JPH0721346U - 熱転写機 - Google Patents

熱転写機

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JPH0721346U
JPH0721346U JP5215493U JP5215493U JPH0721346U JP H0721346 U JPH0721346 U JP H0721346U JP 5215493 U JP5215493 U JP 5215493U JP 5215493 U JP5215493 U JP 5215493U JP H0721346 U JPH0721346 U JP H0721346U
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roll
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脩 丸地
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、合成樹脂製物品の転写において、転
写フィルムのしわや空気だまり、あるいは転写フィルム
の被転写物からの剥離等、転写フィルムの不完全な転写
を防止し、熱盤の耐久性を向上させることを目的とする
ものである。 【構成】本考案は、治具4が曲率が所定値以上の凹曲面
2b,3bを含む外周面2a,3aを被転写面とするよ
うな合成樹脂製物品2,3を脱着可能に支持でき、往復
駆動部8が治具4と連結し、スライドレール5に沿って
治具4を往復動させ、転写ロール21が被転写面へ転が
り接触させられ、曲率が前記所定値以上であって、凹曲
面2b,3bに適合する半径と長さに形成されており、
ヒータ22が転写ロール21に適合した形状であって転
写ロール21に熱を供給し、昇降駆動部20が転写ロー
ル21とヒータ22とを支持しながら昇降し、供給ユニ
ット25,26が転写ロール21と被転写面の間へ長尺
の転写フィルム23を供給しているものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、合成樹脂製物品の、曲率が所定値以上の凹曲面を含む外周面へ連続 的な転写を実現させうる熱転写機(ホットスタンピング機)に関するものである 。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品、エアコンキャビネット、楽器等の分野において、合成樹脂製の物 品の凹曲面の被転写面に熱転写をする場合、アップダウン式ホットスタンプ機を 用いて、被転写物を冶具に固定し、ヒータで温めた熱盤を上下に駆動して転写フ ィルム(箔)を被転写物に熱転写していた。熱盤は、アルミ製の盤の表面にシリ コンラバー等をはりつけていたのであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、熱盤で転写フィルムを被転写物に何回も転写すると、熱転写の 際に熱盤から熱が逃げて、熱盤の温度が熱転写に必要な温度(約180℃)より も低くなってしまい、完全な転写が行われずに、転写されたフィルムにしわや空 気だまりが生じて、外観が悪くなったり、表面摩擦等によって転写された箔が被 転写物から剥離し易くなるといった不具合があった。かかる不具合は、合成樹脂 製物品では顕著であった。さらに、シリコンラバーに亀裂が入ったり、シリコン ラバーが盤の接着面から剥離するといった不具合もあり、耐久性に改善すべき点 があった。
【0004】 そこで、本考案は、合成樹脂製物品の転写において、転写フィルムのしわや空 気だまり、あるいは転写フィルムの被転写物からの剥離等、転写フィルムの不完 全な転写を防止し、熱盤の耐久性を向上させることを目的とするものである。
【0005】 本考案は、曲率が所定値以上の凹曲面を含む外周面を被転写面とするような合 成樹脂製物品を脱着可能に支持できる治具と、該治具と連結し、スライドレール に沿って前記治具の脱着と往復動とをさせる駆動部と、前記被転写面へ転がり接 触させられる、曲率が前記所定値以上であって、前記凹曲面に適合する半径と長 さに形成された転写ロールと、該転写ロールに適合した形状であって前記転写ロ ールに熱を供給するヒータと、前記転写ロールとヒータとを支持しながら昇降す る昇降駆動部と、前記転写ロールと被転写面の間へ長尺の転写フィルムを供給す る供給ユニットとが備えられた熱転写機を要旨としている。
【0006】 また、本考案は、前記治具が、前記合成樹脂製物品を着脱可能に固定できる脱 着部と、前記スライドレール上に固設され、前記脱着部を受け入れて前記凹曲面 を表面に露出させるよう形成された収納部とからなり、前記駆動部が脱着部をス ライドレールに沿って前進させて前記収納部に押し込み、さらに、前記脱着部と 収納部とを前進させて、前記転写ロールによる転写をするように構成しても良い 。
【0007】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1と図2は、本実施例の 熱転写機1の全体の概略図であり、熱転写機1は、図9に示すような、ピアノの 鍵盤の両側に固定される一対のプラスチック製部品である腕木2,3の上表面2 a,3aに木目模様を熱転写することを目的とするものである。図9の腕木2, 3は、互いに、左右対称となっており、その上表面2a,3aは、凹曲面2b, 3bと斜面2c,3cで構成されており、凹曲面2b,3bの曲率半径が3セン チ(本実施例の適用範囲は略2センチから5センチ)である。また、側面は、凸 曲面2d,3dで構成されており、曲率半径の大きいローラを備えた、他の汎用 性転写機で転写が行われる。
【0008】 図3(a)(b),図4(a)(b)に示す治具4は、脱着部4aと収納部4 bとから構成されており、腕木2,3に適合した形状に形成されて、腕木2,3 を脱着可能に支持できるようになっており、スライドレール5の左端部に設けら れている。スライドレール5は、図示せぬ空圧シリンダによって、基台6上に固 定された基盤7上を左右に移動可能になっている。金属製の脱着部4aは、左右 対称部品である腕木2,3を傾斜状態で着脱可能に固定できるものであり、収納 部4bは、スライドレール5上に固設され、脱着部4aを受け入れて上表面2a ,3aを表面に一定距離、露出させるものである。脱着部4aの左端部は、空圧 シリンダ8に接続されており、脱着部4aが、収納部4bとスライドレール5に 対して相対的に往復動可能となっている。脱着部4aは、一定間隔を置いて立設 された板40a,40bがスライドレール5の進行方向に沿って平行に配置され 、その板40a,40bの上端部にぞれぞれ接続された型41a,41bが固着 されている。その型41a,41bは、上表面2a,3aに適合した形状となっ ており、腕木2,3を脱着部4aに載せたときに、嵌合できるようになっている ものである。また、板40a,40bの両側には、一対のローラ42aないし4 2dが設けられており、一対の案内レール43a,43b上をころがって、脱着 部4aの往復動を円滑化している。収納部4bは脱着部4aを受け入れることが できるような形状となっており、4本の柱44aないし44dが四隅に立設され ており、前後に二枚の傾斜板45a,45bが設けられ、柱44aないし44d と傾斜板45a,45bとを3本の梁46aないし46cで接続しており、脱着 部4aが収納部4bの内部空隙に入り込むことができるようになっている。その 梁46aないし46cの上表面は腕木2,3の上表面2a,3aと同様な形状と なっており、略水平に配置され、その長手方向が、スライドレール5の進行方向 に沿って平行に配置され、後述の転写ロールを支持できるようになっている。ま た、収納部4bの前端部には、ストッパ板47が設けられており、脱着部4aの 止め板の役目を果たしている。空圧シリンダ8はスイッチ8aにより駆動できる ようになっており、スイッチ8aを前進位置にすると、空気圧により、腕木2, 3を載せた脱着部4aを前進させて収納部4bに押し込み、さらに、脱着部4a と収納部4bとを一体的に前進させて、後述の転写をするように構成されている 。スライドレール5の左端には、ドッグ9,10,11が設けられており、基盤 7の中央部には、これらにそれぞれ感応するリミットスイッチ12,13,14 が設けられている。スライドレール5が前進して、ドッグ9をリミットスイッチ 12が検知すると、原点を検出し、ドッグ10をリミットスイッチ13が検知す ると、転写ロールユニット20が下降を開始し、ドッグ11をリミットスイッチ 14が検知すると、転写を終了して、復帰するようになっている。
【0009】 図5の転写ロールユニット20は、上表面2a,3aと転がり接触する転写ロ ール21を有しており、その局部加熱を防止するためスライドレール5の助走時 は図示せぬモータにより強制的に回転するようになっており、転写時はクラッチ でその回転を遮断して自由回転できるようになっている。転写ロールユニット2 0は、図6に示すように、転写ロール21の上部に近接配置された、複数の加熱 用の遠赤外線ヒータユニット22を備えている。遠赤外線ヒータユニット22は 、ハウジング22aと、ハウジング22a内に配設された3本の遠赤外線ヒータ 22b,22c,22dとを備えている。転写ロール21に接触するように配置 される図示せぬ温度検出センサからの出力信号に基づいて遠赤外線ヒータ22b ,22c,22dの発熱量が自動制御されて、転写ロール21の表面の温度が1 80℃に自動制御されている。
【0010】 図1と図2に示すように、腕木2,3の上表面2a,3aと転写ロール21と の間へ長尺の木目調の転写フィルム23(日本写真印刷社のJ6909−E,大 日本印刷社,グランドローズ)を供給するための繰り出し部24と、転写フィル ム23を巻き取るための巻き取り部25とが設けられている。巻き取り部25と 繰り出し部24は、転写フィルム23を巻き取る巻き取りローラと、転写フィル ム23を案内する案内ローラと、これら巻き取りローラと案内ローラとを連結す る連結機構とからなっている。また図示せぬ剥離装置がスライドして、転写によ り上表面に密着された転写フィルム23を上表面2a,3aから自動的に剥離で きるようになっている。
【0011】 治具4で固定された腕木2,3の上表面2a,3aに転写ロール21を一定圧 力で押しつけるための転写圧力制御部(油圧弁による油圧サーボ機構)と、転写 速度を設定速度に制御する転写速度制御部とを備えるとともに、各部の制御を行 う制御盤26が設けられている。
【0012】 図7の転写ロール21は、図8の金属製の円柱軸21aの中心部にシリコンゴ ム製の円筒21bを接着したものである。円筒21bは、凹曲面2b,3bの曲 率半径が3センチであるのに対応して、半径が3センチとなっている。汎用製の 他の機械のローラでは、8センチ、10センチ、12.5センチのものであり、 凹曲面2a,3bの曲率半径より大きく、不完全な転写となる。図8の円柱軸2 1aの一端には、雌ねじ21cが、他端には、雄ねじ21dが設けられており、 転写ロールユニット20からの脱着が可能となっており、転写ロール21の半径 を変更できるようになっている。
【0013】 次に、本実施例の動作について説明する。制御盤26の図示せぬスイッチを入 れると、転写ロール21上部に近接配置された、複数の加熱用の遠赤外線ヒータ 22b,22c,22dの加熱が開始され、図示せぬモータにより、転写ロール 21は、強制的に回転されて、局部加熱が防止され、180℃の一定温度に保持 される。次に、左右対称部品である一対の腕木2,3を金属製の脱着部4aに取 り付ける。図3(a),図4(a)の位置から、空圧シリンダ8のスイッチ8a を前進位置にし、空圧シリンダ8で脱着部4aを前進させて図3(b),図4( b)のような位置に収納部4bに押し込み、次に脱着部4aと収納部4bとを一 体的に前進させ助走させる。ドッグ9をリミットスイッチ12が検知すると、原 点を検出し、ドッグ10をリミットスイッチ13が検知すると、転写ロールユニ ット20が下降を開始するとともに、クラッチによって、転写ロール21の強制 回転が遮断されて、自由回転できるようになり、転写ロール21は、最初に斜面 2c,3cと転がり接触するようになる。繰り出し部24と巻き取り部25とに よって、腕木2,3の上表面2a,3aと転写ロール21との間へ、長尺の木目 調の転写フィルム23が連続的に供給される。転写中は、転写圧力制御部によっ て、治具4で固定された腕木2,3の上表面2a,3aに転写ロール21を一定 圧力で押しつけ、転写速度制御部によって、転写速度を設定速度に制御するので ある。このようにして、斜面2c,3cに対する転写に続き、転写ロール21は 、凹曲面2b,3bと転がり接触を行うようになる。凹曲面2b,3bとの転が り接触が終わると、転写フィルム23の内の腕木2,3の上表面に対応する部分 だけが転写されることとなる。ドッグ11をリミットスイッチ14が検知すると 、転写を終了して、復帰するようになっている。そのとき、図示せぬヘラ状の剥 離装置がスライドして、転写フィルム23を上表面2a,3aから自動的に剥離 する。すなわち、転写フィルム23からは、上表面2a,3aに対応した部分が 剥離して、上表面2a,3aに転写されることとなる。そうして、助走の開始位 置迄復帰すると、脱着部4aと収納部4bとは停止する。空圧シリンダ8のスイ ッチ8aを後退位置にすると、空圧力により脱着部4aが収納部4bから抜けて 、最初の位置に戻る。そして、腕木2,3を脱着部4aから取り外し、一対の腕 木2,3の転写が完了するのである。次の腕木2,3の転写は、前記した作業を 繰り返せば良いのである。
【0014】 なお、当業者が本考案の要旨を逸脱しない範囲で本考案の構成を適宜変更しう ることは勿論であり、このような変更も技術的思想が同一であるので、本考案に 包含されるのである。
【0015】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案は、治具が曲率が所定値以上の凹曲面を含む外周 面を被転写面とするような合成樹脂製物品を脱着可能に支持でき、駆動部が治具 と連結し、スライドレールに沿って治具の脱着と往復動とをさせ、転写ロールが 被転写面へ転がり接触させられ、曲率が前記所定値以上であって、前記凹曲面に 適合する半径と長さに形成されており、ヒータが転写ロールに適合した形状であ って転写ロールに熱を供給し、昇降駆動部が転写ロールとヒータとを支持しなが ら昇降し、供給ユニットが転写ロールと被転写面の間へ長尺の転写フィルムを供 給している。したがって、凹曲面を転写ロールが確実に押圧するので、転写フィ ルムのエアー溜まり、転写しわ、凹曲面からの転写フィルムの剥離が防止される 。特に、テープ密着試験によれば、従来の合成樹脂製物品の熱転写においては、 11%ないし34%の剥離率であるが、本考案によれば、合成樹脂製物品からの 転写フィルムの剥離が全く無くなっており、工業的利用価値は大きい。また、転 写ローラを採用しているので、転写ローラの耐久性が向上する。
【0016】 また治具が、合成樹脂製物品を着脱可能に固定できる脱着部と、スライドレー ル上に固設され、脱着部を受け入れて凹曲面を含む上表面に露出させるよう形成 された収納部とからなり、駆動部が脱着部をスライドレールに沿って前進させて 収納部に押し込み、さらに、脱着部と収納部とを前進させて、転写ロールによる 転写をするように構成されている。したがって、合成樹脂製物品の脱着が容易で あり、また、収納部の表面でも、転写ロールの圧力を支持することができるので 、合成樹脂製物品の表面に安定した転写ロール圧力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の全体の正面図である。
【図2】 本実施例の全体の右側面図である。
【図3】 (a)は、本実施例の合体前の治具付近の正
面図であり、(b)は、本実施例の合体後の治具付近の
正面図である。
【図4】 (a)は、本実施例の合体前の治具付近の平
面図、(b)は、本実施例の合体後の治具付近の平面図
である。
【図5】 本実施例の転写ロールユニット付近の右側面
図である。
【図6】 本実施例のヒータの斜視図である。
【図7】 本実施例の転写ローラの斜視図である。
【図8】 本実施例の転写ローラの円柱軸の正面および
右側面図である。
【図9】 本実施例の一対の腕木の斜視図である。
【符号の説明】
1 熱転写機 2,3 腕木 2a,3a 上表面 2b,3b 凹曲面 2c,3c 斜面 2d,3d 凸曲面 4 治具 4a 脱着部 4b 収納部 5 レール 8 空圧シリンダ 9,10,11 ドッグ 12,13,14 リミットスイッチ 20 転写ロールユニット 21 転写ロール 21a 円柱軸 21b 円筒 22 ヒータ 23 転写フィルム 24 繰り出し部 25 巻き取り部 26 制御盤

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲率が所定値以上の凹曲面を含む外周面
    を被転写面とするような合成樹脂製物品を脱着可能に支
    持できる治具と、 該治具と連結し、スライドレールに沿って前記治具の脱
    着と往復動とをさせる駆動部と、 前記被転写面へ転がり接触させられる、曲率が前記所定
    値以上であって、前記凹曲面に適合する半径と長さに形
    成された転写ロールと、 該転写ロールに適合した形状であって前記転写ロールに
    熱を供給するヒータと、 前記転写ロールとヒータとを支持しながら昇降する昇降
    駆動部と、 前記転写ロールと被転写面の間へ長尺の転写フィルムを
    供給する供給ユニットとが備えられた熱転写機。
  2. 【請求項2】 前記治具が、前記合成樹脂製物品を着脱
    可能に固定できる脱着部と、前記スライドレール上に固
    設され、前記脱着部を受け入れて前記凹曲面を表面に露
    出させるよう形成された収納部とからなり、前記往復駆
    動部が脱着部をスライドレールに沿って前進させて前記
    収納部に押し込み、さらに、前記脱着部と収納部とを前
    進させて、前記転写ロールによる転写をするように構成
    されていることを特徴とする熱転写機。
JP1993052154U 1993-09-27 1993-09-27 熱転写機 Expired - Lifetime JP2515288Y2 (ja)

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