩壊性を具備して
いる為、中子の完全除去が容易となり、公害発生を阻止
することができると共に、工数が削減され、時間と経費
の低減を図ることができる。 (9)成形用耐圧性崩壊中子は、形状によっては一部ま
たは大部分を成形後に成形品から引抜き可能であるか
ら、該引抜いた中子を廃棄することなく再使用すること
が可能であり、公害発生を阻止できるばかりでなく、再
使用による材料費のコストダウンを図ることができる。
【0132】さらに、本発明にあっては、成形用耐圧性
崩壊中子の除去は、抜出し可能な部分については抜出
し、また余熱除去可能な部分については余熱除去し、こ
れらによって残っている部分について、水等の溶剤また
は加熱により除去消失することができ、鋳造品の種類や
形状を問わず容易に成形用耐圧性崩壊中子を除去するこ
とができる。
【0133】また、耐圧性崩壊中子が崩壊可能な材料か
らなるから、余熱や加熱と併用して、又は単独に水等の
溶剤にて耐圧性崩壊中子を溶解除去することができる。
【0134】例えば、成形用中子が崩壊可能な材料から
なる耐圧性崩壊中子である場合には、溶剤として例えば
水にて、余熱又は加熱と共に、或るいは単独で行い、溶
かして除去することができ成形用耐圧性崩壊中子の排出
除去が容易になる。
【0135】また、プラスチック成形の一環として採用
される射出成形等の成形方法や、セラミック成形の一環
として採用される射出成形等の成形方法によって成形品
を得る場合においても、本発明の成形用耐圧性崩壊中子
を適用することで、成形用耐圧性崩壊中子を容易に排出
除去がすることができ、上記鋳造の場合と同様の効果を
発揮することができる為、品質に優れた所期目的の成形
品を効率良く得ることができるのに寄与することが出来
る。
【0136】さらに、プラスチック成形の一環として採
用される射出成形等の成形方法や、セラミック成形の一
環として採用される射出成形等の成形方法によって成形
品を得る場合においても、本発明の成形用耐圧性崩壊中
子を使用することにより、品質に優れた所期の目的の成
形品を効率良く得ることができる。
【0137】そして、生産性の向上と適用範囲の拡大を
図ることができ、成形用耐圧性崩壊中子を使用すること
で、中子の造型が容易となり、造型設備が簡易化され、
かつ工程が削減され、時間と経費の低減を図ることがで
きることや、取扱いが容易となり、運搬や保管が容易と
なる他、成形時の圧力調整が不要となる等工数が削減さ
れ、時間と経費の低減を図ることができる等の種々の優
れた点がある。
【0138】次に、図5は、本発明の成形用耐圧性崩壊
中子の第三実施例を示し、成形用中子である耐圧性崩壊
中子1は、内部に充填空間Sが形成され、かつ該充填空
間Sには、耐熱性を有する粉状や粒状や塊状等の充填物
質Fが充填してある。
【0139】すなわち、本発明の成形用耐圧性崩壊中子
である耐圧性崩壊中子1の内部には、耐熱性を有する粉
状や粒状や塊状等の充填物質Fが充填してある。
【0140】まず、図示は省略するが、古紙や穀物等の
崩壊可能な材料を用いて、一端が開口されると共に内部
に充填空間Sを中空形状に形成した中子本体Hを成形し
た後、該充填空間Sに耐熱性を有する粉状や粒状や塊状
等の充填物質Fを充填し、上記開口部を閉塞して、図5
に良く示されているように、充填空間Sに充填物質Fを
充填した耐圧性を備えた耐圧性崩壊中子1を形成する。
【0141】そして、該充填物質Fを内部に充填した成
形用耐圧性崩壊中子である耐圧性崩壊中子1を使用した
成形型4を用いて成形することにより、鋳造品やプラス
チック成形品やセラミック成形品等の成形品6を成形す
るのである。
【0142】この為、本発明に使用される耐圧性崩壊中
子1は、前記のように、内部に充填物質Fを充填した状
態で、成形品の成形時には、耐圧性や耐熱性等の非崩壊
性を具備すると共に、成形後においては、消失性(除去
性)等の崩壊性を具備しており、しかも成形時に多量の
ガスを発生する等の成形品に対する悪影響を付与しない
条件を具備するものであるから、品質に優れた成形品を
効率良く得ることに寄与することができるものであるこ
とが要求される。
【0143】そして、該充填物質Fは、成形終了後に、
中子本体Hが除去消失した後、非拘束状態(自由状態)
となって、成形品6から容易に排出して除去することが
出来ることが要求される。 この条件を具備するものと
しては、粉状や粒状や塊状等のものが挙げられ、残留分
が残らずに除去することが容易となり、成形品6の品質
向上を図る等することが出来る。
【0144】また、該充填物質Fは、上記成形時に多量
のガスを発生する等の成形品に対する悪影響を付与しな
い条件を具備するものであることが要求される。
【0145】さらに、該充填物質Fは、成形時に耐熱性
を有することが要求されるが、この条件を具備する材料
としては、鋳物砂、或いは鋳物砂に樹脂を混合したレジ
ンサンド、又は炭酸カルシウム(白墨)や珪石や金属
や、オールドセラミック、ニューセラミック(ファイン
セラミック)等のセラミックその他のものがある。
【0146】そして、該成形用耐圧性崩壊中子1を使用
して、鋳造品やプラスチック成形品やセラミック成形品
等の成形品を形成することができる。
【0147】例えば、該成形用耐圧性崩壊中子である耐
圧性崩壊中子1を使用して鋳造品やプラスチック成形品
やセラミック成形品等の成形品を成形する場合には、図
1に良く示されているように、該耐圧性崩壊中子1を上
型2と下型3との間に配設して、空洞部5を有する成形
型4を形成することができる。
【0148】次に、図1と図2に良く示されているよう
に、上記鋳型4内に形成される空洞部5にアルミダイカ
ストにあっては鋳造品の材質に応じてアルミニュウム溶
湯等の溶湯に圧力を加えながら注湯する等して、鋳造品
等の成形品6を成形する。
【0149】この際、上記耐圧性崩壊中子1は、熱容量
が大であるため、溶湯に対して耐熱性が高く、しかも耐
圧性も高い為、成形時の高圧溶湯の注湯によっても、熱
変形や圧力変形せずに、初期形状を保持することができ
る。
【0150】さらに、該溶湯の温度は、上記鋳型4の空
洞部5に達するまでに初期の温度(例えば、アルミニュ
ウム溶湯にあっては、約660度C)に比べてかなり温
度が低下する為、上記耐圧性崩壊中子1は、自身の温度
と熱容量により、該溶湯が作用しても、反射作用と温度
作用とにより、直ちに溶融することなく初期形状を保持
することができる。
【0151】この為、上記耐圧性崩壊中子1を変形させ
ることなく原形状を維持した状態で、上記空洞部5の形
状に応じた形状の鋳造品等の成形品6が成形される。
【0152】つづいて、図2と図3に良く示されている
ように、上記により形成された鋳造品等の成形品6を成
形型4から取り出すことにより、成形を終了する。
【0153】さらに、成形品6のバリ等の不要部分を除
去して完成品を得ることができる。
【0154】この際、図1と図2に良く示されているよ
うに、充填空間Sに充填物質Fを充填した耐圧性崩壊中
子1を使用することで、溶湯を注湯する等の成形時の耐
圧性を保持して、変形を阻止して原形状を維持させるこ
とが出来ると共に、該成形時の耐熱性を向上させて、成
形に寄与せしめることができる。
【0155】次に、図6は、本発明の成形用耐圧性崩壊
中子の第四実施例を示し、成形用中子である耐圧性崩壊
中子1は、崩壊可能な材料から形成された耐圧性を備え
た中子本体Hの内部に、充填空間Sが形成され、かつ該
充填空間Sには、耐熱性を有する粉状や粒状や塊状等の
充填物質Fが充填されていると共に、その表面(外面)
に、保護層7が形成されている。
【0156】該中子本体Hは、成形時における耐圧性や
耐熱性等の非崩壊性と成形後における消失性等の崩壊性
との相反条件を兼備すると共に、成形時に多量のガスを
発生する等の成形品に対する悪影響を付与しない条件を
具備するものであることが要求される。
【0157】そして、該保護層7は、成形時における耐
熱性等の非崩壊性と、成形後における熱消失性等の崩壊
性との、相反条件を具備することが要求され、上記中子
本体Hの表面に所定厚さで一体形成されてなる。
【0158】該保護層7としては、例えば耐熱性樹脂等
からなる耐熱性保護層がある。
【0159】また、該耐熱性保護層7を形成する材料と
しては、珪素ゴム、弗素ゴム等の耐熱性ゴムや珪素樹
脂、弗素樹脂等の耐熱性合成樹脂樹脂や低融点金属、オ
ールドセラミックやニューセラミック(ファインセラミ
ック)等のセラミック、その他の耐熱性材料がある。
【0160】すなわち、上記耐熱性保護層7を形成する
材料としての合成樹脂(プラスチック)には、熱可塑性
合成樹脂(熱可塑性プラスチック)が最適であり、上記
何れの条件をも兼備しており、所期の目的を充分満足す
る鋳造品その他の成形品を得ることができる。
【0161】また、この熱可塑性合成樹脂(熱可塑性プ
ラスチック)のうち最も適するものとしては、ポリカー
ボネート合成樹脂(ポリカーボネートプラスチック)が
該当し、上記何れの条件をも兼備しており、所期の目的
を充分に満足する鋳造品その他の成形品を得ることがで
きる。である、さらに、これに次ぐものとしては、四弗
化エチレン樹脂等の弗素樹脂(ポリフルオルエチレン樹
脂)やポリイミド樹脂(ポリイミドプラスチック)、ポ
リアミドイミド樹脂(ポリアミドイミドプラスチック)
やポリスルホン樹脂(ポリスルホンプラスチック)があ
り、上記何れの条件をも兼備しており、所期の目的を満
足する鋳造品その他の成形品を得ることができる。
【0162】また、これに次ぐものとしては、ポリアミ
ド樹脂(ナイロン樹脂)やポリプロピレン樹脂(ポリプ
ロピレンプラスチック)があり、上記何れの条件をも兼
備しており、初期の目的を満足する鋳造品を得ることが
できる。
【0163】さらに、この他のものとしては、ポリエチ
レン樹脂(ポリエチレンプラスチック)、ポリエステル
樹脂(テトロン樹脂)があげられ、上記何れの条件をも
兼備しており、初期の目的を満足する鋳造品を得ること
ができる。
【0164】さらに、本実施例の成形用中子に使用する
耐圧性崩壊中子1の表面(外面)に形成されている保護
層7は、上記合成樹脂に限られず、成形品6を成形する
成形時における耐熱性等の非崩壊性を具備すると共に、
成形後においては、成形品の余熱や加熱によって除去消
失する熱消失性(除去性)等の崩壊性を兼備し、さらに
鋳造時に多量のガスを発生する等の鋳造品に対する悪影
響を付与しないものであるならば、上記実施例以外の合
成樹脂も使用できるのは勿論であり、上記実施例と同様
な効果を得ることができる。
【0165】尚、本発明の耐圧性崩壊中子1は、上記実
施例の内部に充填空間Sが形成され、かつ該充填空間S
には耐熱性を有する粉状や粒状や塊状等の充填物質Fが
充填されていると共に、その表面(外面)に保護層7が
形成されているものに限られることなく、上記充填空間
Sや充填物質Fのない充実形状の中子本体Hの表面(外
面)に保護層7が形成されているものとすることができ
るのは、勿論である。
【0166】このような成形用耐圧性崩壊中子1によれ
ば、成形後における熱消失性(除去性)等の崩壊性を損
なうことなく、成形時における耐圧性(非崩壊性)をさ
らに向上させることができ、しかも成形時に多量のガス
を発生する等の成形品に対する悪影響を付与しない条件
を具備するものであるから、品質に優れた成形品を効率
良く得ることに寄与できるようになる。
【0167】そして、このように表面(外面)に保護層
7が形成されている耐圧性崩壊中子1を使用して、前記
実施例と同要領にて、鋳造品やプラスチック成形品やセ
ラミック成形品等の成形品を形成することができる。
【0168】この場合、表面(外面)に保護層7が形成
されている耐圧性崩壊中子1を、上型2と下型3との間
に配設して、空洞部5を有する成形型4を形成した後、
前記実施例と同要領にて、該成形型4の内部に形成され
る空洞部5に成形材料を注入することで、目的とする成
形品6を成形することができるのである。
【0169】次に、図7は、本発明の成形用耐圧性崩壊
中子の第五実施例を示し、成形用中子である耐圧性崩壊
中子1は、崩壊可能な材料から形成された中子本体Hの
内部に充填空間Sが形成され、かつ該充填空間Sには、
耐熱性を有する粉状や粒状や塊状等の充填物質Fが充填
されていると共に、その表面(外面)に、被覆層8が形
成されている。
【0170】該被覆層8は、成形時の高熱と成形後の余
熱に溶融することなく中子を保護するものである。
【0171】そして、本実施例に使用する成形用耐圧性
崩壊中子1は、崩壊可能な材料から形成された耐圧性を
備えた中子本体Hと、鋳造時の溶湯や鋳造後の余熱にも
溶融することなく原形を保持して中子本体を保護するよ
うに中子本体の表面に一体形成された所定厚さの被覆層
8と、からなる。
【0172】また、該中子本体Hは、成形時における耐
圧性や耐熱性等の非崩壊性と成形後における消失性等の
崩壊性との相反条件を兼備すると共に、成形時に多量の
ガスを発生する等の成形品に対する悪影響を付与しない
条件を具備するものであることが要求される。
【0173】さらに、上記被覆層8は、成形時の高熱と
成形後の余熱に溶融することなく原形を保持して中子本
体を保護するものであり、たとえば耐熱性樹脂等からな
る耐熱性被覆層がある。
【0174】また、該耐熱性被覆層8を形成する材料と
しては、シリコン樹脂やシリコンゴム等の耐熱性に優れ
たシリコンがあり、成形時の高熱と成形後の余熱に溶融
することなく原形を保持して中子本体Hを保護すること
ができる。
【0175】尚、本発明の耐圧性崩壊中子1は、上記実
施例の内部に充填空間Sが形成され、かつ該充填空間S
には耐熱性を有する粉状や粒状や塊状等の充填物質Fが
充填されていると共に、その表面(外面)に被覆層8が
形成されているものに限られることなく、上記充填空間
Sや充填物質Fのない充実形状の中子本体Hの表面(外
面)に被覆層8が形成されているものとすることができ
るのは、勿論である。
【0176】このような成形用耐圧性崩壊中子1によれ
ば、成形後における中子本体Hの消失性(除去性)等の
崩壊性を損なうことなく、成形時における耐圧性(非崩
壊性)をさらに向上させることができ、しかも成形時に
多量のガスを発生する等の成形品に対する悪影響を付与
しない条件を更に高めて完璧なものとすることができる
ものであるから、品質に優れた成形品を効率良く得るこ
とに寄与できる。 そして、表面(外面)に、該被覆層
8が形成されている耐圧性崩壊中子1を使用して、前記
実施例と同要領にて、鋳造品やプラスチック成形品やセ
ラミック成形品等の成形品を形成することができる。
【0177】この場合、表面(外面)に被覆層8が形成
されている耐圧性崩壊中子1を上型2と下型3との間に
配設して、空洞部5を有する成形型4を形成した後、前
記実施例と同要領にて、成形型4の内部に形成される空
洞部5に成形材料を注入することで目的とする成形品6
を成形することができるのである。
【0178】そして、中子本体Hは、上記空洞部5に成
形材料を注入して成形した後、所定の時間を経過してか
ら、水等の溶剤や余熱若しくは加熱によって除去され
る。
【0179】しかし、上記耐熱性被覆層8は、耐熱性に
非常に優れており、成形時は勿論のこと、成形後にあっ
ても成形品6の余熱や加熱によっても溶融することなく
原形を保持する為、中子本体Hを内部に密封状態に包み
込んで保護すると共に、中子本体Hが成形品6の余熱や
加熱によって溶融除去され、中子本体Hがたとえ有機性
の合成樹脂を含有する等により中子本体Hがガスを発生
しても、成形用耐圧性崩壊中子1からガスが発生するの
を完璧に阻止でき、中子本体Hの成分が成形品6へ浸透
するのを防止することが出来、成形品に対する悪影響を
阻止し、成形品6に不具合が発生するのを防止して、成
形品6の不良品発生を阻止でき、所期目的の成形品6の
形成に寄与することが出来る。
【0180】そして、上記耐熱性被覆層8は、内部の中
子本体Hが成形品6の余熱や加熱によって溶融除去され
る為、中身が空の袋状(風船状態)で、成形品6の内部
から簡単に取出すことができるのである。
【0181】本実施例にあっては、以下のような作用が
ある。
【0182】すなわち、 (1)中子本体を内部に包み込むように保護する耐熱性
被覆層により、中子本体の成分が成形品へ浸透するのを
防止することで、成形品への悪影響を阻止し、成形品へ
の不具合発生を防止し、成形品の不良品発生を阻止し
て、歩留り向上と、生産性向上を図ることができる。 (2)特に耐熱性に優れたシリコン等の合成樹脂からな
る所定厚さの耐熱性被覆層を中子本体の表面に一体形成
する為、中子本体を内部に包み込むように保護すること
ができ、成形材料の注入時の成形用耐圧性崩壊中子の形
状保持機能が向上し、成形材料に溶融することなく初期
形状をより確実に保持することで、寸法精度に優れ、成
形品の品質をより優れたものとすることが出来る。 (3)特にシリコン等の合成樹脂は柔軟性と弾性とに優
れている為、薄いものから厚いものまで肉厚を均等に形
成できる他、小さいものから大きいものまで大きさの大
小を問わず中子本体の表面に耐熱性被覆層を所定厚さで
形成でき、さらに複雑形状のものも一体形成容易で、成
形作業が簡易となり、容易に完成品を得ることが出来、
さらに成形品品質をより優れたものと出来る。 (4)特にシリコンは耐熱性に非常に優れていると共に
離型性も優れている為、成形品に付着せず、しかも成形
時は勿論のこと鋳造後の余熱や加熱にも溶融せず原形を
保持して中子本体を保護するので、成形簡易であると共
に成形後の中子抜出しも容易となり、品質に優れた完成
品が容易に得られる。 (5)特にシリコンは主元素が無機性の珪素(Si)で
ある為、成形時にガス発生がないのは勿論、中子本体が
有機性合成樹脂を含有していても、成形時は勿論のこと
成形後の余熱や加熱でも溶融せず原形を保持し、中子本
体を内部に密封状態に包み込んで保護するので、成形用
耐圧性崩壊中子からのガス発生を完璧に阻止でき、成形
品への悪影響を防止し、完成品の品質向上に寄与出来
る。 (6)特にシリコンは、柔軟性と弾性と離型性とに優れ
しかも強度も高い為、非崩壊性中子として使用して直抜
きのみでなく変形抜きにも使用でき、成形品から成形用
耐圧性崩壊中子を引抜くのが簡易となり、成形品の成形
を容易に出来る。
【0183】尚、本発明の成形用耐圧性崩壊中子は、上
記各実施例に限られることなく、多くの変形例が考えら
れる。
【0184】また、本発明の成形用耐圧性耐圧性崩壊中
子は、上記実施例の材料や形状のものに限られることな
く、種々の材料を用いた種々の形状のものに適用でき、
成形品の品質向上を図る等することが出来上記実施例に
限定されず、多くの変形例が考えられる。
【0185】例えば、上記実施例の成形用耐圧性崩壊中
子にあっては、成形時の非崩壊性の面から充実形状のも
のとしたが、これに限定されず、重量軽減、コスト軽
減、及び成形後の崩壊・除去の容易性の面から中空形状
のものとすることができるのは勿論である。
【0186】また、本発明の成形用耐圧性崩壊中子は、
上記鋳造以外の成形方法であるプラスチック成形やセラ
ミック成形等の種々の成形方法に使用する場合にあって
も、上記実施例の材料や形状のものに限られることな
く、複合材料その他の上記各実施例以外の材料を用いた
種々の形状のものに適用でき、成形品の品質向上を図る
等することが出来る。
【0187】さらに、本発明の成形用耐圧性崩壊中子の
材料としては、上記実施例に示した耐圧性崩壊中子に限
定されず、成形品を成形する成形時に耐圧性や耐熱性等
の非崩壊性を具備すると共に、成形後においては成形品
の余熱や加熱によって除去消失する熱消失性(除去性)
等の崩壊性を具備する崩壊可能な材料であればよく、単
独又は複数材料の混合材料、若しく複合材料とすること
ができ、種々の材料を用いた成形用耐圧性崩壊中子が考
えられ、上記実施例と同様な効果を得ることができる。
【0188】尚、本発明の成形用耐圧性崩壊中子は、上
記各実施例に限られることなく、多くの変形例が考えら
れる。
【0189】さらに、本発明の成形用耐圧性崩壊中子の
材料としては、上記実施例に示した崩壊可能な材料に限
定されず、成形品を成形する成形時に耐圧性や耐熱性等
の非崩壊性を具備すると共に、成形後においては成形品
の余熱や加熱によって除去消失する熱消失性(除去性)
等の崩壊性を具備する崩壊可能な材料であればよく、単
独又は複数材料の混合材料、若しく複合材料とすること
ができ、炭酸カルシウム(白墨)や塩酸カルシウムや珪
石等、種々の材料を用いた成形用耐圧性崩壊中子が考え
られ、上記実施例と同様な効果を得ることができる。
【0190】
【発明の効果】このように本発明は、成形用中子を耐圧
性崩壊中子とすることにより、さらに成形用耐圧性崩壊
中子の除去方法を特定のものとすることにより、生産性
の向上と適用範囲の拡大を図ると共に、品質に優れた成
形品を得られるようにするという考え方であり、通常は
廃棄されることが多い古紙等の崩壊可能な材料を原料と
して使用して、成形用耐圧性崩壊中子を成形して使用す
ることにより、従来の砂中子や樹脂中子を使用する場合
に比して、大幅に材料費のコストダウンを図ることがで
きるという大なる効果がある他、例えば、鋳造品やプラ
スチック成形品やセラミック成形品等の成形品を形成す
る為に使用される成形用耐圧性崩壊中子のうち、鋳造品
を得る鋳造用の成形用耐圧性崩壊中子の場合において
は、下記のような優れた効果がある。 (1)成形用耐圧性崩壊中子を使用することで、中子に
要求される耐圧性や耐熱性等の条件を緩和し、中子材料
の選択範囲を拡大することが出来る利点がある。 (2)成形用耐圧性崩壊中子を使用することで、その材
料やその量を選択することで、中子の耐圧性や耐熱性を
調整することが出来る利点がある。 (3)中子として成形用耐圧性崩壊中子を使用すること
で、中子の造型が容易となり、造型設備が簡易化され、
かつ工程が削減され、時間と経費の低減を図ることがで
きる利点がある。 (4)中子として成形用耐圧性崩壊中子を使用する為、
落としても投げても壊れないので取扱いが容易となり、
運搬や保管が容易となる等工数が削減され、時間と経費
の低減を図ることができる利点がある。 (5)使用する成形用耐圧性崩壊中子が粘結剤等の浸透
成分を含有していない為、成形品への中子成分浸透が防
止される等により、鋳巣発生等の不具合発生が阻止さ
れ、成形品の不良品発生が阻止され、歩留まり向上と、
生産性向上とを図ることができる利点がある。 (6)中子として成形用耐圧性崩壊中子を使用すること
により、中空部分やアンダカット部分の形成が容易とな
り、しかも中子強度が向上するから、形状や大きさに囚
われることなく、全形状や全大きさの成形が可能とな
り、適用範囲の拡大を図ることができる利点がある。 (7)成形時における耐圧性と成形後における崩壊性と
の両条件を兼備する中子を使用することにより、成形中
の溶湯差込み等の不具合発生を回避すると共に耐圧性
(非崩壊性)を維持し、かつ成形後の中子の崩壊性と中
子成分の完全除去とを容易とし、成形品への付着を防止
して、成形品の摩耗や破損等の成形品不具合発生の阻止
を図ることができる利点がある。 (8)成形用耐圧性崩壊中子は、粘結剤等の除去困難成
分を含有せず、しかも成形後における崩壊性を具備して
いる為、中子の完全除去が容易となり、公害発生を阻止
することができると共に、工数が削減され、時間と経費
の低減を図ることができる利点がある。 (9)成形用耐圧性崩壊中子は、形状によっては一部ま
たは大部分を成形後に成形品から引抜き可能であるか
ら、該引抜いた中子を廃棄することなく再使用すること
が可能であり、公害発生を阻止できるばかりでなく、再
使用による材料費のコストダウンを図ることができる利
点がある。
【0191】さらに、本発明の成形用耐圧性崩壊中子
は、表面(外面)に、成形時の高熱と成形後の余熱や加
熱に溶融することなく原形を保持して中子本体を保護す
る被覆層を形成した場合においては、下記のような優れ
た効果がある。
【0192】すなわち、 (10)中子本体を内部に包み込むように保護する被覆
層により、中子本体の成分が成形品へ浸透するのを防止
することで、成形品への悪影響を阻止し、成形品への不
具合発生を防止し、成形品の不良品発生を阻止して、歩
留り向上と、生産性向上を図ることができる利点があ
る。 (11)特に耐熱性に優れたシリコン等の合成樹脂から
なる所定厚さの被覆層を中子本体の表面に一体形成する
為、中子本体を内部に包み込むように保護することがで
き、成形時の成形用耐圧性崩壊中子の形状保持機能が向
上し、成形時に溶融することなく初期形状をより確実に
保持することで、寸法精度に優れ、成形品の品質をより
優れたものとすることが出来る利点がある。 (12)特にシリコン等の合成樹脂は柔軟性と弾性とに
優れている為、薄いものから厚いものまで肉厚を均等に
形成できる他、小さいものから大きいものまで大きさの
大小を問わず中子本体の表面に被覆層を所定厚さで形成
でき、さらに複雑形状のものも一体形成容易で、成形作
業が簡易となり、容易に完成品を得ることが出来、さら
に成形品の品質をより優れたものと出来る利点がある。 (13)特にシリコンは耐熱性に非常に優れていると共
に離型性も優れている為、成形品に付着せず、しかも成
形時の溶湯は勿論のこと成形後の余熱や加熱にも溶融せ
ず原形を保持して中子本体を保護するので、成形簡易で
あると共に成形後の中子抜出しも容易となり、品質に優
れた完成品が容易に得られる利点がある。 (14)特にシリコンは主元素が無機性の珪素(Si)
である為、成形時にガス発生がないのは勿論、中子本体
が有機性合成樹脂を含有していても、成形時は勿論のこ
と成形後の余熱や加熱でも溶融せず原形を保持し、中子
本体を内部に密封状態に包み込んで保護するので、中子
からのガス発生を完璧に阻止でき、成形品への悪影響を
防止し、完成品の品質向上に寄与出来る利点がある。 (15)特にシリコンは、柔軟性と弾性と離型性とに優
れ、しかも強度も高い為、非崩壊性中子として使用して
直抜きのみでなく変形抜きにも使用でき、成形品から成
形用耐圧性崩壊中子を引抜くのが簡易となり、成形品の
成形を容易にすることが出来る利点がある。
【0193】さらに、本発明にあっては、成形用耐圧性
崩壊中子の除去は、抜出し可能な部分については抜出
し、また余熱除去可能な部分については余熱除去し、こ
れらによって残っている部分について、水等の溶剤によ
る溶解または加熱による燃焼等により殆ど全て除去消失
することが出来る為、鋳造品の種類や形状を問わず容易
に成形用耐圧性崩壊中子を除去することができるという
優れた効果がある。
【0194】また、プラスチック成形の一環として採用
される射出成形等の成形方法や、セラミック成形の一環
として採用される射出成形等の成形方法によって成形品
を得る場合においても、本発明の成形用耐圧性崩壊中子
を使用することで、成形用耐圧性崩壊中子を容易に排出
除去がすることができ、上記鋳造と同様の効果を発揮す
ることができる為、品質に優れた所期目的の成形品を効
率良く得ることができるのに寄与することが出来るとい
う優れた効果がある。
【0195】さらに、プラスチック成形の一環として採
用される射出成形等の成形方法や、セラミック成形の一
環として採用される射出成形等の成形方法によって成形
品を得る場合においても、本発明の成形用耐圧性崩壊中
子を使用することで、品質に優れた所期の目的の成形品
を効率良く得ることができる利点がある。
【0196】そして、生産性の向上と適用範囲の拡大を
図ることができ、成形用耐圧性崩壊中子を使用すること
で、中子の造型が容易となり、造型設備が簡易化され、
かつ工程が削減され、時間と経費の低減を図ることがで
きることや、取扱いが容易となり、運搬や保管が容易と
なる他、成形時の圧力調整が不要となる等工数が削減さ
れ、時間と経費の低減を図ることができる等の種々の優
れた利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく一実施例の成形用耐圧性崩壊中
子のうち耐圧性崩壊中子を用いて成形型を形成する方法
を示す断面図である。
【図2】本発明に基づく一実施例の成形用耐圧性崩壊中
子のうち成形材料の注入により成形品を成形する方法を
示す断面図である。
【図3】本発明に基づく一実施例の成形用耐圧性崩壊中
子のうち成形型から取出された成形品を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の成形用耐圧性崩壊中子の第一実施例を
示す断面図である。
【図5】同成形用耐圧性崩壊中子に使用する成形用耐圧
性崩壊中子の第三実施例を示す断面図である。
【図6】同成形用耐圧性崩壊中子の第四実施例を示す断
面図である。
【図7】同成形用耐圧性崩壊中子の第五実施例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 成形用耐圧性崩壊中子(耐圧性崩壊中子) 2 上型 3 下型 4 成形型(鋳型)(プラスチック成形型)(セラ
ミック成形型) 5 空洞部 6 成形品(鋳造品)(プラスチック成形品)(セ
ラミック成形品) 7 保護層(耐熱性保護層) 8 被覆層(耐熱性被覆層) H 中子本体 S 充填空間 F 充填物質
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】尚、この耐圧性崩壊中子1は、上記古紙等
の紙材からなる中子に限られることなく、他の崩壊可能
な材料から形成することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正内容】
【0127】また、これらの耐圧性崩壊中子に限らず、
水等の溶剤によりまたは加熱もしくは冷却により崩壊性
のあるものならば、他の材料からなる耐圧性崩壊中子に
も適用できるのは勿論である。

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空形状やアンダカット形状等を鋳造品や
    プラスチック成形品やセラミック成形品等の成形品を形
    成する為に使用される成形用中子にあって、該成形用中
    子が、紙や繊維や穀物等の崩壊可能な材料から形成した
    耐圧性を備えたものである、ことを特徴とする成形用耐
    圧性崩壊中子。
  2. 【請求項2】崩壊可能な材料からなる耐圧性を備えた成
    形用中子として、成形時における耐圧性と成形後におけ
    る崩壊性との両条件を具備する中子を使用する、ことを
    特徴とする請求項1記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  3. 【請求項3】崩壊可能な材料からなる耐圧性を備えた成
    形用中子として、古紙等の紙材からなる中子を使用す
    る、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の成
    形用耐圧性崩壊中子。
  4. 【請求項4】古紙等の紙材からなる中子は、古紙等の紙
    材を水等を媒介として分散させた後、加圧成形して所定
    形状に形成し、さらに脱水乾燥させて形成した中子であ
    る、ことを特徴とする請求項3記載の成形用耐圧性崩壊
    中子。
  5. 【請求項5】崩壊可能な材料からなる耐圧性を備えた成
    形用中子として、米、粟、きび、とうもろこし等の穀物
    からなる中子を使用する、ことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  6. 【請求項6】米等の穀物からなる中子は、米、粟、き
    び、とうもろこし等の穀物を水等と共に加熱して粘性を
    付与した後、加圧成形して所定形状に形成し、さらに冷
    却させて形成した中子である、ことを特徴とする請求項
    5記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  7. 【請求項7】崩壊可能な材料からなる耐圧性を備えた成
    形用中子として、複数の崩壊可能な材料を混合した材料
    からなる中子を使用する、ことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  8. 【請求項8】複数の崩壊可能な材料を混合した材料から
    なる中子として、古紙等の紙材と米等の穀物とからなる
    中子を使用する、ことを特徴とする請求項7記載の成形
    用耐圧性崩壊中子。
  9. 【請求項9】崩壊可能な材料からなる耐圧性を備えた成
    形用中子は、内部に充填空間が形成され、かつ該充填空
    間には、耐熱性を有する粉状や粒状や塊状等の充填物質
    が充填してある、ことを特徴とする請求項1〜請求項8
    のいずれかに成形用耐圧性崩壊中子。
  10. 【請求項10】充填物質が、鋳物砂からなる、ことを特
    徴とする請求項9記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  11. 【請求項11】充填物質が、鋳物砂に樹脂を混合したレ
    ジンサンドからなる、ことを特徴とする請求項9記載の
    成形用耐圧性崩壊中子。
  12. 【請求項12】充填物質が、炭酸カルシウム(白墨)か
    らなる、ことを特徴とする請求項9記載の成形用耐圧性
    崩壊中子。
  13. 【請求項13】充填物質が、珪石からなる、ことを特徴
    とする請求項9記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  14. 【請求項14】充填物質が、金属からなる、ことを特徴
    とする請求項9記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  15. 【請求項15】充填物質が、オールドセラミックやニュ
    ーセラミック(ファインセラミック)等のセラミックか
    らなる、ことを特徴とする請求項9記載の成形用耐圧性
    崩壊中子。
  16. 【請求項16】崩壊可能な材料からなる耐圧性を備えた
    成形用中子は、表面に保護層を形成した中子である、こ
    とを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載
    の成形用耐圧性崩壊中子。
  17. 【請求項17】保護層は、成形時における耐熱性と成形
    後における熱崩壊性との両条件を具備するものである、
    ことを特徴とする請求項16記載の成形用耐圧性崩壊中
    子。
  18. 【請求項18】保護層が、耐熱性保護層である、ことを
    特徴とする請求項16または請求項17記載の成形用耐
    圧性崩壊中子。
  19. 【請求項19】耐熱性保護層が、珪素ゴム、弗素ゴム等
    の耐熱性ゴムからなる、ことを特徴とする請求項18記
    載の成形用耐圧性崩壊中子。
  20. 【請求項20】耐熱性保護層が、低融点金属からなる、
    ことを特徴とする請求項18記載の成形用耐圧性崩壊中
    子。
  21. 【請求項21】耐熱性保護層が、オールドセラミックや
    ニューセラミック(ファインセラミック)等のセラミッ
    クからなる、ことを特徴とする請求項18記載の成形用
    耐圧性崩壊中子。
  22. 【請求項22】耐熱性保護層が、熱可塑性合成樹脂(熱
    可塑性プラスチック)からなる、ことを特徴とする請求
    項18記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  23. 【請求項23】熱可塑性合成樹脂(熱可塑性プラスチッ
    ク)が、耐熱性合成樹脂(耐熱性プラスチック)からな
    る、ことを特徴とする請求項22記載の成形用耐圧性崩
    壊中子。
  24. 【請求項24】耐熱性合成樹脂が、ポリカーボネート合
    成樹脂(ポリカーボネートプラスチック)である、こと
    を特徴とする請求項23記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  25. 【請求項25】耐熱性合成樹脂が、四弗化エチレン樹脂
    等の弗素樹脂(ポリフルオルエチレン樹脂)である、こ
    とを特徴とする請求項23記載の成形用耐圧性崩壊中
    子。
  26. 【請求項26】耐熱性合成樹脂が、ポリイミド樹脂(ポ
    リイミドプラスチック)である、ことを特徴とする請求
    項23記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  27. 【請求項27】耐熱性合成樹脂が、ポリアミドイミド樹
    脂(ポリアミドイミドプラスチック)である、ことを特
    徴とする請求項23記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  28. 【請求項28】耐熱性合成樹脂が、ポリスルホン樹脂
    (ポリスルホンプラスチック)である、ことを特徴とす
    る請求項23記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  29. 【請求項29】耐熱性合成樹脂が、ポリアミド樹脂(ナ
    イロン樹脂)である、ことを特徴とする請求項23記載
    の成形用耐圧性崩壊中子。
  30. 【請求項30】崩壊可能な材料からなる耐圧性を備えた
    成形用中子は、表面に被覆層を形成した中子である、こ
    とを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれかに記載
    の成形用耐圧性崩壊中子。
  31. 【請求項31】被覆層が、成形時の高熱と成形後の余熱
    に溶融することなく原形を保持して中子を保護するもの
    である、ことを特徴とする請求項30記載の成形用耐圧
    性崩壊中子。
  32. 【請求項32】被覆層が、シリコンからなる、ことを特
    徴とする請求項30または請求項31記載の成形用耐圧
    性崩壊中子。
  33. 【請求項33】シリコンが、シリコン樹脂である、こと
    を特徴とする請求項32記載の成形用耐圧性崩壊中子。
  34. 【請求項34】シリコンが、シリコンゴムである、こと
    を特徴とする請求項32記載の成形用耐圧性崩壊中子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10314891A (ja) * 1997-05-16 1998-12-02 Kioritz Corp ダイカスト鋳造用中子
WO2005051136A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Bridgestone Corporation 車両用シートパッド及びその製造方法

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JPH10314891A (ja) * 1997-05-16 1998-12-02 Kioritz Corp ダイカスト鋳造用中子
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